・前作:とある清彦の生存戦略【前編】
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の続き
※※※※※
――ドックン……
「くぅ……はあっ……。忘れてた……ごめんな『俺』」
俺は、身体の疼きを思い出し、ハッと我に返った。
あまりの喜びに興奮しすぎて舞い上がり、すっかり忘れていたが、
今の俺の肉体は俺の意思とは関係なく『俺』の肉体に対して現在進行形で発情し続けている。
例え、それを俺の意思が望まぬとしても恐ろしい事に俺と『俺』の二つの肉体は、
秘薬の力の強制力が子孫を残そうと勝手に魅かれ合ってしまうのだ。
「んふっ、これが麗奈のマ○コから出た俺の愛液……。
ヘヘッ、美味ぇーじゃねぇーか。……フヒヒッ♪」
ヒクヒクと疼いてやまない俺の股間からは、ツーっと愛液が垂れてきていた。
それを指で拭い取り、ペロリと美味しそうに舐めると、
視線を姿見から『俺』に戻した。
そおーっと、『俺』の顔と向き合うようにしながら『俺』の身体に跨ると、
両方の手で『俺』の頭を挟むように支えながら『俺』の顔をジーっと見つめる。
そして、ガバッっと躊躇することなく俺は、ねっとりと『俺』と唇を重ねたのだった。
――んちゅッ!ジュル…ジュルジュル……
自分とはいえ男とキスをすることに不思議と嫌悪感を覚えることはなかった。
むしろ、それは愛おしい位に感じて思えてくるのだった。
舌を自分から進んで絡めに行き、ジュパジュパと水音を響かせる。
心が男の俺が、男に対して何故かそう感じるのは、
相手が『俺』だからかもしれない。
なんだかんだで誰もがそう、自分が一番可愛いものだ。
心底自分が嫌いな人間なんてめったにいないだろう。
例えその存在が『自分』から『他人』に変わってしまったとしてもだ。
愛とは違う愛しさが芽生え俺を支配してゆく―――
※※※※※
――チュポン!
ある程度舌を絡めたりしてみた俺だが、やはり意識のない抜け殻だけに、
俺が舌を絡めても当然反応する筈がなく、つまらなってすぐに止めた。
それに、このまま下手に続けて、
もし『俺』の肉体が窒息死したら元もこうも無いからだ。目的はまだ達成していないし。
「どうだったか『俺』?麗奈のファーストキスの味は?
……って言っても、答えれるはずもないんだけどな(笑)」
俺の勘は、やはり正しかった。
麗奈としての記憶を探ってみると、やはりビンゴだ。
今のキスが麗奈のファーストキスだったようだ。
私生活や学校内でも高根の花と呼ばれているだけあって、
今まで誰かと付き合っていたなどの噂も無かったし、まあ当然と言えば当然か。
もしも、麗奈の意識がこの身体にまだ残っていたとしたら、
あれほど嫌っていた『俺』みたいな好きでもない男に奪われちまって、
さぞかし屈辱的だっただろうよ。ひゃっはっは。
だが、その可能性はもう無い。
何故ならば、俺という存在が今の『双葉麗奈』で在り、
俺の意思が麗奈の意思そのものなのであるからだ。
それよりも、今度はファーストキスなんかよりも、
もっと大切な物を頂いちゃうとしますかね。ん?あれ?違ったか。
そうか、今は俺が麗奈なんだから―――
※※※※※
「ウフフッ、今から麗奈の大切な処女…清彦くんに捧げちゃいます☆
そのかわりに、清彦君の童貞は麗奈が美味しく頂いちゃいますね!」
(ケケケッ、こんなこと本人なら絶対に言わないだろうが、
この通り俺の思いのままだぜ)
無論、本人そのものの口調で喋ることも出来るが、俺はあえて麗奈の口調を真似して喋る。
本人が絶対にしゃべらない口調で喋り、そのギャップがまたそそるからだ。
案の定、右手に握って固定した『俺』の肉棒が、
その言葉に反応してまた一段と硬くなる。
流石は抜け殻になっても元俺だぜ、効果てきめんだな。
「へへっ、こっちの口も……もう待ちきれなくって涎ダラダラだぜ……。
それでは、お待ちかねのぉ……いっただきまぁーっす!!」
俺のおま○こも、早く『俺』のチ○コを食べたってパクパク疼いて仕方がない。
もうそろそろ、俺の理性も限界に近かった。
そして、俺は右手に握った肉棒を俺のマ○コの入口に押し当て、
それから、ゆっくりと腰を落としていったのだった―――
――ズブッ…ズブズブッ……
今まで男のモノを受け入れたことのない麗奈の狭い膣が、
勃起した肉棒の侵入でメキメキと悲鳴を上げる。
やがて、その行く手を阻む処女膜という名の壁が突き破られた。
――ブチッ!…ズズズッ……
「んあぁああ!痛っ!…痛ひよぉ……」
ブチリと耳に響く嫌な音と同時に、膣の内側から痛みが俺を襲った。
経験したことの無い内側からの痛みに思わず目じりに涙を浮かぶ。
まるで心まで女になってしまったかのように、弱々しい声が自然と漏らしてしまう。
そして、突き進む肉棒は止まることなく更に奥深へと突き刺さるのだった。
「……でも、気持ちイイぃん、はぁあああん!!」
だが、そんな痛みすらも一瞬で飲込んでしまう程の快感の波が俺に襲ってくる。
子孫を残す為に無理矢理発情させられた肉体(カラダ)が、
その行為を途中で止めさせないが為に、アドレナリンを大量に分泌しているのかもしれない。
更には、その痛みすらも痛気持よく快感に感じてしまうのだから、
その効果は絶大だった。
初めて経験する腹の中で感じる異物感はとっても新鮮で、
男の肉体で得られる快楽とは比べ物にならない位の快感を俺にもたらしてくれる。
よく小説などで『下の口』と比喩されている様に、膣内はとても敏感だった。
咥え込んでいる肉棒の膣壁に擦れてくる感触が、
快感と共に、ズンズンと鮮明に脳内にフィードバックされてくるのだった。
――ヌプッ!…ジュパン!…ヌプッ!…ジュパン!……
「ああん!『俺』のチ○コが俺のマ○コの中で擦れて……
痛いけれど…気持ちイイ……アアッ!はぁあん!」
今まで、俺の理性に阻まれてお預けを喰らっていたこの(麗奈)の肉体(カラダ)は、
貪る様に『俺』の勃起したペニスをキュンキュンと締め上げ、喜び続けている。
気持ち良すぎて、俺の意思とは関係なく腰の動きがが止まらない。
そして、パンパンと空気と混じり合う音と、
グチョグチョといやらしい水音が鳴り響くのだった。
次第に俺の理性と男としての自尊心は、
新たに得た女の肉体の快楽の波に飲まれて煤けていくのだった―――
※※※※※
――プルン♪プルルン♪
ふと、腰を上下に一心不乱に動かし続けていた俺の視界の先に、
プルンプルンと揺れる自分の胸が映りこんだ。
まるで美味しそうなものを見つけたかの様に俺は、
ペロリと舌を舐めずり、揺れる乳房を鷲掴みにすると、
器用にも自身に挿入された肉棒をゆっくりと腰を動かしながら味わいつつも、
両方の手で、俺のモノになった豊満なオッパイを鷲掴みしながら揉みしだいた。
「はぁうん…おマ○コ気持ちイヒ……。
こっちも……はヒッ!あはっ、この麗奈のおっぱいもチクビも気持ちイヒ……」
形が良く美しい麗奈の乳房は、
ムニムニと触り心地の良い弾力性を掌に伝えると同時に、
揉まれているという気持ちよさが俺を襲ってくる。
そして、その先端にあるビンビンに勃った乳首をコリコリと弄んでやると、
おマ○コとの相乗効果でとてつもない快感が脳内をフラッシュして駆け巡り、
パチパチと目の前が白く染まる回数が徐々に増えてゆくのだった。
※※※※※
(はぁ…はぁ…たまんねぇあの麗奈が俺のチ○ポに夢中で腰振ってるぜ!)
第三者視点で、あの学園のアイドル『双葉麗奈』が、
冴えない男、『阿倍野清彦』に筆おろしをしてあげているという、
本来ならあり得ぬ状況とシュチュエーションになんとも言えぬ背徳感を覚える。
そして、ゾクゾクとした興奮は凄まじい快感へと変わり、
それを俺に与え続けているのだ。
妄想の中で俺は、清彦(俺)として麗奈のオッパイを揉みしだき、
自慢のムスコで麗奈のおマ○コを突き上げて弄んでいた。
妄想の中で清彦として麗奈を犯し続ける。
だが、返ってくるのは、男としての快感ではなく、女としての快感だった。
現実は妄想なんかよりも凄まじく、ナニよりも気持ちがよかった。
現実の世界では俺が麗奈として、女として男の自分を……清彦を犯していた。
「あひっ、だ、ダメ…こんなの凄すぎ!
あ、ああっダメ!い逝っちゃううううううう!!」
俺のそんな気持ちに呼応するかの様に、
おマ○コの中で『俺』のチ○コは、
もう既に爆発寸前くらいに大きくなり、限界が近づいていた。そして―――
――びゅる、びゅるびゅるびゅる……ドクドクドク……
「んぁはあああっ!…熱い…せーえき熱いよぉぉぉ……
お腹がいっぱい熱いよ……はぁあうううぅん……」
俺が逝くタイミングとほぼ同時に、膣内(なか)の肉棒が爆発するように一気に弾けた。
膣のさらに奥にある子宮のナカにまで熱い精液がタップリと吐き出される。
そして、おマ○コのナカが熱い肉棒と精液でせべて満たさるのだった。
――ズル…ズル…ゴポッ…コポコポ……
「んはぁ…うん……女のカラダって凄い……はぁ…はぁ……」
ズルズルユックリとおマ○コから肉棒を引き抜く。
ゴボゴボという淫猥な擬音と共に、
中出しされた精液が溢れるように隙間から漏れ出して太腿を白く染める。
すると、漏れ出した精液の中には一筋の血液が混じっているのを目にとめる。
それはこの身体が処女を失った証、少女から大人の女性へと成長した証であり、
俺がこの肉体(カラダ)を征服した証でもあったのだった。
その血の混じった精液を指ですくい取り口へ運ぶ俺は、
ニヤリとまるで鏡の向こうの別の誰かに向けるように満足そうな笑みを浮かべ、
俺の心と欲望は満たされていくのだった―――
(麗奈…もうお前は消えて無くなっちまったが、お前の処女は俺が貰ったぜ。クククッ)
※※※※※
――それから数十分後――
……………………………
………………………
…………………
……………
………
…
「あっ、あっ、ああぁん!またクル…イクッうぅぅ!」
俺は、いまだに俺自身の身体と交わっていた。
何度も何度も、物言わぬ抜け殻の『俺』に中出しをさせ、
それよりも更に多い回数、俺は女としての絶頂を味わい続けていた。
俺はイッてもイッても際限のない女の身体の絶頂に心酔し、
すっかり男の頃に味わってきた快楽にはもう未練は微塵も無くなっていた。
それと同時に自分が女であることを完全に受け止めて、
快感に喘ぎ続けながら女の快楽を貪っているのだった。
――もう、何度目になるだろうか?
今ではすっかり俺は、熱い精液を体内に吐き出される女の快感の虜になっていた。
排出された体液がジュブジュブと淫猥な擬音を奏でながら、
体内を出入りする肉棒の為の潤滑液の役割となっていた。
そして、パンパンとモノが出入りする淫猥な音は、
前からではなく後ろの……肛門の方から聞こえてくるのだった………。
――ビュルビュルビュル……ドクドクドクッ……
「んふぁあああ……精液熱い……お尻が熱いよぉ……」
すっかり女の快楽に貪欲になた俺は、通常のSEXだけに飽き足らず、
アナルSEXにまで手を出してしまっていたのである。
そこにはもう男であった時の嫌悪感や屈辱などは微塵も無く、
すっかり心も体も淫乱に染まっていたのである。
俺の心はもう肉欲にどっぷりとハマった淫乱なメスそのものに染まっていたのだった。
――ブピッ、ブピッ…ブリュブリュ……ブブブッ……
腰を動かすたびに、おマ○コに大量に中出しされた精液が、
ブリュブリュと漏れ出してくる音が聞こえてくるのだった。
まだ男だった頃は、アナルSEXという言葉には、嫌悪感しか抱かない響きだった。
だが女になって、さらに快楽に貪欲になった今ではその嫌悪感は薄くなり、
すっかり淫乱になった俺は、なによりも『俺』自身のモノによって、
この麗奈の肉体を開発することに興味津々になっていたのだった――――
※※※※※
――ジュルジュル……ジュパジュパッ…ズズズッ……
「ふうぅぅん…モゴッ…『俺』のチ○コから出た精液ぃぃぃ!
んふっ……不味いけれど、これがまただんだん癖になるぅぅうう!」
もうすっかり手慣れたカンジで俺は、
自身のアナルから引き抜いた精子まみれのペニスを口に咥えて舌を這わせて、
かつての息子を元気にしていた。
もちろん最初の頃は、男のチ○ポを咥えることに抵抗があり気が引けたが、
かつての自分の息子を咥えて奉仕する事は、ある意味自慰行為と同じだ。
自分の中で、そういう風に都合よく解釈する事で、無理矢理誤魔化したのだった。
もちろん、只の自慰行為として考えるだけではない。
現に、近くに設置されている姿見の中には、
美少女が男のペニスを一生懸命にしゃぶりフェラチオをしていた。
そう、あの『双葉麗奈』が『阿倍野清彦』にフェラ奉仕している。
と、妄想することによって、更に興奮して身体の芯が熱く燃え上がるのだった。
すると、フェラの刺激を受けたペニスは、
みるみるその効果を発揮して口の中でムクムクと元気になっていき、
役目を終えた俺は、再び元気になった肉棒から口を離す。
ツーっと白く濁った涎が口の端から垂らしながら、
鏡に映る美少女は嬉しそうな笑みを浮かべ顔を綻ばせるのだった。
「クククッ……。俺のフェラのテクニック、だいぶ上達したかもな?
まあ、元々俺のチ○コだから、気持ちい所はバッチリ分かるから当然だけど」
何度もこの作業を繰り返し、こなしていくうちに俺は、
すっかり男の肉棒をしゃぶる事に慣れてしまっていた。
心なしかグロテスクである肉棒も今では可愛く思えるようになってきていた。
秘薬のおかげで、抜け殻の元の肉体はあきらかに限界を超えた射精を繰り返している。
一見規格外に見えるその精力はその裏で確実に生命力を削られながら、
強制的に射精させられ続けている『俺』は繰り返す度にどんどんやつれていった。
それとは逆に、この肉体は生命力を吸い上げていく様に満ち満ちていくのだった。
(もう……そろそろ……かな?)
元の清彦の肉体は最初と比べると大分やつれてしまっているのが分かる。
恐らくそろそろ生命力も限界だろう…と、そんな気がした。
そんな直感にしても、どことなく確信的な物を感じた。
もしかしたら、分離した俺の魂と元の肉体にはまだ何らかの繋がりがあるのかもしれない。
勿論それも根拠や確信みたいなものは無いが、やはり俺の直感が次が最後だと告げている。
そして、俺は握りしめた肉棒を今度はアナルではなく、
最後に再び自分の股間の割れ目を目掛けて腰を落としていったのだった―――
※※※※※
――ジュブッ…ヌプッ…ジュパッ…ジュパン!……
「ああっ、あああっ!『俺』のチ○ポ、チ○コいいっ!!
俺の子宮が、ちょー喜んでるぅう♪あひっ、キモチ゛イイ!!あふっん♪」
パンパンと淫猥な水と空気の音を立てながら激しく股間同士がぶつけ合う。
ズンズンと突き上げられる様に肉棒が膣の奥深くまで突き刺ってくる。
蠢く肉壁の中で熱い肉棒の先端が下りてきた子宮口とその度にキスを繰り返す。
まるで脳天まで肉棒を突き上げられるような衝撃と快感に、
意識が飛び飛びになってしまうのだった。
最初の頃はまだ狭くてキツかったこの麗奈のオマ○コも、
今では『俺』のイチモツをスッポリ咥え込んで離さない程に淫乱になっている。
あの『双葉麗奈』の身体を『俺』自らの息子(ペニス)によって開発するという、
優越感と背徳感に心が躍った。
その姿からはもう、かの高貴で美しい令嬢の姿はどこにもない。
全てを観ている姿見には、すっかり快楽に溺れた淫乱な女しか映していないのだった。
何度も女としてイクうちに俺の男としての自尊心は崩壊してしまった。
女としてイクことに幸せと生きる喜びを感じる様になたのだ。
今では、ただ貪欲に快楽を貪る獣のように荒々しく腰を振り、
揺れる乳房を揉みしだき、硬く尖った乳首を弄って、更なる快感を求めて狂っていく……。
そして、鏡に映る少女の焦点はもう定まっておらず、正気ではなくなっていた。
狂ったように下品な言葉を吐き散らし、
口元はだらしなく歪んで涎を垂らし、狂った笑みを浮かべ続けるのだった―――
※※※※※
――やがて、それも限界と終わりが訪れる。
膣に咥えた『俺』のペニスがビクンと膨張して大きくなりビクビクと痙攣し始めた。
もうすぐで射精の限界が近い合図だろう。
そして、これが恐らく最後、『俺』の最後の射精の時が迫る。
その先にあるものは、かつての『自分』の死――
すなわち、それは『阿倍野清彦』の肉体の死を意味するのだ。
「……ハァ…ハァ…『俺』の最後のチ○ポミルク……。
オレのナカにいっぱい出してぇえ!!んゅうううっ……」
腰を懸命に振りながら、最後の別れとばかりに『俺』の身体をギュッと抱きしめる。
ジュルジュルと、そのまま命を吸い取らんばかりの濃厚なキスを交わし続けた。
そして、ついに限界を超えた肉棒から怒涛の勢いの精液が子宮内で大爆発を起こした。
――ビュルビュルッ!ドピュ!ドピュドピュドピュ!ドクドクドクドク……
「きたぁあああ!こんなに…らめぇえええ!!こんなの、た耐えらんない!!
子宮…孕んじゃう!『俺』の赤ちゃん出来ちゃう!!ふわぁああああああ!!!」
子宮内で爆発した熱い奔流は、
これまでで一番の快感を生み出して瞬時に脳髄を駆け巡って更に爆発する。
そして、俺の意識はその奔流に呑まれていくように塗り潰され、
視界は白から黒へ染まっていくのだった――――
※※※※※
――それから数分後――
「……ううっ、うーん。んんっ!?」
ハッと、俺は意識を取り戻すと男の胸板の上に抱きつくように突っ伏していた。
そこから伝わってくる温もりも命の鼓動も、もう既に消えていた。
そう、ついに阿倍野清彦の”肉体”は死んでしまったのだのだった。
だが、それについて悲しむことはない。いや、必要性がないのだ。
何故ならば、阿倍野清彦の”魂”は、この双葉麗奈の肉体の中で、
今もなお生きている。死んだのは、所詮は俺の抜け殻にすぎないのだから―――
つい先程までの出来事が、まるで嘘たったかのように頭がスッキリと冴え渡る。
『俺』の限界と共に、秘薬の副作用の効果も切れたのだろう。
そう冷静に状況を分析しながら、立ち上がろうと足に力を入れた。
――ズリュ……ゴボッ、コポコポコポ……
「……んんっ!薬の効き目が切れても…ココは敏感なんだな……」
体内に挿ったままの異物がズルリと抜け落ちるに伴って、
膣内に中出しされた大量の精液が溢れ出てる。
抜け落ちる時のナカを擦れる感覚に俺は思わず甘い声を漏らし、
改めて女になった喜びを噛み締めて俺はほくそ笑んだのだった――――
※※※※※
なんとかフラフラと立ち上がった俺は、ある目的の物に向かって歩き出した。
歩くたびに前後の穴から精液が漏れ出てきて、かなり気持ちが悪かった。
目的の物とは、『俺』の荷物……つまり、阿倍野清彦の持ち物の中にある。
そして、持ち物の鞄の中から取り出された目的の代物とは、
幾何学模様が刻まれた硝子製らしき小瓶だった。
「……くううっ、酷いなコレ、まだ出てきやがる。
ホント、頑張りすぎだぜ『俺』。ああもう…ううっ……キモチワルイ」
取り出した小瓶の蓋を開け、
その中に膣内に溜まった精液を指で掻き出しながら溜息を吐く。
女の快楽に夢中になった過去の自分と予想以上に生命力があった『俺』の、
その両方に対して愚痴りながら作業を続けた。
アナルに溜まった精液は流石に汚いので回収はせずに、
気持ちが悪いがある程度ふき取って我慢するしかない。
「……よし、これくらいで……いいかな。
『&$&#%@&%#%&%@封印!!』ふう……流石に疲れたな」
やがて、膣内からある程度掻き出して小瓶に並々と注ぎ込まれた小瓶に蓋をすると、
魔術の呪文を唱えて封印を施すと、ペタンとその場に座り込んだ。
自分でも気がつかぬほど自然な動作で女の子座りをしていたのだった。
この事に気がつき少し驚くがそれは、この肉体(カラダ)に染み込んだ麗奈としての習慣で、
頭で考えるよりも先に体がそういうふうに動いてしまったのである。
火照った股間に床がヒンヤリと冷たくて少し気持ちがいいのだった――――
※※※※※
程良く体の熱が冷めたところで立ち上がる。
もうしばらくの間こうしていたかったが、そうもいかない事情があるのだ。
それは先程、生命活動が停止した『俺』の肉体がやがて完全に死に、
このまま放っておくと死後硬直が始まり、後始末がかなり面倒になってしまうからだ。
最初に服をあらかじめ二人とも服を全て脱いだのは、こういった理由からである。
頭も冷えて完全に落ち着きを取り戻した俺は、スッと立ち上がると、
『清彦』の荷物の中に予め用意しておいたウエットティッシュを取り出すと、
自分と『俺』の体中にこびり付いた体液の汚れを綺麗にふき取る。
勿論、床に飛び散った体液の汚れも忘れずふき取り綺麗にするのも忘れない。
流石に独特の臭いまでは取れないが、そこは仕方がなので我慢するしかない。
「ん、確か……『麗奈』の所持品にコロンがあったよな」
ふと、思い出すように立ち止る。
臭いんことを考えていたら、ふと『麗奈』としての記憶が再生されたからだ。
それでなんとか誤魔化せるかもしれない。
まあ、何も無いよりはいく分かマシにはなるだろう。
さて、いつまでもこんな恰好じゃ風邪をひいてしまうだろう。
冷えた空気にブルリと身震いすると俺は、下着を手に取り着替え始める。
最初は覚束無い手つきも、徐々に麗奈としての記憶と経験をトレースすることで、
慣れた手つきでスムーズに着替えが進める事が出来た。
やがて、全て着替え終わると麗奈としての記憶と経験を頼りに身だしなみを整えて完成だ。
最後に制服の中のポケットに入っていたコロンをシューっとひと吹きする。
正直、これで本当に臭いを誤魔化せるか不安だが、
まあ問題ないだろう……たぶん。
鏡に向かってウインクし髪をかきあげてみせる。
いつもと同じ『双葉麗奈』の美しい姿がそこには映し出されている。
「さてと、そそそろ帰りますか。新しい『私』の家に……ね」
――クスクスクスクスクス………
少女は、もう動かなくなった少年を置き去りにし教室を出て結界を解除した後、
少女の家の使用人を私物となった携帯電話で迎えに呼び出し、
そして、何事も無かったかのように学校を後にしたのだった。
鏡は真実を全て映すとは限らない。
心の中の真実までは映せないのだから――――
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…………………
……………
………
…
(番外編へ続く)
続きも期待してます
学園のアイドル兼財閥令嬢としての活躍も見てみたいですね。