(本作は『兄妹の日常』の前日談前編です)
★ ☆ ★
ある夜、兄は自室でエロ本を読んでいた。服は学校から帰ってきたときのままであである。
当然のようにズボンがせり上がり、兄はティッシュを掴む。
そのときだった。背後からガチャリと音がした。慌てて本とティッシュを引出しの中に仕舞い、振り向く。
「お、おう、どうしたんだ、風香。ノックぐらいしろよ」
部屋に入ってきたのは妹だった。彼女も兄と同様の学校から帰ってきたままの格好、セーラー服であった。
ジッとこちらを不審の目で見つめている。もしかしたら本を見られたのかもしれない、そう思った兄は妹の次の言葉を待った。
「……お兄ちゃんって童貞だよね?」
「はぁ?いきなりなんだよ?」
「違うの?」
「い、いや、そうだけど……」
興奮している今、性的なことを連想してしまうのは危ないのに、よりにもよって女性である妹がその話題をぶつけてきたのである。どぎまぎしない方がおかしいだろう。
彼の妹、風香は美少女だった。
綺麗なオレンジ色の髪と利発そうな顔がその根拠だ。
まだまだ発展途上だが、ほのかに女のフェロモンが噴出し始めており、あと数ヶ月もすればクラスメイトの男たちも彼女の可愛さに気づくだろう。
ただ、胸は大きくなかった。
「よかった。やっぱり童貞なんだ」
「な、なんだよ。童貞で悪いかよ」
「別に? ただ、身体の経験がないってかっこ悪いよね」
「…………」
「でさ、その……私もなんだよね」
「私も?」
「処女なの……ねえお兄ちゃん、私の処女もらってくれない?」
――妹の処女を奪う。
肉体的には今すぐにでも可能だ。しかし、倫理観の面で抵抗がある。
血がつながっていることもあるが、妊娠や家族にバレたりしたら、面倒な事になること間違いない。兄の表情は提案を拒否することを意味していた。
妹はこのままでは断られると知り、両手をあわせて懇願する。
「実の兄妹でそんなことできるわけ……」
「一生のお願い!処女のままじゃ話が合わせれないの!それにお兄ちゃんも童貞じゃ嫌でしょ?なにか奢ってあげるから!お願い!」
今までの問題とは比べ物にならない安っぽい提案だが、小遣いが切羽詰まっている兄に対しては大きな効果になった。
それに、童貞であるということが恥ずかしいのもまた事実だった。兄は童貞であることがバレればバカにされると思っていた。
「ね?話を合わせるために男の人にいれられる感覚が知りたいの。お兄ちゃんの名前は絶対に出さないから!」
「…………仕方無いな。わかったよ」
兄は面倒くさそうに返す。股間の勃起がおさまってきている。
返事をした瞬間の妹は嬉しいような気まずいような複雑な顔をした。
★ ☆ ★
性交は妹の部屋ですることにした。
妹の部屋につくと、二人は無言で服を脱いだ。お互い裸になった兄妹はそのままなにも喋らずベッドに登る。
妹の身体に緊張の汗がじんわりとうかぶ。
「は、初めてはなんか怖いし、う、後ろからお願い」
妹が振り向く。背中はなだらかなラインを作っており、一撫ですれば指が沈んで行きそうである。
声が震えている妹はかわいい。普通の男ならばいちころだろう。
しかし、彼らは実の兄妹だ。かわいいとは言っても恋愛感情が含まれることはない。
妹はそのままベッドの上にうつぶせになり、股間が見えるように尻を少し上げる。
寝転がった妹の股間に手を近づけていく。
指先が妹の閉じきった股間に触れる。未開通の膣に人差し指をめり込ませる。兄の指が膣の中を進んでいく。
妹はなにも言ってこない。そればかりか感じていないようである。
この前読んだ18禁の漫画ではすぐに濡れたのに……と兄は首をひねった。
その困った顔はすぐに解消された。
進んだ人差し指に粘液が触れたのだ。妹の蕾はすでに濡れていた。
膣からゆっくりと指を引きぬき、兄は妹の太ももに手を添えた。驚くほどの柔らかさだが、今は緊張してなにも頭に入ってこない。
「じゃあ、いれるぞ」
「えっ、ちょ、ちょっとは濡らしてからいれて欲しいんだけど……」
「お前もう濡れてることに気づいてないのか?とりあえず、いれるからな」
――勘違いが多いことであるが、女性というものは感じていないときでもある程度濡れている。男性が尿を皮につけてしまうのと同じで尿が残っている時もある。
それを感じていると判断する男がいるようだが、断じて間違いである。女性がそんな簡単に感じるわけがなく、指を単調に入れるだけで感じるとしたら淫乱の他ならない。
ここで兄はその間違いを犯してしまった。
妹は自分が濡れていないということはわかっていたが、処女さえ失えればなんでもよかった。
早い話、処女喪失の痛みを甘く見ていたのだ。
兄は一息つくと、本来は濡らさなければならない秘所に前戯も何もなく、ただ肉棒を挿入した。
「ぎっ!あぐ……」
「なんだ、風香?感じてんのか?」
「ち、違う……い、痛い……」
妹は苦悶の声を上げた。圧迫される内臓の奥から声を搾り出している。
ただ入り口に入ってきただけでこれほどの痛み。ということは処女喪失の痛みは――想像したくなかった。
兄はよりにもよって一番感じないところに挿入してしまった。ビニール袋に挿入しているようで、多少暖かみがあるのが救いだが、気持ちよさなどまったくなかった。
しかし小遣いのため、とペニスが萎えないように腰に力を入れて前進させる。
ずぶずぶと狭苦しい膣内にペニスが挿入されていく。妹は目玉が飛び出しそうな痛みに耐えている。歯を食いしばっている。
軽はずみな行動だと後悔したが、もう遅すぎた。
ペニスは遠慮や楽しみなしに進み、ついに半分以上挿入された。ペニスの先に膜のような何かを感じる。
性経験が拙いどころか欠点すらある兄でもそれが処女膜だとわかった。そして。処女膜を破るのには勢いが必要だと思った。
もちろん、そんな訳はない。処女膜はゆっくりとすればするほど痛みが少ない。勢いをつけてやるなど致命的な間違いと言わざるを得ないだろう。
「おらっ!」
思い切り力を腰をいれた一撃で妹の処女膜は破壊された。
妹を襲うのは想像を絶する痛みである。
「ひぐッッッ!!いったいッ!いったぁ!!」
今まで我慢していた妹も限界だった。
純血を失った痛みは今までに感じたどの痛みよりも鮮烈で優しさの隙が一分もなかったのである。
兄は自分とつながったままベッドの上で暴れる妹の太ももを抑える。
その力に逆らい、手や頭を振り回して妹は暴れる。
「お、おい、風香、暴れんなって!」
「いたい!いたい!いたいって!お兄ちゃんぬいてよ!いたいの!!」
「お、落ち着け!わかった!抜く!すぐに抜くって!」
「もう嫌ッ!はやく抜いて!」
兄はすぐにペニスを抜くことにしたが、中々抜けない。その原因は皮肉なことに妹が暴れているからだった。
うろたえている間にも妹は暴れている。
兄の額に妹の後頭部がものすごいスピードで迫ってきていた。
「うおッ」
「きゃぁッ」
頭がぶつかりあう。二人の中で鈍い音が鳴り響いた。
意識ががどこかに飛んでいってしまい、二人はベッドの上に倒れこんだ。ぶつかったおかげか、ペニスは膣から抜かれている。
気絶した兄のペニスから白い液体が飛び出して、ベッドの外に散った。
★ ☆ ★
妹の部屋で、兄妹は寝転がっている。気絶しているのだ。
最初に起きたのは兄だった。ここは男女の体力の差だろうか、妹はその数秒立ってから身体を起こした。
頭がはっきりとしない。兄が寝ぼけ眼で頭をふる。そして目の前にいる妹に対して目を見開く。
「だ、誰?」
兄の野太い声に妹が不審な顔をして後ろを振り向く。
妹は兄と目が合うと露骨に嫌な顔をした。
「……お前こそ誰だよ?」
「私?私は風香っていう名前なんだけど……私のお兄ちゃん知らない?」
兄が眉を潜めて妹に言う。妹は兄の女言葉に寒気を覚えた。
妹はあたりを見渡し、部屋が変わっているわけではないということを最確認する。
しかし、あらためて前を向いても目が合うのは兄だけだった。
「そんなわけないだろ。風香は女だぞ、お前みたいな男じゃない」
「は?わたしが男?そんなわけ……」
兄は自分の身体を見下ろした。自分の裸の肉体が目に映る。
そこそこ鍛えられた胸や丸出しになったペニスが象徴的に身体に備えられている。
兄は目を見開いて叫んだ。
「な!なにこれ!?」
兄が自分の身体をベタベタと触り始める。射精後でしわくちゃになったペニスを特に触りまくる。
妙にしなをつくっている女のような兄の動きに、妹は怖気を感じずにはいられなかった。
「おい、気持ち悪いぞ、お前」
「き、気持ち悪い?あ、あたしが?」
「そうだよ、女みたいな言葉遣いとか動きとかしてさ、正直きも…………お前の顔、どこかで見たような気がするな……」
妹がしげしげと兄の顔を見る。あぐらをかいて座っている姿勢はまるで男性のようであった。
そう言われて兄も妹の顔をよく見る。
明るい色の髪の毛に、かわいらしい利発な顔。少し肌が綺麗になっていること以外は変わらぬ妹の顔だった。
「私もあなたみたいな女の子、どこかで見たような気がする……」
「女の子?俺は男だぞ?」
妹が苦笑いしつつ身体を見下ろす。
お世辞にも大きいとはいえないが、Cカップぐらいのおっぱいが彼女の胸についている。妹が手で胸をかき分けると、平らな股間が見えた。
股間には男性器が入っていた感覚が微弱に残っており、妹はその奇妙な感覚に驚きを禁じ得なかった。
「な、な、なんだこれは!」
妹が叫び、股間に手を伸ばす。
女性器が手で叩かれると、少量の透明な液体が飛び出した。兄が先ほど中で出したカウパーである。
兄は妹が半狂乱で膣を開いたり閉じたりする姿を見て、恥ずかしいやらもっと見ていたいやら不思議な気持ちになった。
「ない!俺のムスコがない!」
妹が顔を上げる。兄は焦った顔で妹を見つめている。
兄の手にはペニスが握られている。射精後のぐったりしたペニスである。兄がペニスから手をはなし、口を開く。
「い、入れ替わってるってことかな……お兄ちゃん」
「そうみたいだな……風香」
自分の名前を相手に言う。
二人は冷や汗をかいて見つめ合った。
★ ☆ ★
10分ほどどうするか相談したが、なにも具体案は浮かばなかった。
そのうち二人の身体が冷えてきた。ずっと裸でいるのだ。当然だといえる。
妹が女性特有の高い声を出した。
「寒い……とにかく服を着よう」
「そうだね……」
兄がベッドから降り、ペニスをぶらつかせながら衣服を取りに行く。
彼が後ろを見ているすきに妹は自分の身体をまじまじと見下ろした。小さいながらも胸がある。
自分の乳房を触る。ぴりっと不思議な感覚が体の中を走った。
「ほらお兄ちゃん、着よ……お兄ちゃん?」
「へ?あ、うんなんでもない。ありがと」
「い、いいよ別に。ほら、早く着て」
兄は顔を赤くしている。少女っぽい表情に妹は殴りたい衝動を抱いた。
表情にむかついたわけではない。渡されたものに不満があるのだ。
「おい風香。これ……セーラー服じゃないか!」
「し、仕方ないでしょ。今の私じゃ着れないんだから」
「う……確かに」
男のセーラー服姿を想像している妹の前で、兄は自分の服を着替え始めた。
学生シャツを着てトランクスを履いた。妹としては彼のペニスが揺らされるのを見ているのは心が落ち着かなかったのでほっとした。
兄がズボンを履き、丁寧にもネクタイまで巻いた。
最初この部屋にいた兄の姿だった。
「なんだかトランクスって落ち着かないなぁ……あれ、お兄ちゃん、寒いんじゃなかったの?早く着なよ」
「あ、ああ、うん……」
兄にうながされ、妹はベッドから降り、着替え始める。女子高生の生着替えだ。
たたまれたセーラー服とスカートの間に挟まれているパンティを手に取り、しげしげと眺める。
白色の薄い布でできており、水色のボーダーラインが入っている。ちまたで縞パンと呼ばれるものである。
三角形でできたそれは見るからに小さく、そして薄い布でできていた。
「こら、ジロジロ見ないで」
「だ、だってこれを俺が履くんだぞ。男の俺が。こんなオタクが喜びそうな縞パンを……」
「……嫌なら裸でいればいいでしょ」
「わ、わかったよ」
「手伝いはいる?ブラジャーは着けてこなかったからそんなに大変じゃないと思うけど」
「いや、いい。なんとなくわかる」
観念して縞パンに足を通す。するすると太ももをなでながら上がってくる感覚にぞくぞくとしてしまう。
股間に触れると思わず口からよだれが出そうな陶酔感に襲われたが、兄の監視下に置かれているので表情は崩さなかった。
縞パンが身体にジャストフィットした。妹はこの身体が女ということを改めて認識した。
セーラー服を手に取る。上からかぶるように着る。
小さいとは言いながらも妹の胸は日本の女子高生としては中ぐらいである。
乳首が布に擦れ、口から声が零れそうになった。
続いてスカートの横のファスナーを開け、下からへそのあたりまであげ、ファスナーを閉じる。
セーラー服の中に入りきってしまった髪の毛をバサッと上げて、ベッドの隣にある鏡で自分の姿を眺める。
「これが……俺……?」
そこには美少女の姿がうつっていた。
彼女はオレンジ色の髪を揺らし、戸惑うような顔をしていた。
自分が微笑むと、鏡の中の彼女もかわいらしく微笑む。あまりにも少女的な可愛らしさに妹は顔を赤くした。
「かわいいのはわかるけど、私の身体ってことを忘れないでよ」
「あ、ああ、風香……」
気がつくと後ろに兄が苦笑いして立っていた。横目で妹の身体をジロジロと見ている。
妹は誤魔化すように腕を組む。自分の胸の感触が伝わってくる。
柔らかなおっぱいが白い女子高生のセーラー服の布に包まれているだけで妹はドキドキしてしまった。
「とにかくお兄ちゃん、その身体は私のなんだからしっかりしてよ」
「お、お前だって俺の身体なんだから女みたいになよなよしてるなよ」
「鏡で見るとたしかに今の私って気持ち悪いね。というわけでなんとかするけどさ…………そ、そのパンティなんとかしてよ」
後ろに立つ兄の息が少し荒く感じる。
女の体の柔らかさを利用して、鏡で自分の尻を見てみる。
ファスナーを閉じる位置が高すぎたのか、短すぎるスカートから縞パンが出ていた。常時パンチラ状態である。
「うわ、エロいなこの姿」
「え、エロいじゃないでしょ!もう!……私が直してあげるから。お兄ちゃんはじっとしてて」
兄の手が縞パンが見えているスカートに伸び、ファスナーを緩める。
スカートが兄の手によって下に下がっていくのを見て、妹は下げてくれている兄を鏡で見た。
兄は獣のような顔をしていた。妹はゾクッとした。
「ふ、風春。やっぱり自分でやるよ」
「……」
か弱い女性の声が兄の耳に届く。兄は唇をべろりと舌で舐めた。
荒い息が自分の尻にあたっていることを感じている。妹は顔を青ざめさせた。
妹は鏡の中の兄の股間がぐんぐん大きくなっていることに気がついていた。
「わ、私の身体なんだし。わ、私が……管理しないと……」
「おい風香……?」
スカートを定位置に合わせる兄の手つきがいやらしい。妹のしりを何度も何度もさわっている。
妹は恐怖を感じた。圧倒的な男の力。列車で痴漢にあう女性の気持ちが少しだけ分かった。
しかし、逆の感情も抱いていた。少しだけの気持ちの良さ。股間のあたりに温かさを感じている。
「ぁん……」
女の艶やかな声で喘いでしまう。
それを聞いた兄はしりなでをやめ、スカートを手から離した。スカートが腰に引っかかる。
兄は立ち上がるとセーラー服の下から手を突っ込んだ。妹のおっぱいに手を当て、そのままおっぱいを揉みしだいた。
「はぁぁ……」
今までに感じたことのない快感が妹を襲う。
兄の手の感触がおっぱいから伝わってくる。
「あれ、乳首勃起してるね。いやらしい身体。まるで私の身体じゃないみたい」
乱暴に見せかけて妹の性のツボを的確に刺激する兄。
乳首を甘噛みするようにつまむと、妹はびくっと身体を動かす。
「あぅん……風香ぁ……なにをするんだぁ」
「なにをするって、お兄ちゃんも男だったんだからわかるでしょ……?」
妹の視線は鏡の中のパンティ丸出しの女性に注がれた。彼女のしましまのパンティはまるで水の雫が大量に落ちたように濡れていた。
しりに硬い感触を感じる。兄の勃起した股間が自分にあたっているのだ。
パンティがもう水を吸収しきれなくなり、妹の太ももを粘っこい液体が伝っていく。
「はぁ……ゃ……めろぉ……」
弱々しい力で兄を押しのける。兄は胸からぱっと手を離した。
妹はおっぱいを丸出しにしながらふらふらと歩き、脱力した身体で机にもたれかかる。
後ろからカチャカチャと音が聞こえる。ゆっくりと後ろを向くと、兄がズボンとトランクスを脱いでいた。
「風香ぁ……お前、自分の身体を犯す気かよぉ……」
「お兄ちゃんだって私と一回シたんだし、私だってシていいでしょ?」
「お前女だろぉ……男としてするのかよぉ……」
「我慢出来ない男の気持ちよさはお兄ちゃんだってわかるよね……」
トランクスから飛び出たモノは、ビキビキに固まっていて、妹の腰の奥からなにか高い音を発させた。
兄は濡れて透けている布の上から妹の股間を撫でた。
「はぅぅぅん……」
「もうパンティぐしょぐしょだ。すごいね」
「あぁぁ……さわるなぁぁぁ……」
兄は何度もさわる。手に粘液がついてもお構いなしに、妹の女性器の形をハッキリさせるために。
愛撫が終わると、パンティを脱がされた。脱がされただけで太ももに何本もの愛液が流れる。
パンティはまるで行動を制限するかのように太ももで止められた。
妹が息を切らしていると、露になった股間を直に触られる。
「こ、こんな……あぁん……ひゃぁん」
「自分の身体なんだからどこがツボかはわかってるの。安心してよ」
兄が女性器の中に指を二本入れる。くにくにと刺激するその絶妙なテクニックに妹は腰が砕けそうだった。
身体全体に広がる女の快感。全身が性を水のように求めている。
耳元に兄の荒い息がかかる。
「いい?女の子ってのはこうやって濡らさなきゃいけないんだよ?」
「あぁぁ……もっとぉ……」
「ふふ、お兄ちゃんも乗り気だね。私に任せて」
女言葉の兄が股間から指を離す。妹は名残惜しさを感じた。
快感でおかしくなった耳に兄の声が聞こえる。まるで遠くから聞こえているようだった。
妹の股間になにか固いものがふれている。
「じゃあ……いれるよ。もっとお尻をあげて」
「ふぁ……いれるぅ……?」
妹の脳内麻薬が出っぱなしの頭ではいれると言われてもピンと来なかった。とにかく野太い声の言う通りにしりを上げた。
兄は膣に肉棒を当てている。雄々しくそり立っているそれは準備万端である。腰を掴んでいる腕に力が込められる。
「いれるってぇ……ま、まさか!」
やっと妹は察しがいったように焦り始める。しかし、もう兄の男性器は限界である。
兄は焦る妹の姿を見て挿入を開始した。
「ひっ!ちょ、やめ!…………んっううううっ!」
肉の棒が挿入される。妹は自分の体の中に入ってくる異物に気持ち悪さを感じていた。
しかしその気持ち悪さはすぐに気持ちよさに変わる。
「はぁ……はぁ……あぁんっ!」
熱い肉の塊がゆっくり進んでいく。妹は体全体がペニスの感触を味わおうとしていることに気づいた。
妹の膣は兄の肉棒を吸い付くように奥へと進ませる。兄は襲い来る射精感にだらだらと汗をかいていた。
「すごい、なにこれ、気持よすぎ!」
「んんんんんぅぅ……うぁん!」
一番奥までペニスが飲み込まれる。妹の子供を作る器官が心臓の鼓動とともに高鳴っている。
兄は妹の痙攣を見て、一気にペニスを引き戻した。
「あああああああんっ!」
妹の膣から噴水のように愛液が飛び出す。床をベタベタに濡らすも、二人共なにも言わない。
快楽の宴に熱中している二人にはそんなことを気にする余裕はない。
兄が何度もペニスを突き入れる。妹はそのたびに絶頂に至る。
「あああああっ!きゃああああっ!や、や、んぁぁぁぁぁんっ!」
「お兄ちゃん!私達って身体の相性!抜群みたいね!」
床に愛液とカウパーの湖ができている。
妹は脱力していき、ついには兄が男の力で持ち上げているだけになった。
快感の荒波の中、妹は兄の声を聞いた。
「中に!出すよ!」
妹の前で白い光が一瞬光った。
震える腕に力を込めて立ち上がった。顔はアイスクリームのようにとろけている。
兄のペニスが大きく震える。その衝撃で妹は今日一番の絶頂を体験することになる。
「お兄ちゃん!受け取って!」
「……ぁ…………ふぁあぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁああんッッッ!」
兄は男の快楽の中、意識が白い光のなかに持って行かれるのを感じた。股間からくる気持ちよさは身体を痙攣させ続けている。
妹の身体の中に兄の精子が広がっていく。妹は真っ白な光のなかに包まれていくのを感じる。
二人はセックスでできた水たまりに倒れ伏した。その衝撃でペニスが抜け、妹の膣からはこぽこぽと精子がこぼれていった。
★ ☆ ★
数分後、意識を取り戻した二人は自分の身体を触り始めた。
まるで確認のような動作は喜んでいるようであり、残念そうな顔でもあった。
「も、戻ってるね……」
「あ、ああ、そうだな……よかったな……」
その後二言三言交わし、兄妹は掃除をすることにした。
兄は自分の男性器についた愛液をティッシュで拭い初め、妹は自分の膣の中から出てきた精液をティッシュで吸い取っている。
粘っこい液体でベタベタの服などの掃除をすましたあと、二人は妹の部屋で顔を合わせた。
「結局、セックスすると入れ替わるってこと……でいいのかな」
「そ、そうだろうな……それ以外になにも思いつかない……とにかく疲れた」
妹は自分の身体をしげしげと眺めている。自分の胸を揉んだり、腰をさすったり尻をなでたりしている。
兄はそれを性的な目で見るのではなく、羨ましそうな目で見ていた。
「ふ、風春、なにしてるんだ?」
「いや、なんだかこの部屋に来た時よりおっぱいとかおしりとかが大きくなってるみたい……肌も綺麗になってるし、これって入れ替わったおかげなのかな?」
「……そんなことどうでもいいだろ」
兄は妹に気付かれないように自分の身体を指で撫でる。腹筋が割れ始めている。足の筋肉が鍛えられている。
妹と目を合わせなかったので気づけなかったが、妹は兄の体のことを羨ましそうに見ていた。
「だってそうでしょ。ウエストが細くなるなんておかしいよ。絶対美容効果があるって」
「いや、美容効果っていうよりも、異性を魅惑す…………もう考えるのはやめよう」
「え、なに?なんて言おうとしたの?」
「もう童貞も処女も卒業したし、セックスすることなんてないだろ。考えても無駄だ」
なにかを誤魔化すように兄はドアへ向かう。
部屋から出ていこうとする兄に、妹が悪戯に微笑む。兄が嘘を付いていることなんてわかっているのだ。
「待って、お兄ちゃん」
「……なんだ?」
「この身体、気持ちよかった?」
「そりゃ気持良か…………今日はもう寝る。お休み」
兄が妹の部屋のドアを閉じる。妹の笑い声が廊下まで聞こえた。
自分の部屋に行く途中、鍛えられた足のお陰でふらふらすることもなかった。
★ ☆ ★
その日の夜、兄妹は別の部屋でまったく正反対のことを考えていた。
兄は女性の快感のことを。妹は男性の快感のことを。
兄はすぐにその考えを打ち消し、眠りについたが、妹は違った。
「お兄ちゃんも無理しちゃってるのが見え見えだね。男のプライド、なんて女の子になっちゃったお兄ちゃんには必要ないのに……あ、そうだ。明日の朝………」
妹はベッドの中で可愛らしい顔をゆがめる。まるでオスの獣のように。
【続く】
そんなことはないぞよ、少なくとも私は更新を楽しみにしておりました。
もちろん、この続きも楽しみにしています。だってまだ前編なんでしょ?