※※※※※
「クククッ、これで……今日からこの俺が、
双葉財閥令嬢の麗奈様という訳だ……(にやり)」
制服に包まれた見事なプロポーションの持ち主である美少女、
麗奈はその美しく整った顔に似合わぬ邪悪な笑みを大きな姿見の前で浮かベ、
ニヤリと笑う。
そして、少女の足元には同じ学校の男子生徒と思われる人物が、
うつ伏せになって倒れているのだった。
「まさか、本当に他人の身体に乗り移って奪えるなんて……。
眉つばものだったけど、俺の先祖代々の秘薬の効果は本物だったという訳だ。
ははっ」
俺の名前は阿倍野清彦。
つい先ほど前は、今足元に転がってい人物だった。
そう……だったのだ。
今の俺は、この学園一の美少女で、
かの有名な双葉財閥の令嬢である双葉麗奈ご本人様なのだ―――
――どうしてこうなったかって?
俺は同じクラスで、学園のアイドルである双葉麗奈に憧れ、
そして思いを寄せていた。
ある日俺は、高根の花と知りつつも勇気を振り絞り、
放課後に彼女を人気のない空き教室に呼び出して告白をしたのだった。
結果は当然、俺は見事にフラれてしまった。
もともと釣り合わないのは最初から自分でも理解をしてはいた。
だけど、その後の麗華の言葉が気に入らなかった。
《もう金輪際、二度と私に近寄らないで、話しもけないでよね。目障りだから》
双葉麗奈という人物は、その美しい容姿とは違い、性格は酷く高慢で、
男にはトゲのある物の言い方しかしない。
それとは反対に、他の女生徒に対しては普通といよりは、むしろ優しくて親交も深い。
そのカリスマ性を存分に発揮していて、
双葉麗奈は実は百合ではないかと、もっぱらの噂である。
――まあ、それは置いといて。
手に入らないのなら……奪えばいい。それだけだ―――
※※※※※
実は、俺の家系は一般的には普通だが、実は普通ではない。
先祖代々続く魔術の研究を行う一族なのだ。つまり、魔術師の家系なのだ。
恋人として手に入らないのなら、俺がその存在ごと奪えばいい。
幸いなことに、その願いを成就させる秘薬が、我が一族には存在するのだ。
『魂液薬』これを服用すれば、自らの魂が液体化して、
魂が肉体を抜け出す事が出来る。
それを対象である人物に、なんらあの形で飲ませることで、
その人物の魂を溶かし、その魂は術者の魂に吸収されて消滅してしまう。
そして、空になった肉体をより強靭となった魂が乗っ取り、
完全に支配するという代物だ。
しかも、液体化した魂にはさまざま特殊な効果があり、
飲まされた人物はだんだん麻痺するかのように身動きが出来なっていく。
そして、だんだん魂を溶かされていく。
溶かされた魂は液体の魂に吸収されていき、肉体との繋がりが薄れ消えていく。
やがて、恐怖を抱きながら自我が完全に消滅していくという外道な仕様なのだ。
そして、俺は今日、再び麗奈を教室に呼び出したのだ。計画を実行する為に―――
※※※※※
「また、あなたね……何の用?私忙しいの。用件を言いなさい」
「ああ、用件なら直ぐに……済むさっ!!」
俺は、麗奈の不意を突いて彼女に抱きつき唇を奪った。
「!?いやっ、ううっ…………」
不意を突かれ驚く麗奈だが、すぐに反応して抵抗をしようと試みる。
だが、俺はあらかじめ服用しておいた秘薬の力の全てを解放し、
口移しで液体化した俺の魂を一気に流し込む。
流し込まれている麗奈の喉と腹部が、得体のしれない何かによってボコボコと蠢いていた。
やがて、麗奈の抵抗はピタリと止み、
薬の効果で徐々に動けなくなり、うめき声しか上げなくなってしまった。
――ゴボッモゴゴ…ゴボゴボゴボ……
完全に抵抗しなくなったことを確認した俺は、
徐々にゆっくりとペースを落としてながら進行した。
やがて、俺という魂の存在が全て液体に変換され、
麗奈の肉体の方へ意識が流れ込んでいく。
俺という存在が、麗奈の身体に染み込んでいくと同時に、
麗奈の肉体に存在する魂が俺に溶かされて取り込まれていくのが感覚的に分かってくる。
取り込まれていく麗奈の記憶や知識が、
全て俺の物として置換されていくのが手に取る様に分かるのだった。
この不思議な高揚感に俺は胸が躍った。
もしも普通の人間が他人の記憶全てを取り込もうとしたら、
間違いなく発狂してもおかしくない。
だが、今の俺は普通の人間とは違う。
記憶そのものだけでなく魂そのものを吸収して喰らう外道に堕ちた正真正銘のバケモノだ。
魂そのものの容量が増えれば他人の記憶を吸収するなど容易いことだ。
現に俺は、人一人の存在を消してしまうことに何の抵抗も持たないのだから―――
『やめて…たすけ…て…嫌ぁ…わたしが…消えていく……おねがい、たすけ……』
――ザザッ…ザー……ブッ……
やがて、全ての置換が終わった時、
麗奈の心の声という『ノイズ』は完全に消え去った。
そして、麗奈の魂と肉体は俺と完全に一つになっていたのだった――――
※※そして、場面は冒頭部部へ戻る※※
……………………………
………………………
…………………
……………
………
…
「あははっ、この肉体は実に俺とよく馴染む……。
それに、この身体じゅうにみなぎっる魔力……実に素晴らしい」
麗奈の肉体を完全に乗っ取った直後、俺はある違和感を覚えた。
調べてみると何故か、一般人であるはずの麗奈の肉体には、
魔術師の資質……つまり魔力があったのだ。
麗奈としての記憶を掘り起こしてみても、やはり唯の一般人の様である。
どうやら、元々魔術の才能に目覚めていた俺の魂と融合した影響で、
本来麗奈の肉体に眠っていた才能が目覚めたようである。
しかも、一般人であるはずの麗奈の方がその資質は、
元の『清彦』よりもランクが上だった。
唯一のアドバンテージであると思っていた魔術師としての資質ですらも、
一般人である麗奈に負けていたとは………。
だが、俺は悔しくはなかった。むしろ、これは嬉しい誤算である。
何故なら魔術の力とは、資質そのものがなければ、例え知識があったとしても、
魔術の業を使うことすら出来ないからである。
俺『清彦』は魔導の資質があれど、それほど才能は無かった。
ほとんどが知識のみ状態で、
知っている魔術の業も、そのほとんどが使えぬものばかりだった。
だから今回の件で俺は魔術の道を捨てて普通の人間として生きる覚悟で、
魔術師の家系である阿倍野家へはもう戻らぬつもりで臨んでいたのだ。
だから俺は、美しき容姿と優秀な頭脳、社会的ステータスの高さ、
そしてなにより未知なる『異性の肉体』という大きな魅力に惹かれ、
『双葉麗奈』を俺の第二の人生の『器』としてのターゲットに選んだのだった。
それがどうだ、幸運なことに、
この麗奈の肉体は素晴らしい魔術の資質が眠っていた。
一度は、その道を諦めていたが、
今の俺には麗奈の優秀な頭脳と膨大な魔力資質、
そして、俺の長年蓄積された魔術の知識がある。
これなら俺も再び魔術の高みを目指せるかもしれないではないか。まさに一石二鳥である。
※※※※※
『%$&%#&#&%$%$#&%#$#%$#』
――パチンッ
独特の魔術の詠唱を呟き、空気の弾ける音とともに、
人払いと防音の結界が発動する。
どうやら、新しい肉体(カラダ)に移った後でも術式行使に問題なさそうだと、
ホッと一安心した。
これで暫らく誰も教室に近づいてこないし、
大きな音をだし立てても誰にも聞こえる事は無い。
もともと人の近寄らない空き教室だったが念には念をだ。
使えるものは使うべきだし出し惜しみはしない主義だ。
もともと、もう使えなくなると思っていたので、
これでこれからゆっくりと堪能する余裕が出来た。本当にうれしい誤算である。
「さてと……こっちの方も、サッサと済ませてしまうか……」
俺は足元に視線を落とす。
そして、足でゴロンと元の身体を転がし仰向けにした。
元の肉体とはいえ、扱いに容赦がないが何の反応も示さない。
まあ、当然だ。俺の魂の抜け殻なのだから。
魂の抜け殻とはいえ、肉体の方はまだ生きていがそれも時間の問題だろう。
このまま放っておけば、やがて心臓が停止して完全に死体へと変わるだろう。
だが俺はその前にやらなくてはいけないことがあるのだが―――
――ドクンッ
「んぁ…こっちの効果も始まっ…たか。あぁ、熱い……」
心臓の鼓動が速くなり、身体が火照りだす。俺は、身体の火照りに耐えきれず、
今着ている制服のベストを脱ぎ、ブラウスのボタンを乱暴に外した。
プルン♪と高級そうなブラに包まれた胸が揺れ、
身体の持ち主からしか見ること出来ない上からの角度から見える大きな谷間が視界に映った。
「へへへっ、これが麗奈の……いや、今日から俺のオッパイなんだよなぁ……。
ジュルリ……。おっと、涎が出てきちまったぜ♪」
どうやら麗奈は着やせするタイプだったようで、
制服の上から見るよりもその存在は、より大きく自己主張をしていた。
そして、今すぐにでも揉みたいという衝動に駆られるが、
それよりももっと強い衝動が俺を駆け巡ったのだった。
「あぁ……ほ、欲しい」
仰向けに寝かせてある『俺』の胸にピタリと耳をくっ付けと、
ドックンドックンと心臓の鼓動が聞こえてくる。生きている証が耳に響き、
俺の胸の鼓動もドキドキと高鳴る。俺、今『自分』にドキドキしちゃてる―――
※※※※※
――そもそもこの秘薬の効果とは何なのか?
まず一つは、先ほど見ての通り、魂を液体化して、
対象となる人物を魂と肉体ごと乗っ取り支配する効果。
しかも、細胞レベルで支配することが出来、
その気になれば妊娠避妊思いのままである。
そして、もう一つの効果がまた重要で、
服用した肉体と乗っ取り対象の肉体の両方に現れる。
それは、意思とは関係なく肉体が欲情する……そう、発情する。
生命が種を残そうとする肉体の生存本能をより増強させ、
その衝動に術者の意思は拒否することさえ出来ないほど強力なのである。
(本当は嫌だけど……分かっているけど……あぁ、カラダがゆうことをきかない……)
俺は『俺』の制服のズボンに手を伸ばし、ジッパーに手をかけ引き下ろす。
そして、中からすっかり大きくなった肉棒を取り出した。
見慣れた我が息子だったモノは、ドクドクと脈打ち既に勃起をしていた。
ツーンとした男臭い臭いが鼻の奥を突くが、
今はそれすらもくすぐったくて性的な興奮を覚えてしまうのだった。
本来、精神が男の俺が男のチ○コを見て興奮するなんてあり得ないことなのだが、
今は秘薬の影響で麗奈(俺)の肉体は、ただオスを求めて発情し続けている所為で、
ソレを見た瞬間から更に身体の奥が疼き、興奮してしまうのはこの所為である。
その一方、魂の抜け殻のはずなの『俺』の肉体も、秘薬の効果で、
意思がないのにも拘らずペニスを勃起をさせていた。
ソレを握る俺の掌に伝わる熱と脈動やらが生命感を俺に伝えてくれる。
これは動物の本能が種を残そうとする為と言うべきか?
ある意味正解ともいえるが、ちょっと違うのだ。
※※※※※
というのも実はこの秘薬は、一度使うと元の肉体へは二度と戻ることは出来ない。
魂の形そのものが融合によって別人へと変わってしまう所為であるからだ。
そんな代物が一族の秘薬として存在するにも拘らず、
一族が滅びてしまはないのは、この秘薬のもう一つの効果がある為だ。
あくまで他人の肉体を乗っ取るのは手段であり、
この秘薬の真の使用目的ではないからである。
最初に秘薬を服用した側の肉体と、
乗り移った側の肉体は秘薬の効果により一時的に性的興奮が爆発的に高まり、
お互いの肉体同士が強制的に魅かれ合ってしまう。
そして、術者の意思とは関係なく肉体が欲情し始め、
種を残そうという衝動にかけられるのだ。その強制力には誰も逆うことが出来ないのだ。
「だ、駄目だっ……もう我慢できないっ!!」
――パクッ
先程まで『俺』のモノを握りながらなんとか躊躇していた俺の、
男としての理性という名の防波堤は脆くも崩れ去り、
ついに肉欲の本能に負けしまったのである。
――チュパッ…ズズッ…ジュプッ…ジュプッ……
「んんっ……『俺』のチ○コ美味しい……ああん!」
もうすっかり肉体の本能に理性を呑みこまれてしまった俺は、
頭の中がピンク色に染まっていた。
熱い肉棒を左手で握って口の中でチュパチュパとおしゃぶりしながら、
空いた右手の方で自分の胸もムニュムニュと揉みしだいていた。
チラ見した大きな姿見には、
双葉麗奈が阿倍野清彦にフェラをしながら奉仕している姿が映る。
そして俺が『あの双葉麗奈』を屈服させて奉仕させている姿を妄想してさらに興奮する。
揉みしだいている乳房が揺れてブラが上にずれ、
ギンギンに硬く勃起した乳首が顔を出す。
それを右手で摘み、コリコリと弄んで刺激をくわえる。
「ああっ……乳首すごくイイっ!!
うあぁ……オンナの胸ってズルイ……こんなに気持ちいいなんて……」
乳首だけで、男のペニスを弄る時よりも何倍も気持ちがいいのだ、
しかも乳首は二つあるから更に倍で気持ちがいい。こんなのって、なんだか凄くズルイ。
また、乳首の快感に連動して、男にはない器官が疼きだす。
そして中から熱い液体があふれ出てくる感覚を脳内が鮮明に感じ取り、
さらに興奮して快感として伝わってくるのだった。
※※※※※
――秘薬の本来の目的とはなにか?
それは、魔導を志す一族に関係がある。
とある目的、目標に至る為に日夜研究し、
代を重ねながら研究成果を受け継いでゆくのである。
一族の者の中には研究に没頭するあまり、俗世との接触を絶ったりした所為で、
次の後継者が生まれないなどという問題が発生した所為である。
その問題を回避する為に開発されたのがこの秘薬である。
秘薬と言うだけあって、その生成方法は門外不出で、
その代の当主しか知ることを許されない。
現在の阿倍野一族の当代は、俺の親父で俺ではない。
本来ならその存在すら知らされぬはずのこの俺が、
この秘薬の存在を知ることが出来たのはただの偶然である。
それはある日、祖父の家の手伝いで土蔵を整理していたら、たまたま発見したのである。
もちろん、その生成方法も秘密裏に知る事が出来た。
恐らく、親父には俺という後継ぎがいた為、
使用されることなく蔵に眠っていたのだろう。
……門外不出なのに、そんな管理で大丈夫か?――大丈夫だ、問題ない。
(主に俺的に)
※※※※※
――くちゅくちゅ…じゅぷっ……
「あぁ凄い……『俺のマ○コ』からどんどん溢れ出てくるよぉ……」
口に咥えていた『俺』の肉棒をチュポンと抜き、俺は股間の上に手を触れた。
少し手で触れただけで、ゾクゾクとした快感が襲ってくる。
その奥から湧き上がってくる愛液で、下着はもうクチョグチョに濡れており、
股間にベタリと張り付いていて少し気持ちが悪かった。
「……ここは誰にも見つからないし、脱いじゃうか」
俺は、グチョグチョになった下着や制服などを脱ぎ裸になった。
人払いの結界により、ここで行われている様子は外からは見る事は出来ないし、
大声をあげようとも何も聞こえないので、
全裸で激しいSEXをしようが決してバレる心配はないのだ。
ついでに、『俺』の着ている服も丁寧に脱がしにかかった。
意識のない人間を動かしたり着替えさせるのは少々骨が折れたが、
なんとか丸裸にできた。
丁寧に服を脱がしたのは、あとでまた『俺』に着せるからである。
全裸の『俺』の変死体が発見されるなんて事態になったら変な噂の所為で、
阿倍野家の世間の風当たりが悪くなるからだ。
流石に俺もこれ以上は両親に迷惑はかけられない。両親だけに良心が痛むのだ。
(【審議中】 ( ´・ω) (´・ω・) (・ω・`) (ω・` ) )
※※※※※
――そもそも俺の目的とは?
それは、俺という『個』が阿倍野一族というしがらみから抜け出す為である。
だが、阿倍野一族や『俺』の両親には恨みなんて全然ないし滅ぼすつもりもない。
なので秘薬の力を使い『俺』の子を麗奈の肉体(カラダ)で孕み、
その子供を阿倍野家つまり『俺』の実家に押し付けて、
後継者としての役割もその子供に押しつけ丸投げするのが俺の計画なのである。
しかし、その計画には色々と障害があった。
だいいち一族や両親が黙ってはいないだろう。
両者を黙らせる為には、ある程度の権力と資産が必要なのだ。
そして、この計画を成就させるために必要なターゲットとしての条件をクリアし、
俺の新たな器として選ばれたのが、現在の俺、『双葉麗奈』なのである。
「クククッ……この美しい麗奈の肉体の全てが今の俺の身体……。
そうだ、もうこの俺が双葉麗奈だ。( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」
『俺』の服を脱がし終わった俺は、再び姿見の前に立った。
すると、金髪の美しい少女の生まれたままの姿が姿見には映し出されていた。
鏡の中の美少女は俺の意思で優雅な動作で動き、豊満で美しい胸が
プルプルと揺れる。
そして、その美しい顔に似合わぬ下品な笑みをニヤリと浮かべていたのだった。
そう、俺は『阿倍野清彦』という存在から、
念願の『双葉麗奈』という他人の存在に成り替ることが出来たのだから―――
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…
(後編へ続く)