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A sweet, sweet bell rings.

2011/04/04 14:10:04
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「結婚してください」
おままごとの延長のようなプロポーズ。それでも当時の俺なりに心を決めて送った言葉だった。
「結婚してください。僕を、京ちゃんのお嫁さんにしてください」
当時の二人はまだ5歳。何か勘違いしていた俺は、そういって河原で集めた花束を贈った。
母さんが言うには微笑ましい光景だったそうだ。俺からすれば、すべての悪因がそこにある大きな勘違いだ。
「はい」
京ちゃんは微笑んでいた。当時俺に女の子だと思い違いをさせたかわいい笑顔だ。
「絶対、結婚しようね」
花束を受け取ってくれた京ちゃん。俺は無性に恥ずかしくなって、走って逃げだしてしまった。
それが俺と京ちゃんの最後の思い出。もう13年前の約束。
京ちゃんは父親の転勤について引っ越してしまい、もう会っていない。
それでも、この約束だけは俺も京ちゃんも忘れられなかった。



さわやかな朝。初夏に差し掛かろうとする最近の太陽はついに熱いくらいの熱をふりまき始めた。
エアコンが壊れた俺の部屋はサウナほどではないが暑い。たまらず窓を開ける俺。すると、
「おーい、起きろー良ちゃーん!」
窓の下で俺を呼ぶ京ちゃん。京もわざわざ起こしにきやがったようだ。
「近所迷惑だからやめろ」
冷たくい放つ俺。←現在女
プルーのキャミとホットパンツと下着だけの薄着だから他人には見せられないが相手が京ちゃんなら問題ない。
「きょうもかわいーねー!」
さらに大きな声で叫ぶ京ちゃん。
「うるさーい、早く中入れ―」
「はーい」
玄関を開く音を聞いて、俺は窓から顔を引っ込めた。それからあわてて適当なTシャツを着て一回のリビングへと急ぐ。京ちゃんとベッドのある部屋で会うわけにはいかない事情があるのだ。
できる限り急いだつもりだが遅かった。京ちゃんは一直線にこの部屋に向かってきたのだ。ガチャっとドアが開いたとき俺はようやくTシャツを着たところだった。
「お、はっけーん。りょーちゃーん!」
「ちょ、やめっ――」
肩を押されてベッドに倒れる俺とのしかかる良ちゃん。静止の一言も間に合わず、俺の弱点の首筋をなめあげられた。
「はぁぁんっ」
艶っぽい声が漏れる。突然でこらえられなかったのだ。それに寝汗を描いてることもあって、恥ずかしい。
良ちゃんはそのまま肩から耳まで達し、耳孔をじっくりとねぶっている。
いいあらわせない電流のようなゾクゾクが体中を走り抜け、
「ふぅっ…や、あぁぁ…ふぁぁん?!」
声をこらえられない俺に構うことなく、良ちゃんが服の中に手を滑り込ませた。その人差し指がすぐに先端の突起を探り当て、指で撫でたのだ。指とそれの摩擦が耳以上の快感を与え、またもはしたない声が漏れる。
「ああぁ、りょう、りょうちゃ、あっ!」
Tシャツもキャミも、それにブラもまとめて捲られた。あらわになった胸がやさしく手で包まれる。それだけで異常な心地よさがあるのにゆっくりと全体をもみ始める京ちゃん。同時に、左胸は先端をなめまわされる。
「はあぁぁっ!」
期待に敏感になった部分を焦らすように舐めまわされて、ひときわ甲高い声が漏れた。その声を聞いた京ちゃんの手がホットパンツの中に侵入し下着越しに割れ目を撫でる。
「んんんんっっっ!!」
まるで悲鳴のような声だ。もし近所の人に聞こえていたらと考えると余計に体の力が入って、快感も一層苛烈さが増した。
ふいに京ちゃんの手が止まって、
「……もしかして、聞かれてるかもしれないと思って感じちゃった?」
「あっ…やぁ、いわないでぇ」
「良ちゃんって、ほんとに変態さんだよね」
変態さん。その言葉に体中が熱くなる。
違う!これは恥ずかしいだけ、感じてるんじゃない!
そう自分に言い聞かせるものの、お構いなしに潤みはもっと満ちていく。その変化に京ちゃんが気付かないわけがないのだ。
「あは、また濡れてきてるね」
耳元でささやく声に、また電流のようなゾクゾクが走る。自分の痴態を見られているんだ、という意識がさらに興奮を高めていくのだ。
「もういいかな……ゆび、入れるよ」
すでにぬるぬるがあふれている秘所に、京ちゃんの指が潜っていく。そこは先日まで処女だったのにもかかわらずすんなりと異物を許して、俺に激しい快感をもたらした。
こうなったのも、全部京ちゃんが悪いのだ。毎日毎日、俺の部屋に侵入しては強姦まがいに押し倒して好きなように弄り回して。そのせいで俺の体はすっかり開発されてしまった。
膣奥をかき回す指の動きだって、最初は痛みの方が強かったのに。いまではただ果てしない快感を生み出して、俺をもっと淫らにさせてしまうのだ。
「あ、はぁぁ、はぁっ!ふぁあん……っ!」
感触を楽しむように奥を撫でたり突いたりと動き回っていた指が入り口まで引いていく。激しすぎる快感からの解放に安堵する反面、やめて欲しくない体は訴えていた。
気づけば京ちゃんが俺の顔を見ている。にやにやと笑いながら、俺が快感に屈服しておねだりするのを待っているのだ。
「ん、何か言いたいことでもあるのかな」
「……わかてるくせッんああ!」
僕の言葉を遮るように指がまた動き始めた。入り口の内側をこねる、俺の体を焦らす動きだ。弱すぎる刺激に体は不満を募らせるのに、指は一向に応えてくれない。
「ごめん、なにかいった?」
「…いっ…じわる……だよぉ…」
「そんなことないよ。僕は尽くすタイプ」
「……そんなっの、ウソ…」
「あれ、そういうこと言っちゃうの。じゃあこれも抜いていいよね」
「あああっ!!」
俺を言いなりにしようと指がまたゆっくりと抜かれていく。これは駆け引きだ。京ちゃんだって抜きたくないけど、欲しい言葉を引き出すために演技してるんだ。
そんな理屈はとっくにわかっている。でも、入れられる以上の快感と、抜いてほしくない本能と、言いなりにされたい俺がいる。
「……やぁっ、はぁん……か、な…で…」
「………あれ、何か言った?」
「ふぁあ、ああ…ぬかな、いでぇ」
「よくできました」
「ははぁああっぁん?!」
ぐいっと一息にに指が押し込まれた。第二関節も越えて、根本までめり込むくらい深く、暴力的なほど激しく。
そして始まるピストン運動が、俺の頭を真っ白に染め上げた。快感が、あまりに凄すぎて悲鳴が漏れそうになるのをキスでふさがれ、息苦しさがさらに愉悦に拍車をかける。
「っくぅぅんんんっっんんんんっっっぅぅぅううう!!」
あ、と声をあげそうになる。それまでとは違うと感触がした下腹部に視線を下げると、いつのまにかゴムのついた京ちゃんのソレが押し当てられていた。
「いくよっ」
ズンっと重い衝撃は見る間に快感になって甲高い嬌声が部屋に響いた。
抱きしめられて、正面で激しく腰を振る京ちゃんが暖かくて、すごく気持ちよくて、俺は涙を流しながらひたすら喘ぐ。
「りょうちゃん…、愛してるよ良ちゃんっ!」
「あはぁっ、あた、あたしも大好きぃっ!ぅんんっっ!!!」
「けっこん、結婚しようっ、いくよ良ちゃんっ!!!」
「あたしも、もうダメェェェ!!」
音も光も、全部消えて。
頭の中の声にならない衝撃と、京ちゃんの暖かさだけが残った。



おれは、やわらかなしあわせにとろけそうで、

とろけてしまって。

そらにうかんでながれていくような、そんなしあわせにつつまれて。

ふかいふかい、ねむりについた。




「結婚してください」
おままごとの延長のようなプロポーズ。それでも当時の俺なりに心を決めて送った言葉だった。
「結婚してください。僕を、京ちゃんのお嫁さんにしてください」
当時の二人はまだ5歳。何か勘違いしていた俺は、そういって河原で集めた花束を贈った。
母さんが言うには微笑ましい光景だったそうだ。俺からすれば、すべての悪因がそこにある大きな勘違いだ。
「はい」
京ちゃんは微笑んでいた。当時俺に女の子だと思い違いをさせたかわいい笑顔だ。
「絶対、結構しようね」
花束を受け取ってくれた京ちゃん。俺は無性に恥ずかしくなって、走って逃げだしてしまった。
それが俺と京ちゃんの最後の思い出。もう13年前の約束。
京ちゃんは父親の転勤について引っ越してしまい、もう会っていない。
それでも、この約束だけは俺も京ちゃんも忘れられなかった。

二か月前、始業式の日、うちのクラスには編入生がいた。
佐河原京助、俺の幼馴染だ。
久しぶりに我が家に遊びに来た京助を、母さんは歓迎して、俺の部屋へあげて。
離れている間に異国で学んだという魔術で俺は女の子になった。
そして、今度は京ちゃんからのプロポーズ。
覚えていたことがうれしくて、何も考えずに俺は受け入れて、そのまま押し倒されて。
それからは毎日、飽きもせず愛を確かめ合う日々。
なんだか、そろそろ――


「痛いんですけど」
「なにが?」
「だから、その、ソコが」
「どこよ」
「わかってるくせに」
「ま、意地悪だからね」
眠りから覚めて、衣服を整えて。それから俺たちは並んでベッドに座っていた。
「毎日こういうことしてるから、その……」
「あー、なるほど」
少し考えればわかりそうなものだ。実際京ちゃんもイメージしたのかすぐに納得してくれた。
再開から二か月が過ぎた。肌寒かった晩冬の風は、夏を告げる温風になって俺たちに吹き付けている。
俺は、告白を受けたことを後悔していなかった。
「京ちゃんが激しすぎるのが悪い」
「愛の勢いは止められないのサ。良ちゃんだって、嫌いじゃないでしょ?」
「………そうだけど。でも痛いの」
「そっか」
大変なことはたくさんあった。両親はあっさりこの変化を受け入れてくれたが、戸籍や書類をごまかしたり自分のクラスに転校しなおしてみたり。
級友にばれたり、毎日決まって襲われたり。たくさん。
それでも、幼いころの約束と、京ちゃんの存在が俺を支えていた。
喧嘩することもある。気まずくなることもある。それでも素直に、思いやりを大事にしていけば乗り越えられる。
そうやって、いろんなことを乗り越えて、二人の絆はずっと確かなものになっていくのだ。
「だからその、優しくして?」
「うん――――良ちゃん、あたしって言ってみて」
「え?」
「僕は女の子の良ちゃんが大好きなんだ」
「……あたし」
「うん。かわいいよ」
すごく恥ずかしいけど、それでも京ちゃんが喜んでくれるから。
二人の距離がもっと近くなるから。
精一杯、かわいい女の子になりたいと、思えるのだ。
「京ちゃん」
「なあに」
「…………あっ、あたしのこと…大事にしてね」
無言の、雄弁なハグ。
愛に包み、包まれるあたしたち二人が、きっと永遠でありますように。
夏風の吹くこの部屋で、


祈りのキスはいつまでも終わらない。
あとがき

構想三秒作業二時間くらい
えちしーんが苦手で頑張ってみた結果がこれだよ!
ちなみにヒロインの本名は藍津奈 良
二人はこの後、19歳で学生結婚を遂げるんじゃないでしょうか
HUMAN
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6.100きよひこ
二時間でここまで書ける筆の早さがうらやましい……
いい短編でした