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お嬢様と不良の小さな家

2011/12/09 20:19:06
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お嬢様学校。男女平等の思想や共学化が進む現代ではすっかり使われなくなったこの言葉。
しかし、お嬢様学校、というものは確かににまだあるし、それにこの世でお嬢様と呼ばれる女性たちは、それを求める男たちがいる限り、絶滅することはないだろう……

あるお嬢様学校の校門近く。ふたりの女子生徒が話し合いながら門を出ようとしていた。

「美朝。今日あのお店に行かない?新しく一流パティシエが来たといわれているの」
「い、いや……いえ、今日はいい……遠慮しと……ご遠慮させていただきますわ」
「ん?どうしたの?なにか変よ?……まぁいいわ。わかった。じゃ、また明日」
「は、はい。また明日あおう……会いましょう」

かわいいと呼ばれるのが似合う女子高生の誘いを断ると、美朝と呼ばれた女子高生は校門に止まっている黒光りする外国車におずおずと近づいていった。
車の側には黒髪をオールバックにした老人がビシッと立っていて、美朝の姿を見かけると流れるように一礼した。

「おかえりなさいませ。美朝お嬢様」
「た、ただいま……帰りました。じ、じいやもご苦労様」

じいやが車のドアを開けると、美朝は脚のオーバーニーソックスをきらめかせながら、慣れていないふうにおずおずと車の中に入っていった。
美朝は気づかないようだが、脚を上げた際に彼女の履いている純白のパンティが見えてしまっていた。一斉に男の通行人が美朝のグレーのスカートの中に目をむけていたが、じいやが眼力で追い払い、ご主人の醜態を晒すことをさせなかった。

車が発射しはじめ、じいやと美朝だけの空間になるも、美朝の緊張は解けなかった。
じいやは、前までは車の送迎時間はだらりとしてしまっていましたのに、美朝さまもそのお姿にふさわしい淑女になられてきましたな、と思った。

★ ☆ ★

美朝は可憐のひとことに尽きる顔立ちをしていた。
腰のあたりまで届く長く美しい黒髪。
たおやかでどこか物悲しげな表情。
さわると手を離さないもちもちした肌。

顔だけなら大和撫子の見本といって外国人に見せたいところだ。
しかし、彼女はけして日本女性代表といっていいものじゃない。

その部分は主に肉体だった。
Fカップもある彼女の魅力的な果実。
その重さに今にも負けそうな細い腰。
スカートから覗くむちむちっとした長い美脚。

去年の冬、両親はしばらく彼女をパーティにつれていかない決心をした。なぜなら彼女をつれていくと少年、青年、中年、壮年、太っている男から痩せている男までもが彼女に婚姻を迫ってくるからだ。
彼女の両親とはそのたびに苦労して断らなければならなく、美朝の美しさを恨めしいと思うようになってしまった。

「お嬢様。今日もあの家にいくのですか?」
「は、はい。あの方の家に向かってください」
「……わかりました」

じいやが不満気な口調を隠し切れないのには訳がある。その原因は最近お嬢様に男ができたことにある。
別に単に男ができたのならば、じいやも諸手を上げて喜ぶだろう。使用人とはいえ小さい頃から面倒を見てきた娘や孫のようなものなのだから。
しかし、その相手が名家の出身でもなく、将来有望というわけでもないただの街の不良ならば話が別だ。

髪を染毛剤かなにかで白髪に染め、粗暴な顔つきでお嬢様をみてにやつく。
あんな不良のどこが気に入ったのかわからないが、お嬢様はこのごろ毎週、彼の家に帰り道よっていた。土曜日曜には腕を組んでデートもしている。

しかし、そんなものかもしれないな、ともじいやは思った。
いままで籠の中の鳥のように生かされていた女性が狂犬のような男になびく、よくあることだ。
あの男と出会った日の夜はわけの分からないことをいっていたし、よっぽど強烈なものだったのだろう。一目惚れなんてそんなものだ。ともじいやは思った。

「家が見えてきましたな」
「あ、じいや、ここでいいです。とめ……てください」
「はい、美朝お嬢様」

美朝が車から降りる。その姿はまるで天女のような舞だったが、顔は少し緊張しており、初めてデートするときのような表情をしていた。
美朝が大きな胸を揺らして顔を上げると、そこには小さな家があった。あの男の家だ。

「ではじいやはここで待っております」
「い、いや……じゃなくて、いえ、帰っても」
「いえ、それが使用人というものです。美朝お嬢様、お忘れになったわけではござりますまい」
「わ、忘れる!?そ、そんなわけねえじゃ、ありませんわ!」

あわあわとかわいらしく慌てながら、美朝はスカートをはためかせながら男の家に向かっていった。
もちろん尻のあたりの白色のパンティが周りに見え、男の通行人たちが目を皿のようにするのだが、じいやがさっきと同じように眼力を全快にし、追い払った。

★ ☆ ★

家の中は静かだった。
それもそのはずだ。この家に住んでいるのは不良男子高校生ひとりのみ、不良の親はしばらく帰ってきていない。
美朝の家とは違い、手入れのしていない汚い玄関、そこに女性用ローファーをそっと脱ぎ、家に上がる。

お嬢様にこの家はまったく似合わない。まさに掃き溜めに鶴だ。
なぜ名家の女性、しかもたおやかで実に繊細そうな女性がこの家に上がり込んでいるのだろうか、普通ならば疑問に思うことだろう。
しかし、彼女のあでやかな唇から紡ぎだされた言葉はその疑問を抱く人をさらに混乱させるものだった。

「お、おい、きたぞ。美朝お嬢さん」

自分の名前を呼ぶ女性、しかもそれが一人称ではなく人に呼びかけるふうなのだ。
むっちりしたふとももを包むオーバーニーソックスからは色気が出ている。美朝を男性と呼ぶのは不可能だろう。
となると、ここに住んでいるのは美朝というお嬢様である美朝と同名の男なのだろうか?と考えるだろう。しかし男の声は違っていた。

「あら、慧斗さん、おはやいですわね。いつもの部屋ですわ」

男の野太い声が聞こえると、美朝は女の子の象徴であるリボンをゆらした。
ケイトと呼ばれるものはここにはいない。ならば慧斗は男の名前なのだろう。ではなぜ男は自分の名前を美朝に投げかけたのだろう。
美朝はそんな疑問を一つも考えないのか、少し悲しげに長いまつげの目を閉じると、男の部屋に向かっていった。

★ ☆ ★

部屋を開けると、美朝の鼻の中にツンと栗の花の匂いが突き刺さった。
美朝はその匂いに対してぼうっとした顔になりそうになった。これはいけない、と思ったのか、美朝は口呼吸にすることにした。
口を開きっぱなしの美朝を不思議な目で見ながら、部屋の中にいる男、慧斗が美朝に近づいてきた。

「慧斗さん、ごきげんよう」
「……おう、美朝お嬢さん」

お互いがお互いの名前で呼び合う。おかしな光景だが、彼らの間ではこれが常識らしい。
慧斗という男は男性の見本のような不良だった。美朝のような女性の理想の見本と向かい合うと、それが更に高まる。
170センチの慧斗が163センチの美朝を見下ろす。高圧的な印象を美朝は嫌でも受けてしまった。

「今日はだいぶ可愛らしい格好をしていらっしゃいますわね」
「だ、だって、美朝お嬢さんがこういう格好しろっていったんだろ」
「わたくしはただバレないようにしてくださいといっただけですわ。……ちょっと失礼」

慧斗の手が見朝のスカートに近づいていく。
美朝がなにをするか聞く暇も与えなかった。慧斗の手は美朝のスカートを捲り上げていた。

外の男たちが見ることのできなかった白色のパンティをじろじろと眺める。
光沢のある女のパンティ。うっすらと見える美朝の股間のラインや女性器。アソコを触れば彼女はたちまちこのパンティを水浸しにするだろう。
慧斗に目に劣情の波が漂い始めるのを見て、やっと美朝は悲鳴を上げた。

「きゃああっ」
「今日はかわいい下着つけてますわね。白色なんて」
「だ、だからあんたが」
「最初はスカートのひらひらが落ち着かないとかいっていらしゃったのに」

辱められたことで美朝の可憐な顔は赤くなっていた。チェック柄のグレースカートの前を押さえる両手までも赤く見える。
すばやく手を動かしたせいで胸がぐにゅと形を変えたが、美朝には恥ずかしさしかなく、目の前の男に対し無防備だった。
慧斗が女子高生の制服の中で揺れる胸を食い入るように見つめながら、呆れたようにため息を付く。

「それにしても、なんですの、さきほどの反応は?不良だったってのが嘘みたいですわね」
「み、美朝お嬢さんが入れ替わりを起こさなければこんなことには……」
「それは慧斗さんが入れ替わりできるものならしてみろ、とおっしゃったからでしょう?」

負けたと悟ったらしく、美朝は落ち込んだ。黒い髪をたらりとたらし、重い胸を重力に預けた。
慧斗はニヤニヤしている。どうやら女性を追い詰めることが好きらしい。美朝を半月の目で見ている。

「……早く元に戻してくれよ」
「無理ですわ。100回交わらねばならないと最初にいったでしょう」
「ひゃっかい……あと何回だ?何回セックスしなきゃ……?」
「あと82回交わらねば戻ることなどできませんわ」

顔を上げた美朝は絶望的な顔をしていた。
大きな目を潤ませて伏せ目にし、頬は少しだけ赤く、ピンク色の唇は恐れのあまり慄いている。
戦地に咲く一輪の花のように美しく、生き残る可能性が皆無のような顔だった。

「まだそんなに……少なくならないのか?な、なんとかしろよ、おい」
「……慧斗さん、わたくしにそんな口を聞いていいと思っていますの?」

今までいやらしい顔で見つめていた慧斗だが美朝の命令口調を聞いた途端、冷酷な顔になった。支配される側の不満を聞いた独裁者のような顔だった。
慧斗の不良の眼光で、可憐なお嬢様は言葉を飲んだ。あまりに酷薄な支配者のオーラに、美朝は身をすくませた。

「み、美朝お嬢さん……」
「口答えしましたわね?その身体を殿方の力ではたかれたときの痛み、忘れたとはいわせませんわ」
「ひぅ……」
「女である慧斗さんが殿方のわたくしの力に叶うわけがありませんわ。もうわかってらっしゃるでしょう?」
「わかった……わかったよぉ……だから手を下ろして……」

身を縮こまらせながら懇願する美朝に慧斗はかわいさを感じていた。うるうると瞳をうるませることしかできないさまは無力の象徴だ。
美朝は慧斗が手を下ろすとほっとして息を吐き、鼻から思い切り息を吸ってしまった。栗の花の香りが美朝の繊細な鼻孔をつつく。そして、美朝の女性的な興奮さえも、その匂いは呼び覚ましてしまう。
美朝が切なげな顔になると、慧斗はふうと獣のような目で美朝の肢体を眺め回した。

「慧斗さん」
「な、なんだよ?」
「今日はわたくし一日中自慰をしておりましたの」
「えっ……」

前触れのないカミングアウトに美朝は動揺した。
おそるおそるごみ箱に目をやると、そこにはたんまりとティッシュの山があった。
美朝が驚愕したのはそこだけではなかった。慧斗の股間は美朝の扇情的な肉体を見ていたのでズボンの上からでもわかるほど股間が大きくなっていたのだ。普通の男ならば二度抜けばその日一日は射精できなくなるのに……

「美朝お嬢さん、な、何回したんだ?」
「そうですわね。軽く7,8回……あぁ疲れたましたわ」

慧斗の精力は無尽蔵なのだろうか。
考証する暇はなく、慧斗はなぜか、ととと、とあからさまにふらつき、机の上で仰向けに寝転んだ。
股間の屹立はまるで山のようだった。茶色の机の上の固い肉体にそなわるさらに硬い肉棒。
大きさはズボンの上で見る限り平均以上ある。

「今日は慧斗くんに主導権を握らせてあげますわ。騎乗位というものですわね」
「き、騎乗位……」
「あら、嫌ですの?男の方ならば上になるものが普通かと思うのですが」
「わ、わかった。すぐにやるから」

暴力の怖さを知った犬のように、美朝はすばやく動いた。
仰向けの慧斗に近づき、彼のズボンのチャックに手をかけた。

★ ☆ ★

チャックを下ろすと、彼の赤黒い男根が弾けるように飛びでて、むわっとしたオス臭い匂いが美朝の鼻に突き刺さる。
美朝は自分の股間が熱くなってくるのを感じた。

「ふふ、もう感じているのでしょう?」
「そ、そんなことっ」
「嘘を言わなくてもよろしくてよ。わたくしがその体にいた時よりも感じやすいのですから」
「違うって言ってんだろ……」

完全に嘘だった。誰が見ようと、彼女の顔は女の顔になっていた。
眼の前の慧斗の逞しい男性器から目を離せず、それに魅了されている発情した顔だった。
ほぼ無意識といっていい動きで、美朝は制服を脱ぎ始める。

「あ、今日はお脱ぎにならなくてよろしくてよ」
「え……?」

言われた意味がわからなかった。慧斗の低い声が心のなかに沈んでいった。

「せっかく慧斗さんがオーバーニーソックスをお履きになってくれたのですからね。そのまましたいですし……そうですわ。今日は着たままいたしましょう」
「着たまま……」
「わたくしは寝転がってしまいましたし、慧斗さん、自分でお慰めなさってください」
「じ、自分でなんて、そんな」
「あら?まさかわたくしに愛撫して欲しかったのですか?」
「へ!? ち、違う。着たままっていうのが嫌なだけだ!」

これも嘘だった。美朝はさっと慧斗から顔をそらした。
慧斗のあの腕で、自分の悩ましい肉体をむちゃくちゃにして欲しい。
男の腕の力と女の腕の力は全く違う。自分の力で慰めるなんて虚しいだけだ。

目を閉じながら、美朝は床に座った。女性の股関節でしかできない座り方、女の子座りだ。
脚と尻が硬い床につくが、むっちりした皮下脂肪のおかげでそう硬さを感じない。
スカートの前を捲り上げる。スーっと風が入ってくるのと同時に、慧斗が机の上で身体を起こした。美朝のパンティを見つめるためだ。
美朝は男の熱狂的な視線を感じながら、右手でパンティを横にずらし、自分の位置からは見えないが、赤い女性器を慧斗に見せつけた。

「あらあら、もう濡れてますわね」
「ぇ……そんな……馬鹿な」

焦って股間に手をやると、確かに濡れていた。愛液が股間から捻出されていた
女しか出せない液体が自分から出ていると思うと、美朝の身体は熱くなってきた。前々からの熱さよりももっとだ。
美朝はスカートを口にくわえ、両手で自慰を開始した。
人差し指と中指で女性器を開いた。ぬたぁと音がして、そこに指をそろそろといれていった。

「はぁぁっ……」

薬指が体の中をいじる。美朝の大和撫子ようだった顔がみだらなものに変わる。
膣は薬指が少しでも動けば奥から新たに新たに愛液を生み出した。
男では味わえない女の快感に、美朝は沈んでいく。

「ふふ、殿方の前で自慰をなさるお嬢様。慧斗さんもすっかり淫乱お嬢様になりましたわね」
「おれがぁ……ぁぁ……淫乱……んっ……」
「そうですわ。もしかして男だったなんて嘘で、ずっと女でいらっしゃったのでは?」
「ち、違うぅ……俺はぁ……ぅぅ……男だったんだぁ……はぁっ……」
「ふうん……あ、そろそろいいですわよ。これ以上はわたくしが耐えられそうにありませんわ」

くちょ、くちょ、といじる姿や慧斗の言葉に興奮するマゾヒズムを持っている美朝は、女というよりも牝だった。
口の中をよだれまみれにしながら慧斗をあおぎみると、男性器を最後見たときの倍大きくなって、破裂させそうなくらいになっていた。
股間から指をはなし、洪水を受け止めきれずぐしょぐしょになったパンティを履いたまま、慧斗に近づく。

慧斗は待ってましたと言わんばかりの顔で仰向けになり、美朝に微笑みかけた。
美朝はその顔にきゅんと胸を高鳴らせながら、彼にひざをつけてまたがった。
ひざの間にある男性器に自分の女性器を当てた。

★ ☆ ★

慧斗の逞しいモノの感触を自分の膣の入り口で感じ取ると、淫靡な瞳になった美朝は口を開いた。

「ん……じゃあ挿入れるぞ」
「違いますわ。慧斗さんの場合、挿入れさせていただく、でしょう?」
「……挿入れさせて……もらう」

パンティをずらし、美朝は慧斗の我慢汁が垂れ流しの股間めがけてゆっくり腰を落としていった。
膣の中に異物が侵入していく感覚。もう16回も交わっているのに、毎回毎回新鮮で、初めてセックスしたときと同じ快感が美朝をなぶった。

「ふぅ……ふぅぅ……」

いつもは襲われる側だったのに、今日は自分が主導権をとっている。美朝は戸惑っていた。どういうスピードで行けば自分の身体はもっと快感を得られるのか、どういう動きで行けば自分の口は言うことをきかなくなるのか。
腰を落としていき、慧斗の男根は中程まではいった。
熱い火箸がささった感覚に襲われ、美朝は男根を刺激するように女体をよじらせた。

「ぁぁん……ぁんっ……!」

眼前で行われる美しい舞と女肉の名器に慧斗は耽溺しそうになった。
なんてしまりのいい膣だろう。なんて美しい体なんだろう。

しかし、と気をとり直した。
やはり駄目だ。一度華を持たせてみようと思ったが、この人は臆病すぎる。それになにより支配されるのは性に合わない。と慧斗は考えた。
慧斗は美朝の肉付きのよい足に手を添えると、思い切りこちらに引き寄せた。

「ああああああんっ!!」

ズパァンッ!と肌と肌がぶつかり合い、慧斗の肉棒の硬さが増す。金剛石のような硬さになる。
美朝の官能的な肉体は暴れ馬から降りようとするが如く自身も快感のせいで暴れ始める。しかし逃れることはできない、結合しているのもあるが、男の力で押さえつけられているのだ。かなうはずがない。

腰をしならせた美朝には自分でやっているときの何倍ものエクスタシーが身体を襲ったのだろう。顔がとろけていた。
慧斗はそれに満足しながら、女の肉を持ち上げた。やわ肌食い込むことで相手のかよわさと社会的弱者の存在を感じ取りながら、慧斗は牝の肉を持ち上げた。

「だ、だめっ!そんな激しくっ!ぁぁぁあああんっ!」



再び肌と肌が触れ合う音がなる。美朝はもう先導する気がないように手をぶらつかせていた。牡に支配されるべきだと理解したように喜悦の声をあげていた。
もちあげる。ひきおとす。くねらせる。その三種の組み合わせが無限の可能性を提示していることに気づいた慧斗は、まるで自分が美朝という牝の肉体を彫る芸術家になった気分だった。
美朝は股間の豆を刺激され、天国に飛んでいく錯覚を起こしながら、白焼けた
視界の中で慧斗が極悪に微笑んでいる顔が一瞬見えた。

「そういえば、今日は体勢が逆転してますわね」

ポツリと呟いた言葉は、自分の口から途絶えることのない嬌声の中でもはっきりと美朝の耳に届いた。
ゾクッと美朝の中の恐怖心と、それに興奮してしまうマゾヒズムが同時に出現し、彼女の膣の締り具合が強まった。

「特殊なことがしたいですわね」
「あっ……あっ……!」
「ああそうですわ。言葉遣いを身体に合わせなさい。倒錯的で面白いでしょう?」

確かに倒錯的だ、しかしそれは同時に自分たちの存在をあやふやにしてしまう、と朧な脳で美朝は考えた。

「ゃっ!ゃだっ!絶対ぃん!にゃぅんっ!」
「もう……仕方ありませんわね」

美朝の乱れ具合と違い、慧斗はまったく冷静だった。腕に力こぶができているし性器も膨らんだりますます硬くなったりをしているので快感を得ていないとは思えないのだが……。
そこがどうにも慧斗がサディズムをもっていることを感じさせ、美朝はもっとゾクゾクした。
慧斗の手が脚から離れ、そのまま重力と勢いにしたがい下に落ちる。牝の肉が牡の肉めがけて落下していく。

「うぁんっ!」

膣壁がカリにえぐられたような、きつい衝撃を受け、それすらも快感に変わる女性の肉体に美朝は酔いしれた。
放心する美朝を引き寄せ、肩に手をかけた慧斗は相手の細い肉体のうえにある白色の女子高生の制服をすすっとずり下げていった。
胸のあたりに白色の布が見えた瞬間、慧斗は手を素早く動かし、ブラジャーを剥ぎとった。

ぷるん、と胸が揺れ、美朝の大きな果実が慧斗の前に姿を表した。形の良い、男たちが見たら揉みたいと思ってしまう美朝の胸だ。
ピンク色の乳輪の真ん中ではピンと乳首が勃起している。
美朝は自分の胸が外気に晒されたことに気づき、思わず欲望を口走ってしまった。

「はぁ……おっぱいぃ……さわってぇ……」

胸をいじられれば気持ちよくなるだろう。女の肉の深みは増すだろう。しかし、それは弱みをみせることと同じで、そこをつかれれば簡単に落ちることを示していた。

「いいから言葉遣いを直しなさい」
「だからぁ……いやぁ……だってぇ……」
「でないと、揉んであげませんわよ」

男の手を見せびらかされ、美朝はもう限界だった。

「……もんでくださいぃ……おぉ、おれぇ……わたくしの胸をもみしだいてください」

眼の前の男に心のすべてを預け、この身体の快感を貪ることにした。
この後のことなどどうでもいい。自分の頭が牝の快楽に狂おうが、目の前の男に絶対服従になろうが。
実際はもうなっているのだが、とにかく美朝はそう思った。

慧斗の手が上に伸び、豊満な美朝の胸をもんだ。
声に出さずに悦びを噛み締める美朝を見て、慧斗はもっと力を込めた。
乳首をつまむと柔らかさが指に伝わる。こんな小さな部分から体全体に恍惚感が広がる神秘をふたりとも微塵に疑問に思わずに、乳首をなで、つまみ、押した。

「ぁぁんっ!ゃっ!」

胸を乱暴にもみしだかれるだけで、美朝の敏感な肉体は熱を上げ続け、オーバーヒートしていた。
上下するド迫力の胸を下から見ながら、慧斗は意地汚く笑い、叫んだ。

「おい!どうだ!気持いいだろ!?」
「きぃ、気持ちいいですわぁっ!はぁんっ!わたくし感じてますわぁっ!」

男の汚い言葉遣いをぶつけられ、美朝は自分が女の身体にいることを強く再認識させられた。
言葉遣いの強制は、美朝のマゾヒズムに強くマッチしていた。
本来の身体に合わせた、自分の心のことなど全く関係のない言葉遣いの強制、美朝は自分の精神が犯されることに豊悦していた。
慧斗の手が止まり、視線が動く。そこは結合部分だった。
胸を揉まれ、横に動いていたから気づかなかったが、上下に動くことを失念していた。

「こっちを休ませてんじゃねえよ!」
「す、すいませんっ!動きますわっ!」
「もういい!お前は自分で胸をいじっていろ!この牝犬!」
「は、はいっ!」

服従する悦び。男に奉仕する女の悦び。純粋に不純な肉体の悦び。すべての悦びがある一点を目指し、美朝の身体を爆発させようとしていた。

「イクッ!あなたさまのモノでイきますわっ!」

正しくいうと何度も小規模にイッてはいるのだが、こんどは男の射精感のような、それを何倍にもした大きな波のようなものが襲ってきているのだった。

「おうイけ!俺もお前の中でイッてやる!」
「きてください!中に出してぇ!」

熱さが最大限に達したころ、結合部分で男性器が大きくぶるっと震えるのを感じ、慧斗の精液が体の奥にじんわりと広がるのを感じた。

そして、それをきっかけに、美朝は自分の身体が快楽という名のものに変異したのを感じた。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッッッッ!!」

男とは違う永遠の絶頂。
今までの豊悦をすべて組み合わせ、今までの怯え、感動がすべてちっぽけに見えるほどの大きさの純粋で莫大な快感。

焼き切れそうな脳の回路の中で、美朝は自分の中の子宮が満足したようにキュウッと音なるのを感じた。

★ ☆ ★

頭の後ろに硬いけど、どこか温かい、気持ちいいものを感じる。
目を開けると、怖い顔の男が自分を見下ろしていることに気づいた。

「あ、おはようございます、慧斗さん」
「ふぁ?」

さわやかな男の正体、それは慧斗だった。不良の顔でにこっと爽やかに笑われ、美朝はなんだか、不思議な気分になった。
なんか胸がドキドキする。セックスした後だから?いや、違う。これは……
そこまで考えて、美朝は自分の頭が慧斗の膝に乗っていることに気づいた。セックスして気絶してから起きるまで、慧斗に膝枕されていたのだ。

心地の良い枕を感じながら美朝は自分の身体をのろのろと確認していった。
制服がなおっていることはわかるが、胸はノーブラのままのようだ。このままじゃ乳首が擦れてしまうだろう。
股間を触ってみると、精液が漏れだすわけでもなく、少しなくなっていた。きっと慧斗がティッシュで拭きとってくれたのだろう。しかし、新たな栗の花の臭いじはそれだけできえるものではない。
もう一度服の確認をしようとすると、触っていないのに手の感触がした。慧斗の腕がノーブラ状態の美朝の胸におかれていたのだ。慧斗の手に力が込められる。

「ぁん……」
「わたくしの胸はどうですの?」
「も、もうセックスは終わっただろぉ……」

このままではまた女の肉体に溺れてしまうだろうと思い、美朝は離れたくなかった慧斗の膝枕からバッと身をはなした。
慧斗は身を整えてくれたとは思えない、優しさなど微塵も感じささえない顔でニヤニヤし始めた。

「それにしてもすごい乱れ具合でしたわね」
「ぁぅ……」
「あなたさまのモノでイキますわーなどと、よく大声であんなこと言えましたわねえ」
「だ、だってそれは美朝お嬢さんあんたがいえって……」
「あら?わたくしが命令すれば全て聞きますの?」

本当にきょとんとした顔の慧斗に、顔がぼしゅっと湯気を立てるほど美朝は恥ずかしくなった。
実際、自分はなんでも言うことを聞く牝奴隷として飼われるほどの痴態をみせたのに、慧斗は未だに自分を人間扱いしてくれる。ご主人様と見そうになった美朝は自分が卑しい存在に思え、さっと立ち上がった。
そしてノーブラの胸を揺らしながらさよならも言わずに家を出ていった。

「また明日性交いたしましょうねー」

後ろから聞こえる慧斗の野太い声になぜか胸が高鳴る自分が悔しかった。

★ ☆ ★

黒色の車に帰ると、美朝は頬を膨らました。
そして愛液で濡れそぼったパンティを気にせず、椅子にどかっと座った。
思い起こすのは慧斗の顔だ。まるで家に行ったらセックスするのが当然というような男の性欲の塊のような人物。

「もう……まったくあの人は」
「お嬢様」

運転していたじいやが美朝がこぼした言葉を聞き拾ったようだ。
元々慧斗に対し家族たちは不満を抱いている。美朝はそれをわかっていた。

「な、なんです……の?じいや?」
「あの男を財力をもってつぶすことも可能ですが?いかがいたしましょう」

もちろん答えは『だめ』だ。
美朝のことを案じているこの老人には悪いが、ふたりの関係を断ち切ることは不幸にしか直結しない。
しかし、それだけじゃなくてちゃんと自分の心に従ったこと答えを言おう、と美朝は考えた。

「いいえ、あの方にはなにもしなくてよいですわ。だってわたくしは……」

その後の言葉は聞こえなかった。
じいやが後ろを鏡で見ると、美朝は長く美しい髪をといているところだった。

景色が後ろに流れていく。
生粋のお嬢様は空を恋する瞳で見続けていた。


おわり
お嬢様っていいもんですね

なんだか私の作品は最初から入れ替わっているものが多いですね。というかそれしかない……
というわけで次作る作品は入れ替わりするときをちゃんと描こうかな、と思いました。

なんにも関係ないあとがきだな……

追記
かけばええんやろ!かけば!
・・・というわけで描くことにしますけれども、『兄妹の日常』の方もあるのでちょっと遅くなります。月単位でなので、ボヤーっとお待ちください。
イレカ
0.8030簡易評価
1.100きよひこ
おお、この話が図書館に上がってる。お嬢様と不良との倒錯感がいいですね。
ところで元のお嬢様は、どうしてこの不良と入れ替わろうと思ったんだろう?
10.80きよひこ
お嬢様の美しさを語るのに女性からの求婚は不要かと。
それ以外は大変良かったですよ。
続編で元に戻る希望を打ち砕かれたりする話しが読んでみたいです。
13.無評価きよひこ
やぁ神様
22.100きよひこ
元不良が雌奴隷に堕ちていくのがたまらん
入れ替わり前後のストーリーも気になる
41.100きよひこ
待ってました!
続編ありがとうございます。