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十七歳の目覚め

2012/05/20 10:26:46
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それは僕が十七歳の誕生日を迎えた日の事だった。

僕の名は美女川(みめがわ)清彦、某私立高校の二年生だ。
名は体を表すとか言うけれど、確かに僕はどちらかというと華奢で、背も160ちょい、顔も町中でよく間違えられて男にナンパされると言う所謂女顔だ。
クラスでもいじられキャラで男子からは『キヨ』とか、中には『清美』とか?
又女子からは『キヨちゃん』と呼ばれいじめられっ子じゃないんだが、ある意味愛玩動物の様な扱いを受けていた。

でも一応サッカー部のレギュラーなんだぜ。まあ、うちは私立の超進学校でスポーツには余り力を入れてないのでレベル的には底辺クラスだけど…。

異変と言うか妙な事が起きたのは、その日練習が終わって、着替えに部室に入った時の事。

入った途端濃厚な臭いが鼻をつき、ドクン!と鼓動が高鳴った。な、なんだこの感覚?でもそれがこの部室に充満しているサッカー部男子一同の体臭だったとは…。男同士今まで気にもならなかったのに今日に限ってどうして…?

「お、誰かオー・デ・コロンでも付けてるのかあ?なんか甘い良い臭いするな。」と誰かが言った。すると僕の近くに居た奴がおもむろに僕の体に鼻を近づけた。
「やっぱりキヨかあ、お前こんなの付けてるのかよ?」

えっ?僕はどちらかと言えばおしゃれには疎い方で、ましてや香水の類いなんて一切付けた事無い。

まあその日の体調でこんな事も有るんだろう、と余り気にも留めないで帰宅の途についた。

家へ着くと直ぐに母親が、『お祖母様からお話しが有るからお部屋に行きなさい、私も一緒に行くから。』と言われた。

言い忘れたけど我が美女川家は古くからの名家らしいが、何故か代々女しか生まれず、歴代の跡取りは皆他家より養子を迎えて血を繋いできた。だが、僕が生まれた事で養子を迎える必要が無くなった、筈だったのだが…。

部屋に入ると、和服を粋に着こなし、きちんと正座してまっすぐこちらを見据えている祖母の姿があった。今年確か七十に手が届く筈だがどう見ても三十代半ばを過ぎたかどうかにしか見えない。そして母親ももう40歳を超えるのにこちらは20代半ばの外見を維持している、はっきり言って化け物だ。ちなみに祖父も父親も年相応の老け方をしているにも関わらずだ。

部屋に入ると、祖母が、
「清彦、まずは誕生日おめでとう、我が家の跡取りにとって思春期と言う時期は重大な意味があります。」

な、何だろう?何時も柔和な笑顔を絶やさない祖母がこの日に限って厳粛な表情だ。

「我が美女川家に伝わる秘密を明かしておく時が来たのです。我が美女川家は古くは西洋にも繋がる血筋、そして、秘密とはその西洋の遠い祖先よりの忌まわしい呪いなのです。」

せ、西洋って初めて聞いた、元々出自はヨーロッパだったのかよ?そういえば祖母も母親も鼻筋が通ってちょっと日本人離れした顔をしている。

「私どもの祖先は古代ヨーロッパの王国に仕える勇敢で百戦錬磨の騎士でした。その王国では長く平和が続いていたのですが、有る日魔物が現れ、国中の特に若い男が狙われて命を奪われるという事態が起こりました。毎日の様に国のあちこちで若い男が魔物に襲われひからびたミイラの様になって死に、このままでは若い男が減り続け、子孫が残せず国の存亡に関わると判断した王様がこの騎士を魔物退治に使わしたのです。」

まるで何かのロールプレイングゲームみたいな話だ。

「騎士は若い妻とその腹に宿るまだ見ぬ子を置いて魔物退治に赴きました。その魔物というのは若く美しい女の姿をしており、毎夜毎夜若い男を襲ってはその男の精を吸い取り、死に至らしめていたのです。つまり魔物とはサッキュバス、女淫魔だったのです。百戦錬磨の騎士といえども男性、何度も淫魔の誘惑に負けそうに成りながらも何とか淫魔の心臓に聖剣を突き立てることに成功しました。」

へえ?まあ作り話だよな?

「しかし淫魔は断末魔に騎士に向かって『おのれ!末代までも貴様の子孫に生まれる男全てに呪いを掛けてやる!!』と言い残し息絶えたそうです。そして心臓に突き刺した聖剣を抜いた途端淫魔の心臓から血がほとばしり、思わず騎士はその血を飲み込んでしまったそうです。」
「淫魔が倒され、ようやく平和が戻ったかと思われたのもつかの間、また国内で新たな淫魔による被害が出始めました。国王は又、例の騎士に淫魔討伐を命じようと思いましたが、くだんの騎士は、前の淫魔を倒した後体調不良に陥り、長く自宅に引きこもっているとの事で、仕方なく国王は他の騎士団に討伐を命じました。」

「やがて、新たな淫魔も騎士団に倒されたのですが、なんとその指に確か淫魔討伐の報償として国王より例の騎士に与えられたはずの指輪が輝いていたのです。そうその淫魔は例の騎士の変わり果てた姿だったのです。あのたくましい身体は見る影も無く、ただ男を誘惑する為の淫らな女の身体に変わっていたそうです。」

「そしてその後その騎士の落し胤である息子は健やかに成長したのですが。丁度思春期にさしかかる頃、突然街から姿を消しました。その一年位後にその息子によく似た娘が現れました。その娘は淫乱で誰とでも一夜を共にし、誰のとも判らぬ子を次々産み落としたそうです。そして生まれた子は必ず男の子ですが、年頃に成ると例外なく女に変わってしまうと言うことでした。つまりこれこそが淫魔が例の騎士に掛けた呪いだったのです。」

えっ?そのそれってつまり?

「そのとおり、清彦、貴方も間もなくその兆候が出てくるはずです。たとえば、殿方の体臭が急に気になり出すとか、そしてその臭いを嗅ぐと妙な気持ちに襲われるとか?まだ身体の方は特に変わったところはない?」

う、うそっ!僕、淫魔に、お、女に成っちゃうの??

「はっきり言っておきます。私も貴方の母親も貴方くらいの歳まで、男の子として生きてきたのですよ。」

がん!!衝撃の告白!


最後に言った祖母の言葉…『清彦、貴方にも淫魔の血が目覚めつつあります、いわゆる発情期を迎えているのです。そして身体が徐々に乙女の様に成って行くはずです。そうしたらしばらくの間殿方の精が欲しくて堪らなくなるでしょう。そして一旦精を吸ってしまうと貴方は二度と男には戻れ無くなります。私も貴方の母親もその誘惑に耐えきれずこうして女に成りました、暫くはその淫らな血が騒ぎ、様々な殿方と一夜を共にしましたが、夫と一緒に成り子供を産むとようやく淫魔の呪いから解放されるのか、あれ程淫らだった自分が嘘の様に収まりました。もし、この誘惑に負けず発情期を耐える事が出来たのなら再び貴方は男の身体を取り戻し、その後二度と女に成る事は有りません。』

…と言う事らしいがその発情期がどの位長く続くのか、個人差も有ってはっきり判らないらしい。ちなみに祖母も母親も発情期に入って直ぐに男とエッチしてしまったらしく、さらにさかのぼって祖祖母もそれ以前のご先祖様もみんな女性のままで生涯を終えているらしく、全くデーターが無い。

うう僕は絶対誘惑に負けないぞ!第一男の僕が男の精を求めるなんて変態じゃんかっ!何とか頑張って、美女川家始まって以来の嫁を家に迎えるんだ!決して養子は迎えないぞ!!

すると、母がそんな僕に水を差す様に…「最初は私もお母さんの話を聞いて自分は絶対って、思ってたんだけど、いざ自分がとなるとついフラフラと…発情期の時は男の人の精ってすごく良い香りがして、極上の蜂蜜のような味に感じるのよねえ、うふふ。まあせいぜい頑張ってみなさいな、もし駄目でも男の今でも器量好しなんだから、『清美』ちゃんは何の心配もいらないわよ!」

がくっ!何なんだ?まるで僕が女の子に成ってしまうのを見越しているかの様に…、くそーっ絶対負けないぞ!!

暫くして僕は茫然自失の状態で祖母の部屋を出、自分の部屋に戻った。今までの話しって全部うそだろうっ?そんな話信じられないよ!そして僕は制服の上着を脱ぎシャツを脱いで上半身裸に成り、鏡の前に立った。

確かに華奢だよなあ、でも女の子とは明らかに違う細いながらも適度に筋肉の付いた身体…、でもあれっ?何か妙に肌の色が白くなって、きめ細やかに成っている様な?それに唇が妙に紅い。血色の良い赤さとは違うまるでうっすらと口紅を塗った様な紅さだ。な、何なんだ?これは?目も妙に睫毛が長くなった様に思え、全体的に顔が薄化粧でもしたかの様に成っていた。元々女顔の僕の顔がますます女の子みたいというか、女の子そのものの顔だぜこれ。

それと何か胸の辺りに違和感を感じる、そうかすかに乳首の周りが盛り上がっていて乳首も何か大きくなっている様な…?痛てっ!思わずその辺りに触れた僕は激痛で飛び上がった。ううこれっておっぱいが膨らむ前兆かよ?ちなみに下の方は…、怖くなってやめた。
嫌でもトイレや風呂で目の当たりにするんだから…、やっぱり縮んで行くんだろうか?

明くる日、学校に行った僕はクラスメートのみんなから変な目でじろじろと見られた。「おっす!キヨ!っておろっ?」と変な声を上げたこいつは親友の利明。「おっはよー、キヨちゃんって、あらっ?」こう言ったのは幼なじみの双葉。「お、お前何だ、その顔?」「やだ、キヨちゃんお化粧してきたの?かっわい。」

あのなあ、ただでさえ女っぽく見られるのが嫌な僕がそんな事するわけ無いだろ?

「えっお化粧してなくてこの美貌?ああ、あたしなんか女として自信無くなって来ちゃった。」

いや、そんなに自信なくす事無いから。

「ほんとに顔、何もしてねーの?」

お、おい、利明、顔が近すぎるって…「ドクンッ!!」な、何だよ?この胸の高鳴り…。えっ?僕ときめいているの?男の利明に?う、うわわわわっ?!混乱した僕は思わず利明を突き飛ばし、廊下に飛び出ていった。

「おっ!利明、キヨにふられたのかあ?」
「みんなの目の前であんなに顔近づけるなんてお熱い事ね。」
「ば、馬鹿言ってんじゃねよ!」

その後の授業はまるで上の空、何か利明ともまともに顔を合わせる事が出来ない。何意識してんだ僕。昼休みになって利明が「一緒に昼飯食おうぜ。」って言ってくれたのに、何か照れくさくて、今日は体調が悪くて食欲が無いなんて誤魔化して、一人で校庭の隅でぼーっと過ごした。

午後からの授業も終わり、僕は部活の為利明と共に部室に向かった。部室に入った途端、昨日と同様の濃厚な男の体臭がした。しかし何か昨日と違って、その香りがたとえようも無く蠱惑的で身体の深奥部からゾクゾクとした感覚が沸き上がってくる、そして動悸が高まり、何とも言えないある衝動に駆られる。僕は暫くその場で立ちすくんでいた。

「おいっ!キヨっ!じゃなくて清彦!!何ぼーっとしてんだ。ん、何か顔が火照った様に赤いぞ、熱でも有るんじゃ無いか?」

えっ?利明のその声で僕は我に返った。そして大きく深呼吸をしその衝動を振り払った後、今日は風邪でも引いたのか体調が悪いので部活を休むと言い残し部室を出た。

僕はトイレに入ると洗面台で顔を洗った。鏡に映った僕の顔はトロンと目が潤み頬は赤く火照り、薄紅く色づいた唇は半開きになっていて、まるでその顔はそう…いつか悪友同士で利明の家に集まってみたアダルトDVDに出てきた、男優に抱かれて快感に身悶えるAV女優の様だった。

はあ、僕どうしちゃったんだろ?さっき感じた有る衝動とは…部室の中にる利明を含めた男子部員全員に欲情を感じたからだ、そして激しい性衝動に駆られてもう少しで近くにいた利明に抱きつきそうになっていた。男の僕が男に性欲を…。
何か胸の先がシャツに擦れて痛いので、シャツをまくり上げると、そこには昨日よりも更に大きく膨れてきた胸の先にある乳首が硬く勃起していたのだ。

思ったより変化が速いのかも知れない。僕の身体の中に潜む淫魔の血が目覚めかけているんだ。でもさっき感じた強烈な性欲いつまで抑えが効くんだろう?今はまだ何とか男の身体でいるけれど、これから更に変化して完全に女の身体に成った時、果たして抑えが効くのか僕はちょっと自信が無くなってきた。でも母親の前で大見得を切った分何とか耐えきらないと、あ先は長いぜ…。

でも身体が完全に女性化したら学校でどうやって誤魔化していけば良いんだよ?身体測定は?プールの授業は?月に一度のあの日は?って、いやいや…(赤面)

夕食の後それとなく母さんに体験談を聞くことにした。

「えっ?女の子に成った時の事?うんそうねえ。別にこれと言って…まあ時代が時代だからあ。」

いやいや、時代とかそんな事は関係無いでしょ。

「ああ、そうそうっ、巷で流行ってるTS熱にかかって一時的に女の子に成ってるって言えばいいんじゃない?お祖母ちゃん有名なお医者様に伝手(つて)が有るみたいだから診断書くらい簡単に手に入るわよ。」

えっ?そ、それってある意味違法では…?

その後僕の身体はどんどん女の子化していった。首筋が細く、肩はなだらかに、ウエストはくびれてズボンがゆるゆるに、そのくせ腰周りが張り出してお尻はプリンプリン、そして胸はこれでもかっ!って言うくらい膨らみ、それに反比例して我が愚息は赤ちゃん以下の大きさに、そして更にその下に割れ目が出来上がってきた。もう立って用を足す事なんて不可能に近い。学校へ行く時は胸にさらしをぐるぐる巻きにし、ウエスト周りには腹巻きを幾重にも重ね、あ、暑い…。

本来しなくても良い苦労をしつつも学校へ通っていた。無論部活は体調不良を理由に休んでいる。なんせ部室に一歩入ろうもんなら、男子部員の汗臭い牡の体臭が僕の身体に火を付け、どんな淫らな行動に出るかも知れない。そして、もし、そこで一線を越えてしまったら僕は一生女の子のまんまだ。はああ、もうどうにも隠せなくなって来たらお祖母ちゃんに頼って偽の診断書を書いて貰うしかないよなあ。

学園生活はスリルに満ちていて何時身体の事がばれるかハラハラドキドキ。体育の着替えは隅っこの方で、何重にも重ね着したシャツの上から体操服を着込む。「おい、キヨ、そんな厚着して暑くねーの?」心配して利明が聞いてくる。

し、仕方ないだろ…、そ、それよりも通気の良い教室でさえ男子の着替えの最中は、はあはあ…あの得も言われぬ香りが漂ってきて、ああん堪んなあい(はあと)…って、うっ、や、やばい!一刻も早くここを出ないと!ここにいる大多数童貞諸君を毒牙にかけてしまいそうで…。

部活は休めても体育の授業だけは無理して出てたんだけど、こりゃ先生に相談して、体育も見学に回った方が良さそうだ。なんせバスケの試合なんかやろうものなら、汗臭い男共が必然的に周りを囲むわけで、そりゃもう天国状態…いやいや、地獄ですよまったく。

さらにあいつら僕がボールを持とうものなら、目を血走らせて僕に向かってくるもんなあ、嬉しい(きゃっ!)…じゃなくてっ!!何か僕があいつらを引き寄せてるんじゃ?

帰ってから母さんに相談してみると「それは貴女から男の子を引き寄せるフェロモンが出ているからよ。淫魔はそれで男を引き寄せるの、並の女より数倍強い力でね。当然貴女の周りの男の子達、貴女との淫らな行為…あんな事やこんな事考えているかもよ。」

ううも、もう限界です。このまま男子生徒として男の中に居たら、いつか襲われるのはまだしもいつか襲ってしまいかねません!
「それじゃあ明日からこれ着て行きなさい♪」

と、目の前に突き出されたのは他でも無い、我が校の正規の女子ぶれざあであった。(なんか制服フェチの間では高値で取引されていると言う噂の)

えっ?何でこんなのが用意されてるの?

「こうなる事を予想してちゃあんと手を打っておいたのよ。お祖母様には貴女がTS病に罹っているっていう診断書を手配して貰って、今日学校に行って校長先生と貴女の担任の先生に説明してきたから、明日から晴れて女子生徒として通学できるわよ。」

あひゃひゃ、それは手回しの良いこって…。

「でもね、これで貴女が仮とはいえ女の子として認められちゃったら、貴女が男だったから今まで遠慮がちに遠回しに貴女の事を見ていた男の子も積極的にアプローチ出来るチャンスを与えるみたいなものだから、今まで以上にあなたの貞操のピンチ…いえ、彼らの童貞喪失のピンチというべきかしら?」

明くる日、不本意では有るが、女子の制服を着て登校する羽目と成った。その朝の母さんの嬉しそうな顔ったら…。

「『清美』ちゃん、今日からちゃんと下着も女の子の物を着けるのよ。私がちゃんと買揃えてあるからね。でも良かったじゃない、こんなに大きなバストを今までさらしで押さえつけてきたんだもの、今日からは堂々と見せびらかせるのよ。」

うん、それはちょっと嬉しいかも…じゃなーいっ!!だいたい女に成りたくない僕がそんなに自分の身体アピールしてどうすんのよ!?それって僕に完全に女に成れって事?冗談じゃ無いわっ!

「あらあ、でも利明君喜ぶかもよ?」

うふっ♪そおっかな?って、ああ又僕変な考えに冒されてるう!!どうせなら利明に犯して欲しい(はあと)…ああ…もう僕、駄目な人だ……orz

鏡に水色のブラとお揃いのショーツだけの姿の女の子が映っている。はあ、グラビアアイドル顔負けだねこりゃ…って他人事の様だけど紛れもなく僕の今、現在の姿なのである。そして僕は白のブラウスを着、チェックのスカートを履く、これ短いなあ、男の時はドキドキしたもんだけどいざ自分が履いてみると…、きゃはっ♪見えちゃうかもお
…いかんいかん、又何かに身体を乗っ取られていた感覚だ。

何か自分が二重人格に成ったかの様で、男の時の僕と淫魔としての僕の意識が交互に出てきているみたいだ。このままだと淫魔の意識が元の僕の意識を乗っ取ってしまいそうで、そうなると相手構わず男を食い散らかして、結果僕はお祖母ちゃんや母さんと同じ運命を辿る事になる。それだけは絶対に避けたい!

学校へ着くと今まで以上に周りからの視線が痛い。
『おい、あんな可愛い子うちの学校にいたっけ?』
『ちょっとなによ、あの子。変に色気振りまいちゃってさ、あざといわね。』

で、母さんに言われたとおり、職員室に今日から女子として通学する事を伝えに行った。
校長先生を始め担任の先生も昨日母さんに説明を受けていた為か、『大変だったね』とか『頑張ってね!!』とか同情と励ましの言葉をいただいた。うんちょっと心苦しい。

「はあい!みんなちゅうもーく!今日はみんなにお知らせしたいことが有ります!!
美女川君…じゃなくて美女川さん入ってきて。」

僕は担任の先生の紹介でおずおずと教室の中に入っていった。

「改めて紹介するわ、美女川清彦君改め、美女川清美さんよ。実はみんなも保健の授業なんかで習っていると思うけど、彼、彼女はTS熱、いわゆる性転換病に罹って一時的に身体が女性化しています。元の男性に戻る事は戻るらしいんだけど、その期間が何時までかは個人差が有るらしくってお医者様でもはっきりとした事が解らないらしいの。ですから、しばらくの間病気が完治するまで美女川さんには女生徒として通って貰う事に成りました。
法律上TS病で女性に成っている間は名前の変更も可能なので、女生徒の間は美女川清美さんとして仲良くしてあげて下さい。」

僕はペコリと頭を下げた。

『ええっ?そういやキヨだよな?女子の制服着てたらまるで判らなかった。』
『やだ、可愛いキヨちゃん!やっぱり男子の服より女子のが似合うよね。』
『やばい、俺惚れちゃいそう!』
『やっぱりね、ひょっとして女の子じゃないかと思ってたんだ。』
『胸大っきいよね、良く今まで隠せてたわね?』

あ、あれっ何か自然に受け止められている?

「と言う事で、これから暫く女生徒として体育や家庭科などは他の女子と一緒に授業を受けて貰います。皆さんいいですね?」

『はあい!!て、言うかキヨちゃんなら大歓迎です!!いろいろ可愛がってあげます!』

ありゃ?思いの外僕、女子受けが良いの?と言うかペット扱い?

ホームルームが終わり僕は元の席に着いた。すると横に居る双葉が小声で、『ねえキヨちゃん、女の子に成ってどんな気持ち?やっぱり本来の望みが叶ったとか?』

こらこら、僕はそんな変態じゃ有りません!

『うん前々からショートカットの美少女って感じだったけど、最近は何か妖艶さが加わってきて男女問わず人気の的よ、キヨちゃん。』

あはは、前々からやっぱりそういう風に見られてたんだ…。ああっ、何か足の間がスースーして、落ち着かないよ!母さんにスカートでの立ち振る舞いってのを学んだんだけど…。なんせパンツ見られない様にするのに必死で…。

『ねえねえ、キヨちゃん、今日はどんなパンツ履いてるの?まさかトランクスじゃないよね。ちなみにブラのサイズは?大きいよねえ、やっぱり女の子の先輩としては自信無くしちゃうかも…。』

前に座っている利明が『ま、まあ女に成ったからって、又いつか元に戻るんだろう?だ、だから今まで通りの付き合い方しか、しないからな!それで戻った時はサッカー部に復帰できるよな?』

う、うん…多分…。と、その時利明の方から体臭とは違う別の濃厚な甘ったるい香りが漂ってきた。こ、この臭い、間違いなくアレだ…。こ、こいつ夕べ一人エッチしやがったなあ?!発射したソレが身体の何処かに付着していて、それが残り香に…、はあああっ(はあと)も、もうだめっ!!
僕は身体が蕩けてしまう様な感覚を覚え、思わず机に突っ伏してしまった。

「ちょ、ちょっと!キヨちゃん大丈夫?」「おいっ!キヨッ!!どうしたんだよ!?」

か、身体が言う事聞かないよ。僕は先生に気分が悪くなったので保健室に行かせて欲しいと言った。

「あらあ、そう?まだ身体が不安定で、時々調子が悪くなるかも?ってお母様がおっしゃってたわ。いいわよ、ちょっと休んでらっしゃい。」

許しを得た僕は保健室へ向かう事にしたが、途中尿意を覚えたのでトイレに入った。個室に入りショーツを下ろすと何かショーツの股の所がぐっしょり濡れ、あそこから糸を引いていた。う、うわっ!こ、これって、発情しちゃった!?

ああん、だめえ疼いちゃう。はあはあっ、僕は思わず左手でおっぱいをつかみ、右手はあそこに…。それからは…察して下さい…。僕は目のくらむ様な快感を味わいながら股間から何か放出されるのを感じつつ意識が遠くなっていった。

気が付くと僕はパンツを膝まで下ろし、便器に腰を掛けた状態だった。なぜか辺りはびしょびしょに…?何?これ?潮吹いちゃったの??

あちらこちらに飛び散った愛液?をペーパーで処理したけれど、パンツはぐしょぐしょ、幸いスカートやブラウスは無事だったけどこれじゃはけない、どうしよう?

悩んだあげく双葉にメールで連絡する事にした。『悪いけど突然お客さんが来たので、僕のバッグの中に有るポシェットを持って2階のトイレに持ってきて欲しい。恥ずかしいから先生にこっそり耳打ちしといてね。 キヨ』

本当は違うんだけどね、母さんが女の子の嗜みとして何時も替えの下着くらい23枚は持っておきなさい、って言ってたのは発情しやすい体質である今の僕の事を考えての事だったのかなあ?まあ自分の体験にも基づいてるのかもね。

「キヨちゃんどこ。持ってきたよ。」双葉の声だ、こっちこっち!

扉を少し開けると双葉が僕のポシェットを隙間から入れてくれた。この中には替えのパンツが入っている、た、助かった…。ペーパーであそこを綺麗に拭いた後、新しいパンツをはき、濡れたパンツはビニール袋に入れ、ポシェットにしまった。

「キヨちゃん、大丈夫?気分悪くなったのってそれだったんだ。」ありがとうお陰で助かったよ。

「女の子って大変でしょ?キヨちゃん女の子初心者だから。」ま、まあ…。

「でも、アレが来たって事はTS病の人の場合、殆ど元の性に戻れなくなるんじゃ…。」えっ?そうなの?

「えっ?お医者さんに聞いていなかった?ひょっとするとキヨちゃん一生女の子のまんまかも知れないのよ。」あ、ああ、そ、そうだっけって本当は僕の場合違うんだけどなあ。

「うわっ!キヨちゃんすごく良い匂い。何か香水でも付けてるの?」
あれっ?この言葉前にも何処かで聞いた様な?これって、僕の愛液?の匂い?最初おしっこかと思ったんだけどどうも違うみたい。

「な、なんかあたし、変…。」えっ?双葉様子がおかしい。何か顔が火照って肩で息してる。こ、これって…。

「ああん。キヨちゃんなんて可愛いの(はあと)もう食べちゃいたい!」そう言って抱きついてくる双葉、ちょ、ちょっと!やめてよ!ま、まさか僕のフェロモンって男女両方に効果があるの?

なんとか、双葉をなだめて教室に戻った僕はその日双葉のみならず、クラス中の男女から何か熱っぽい視線を受け、
一日中気分が落ち着かなかった。

やれやれ、やっと女子高生1日目がおわりぐったり疲れた身体を引きずる様に家路を急いだ。双葉達女子グループからはケーキバイキングのお誘いを受けていたが、体調が悪いと断った。利明の方は他の男子と遠巻きに僕の方を見つめていたけれど特に言葉を交わす事無くそのまま別れた。ちょっと寂しい…。

家に帰って僕はお風呂と食事を済ませると、直ぐに自分の部屋に行き、ベッドに横たわった。あ疲れた!

ここは何処だろう?あたり一面もやの様な物がかかり僕は自分がどこに居るのか、全く判らない。その内もやが晴れると辺り一面青々とした草原だった。そこに僕は佇んでいた。
そよ風が素肌に心地よい…、って、ぼ、僕素っ裸??ふと、もやの晴れた前方を見ると誰かが仰向けに倒れている。誰だろう?えっ?まさか、と、利明なの?それも僕と同様素っ裸で…。

どうして、僕と利明がこんな所に…?利明は眠っているのか目を閉じたまま動かない。でも、僕は利明のある部分に目が釘付けになった。

ああっ、す、すごおい。股間に隆々とペニスが屹立していたのだ。それを見た途端僕は身体の奥底から甘美な感覚が沸き上がってくるのを感じていた。ああん!これよっ、これっ!!これが欲しかったのよ!その瞬間僕は一匹の牝、淫魔と化していた。

僕はゆっくりと利明に近づき、身をかがめると、顔をそそり立つペニスに近づけていった。それはビクンビクンと脈打ち、亀頭の先から透明な液がとろりと溢れていた。た、たまんない、僕は舌を伸ばしその亀頭の先に溢れた液をすくい取る。なんて甘美な味だろう、ぼくは夢中に成ってソフトクリームを舐める様にちろちろと亀頭に舌を這わせる。そしてもっと深く味わう為に、ゆっくりと唇を覆い被せていった。

口の中一杯に甘美な味が広がる。僕はゆっくりと、時に激しく唇を上下させ、更にのどの奥深くにペニスを飲み込む様にする。口の中のペニスは更に膨張し硬度を増す。じらすようにペニスを口から離すと今度は乳房に挟んでしごきあげる。それと同時に舌先で亀頭の先を嬲る様に舐める。

それにしても、一体どうして僕はこんなテクニック(性技)を身につけているんだろう??
これも淫魔の血の成せる技なのか?

「うあああ」やがて眠ったままの利明が耐えきれない様な悦楽の声を発した。そろそろね…。僕は淫蕩な笑みを浮かべると、再びペニスを深くに飲み込むと激しく上下させる。「あああ、うっ!!」更に膨張した肉棒がビクンッ!!と律動すると、僕の口の奥に濃厚で更に甘美な液体を大量に吹き上げた。

じゅるるるる!!その瞬間を逃さず利明の精を一滴残さず吸い込んだ。ビクンビクンと身体を痙攣させながら止めどなく放出する利明。ああおいしいっ!!男の精ってこんなにおいしい物なの?

やがてひとしきり放出が終わると、僕はペニスから口を離した。
あんなに出したのにまだ利明のペニスは大きさと硬さをを保ったまんまだ、うふふっ、うれしい。

僕は舌なめずりをすると、今度は利明の上にまたがりゆっくりと腰を下ろしてゆく。そう、今度は下の唇で味わう為に…。

僕の意識は完全に淫魔の物に置き換わっていた、と言うかこれが本来の僕の姿なのかも知れない。僕は濡れそぼり、よだれの様に糸を引く陰唇を利明の亀頭の先にあてがうと一気に腰を落とす。僕は処女だ、でも破瓜の痛みは一瞬で、その後は利明のペニスからもたらされる蕩ける様な快感のみが身体を支配した。

ああん!あふうっ!僕は夢中に成り腰を動かす。乳房が弾み汗が飛び散る、その度に僕の中に飲み込んだ肉棒が打ち震え、それがさらに快感をもたらす。

やがて利明のペニスが更に大きくなり脈打ち始めた。ああああ!いいっ!!も、もう、いっちゃううう!!その瞬間潮を噴き上げた僕のアソコは一際強くペニスを締め上げ、次に精を吸い上げる為ペニスを絞り上げる様に律動する。じゅるるるる!!

僕は利明の胸に突っ伏しながら余韻に浸っていた。ああ、こ、こんな気持ちが良いなんて…そのときふと我に返る。

えっ?ま、まさか僕これで男に戻れない?そ、そんなあ!き、君のせいだからねっ、責任とってよねっ、利明っ!!

はっと目が覚めた。はあ、夢だったんだ。でもなんてリアルな夢…。あれっ?僕寝る前確かジャージ着ていたのに、下着も着けていないスッポンポンのポン!
当然の様に股間はぐっしょり濡れて、シーツに大きなシミが広がっていた、ああもうこれ駄目かも。なんて夢を見たんだろ最悪…。何が男に戻りたいだ、夢の中の僕は女そのもの、おまけに利明に責任転嫁しちゃったり、自己嫌悪!

僕はシャワーを浴びる為にのろのろと立ち上がった。と、その時ふと鏡に映った自分の姿を見て、自分の目を疑った、な、何これっ?

鏡に映った僕は肩に掛かる程度だった髪が背中を過ぎるくらいに迄伸び、しかも色が黒から銀色に変わっていた。更におっぱいが前よりも更に大きくなってより女っぽい体つきになっていた。はは…、ウソだよねこれ、まだ夢見てるのかな…?



か、母さん!ぼ、僕どうなっちゃたの?!僕はリビングに降りて行くなり叫んだ。

「あらあ、家の中とは言え、女の子がそんな格好ではしたないわよ。」

えっ?きゃっ、ってそうじゃなくて。

「あらまあ、もう覚醒しちゃったのね?おめでとう!これで晴れて清美ちゃんになったのね。」

ど、どういう事??

「淫魔として覚醒して女の子に固定しちゃたのよ。もう男の子に戻る事無いわ。ねえ?相手はやっぱり利明君?」

えっと…、そ、それはまあ…、って違う!(有る意味違わないけど…)
恥ずかしいけど夢の事を正直に話した。

「あらあらうふふ、清美ちゃんには話してなかったかも知れないけど、淫魔って別名夢魔とも言うのよ。つまり男の人の夢に入り込んでエッチしちゃう能力があるの。」

へっ?

「だからあ、貴女が夢で利明君とエッチしたのは現実と一緒、利明君も目が覚めてパンツ汚れて無いの不思議に思ってるんじゃない?貴女が全部いただいちゃったもんねえ。」

そ、そんな…。

「貴女の髪の毛や身体が変化したのも、男の人の精エネルギーを吸った為一時的に淫魔の姿に近づいたのよ。ああ、心配しなくても髪の色は暫くしたら元に戻るわ。それまで染色して学校に通いなさい。まあ…身体の方はそのままかしらね?いいじゃない、利明君巨乳好みなんじゃ無いの?」

いえ、これ巨乳どころか爆乳なんすけど…。

「あのね、淫魔つまり夢魔は、まだ精通を経験してない男の子の夢の中に入って、ちゃんと射精させて性の目覚め・悦びを教えるという大事な役目があるのよ。そして有る意味人間の子孫繁栄に繋がる大事な役目を担っているの。お祖母ちゃんの話しは横で聞いていて思わず吹き出しそうに成ったけど、あれは脚色しすぎ、精を吸い尽くして男の人を殺めるなんてオーバーもいいとこよ。」

そうなんだ…。

「確かに私たち淫魔の血に目覚めた者は、その能力を発揮する為に男の人の精エネルギーを必要とします。でもお祖母ちゃんが言ってた様に誰彼のもじゃなくて、やはり一番愛する人の精が一番効果を発揮するの。まあ淫魔の能力たって大分血の薄まった私たち子孫にとってはせいぜい他人の夢の中に入り込むとか、何時までも若さを保つとか、せいぜいそんなものだけれどね。」

じゃ、じゃあお祖母ちゃんの話は殆ど嘘っぱち?

「お祖母ちゃんって厳格そうに見えて結構いたずら好きだもの。私も結構騙されたわよ。お祖母ちゃんはああ言う話しをする事で逆に貴女を早く覚醒させて、落ち着かせようとしたんじゃ無いかしら?どのみち男の子に戻る確率は極端に低いんだし。」

はあ…そういう事だったの…。

「それより明日は日曜日なんだし貴女のこれからのお洋服や下着、色々と買揃えないとね、明日は忙しいわあ」…あはは、勘弁して下さい…。

でもお祖母ちゃんや母さんは最初から僕がこうなる様に…「女ってね何歳に成ってもお人形遊びが好きなのよ。」…ああ、そう…。

なんかな僕は結局、お祖母ちゃんと母さんの二人に振り回された様な…。どっちにしろ僕、もう女の子で生きていかなくっちゃならないんだよね…?それなら、よし!!

月曜日の朝、僕は何時もの様に登校するとクラスのみんなから一斉に注目を浴びた。
今の僕は長く伸びた髪を後ろに赤いリボンで括りポニーテールにしている。もちろん髪は母さんに黒く染めて貰った。

「ええっ?どうしたのキヨちゃん!何か心境の変化?」
「綺麗な髪、これヴィッグ?」うふふふ…僕は無言で笑顔を返してその後つかつかと利明の所へ歩み寄る、おはよう利明。もうサッカー続けられなく成っちゃった、ごめんね!

「あ、ああ…、その…おっす…」なんだ、顔赤くして照れてるの?うふふ…、僕と夢の中とはいえ結ばれちゃったもんね。
帰り僕は校門の前で利明を待ち伏せしていた。今日は部活は無いはず、あっ、出てきた、利明一緒に帰ろ!

「えっ?ああ…」あらら、何かやっぱりもじもじしてるなあ?一度経験しちゃったらむしろ女の方が度胸がすわって積極的になるのかなあ?と言うか、一度捕獲した獲物は骨までしゃぶり尽くす…じゃなくて一滴残さず吸い取っちゃう淫魔の性(さが)?

ああん、もう利明はこういう事に関してはお子ちゃまと言うか、奥手なんだからあ。
僕は自分から利明に腕を絡め、心持ち寄り添う様にして歩く。そして利明に笑顔を向けて、…利明、す…き…。

あ、またこいつ赤く成ってやんの。ええい!!も一つおまけだあ!そして僕はFカップにまで成長した胸を利明の腕に押し当てる。

「おっ、おいっ!!」
「あててんのよっ♪」

(おわり)
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