俺の名前は風魔清彦。県立日の丸高校の二年生で忍者同好会の会長をやっている。
俺の一族は代々忍者の家系で、じいちゃんは興味を持った俺に様々な忍びの技を教えてくれた。
技を身につけるのは大変だったが、じいちゃん曰わく俺はかなりの才能を持っていたらしい。
高校生になる頃にはじいちゃんの知る全ての術を俺は身につけていた。
『覚えた技、世のため人のために役立てるんじゃ』
じいちゃんは亡くなる間際俺にこう言い残し、それを受けて俺は学校に忍者部をつくった。
自分の知る忍術を世に広め、使ってもらうために。
しかし忍者の鍛錬は、普通の人には相当きついものだったらしい。
興味本位で部に入った人は多かったが、日が経つ事に人数は減り、今では俺を含めて部員はたった二人にまで落ち込んだ。
人数不足で部は成立しなくなり、予算のもらえない同好会としての活動を余儀なくされた。
最近の部の活動は期末試験の問題用紙の入手(最近の問題用紙は電子化されて複製しやすくなった)や、
女子更衣室への隠しカメラの設置などの、生徒から持ち込まれた依頼を後輩と二人で細々とこなしている。
ううむ、全然世の中の役に立っていないような気がする。
■■■
期末試験の最終日、幼なじみの姉妹、双葉と若葉ちゃんがやって来た。
双葉と若葉ちゃんはこの学校の体操部のエースだ。だが二人は極端なサボリ魔で、いつも部活の練習に出てこない。
「清彦、明日からしばらくの間、あたしたちの代わりに練習出てくんないかなあ?」
開口一番のセリフがこれだ。先日部長に呼び出されてお説教されたらしいのだが、全く懲りていない。
双葉の後ろでは妹の若葉ちゃんが申し訳なさそうな顔で、目をうるうるさせながらぺこりと俺に頭を下げる。
若葉ちゃんはいつもかわいいなあ。
彼女は真面目ながんばり屋さんなんだが、イケイケの姉に逆らえないんだ。
仕方ない。双葉のことなんかどうでもいいが他ならぬ若葉ちゃんのためだ。その依頼引き受けよう。
そんなわけで俺は後輩の敏明と一緒に数日の間、双葉と若葉ちゃんになりすまして体操部の練習に参加することになった。
翌日、俺と敏明はリハーサルのために朝早くから学校近くの裏山にある隠れ家にやって来た。
既に敏明は俺より早く隠れ家に来ており、緊張した顔つきで俺が来るのを待っていた。
彼は俺が忍者部を作ったときからの古株。
地道な努力家で多くの人が部を抜けても彼は黙々と鍛錬に励み、多くの技を会得しているベテランだ。とはいってもまだ一年生だが。
ドスン。
俺は持って来た荷物を、部屋の真ん中に置いてあるテーブルの上に乗せた。
素早く荷を解き中に入っている丸めた薄桃色のシート状のものを取り出し机の上に広げていく。
平べったい人型をしたそれは一見、首から下を覆う肌色の全身タイツのように見えた。
続けて荷物の中から女物のカツラと、それに付属している頭全体に被せる肌色のマスクを取り出し、傷つけないようにタイツの傍らに置いた。
これらは今回の『仕事』で最も重要な役目を果たすものだ。
前にも述べたが、俺はじいちゃんが知る全ての技術を教えてもらった。
体術、戦闘術、隠密術に対人交渉術などの忍者の技。もちろんその中には変装術も含まれている。
テーブルの上に置いた肌色のものは、その変装のために準備した『皮』だ。
小麦粉と片栗粉に水を入れて混ぜあわせ、麺類の生地状になったそれに俺の血を触媒として術式を込めて人型に整えたものだ。その質感は手触り、弾力ともに人肌そのものだった。
忍法『皮変化』。人の姿を象った皮をかぶり、まったくの別人になりすます忍者の変装術。
腕の立つ忍びは自分の骨格すら操作し、異性や子供の姿にも化けることができる。もちろん俺もそうだ。
ちなみに中学生の頃、俺はこの術で女の子になりすましたじいちゃんに騙され、筆おろしされてしまった黒歴史がある。
じいちゃん。あの日のことはまだちょっと恨んでるぞ。
徹夜して作り上げた皮は依頼人である双葉と若葉ちゃんの姿をほぼ完璧に再現してあった。
依頼を受けたあと彼女たちに協力してもらい、体の寸法を計らせて貰ったからだ。
あの時水着姿で顔を真っ赤にした若葉ちゃんを見れたのは役得だった。かわいかったなあ若葉ちゃん。
マスクを手に取り、その中に拳を突っ込んで内側から膨らませると、マスクは眼球のない双葉の顔の形になり、垂れ下がった口が不気味に微笑んだ。
「うわ、すごいなあ」
後輩の敏明は膨らませた双葉のマスクを興味深く見つめていた。
「先輩、触ってもいいですか?」
「ああ」
続けて敏明は台の上に置かれたスーツ状の皮を恐る恐る手に取る。
双葉の体を写した皮だ。顔を真っ赤にしながら盛り上がった胸の膨らみを指でつつく。
「うわ……柔らかい。まるで本物みたいだ」
乳房の中には溶かしたラードの袋を詰め込み、本物らしい質感と手触りを持たせている。
とは言っても、まだ実物を触ったことはないんだけどね。
さて、『着替え』を始めよう。
打ち合わせ通り俺が双葉に、敏明が若葉ちゃんになりすます事になる。
俺自身は若葉ちゃんの姿に化けたかったのだが、術に不慣れな敏明からすれば体格が近い若葉ちゃんの方が化けやすく、
引っ込み思案な彼女の方が演じやすいだろうと判断したからだ。負担は少ないに越したことはない。
服を脱ぎ捨て裸になった俺は、皮の首の部分を大きく広げ、足から皮を着込んでいった。
皮はゴムのように柔軟でよく伸び、俺の全身はすんなりとその中に収まる。
しかし、ただ着ただけで終わるわけじゃない。壁際の姿見に映った俺の姿はとても見れたものじゃないからだ。
それは男が無理やり女の皮を着ただけの無様な格好だった。
胸の膨らみはあるものの、ゴツゴツとした体つきに不自然に盛り上がった股間。正直言ってあんまり直視したくはない。
この体を何とかして双葉の体型に合わせなければならない。
俺は引き締まった双葉の体つきをイメージしながら、両手で印を結び『練気』を体内に集中させた。
しばらくしてゴキン、という鈍い音と共に全身の骨が外れ俺の手足、胴体が少しずつ縮み始めた。
「(もっと、もっと小さく……)」
さらに俺が念を送ると、グググ……と全身の筋肉と臓器が絞られ、俺の体はどんどん細くなり、体型は丸みを帯びていく。
肩幅は大きく狭まり、ウエストはものすごい圧迫感とともに抉れるかのように縮まる。
股間からぶら下がった男のしるしは吸い込まれるように下腹部へと収まり、筋肉の中に挟み込まれた。
「うぐっ……うう……」
振り向くと俺と同じように若葉ちゃんの皮をかぶった敏明が、印を結んだまま苦しそうな顔をして呻いているのが見えた。
まだ術に慣れていないせいか、腹の中で『袋』が圧迫されて苦しいのだろう。
頑張れ敏明。棒と袋を完全に収めてしまえば痛みは収まる。
やがて骨と肉の変化が収まり、俺は押しつぶされそうな圧迫感から解放された。
テーブルの上にある双葉のマスクに手を伸ばし、入り口を広げながらスッポリと頭にかぶせ、
グイグイとマスクを引っ張って顔に馴染ませて目と鼻、口の位置を合わせると、
クシャクシャだったマスクは精悍な少女の顔つきを整えていった。
あとは双葉の目の虹彩を写し取ったカラーコンタクトを付け、変装は完成。
やった、出来たぞ。
向かい合った鏡に映った偽物の双葉に、俺は微笑みかけた。
同時に鏡の中の彼女もこちらに向かってニコリと笑みを返す。本物と寸分の違いのない、いつもの勝ち気な笑顔だ。
「あーーっ、あーーっ……。あたしは……あたしは遠藤双葉……」
昨日トレーニングを済ませた声も完璧。彼女の癖も仕草も真似るのはわけない。なんせ幼稚園から十年以上の付き合いがあるんだから。
傍らを見ると、そこには人型をした肌色の『何か』が、皺くちゃになった皮膚を内側からモゾモゾと蠢かしているのが見えた。敏明だ。
皮と肌が上手く馴染まないのか、しわがれた両手で無残にもねじくれた顔の皮膚をグイグイと引っ張り、伸ばそうとしているようだ。
ここは先輩の出番だ。
「ちょっといいか?」
彼の手をどけ、ひしゃげた顔の皮を撫でるように優しく伸ばしてやる。
するとみるみるうちに皮は敏明の肌に密着し、怪物のようだった彼の顔は、皺一つない少女の顔へと変貌していった。
続けて俺の手は不細工なままの敏明の体につるりと触れた。
魔法にかかったかのように、ダブダブだった彼の体はその形を整えていく。
触れた胴体には大きすぎず、小さすぎない二つの胸の膨らみが作られ、
押された腰の肉がキュッと絞られ、引き締まった括れが出来上がる。
弛んだ両脚の皮は逞しくも愛らしい、お尻から太ももへの曲線を作り上げる。そして……、
「よし、出来たぞ」
全ての作業を終えると、俺の目の前には生まれたままの姿をした若葉ちゃんが、困ったような顔をして床の上にぺたんと座り込んでいた。
さて、いつまでも裸のままでは本人達に悪い。
俺たちはそれぞれ荷物の中から双葉たちに百円ショップで買って来て貰った下着と、新品のレオタードを取り出し身に纏った。
ぴっちりとした生地が俺の体を包み込む。伸縮する素材の適度な締めつけがなんだか心地良い。
では演技の練習を始めよう。俺は直立した姿勢から大きく脚を広げながらゆっくりと腰を落とし、股割りの体勢をとった。
いい感じだ。何の違和感もない。この姿になっても体の柔軟さは全く損なわれていない。
次は立ち上がって助走をつけ、地面に手をつき側転からバク転。それから床を蹴って飛び上がり空中で二回転。ひねりを加えて華麗にスタッと床に着地。
縮めた体で運動するのにはいろいろ不都合があると思っていたが、何の問題もなく体は動いた。
上出来だ。鏡の中でピタッとポーズを決める『双葉』のレオタード姿に、ついつい見とれてしまう。
改めて見てみると、双葉ってスタイル良いんだよなあ。でもやっぱり俺は若葉ちゃんの初々しい体型が一番好きだ。
そういえばうちの『若葉ちゃん』はどうしているかな?
お尻の食い込みを直しながら後ろを振り返ると、青いレオタードに身を包んだ若葉ちゃんが、
泣きそうな顔をして両手で股間を覆いながら、地面に座り込んでうんうんと呻いていた。
「どうした?」
俺は敏明のところに屈みこんだ。
「す、すいません先輩……」
彼は一瞬俺の方を見てからすぐに目を逸らした。その姿も声も、完璧に若葉ちゃんのそれになっている。
変装は完璧だ、たった一つの場所を除いて。恥ずかしそうな様子で敏明は股間から手をどける。
「先輩のこと見てたら……その……大きくなっちゃって……」
そこには女の子にあるまじき、巨大な膨らみがあった。中からはみ出した一物が、股の部分の生地を大きく持ち上げている。
敏明の棒は、完全に体の中には収まっていなかったらしい。
彼は双葉のことを好いている。レオタード姿の双葉に化けた俺を見ているうちに、大事な部分が勃ってしまったのだろう。
原因は俺だ。彼の皮を仕上げてやった時に、モノが完全に収まっているか見てやるべきだった。
棒がしっかり中の筋肉で固定されていれば、中で勃起しても外にはみ出すことはない。
しかし今、勃ったままのそれを体に収めるのはかなり難儀なことだ。
なんとかしてやらんといかんなぁ。
敏明の股の布地をずらしてモノを露出させると、巨大な肉の塊が何の支えもなく、ピサの斜塔のように斜めに持ち上がった。
「(ま、負けた……)」
奴の一物はものすごく大きかった。背丈は小さいのにモノだけは明らかに俺のより大きい。これを収めるのは難事だ。
しかし何故か悔しさは感じられない。その代わりそれを見ているうちに自分の下腹のあたりが妙に疼いてくるのを感じる。
これは皮の感覚だ。
完璧な変装ををするために、俺が被っている皮は、女の子の大事な部分も作りこんである。
姿形だけではなく、女としてエッチなことも出来るようにしてあるんだ。
とはいえ本物の双葉の大事な部分を見たわけではないので、ここの作りは本物とは異なっている
(見せてくれと冗談交じりに双葉に言ったら思いっきり蹴られた。乱暴娘め)。
まだ女性経験のない現役童貞の俺は(じいちゃんはノーカウントだ)、ネットの映像や愛用のオナホール『淫魔』を参考にエッチが出来る部分を作り上げた。
皮は込められた術式によって女の感覚をもち、それがシンクロさせた俺の意識に伝わってきているんだ。
敏明のものを見たことで女の子モードのスイッチが入ってしまったのだろう。俺はそそり立ったそいつを無性に自分の中に入れたくなってしまった。
腹に力を込めると中でプチっと音がして仕込んだローションの袋が破れ、溢れ出した粘つく液体が俺の中を濡らしていく。
少しくらい遊んでもいいだろう。俺は敏明の体を床の上に押し倒した。
「うわわっ……!! せ、先輩!! 何を……!?」
敏明は突然の事態に戸惑い、おびえる少女の顔で叫んだ。
その顔を見て俺は一瞬躊躇した。本物じゃないとはいえ、若葉ちゃんを汚すことに後ろめたさを感じたからだ。
しかしその考えは押し寄せる欲望に一蹴された。耳元で悪魔がささやく。
あれは本物の若葉ちゃんじゃない。あれは偽者、中身は敏明なんだ。だったらいくら汚したっていいじゃないか?
レオタードのクロッチを下着ごとずらして俺は自分の局部を露出させ、腰を落としてむき出しの敏明の棒の先に押し当てた。
股から溢れたローションが、彼の先っちょを湿らせていく。
「だ、駄目です先輩!! 男同士でそんなこと……むぅんっ!!」
唇を重ね、舌を絡めて相手の抗議を封じたあと、彼の耳元に双葉の声で囁く。
「今のあたしは女の子だよ。だったら……いいでしょ? それにいつまでも勃ったままじゃ練習も出来ないし。だから……」
片手で敏明の竿を支え、ゆっくりと腰を沈める。硬い巨根が俺の秘所を掻き分け、ズブズブと肉壁を擦りながら中へと侵入していく。
「あぁんっ……だからぁっ……」
ぞわぞわとした感覚が下腹部から背骨に伝わる。頭が痺れるような快感に思わず喘いでしまう。
こつん、と音がして敏明の先っちょが胎の奥に到達。新たな感覚に思わず上体がのけぞる。
「はぁ……はぁ……」
呼吸を整えて気持ちを落ち着かせ、俺は羞恥にあえぐ敏明に微笑みかける。
「だから敏明クンのおちんちん、あたしがいーっぱいヌいてあげるねっ」
巨根を下の口でくわえ込んだまま、俺はゆっくりと体を上下に揺さぶっていった。
「はぁっ……はぁっ……あふぅんっ!!」
敏明の体の上に跨ったまま、俺は体の中を満たす快感を愉しんでいた。
体を沈めこむたびに、敏明の巨根は俺の体奥をググッと突き上げ、
体を持ち上げるたびに巨根の括れが中の襞に引っかかり、経験したことのない感覚に俺は悶え、さらに興奮する。
「う!! うああっ……!! せ、先輩の中っ!! 僕に吸い付いて……はわっ!!」
敏明も最初は嫌がっていたが、やがて与えられた快楽に酔いしれ、更なるものを得ようと自分から体を動かし始めた。
俺はそれに応えて彼の動きに身を任せ、すぐには果てぬように動きを抑えつつねっとりと行為を愉しむ。
もっとだ……モットキモチヨクナリタイ……。
俺の腰に回されていた敏明の手を取り、自分の胸へと持ち上げる。
「敏明クン、あたしのおっぱい……触って欲しいな……」
「あっ……はい……」
小さな女の子の手のひらが俺の乳房を掴み、優しく揉み始めた。
胸と胎、二つの場所を同時に刺激され、狂おしい程の快楽が俺の全身を駆け巡る。
「あッはぁッッ……!! おっぱいももおなかの中も……キモチイイよぉ……」
「うっ……くっ……!! 先輩のおっぱい柔らかいですっ……あぅ……」
やがて、奥を突き上げる敏明の動きが激しくなってきた。果てが近いのか彼の少し苦しそうに息を喘がせる。
「うう……先輩……。僕もう出しちゃいそうです。ぬ、抜いても……いいですか?」
「そっ、外は駄目だよっ!! ちゃんとあたしの中……中で出してっ!!」
思わず俺は絶叫した。一度行為を始めた以上最後まで、彼の精を中で受け止めるまでやっておきたい。
「え!? でも……」
俺の剣幕に敏明は戸惑う。
「部屋も衣装も汚したくないのっ……。だから中にィッ!!……中にちょうだいっ!!」
言ってることの半分は本当だ。後の掃除を考えると中出ししてもらったほうが良い。
だが俺自身は残り半分の理由、果てへの欲求をこらえきれずに一気にラストスパートに入っていた。
肉襞でコリコリとカリを擦るように、早く小刻みに体を動かす。敏明の巨根が中で一瞬、大きく膨れ上がった。
それと同時に俺の中でたぎっていた高まりが、限界を超えて一気にバーストする。
そして……。
「あああ!! イくっ……!! あたし……イっちゃうよぉっ……!!」
「うああっ先輩っ!! 僕もう駄目ですーっ!!」
俺と敏明は一緒に、達した。
男の射精とは違う、初めて感じる津波のような快感が、俺の意識を何度も洗い流すように押し寄せてくる。
胎の奥で、何か温かいものが湧き出してくるのが分かる。敏明の精が俺の中を満たしているのだ。
「あぁ……はぁぁ……出てる……。敏明クンの精子……まだ出てるよぅ……」
しばらくの間、絶頂の興奮と事後の余韻に俺は動くことが出来なかった。
「はぁ……はぁ……」
数分の時が経ち、俺は呼吸を整えて絶頂の興奮からようやく落ち着いた。
敏明も顔に汗を浮かべながら、満足そうな顔で息づいていた。
「うふっ……」
俺は敏明に、双葉の笑顔で微笑みかける。
「どうだった敏明クン? あたしとの初体験は。気持ち……よかったカナ?」
「あ……はい……」
賢者モードに入って少し後ろめたい気分になったのか、彼は気弱そうにうなずき、俺から目を逸らした。
「あたしはすっごくキモチ良かったよ。敏明クンのおチンチンすごくカタくて……大きくて……うふふ……。
敏明クンが出した温かいのが、子宮にまで届いてるの……分かるよ……。
あたしとキミの赤ちゃん…………出来ちゃったかも……?」
「えっ? ……ええっ!?」
途端に敏明の顔色が、赤色から真っ青になって凍りつく。
「くすっ……冗談よ」
そりゃそうだ。そこまで皮は万能じゃない。作り物の子宮にいくら中出ししようが子供なんて出来っこない。
さて、その一方で、俺の中にある彼の一物は一度出したにも関わらずまだ大きいままだった。
「あんっ……敏明クンのおチンチン、あれだけ出したばっかりなのにまだ……カタいままだね?
あれだけ出したのにまだ出したりないのかしら? ひょっとして、本当にあたしを妊娠させたい?」
敏明を覆う若葉ちゃんの顔が、青色から茹でダコのように真っ赤な色に再び反転。
こいつを収めるには、まだまだ刺激が足りないらしい。仕方がない、先輩として最後まで付き合ってやることにしよう。
「だったら、もっと念入りにヌいておいてあげないとね。じゃあ2ラウンド目始めよっか」
「は、はわーっ!!」
その後彼のナニが収まるまで、抜かずに3ラウンド俺たちは絡み合い、男女の営みを愉しみ合った。
■■■
それから数日間、俺たち2人は双葉と若葉ちゃんになりすまして体操部の練習に参加した。
結果は上々だった。部員の女の子に正体がバレることはなく、俺たちは無事に依頼を果たした。
ただ練習中、体操部の部長からは「いつもより動きが硬い。さぼりすぎだ」と再三指導を受けることになった。
2人の演技は完璧に覚えたつもりだったがさすがは部長、部員のことをよく見ている。
俺たちは注意されるたびに、内心バレていないかヒヤヒヤしていた。
それ以外は特に問題はなく、練習の後は部員達と一緒に着替え、遊び、あまつさえ家まで泊まりに行ったりもした。
女の子同士で遊べたのは役得だった。しかしウチの体操部の女の子達って、技も外見もレベル高いよなぁ。
ちなみにその後の敏明は、若葉ちゃんに化けていた時の癖が抜け切らないようで、度々双葉のことを『お姉ちゃん』と呼び間違えていた。
双葉からの依頼をこなしてから数日、学校は試験休みから冬休みに入っていた。
手っ取り早く宿題を済ませた後、俺と敏明は美少女メイドの姿に扮し、年が暮れる前に街を騒がすDQN共の大掃除をした。
吠え面かいて、我先にと逃げ出す馬鹿共を見届けるのは愉快だった。まあ、これも世のため人のための些細なご奉仕だ。
そして静かな年明けを迎えた後俺は1人で山に篭り、皮変化の術に更に磨きをかけていった。
気に入った学校の女子の写真や漫画雑誌のグラビアをもとに、何枚、何十枚もの女体皮を作り、それを着込んで鍛錬を続けた。
どのような顔も、体格も、声も、そして仕草も完璧に装い、演じられるように。
究極的には体臭も偽って、犬の嗅覚も欺く究極の変装術を完成させるつもりだ。
また修行の中で、俺は全く新しい独自の忍法を編み出した。
抜け殻の皮の中に血を与え、新たな術式を込めてかりそめの生命を与える。
すると皮は見る見るうちに人の姿に膨らみ、自分の思う通りに動かすことが出来るのだ。
名付けて忍法『皮傀儡』。皮を使った分身を作り出す技だ。
最初は動かせる時間も短く、あまり激しい運動をさせることは出来なかったが、
何度も試行錯誤を続けるうちに傀儡の活動時間は伸び、運動能力も上がっていった。
もちろん、大事な部分も作りこんであるのでエッチなこともバッチリだ。
誰も見ていないのをいいことに、俺は傀儡の女の子達と思いっきりヤりまくった。
■■■
冬休みが終わり、山篭りから帰ってきた俺は早速新しい術を敏明に披露することにした。
先回りして隠れ家に入り、仕込みを終えた後カバンの中から若葉ちゃんの皮を二枚取り出す。
一枚目に俺の血を与え、かりそめの生命を吹き込む。
するとムクムクと皮は人の形になって起き上がり、若葉ちゃんの姿をした傀儡が完成した。
そして服を脱ぎ捨てて二枚目の首を広げ、自分の体を皮の中に収める。練気を集中させ、俺の肉体は皮に合わせて圧縮されていく。
若葉ちゃんの背丈は姉の双葉よりもかなり小さい。縮んでいく体の節々が軋むような悲鳴をあげる。
「うむむむ…………」
はっきり言って、これはめちゃくちゃつらい。
しかしここから先の楽しみを思えば、この苦難もどうということはない。縮んだ体に皮を馴染ませ、俺は若葉ちゃんの姿へと変化を済ませた。
裸のまま俺は傀儡を床に寝かせて、互いの指先と舌で、互いの秘部をまさぐった。
そこが良い具合にトロトロにほぐれたところで、互いの花びらをくっつけ、ゆっくりと体を前後に動かす。
いやらしい音をたてて蕾と蕾が擦れ合い、溢れた蜜が二人の肌を濡らした。
「「あっ……!! ああんッ……!! ふぁうッ……!!」」
貝合わせして激しく乱れあう同じ顔、同じ声の少女と少女。
傀儡の舌先が俺の胸の先端をチロチロと愛撫し、俺の欲望をさらに激しく掻き立てる。
欲望は行為の中で熱い快楽へと昇華し、少女となった俺の肉体をとろけさせる。
「あはぁ……!! 若葉ちゃあんっ!! もっとぉ……」
敏明を待つ間、俺は若葉ちゃん同士の百合百合プレイをたっぷりと堪能した。
そして、数十分後敏明がやってきた。彼は丁寧にノックしてからガチャリとドアを開ける。
「失礼しまーす……え!?」
扉を開けた彼が見たものは、素っ裸で痴態を繰り広げる2人の少女だ。
一度擬似的なエッチの経験はあるものの、まだ女にウブな敏明の顔面はたちまち凍りつく。
「わ、若葉ちゃん!! 若葉ちゃんが……2人いて!?……あの……その……」
たちまち顔を真っ赤にして、彼は『俺たち』から目を背ける。
その隙をついて部屋の角に隠れていた三体の影が、敏明に向かって一気に襲い掛かった。
それはメイド、バニーガール、ナースの衣装をきたとびきりの美少女達だ。
彼女らの正体は、俺があらかじめ仕込んでおいた傀儡。モデルは漫画雑誌のグラビアでおなじみの女の子達である。
「な、何だ!? うわわっ……!!」
虚をつかれ敏明はあっという間に押し倒された。
なすすべもなく服を脱がされ、裸になった彼の上に美少女達が群がる。
「せ、先輩!! た、助けて……むぐっ……!!」
俺に助けを求めるもメイドに唇を奪われて彼は沈黙。
ナースは彼の胸板に舌を這わせ、バニーが豊満な胸の膨らみで剥き出しの巨根を挟み、擦り始める。
瞬く間に彼のものは怒張して膨れ上がり、そびえ立つ塔のようにほぼ垂直に持ち上がった。
それを見てバニーは巨根から胸を離し、立ち上がって股間の布地をクイっとずらして局部を露にすると、
敏明の上を跨ぐように屈み込み、腰を沈め下の口で巨根を飲み込んでいった。
「さあさあ敏明様…………」
「私達と一緒に…………」
「ああん!!大きいっ!! いーっぱい楽しみましょうねっ……」
「ちょww ちょっと待っ……むっ!!ん!!」
苦しいような、また嬉しそうな顔をして、塞がれた口で彼は絶叫する。
ふふふ、傀儡達のサービスはお気に召したかな敏明? 俺の新しい術、ゆっくり愉しんでいってくれ。
敏明が贅沢な4Pを愉しんでいるうちに、百合百合プレイに飽きた俺は新しい皮に術を吹き込んだ。
皮はムクムクと膨れて立ち上がり、1人の少年の姿になる。これは俺……自分自身の姿だ。
だが一つだけ俺と異なる箇所がある。それは股間の大砲。ここだけは敏明の巨根をモデルに作ってある。
傀儡のモノを愛撫して勃起させると、俺はバックの姿勢でそれを自分の胎の中へと導いていった。
「あ……ぐぅ!! 入ってくる…………」
若葉ちゃんの姿をした俺が、自分自身と激しく体を重ねあう。
ある意味入れ替わりにも似た、この行為の新鮮な興奮と快感に俺は歓喜していた。
「ハァハァ……。どう? 若葉ちゃん? 感じるかい?」
後ろの『俺』が荒く息づきながら強く腰を突き出すたびに、ぶつかりあった互いの太ももがパンパンと乾いた音をたてる。
「んああっ……!! あんっ……!! 清彦お兄さぁんっ……!! なっ、中がすごいのぉ!!」
傀儡の巨根が俺の胎を突き破らんばかりに激しく突き上げ、熱い快感の波が全身に駆け巡る。
それを感じて少女の声で息を喘がせ、肢体をガクガクと震わせながら俺は女の興奮と快楽を愉しんでいた。
「あ、あァン!! お、奥っ!! そこっ!!そこをグリグリされるのがイイのぉ!!」
若葉ちゃんのエッチな部分は、双葉のものより狭く作りこんである。だから以前より巨根と膣壁の密着が増し、快感を増幅されているのだ。
だが傀儡との行為の楽しみ方はそれだけではない。
自分の意識を傀儡のもつ擬似的な感覚とシンクロさせる。すると胎を突き上げる巨根の感覚が俺の中に入ってくる。
そう、女としての快感と男としての快感をミックスして味わえるのだ。これは究極の快感だった。
「あうう!! おまチンチンがズリュズリュしてキモチイイよぉ!!」
濡れた肉壁が巨根を締めるように絡みつき、巨根が怪物のように肉壁を激しく擦りながら蠢く。
「ああああ!! はヒィィ!! わたし壊れちゃうぅ!!」
快感のあまり俺は口を閉じることが出来ず、よだれを垂らしながら絶叫し繰り返しやってくる暴風のような刺激にただただ翻弄される。
二つの感覚は入り乱れて混ざり合い、自分が男なのか女なのか訳も分からぬ内に俺は果てへと達していた。
■■■
一度果てた後も、それに満足することなく俺と傀儡は幾度となく体を重ねあった。
俺が傀儡の上に乗って動いたり、壁に背を預けながら立ったまま貫かれたり、さまざまな姿勢で行為を愉しんだ。
幾後となく俺は女の子として絶頂を迎え、湧き立つ快感に小さな体を震わせ、その度に傀儡の体液がかりそめの子宮を満たす。
果てを迎える度にカラダの感度は高まり、絶頂の昂ぶりはさらに俺を狂わせていく。そして……。
「…………」
俺が気がついたときには、時間は既に日を通り越していた。
ぼうっとした意識をはっきりさせ、俺は体を起こす。
体には毛布が掛けられていた。風邪をひかないように傀儡達がかけておいてくれたのだろう。
それらに吹き込んだ術式は既に抜け、あたりには抜け殻となった皮が床の上に散らばっていた。
身を起こすて姿見を覗くと、汗でびっしょりになった若葉ちゃんの姿が映る。
秘部からは傀儡の自分が中で放った白濁した体液が溢れ、床へポタポタと滴り落ちている。
何故だかわからないが、それを見ているとなんだか嬉しくなって自然に顔がほころぶ。
うふふ……。清彦お兄さん。わたしの中でいっぱい出してくれたね……。
俺と傀儡の一部始終はデジタルカメラの中に動画として保存され、今後の俺のオカズとして活用するのだ。
さて、楽しい時間は終わりだ。俺は首筋に指を掛け、若葉ちゃんのマスクを引っ張った。
愛らしい若葉ちゃんの顔が引っ張られてグニャリと崩れ、ペリペリと俺の頭から剥がれ落ちる。
続けて体を覆う女体皮をキャストオフ。抜け殻になった若葉ちゃんの肉体はクシャクシャになって床へと崩れ落ちていった。
そしてボキボキと骨を戻し、絞っていた筋肉とはらわたを緩め、俺の肉体は元の男の姿へと戻った。
傍らを見ると俺と同じく毛布に包まれた敏明が、衣装を纏ったままの美少女達の抜け殻に囲まれ、幸せそうに寝息をたてている。
「起きろ、敏明」
「んにゃ……」
俺は敏明の体を揺すり、起こした。目を擦りながら寝ぼけまなこで彼は起き上がる。
楽しんだあとは後始末が待っている。精液やローションでベトベトになった皮と衣装を綺麗にしなくちゃならない。
敏明と手分けして皮と衣服を集め、汚れた床を綺麗にした後、洗濯物を持って俺たちは隠れ家を後にした。
真っ暗な夜の道を俺は敏明と2人、近場のコインランドリーを目指して歩いていた。
金はかかるが、家で洗濯すると必然的にメイドやバニーの衣装が家族の目に触れてしまう。それだけは避けたかったからだ。
あたりに照明は全くなく、舗装の剥げた道はあちこちがデコボコしていたが、夜目の利く俺たちには大した障害じゃない。
脅威があるとすれば巡回のお巡りさんだ。この状況で補導は勘弁してほしい。
互いの死角を補いながら自転車の灯火を警戒し、隠れる場所を確保しつつ慎重に前進。
しばらくすると米穀店の隣にある、24時間営業のコインランドリーの明かりが見えた。
全力で店の中へと駆け込む。しめたものだ、中には誰もいない。
荷物をひっくり返し、嫌な臭いのする皮と衣装を洗濯機の中に放り込む。
コインをいれて洗濯機を回すと俺たちは全力で店から離脱し、近くの茂みに隠れ乾燥が終わるまで待つ算段だ。
敏明を先に帰らせ、俺は茂みに隠れて今後のことを妄想していた。
忍法皮傀儡。思いのままにエッチなことが楽しめる素晴らしい忍法。
術を使ったプレイのバリエーションは思うがままだ。でも一つだけ、術では解決できないことがある。
それは衣装だ。今持っている衣装もアダルト通販サイトにあった安物。
本格的な衣装は買うのも自作するのも、金のない俺には難しいことだった。
皮を作るのにも結構な量の小麦粉と片栗粉、そして女体皮にはラードを使うので俺の財布はいつも空ッ欠だ。
今のままの同好会では学校から予算をもらうことは出来ない。何かいい手はないものか?
待てよ……そうだ、皮を使えばいい。とびきりの美女か美少女に化けて、男相手に春をひさげば金なんかいくらでも稼げる。
傀儡を使えばアブノーマルな客の要求に俺が嫌な思いをしなくて済むし、
並みの人間では不可能な、アクロバティックなサービスの提供も思いのままだ。何故気づかなかったのだろう?
モリモリとやる気が湧き上がって来た。現実に押しつぶされかけた欲が、再び俺を誘惑する。
メイド、バニーガール、ナースにレオタ。ゴスロリ、チャイナ服、テニスウェアに巫女服。シスター、RQ、魔法少女、それにくノ一。
今度はどんなプレイを愉しもうかな?
そうだ、敏明にも計画は話しておかないとな。
■■■
話の結果、敏明にも計画に協力してもらうことになった。
「はぁはぁ……せんぱい……中……キツいですっ……」
寝台の真っ白なシーツの上で、少女に扮した敏明は、俺に身体を預けながら苦しそうに息を喘がせていた。
照明の光が、汗に濡れた『少女』の肉体を淫らに照らし出す。
「何言ってるんだ、まだ始めたばかりじゃないか」
俺は更に腰を奥へと突き出す。そそり立ったエクスカリバーが、少女の秘所へと深々と突き刺さっていく。
「ああっ先輩!! 玉が痛いですっ!!」
「こらこら、女の子が『玉』とか言うな」
「あう、ごめんなさい……」
今はご覧の通り、敏明の身体の中に女の子の大事な部分を作りこんで、性技の特訓中。
俺が傀儡とのやり取りで身につけた、技を全てを教えるつもりだ。
マグロのまま、お客に出すわけにはいかんからね。やるならとことん、が俺のモットーだ。
それにしても敏明は技の飲み込みが早い。ひょっとしたら俺以上の忍者になるかも知れんなぁ。
ふふふ、この先の成長を見るのが楽しみだ。
まずは……究極の男殺しを完成させてやろうかな?(完)
俺の一族は代々忍者の家系で、じいちゃんは興味を持った俺に様々な忍びの技を教えてくれた。
技を身につけるのは大変だったが、じいちゃん曰わく俺はかなりの才能を持っていたらしい。
高校生になる頃にはじいちゃんの知る全ての術を俺は身につけていた。
『覚えた技、世のため人のために役立てるんじゃ』
じいちゃんは亡くなる間際俺にこう言い残し、それを受けて俺は学校に忍者部をつくった。
自分の知る忍術を世に広め、使ってもらうために。
しかし忍者の鍛錬は、普通の人には相当きついものだったらしい。
興味本位で部に入った人は多かったが、日が経つ事に人数は減り、今では俺を含めて部員はたった二人にまで落ち込んだ。
人数不足で部は成立しなくなり、予算のもらえない同好会としての活動を余儀なくされた。
最近の部の活動は期末試験の問題用紙の入手(最近の問題用紙は電子化されて複製しやすくなった)や、
女子更衣室への隠しカメラの設置などの、生徒から持ち込まれた依頼を後輩と二人で細々とこなしている。
ううむ、全然世の中の役に立っていないような気がする。
■■■
期末試験の最終日、幼なじみの姉妹、双葉と若葉ちゃんがやって来た。
双葉と若葉ちゃんはこの学校の体操部のエースだ。だが二人は極端なサボリ魔で、いつも部活の練習に出てこない。
「清彦、明日からしばらくの間、あたしたちの代わりに練習出てくんないかなあ?」
開口一番のセリフがこれだ。先日部長に呼び出されてお説教されたらしいのだが、全く懲りていない。
双葉の後ろでは妹の若葉ちゃんが申し訳なさそうな顔で、目をうるうるさせながらぺこりと俺に頭を下げる。
若葉ちゃんはいつもかわいいなあ。
彼女は真面目ながんばり屋さんなんだが、イケイケの姉に逆らえないんだ。
仕方ない。双葉のことなんかどうでもいいが他ならぬ若葉ちゃんのためだ。その依頼引き受けよう。
そんなわけで俺は後輩の敏明と一緒に数日の間、双葉と若葉ちゃんになりすまして体操部の練習に参加することになった。
翌日、俺と敏明はリハーサルのために朝早くから学校近くの裏山にある隠れ家にやって来た。
既に敏明は俺より早く隠れ家に来ており、緊張した顔つきで俺が来るのを待っていた。
彼は俺が忍者部を作ったときからの古株。
地道な努力家で多くの人が部を抜けても彼は黙々と鍛錬に励み、多くの技を会得しているベテランだ。とはいってもまだ一年生だが。
ドスン。
俺は持って来た荷物を、部屋の真ん中に置いてあるテーブルの上に乗せた。
素早く荷を解き中に入っている丸めた薄桃色のシート状のものを取り出し机の上に広げていく。
平べったい人型をしたそれは一見、首から下を覆う肌色の全身タイツのように見えた。
続けて荷物の中から女物のカツラと、それに付属している頭全体に被せる肌色のマスクを取り出し、傷つけないようにタイツの傍らに置いた。
これらは今回の『仕事』で最も重要な役目を果たすものだ。
前にも述べたが、俺はじいちゃんが知る全ての技術を教えてもらった。
体術、戦闘術、隠密術に対人交渉術などの忍者の技。もちろんその中には変装術も含まれている。
テーブルの上に置いた肌色のものは、その変装のために準備した『皮』だ。
小麦粉と片栗粉に水を入れて混ぜあわせ、麺類の生地状になったそれに俺の血を触媒として術式を込めて人型に整えたものだ。その質感は手触り、弾力ともに人肌そのものだった。
忍法『皮変化』。人の姿を象った皮をかぶり、まったくの別人になりすます忍者の変装術。
腕の立つ忍びは自分の骨格すら操作し、異性や子供の姿にも化けることができる。もちろん俺もそうだ。
ちなみに中学生の頃、俺はこの術で女の子になりすましたじいちゃんに騙され、筆おろしされてしまった黒歴史がある。
じいちゃん。あの日のことはまだちょっと恨んでるぞ。
徹夜して作り上げた皮は依頼人である双葉と若葉ちゃんの姿をほぼ完璧に再現してあった。
依頼を受けたあと彼女たちに協力してもらい、体の寸法を計らせて貰ったからだ。
あの時水着姿で顔を真っ赤にした若葉ちゃんを見れたのは役得だった。かわいかったなあ若葉ちゃん。
マスクを手に取り、その中に拳を突っ込んで内側から膨らませると、マスクは眼球のない双葉の顔の形になり、垂れ下がった口が不気味に微笑んだ。
「うわ、すごいなあ」
後輩の敏明は膨らませた双葉のマスクを興味深く見つめていた。
「先輩、触ってもいいですか?」
「ああ」
続けて敏明は台の上に置かれたスーツ状の皮を恐る恐る手に取る。
双葉の体を写した皮だ。顔を真っ赤にしながら盛り上がった胸の膨らみを指でつつく。
「うわ……柔らかい。まるで本物みたいだ」
乳房の中には溶かしたラードの袋を詰め込み、本物らしい質感と手触りを持たせている。
とは言っても、まだ実物を触ったことはないんだけどね。
さて、『着替え』を始めよう。
打ち合わせ通り俺が双葉に、敏明が若葉ちゃんになりすます事になる。
俺自身は若葉ちゃんの姿に化けたかったのだが、術に不慣れな敏明からすれば体格が近い若葉ちゃんの方が化けやすく、
引っ込み思案な彼女の方が演じやすいだろうと判断したからだ。負担は少ないに越したことはない。
服を脱ぎ捨て裸になった俺は、皮の首の部分を大きく広げ、足から皮を着込んでいった。
皮はゴムのように柔軟でよく伸び、俺の全身はすんなりとその中に収まる。
しかし、ただ着ただけで終わるわけじゃない。壁際の姿見に映った俺の姿はとても見れたものじゃないからだ。
それは男が無理やり女の皮を着ただけの無様な格好だった。
胸の膨らみはあるものの、ゴツゴツとした体つきに不自然に盛り上がった股間。正直言ってあんまり直視したくはない。
この体を何とかして双葉の体型に合わせなければならない。
俺は引き締まった双葉の体つきをイメージしながら、両手で印を結び『練気』を体内に集中させた。
しばらくしてゴキン、という鈍い音と共に全身の骨が外れ俺の手足、胴体が少しずつ縮み始めた。
「(もっと、もっと小さく……)」
さらに俺が念を送ると、グググ……と全身の筋肉と臓器が絞られ、俺の体はどんどん細くなり、体型は丸みを帯びていく。
肩幅は大きく狭まり、ウエストはものすごい圧迫感とともに抉れるかのように縮まる。
股間からぶら下がった男のしるしは吸い込まれるように下腹部へと収まり、筋肉の中に挟み込まれた。
「うぐっ……うう……」
振り向くと俺と同じように若葉ちゃんの皮をかぶった敏明が、印を結んだまま苦しそうな顔をして呻いているのが見えた。
まだ術に慣れていないせいか、腹の中で『袋』が圧迫されて苦しいのだろう。
頑張れ敏明。棒と袋を完全に収めてしまえば痛みは収まる。
やがて骨と肉の変化が収まり、俺は押しつぶされそうな圧迫感から解放された。
テーブルの上にある双葉のマスクに手を伸ばし、入り口を広げながらスッポリと頭にかぶせ、
グイグイとマスクを引っ張って顔に馴染ませて目と鼻、口の位置を合わせると、
クシャクシャだったマスクは精悍な少女の顔つきを整えていった。
あとは双葉の目の虹彩を写し取ったカラーコンタクトを付け、変装は完成。
やった、出来たぞ。
向かい合った鏡に映った偽物の双葉に、俺は微笑みかけた。
同時に鏡の中の彼女もこちらに向かってニコリと笑みを返す。本物と寸分の違いのない、いつもの勝ち気な笑顔だ。
「あーーっ、あーーっ……。あたしは……あたしは遠藤双葉……」
昨日トレーニングを済ませた声も完璧。彼女の癖も仕草も真似るのはわけない。なんせ幼稚園から十年以上の付き合いがあるんだから。
傍らを見ると、そこには人型をした肌色の『何か』が、皺くちゃになった皮膚を内側からモゾモゾと蠢かしているのが見えた。敏明だ。
皮と肌が上手く馴染まないのか、しわがれた両手で無残にもねじくれた顔の皮膚をグイグイと引っ張り、伸ばそうとしているようだ。
ここは先輩の出番だ。
「ちょっといいか?」
彼の手をどけ、ひしゃげた顔の皮を撫でるように優しく伸ばしてやる。
するとみるみるうちに皮は敏明の肌に密着し、怪物のようだった彼の顔は、皺一つない少女の顔へと変貌していった。
続けて俺の手は不細工なままの敏明の体につるりと触れた。
魔法にかかったかのように、ダブダブだった彼の体はその形を整えていく。
触れた胴体には大きすぎず、小さすぎない二つの胸の膨らみが作られ、
押された腰の肉がキュッと絞られ、引き締まった括れが出来上がる。
弛んだ両脚の皮は逞しくも愛らしい、お尻から太ももへの曲線を作り上げる。そして……、
「よし、出来たぞ」
全ての作業を終えると、俺の目の前には生まれたままの姿をした若葉ちゃんが、困ったような顔をして床の上にぺたんと座り込んでいた。
さて、いつまでも裸のままでは本人達に悪い。
俺たちはそれぞれ荷物の中から双葉たちに百円ショップで買って来て貰った下着と、新品のレオタードを取り出し身に纏った。
ぴっちりとした生地が俺の体を包み込む。伸縮する素材の適度な締めつけがなんだか心地良い。
では演技の練習を始めよう。俺は直立した姿勢から大きく脚を広げながらゆっくりと腰を落とし、股割りの体勢をとった。
いい感じだ。何の違和感もない。この姿になっても体の柔軟さは全く損なわれていない。
次は立ち上がって助走をつけ、地面に手をつき側転からバク転。それから床を蹴って飛び上がり空中で二回転。ひねりを加えて華麗にスタッと床に着地。
縮めた体で運動するのにはいろいろ不都合があると思っていたが、何の問題もなく体は動いた。
上出来だ。鏡の中でピタッとポーズを決める『双葉』のレオタード姿に、ついつい見とれてしまう。
改めて見てみると、双葉ってスタイル良いんだよなあ。でもやっぱり俺は若葉ちゃんの初々しい体型が一番好きだ。
そういえばうちの『若葉ちゃん』はどうしているかな?
お尻の食い込みを直しながら後ろを振り返ると、青いレオタードに身を包んだ若葉ちゃんが、
泣きそうな顔をして両手で股間を覆いながら、地面に座り込んでうんうんと呻いていた。
「どうした?」
俺は敏明のところに屈みこんだ。
「す、すいません先輩……」
彼は一瞬俺の方を見てからすぐに目を逸らした。その姿も声も、完璧に若葉ちゃんのそれになっている。
変装は完璧だ、たった一つの場所を除いて。恥ずかしそうな様子で敏明は股間から手をどける。
「先輩のこと見てたら……その……大きくなっちゃって……」
そこには女の子にあるまじき、巨大な膨らみがあった。中からはみ出した一物が、股の部分の生地を大きく持ち上げている。
敏明の棒は、完全に体の中には収まっていなかったらしい。
彼は双葉のことを好いている。レオタード姿の双葉に化けた俺を見ているうちに、大事な部分が勃ってしまったのだろう。
原因は俺だ。彼の皮を仕上げてやった時に、モノが完全に収まっているか見てやるべきだった。
棒がしっかり中の筋肉で固定されていれば、中で勃起しても外にはみ出すことはない。
しかし今、勃ったままのそれを体に収めるのはかなり難儀なことだ。
なんとかしてやらんといかんなぁ。
敏明の股の布地をずらしてモノを露出させると、巨大な肉の塊が何の支えもなく、ピサの斜塔のように斜めに持ち上がった。
「(ま、負けた……)」
奴の一物はものすごく大きかった。背丈は小さいのにモノだけは明らかに俺のより大きい。これを収めるのは難事だ。
しかし何故か悔しさは感じられない。その代わりそれを見ているうちに自分の下腹のあたりが妙に疼いてくるのを感じる。
これは皮の感覚だ。
完璧な変装ををするために、俺が被っている皮は、女の子の大事な部分も作りこんである。
姿形だけではなく、女としてエッチなことも出来るようにしてあるんだ。
とはいえ本物の双葉の大事な部分を見たわけではないので、ここの作りは本物とは異なっている
(見せてくれと冗談交じりに双葉に言ったら思いっきり蹴られた。乱暴娘め)。
まだ女性経験のない現役童貞の俺は(じいちゃんはノーカウントだ)、ネットの映像や愛用のオナホール『淫魔』を参考にエッチが出来る部分を作り上げた。
皮は込められた術式によって女の感覚をもち、それがシンクロさせた俺の意識に伝わってきているんだ。
敏明のものを見たことで女の子モードのスイッチが入ってしまったのだろう。俺はそそり立ったそいつを無性に自分の中に入れたくなってしまった。
腹に力を込めると中でプチっと音がして仕込んだローションの袋が破れ、溢れ出した粘つく液体が俺の中を濡らしていく。
少しくらい遊んでもいいだろう。俺は敏明の体を床の上に押し倒した。
「うわわっ……!! せ、先輩!! 何を……!?」
敏明は突然の事態に戸惑い、おびえる少女の顔で叫んだ。
その顔を見て俺は一瞬躊躇した。本物じゃないとはいえ、若葉ちゃんを汚すことに後ろめたさを感じたからだ。
しかしその考えは押し寄せる欲望に一蹴された。耳元で悪魔がささやく。
あれは本物の若葉ちゃんじゃない。あれは偽者、中身は敏明なんだ。だったらいくら汚したっていいじゃないか?
レオタードのクロッチを下着ごとずらして俺は自分の局部を露出させ、腰を落としてむき出しの敏明の棒の先に押し当てた。
股から溢れたローションが、彼の先っちょを湿らせていく。
「だ、駄目です先輩!! 男同士でそんなこと……むぅんっ!!」
唇を重ね、舌を絡めて相手の抗議を封じたあと、彼の耳元に双葉の声で囁く。
「今のあたしは女の子だよ。だったら……いいでしょ? それにいつまでも勃ったままじゃ練習も出来ないし。だから……」
片手で敏明の竿を支え、ゆっくりと腰を沈める。硬い巨根が俺の秘所を掻き分け、ズブズブと肉壁を擦りながら中へと侵入していく。
「あぁんっ……だからぁっ……」
ぞわぞわとした感覚が下腹部から背骨に伝わる。頭が痺れるような快感に思わず喘いでしまう。
こつん、と音がして敏明の先っちょが胎の奥に到達。新たな感覚に思わず上体がのけぞる。
「はぁ……はぁ……」
呼吸を整えて気持ちを落ち着かせ、俺は羞恥にあえぐ敏明に微笑みかける。
「だから敏明クンのおちんちん、あたしがいーっぱいヌいてあげるねっ」
巨根を下の口でくわえ込んだまま、俺はゆっくりと体を上下に揺さぶっていった。
「はぁっ……はぁっ……あふぅんっ!!」
敏明の体の上に跨ったまま、俺は体の中を満たす快感を愉しんでいた。
体を沈めこむたびに、敏明の巨根は俺の体奥をググッと突き上げ、
体を持ち上げるたびに巨根の括れが中の襞に引っかかり、経験したことのない感覚に俺は悶え、さらに興奮する。
「う!! うああっ……!! せ、先輩の中っ!! 僕に吸い付いて……はわっ!!」
敏明も最初は嫌がっていたが、やがて与えられた快楽に酔いしれ、更なるものを得ようと自分から体を動かし始めた。
俺はそれに応えて彼の動きに身を任せ、すぐには果てぬように動きを抑えつつねっとりと行為を愉しむ。
もっとだ……モットキモチヨクナリタイ……。
俺の腰に回されていた敏明の手を取り、自分の胸へと持ち上げる。
「敏明クン、あたしのおっぱい……触って欲しいな……」
「あっ……はい……」
小さな女の子の手のひらが俺の乳房を掴み、優しく揉み始めた。
胸と胎、二つの場所を同時に刺激され、狂おしい程の快楽が俺の全身を駆け巡る。
「あッはぁッッ……!! おっぱいももおなかの中も……キモチイイよぉ……」
「うっ……くっ……!! 先輩のおっぱい柔らかいですっ……あぅ……」
やがて、奥を突き上げる敏明の動きが激しくなってきた。果てが近いのか彼の少し苦しそうに息を喘がせる。
「うう……先輩……。僕もう出しちゃいそうです。ぬ、抜いても……いいですか?」
「そっ、外は駄目だよっ!! ちゃんとあたしの中……中で出してっ!!」
思わず俺は絶叫した。一度行為を始めた以上最後まで、彼の精を中で受け止めるまでやっておきたい。
「え!? でも……」
俺の剣幕に敏明は戸惑う。
「部屋も衣装も汚したくないのっ……。だから中にィッ!!……中にちょうだいっ!!」
言ってることの半分は本当だ。後の掃除を考えると中出ししてもらったほうが良い。
だが俺自身は残り半分の理由、果てへの欲求をこらえきれずに一気にラストスパートに入っていた。
肉襞でコリコリとカリを擦るように、早く小刻みに体を動かす。敏明の巨根が中で一瞬、大きく膨れ上がった。
それと同時に俺の中でたぎっていた高まりが、限界を超えて一気にバーストする。
そして……。
「あああ!! イくっ……!! あたし……イっちゃうよぉっ……!!」
「うああっ先輩っ!! 僕もう駄目ですーっ!!」
俺と敏明は一緒に、達した。
男の射精とは違う、初めて感じる津波のような快感が、俺の意識を何度も洗い流すように押し寄せてくる。
胎の奥で、何か温かいものが湧き出してくるのが分かる。敏明の精が俺の中を満たしているのだ。
「あぁ……はぁぁ……出てる……。敏明クンの精子……まだ出てるよぅ……」
しばらくの間、絶頂の興奮と事後の余韻に俺は動くことが出来なかった。
「はぁ……はぁ……」
数分の時が経ち、俺は呼吸を整えて絶頂の興奮からようやく落ち着いた。
敏明も顔に汗を浮かべながら、満足そうな顔で息づいていた。
「うふっ……」
俺は敏明に、双葉の笑顔で微笑みかける。
「どうだった敏明クン? あたしとの初体験は。気持ち……よかったカナ?」
「あ……はい……」
賢者モードに入って少し後ろめたい気分になったのか、彼は気弱そうにうなずき、俺から目を逸らした。
「あたしはすっごくキモチ良かったよ。敏明クンのおチンチンすごくカタくて……大きくて……うふふ……。
敏明クンが出した温かいのが、子宮にまで届いてるの……分かるよ……。
あたしとキミの赤ちゃん…………出来ちゃったかも……?」
「えっ? ……ええっ!?」
途端に敏明の顔色が、赤色から真っ青になって凍りつく。
「くすっ……冗談よ」
そりゃそうだ。そこまで皮は万能じゃない。作り物の子宮にいくら中出ししようが子供なんて出来っこない。
さて、その一方で、俺の中にある彼の一物は一度出したにも関わらずまだ大きいままだった。
「あんっ……敏明クンのおチンチン、あれだけ出したばっかりなのにまだ……カタいままだね?
あれだけ出したのにまだ出したりないのかしら? ひょっとして、本当にあたしを妊娠させたい?」
敏明を覆う若葉ちゃんの顔が、青色から茹でダコのように真っ赤な色に再び反転。
こいつを収めるには、まだまだ刺激が足りないらしい。仕方がない、先輩として最後まで付き合ってやることにしよう。
「だったら、もっと念入りにヌいておいてあげないとね。じゃあ2ラウンド目始めよっか」
「は、はわーっ!!」
その後彼のナニが収まるまで、抜かずに3ラウンド俺たちは絡み合い、男女の営みを愉しみ合った。
■■■
それから数日間、俺たち2人は双葉と若葉ちゃんになりすまして体操部の練習に参加した。
結果は上々だった。部員の女の子に正体がバレることはなく、俺たちは無事に依頼を果たした。
ただ練習中、体操部の部長からは「いつもより動きが硬い。さぼりすぎだ」と再三指導を受けることになった。
2人の演技は完璧に覚えたつもりだったがさすがは部長、部員のことをよく見ている。
俺たちは注意されるたびに、内心バレていないかヒヤヒヤしていた。
それ以外は特に問題はなく、練習の後は部員達と一緒に着替え、遊び、あまつさえ家まで泊まりに行ったりもした。
女の子同士で遊べたのは役得だった。しかしウチの体操部の女の子達って、技も外見もレベル高いよなぁ。
ちなみにその後の敏明は、若葉ちゃんに化けていた時の癖が抜け切らないようで、度々双葉のことを『お姉ちゃん』と呼び間違えていた。
双葉からの依頼をこなしてから数日、学校は試験休みから冬休みに入っていた。
手っ取り早く宿題を済ませた後、俺と敏明は美少女メイドの姿に扮し、年が暮れる前に街を騒がすDQN共の大掃除をした。
吠え面かいて、我先にと逃げ出す馬鹿共を見届けるのは愉快だった。まあ、これも世のため人のための些細なご奉仕だ。
そして静かな年明けを迎えた後俺は1人で山に篭り、皮変化の術に更に磨きをかけていった。
気に入った学校の女子の写真や漫画雑誌のグラビアをもとに、何枚、何十枚もの女体皮を作り、それを着込んで鍛錬を続けた。
どのような顔も、体格も、声も、そして仕草も完璧に装い、演じられるように。
究極的には体臭も偽って、犬の嗅覚も欺く究極の変装術を完成させるつもりだ。
また修行の中で、俺は全く新しい独自の忍法を編み出した。
抜け殻の皮の中に血を与え、新たな術式を込めてかりそめの生命を与える。
すると皮は見る見るうちに人の姿に膨らみ、自分の思う通りに動かすことが出来るのだ。
名付けて忍法『皮傀儡』。皮を使った分身を作り出す技だ。
最初は動かせる時間も短く、あまり激しい運動をさせることは出来なかったが、
何度も試行錯誤を続けるうちに傀儡の活動時間は伸び、運動能力も上がっていった。
もちろん、大事な部分も作りこんであるのでエッチなこともバッチリだ。
誰も見ていないのをいいことに、俺は傀儡の女の子達と思いっきりヤりまくった。
■■■
冬休みが終わり、山篭りから帰ってきた俺は早速新しい術を敏明に披露することにした。
先回りして隠れ家に入り、仕込みを終えた後カバンの中から若葉ちゃんの皮を二枚取り出す。
一枚目に俺の血を与え、かりそめの生命を吹き込む。
するとムクムクと皮は人の形になって起き上がり、若葉ちゃんの姿をした傀儡が完成した。
そして服を脱ぎ捨てて二枚目の首を広げ、自分の体を皮の中に収める。練気を集中させ、俺の肉体は皮に合わせて圧縮されていく。
若葉ちゃんの背丈は姉の双葉よりもかなり小さい。縮んでいく体の節々が軋むような悲鳴をあげる。
「うむむむ…………」
はっきり言って、これはめちゃくちゃつらい。
しかしここから先の楽しみを思えば、この苦難もどうということはない。縮んだ体に皮を馴染ませ、俺は若葉ちゃんの姿へと変化を済ませた。
裸のまま俺は傀儡を床に寝かせて、互いの指先と舌で、互いの秘部をまさぐった。
そこが良い具合にトロトロにほぐれたところで、互いの花びらをくっつけ、ゆっくりと体を前後に動かす。
いやらしい音をたてて蕾と蕾が擦れ合い、溢れた蜜が二人の肌を濡らした。
「「あっ……!! ああんッ……!! ふぁうッ……!!」」
貝合わせして激しく乱れあう同じ顔、同じ声の少女と少女。
傀儡の舌先が俺の胸の先端をチロチロと愛撫し、俺の欲望をさらに激しく掻き立てる。
欲望は行為の中で熱い快楽へと昇華し、少女となった俺の肉体をとろけさせる。
「あはぁ……!! 若葉ちゃあんっ!! もっとぉ……」
敏明を待つ間、俺は若葉ちゃん同士の百合百合プレイをたっぷりと堪能した。
そして、数十分後敏明がやってきた。彼は丁寧にノックしてからガチャリとドアを開ける。
「失礼しまーす……え!?」
扉を開けた彼が見たものは、素っ裸で痴態を繰り広げる2人の少女だ。
一度擬似的なエッチの経験はあるものの、まだ女にウブな敏明の顔面はたちまち凍りつく。
「わ、若葉ちゃん!! 若葉ちゃんが……2人いて!?……あの……その……」
たちまち顔を真っ赤にして、彼は『俺たち』から目を背ける。
その隙をついて部屋の角に隠れていた三体の影が、敏明に向かって一気に襲い掛かった。
それはメイド、バニーガール、ナースの衣装をきたとびきりの美少女達だ。
彼女らの正体は、俺があらかじめ仕込んでおいた傀儡。モデルは漫画雑誌のグラビアでおなじみの女の子達である。
「な、何だ!? うわわっ……!!」
虚をつかれ敏明はあっという間に押し倒された。
なすすべもなく服を脱がされ、裸になった彼の上に美少女達が群がる。
「せ、先輩!! た、助けて……むぐっ……!!」
俺に助けを求めるもメイドに唇を奪われて彼は沈黙。
ナースは彼の胸板に舌を這わせ、バニーが豊満な胸の膨らみで剥き出しの巨根を挟み、擦り始める。
瞬く間に彼のものは怒張して膨れ上がり、そびえ立つ塔のようにほぼ垂直に持ち上がった。
それを見てバニーは巨根から胸を離し、立ち上がって股間の布地をクイっとずらして局部を露にすると、
敏明の上を跨ぐように屈み込み、腰を沈め下の口で巨根を飲み込んでいった。
「さあさあ敏明様…………」
「私達と一緒に…………」
「ああん!!大きいっ!! いーっぱい楽しみましょうねっ……」
「ちょww ちょっと待っ……むっ!!ん!!」
苦しいような、また嬉しそうな顔をして、塞がれた口で彼は絶叫する。
ふふふ、傀儡達のサービスはお気に召したかな敏明? 俺の新しい術、ゆっくり愉しんでいってくれ。
敏明が贅沢な4Pを愉しんでいるうちに、百合百合プレイに飽きた俺は新しい皮に術を吹き込んだ。
皮はムクムクと膨れて立ち上がり、1人の少年の姿になる。これは俺……自分自身の姿だ。
だが一つだけ俺と異なる箇所がある。それは股間の大砲。ここだけは敏明の巨根をモデルに作ってある。
傀儡のモノを愛撫して勃起させると、俺はバックの姿勢でそれを自分の胎の中へと導いていった。
「あ……ぐぅ!! 入ってくる…………」
若葉ちゃんの姿をした俺が、自分自身と激しく体を重ねあう。
ある意味入れ替わりにも似た、この行為の新鮮な興奮と快感に俺は歓喜していた。
「ハァハァ……。どう? 若葉ちゃん? 感じるかい?」
後ろの『俺』が荒く息づきながら強く腰を突き出すたびに、ぶつかりあった互いの太ももがパンパンと乾いた音をたてる。
「んああっ……!! あんっ……!! 清彦お兄さぁんっ……!! なっ、中がすごいのぉ!!」
傀儡の巨根が俺の胎を突き破らんばかりに激しく突き上げ、熱い快感の波が全身に駆け巡る。
それを感じて少女の声で息を喘がせ、肢体をガクガクと震わせながら俺は女の興奮と快楽を愉しんでいた。
「あ、あァン!! お、奥っ!! そこっ!!そこをグリグリされるのがイイのぉ!!」
若葉ちゃんのエッチな部分は、双葉のものより狭く作りこんである。だから以前より巨根と膣壁の密着が増し、快感を増幅されているのだ。
だが傀儡との行為の楽しみ方はそれだけではない。
自分の意識を傀儡のもつ擬似的な感覚とシンクロさせる。すると胎を突き上げる巨根の感覚が俺の中に入ってくる。
そう、女としての快感と男としての快感をミックスして味わえるのだ。これは究極の快感だった。
「あうう!! おまチンチンがズリュズリュしてキモチイイよぉ!!」
濡れた肉壁が巨根を締めるように絡みつき、巨根が怪物のように肉壁を激しく擦りながら蠢く。
「ああああ!! はヒィィ!! わたし壊れちゃうぅ!!」
快感のあまり俺は口を閉じることが出来ず、よだれを垂らしながら絶叫し繰り返しやってくる暴風のような刺激にただただ翻弄される。
二つの感覚は入り乱れて混ざり合い、自分が男なのか女なのか訳も分からぬ内に俺は果てへと達していた。
■■■
一度果てた後も、それに満足することなく俺と傀儡は幾度となく体を重ねあった。
俺が傀儡の上に乗って動いたり、壁に背を預けながら立ったまま貫かれたり、さまざまな姿勢で行為を愉しんだ。
幾後となく俺は女の子として絶頂を迎え、湧き立つ快感に小さな体を震わせ、その度に傀儡の体液がかりそめの子宮を満たす。
果てを迎える度にカラダの感度は高まり、絶頂の昂ぶりはさらに俺を狂わせていく。そして……。
「…………」
俺が気がついたときには、時間は既に日を通り越していた。
ぼうっとした意識をはっきりさせ、俺は体を起こす。
体には毛布が掛けられていた。風邪をひかないように傀儡達がかけておいてくれたのだろう。
それらに吹き込んだ術式は既に抜け、あたりには抜け殻となった皮が床の上に散らばっていた。
身を起こすて姿見を覗くと、汗でびっしょりになった若葉ちゃんの姿が映る。
秘部からは傀儡の自分が中で放った白濁した体液が溢れ、床へポタポタと滴り落ちている。
何故だかわからないが、それを見ているとなんだか嬉しくなって自然に顔がほころぶ。
うふふ……。清彦お兄さん。わたしの中でいっぱい出してくれたね……。
俺と傀儡の一部始終はデジタルカメラの中に動画として保存され、今後の俺のオカズとして活用するのだ。
さて、楽しい時間は終わりだ。俺は首筋に指を掛け、若葉ちゃんのマスクを引っ張った。
愛らしい若葉ちゃんの顔が引っ張られてグニャリと崩れ、ペリペリと俺の頭から剥がれ落ちる。
続けて体を覆う女体皮をキャストオフ。抜け殻になった若葉ちゃんの肉体はクシャクシャになって床へと崩れ落ちていった。
そしてボキボキと骨を戻し、絞っていた筋肉とはらわたを緩め、俺の肉体は元の男の姿へと戻った。
傍らを見ると俺と同じく毛布に包まれた敏明が、衣装を纏ったままの美少女達の抜け殻に囲まれ、幸せそうに寝息をたてている。
「起きろ、敏明」
「んにゃ……」
俺は敏明の体を揺すり、起こした。目を擦りながら寝ぼけまなこで彼は起き上がる。
楽しんだあとは後始末が待っている。精液やローションでベトベトになった皮と衣装を綺麗にしなくちゃならない。
敏明と手分けして皮と衣服を集め、汚れた床を綺麗にした後、洗濯物を持って俺たちは隠れ家を後にした。
真っ暗な夜の道を俺は敏明と2人、近場のコインランドリーを目指して歩いていた。
金はかかるが、家で洗濯すると必然的にメイドやバニーの衣装が家族の目に触れてしまう。それだけは避けたかったからだ。
あたりに照明は全くなく、舗装の剥げた道はあちこちがデコボコしていたが、夜目の利く俺たちには大した障害じゃない。
脅威があるとすれば巡回のお巡りさんだ。この状況で補導は勘弁してほしい。
互いの死角を補いながら自転車の灯火を警戒し、隠れる場所を確保しつつ慎重に前進。
しばらくすると米穀店の隣にある、24時間営業のコインランドリーの明かりが見えた。
全力で店の中へと駆け込む。しめたものだ、中には誰もいない。
荷物をひっくり返し、嫌な臭いのする皮と衣装を洗濯機の中に放り込む。
コインをいれて洗濯機を回すと俺たちは全力で店から離脱し、近くの茂みに隠れ乾燥が終わるまで待つ算段だ。
敏明を先に帰らせ、俺は茂みに隠れて今後のことを妄想していた。
忍法皮傀儡。思いのままにエッチなことが楽しめる素晴らしい忍法。
術を使ったプレイのバリエーションは思うがままだ。でも一つだけ、術では解決できないことがある。
それは衣装だ。今持っている衣装もアダルト通販サイトにあった安物。
本格的な衣装は買うのも自作するのも、金のない俺には難しいことだった。
皮を作るのにも結構な量の小麦粉と片栗粉、そして女体皮にはラードを使うので俺の財布はいつも空ッ欠だ。
今のままの同好会では学校から予算をもらうことは出来ない。何かいい手はないものか?
待てよ……そうだ、皮を使えばいい。とびきりの美女か美少女に化けて、男相手に春をひさげば金なんかいくらでも稼げる。
傀儡を使えばアブノーマルな客の要求に俺が嫌な思いをしなくて済むし、
並みの人間では不可能な、アクロバティックなサービスの提供も思いのままだ。何故気づかなかったのだろう?
モリモリとやる気が湧き上がって来た。現実に押しつぶされかけた欲が、再び俺を誘惑する。
メイド、バニーガール、ナースにレオタ。ゴスロリ、チャイナ服、テニスウェアに巫女服。シスター、RQ、魔法少女、それにくノ一。
今度はどんなプレイを愉しもうかな?
そうだ、敏明にも計画は話しておかないとな。
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話の結果、敏明にも計画に協力してもらうことになった。
「はぁはぁ……せんぱい……中……キツいですっ……」
寝台の真っ白なシーツの上で、少女に扮した敏明は、俺に身体を預けながら苦しそうに息を喘がせていた。
照明の光が、汗に濡れた『少女』の肉体を淫らに照らし出す。
「何言ってるんだ、まだ始めたばかりじゃないか」
俺は更に腰を奥へと突き出す。そそり立ったエクスカリバーが、少女の秘所へと深々と突き刺さっていく。
「ああっ先輩!! 玉が痛いですっ!!」
「こらこら、女の子が『玉』とか言うな」
「あう、ごめんなさい……」
今はご覧の通り、敏明の身体の中に女の子の大事な部分を作りこんで、性技の特訓中。
俺が傀儡とのやり取りで身につけた、技を全てを教えるつもりだ。
マグロのまま、お客に出すわけにはいかんからね。やるならとことん、が俺のモットーだ。
それにしても敏明は技の飲み込みが早い。ひょっとしたら俺以上の忍者になるかも知れんなぁ。
ふふふ、この先の成長を見るのが楽しみだ。
まずは……究極の男殺しを完成させてやろうかな?(完)
皮の原材料がやけに食べ物的だなぁと思ってましたが、そんなものが基点になってたんですかwww
今回も素晴らしい作品をありがとうございます。
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