その1)枯野に咲く花 狂気の実験の後に
「それでは、彼……いえ、彼女があの狂気の実験の唯一の生き残りというわけですか」
私は、火の点いていないタバコを掌の内で弄びながら、傍らの医務官に尋ねた。
「はい、おそらく。あの少女のDNAを分析した結果、行方不明者の中で15歳の少年と99.7%の確率で一致しています」
「15歳? 高めに見積もっても、あの少女はせいぜい12、3歳に見えますが?」
「それも、実験の副作用と思われます」
私は禁煙のサインを無視してタバコに火を点け、深く紫煙を吸い込んだ。
「ふぅっ……やりきれませんな」
こちらの気持ちを察したのだろう。医務官も私を咎めなかった。
「ええ、まったく」
* * *
3ヶ月近くの捜査を経て、稀代の遺伝子生物学者であった双刃紀代彦(ふたば・きよひこ)博士が起こした大量誘拐&人体実験事件は、ようやく半月前に幕引きとなった。
TS病によって愛息子が娘となり、その結果「娘」が自殺してしまった博士の嘆きは、同じく子を持つ父親として私もわからないでもない。
しかし。
だからといって現在に至るまで原因不明のTS病のメカニズム解明のため、縁もゆかりもない若者たちを誘拐し、人体実験のサンプルに供してよいはずがない!
17人の行方不明者のうち、唯一五体満足で保護された……しかし、少女にさせられてしまった少年。
事件の捜査に関わった者として──そして、強制捜査の際に最初に「彼女」を発見した者として、あの娘のこれからの人生に少しでも幸多かれと、私は祈らずにはいられなかった。
* * *
「おとーさーん、こっちこっち!」
あの痛ましい惨劇から3年。すっかり元気になったあの子を見て、私の頬は自然と緩んだ。
実年齢より2、3歳若返ってしまった少女は、一応以前の記憶もあるようだったが細部は明確ではなく、同時に精神年齢も下がってしまったらしく、弱弱しく内気な12歳の少女そのものになっていた。
検査と事情聴取のあと、あの「娘」を少年の保護者のもとへ帰そうとしたのだが、こともあろうに、その保護者が受け入れを拒否したのだ。
言うにこと欠いて、「この娘が本当にあの子がどうかわからない」だと!?
無論、そんなのはタテマエだ。どうやら少年は、その保護者──伯父夫婦の家では邪魔者扱いされていたらしい。これ幸いと厄介払いするつもりなのだろう。
それまでの捜査の過程でそれなりに少女と面識ができていた私は、薄情な夫婦に憤慨し、気がついたら、勢いに任せてこの娘を養女にする手続きをとっていた。
先に家族や本人の意向を確認すべきだったのだろうが……まぁ、話を持ちかけると妻や息子も即座に了解し、少女も躊躇いがちに頷いたので、結果オーライだろう。
少々手前ミソになるが、ウチの家族は元々揃って情が深い。
とくに常々女の子が欲しかったらしい私の妻は、少女のことを大喜びで受け入れ、娘として猫っ可愛がりしている。
息子の方もひと目少女を見て、「こんな理想の妹が欲しかった!」と感激し、今では心配性なシスコン兄貴として、やや過保護なくらいだ。
もっとも、かく言う私も、十数年後「娘」を嫁に欲しいという馬の骨が現われたら、鉄拳制裁も辞さない覚悟を固めている程度には、まぁ、親馬鹿の自覚はあるのだが。
そんな3人の家族の情愛に包まれて育ったおかげか、当初はおどおどビクビクしていた少女も、徐々に心を開き、今ではすっかり我が家の一員となっている。
学校に関しては、精神年齢を考慮して、もう一度中学1年生からやり直させたのだが、子供から大人への過渡期にあって、むしろそれが功を奏したようだ。
この春から、娘は近くの名門高校に進学する予定なのだが、親の欲目を差し引いても、お淑やかで楚々とした愛らしい乙女に育っていると思う。
あの時願ったように、今も私は「この子の人生に少しでも幸多かれ」と祈っている。
しかし、そればかりでなく、父親として愛娘を少しでも幸せにしてやるべく、これからも尽力するつもりだ。
「ねぇ、お父さん」
「ん? なんだ?」
「あのね、あの時、わたしを引き取ってくれてありがとう。わたし、今、すっごく幸せです」
「! 嗚呼、私もだよ……」
その2)ケ・セラ・セラ
「あぅ……んひぃ……んふぅ……ふあっ!?」
指で乳首の突起をピンと弾くと同時に、反対側の乳首を指先で撫で回すと、より一層興奮が高まってゆくのがわかる。
乳首への刺激を繰り返した後、今度はそのすぐ下──すでにAカップ程度のふくらみを見せている胸元を優しく揉んでみる。
それだけで、背筋がビクンと跳ね上がる。
「あぁぁっ! ちょっ……いいっ、イイよぉ、あたし……イッちゃう、イッちゃうよおおぉぉ!」
身体が痙攣した拍子に、両掌が乳房ギュッと握りしめてしまったが、僅かな痛みを伴うそれすら心地よい。あたしは、思い切り両手で自らの乳房を揉みしだき続ける。
「あぁぁ……いぃぃ……いひぃぃぃのぉ……」
生まれて初めての感覚に翻弄され、程なく、あたしは胸だけでイッてしまった。
「ふわぁぁぁ……あ、あたひ……もうらめらぇ!!!」
* * *
ふた月程前、突然下腹部が痛くなって、僕は学校で倒れた。
病院に運ばれたうえでの診断結果は緩慢型TS病──男性が女性へと変化する奇病、らしい。
ただ、通常のTS病の場合、発病からおよそ10日から半月程度で変化が完了するらしいんだけど、緩慢型の場合、短くて1ヵ月半、長いと3ヵ月近くかかるとのこと。
しばらくは入院の必要もないそうなので、僕は翌日いったん退院し、普段通り学校へと通うことになった。
いつもと同じく目を覚まして、いつもと同じように学校生活を送る。そうしていると、自分が「病気」だなんて忘れそうになる。
それでも、僕の身体は毎日少しずつ少しずつ変化していたのだ。
最初の2週間程は、春先だったこともあって厚手の服で誤魔化せば、学校の友達にも気づかれなかった。
けれど、それでも半月を過ぎたあたりから、目に見えて手足から筋肉が落ち、代わりに腰や胸に少しずつ脂肪がのっていく。その様子は、僕に恐怖と嫌悪をもたらした。
心配してくれる家族に悪いとは思いながらも、ボクはだんだん無口で無愛想になっていった。
3週間目、変化が隠しづらくなった頃、ついに僕は入院した。
灰色に塗りつぶされたような入院生活。
けれど、そこで、ボクは運命の女性(ひと)と出会ったんだ!
* * *
ボクの担当になった看護師さんは、「逢坂清美」というとても綺麗で優しい女性だった。
正看護師になってまだ2年目らしいけど、とても親身になってボクのことを世話してくれる。
実は清美さんも(TS病とはちょっと違うらしいけど)かつては男で、高校時代に突然女性に変化したらしい。
「女の子になった当初は確かにとまどったけど……」
伸びるのが速くなったボクの髪を丁寧にブラッシングしながら、清美さんは優しくボクに語りかける。
「……でもね、結局自分は自分なんだよ。それさえ忘れなければ、だいじょーぶ!
それに、女の子ライフだって楽しいことはいっぱいあるしね♪」
──コッソリちょっとエッチなことも教えてくれた。
清美さんのおかげで、ボクも自分の身体の変化を徐々に肯定的に受け入れられるようになっていった。
実のところ、「女の子」という観点から見ると、今のボクはわりかし可愛い。
まだ中学生だから体型自体はちょっと未成熟な感じだけど、このままあと1、2年経ったら、たぶん街中を歩いてたらナンパとかされちゃう……と思う。
男の頃はちょっとコンプレックスだった低めの身長も、女の子として見れば全然平均はクリアーしてるし。
ボクは清美さんの助けを借りつつ、「女の子としての生活」を少しずつ学んでいった。
そして、発病から2ヵ月が過ぎた今、ボクの身体は大半が変化を終え、外観的に男性の要素を残すところは陰茎──おちんちんだけとなった。
既に睾丸は委縮して体内に吸収されていて、陰嚢の中には何もない。吸収された睾丸は、これから卵巣へと変化するらしい。
ひと月前のボクなら、絶望したかもしれない。かつての半分程度の大きさになったこのおちんちんに、「男としての最後の砦」として固執していたかもしれない。
でも、今のボク──ううん、あたしにとっては、むしろ「ようやくココまで女の子になれた」って感じ。
実際、今も一応「入院患者」ではあるけど、一日の大半は寝間着じゃなく私服で病院の図書室やカフェテリアで気ままに過ごしている。もちろん、女の子の格好でね♪
お医者さんによると、あと数日で、おちんちんの方も縮小して、そのままクリトリスになるんだって。それと並行して膣口も形成されるみたい。
そして、生まれつきの女の子と同じようにおしっこができるようになったら、晴れて退院できるの!
だから、今のあたしには、こんなの邪魔っけ。「早くなくなってくれないかなぁ」と密かに思いつつも、それでもこれまでの13年間の人生を共にした「相棒」に敬意を表して寝る前に奉仕中。
もっとも、どちらかと言うと、今のあたしは膨らみつつある胸の方に興味津津なんだけど。
さっきも胸を弄ってるだけでイッちゃったし♪
──ドピュッ!
ああ、やっと出た。けど、もう完全に透明な液体だし、コレ、精子とか混ざってないよね。
大きさも一段と縮まったし、そろそろ尿道も閉じちゃうかも。今朝あたりから、下に割れ目ができ始めてるしネ。
ちゃんと後始末して……おやすみなさーい!
明日は、もっと素敵な女の子になってるといいな♪
その3)お世話しちゃうゾ!
「こ、これってメイドさん? それともナースさん!?」
「どっちだっていいじゃないですか。ともかく、その姿なら、貴女のご要望通り、病床の従兄さんを、ちゃんとお世話できますよ」
「え? ……あ、ホントだ。ちゃんと看病とか家事関連の知識が頭の中にある……」
「それじゃあ、アッシはコレで。あでゅー!」
* * *
ボクん家に下宿してる3歳年上の従兄の司郎さんが、風邪をこじらせて寝込んじゃったんだ。ちょうど冬休みに入ったばかりなのは不幸中の幸いだけど、このままじゃあ司郎さん、せっかくのクリスマスを布団の中で過ごすことになっちゃうよ。
ウチは両親が共働きだし、まだ中学2年生で、ロクに家のお手伝いもして来なかった僕じゃあ、司郎兄さんのお世話なんて上手くできないし……。
司郎兄さんは、「何、一緒に過ごす彼女もいないんだから、構わないさ」と笑ってるけど、いつも勉強とか色々面倒見てもらってるのに、申し訳ないなぁ。
──そんな風に思っていたところ、偶然街の骨董品屋で見つけたアンティークのオルゴールから、羽根の生えたちっちゃな妖精さんが出現!
「封印を解いてくれたお礼にひとつだけ願い事を叶えてる」って言うんで、「風邪で倒れている従兄の看病をちゃんとしてあげたい」って頼んだら、こんな姿になっちゃったんだ。
挙げ句、僕をこんな姿にした妖精のピッキは、オルゴールの中にひっこんじゃったし……。
「ふぅ、悩んでいても、仕方ないか。司郎お兄さんの様子を見てこようっと」
あのオポンチ妖精いわく、この姿でいる限り、自然にそれに合った行動がとれるし、周囲もボクの存在を都合よく解釈してくれるって話だけど……。
「あの……司郎兄様、お加減はいかがですか?」
「ああ、カオリか。ありがとう、だいぶよくなって……ケフケフ」
あれ? ボクの名前は「薫」と書いて「カオル」って読むんだけど。もしかして、この姿だと女の子ってことになってるのかな? おっと、それより……。
「もぅっ! ダメですよ。風邪は治りかけが肝心なんですから」
なんか、言葉とか仕草も普通に女の子っぽいモノに変換されるみたい。
「ハハハ、すまんすまん。大丈夫。今日一日安静にしてたら、多分明日には回復してるさ」
その言葉は嘘ではなく、確かに顔色とかいいし、オデコではかってみたところ熱も高くないみたい。
「それならいいんですけど……」
「心配しなくても、明後日のイブのデートまでには、気合いで治してみせるさ」
あ……やっぱり、司郎兄様、クリスマスイブにデートする人いたんだ。
なんでだろう。微妙にショックと言うかモヤモヤすると言うか。
「その……よろしければ、司郎兄様が一緒に出かける方がどなたか、教えていただけませんか?」
躊躇いながらワタシがそう言うと、司郎兄様はきょとんとした顔になりました。
「ヲイヲイ、もしかして忘れてるのか? カオリの方から、「イブは一緒にお出かけしたいです」ってお願いしてきたんじゃないか」
え!? あ……れ? そう言えば、そんなコトを言ったような記憶も……。
「ま、まぁ……本当は俺の方から誘うつもりだったんだけどな。カオリが「妹みたいな従妹」から、「可愛い彼女」になってくれて、初めてのクリスマスなんだし」
!!
やぁん、司郎兄様、恥ずかしいですわ……でも、すごくうれしいです。
そ、そうですよね。確かに長年、兄妹みたいな関係で過ごしてきましたけど、今年のお盆に田舎の司郎兄様の実家に一緒に帰郷したとき、兄様から告白されて、わたしも喜んで受け入れたんでした。
ずっとそばにいて、憧れ続けてきた方の恋人になれるなんて、夢みたいです。
――あら、何かおかしいような。
「カオリ……」
何か違和感みたいなものを感じていたのですが、いつの間にかベッドに半身を起こした司郎兄様の胸に抱き締められると、そんなコト、頭からトんじゃいました。
「ぁん、ダメです。キスしたら風邪が」
「む! 確かにそうだな。じゃあ……」
ほっぺに軽くチュッと口づけをくださる司郎兄様。
キスできなかったのは残念ですけど、それだけでもわたしはホワホワと幸福な気持ちになっちゃいます。
「そうだ! 兄様、お腹空いてませんか? よろしければ、わたし特製のおかゆ作りますけど」
「お、そいつは楽しみだな。カオリは料理が上手いから。頼むよ」
「はいっ!」
ウフフ、愛情たっぷりのあったかいお粥を作って、ふぅふぅしてから「あーん」して食べさせてさしあげますわ!
* * *
――その後、風邪の治った司郎とイヴにデートし、深夜、司郎の部屋で「身も心も」結ばれたのち、翌朝同じベッドで目覚め、互いに照れながらプレゼント交換するまで、薫(かおる)改め花織(かおり)となった元少年が、妖精のことを思い出すことはなかったりする。
で、いざ思い出しても、「頼りになる兄貴分」から「愛しのお兄様」へと昇格した司郎のことを想うと胸がキュンとなる「恋する乙女」にクラスチェンジしてしまった花織は、結局元には戻らず、そのまま女の子としての日々を過ごすことになるのだった。
<後日談>
「ちわッス! いつもニコニコ、あなたのおそばに這い寄る妖精でーす! 願い事で何か不都合はないか笑いに……いえ、アフターサービスに来ました!」
抑えきれないニヤニヤ笑いを満面に浮かべた妖精?が一週間ぶりに、元は薫という少年だった少女・花織の部屋に来たところ、ちょうどそこでは、問題の人物と「彼女」の従兄が「親交を深めている」真っ最中だった。
「あの……司郎兄様、ど、どうでしょうか?」
「ああ、すっごく巧いよ……ってか、ヤベッ! このままだと出ちまう。ストップだ、花織」
ようやくミドルティーンに達したばかりの少女、それもつい先日、彼自身が花を散らすまで処女だったはずの娘によるフェラチオで、青年の中の快感が急速に高まっている。
「ふふ……そのまま出してくださっても構いませんよ? 喜んで飲んで差し上げますわ」
青年のペニスからいったん唇を離すと、普段は清楚可憐そのものといった顔に、悪戯ぽく艶めいた表情を浮かべつつ少女は尋ねた。
「いや、折角出すなら、お前の膣内(なか)の方がいい」
少女の淫欲にたじろぎつつも、青年はキッパリと断言する。
途端に、娘の顔が「愛欲に蕩けた淫らな女」から「恋する乙女」の表情へと劇的に変化する。
「! も、もぅっ、司郎兄様はズルいですわ。いつもいつもわたしが「キュンッ」とするようなコトを真顔でおっしゃるのですから」
「はは、照れることはないだろ。俺達は恋人同士なんだし……心から愛し合っているんだから」
「だ、だから、そうハッキリ口に出しておっしゃらないでください!」
プイと顔を背けるが、それでもチラチラと背後を気にしているのが丸わかりだ。
「嫌か?」
それでも、あえて青年は問う。
「……嫌なワケないでしょう。司郎兄様のいぢわる」
彼の腕の中にフワリと身を投げる少女。青年も心得たもので、しっかりと華奢な少女の肢体を抱きしめ、一瞬至近距離から見つめ合った後、そのまま熱い口づけを交わす。
少女の身体の「弱点」を愛撫しながら、巧みにその服を剥ぎ取る手際は、ある意味称賛に値するだろう。
程なく、ショーツとニーソックスだけというあられもない格好で、仰向けにベッドの上に横たえられた少女は、恥ずかしげに胸元を右腕で隠しかけ……あえてその仕草を止め、大きく両手を広げた。
「来て、司郎兄様……」
「──いやぁ、コイツぁビックリだ。アッシとしたことが、つい雰囲気に飲まれて見入っちまいましたよ」
デスクの上の筆立ての陰から、ふたりの営みをデバガメしていた妖精?が、感心したような呟きを漏らす……が、互いの身体に夢中になっているベッドの上のふたりは一向に気づく気配もない。
「んあっ! ああっ……入ってる……司郎兄様のモノが入ってくるぅ!」
「くっ……すっげぇ、コレ……あいかわらず、お前のアソコ……吸いついてくるぜ」
「ああっ、そこ……そこ、イイのぉ♪」
「花織……感じてる表情も可愛いぜ。おマ●コの具合もキツキツなのにヌルヌルで気持ちいいし、最高だ!」
「ふわぁぁぁぁぁ……兄様、そんな激しくしたら……わたしのおかしくなっちゃうぅぅ」
「──聞いちゃいやせんね。ま、当初の「突然女の子にされてオロオロする少年を見て爆笑する」という予定とは違ったものの、コレはコレでイイもん見させていただいたでやんす」
ベッドの上で「チュッチュッらびゅらびゅ」している二人の様子を生暖かい視線で見守る妖精?
「この分では、どうやら女の子になった事に不満はなさそうでやんすね。それじゃあ、アッシは失礼するでやんす」
「アーーーーーッ! クニュクニュしちゃ、らめぇ!!」
「でも、ここがイイんだろ? ほらほら」
──パンパンパン!
「ひぃやぁぁぁぁ! ひぐぅ……イク……イッちゃうぅぅ!」
微かな光のきらめきと共に妖精?らしき影が姿を消したあとも、両親が不在なのをいいことに、若いふたりの愛の営みは夕方までたっぷり続くのであった。どっとはらい。
「それでは、彼……いえ、彼女があの狂気の実験の唯一の生き残りというわけですか」
私は、火の点いていないタバコを掌の内で弄びながら、傍らの医務官に尋ねた。
「はい、おそらく。あの少女のDNAを分析した結果、行方不明者の中で15歳の少年と99.7%の確率で一致しています」
「15歳? 高めに見積もっても、あの少女はせいぜい12、3歳に見えますが?」
「それも、実験の副作用と思われます」
私は禁煙のサインを無視してタバコに火を点け、深く紫煙を吸い込んだ。
「ふぅっ……やりきれませんな」
こちらの気持ちを察したのだろう。医務官も私を咎めなかった。
「ええ、まったく」
* * *
3ヶ月近くの捜査を経て、稀代の遺伝子生物学者であった双刃紀代彦(ふたば・きよひこ)博士が起こした大量誘拐&人体実験事件は、ようやく半月前に幕引きとなった。
TS病によって愛息子が娘となり、その結果「娘」が自殺してしまった博士の嘆きは、同じく子を持つ父親として私もわからないでもない。
しかし。
だからといって現在に至るまで原因不明のTS病のメカニズム解明のため、縁もゆかりもない若者たちを誘拐し、人体実験のサンプルに供してよいはずがない!
17人の行方不明者のうち、唯一五体満足で保護された……しかし、少女にさせられてしまった少年。
事件の捜査に関わった者として──そして、強制捜査の際に最初に「彼女」を発見した者として、あの娘のこれからの人生に少しでも幸多かれと、私は祈らずにはいられなかった。
* * *
「おとーさーん、こっちこっち!」
あの痛ましい惨劇から3年。すっかり元気になったあの子を見て、私の頬は自然と緩んだ。
実年齢より2、3歳若返ってしまった少女は、一応以前の記憶もあるようだったが細部は明確ではなく、同時に精神年齢も下がってしまったらしく、弱弱しく内気な12歳の少女そのものになっていた。
検査と事情聴取のあと、あの「娘」を少年の保護者のもとへ帰そうとしたのだが、こともあろうに、その保護者が受け入れを拒否したのだ。
言うにこと欠いて、「この娘が本当にあの子がどうかわからない」だと!?
無論、そんなのはタテマエだ。どうやら少年は、その保護者──伯父夫婦の家では邪魔者扱いされていたらしい。これ幸いと厄介払いするつもりなのだろう。
それまでの捜査の過程でそれなりに少女と面識ができていた私は、薄情な夫婦に憤慨し、気がついたら、勢いに任せてこの娘を養女にする手続きをとっていた。
先に家族や本人の意向を確認すべきだったのだろうが……まぁ、話を持ちかけると妻や息子も即座に了解し、少女も躊躇いがちに頷いたので、結果オーライだろう。
少々手前ミソになるが、ウチの家族は元々揃って情が深い。
とくに常々女の子が欲しかったらしい私の妻は、少女のことを大喜びで受け入れ、娘として猫っ可愛がりしている。
息子の方もひと目少女を見て、「こんな理想の妹が欲しかった!」と感激し、今では心配性なシスコン兄貴として、やや過保護なくらいだ。
もっとも、かく言う私も、十数年後「娘」を嫁に欲しいという馬の骨が現われたら、鉄拳制裁も辞さない覚悟を固めている程度には、まぁ、親馬鹿の自覚はあるのだが。
そんな3人の家族の情愛に包まれて育ったおかげか、当初はおどおどビクビクしていた少女も、徐々に心を開き、今ではすっかり我が家の一員となっている。
学校に関しては、精神年齢を考慮して、もう一度中学1年生からやり直させたのだが、子供から大人への過渡期にあって、むしろそれが功を奏したようだ。
この春から、娘は近くの名門高校に進学する予定なのだが、親の欲目を差し引いても、お淑やかで楚々とした愛らしい乙女に育っていると思う。
あの時願ったように、今も私は「この子の人生に少しでも幸多かれ」と祈っている。
しかし、そればかりでなく、父親として愛娘を少しでも幸せにしてやるべく、これからも尽力するつもりだ。
「ねぇ、お父さん」
「ん? なんだ?」
「あのね、あの時、わたしを引き取ってくれてありがとう。わたし、今、すっごく幸せです」
「! 嗚呼、私もだよ……」
その2)ケ・セラ・セラ
「あぅ……んひぃ……んふぅ……ふあっ!?」
指で乳首の突起をピンと弾くと同時に、反対側の乳首を指先で撫で回すと、より一層興奮が高まってゆくのがわかる。
乳首への刺激を繰り返した後、今度はそのすぐ下──すでにAカップ程度のふくらみを見せている胸元を優しく揉んでみる。
それだけで、背筋がビクンと跳ね上がる。
「あぁぁっ! ちょっ……いいっ、イイよぉ、あたし……イッちゃう、イッちゃうよおおぉぉ!」
身体が痙攣した拍子に、両掌が乳房ギュッと握りしめてしまったが、僅かな痛みを伴うそれすら心地よい。あたしは、思い切り両手で自らの乳房を揉みしだき続ける。
「あぁぁ……いぃぃ……いひぃぃぃのぉ……」
生まれて初めての感覚に翻弄され、程なく、あたしは胸だけでイッてしまった。
「ふわぁぁぁ……あ、あたひ……もうらめらぇ!!!」
* * *
ふた月程前、突然下腹部が痛くなって、僕は学校で倒れた。
病院に運ばれたうえでの診断結果は緩慢型TS病──男性が女性へと変化する奇病、らしい。
ただ、通常のTS病の場合、発病からおよそ10日から半月程度で変化が完了するらしいんだけど、緩慢型の場合、短くて1ヵ月半、長いと3ヵ月近くかかるとのこと。
しばらくは入院の必要もないそうなので、僕は翌日いったん退院し、普段通り学校へと通うことになった。
いつもと同じく目を覚まして、いつもと同じように学校生活を送る。そうしていると、自分が「病気」だなんて忘れそうになる。
それでも、僕の身体は毎日少しずつ少しずつ変化していたのだ。
最初の2週間程は、春先だったこともあって厚手の服で誤魔化せば、学校の友達にも気づかれなかった。
けれど、それでも半月を過ぎたあたりから、目に見えて手足から筋肉が落ち、代わりに腰や胸に少しずつ脂肪がのっていく。その様子は、僕に恐怖と嫌悪をもたらした。
心配してくれる家族に悪いとは思いながらも、ボクはだんだん無口で無愛想になっていった。
3週間目、変化が隠しづらくなった頃、ついに僕は入院した。
灰色に塗りつぶされたような入院生活。
けれど、そこで、ボクは運命の女性(ひと)と出会ったんだ!
* * *
ボクの担当になった看護師さんは、「逢坂清美」というとても綺麗で優しい女性だった。
正看護師になってまだ2年目らしいけど、とても親身になってボクのことを世話してくれる。
実は清美さんも(TS病とはちょっと違うらしいけど)かつては男で、高校時代に突然女性に変化したらしい。
「女の子になった当初は確かにとまどったけど……」
伸びるのが速くなったボクの髪を丁寧にブラッシングしながら、清美さんは優しくボクに語りかける。
「……でもね、結局自分は自分なんだよ。それさえ忘れなければ、だいじょーぶ!
それに、女の子ライフだって楽しいことはいっぱいあるしね♪」
──コッソリちょっとエッチなことも教えてくれた。
清美さんのおかげで、ボクも自分の身体の変化を徐々に肯定的に受け入れられるようになっていった。
実のところ、「女の子」という観点から見ると、今のボクはわりかし可愛い。
まだ中学生だから体型自体はちょっと未成熟な感じだけど、このままあと1、2年経ったら、たぶん街中を歩いてたらナンパとかされちゃう……と思う。
男の頃はちょっとコンプレックスだった低めの身長も、女の子として見れば全然平均はクリアーしてるし。
ボクは清美さんの助けを借りつつ、「女の子としての生活」を少しずつ学んでいった。
そして、発病から2ヵ月が過ぎた今、ボクの身体は大半が変化を終え、外観的に男性の要素を残すところは陰茎──おちんちんだけとなった。
既に睾丸は委縮して体内に吸収されていて、陰嚢の中には何もない。吸収された睾丸は、これから卵巣へと変化するらしい。
ひと月前のボクなら、絶望したかもしれない。かつての半分程度の大きさになったこのおちんちんに、「男としての最後の砦」として固執していたかもしれない。
でも、今のボク──ううん、あたしにとっては、むしろ「ようやくココまで女の子になれた」って感じ。
実際、今も一応「入院患者」ではあるけど、一日の大半は寝間着じゃなく私服で病院の図書室やカフェテリアで気ままに過ごしている。もちろん、女の子の格好でね♪
お医者さんによると、あと数日で、おちんちんの方も縮小して、そのままクリトリスになるんだって。それと並行して膣口も形成されるみたい。
そして、生まれつきの女の子と同じようにおしっこができるようになったら、晴れて退院できるの!
だから、今のあたしには、こんなの邪魔っけ。「早くなくなってくれないかなぁ」と密かに思いつつも、それでもこれまでの13年間の人生を共にした「相棒」に敬意を表して寝る前に奉仕中。
もっとも、どちらかと言うと、今のあたしは膨らみつつある胸の方に興味津津なんだけど。
さっきも胸を弄ってるだけでイッちゃったし♪
──ドピュッ!
ああ、やっと出た。けど、もう完全に透明な液体だし、コレ、精子とか混ざってないよね。
大きさも一段と縮まったし、そろそろ尿道も閉じちゃうかも。今朝あたりから、下に割れ目ができ始めてるしネ。
ちゃんと後始末して……おやすみなさーい!
明日は、もっと素敵な女の子になってるといいな♪
その3)お世話しちゃうゾ!
「こ、これってメイドさん? それともナースさん!?」
「どっちだっていいじゃないですか。ともかく、その姿なら、貴女のご要望通り、病床の従兄さんを、ちゃんとお世話できますよ」
「え? ……あ、ホントだ。ちゃんと看病とか家事関連の知識が頭の中にある……」
「それじゃあ、アッシはコレで。あでゅー!」
* * *
ボクん家に下宿してる3歳年上の従兄の司郎さんが、風邪をこじらせて寝込んじゃったんだ。ちょうど冬休みに入ったばかりなのは不幸中の幸いだけど、このままじゃあ司郎さん、せっかくのクリスマスを布団の中で過ごすことになっちゃうよ。
ウチは両親が共働きだし、まだ中学2年生で、ロクに家のお手伝いもして来なかった僕じゃあ、司郎兄さんのお世話なんて上手くできないし……。
司郎兄さんは、「何、一緒に過ごす彼女もいないんだから、構わないさ」と笑ってるけど、いつも勉強とか色々面倒見てもらってるのに、申し訳ないなぁ。
──そんな風に思っていたところ、偶然街の骨董品屋で見つけたアンティークのオルゴールから、羽根の生えたちっちゃな妖精さんが出現!
「封印を解いてくれたお礼にひとつだけ願い事を叶えてる」って言うんで、「風邪で倒れている従兄の看病をちゃんとしてあげたい」って頼んだら、こんな姿になっちゃったんだ。
挙げ句、僕をこんな姿にした妖精のピッキは、オルゴールの中にひっこんじゃったし……。
「ふぅ、悩んでいても、仕方ないか。司郎お兄さんの様子を見てこようっと」
あのオポンチ妖精いわく、この姿でいる限り、自然にそれに合った行動がとれるし、周囲もボクの存在を都合よく解釈してくれるって話だけど……。
「あの……司郎兄様、お加減はいかがですか?」
「ああ、カオリか。ありがとう、だいぶよくなって……ケフケフ」
あれ? ボクの名前は「薫」と書いて「カオル」って読むんだけど。もしかして、この姿だと女の子ってことになってるのかな? おっと、それより……。
「もぅっ! ダメですよ。風邪は治りかけが肝心なんですから」
なんか、言葉とか仕草も普通に女の子っぽいモノに変換されるみたい。
「ハハハ、すまんすまん。大丈夫。今日一日安静にしてたら、多分明日には回復してるさ」
その言葉は嘘ではなく、確かに顔色とかいいし、オデコではかってみたところ熱も高くないみたい。
「それならいいんですけど……」
「心配しなくても、明後日のイブのデートまでには、気合いで治してみせるさ」
あ……やっぱり、司郎兄様、クリスマスイブにデートする人いたんだ。
なんでだろう。微妙にショックと言うかモヤモヤすると言うか。
「その……よろしければ、司郎兄様が一緒に出かける方がどなたか、教えていただけませんか?」
躊躇いながらワタシがそう言うと、司郎兄様はきょとんとした顔になりました。
「ヲイヲイ、もしかして忘れてるのか? カオリの方から、「イブは一緒にお出かけしたいです」ってお願いしてきたんじゃないか」
え!? あ……れ? そう言えば、そんなコトを言ったような記憶も……。
「ま、まぁ……本当は俺の方から誘うつもりだったんだけどな。カオリが「妹みたいな従妹」から、「可愛い彼女」になってくれて、初めてのクリスマスなんだし」
!!
やぁん、司郎兄様、恥ずかしいですわ……でも、すごくうれしいです。
そ、そうですよね。確かに長年、兄妹みたいな関係で過ごしてきましたけど、今年のお盆に田舎の司郎兄様の実家に一緒に帰郷したとき、兄様から告白されて、わたしも喜んで受け入れたんでした。
ずっとそばにいて、憧れ続けてきた方の恋人になれるなんて、夢みたいです。
――あら、何かおかしいような。
「カオリ……」
何か違和感みたいなものを感じていたのですが、いつの間にかベッドに半身を起こした司郎兄様の胸に抱き締められると、そんなコト、頭からトんじゃいました。
「ぁん、ダメです。キスしたら風邪が」
「む! 確かにそうだな。じゃあ……」
ほっぺに軽くチュッと口づけをくださる司郎兄様。
キスできなかったのは残念ですけど、それだけでもわたしはホワホワと幸福な気持ちになっちゃいます。
「そうだ! 兄様、お腹空いてませんか? よろしければ、わたし特製のおかゆ作りますけど」
「お、そいつは楽しみだな。カオリは料理が上手いから。頼むよ」
「はいっ!」
ウフフ、愛情たっぷりのあったかいお粥を作って、ふぅふぅしてから「あーん」して食べさせてさしあげますわ!
* * *
――その後、風邪の治った司郎とイヴにデートし、深夜、司郎の部屋で「身も心も」結ばれたのち、翌朝同じベッドで目覚め、互いに照れながらプレゼント交換するまで、薫(かおる)改め花織(かおり)となった元少年が、妖精のことを思い出すことはなかったりする。
で、いざ思い出しても、「頼りになる兄貴分」から「愛しのお兄様」へと昇格した司郎のことを想うと胸がキュンとなる「恋する乙女」にクラスチェンジしてしまった花織は、結局元には戻らず、そのまま女の子としての日々を過ごすことになるのだった。
<後日談>
「ちわッス! いつもニコニコ、あなたのおそばに這い寄る妖精でーす! 願い事で何か不都合はないか笑いに……いえ、アフターサービスに来ました!」
抑えきれないニヤニヤ笑いを満面に浮かべた妖精?が一週間ぶりに、元は薫という少年だった少女・花織の部屋に来たところ、ちょうどそこでは、問題の人物と「彼女」の従兄が「親交を深めている」真っ最中だった。
「あの……司郎兄様、ど、どうでしょうか?」
「ああ、すっごく巧いよ……ってか、ヤベッ! このままだと出ちまう。ストップだ、花織」
ようやくミドルティーンに達したばかりの少女、それもつい先日、彼自身が花を散らすまで処女だったはずの娘によるフェラチオで、青年の中の快感が急速に高まっている。
「ふふ……そのまま出してくださっても構いませんよ? 喜んで飲んで差し上げますわ」
青年のペニスからいったん唇を離すと、普段は清楚可憐そのものといった顔に、悪戯ぽく艶めいた表情を浮かべつつ少女は尋ねた。
「いや、折角出すなら、お前の膣内(なか)の方がいい」
少女の淫欲にたじろぎつつも、青年はキッパリと断言する。
途端に、娘の顔が「愛欲に蕩けた淫らな女」から「恋する乙女」の表情へと劇的に変化する。
「! も、もぅっ、司郎兄様はズルいですわ。いつもいつもわたしが「キュンッ」とするようなコトを真顔でおっしゃるのですから」
「はは、照れることはないだろ。俺達は恋人同士なんだし……心から愛し合っているんだから」
「だ、だから、そうハッキリ口に出しておっしゃらないでください!」
プイと顔を背けるが、それでもチラチラと背後を気にしているのが丸わかりだ。
「嫌か?」
それでも、あえて青年は問う。
「……嫌なワケないでしょう。司郎兄様のいぢわる」
彼の腕の中にフワリと身を投げる少女。青年も心得たもので、しっかりと華奢な少女の肢体を抱きしめ、一瞬至近距離から見つめ合った後、そのまま熱い口づけを交わす。
少女の身体の「弱点」を愛撫しながら、巧みにその服を剥ぎ取る手際は、ある意味称賛に値するだろう。
程なく、ショーツとニーソックスだけというあられもない格好で、仰向けにベッドの上に横たえられた少女は、恥ずかしげに胸元を右腕で隠しかけ……あえてその仕草を止め、大きく両手を広げた。
「来て、司郎兄様……」
「──いやぁ、コイツぁビックリだ。アッシとしたことが、つい雰囲気に飲まれて見入っちまいましたよ」
デスクの上の筆立ての陰から、ふたりの営みをデバガメしていた妖精?が、感心したような呟きを漏らす……が、互いの身体に夢中になっているベッドの上のふたりは一向に気づく気配もない。
「んあっ! ああっ……入ってる……司郎兄様のモノが入ってくるぅ!」
「くっ……すっげぇ、コレ……あいかわらず、お前のアソコ……吸いついてくるぜ」
「ああっ、そこ……そこ、イイのぉ♪」
「花織……感じてる表情も可愛いぜ。おマ●コの具合もキツキツなのにヌルヌルで気持ちいいし、最高だ!」
「ふわぁぁぁぁぁ……兄様、そんな激しくしたら……わたしのおかしくなっちゃうぅぅ」
「──聞いちゃいやせんね。ま、当初の「突然女の子にされてオロオロする少年を見て爆笑する」という予定とは違ったものの、コレはコレでイイもん見させていただいたでやんす」
ベッドの上で「チュッチュッらびゅらびゅ」している二人の様子を生暖かい視線で見守る妖精?
「この分では、どうやら女の子になった事に不満はなさそうでやんすね。それじゃあ、アッシは失礼するでやんす」
「アーーーーーッ! クニュクニュしちゃ、らめぇ!!」
「でも、ここがイイんだろ? ほらほら」
──パンパンパン!
「ひぃやぁぁぁぁ! ひぐぅ……イク……イッちゃうぅぅ!」
微かな光のきらめきと共に妖精?らしき影が姿を消したあとも、両親が不在なのをいいことに、若いふたりの愛の営みは夕方までたっぷり続くのであった。どっとはらい。
甘々なのは良いですね。みんな幸せなのは素敵です。
這い寄る妖精って仄暗い海の底からやってきたのでしょうか?