朝起きると見知らぬ部屋で、女子高生だった。
……何を言っているか判らないのは俺も判っている。
昨日仕事から帰って晩酌をしていた所までは覚えているんだ。
その時まで俺は確かに男だったはずだ……。
エロサイトを巡回しながら自分のチ○コを弄ったのだって覚えている。
パステルカラーのパジャマの下から、今はそれが全く感じられない。
どうなってるんだ??
何か情報は無いのか??
混乱した頭で部屋の中を見回すと、
机の上にメモの書かれた便箋と大きなヘッドホン、そして学生鞄が目に入った。
『貴方の身体とその娘の身体を入れ替えました。
元の身体を捕まえて、戻りたいと念じれば元に戻る事が出来ます。』
──何だこれ?
身体を入れ替えるなんて馬鹿な事が出来るわけ……
と思ったが、現実に起きている事を見れば信じる他ない。
元に戻れる、という文面にひとまず安堵する。
『このヘッドホンを装着すると“この瞬間の”此処に戻ってくる事が出来ます。』
書かれている事の意味に一瞬理解が追いつかなかった。
この単なるヘッドホンが……タイムマシン?
困惑しながら置かれたヘッドホンを手にとって見る。
別に変わったところは見当たらない。
とりあえずヘッドホンは後にして、便箋を読み進めることにした。
『その身体の運命は、3日後の死に収束します。』
次に目に入ってきた一文に俺は凍りついた。
いやいやいや、急に死ぬとか言われても全然実感がわかない。
短文にも関わらずあまりに情報量の多い文章だが、どれ一つ取っても現実離れしすぎだ。
こんな状況でなければ笑って無視していた所だ。
一緒に置かれた学生鞄の中に、財布と生徒手帳を見つけた。
この子の名前は双葉由美ちゃんと言うらしい。
手帳の写真はとても可愛らしい。
これが今の俺の身体なのか……?
住所は何々、愛知県!?
俺の住所は東京都だ。これは『俺の身体』を探しに行くだけでも一苦労だぞ。
ひと通り情報を確かめた後ヘッドホンを装着すると、
確かに1時間前、つまり目覚めた直後の時間軸に戻る事が出来た。
メモに書いてある事はどうやら全て本当だったらしい。
……つまり3日後に俺はこの身体ごと死んでしまうということだ。
しかし、このヘッドホンさえあれば何度でもやり直せるんだ。
この娘には悪いが、元に戻らせてもらう。
──身体を探索してからでも遅くないよな?
***************
姿見の前に立つと、生徒手帳の写真とは比べ物にならない程の美少女が映し出された。
「これが……俺!?」
くりっとした目、真っ直ぐ通った鼻筋
腰まで伸びた、少し茶色掛かった長い髪に透き通った白い肌。
パーツのどれ一つ取っても元の自分とは似ても似つかない。
そして一番違うのは、胸元の二つの膨らみである。
いささか小ぶりだけど、形は申し分ない。
手をあててそのマシュマロのような感触をしばし堪能する。
「んっ……これだけで変な気分に……なって…くるな……」
思わず漏れてしまう声も透き通った女の子の声だ。
喉に手をやると、喉仏が無く平坦な首筋が手の平に触れる。
左手で胸を揉みながら、右手を首筋から身体のラインに沿って下ろしていく。
小さな肩幅
細く括れた腰周り
大きく張り出したお尻
スタイルも申し分ない。
産毛の感触すらない、全身ツルツルスベスベな女の子の肌触り。
そんな女の子の身体が俺の思い通りに動くのだ。
既に俺の心臓の鼓動は限界まで早くなっていた。
「こんなに興奮…してるのに……アレがないのは…変な……感じ……だな」
うまく回らない頭でペ○スの感覚を思い出す。
今の自分には付いてないが、右手を股間に添え、モノを握る形にして前後に動かす。
自分自身をオカズにして、しごく感覚だけは思い出す事が出来た。
「はぁはぁ……射精が出来ないから……発散する感覚がない……な」
自分にペ○スが付いてたらとっくの昔に“賢者モード”だったに違いないが
この身体では上り詰めた気持ちの捌け口が見つけられない。
「そうだよな……女の子は女の子の『持ち物』で発散しないとね……」
股間に添えるだけだった右手を、おもむろにショーツの中に突っ込む。
「んっ……無い……無いけど、女の子がある♪」
薄い茂みの中に、男には無いワレメを見つける。
今まで当然の様に付いていた物が跡形も無いって言うのも変な感じだ。
そこは既にジットリと湿り気を帯びていた。
「俺が濡らしたんだ……俺が……この身体で……」
ぷっくり盛り上がった、という表現が正しいんだと思う。
股間に備わった縦すじを指で掻き分けるとその中に『穴』を探し当てた。
指でその輪郭をなぞりながら大きさを慎重に確かめる。
「……指一本だって入らないんじゃないか?全然使い込んでないのかな?」
ためしに人差し指をゆっくりと挿入してみる。
その瞬間、全身を電気が走るような感覚が走り、俺は思わず仰け反っていた。
「ひゃうっ!まだ第1関節しか入ってないのに……女の子ってすごい!」
初めて味わう快感に、俺の“男の心”が情報を処理し切れてないのが分かる。
ただ『穴に指を入れる』という行為なのに、何ていう快感なんだろう!
姿見に映る女の子の顔は上気して真っ赤な顔をしている。
それが今の自分だなんて、全然自覚できなかった。
「あふ……ピリッと痛いような…くすぐったいような……気持ちいい……」
入り口を撫でる様に、指で円を描いただけなのに
この身体は女の子の快感を俺に訴えかけてくる。
足からは力が抜けてしまい、いつの間にかベッドへ倒れこんでいた。
「もう少し……奥へ……」
この穴がどれだけの深さを持っているのか想像がつかなかったが
本来ペ○スを受け入れるための物だと思えば、
今の細く小さな人差し指がくわえ込めない事はない……はずだ。
自分の指とは言え、体内に異物を差し入れるという男ではありえない行為。
俺はもちろん、この身体も初めての経験なのではないだろうか。
快感で震える人差し指を更に奥に差し込んでいくと、
指の腹の部分に小さな突起を感じた。
「ひぁっ……これが女の子の……!んあっ…これ凄い!気持ちイイ!」
せきを切ったように、女の子の快感が全身からあふれ出す。
男の射精なんか比べ物にならない!
圧倒的な放出感。
撫でるように刺激を加える。
──チュプッ、クチュ、プチャッ
「あっ、んあっ……ひぁ……んぅ」
挿入の度に思わず口から声が漏れてしまう。
その声と艶かしい音、全てを俺が発しているのが未だに信じられなかった。
ビクッビクッっと体中を電気が走り、頭の中が白く塗り潰されていく。
「たまらない……凄すぎる!これが指なんかじゃなくて本物のペ○スだったら…っ!」
思わず身体を仰け反らせた瞬間、人差し指の長く伸ばしていた爪が
その『女の子の部分』を思い切り引っ掻いた。
次の瞬間、今までに感じていた何倍もの刺激が俺の頭の中を占拠した。
「んっあっ…イクッ…イッちゃ……うぁ……!」
頭の中がが真っ白になり、女のイクというのがどういう事なのか、俺は一瞬で理解した。
真っ白な視界の中で、快感を貪る以外の事を考えられない。
指先でのソフトな刺激と、爪でコリコリと与える刺激を
リズミカルに『女の子の部分』に注ぎ込んでいく。
「あっ…はっ………はぁぁぁぁぁぁ……」
最後に大きくため息をついて、全身から力が抜けていく。
股間から今までのトロトロした感じとは違う、透明な液体が噴出するのを感じた。
そこから暫く先のことは覚えていない。
結局あの日から丸2日間、学校を風邪と言う事にしてズル休みした俺は
一人自室でオナニーにふける毎日を送ってしまった。
この身体の両親が、出張中で家に居ないと言うのも幸いした。
──そして今に至る。
あのメモが本当なら、俺は(正確にはこの身体は)今日死んでしまうらしい。
しかし目の前のヘッドホンを装着すれば、3日前の朝に戻る事が出来る。
そうしたら俺の元の身体に戻り、俺自身の死を回避しなければ。
……でも、その前にこの子の振りをして学校に行って見るってのもいいな。
*****************
何度か時間を巻き戻せるという謎のヘッドホンを使ってみたが
特に使用回数などに制限はないようだ。
今のところ制限みたいな物は見当たらない。
あれから何度か同じ時間を繰り返しながら、
下着の身に着け方、制服の着こなし方に始まり
近所のバス停、学校までの道順といった情報を模索して
何とか登校できそうな程度にこの娘の情報を集める事ができた。
双葉由美16歳、公立高校の1年生
特に部活道具みたいな物は見当たらないので、運動部ではないらしい。
兄弟は無し
両親共働きで家に居ない事が多いようだ。
それがこの身体のプロフィール、つまり今の俺だ。
制服のベスト、赤いネクタイ、そしてチェック柄の赤いスカートを穿いて
今の俺はどこからどう見ても『女子高生』の格好をしている。
もちろん、鞄の中には例のヘッドホンをしのばせるのも忘れない。
生徒手帳に書いてあった学校の所在地をパソコンで調べ、
やっと教室に辿り着いたのだが、俺は立ち止まってしばし思惑していた。
「……クラスが1年3組ってところまでは調べてあるんだけど
交友関係とかイマイチ分からなかったんだよなぁ……。」
携帯のアドレス帳と着信履歴から、ある程度友人らしい名前は押さえてあるのだが、
件数が多くて誰が親しいのか分からなかったのだ。(元の俺とは大違いだ)
まあ、今は時間割も押さえてないし、教科書も何も持っていないので
適当に声をかけてみて、情報収集したらやり直してしまおう。
「でも、可愛い娘が友達だったらいいけどなぁ……」
「おはよう由美、教室に入らず何をブツブツ言ってるの……もしもーし由美?」
ふと背後から声をかけられているのに気がつく。
今の身体の名前を呼ばれ慣れてないので、俺の事だと一瞬気付かなかった。
「なっ…何でもないよ!おはよう!」
とりあえず笑顔を作って適当に返事をする。
名前は分からないが親しげに声を掛けて来るということは友人なんだろう。
見れば結構可愛い子だ。(今の俺ほどじゃないが)
「あれ、由美今日は元気ね?」
むむむ、普通に返事したつもりだったが何か変だったか?
「あ、うん、今日は調子がよくって。」
「つい昨日まで死ぬ死ぬ言ってたのに……でも、元気になって良かったわ」
どういうことだろう?
本物の由美ちゃんは近く自分が死ぬのを知ってたって事か?
考え込む俺の様子を気にするでもなく、彼女は続ける。
「元気だったら1限の体育は大丈夫?用具出しの当番、今日は私と由美なんだけど。」
「あ、体育なんだ。これはラッキ……いや、何でもない…わ。」
怪しまれないように言葉使いを注意してみる。
不自然じゃないはずだ。多分。
横目に教室の中を覗き込むと、確かに何人か体操服を持って移動を始めているようだ。
「と……ところで今日の体育の課題は何だった……かしら?」
「由美ったら何ボケてるの。先月から器械体操じゃないの。
私はもう着替えてるから急いで急いで!」
そう言って女の子は、来ているブラウスをはだけて見せた。
ブラウスの中には『小島若葉』と刺繍の入った体操服を着込んでいる。
──この名前は見覚えがあるな。
確か携帯には『若ちゃん』と登録されていたはずだ。
「あはは、そうだったわね。着替えて行くから若ちゃん先に言ってて頂戴。」
「制服の下に着てこなかったって事は、体育だって忘れてたのね?」
「うん……ちょっとボケてたみたい。」
「……まさか更衣室の場所とか聞いたりしないわよね?」
どうしよう、その通りとか言ったら怒られるだろうな。
若葉ちゃんは完全にしかめっ面だ。
少し答えに詰まっていると、若葉ちゃんはふっと笑顔になった。
「冗談よ。私も制服を置きに行くから一緒に更衣室まで行きましょ」
そう言って若葉ちゃんは前に立って歩き始めた。
……良かった、とりあえず変には思われなかったようだ。
ヘッドホンだけを入れた鞄を持って、彼女の後について見知らぬ校舎の中を進んでいく。
右も左も高校生ばかり。
何だか凄く場違いな場所に来てしまった感じだ。
俺がその一員、しかも女子だなんて未だに実感がわかないな。
暫く歩くと更衣室の前に到着した。
「先に行ってるから早く着替えてね。私一人じゃ用具出せないんだから。」
俺の抱えた鞄を指差して若葉ちゃんはそう言うと、
彼女は体育館の方へ歩いていった。
「……まあ、中に体操服は入って無いんだけどね。」
更衣室の中からはキャッキャと女の子達の着替える声が聞こえてくる。
中に入りたいのは山々だが、体操服を持ってない以上着替えるのは次の機会だな。
ちょっと残念だが、今のターゲットは若葉ちゃんだ。
更衣室を後にした俺は、制服のまま体育倉庫に入っていった。
若葉ちゃんは奥の方で床に落ちたボールの片付けなんかをしている。
俺の姿に気付いていない事を確認すると、後ろ手に倉庫の扉をしめて内鍵をかけた。
その物音に気づいて、若葉ちゃんがこちらに振り返る。
「あれ、早かった……って、着替えてないの!?」
「あーうん、やっぱり調子悪くって休んじゃおうかなって」
そう言いながら、若葉ちゃんの前までツカツカと歩いていく。
「ねえ、若ちゃんもここで一緒にお休みしようよ。」
「何言ってるの由…………」
少し強引だったが若葉ちゃんに飛びかかるように抱きつくと、
油断した表情の彼女に俺の唇を重ねた。
女の子になって柔らかくなった俺の唇が、若葉ちゃんの柔らかい唇と触れ合って
なんとも言えない感触を創り出す。
言葉を遮られた若葉ちゃんは、ムグムグと声にならない息を吐き出していた。
甘い彼女の吐息が、口移しで俺の肺に入ってくるようだ。
しばらく間があって、若葉ちゃんは俺のキスから逃れるように顔を左右に動かした。
「ちょっと由美!ふざけてるの!?」
「ふざけてないわよ。私……こんなに若ちゃんのことが好きなんだもの!」
「女の子同士で好きって……由美そういう気があったの!?」
耳まで真っ赤にする若葉ちゃんはとても可愛らしかった。
これなら本物の女の子だってキュンと来てしまうかもしれない。
「そういう事かもね。若ちゃん大好き!」
そう言って彼女の頭を抱き抱えると、もう一度キスをした。
お互いの唇は一度目のキスでしっとりと濡れている。
「男の身体だったらこのまま押し倒しちゃう所だけど、
もうちょっと女の子の楽しみ方をさせてもらおうかしら♪」
「男だったらって……どういうこと……?」
心なしか若葉ちゃんの目がトロンとして、息遣いも荒くなっているようだ。
「何でもないわ、こっちの話よ。ねぇ、こういう事興味ない?」
右手を若葉ちゃんの頭、左手を彼女の背中に回す。
そのまま力を込めて若葉ちゃんの全身を引き寄せる。
低くなった俺の身長は若葉ちゃんと同じくらいになっているので
丁度おっぱい同士が触れ合う格好になった。
「若ちゃん…柔らかい♪」
胸同士が触れ合って、柔らかい感触が相乗される。
手で触るよりも何倍もソフトで、優しい感触だ。
男同士はもちろん男と女でも味わえない、女同士でしか決して味わえない感触。
身体の位置を変えたり、抱き抱える強さを変えたりしながら
お互いのおっぱいの形が変わる感覚を楽しんだ。
「由美……こんなのおかしい……よ…」
「でも若ちゃんも嫌がってないんじゃない?」
いつの間にか若葉ちゃんの両手も俺の背中に回っている。
お互いに抱き合う格好になっていた。
「じゃあ、こういうのはどう?」
若葉ちゃんの頭に回していた右手を右胸に持ってくる。
おっぱいに挟まれる右手。
手の平と手の甲に、同時に柔らかいおっぱいの感覚を感じる。
「ほら……気持ちいい。若ちゃん、左側も……。」
若葉ちゃんも俺の背中に組み付いていた手を解くと
黙ったまま同じようにお互いの胸の間に右手を差し入れた。
右胸からは俺の手の感触、左胸からは若葉ちゃんの手の感触を感じる。
「どう?気持ちいい?」
「…………」
手のひらをゆっくりと動かして、前後のおっぱいに刺激を与える。
若葉ちゃんは身体をモジモジさせたまま黙り込んでいる。
「黙ってるならもっといっちゃうからね♪」
胸元に挟んだ手を下腹部へと動かしていく。
若葉ちゃんのハーフパンツに手を入れると、
ショーツの上から割れ目のラインに沿って手を這わせた。
「やぁ……そんな所まで……やめて…」
「若ちゃん、湿ってるよ。」
さすがに恥ずかしいのか、若葉ちゃんは内股になって進入を拒んでいる。
「恥ずかしがらないで。私は全然平気だよ。」
そう言って若葉ちゃんの手を取ると、同じように俺のスカートの中へ彼女の手を誘導した。
「ね、若ちゃんのやり方で気持ち良くさせてよ……。」
既に濡れそぼった俺の割れ目は、
若葉ちゃんの侵入を受け入れる準備が出来上がっている。
しばらく躊躇っている様子だったが、意を決したように俺のショーツの中へ彼女の手が差し入れられた。
若葉ちゃんの中指が、俺の膣口の入り口にあてがわれる。
まずは入り口をゆっくりと撫でた後、段々と奥の方へ深度を増していく。
「へぇ……若ちゃんのやりかたってこうなんだ……」
「知らないわ……いつもはこんなんじゃ……」
「じゃあ私のやり方も教えてあげる……」
改めて若葉ちゃんのショーツへ手をあてがう。
今度は俺の侵入を拒むことは無かった。
身体は相変わらず細かく震えているようだが、割れ目に到達するのは容易だった。
「やぁ……由美………きゃんっ!」
「あっ、ちょっと乱暴だった?」
「そうじゃないの…気持ちいいよ。由美、こういうの慣れてるのね……」
若葉ちゃんの顔は真っ赤で、息も絶え絶えといった様子だ。
俺もつい先日まで男だったんだけどね。
慣れてるだなんてとんでもない。
ああ……俺にチ○コが付いてたら良かったのになぁ。
女の子同士は確かに気持ち良かったが、据え膳食わぬはなんとやら、だ。
ここまで到達しておいて、挿入の感覚が味わえないのも勿体無い。
「ねぇ、そこにマットがあるから横になってよ」
俺がそう言うと若葉ちゃんは黙って頷き、マットの上に身を横たえた。
……くそう、目の前で可愛い女の子が横になってるのに、俺の息子よ何処へ行った……。
何の主張もしない俺の股間に、軽くため息をつく。
スカートの下のショーツを前屈みになって下ろしていく。
すっかり興奮して股間から糸を引いている。
気にせず脱ぎ去ると、そのまま足元に放り投げた。
屈んだ体勢からそのまま四つん這いになり、若葉ちゃんの腰元へと這い寄っていく。
「若ちゃんのは私が脱がせてあげるからね♪」
上目遣いで若葉ちゃんの目を見つめたまま、
手探りで彼女のハーフパンツとショーツに手をかける。
ゆっくりと足元に下ろしていく動作を、若葉ちゃんは何も言わずに見守っていたが、
腰や足を浮かせてその動きをサポートする。
「ふふっ手伝ってくれてありがと、若ちゃん。」
裸になった若葉ちゃんの下半身に目をやると、
俺と同じくすっかり濡れた割れ目が淡い光を放っていた。
「直接見るとやっぱり綺麗ね。」
「やぁ…見ないでよ……」
顔を真っ赤にして嫌がる若葉ちゃん。
こうしてじっくり鑑賞したいって思うのは男の感覚なのかな?
「ごめんね、あまりに可愛い割れ目ちゃんだったから♪」
「もう……由美ったら……」
「もう一度キスしていい?」
再び若葉ちゃんに向き直った俺は、彼女の胸元まで這い上がると上目使いに問いかけた。
「いいよ……キスしよ」
そう言って、若葉ちゃんは目を閉じた。
先ほどの同じ目線でのキスとは違って、
今度は俺が首を上げ、若葉ちゃんが見下ろすような体勢での口付け。
男女が入れ替わったような、少し倒錯したキスに胸が高鳴った。
「お互い女の子だから、挿れるものは無いけど……触れ合うだけで気持ちいいよ……」
太腿を開いて若葉ちゃんに跨る格好になった俺は、
そのまま彼女と割れ目同士を擦り合わせた。
指を挿れる程の快感は無いが、男として女性を抱くような体勢と
そして想像だけで興奮できる女の子の身体が、十分過ぎる快感を与えてくれた。
若葉ちゃんも同じ様子で、小刻みに身体を震わせている。
今の身体は女の子だが、こうして興奮してくれている若葉ちゃんの様子に
俺は男としての征服感や悦びのような物を感じていた。
「私の事、好きにしていいよ。その代わり若ちゃんの身体も頂戴……。」
耳元で囁くように語り掛けると、若葉ちゃんはそれを合図にしたように俺の胸を弄り始めた。
自分でするよりも何倍もの快感に、俺は一瞬次の行動を取れずにいた。
「んっ…さすがに女の子ね…おっぱいの扱い方が上手」
「由美だって女の子でしょ……」
「ふふ…本当は男の子だって言ったらどうする?」
「どういうこと……?」
「例え話よ。私が男の子で若ちゃんが女の子、そう思って気持ち良くならない?」
そう言ってもう一度若葉ちゃんとキスをした。
それ以上彼女は何も言うことは無く、俺たちはお互いの身体を求め合った。
身をくねらせながらも、気持ち良い所を健気に探る若葉ちゃんと、
積極的に下半身を攻める俺。
身体は女の子同士だが、行為だけは確かに男女の交わりのようであった。
「由美……そろそろみんな来ちゃう……」
「大丈夫、内鍵を掛けてあるからすぐには入って来れないわ」
「そうじゃなくて…んっ……授業が……」
外からは着替え終わった生徒が体育館に入ってきているような物音が聞こえる。
「授業なんて良いじゃない。扉を挟んだ向こうでこんな事シテるなんて誰も思わないわ。」
「用具……出してないから……あんっ…みんな……来ちゃう」
あー…確かに何も用具の準備をしてないから、様子を見に来ちゃうかもな。
そう思うのとほぼ同時に、外から女の子達の話し声が聞こえてきた。
『あれ、まだ用具出てないよ?』
『今日は由美と若葉の当番でしょ?若葉は出て行くところ見たわよ』
『体育倉庫なのかな、もう先生来ちゃうよ』
『もー…じゃあ手伝ってあげよっか?』
そろそろ潮時かな。
スッと若葉ちゃんの上から退くと、持ち込んだ鞄の中からヘッドホンを取り出した。
俺が退いたので、若葉ちゃんも上半身を起こす。
「…急いで準備しないと…でもこんな格好じゃ…」
裸の下半身に目をやって、顔を真っ赤にしている若葉ちゃん。
息を切らして少し涙目になっているのがまた可愛らしい。
こんな様子で皆の前に出れば、何かあったと一発で騒ぎになってしまうだろうな。
「大丈夫大丈夫、次はちゃんと準備しようね♪」
「え……次??」
そう言うと、俺は手にしたヘッドホンを装着した。
「おはよう由美……あら、今日はなんだか元気?」
「おはよう若ちゃん。『今日は』じゃなくて『今日も』よ♪」
俺の様子によって毎回少し違うが、若葉ちゃんの第一声は「おはよう」と「今日は元気?」だ。
何度と無く繰り返した朝のあいさつ。
返事を返すのもすっかり慣れたものだ。
「むぅー…その様子なら体育も大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!当番だから一緒に体育倉庫までいきましょ!」
「その前に制服だけ更衣室に置いて来させて頂戴」
今回も若葉ちゃんは少しブラウスをはだけて、中の体操服を俺に見せ付ける。
「あ、私も行くわ。寝坊して中に着て来れなかったのよ」
「もぅ、私に当番させようって作戦じゃないでしょうね。一人で跳び箱は出せないのよ!」
「まさか、本当はみんなと着替えたかっただけよ」
「あはは何それ」
そんな他愛の無い会話をしながら、連れ立って更衣室へ歩いていく。
こうして女子高生をするのも悪くない。
……同じ3日間が続くのでなければ……。
***************
軽く頭痛を覚えつつ目を開ける。
…うん、今回も無事3日前に戻って来れたようだ。
身体をあちこち触って状況を確かめる。女の子のままなのは相変わらずだ。
俺はそろそろ元の男の身体に戻るための行動を起こすことにした。
この美少女の身体も捨て難いが、死の運命を言い渡されている以上
同じ日々を繰り返すわけにも行くまい。
その上でまず問題になるのは、俺の身体がある東京までどうやって行くかという事だ。
「いち……に……3千……400円……」
今の俺、双葉由美ちゃんの財布の中には、いまどきの女子高生としては
少し悲しい金額しか入っていない。
俺は軽くため息をつく。
その後家の中も漁ってみたのだが、現金は見つからなかった。
一応キャッシュカードはあったのだが、暗証番号が分からず断念した。
両親がいれば財布からくすねる事も出来たのだろうが、
揃って出張中なのがここにきて災いしていた。
俺が今いるのは愛知県の某市、東京まで行くには片道でも1万円は欲しい。
同じ時間を繰り返すことが出来るとはいえ、3日の時間制限がある以上
現金を手に入れる手段は限られている。
日雇いのバイトでもするか?
──1日で1万円は結構厳しい金額だ。
宝くじでも買う?
──早くても発表は来週だ。
スロットでも打ちに行くか?
──平日に女子高生がいける筈もない。
いっそ盗みにでも入るか?
──ヘタに取り押さえられでもしたら、時間を巻き戻せなくなるかも…。
むう……これは結構厳しいぞ。
何しろ、今の俺は言ってしまえば子どもの女子高生だ。
せめて成人だったら借金するでも何でもやりようがあるんだけどなぁ。
……女子高生か。
これを生かすしか手はないな。
「──お話し相手募集…名古屋近辺…16歳の女子高生です、と。」
まさかこういう事を“する”立場になるとは思わなかったが、
幾つかの掲示板に同じような文面を書きこんでみた。
元に戻れば関係ないので、顔写真も特に加工せず投稿してある。
あとは返事を待つだけだ。
まさかエッチまでさせる気は更々無いが、軽く男の話し相手になって
胸の一つでも揉ませてやれば数万円は堅いはずだ。
まずい雰囲気になればリセットしてやれば良いという安心感もある。
「お、いきなり返信が来てる」
しかも1…2…3……全部で7件も返事が来ている。
さすがの顔写真効果だ。我ながら飛び切りの美少女だしな。
それでもここまで反応が早いとは正直以外だ。
掲示板を開いて正座で待機でもしていたのか?
「……なになに、指定のポーズでもう一度写真を送れ?」
7件とも同じような内容だ。
なるほど成りすましとかあるからな。そういう仕組みなのか、と妙に感心した。
結局どれか一つに絞っても良かったのだが、7件全てに返事を出すことにした。
全員を呼び出してみて、その中から選べば良いと思ったからだ。
「15時に栄町の……○○公園で待ち合わせしませんか……っと」
土地勘は無いが、ネットで検索しながら適当な場所を待ち合わせ場所にした。
……全員同じ場所で。
こちらは顔写真を送ってあるから良いとして、雑誌や帽子など、相手の目印を指定するのも忘れない。
7人の男が同じベンチに座っている姿を想像して、少し笑いがこみ上げた。
時間になると、待ち合わせ場所では外回りのサラリーマンや学生に混じって
少し違和感のある目印を付けた男たちが7人、思い思いの場所に立っていた。
お互い気付いている風なのだが、待ち合わせの時間まで帰るに帰れないのだろう。
相手に気づかれないよう、物影から男達の様子を伺ってみる。
こうして見ると、律儀にソワソワしている男たちの姿が何とも間抜けだ。
“同じ男”として、何とも情けない感じがした。
「こんにちは、来てくれて嬉しいです♪」
時間を巻き戻し、改めて同じように一人の男を呼び出した。
小奇麗なサラリーマンと言った中年の男だ。
「あ、制服なんだ。参ったな……」
おいおい本音がこぼれてるぞ、と心の中で突っ込みを入れる。
こうして制服で合流したのも俺の作戦の内だ。
流石に制服の女子高生をホテルに連れ込むわけにも行かないだろう。
「うん、それじゃあ買い物でも行こうよ。好きなものを買ってあげるよ。」
「本当ですか?オネダリしちゃいますよ?」
我ながら寒いものを感じるが、軽くしなを作って甘えてみる。
金払いが良さそうなのはこれで確認が出来た。
その金をそのまま俺にくれるのが一番嬉しいのだが……まあ、付き合ってやるのもボランティアだ。
結局アーケード沿いに、男とショッピングをすることになった。
やはり男は金払いが良いようで、高そうなアクセサリを気にする様子も無く買ってくれた。
しかし、女の子の振りをしてショッピングをするのもなかなか疲れるな。
この男だって、ショッピングが目当てじゃないのは丸分かりだ。
こうして2人して興味無いものを見て回るっていうのも滑稽なものだ……。
「思った通り、アクセサリ似合ってるね。次は服でも買いに行こうよ」
「え洋服はいいですよ」
……下心が見え見えだ。
女の立場から見るとこんなに丸分かりなのか、それともこいつが馬鹿なのか?
服を着替えて化粧でもすれば、この身体だってホテルに連れ込めてしまうだろう。
放課後に父親と買い物をする制服の娘、という体裁を崩すわけには行かない。
「それより喉が渇いちゃいました。喫茶店でも入りませんか?」
男のペースにならないように、何とか俺のペースで誘導する。
後は公園にでも行って適当に別れてしまえば、このアクセサリをお店に返品して金策完了だ。
そこで、俺の記憶が一度途切れた。
──次に目を覚ますと、俺はどこかの部屋に寝かされていた。
そこがホテルだと気付くのと、隣に男が寄り添っているのに気付くのはほぼ同時だった。
「起きたかい?」
「あれ……どうしてこんな所に……」
なんだこれ、頭がクラクラして口もうまく回らない。
「ちょっと強い薬だったからね。あれから4時間くらいだよ。」
「……くす……り……?」
「僕は医者だからね、喫茶店で飲み物にちょっと仕掛けをするのも簡単なのさ」
男はニヤニヤと笑っている。
初対面の女の子に一服盛るような、危ない男をいきなり引き当てるとは。
俺は自分の運の悪さを呪った。
迂闊だったと言えばそれまでだが、制服を着たり予防線は張っていた筈だ。
どうやってこの男は俺をホテルに連れ込んだんだ?
「どうやってここまで来たか覚えてないのかな?まあ、そう言う薬だからね。
自我は無かったと思うけど、一緒に服を買って、一緒に歩いてここまで来たんだよ。」
その言葉に慌てて目線を下にやると、着ている服が制服から赤いキャミソールに変わっていた。
男の冷たい目と、その次の言葉に全身に鳥肌が立った。
「大丈夫、この後何があっても君はそれを覚えていない筈さ。
また薬を“念入りに”処方してあげるからね。」
異常な状況の中で確信した。
この身体が死ぬと決まっているのなら、この男に殺されるのだと。
俺の運が悪いんじゃない。
この身体の運命が、そういう風に周囲の状況を引き寄せているのだ。
大量に薬を打たれた挙句、2日後に死亡と言ったシナリオが頭をよぎった。
そうだ、俺の持ってきた鞄はどこだ?
あれの中身さえあれば戻ることが出来る。
男がどこかに置き去りにしていない事を祈りながら、部屋の中を見回した。
「何か探し物かい?大丈夫、君に繋がるような証拠はどこにも残してないよ」
そう言って男は部屋の入り口を指差した。
そこには俺の鞄と、紙袋に入った制服が無造作に転がっていた。
「携帯で助けでも呼ぶつもりだった?
でも、携帯は壊しちゃったんだよね。今時はGPSとか付いてるからね」
そう言って、男は得意げに真っ二つになった俺の携帯を見せびらかした。
幸い、まだ本当の目的には気付いてないようだ。
「先に楽しませて貰っちゃおうかな。さっきも言った通り、あの薬は強すぎて自我が飛んじゃうからね。」
男は既に全身裸で、股間のモノがいきり立っている。
人の物とはいえ、数日振りに見るチ○コはかなりグロテスクに見えた。
「ひっ……」
見慣れているハズなのに、思わず声を上げてしまった。
それが男を増長させたらしい。
「くくく…どうせ見慣れてるんだろ?だけどそういう演技は嫌いじゃないぜ
せいぜい嫌がってくれよ。どうせ最後は無条件で股を開く事になるんだからよ」
“無条件”の意味する所は分かっている。
最後は薬を打って意識を無くした上で、この身体を弄ぶつもりだ。
…薬を打たれるまでが勝負だ。
何とか油断を誘って、少しでも隙を付ければ時間の巻き戻しは一瞬で済む。
「あの、初めてなので……ゆっくり……優しくしてください……」
恥ずかしがって顔を背ける演技をする。
嘘は言っていない。
少なくともこの時間軸での俺の身体は、自分で慰めた事も無いような処女だ。
「へえ!遊んでる風に見えるけど意外だな。確かめてみようか。」
男の鼻息が荒くなり、声が弾んでいる。
ある程度予想はしていたが、次の瞬間男に組み付かれた。
まだ薬が効いているため、何の抵抗もする事が出来ない。
男はそれを見越していたのだろう。
特に俺を拘束するでもなく、両手で俺の胸を鷲掴みにして乱暴に揉みしだいた。
「痛っ…痛い……!」
「ゆっくりって言うけどさ、長い前戯は嫌いなんだ。もう行っちゃうよ。」
これで前戯だったのか……。
尽々、この男のクズっぷりに吐き気を感じた。
……男と交わるのなんて当然初めてだ。
しかもこの身体は昨日までオナニーも知らなかったような女子高生だ。
乱暴に胸を揉まれて、すぐに濡れるわけもない。
そしてもちろん男を受け入れる体勢など出来ていない。
せめて心だけは、唇を噛んで男の次の行動に備えた。
ヌプッズブズブッ……ブチッ
――――激痛としか形容できない行為の中で、何度も俺は意識を手放しかける。
肉の引き裂かれる音を、確かに聞いたような気がした。
「うっキツイ……締まるっ!いいね…君…!」
辛うじて目に映る視界の中で、男は恍惚の表情をしている。
その一方で激痛に耐える俺。
怒りや悲しみといった、言いようの無い感情が俺の中に渦巻いていく。
いかん……ここで自分を失ったら終わりだ。
冷静に受け止めて、次の行動に繋げなくてはいけない。
何の快感も無い、ただただ苦痛なだけの男の動きに全身が震えた。
男はそれを、俺が感じているとでも思い込んだのだろう。
息を荒くして、うっとりしながらこちらを見下ろしている。
「本当に処女だったんだ。今時の女子高生なのにビックリだよ
初めては気持ちよかっただろ?」
いつしか俺の股間から染み出して男に付いた鮮血を、男は俺に見せ付けてきた。
処女を失ったからと言って、特に悲しいとも感じてはいない。
いかに男の隙を作って鞄の中身を手に取るか、それだけだ。
気取られないよう、何の感情も表情に出さないように努める。
「何の感慨も無いのか。もうちょっと泣き喚いてくれると楽しいのにな」
男はガッカリした風に溜息をつき、行為を再開した。
俺の上にのしかかり、胸を揉み、全身を舐める。
交わっている相手が本当は男だ、と耳元で伝えてやったらこいつは狼狽えるだろうか?
いや……俺の身体が正真正銘の女の子である以上、こいつを付け上がらせるだけだ。
今は感情を押し殺して、ただチャンスに備えるのみだ。
いつしか俺は、男の行為を客観的に眺めるようになっていた。
薬のお陰か、痛みも引いて全身の感覚もおぼろげになっている。
「ちっ…喘ぎもしないんじゃ薬を打っても打たなくても一緒じゃないか!」
男は眉間にしわを寄せてそう呟くと、俺の中に最後の放出をした。
それすらも俺は黙ってただ成すがままに身を任せた。
今だけは、時間をやり直せると言う保障に感謝した。
「くそっ、ここまでマグロな女も珍しいな。
もういいや、後は“俺一人”で楽しむから。君の自我は要らないよ」
男は俺の上から降りると、ショルダーバックの中からアンプルを取り出した。
注射器を取り出して、慎重に薬剤を入れている。
「経口摂取よりもずっと効くからね、『多分』死にはしないよ。」
ついにチャンスが来た。
男はこちらから視線を外している、最初で最後のチャンスだ。
少し戻った身体の力を股間の痛みが相殺するが、意志の力で弾き返す。
俺はベッドから飛び起きると、もつれる足で入り口の鞄に向かって走り出した。
「おい、逃げられねぇぞ!」
男は注射器を手にしたまま俺の後を追ってくる。
確かに、扉には内鍵とチェーンロックが掛けられている。
これを外している間に捕まってしまうだろうが、俺の目的はそっちじゃない。
急いで鞄を拾い上げると、中に手を突っ込んでヘッドホンを探った。
次の瞬間、男の乱暴な手が俺の肩に掛けられる。
「すぐに終わらせてやるから、手間を掛けさせるな!」
男は持っている注射器の針を俺に向けて持ち替えた。
俺の腕を掴んで狙いを定めている。
「やめ………ろ!!」
とっさに俺の右足が男の股間を蹴り上げた。
身長差があるためクリーンヒットとは行かなかったが、
それでも一瞬、男は前屈みになって低いうめき声を上げた。
「ぐっ…ふざけやがって!」
今は付いていないとはいえ、どれだけの痛みか分かるだけに「ざまぁみろ」と呟いた。
その隙を突いて鞄の中からヘッドホンを探り当てる。
「よしっ、これで───」
と思った瞬間、俺に男の注射器が振り下ろされた。
とたんに、視界が霞み息が荒くなる。
全身が鉛のように重くなり、俺はその場にへたり込んでしまった。
両腕も同じで、鉄球でもぶら下ってるのかと思える様だったが
最後の気力を振り絞ってヘッドホンを頭に装着する。
「畜生…お前の身体を好き放題おもちゃにさせて貰うからな。
安心しろ……記憶は──目覚める頃には───」
俺が聞いた男の言葉はここまでだ。
目を開けるといつもの朝だった。
悪夢から覚めたように心臓が激しく脈打っているが、身体には異常は無いようだ。
全身をペタペタ触って、破られた処女が復活しているのを確認すると
何故かホッとするのを感じた。
結局、金策は失敗した…。
学校で若葉ちゃん達に少しずつ借りてみようかな。
俺はポリポリと頭をかいて、掲示板への書き込みを終えた。
「もしもし警察ですか?薬を打たれて乱暴されそうになったんです。
はい、○○公園で、まだ持ち歩いてると思います……。」
続きは需要しかないと思う!
最後、どうなるかが楽しみなので出来れば続編希望
気になったのは、ゲーマーなら4回間違い×250回くらいならキャッシュカードの暗証番号を見つける、ってとこぐらいかな?w
同じスタート地点から、いろんな話に分岐していくのもおもしろいし、最終的に何が待っているのかも気になって仕方がない。
続きも楽しみにしています。
> 4回間違い×250回くらいならキャッシュカードの暗証番号を見つける
暗証番号は4桁だから、2500回だね。
ゲームならそうかもしれないけど、実際に、
起きる→着替える→ATMに出かける→暗証番号を試す→ヘッドホンで元に戻る
これを延々繰り返すのはきついと思うな。毎回自分の体を動かして出かけないといけないから。
肉体的にはリセットされても、精神的には5回もやったら飽きてきて、もっと手っ取り早い方法を考えると思う。