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ランジェリーショップにて

2012/08/23 07:30:44
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「もう少し・・・。後ほんの少しなんだ・・・。」
あと少し・・・。ほんの少しだけ頑張って、あと一歩だけ踏み込む事が出来ればこれで終わる。
これさえ終われば女の子・・・とびっきりの美少女が手に入るんだ。

やるべき事を終え、俺は試着室のカーテンを開いた。





突然だが、皆さんはハイレベルな美少女に4人組からデートに誘われたらどうしますか?
しかも、デートは接待に近く映画館もレストランもVIP待遇でおまけにデートの費用も向こう持ちだとしたら?
おまけにデートが終わった後は、ホテルで食事会(性的なイミの)が待っているとしたらアナタはどうしますか?

喜んで飛びつく?疑って敬遠する?
因みに俺は何の疑いもなく飛びつく方なのです。

いきなりカッ飛んでる上に良く分からん質問から入ってスマン。
でも、今の俺の状況はまさにそういうカッ飛んでる状況なのだ。


* * *


ウチの高校はレベルが高い。美少女的な意味で。
いや・・・お世辞にも可愛いとは言えない娘も多いんだけど、一部の美少女が可愛いのなんのって。
そのごく一部が余りにも可愛すぎるものだから、女子のレベルが高い高校って見られることが多いんだ。
んで、類は友を呼ぶって言うのかな?
美少女は美少女で固まる事が多いんだ。

その美少女の集団に俺はある日誘われたんだ。
今度の土曜日に一緒に遊びに行きませんか?ってね。
しかも、条件はさっき言ったような接待待遇だ。
この4人とデートできるなら、借金してでも金を用意したいって奴すら少なくない中でそんな好条件を出されて断れる男はいない!!
俺は二つ返事でOKしたんだ。


* * *


さて、デート当日に張り切って駅まで行ってみるとなんと黒い車が待っていた。
そして長い車の中に待っていたのは、運転席にいるロマンスグレーの男性と後部座席には4人の美少女だった。
・・・って双葉さんの家の車とお抱え運転手なん?
双葉さんはお嬢様とは聞いていたけれど、まさか運転手つきの車で送迎が当たり前なほどのお嬢様だったとは・・・。
って何?双葉さん?
えっ俺が来るのを楽しみにしててもう30分もこのあたりで待ってたの?
「ずっと清君が来るのを楽しみにしてたんだよぉぅ」
そう言いながら俺の腕を掴み、推定Eカップの胸を押し付けてくる双葉さんに鼻血を出した。


* * *


「御免なさい。清彦君。」
狙ってか偶然かは分からないけれど、双葉さんは胸を強調させるように、手を合わせ、胸を突き出しごめんなさいをした。
この娘?また俺に鼻血を出させる気か?
「こちらこそすいません。せっかくの余所行きの衣装を鼻血で汚してしまって。」
「いえいえ。清彦さんに鼻血を出させるほどの色仕掛けをした双葉が全部悪いんですよ。」
こう言ってきたクールビューティーは若葉さんだ。
そうだな・・・。折角だしいつまでも4人の美少女って説明じゃなんだからちゃんと4人とも紹介しておかないとな。



まずは、活発的なリーダー格の双葉さんだ。
容姿端麗、文武両道、それでいてスタイルもいいしかもお嬢様とかチート性能っぽい美少女だ。
どことなく4人の中では一番大人っぽく見える。胸の大きさも一番だ。
画像で言うと、右端の女の子だ。締まりのない顔でパンツを広げている絵面は気にしてはいけない。
今回のデートの発案者+俺に声をかけてきたのが彼女だ。

続いてその隣は若葉さんだ。
双葉さんとは幼馴染の親友で、もう10年くらいの付き合いらしい。
胸こそはやや控えめだが、髪や肌はかなり綺麗っぽい。
頭が凄く良いようで、どうしてうちの高校(中堅より少し上くらいの公立高校)に入ったのか不思議な程だ。
双葉さんの暴走を嗜める、ツッコミ役&お姉さん的存在で性格的な大人っぽさは彼女が一番だろう。

隣の一葉さん・・・右から3番目の帽子の娘ね。
おっとりしてて、守ってあげたくなるって雰囲気や女の子らしさは断トツだと思う。
彼女も、双葉さんほどじゃないがかなりの名家のお嬢様で、帽子やワンピースが凄く似合う。
色合いが薄ピンクとか淡い色だともっと似合う。家庭部の副部長で、料理や裁縫の腕はプロ顔負けだとか。

最後が亜紀だな。
ツンデレ風の視線が妙に特徴的な女の子だ。
どういう訳か分からないけど、なぜか呼び捨てにしてしまう不思議な女の子だ。
俺の前では尖がってる。このグループに入ってからは日が浅いらしい。



4人とも、それぞれファンが付くほどの人気者でその人気も納得できるほどの容姿と属性だと思う。

そんな娘達が、4人まとまってきてくれた上にしかもこの熱の入ったデートっていったい何よ?
未だに夢かと疑ってしまうので、頬っぺたを抓ってみた。
・・・うん。やっぱり痛い。
ってそりゃそうか。
双葉さんから誘われて今日までの3日間で、もう300回は抓っているわけだし。
それに鼻血の感覚からするとやっぱ夢とは考えにくい。

「あらあら、清彦さんはまた夢だと疑っておられるのですか?」
「ええ・・・まぁ・・・。こんな可愛い子に囲まれると恵まれすぎてて夢じゃないかって疑うんですよ。」
「可愛いって言って下さるなんて私(わたくし)嬉しいですわ。」
頬を染めて、嫌味な感じを出さずにお嬢様言葉を使いこなす一葉さん・・・。加えてゆっくりとした口調のおっとりボイス萌えるな。

「まったく・・・清彦はデレデレしすぎ・・・・・・なんだから・・・。」
「別にいいだろ亜紀?」
「ふん!!清彦は可愛い娘なら誰でも・・・いいの?」
「いや・・・別にそんなわけじゃ・・・。」
どうも亜紀は俺に対して突っかかるよな?まぁ照れたこの言いぐさは嫌いじゃないけど。
ってか、亜紀が妙にたどたどしくってしかも女の子っぽい口調で喋るのって俺の前だけか?
普段はどちらかと言えば男っぽい口調だし。
ひょっとして、気がある?



「コラコラ亜紀ちゃん?あんまりワガママを言って清彦さんを困らせてはいけませんよ?」
「でも若葉さん!!」
「ごめんなさいね。このコったら清彦さんと一緒にお出かけするのがよほど楽しみだったようで浮かれて可笑しな態度を取るんですよ。」
「若葉さん!!余計な事を清彦に言わないで下さい!!」
「でも、楽しみに待っていたのは私も一緒なんですけどね。」

そう言いながら、俺の手を自分の太腿に置く若葉さん。
流石はクールビューティー!!知的な雰囲気をそのままにしっかりとアプローチするとは。この娘もかなりやり手だ!!
というかこの娘も気があるの?
まぁでも、その気がないと普通は男を誘ってデートしないよね?

「では、お嬢様そろそろ出発をしても宜しいでしょうか?」
「そうね。それじゃあお願い。もっとおしゃべりしてたいけれどこれあんまり遅くなるのも困るものね。」



* * * * *



取り合えず、映画館に行ったがいきなり凄い。
まずは当然のように貸し切りで、従業員も俺たちをVIPとして扱ってくれている。
更に映画は封切り前という豪華すぎるシチュエーションでのデートだった。
だが、真に豪華なのはこの矢鱈と高そうな貸切部屋と、ソファーのような椅子に非ず!!
女の子4人に囲まれたハーレムな陣形こそが一番豪華なのだ。

女の子達は俺を取り囲むように座りたがっていて、右に双葉さんで左には若葉さん。隣に座れなかった一葉さんと亜紀はそれぞれ前後に座る事になった。
これがかの有名なインペリアルクロスという陣形か?(違)



* * * * *



映画の後は食事にいくものだが、それもやっぱり凄い!!
双葉さんの家が経営している高校生じゃまず利用できないようなレストランでランチなのは当然の如くあって(ヲイ)
きちんと俺を中心とした陣形を組んでくれるハーレムな並びも相変わらずだ。
しかも高級料理だけじゃなく、一葉さんの手作り弁当(プロ並み)も出されたからオイシサ2倍!!いや10倍以上だ。
一葉さんは控えめに自信がないみたいなこと言っていたけれど、あの店のプロと比べても劣ってないだろう。
何と言っても一葉さんが言うように、一番の調味料たる愛情が(亜紀が妨害してきた為一葉さんの台詞は途中で途切れてしまいました)

余計な事をしてくれたけれど、亜紀のあの態度も悪くない!!ってか萌え。



* * * * *



その後も後2箇所くらいのスポットを巡って、夢のような時間はあっという間に過ぎ、とうとう最後の場所になったらしい。
「それじゃあ、デートスポットの最後はここにしましょうね♪」
満面の笑みでとある店を指す双葉さん。その表情は大抵の男は見るだけで『生きてて良かった』と思うほどだろう。
俺も同じような感想を持ったのだが、今回は少しばかり勝手が違った。
「これって、ランジェリーショップじゃ・・・?」
「あら・・・そうですよ?」
って一葉さん?そんな当たり前でしょ?みたいな態度はやめて下さい。

「えっと・・・俺もその店の中に入るんですか?」
「せっかく清彦君を誘ってデートしたのに、私たちだけでお店に入っても面白くないわ。」
「そうは言いますけど・・・双葉さん。」
「敬語はやめて欲しいな・・・って言ったのになぁ・・・私達もう少し清彦君とフレンドリーにお喋りしたかったのよ?」
「そう言われても双葉さん。男の俺が下着の店なんてハードル高いって。」
「えぇ。残念だなぁ。私達って清彦君とここにいくのを楽しみにしてたのよ?」
「うん。でもなぁ。やっぱ男の俺が行くと目立ってしょうがないと思うけどなぁ。」
「貸切りにしておいたから人目は心配しなくてもいいわ。オーナー店長も私の知ってる人だし。」
「うん。」


「お店に入れば、私達が身につける下着が少し見られるわよ?」
と、難色を示していると若葉さんがそっと耳打ちしてきた。
桃色の髪からフローラルな香りが俺の股間を刺激・・・ゲフンゲフン。


咳き込む俺を尻目に若葉さんは更なる追撃をしてきた。
「流石に下着だけのセクシー姿を披露するのは難しいけれど、それでも服の上からブラを着用したり
体の前の方にショーツを当てたりした姿は見てて色っぽいと思うなぁ。」
服の上からとはいえ、若葉さんのブラ姿が見られるだと?
「私達四人で下着を見に行く事はよくあるんだけれど、それでも他に診てくれる人がいないと寂しいの。
それで、清彦さんみたいな人が見てくれて一言でいいから感想でも言ってくれると盛り上がると思うの。」
控えめな印象を与えつつもがっつりと誘ってくるような口調、ねだるような視線、そして口からは甘い吐息が放たれる。
ナニこの娘!?誘ってるのか?誘惑しているのか?

「しかも他に誰もいないんだから人目を気にする事も無く少し大胆な真似も出来ちゃったりしてね♪」
シュー!!ポッポー!!
彼女の色香に耐えられず、俺はついに頭から蒸気を発した。
蒸気が収まる頃にはランジェリーショップへ足を進めたのは言うまでもないだろう。



* * * * *



さて喜んで店の中に入ったはいいものの、凄く疎外感を感じる。

「うん。やっぱり双葉さんのバストはいつ見ても羨ましいです。このサイズには痺れて憧れますね。」
「そういう一葉ちゃんだって大きいでしょ?多少分厚い程度の壁・・・若葉とは比べ物にならないくらい。」
「いいですよだ。私に巨乳は似合わないし、私は体を使わない魅力で戦う子なんですから。」
「このインテリめが。」
「お頭の足りないお嬢様よりかはいいでしょ?」

女の子たちはいわゆるガールズトークに夢中で俺はただ突っ立っている。
彼女たちは約束通り(?)俺に下着を見せて、感想を求めては来るが完全に蚊帳の外って気分だ。
何て言うんだろ・・・?
本気で俺に見せて感想を求めているって言うよりかは、ついでに見せてるとか形式的に感想を求めているって感じなんだよな。
よく女の子が、どっちの服が言いかを聞いて自分が選んだ方とは違うのを選ぶ。
あれと似ているといえば似ているんだけど、別物にも見えるんだよなぁ・・・。

「清彦・・・この赤いショーツと白と水色のしましまだったらどっちがいい?」
「うん。どっちだ?赤は亜紀にはなんとなく似合わないかな?って事で少し子供っぽいけどしましまだな。」
「そう・・・。」
この子はこの子でなんか不機嫌だし、店に入った事をなんか後悔して来たぞ。



* * * * *



亜紀が他の下着を取りにいき、俺は一人になった。
「あーあ。来なきゃ良かったかな?ランジェリーショップなんて。」
今更ながらランジェリーショップへ入って行った事を後悔した。
さっきまでが楽しすぎたせいで余計に空しい。
「随分とつまらなさそうだね?」

突然現れた男性は、若そうだが年齢不詳と言ったような人物だ。
やや長髪で、銀髪か白髪か分からないような毛色の人物だ。
青やピンクの髪の毛が当たり前のように存在する世界観ですら、異様とすら言える髪の毛だろう。
・・・いや、見た感じは別に変な人と言うわけではない。
ホリの深い顔は整っているし、大人の風格を感じてかなり格好イイ人だと思う。
言うなれば、矢鱈と若く見える40代、50代ってところかな?
肌ツヤもよくかなり若く見えるんだけど、風格があるのかそれなりの年齢だと思う。


「どなたですか?」
「大した者じゃないよ。私はこの店の所有者兼店長だ。」
「店長で所有者?なんだか凄そうな人ですね。」
「いや、オーナーでありながら人手不足により店長と店員を兼任しているしがない男だよ。」
店長の人はこう言っているけれど、この人には妙な力がある。そんな気がする。


「双葉君たちに放置されているようだね?」
「っていきなり何を言ってくるんですか?」
「ああ。すまないな。退屈そうに見えたものだからつい声をかけたんだ。」
「退屈そう・・・ってそりゃあそうですよ。男がランジェリーショップに連れて行かれても面白くのなんともないし、持ち主さんには悪いけどここにいても面白くないし。」
「まぁそう言いなさるな。男でも楽しむことは十分可能だ。流石に女性陣ほど楽しめることは無いだろうが。現に私は男にして好き好んでこんなつまらない店を経営しているんだ。」
「すいません・・・別にそう言う意味じゃないんですが・・・。」
「いいさ。君はまだ若いからランジェリーショップの魅力が分からないのさ。」
「そういうモンですか?」
「そういうモンさ。女性の魅力を強化できるのがランジェリーだ。そして自分はそんなランジェリーのそばにいる。つまりは結果として常に私の周りには美しい女性がいる。かなり魅力的な話じゃないか?」
「そういうものですか?やっぱり良く分かんないです。」
「大人になる前に女性の気持ちや、美しさ。それにランジェリーの魅力を理解しておくと美しい女性が身近にいるようになるだろう。」
「はぁ・・・そういうものですか?俺にもそう言うのが理解できるんですかね?」
「ああきっと。君なら女性の気持ちや美しさを理解できるようになれるさ。」
オーナーの台詞は何処かが意味深な気がした。けれども特に深く考える事はなかった。
だから彼の真意が分からず、露骨なヒントもロクに伝わらなかった。
彼との会話が終わると俺は再び退屈を味わった。



* * * * *



「あっ・・・ご免なさい・・・清彦くぅん?ついつい下着とガールズトークに夢中になっちゃってて・・・。」
俺の様子がおかしいのに気がついたようで、双葉さんが声をかけてきた。
「ああ・・・いや・・・別に・・・。」
さっきまで退屈しきっていた俺だが、文句は言えなかった。
元々が接待みたいな好待遇だったし、そもそも彼女達の相手ならばほぼ荷物持ちのみの放置待遇だって成り手はたくさんいる。
これ以上を求めるのは贅沢と言うものだ。

「せっかくですから、清彦さんを中心にお買い物をしましょうよ。」
・・・と一葉さんから思わぬ意見が出てきた。
って事は俺好みの格好になるファッションショーでもしてくれるって事かな?
これはなかなか期待できそうだ。
しかも普通の服屋(表現がダサいな)じゃなくって下着専門店でのファッションショーか。
こいつはエロ展開が期待できるんじゃないのか?

「清彦?顔が明らかに緩んでいるけど?」
少し冷たく言い放つ亜紀の一言で現の世界へ戻ってきた。
まぁエロはともかくとして、俺を中心にしてくれるというのなら楽しい一時である事は間違いない。
ついさっきまでの信じられない展開を考えれば至福の時間と考えるべきだろう。


「清彦?顔がまた緩んでいるけど?」
亜紀が指摘するほど俺の表情はやっぱり緩んでいたんだろう。
しかし、そんな俺のニヤケ顔は直ぐに凍るのだった。



「やっぱり、清彦君に似合うのはこの赤いショーツかな♪」
ルンルン気分っぽい双葉さんが持っているのは赤い女物のパンツだ。女物のパンツをショーツと呼ぶ事は少し前になって初めて知った。

アレ?双葉さん?主語が間違ってますよね?
『私に似合うのは』・・・じゃないの?
俺が女物の下着を身につけて女装するワケないじゃないか。
ああ・・・清彦君『と一緒にいる女の子』に似合うのはこの赤パンツってイミね?
確かに赤はいいよね。適度に女の子っぽさを出しててセクシーさも十分にあって・・・。
うん!!赤いパンツは好きと言えば好きだよ?そう言う意味では。

「やれやれ・・・双葉は。」
「いいじゃない若葉!!清彦君ならきっと穿きこなせるわよ。」
「すいません清彦さん。双葉の趣味に付き合って貰えませんか?」
って・・・やっぱり文面通りの意味かよ!?
あと申し訳なさそうにしてるけど、若葉さんも穿かせる気かよ!!
ついさっきまでいろいろして貰ったから、大概の事は受け入れる心算だったがよりにもよって女パンツを穿けっていうのはなぁ・・・。
俺には女装趣味はないし、この頃流行の男の娘♪お尻の小さな男の娘・・・でもない。
いくら双葉さんの頼みでも、こればかりは聞き入れられない。


「このショーツは清彦さんに似合いそうだと思ったのですが・・・残念です。」
俺の表情から察したのか一葉さんは、悲しげな声を出した。
ってか一葉さんも俺に女装させたいクチなん?
「でも仕方がないんじゃない?清彦にとって女物の下着を身につけろなんてかなり無茶な要求なんだし。」
「でも、清彦君がショーツを穿く所を見てみたいな。」
「実は私も少し見てみたかったり・・・。清彦さんがショーツを穿くところを。」
「そうですよ。このショーツは清彦さんのために作られたようなものですよ。」
亜紀こそは、俺の女装を止めてくれそうだが他の三人はなぜか俺に赤パンツを矢鱈と穿かせたがっていた。
彼女達みんなショーツって言うから次からショーツに統一だな。どうでもいいけど。

さて、俺としては非常に困った展開だ。
ショーツなんて絶対に穿きたくないが、簡単に断れるような状況でもない。
車の送迎や映画館やレストランの貸切から、俺を取り合うように振舞う四人の美少女と手料理つきの豪勢なひと時。
それだけして貰って、自分はショーツ一枚穿かないと言うのはなんだか悪い気がする。
そもそも、こんな美少女に三人がかりでお願いされて断れるのは人間じゃない。
俺の絶対に嫌だという意志は少しずつ剥がれ落ちていった。



「ねぇ?もし下着をつけてくれるんだったら、今晩は思いっきりご奉仕してあげるわ?」
「ご奉仕ですと!?」
「ええ。双葉お嬢サマの力を少し使えば、会場のホテルの手配なども難しくありません。」
「ホテルですって!?」
「ええ。メイドさんの格好をした私達に身の回りのお世話をさせるもよし、今度は私達の下着姿を鑑賞するもよしです。何なら頑張って下着以外は脱いじゃいます。」
「一葉さんが下着だけの無防備な姿に・・・?」
「ええ。一葉だけじゃありませんよ?私でも双葉でも、あえて亜紀ちゃんを選んで頂いても構いません。選ばれた者は精一杯清彦さんを満足させるように務めます。」
「若葉さんか双葉さんがメイドさんに!?」
「今なら二人を一晩メイドにすることも可能ナノデス。・・・というより清彦君さえ良ければ全員をホテルの一室に呼ぶくらいOKよ?」
「ハーレムな一晩で下着姿見放題!!」
「もっと凄いご奉仕でも・・・清彦にならやってあげてもいいかな・・・って思う。」
「マジッスか!?亜紀ちゃん!?」


「僕!!女装も男の娘も大好きです!!」
俺があっさり堕とされたのは至極妥当だろう。
そして、現在(冒頭)に話は戻るのだ。







「やーん。清ちゃんって意外といい体。」
「ええ。私の思った通りですね。なかなか可愛くなりました。」
「若葉さんずるいですよ。清彦さんに注目したのは私の方が先なんですから。」
「・・・。きよひこ・・・。」
四者四様だが俺のの下着女装姿は好評らしい。
マジなのか?
何故かこの試着室には鏡がないから詳細は分からないけれど、俺の見えている部分を言えば可愛いどころかキモイと思うぞ?
どちらかと言えば色黒でやや筋肉質な体は肌触りのいい下着には似合わないし、キツキツなのにブラの中には膨らみがなく
脛毛はボーボーとはいかないまでも太くて長いのがびっしり生えてるし、それにキツキツショーツの膨らみは見苦しい・・・っていうか一部が見えてね?
恐らくは程度の低い女装男でしかなく、男の娘として見れば最低レベルの外見だと思うんだけどな。
少なくとも女の子とは明らかに違う外見だと思うぞ?下着以外は男の俺と差がないんだもん。
ナニ?ひょっとしてこの娘達は男の娘が好きとかそんなオチか?
高水準の美少女なのに男の影が全然ないのってそう言う事なのか?

「いやだな。そんなワケないでしょ清ちゃん?」
「ええ。今の清彦さんはご自分が思っている以上に美しいですよ。」
双若コンビの台詞で、俺は思わず乗り気になりかけた。
「でも、今の俺の姿って・・・。」



俺はさっき思った事を伝えた。
美少女たちは男の娘好きか?疑惑の部分だけは言ってないけど。

「確かにそれはあるんですよね。」
と、賛同したのは一葉さんだ。
「やっぱり俺の女装姿はキモイんですよね?」
「うん。清彦が女装し・・・(ムググ)。」
亜紀の口ぶりも、きっと一葉さんの言ったことと同じような内容を言いたいのだろう。
やっぱり今の俺・・・ってか女装男なんてキモイだけだな。
などと彼女の言葉から色々考え出すと亜紀の口が急に止まりモゴモゴ言ったのだ。

亜紀がキモイ宣言をしかけたタイミングで、彼女の口を双葉さんが押さえたようだ。
「清ちゃん気にしないでね?この娘って天邪鬼だからいい加減な事しか言わないの。」
「そうですよ。ツンデレの亜紀ちゃんが貶すって事は彼女も清彦さんの今の姿を綺麗とか可愛いとか思っているって事なんですよ。」
亜紀の態度ですっかりその気をなくした俺だが、双葉さん達が取り繕ったので少しだけやる気(?)を出した。

「それにものは考えようですよ?」
「ん?どういうことですか若葉さん。」
「今の清彦さんには脛毛とか、多少の色黒と筋肉質など、この下着姿に似合わない特性が少なからずあります。しかしそれでもトータルで
見れば美しく可愛らしく見えると言っているのです。だから私達の顔を立てるという意味でももう少しその気になりましょうよ。」


「俺が可愛いねぇ・・・。」
そんなに可愛いかなぁ。可愛いんならもう少しだけ凄いのしてあげようかなぁ?
などと考えながら、俺は結構その気になってしまった。

「・・・って色々まずいでしょうが!?」
俺は男で、ランジェリー姿が可愛いのならそれはソレでまずい。ってか似合った方が問題だ。
そもそも俺は女装に対してはかなりの嫌悪感や抵抗を持っていて、男の娘に対しての認識もかなりキツイ。
俺にはそんな趣味は無いが、もし万が一目覚めてソッチ方面に目覚めようものなら最悪だ。
「『清彦君』がどうしても嫌だというのなら私達も強くは言えないわ。」
俺がマジに嫌がったからか、双葉さんはあっさりと退いてくれた。しかし、清彦君と言う単語を妙に強調するのはどうして?


「でも、私達が満足いくまで付き合ってくれたら今晩ご奉仕してあげるって約束を忘れたの?」
耳元で囁くように言い放つ双葉さん。やっぱりこの娘は色気がある。
もともとキツキツだった股間が更にキツくなり、綺麗でかわいいショーツからグロいキノコが顔を出す。
恥ずかしさが俺を支配するが、それ以上に不安だった。
美少女達がこの気持ち悪いキノコもどきを見て、俺を冷たい目で見ないかどうかが不安だった。

「ええ。もう少しだけ私達の我がままに付き合ってくだされば後で気持ち良さの倍返しです。」
不思議と股間の膨らみについては誰も言及しなかった。


「気持ち良さの倍返し!?」
卑猥な映像が俺の頭の中を過ぎる。
その妄想のせいで、息は上がり頬の色は薄紅・・・というより濃紅色にになった。
いかにもコーフンしてます。ありがとうございましたヘンタイさんって絵面だと思う。
ほんのり顔を赤らめた、タイプの違う美少女四人組の『せっかくいい絵』の反対側にはそんな俺がいるのだ。

興奮した俺だが、自分の姿を思い浮かべその気持ち悪さで一気に頭が冷えた。
「気持ち良さの倍返しって言ってもそう言うイミじゃ無いですよね?」
「あれ?言わなかったっけ?今晩は清彦君が私達を好きにしてくれてもいいのよ?」
冷えた頭はまた湯気を出しそうになった。
「清彦さんが女装を嫌うのは分かりました。しかし今だけは少しだけ考え方を変えてはいただけませんか?」
顔を赤くしながらも若葉さんは迫ってきた。
「物を食べる時は働いた後が一番美味しいんです。疲れた後で食べる時が一番美味しいんです。」
「あぁ・・・はぁ・・・。」
「ベッドの上で、男らしいお食事を取りたいとお考えなら男性として疲れた後で・・・つまり無理矢理に男らしくない状態で頑張った後が一番美味しいとは思いませんか?」
「その・・・男らしいお食事というのは?」
「頬を赤くした女性の口からいう事ではありませんよ?」
ご馳走様でした。寧ろ頂きます!!
いや・・・まずは食事の前の女装(おしごと)からか?



* * * * *



いいように誘導されている気はしたが気にはならなかった。
目の前に極上のメインディッシュがあるのだからショーツだろうがブラだろうがどんと来いと言う気分だ。
恥ずかしくてアレが巨大化しているのも、巨大化しても窮屈なショーツのせいで締め付けられている感じも逆に気持ちがいい。
痛くて苦しいけど、ご褒美のお陰で清清しくすらある。


「うん。」
とは言え、やはり元々は望まぬ女装だ。
ご褒美や気合で無理矢理凌ぐ事はできても、気持ちの悪さは確実に残る。
「どうかしたの清彦君?」
「どうかしたのって双葉さん。やっぱり俺が女装したってキモイだけですって。」
色は黒いし、一見細いが意外にも筋肉質な方だし、体毛だってそれなりにある。
別に特別ごついわけじゃないが、かと言って女装しても可愛くなれる男の娘とも明らかに違う。
「そうですか?私・・・いえ私達は悪くないと思っているのですが?」
さっきから気になってはいたが、俺の女装姿に対しての彼女達の評価って妙に高いよな?実は・・・意外と可愛いのかな俺って?

「っていやいやいやいやいや!!どう考えたって気持ち悪いでしょ?」
「そうですか?素質自体はあると思うんですけどねぇ?」
「女装男は気持ち悪・・・でも清彦だったらいいかも・・・?」



一葉さんと亜紀も不思議と高評価だ。
姿見鏡もロクにないので、今の俺がどんな姿かはよく分からないが少なくともこの脛毛で、このショーツは無いだろう。

「でも、この脛毛じゃどんな可愛い格好も台無しですって。」
「確かに、この濃ゆい脛毛は戴けないわね。女の子と比べれば異様に濃すぎるし。」
「やっぱり?」
「でも、脛毛が濃いのなら綺麗にすればいいんじゃない?」
双葉さん!!アンタはナニーアントワネットだよ!?


などと呆れ半分で彼女の方を見た俺だが、双葉さんはハンドバッグから小瓶のようなものを取り出した。
「双葉さん?これは何ですか?」
「うーん・・・強いて言えば脱毛クリームってところかな?」
「脱毛クリームって・・・男で脛毛ツルツルならそれはそれで恥ずかしいですって。」
この女装の時の見苦しさは一時の恥だが、女の子みたいに脱毛したのをクラスの連中に見られたら高校卒業までずっと恥ずかしいぞ。
「いいでしょこれくらいは?私達、今日はずっと清彦君の為に頑張って尽くしたんだからね?最後くらいは私達のわがままを聞いてよ?」

そう言われると反論が出来ない。
貸しきりな上に女の子が俺を取り合った映画館に、豪華な食事+女の子(一葉さんの)手料理の『アーン』つきレストランと俺がこれまで
受けてきたものに比べれば脛毛の処理くらいどうってことないのだろう。


「仕方がないか・・・。」
「流石は清彦さんですね。サービス精神が豊富です。」
「サービス精神って若葉さん・・・?まぁこれだけして貰ったんだから当然ですって。」
「でも、これで断られたらどうしようかと思いましたよ。このまま清彦さんに逃げられないかどうか不安でしたよ。」
アレ?コレって逃げるのが当然ってもんなの?
たかだか女装とその一部だろ?
まぁたかだかとか言いながら逃げ出したくなった部分もあるけどな。


「それじゃあ、清彦君にクリームを塗る役は・・・最初だし亜紀ちゃんでいいかな?」
「え・・・塗る役?女の子に・・・亜紀にクリームを塗ってもらうの?」
「うん。自分で塗るより人にやって貰った方がやり易いし、私達がやったほうが清彦君も気持ちよくなれると思うんだよね。」
「そりゃあ・・・。まぁ・・・可愛い女の子の手でクリームを塗って貰えるのなら俺としても文句は無いけど・・・。」
流石にそれは恥ずかしいし、悪い気もするな。
「亜紀ちゃんも、清彦君のために誠心誠意クリームを塗るからネ?」
「でもなぁ・・・。」
誠心誠意とかそう言う問題じゃなくって・・・。
「亜紀ちゃんが嫌なら私達中から好きなのを選んで貰ってもいいのよ?」


双葉さんがそう言うと亜紀は寂しそうで悲しそうな瞳で俺の方を見てきた。
そんな亜紀の悲しい顔を見たくなかった俺は「亜紀に塗って貰うんだったらOK!!」と言っていた。



* * * * *



「それじゃあ、清彦・・・本当にいいんだね?」
亜紀たちに案内されて、特設試着室(っていうのかな?)みたいな場所へ移動した。
普通の試着室と比べると明らかに広くて、ベッドもあるという謎の試着室だ。
ってか試着しつって呼んでいいかどうかも分からないなコレ?
数人が中に入るのを想定した広さを持つこの部屋は、試着室とはまた別の部屋な気がする。
まぁ、脱毛クリームを塗る為に入った訳だから試着の部屋じゃなくても問題は無いんだけど。


因みに、この部屋にいるのは俺と亜紀の二人だけだ。
他の三人がいなくてちょっと残念なような、逆に安心したような不思議な気持ちだ。
「あのさ・・・清彦?」
「ん?どうした?」
「本当に塗っちゃっていいのか?」
「まぁそう言う約束しちゃったしな。亜紀たちには今日散々良くして貰ったから少しくらい無茶を聞いてやってもいいだろ?」
「私・・・達の我がままを聞くために仕方なく女装に付き合ってるの?」
「えっ?違うのか?・・・言っとくけど俺にそんな趣味は無いぞ?」
「アハハハ。そうだよね・・・。うん。」
「ん?」
「清彦は根が優しいヤツだから私達の我がままに付き合って仕方なく女装してるだけだよね?ウン!!」
亜紀が勝手に喋って勝手に納得している様子は、どこかがおかしかった。
自身を説得しているようにも見えた。


「最後に確認しておくけど、本当にいいんだね?」
「ああ。早く塗ってくれ。」
「それからもう一つだけ。」
「何だ?」
「清彦に薬を塗る役って・・・私でいいの?」
「おお。そりゃあ亜紀で困る理由はないし良いだろ?亜紀だって美少女には違いないし俺としても役得だ。」
そう言うと亜紀は少しだけ顔を赤らめ、それからそっぽ向いた。


「へぇ・・・清彦の脚って意外と硬くてゴツゴツしてるんだね。」
「そうか?」
亜紀はどことなく感慨深げに、俺の脚を注目した。
「私より逞しくなっちゃって。」
「まぁそうだな。男と女だし、この年になってくれば体の違いくらい出てくるだろうな。」
「うん・・・そうだよね。」

それから亜紀は俺の脚に脱毛クリームを塗った。
腐れ縁のような所があるが何だかんだでコイツも可愛い女の子だ。
柔らかい手はスベスベで色白で気持ちがいいし「あんやっぱり男性の体だ」と喜びながら俺の体を触るサマは萌える。
お陰で、危うくマイサンが巨大化する所だったよ。
疲れた後であるというのと、亜紀相手で大きくしたくないという理性が働いて勃起は回避できたけど。
俺も亜紀もこのクリームタイムを堪能し亜紀は最後に「清彦?今晩は僕も楽しみにしてるからね?他の女の子を呼ぶのは仕方ないけど、一緒に一晩を過ごそうね?」
と俺を誘ってから部屋を出た。
最後の台詞にどこか違和感があるがまぁ気にしない。



* * * * *



「綺麗になりましたね?清彦さん。」
「ああ。若葉さん。」
「本当ですね。清彦さんの肌ってツヤツヤです。羨ましい。」
「それじゃあ、最初の邪魔者として無駄毛を処理できたし今度は若葉にお願いしましょうか?」
「それじゃあ清彦さん。今度は私について来てください。」
「はい。」
若葉さんに連れられ、今度は別の特設部屋へ連れられた。


「んで若葉さん。これは何でしょうか?」
「あら?清彦さんは目が悪いのかしら?これはどう見たってスカートでしょうに。」
「そういうベタベタなボケは良いですって。」
「あっ・・・ごめんなさい。」
「ふぅ・・・。」
「スカートだけじゃなくってブラウスもあったわ。後はワンピも。」
「だからそういうベタベタなのは良いですって。」
「ショーツとブラが出て来るんだったらスカートの一着や二着くらい当然よ?」
「うーん。納得したような出来ないような・・・。」


「さっきも言ったけど、今晩は男を全開に出来るイベントが待っているんですよ?今は、今だけは女らしく振舞っても罰は当たりません。」
「まぁ・・・少しくらいのお願いを聞くくらいは仕方がないですね。」
「今晩、男らしく振舞う為にも今だけは男らしさを押し殺して女の子らしく振舞ってみましょう。」
女らしく振舞えば、抑圧された分だけ今晩元気になれるのか?
疑問には思ったが、若葉さんのお願いに応じる事にはした。



* * * * *



「というわけで、まずはスカート。それからブラウス。一人称の俺はNGで基本女言葉ですよ?」
「チョイ待って下さいって!!いきなり俺にそんな事を言いますかい?」
「ノンノンノン。言葉遣いがおかしいです。」
「少し待って下さい。おr・・・私にいきなりそんな事を言われても困る・・・わ。」
物分りが良いのか、変に素直なのか。俺は意外なほどにあっさりと女言葉を使っていた。

「いい感じですよ?清彦さん・・・。いえ清彦さんではおかしいですね。」
「おr・・・私は清彦なんですけど。」
「しかしこのショーツで清彦だなんて男性の名前は可笑しいですね。・・・というわけで今日から貴女は清美ちゃんです。」
「清美ちゃんって・・・。」
「清の字は固定だとやっぱり清美ちゃんが一番普通じゃない?清子だと取ってつけた風だし、清香もイメージと違うし。
あとは漢字違いの清果と清音ね。清一文字でもいいけどなんとなく物足りないしやっぱり一番は清美ね。」
「何なんですか?その女性名は?」
「知らないんですか清美ちゃん?清彦という名は日本で一番女性化させやすい名前なんです。寧ろ女になるためにつけられたような名前なんです。」
「んなわけあるかー!!」
「言葉遣いが荒っぽすぎますよ清美ちゃん?というわけでお仕置きです。」


お仕置きですの掛け声と共に若葉さんが手を伸ばすと何故だか体が重くなった。
「な・・・何をしたんですか?」
「気にしない気にしない。まぁちょっとした催眠術の亜種だと思ってくれれば良いから。」
「ちょっとした催眠術って・・・。催眠術一つで長編が書けますって・・・。」
「それじゃあ、清美ちゃんのお着替えタイムといきましょうか?」
普段は真面目で冷静な筈の若葉さんの目が異様に怪しかった。


「ふむふむ・・・。なかなか似合いますよ清美さん?」
「そんな事を言われても私嬉しくないですよ?」
「言葉遣いも、その赤ら顔もなかなかグーじゃないですか?可愛いですよ清美さん。」
「男の私が可愛いなんて言われても嬉しいわけないじゃないですか?キモイだけですよ。」
「そう言いながらも意外と満更でもない顔よき読みちゃんって?」

まさかそんな事は・・・。
わたs・・・じゃなくって俺の理性が双葉さんのその台詞を否定した。
男の俺が女装しているのは、後のご褒美の為で今の俺は気持ち悪い外見で、かつこの女装を不快に思っている。その筈だ。
でも、このヒラヒラ感とかスースーする雰囲気が意外と気持ち良かったり。
それに若葉さんみたいな美少女に可愛いって連呼されるのも悪い気はしないよね。
・・・って何言ってんのよ!?俺ってば!?


「やはりスカートが似合いますよ清美さん。」
「その台詞はもう聞き飽きましたよ若葉さん。」
「むむむ。可愛いと言われる事に慣れてしまうなんて女として羨望を覚えます。格上の女って感じです。」
いやいやいや・・・。可愛いと連呼したのはアンタでしょうに?

「しかし可愛いとは思いますが、こんなガニマタの娘に負けたと思うと悔しいですね。」
「じゃあ若葉さんの勝ちと言う事で。俺は自分がそんなに可愛いとは思えないんで。」
「コラ清美ちゃん?言葉遣いに要注意。俺はNGでしょ?」
「あ・・・はぁ・・・い。」
嫉妬しながらも女らしく振舞わせたい若葉さんって一体何を考えているんだ?



「・・・と言う事で今から清美ちゃんの悪い癖を矯正しようかと思います。えいっ!!」
若葉さんの一声で、何となくだが太腿がムズムズして来た気がする。
「それじゃあ試しに3歩くらい歩いてください清美ちゃん。」
「はい。」
若葉さんに言われる通り、取り敢えず3歩だけ歩いてみた。
ちゃんと歩けて問題は無いはずだけど、何処かが変な気がする。
「あれ?歩く時ってこんなにつま先が内側を向いていたっけ?」
「私より少し外向きです。内股過ぎるという事はありません。」
「うーん。」
「それじゃあ今度は座ってみましょうか?」


言われるがまま、今度は近くの椅子の上に座ってみた。
手はパーの状態で丁度チンコのある辺りで重ねてる感じだ。卒業式の女子の正しい座り方って感じか?
おっと・・・。もっと太腿をくっつけるくらいじゃないとスカートの中身が見えちまうよ。
十分に内股にして、太腿は密着状態にしないとな。あと、脚は少し斜め気味にしたほうが良いかな?
・・・あれ?
俺って前からこんな座り方だっけ?
意外と自然にこういう座り方が出来るんだけど?


「どうかしたの清美ちゃん?」
「いや・・・別になんでもないけど。」
「いけませんよー清美ちゃん?こういう場合は女の子らしく『うぅん・・・なんでもないの・・・。』みたいな言い方じゃないと。」
「うぅん・・・なんでもないの・・・。」
って素直に言い直しちゃってるよ俺って。


「いいですね。そう言う風に素直な女の子は基本です。個人的にもストライクゾーンですよ。」
「えっと・・・若葉さんって女好き・・・ですか?」
「そう言う訳じゃないんですけどね。でも可愛いものは大好きですよ。服でも小物でも人や動物でも。」
そう言いながら若葉さんは自分のスカートの裾を持ってポーズを取った。
それから俺のスカートの裾を掴み微笑んだ。
やっぱり若葉さんは綺麗だし可愛い。
服装自体は似通ってはいるけれど、俺なんかとは綺麗さも可愛さも別次元だ。
さっきの若葉さんじゃないけど、少し嫉妬・・・



って何を考えているんだ俺は。
本物の女の子でしかも学校随一の美少女の方が俺より可愛いに決まっているだろ?
女の子相手に可愛さで負けて嫉妬するとかありえないから。
「どうかしたの清美ちゃん?」
「いや・・・別になんで・・・。うぅん、なんでもないの。」
気がついたら言い直していた。しかも今度はさほど抵抗なく言えていた。


「もう少し楽しみたい所ですが、私で二人目なので清彦さんを開放しましょうか。」
「意外とあっさり終わりますね。」
「何と言っても全部で四人ですからね。私一人で全部やるわけには行かないのです。」
「それで、みんなして俺をオモチャにしたいんですか?」
「清美ちゃんは可愛いですからね。ついつい遊んじゃいたいんですよ。」
「まさか、俺を着せ替え人形として遊びたいが為に接待デートしたって言うんですか?」
若葉さんの一言が納得いかなくて、俺は少し噛み付いた。
その時の口調は男口調だったが、若葉さんは特にたしなめもせずごく普通に質問に答えてくれた。

「確かにここが、一番の目的地でした。」
「やっぱり・・・。」
「でも、清彦さんを清美ちゃんとして遊びたい部分はありますけどそんなお遊びの為だけにここまでデートに力を入れると思いますか?」
「そうなんですよね・・・。タダのお遊びにしては力が入りすぎている。だから期待をしている俺もいるんです。」


「口調が男になっていますよ清美ちゃん?」
「あっ・・・すいません。だから期待をしている私もいるんです・・・かな?」
「でも、今はもういいですよ。清彦さんとして自然に会話をして下さい。私の持ち前はもうお終いみたいですしね。」
「あぁ・・・ハァ?」
「後半部分に関しては、まだ詳しくお答えする事は出来ません。」
「つまり期待して良いかどうかは良く分からないと?」
「期待自体はしても良いですよ?」
「・・・っていいのかよ!?」
「ええ。ランジェリーデートが終わった後で清彦さんがお望みならば、私達は喜んでご奉仕いたします。この言葉に嘘も偽りも御座いません。」
「って事はその気アリで付き合ってくれるって事?」
「女の子の口からそう言うことを言わせないで下さいね?」
「スイマセン・・・。」
「先の事は分からないので、まだなんとも言えませんが・・・。」
若葉さんは曖昧で少し控えめで怖ず怖ずとした口調だったが、次の言葉はハッキリとしていた。

「もしベッドの上で一夜を共にするようになればその気ありと思って下さい。多分、私達四人で清彦さんを奪い合う事でしょう。」
「マジかよ!?」
「夢の四股生活というのも有り得る話ですね。恋人公認の四股ってある意味夢の世界でしょ?」
「夢過ぎますって。若葉さんはそんな扱いでいいんですか?」


「ええ私ですか?OKに決まってるじゃないですか?」
「マジかい。」
「そもそも、そう言う関係でOKと思えるようでなければ今回のデートはつら過ぎますよ。」
「まぁ、そりゃあ嫌いな男にここまでご奉仕するのは拷問でしょうな。」
「例えご褒美があったとしても、OKと言えないような男性のお相手は嫌です。清彦さんならOKだから誘ったんですよ?」
嬉しいハズだけど、何かが引っかかるんだよなぁ言い草が・・・。
「嬉しいハズだけど、四股を望む女の子っていうのもどうも妙だよなぁ・・・。」
俺は未だに腑に落ちていない。
「四股だろうがなんだろうが、女性として可愛がって貰えればそれはもう至高の幸福に決まっているじゃないですか?それがオンナゴコロというものです。」
「俺にそんな女の子の心理を言われても分かりませんって。」
「そうでしたね少なくとも今は・・・。ご免なさいね変な事を言ってしまって。」


「最後に一つだけ言っておきますね?」
「どううぞ。」
部屋を出かけた、若葉さんは振り向き様に言い残した。

「お人形さんみたいな清美ちゃんは可愛くて好きですが、男らしさを保っていられる清彦さんも好きですよ?ホテルでご奉仕したくなるくらいに。」
「本当にそんな事をしてくれるんですか?」
「『清彦さん』がそれを望めば・・・ですけどね?」
誘っている風な口調と台詞だったが、この時の若葉さんは違う意味で挑発的だった。



* * * * *



「お。いいじゃなーい。白ブラウスとパステルピンクのスカートとは、これって清ちゃんの趣味?」
「断じて違いますからね?」
「私が見繕いましたよ。ベタな感じですが、女の子の初心者にはこういう服装がいいでしょう。」
女の子の初心者ってなんだよ!!こんな格好だけど俺は男だっての。
こういう場合は女装の初心者か、女の子の格好の初心者だろうって。


「ところで亜紀は如何したんですか?ここにはいませんけど。」
「ああ・・・。あの娘だったら調子が悪いって事で、今は車の中で休んでるわ。何でも気持ちが悪いって。」
「うぅ・・・。俺の体に無駄毛処理のクリームを塗ったからなのか?」
「コラコラ?また一人称が俺に待ってますよ?」
「すいません若葉さん。私の体にクリームを塗ったのが気持ち・・・ってンな事より亜紀は大丈夫ですか?」
「少し休めば元気になると思いますよ。一番の原因は清彦さん相手に緊張してドキドキしすぎて調子を崩したみたいですから。」
「うん。気になる言い方ではあるけれど、問題ないのなら良いのかな?」
「ところで、清彦さんの名前は結局どれになったのですか?」
「清彦は清彦でしょ・・・ああそう言えば清美と呼ばれましたねさっき。」



「清美ちゃんね?良いんじゃないかな。」
「え。私は清香が良いと思ったんですけどねぇ?清楚な感じがして清香の方が可愛いじゃないですか?」
「でも、清香さんだとお嬢様って雰囲気しませんか一葉さん?貴女もそうですし、双葉だってお嬢様です。これ以上お嬢様キャラが増えても困りますよ。」
「それもそうですね。少し残念ですが、仲良し5人組のうち3人がお嬢様属性の持ち主というのもまずいですよね。
それじゃあ清美ちゃんという事で手を打ちましょう。清美という名前ならどんな属性も似合いそうですし。」
「俺・・・じゃなくって私を置いていって勝手に話を進めないで下さい。」
「いい感じですね清美ちゃんは。」
「ってか仲良し5人組って何ですか?」
「今は、昼間は清美ちゃんで夜になったら清彦君として私たち4人とは仲良しに。駄目かな?」

こんなことを美少女に言われて、首を横に触れる猛者を俺は知らない。
当然、俺だってこの双葉さんの誘惑に異を唱えようとなんて思わない。
とは言え、今までとは何かが違う。
今までは、こんな風にドキッとする台詞を食らうと呼吸は激しくなるし心臓はバクバクで、コーフンしてますってなるのに今はそうでもない。
異性に対するドキドキした感じを急に感じなくなったのだ。
早くも美少女に慣れてしまったのか。
・・・それとも女の子みたいな扱いをされたせいだろうか?



* * * * *



「それじゃあ今度は私ですね?清美ちゃんついて来て下さいね?」
「あ・・・はい。」
今度は一葉さんに連れられて、別室送りだ。
このパターンもいい加減慣れてきたな。
ありゃ?おっとりしてるけど、一葉さんって歩くのが意外と早いんだね。
それとも俺がうまく歩けてないだけか?
歩幅がいつもより小さい気もするが、スカートで大股歩きなんてして中身のショーツが見えるのも困るし小股内股でいいか。
「あっ!!待って下さいよ。一葉さん。」

「では清美ちゃん。アナタは今、清楚な雰囲気のブラウススカートセットとそれに似合う可愛らしいショーツを身に着けています。」
「はい?何ですか急に?」
「もう少しだけ聞いて下さいね。」
「はぁ・・・?」
「ですが、まだ駄目です。足りないのです。」
「一体何が言いたいんですか?」

「ブラですよ。ブラジャー。スカートとショーツと来たら、最後はブラジャーですよ?」
「未だに意味が分からないんですが?」
「スカート、ショーツ、ブラは女の子3点セットです。折角スカートとショーツを身に着けたのですからブラも着用しましょうよ。」
「あの・・・良いですか一葉さん?」
「はい?」
「俺は男ですよね?どうして女の子セットを全部つけないといけないんですか?」
「駄目ですよ?清美ちゃん。一人称は私で口調はなるべく女の子らしくって若葉さんに言われませんでしたか?」



「本当は男の私が、女の子セットを全部身に着けるなんておかしいんじゃないのかしら?」
「よく言えました♪清美ちゃん。なかなか女言葉も似合っていて可愛いですよ?」
あーあ。こういわれちゃうとついつい言い直しちゃう私。
我ながら、乗せられやすいって言うか流されやすいって言うか素質アリって言うか。
って言うか私が可愛いって本当に?明らかに低くて男の声じゃないの?
どう聞いたって、気もいオカマのオネェ口調としか思えないんだけどねぇ。この低音じゃ。
もう少し高くて、せめてアルトくらいのボイスなら良いんだけどねぇ・・・。
ってそれはそれで良くないぞ!!男の俺がアルトボイスじゃそれはそれで困る!!

「可愛らしい言葉遣いの似合う清美ちゃんは、ブラも一緒に身に着けるべきなのです!!」
「でも、俺・・・じゃなくって私にはブラで支えないといけないほど胸は無いですよ?」
「しかし、世の中のブラを使っている女の子が全員巨乳では無いですよ?思春期前の少女の胸は小さいですし、
若葉さんのように大きくなっても胸が未成熟な娘も少なくありません。大きいか小さいかではなく使うことに意義があるのです。」
何もそんな事に意義を見出さなくたっていいのに・・・。
「そもそも私は男ですよ?」
「この際それは関係ないです!!清美ちゃんはこのランジェリーショップの中にいる間は女の子らしく振舞う!!この部分が重要なのです!!」



「色々と気になるので少し良いですか?」
「どうぞ?清美ちゃん?」
清美ちゃんの呼び名はもう固定なんだね・・・。別にもう気にはならないけれど・・・。

「一葉さん達の目的は何なんですか?私に女装をさせて何か得があるんですか?」
本当に一葉さん達が何を考えているのか見当もつかない。質問には答えてくれるけれど核心には迫れてないし・・・。
「得ですか・・・?そうですねぇ・・・こうしていると楽しいのは得とか目的になりますか?」
「楽しそうなのは見れば分かりますが、そんな事の為にこのデートを企画したとは考えにくいんです。いい加減にこのデートの目的を教えて下さい。」
「でもぉ・・・。」
一葉さんは口ごもった。


「今回の計画は、双葉さんが中心になって考えて若葉さんが補佐したので私も細部は知らないんですよ?」
「そうなんですか?でも一葉さんだって色々と知っていそうですけど?」
「説明すると色々と難しいし、余計な事を言っちゃうと双葉さんや若葉さんに怒られちゃうんですよ?だから詳しく聞くのはやめてくださいよ。」
「教えられないような事情と言われると余計に気になるじゃないですか?」
「分かりました。それじゃあ、大事そうな所だけお答えするという事で良いですか?」
「ええ。全部教えろとは言いません。重要な部分だけ言ってくれれば私は満足です。」


「一番重要なのはやっぱりこの後のお楽しみの事ですか?清美ちゃん。」
「当たり前ですよ。そもそもこのご褒美がなかったら私、女装なんてしてませんよ?」
「へー。そうなんですかー。」
『へー。』と言いながら納得した顔を浮かべたと思ったら、その次はニヤニヤしながら言ってきた。
一葉さんのこの表情の裏にあるものはやっぱり分からない。


「安心して下さい清美ちゃん。ここのお店を出てからはホテルに一直線です。そして部屋の中に私達の誰を呼ぶも自由です。」
「・・・ひょっとしてホテルの中でも無理矢理女装をさせるというオチは無いですよね?」
「そう言う可能性を疑ってますか?お似合いですが、ホテル内でもスカートとかは嫌ですか?」
「当たり前です。・・・ってか捕まります。」
「双葉さんの息のかかったホテルなので捕まる事は無いですよ?」
「それでもここを出てからも女装するのは嫌です。」
一葉さんは、柄にもなくしたり顔で『ははぁーん』と頷いた。

「ご安心下さい。お店を出てからは女性らしい服装を強要する事はありません。男性の格好をした、オトコの清彦さんとして私達を可愛がって下さって結構です。」
「そこの言葉を信じても良いんですね?」
「ええ。それから、ひょっとすると私達が本当は女好きと疑った事ってありますか?」
「ここに入ってから何度か。」
「ご安心下さい。ベッドインのお相手は男性でなければ無理です。」



* * * * *



一葉さんは妙に力説をし『女性が相手だったら死んだ方がマシかもしれないくらいです!!』とまで力説した。
ホテルイベントは本物のようで、しかも彼女達はレズではない。嘘をついているようじゃないっぽいし、問題は無いかな?
だとすると、私を女装されるメリットが全く分からないけれど後でのご奉仕が確実で、しかも男としてできるのならもう良しとしようかな?

「ですから約束して下さいね?清美ちゃん?」
「何がですか?」
「もし、ホテルでのお楽しみをお考えなら清美ちゃんとしてではなく男らしい清彦さんとしてお相手して下さい。その時は一番男らしい清彦さんでいて下さい。」
「分かりました。その時は私も出来るだけ男らしい自分でお相手します。」
「あと、出来れば私も呼び寄せるメンバーの中に入れて下さい。他の子たちの箸休め感覚で十分ですので是非!!こちらはお願いですので強要は出来ませんけど・・・。」
若葉さんといい一葉さんといい、女らしく振舞わせたがったと思ったら男として相手して欲しい。
願望はイマイチ見えてこないけれど、でもこれが終わったらホテル行きだし気にするだけ損なのかな?

「もし、清美ちゃんがそれを望めばですけどね?」
「若葉さんも意味深にそんな事言ってましたけど、折角のホテルタイム・・・逃すわけないですよ。据え膳食わぬは男の恥です。」
「そうですよね?清彦さんは男性ですものね。」


一葉さんは少し慌てて取繕うかのごとく言った。
男扱いしたり女扱いしたり、男の娘扱いしたり・・・この娘達は本当に何が目的なんだろうか?

「そうそう。このランジェリーショップにはいつまでいるんですか?まさか夜通しいてホテルはキャンセルってオチは無いですよね?」
「ああ・・・。そう言う心配ですか?そこの部分は絶対に大丈夫です。」
「本当ですか?一葉さんたちを見ているとそんなオチが来ても可笑しくないんですけど・・・。」
「確かに、このお店が今日のメインです。しかしホテルでのイロイロも負けず劣らず重要で主役級のイベントです。ホテルへは絶対に行きます。」
「なら良いですけど。」
「いえ・・・。行くかどうかを決めるのは清彦さんでしたね。スイマセン・・・。私ったら勝手に決めてしまって。」
「いえ。私だって絶対に行くと決めているんですから問題は無いです。」
何となくだけれど、一葉さん達女の子の口調が移ってしまったのか、私の口からいわゆる男口調が出てこなくなっていた。


「それで、終了時間をお知りになりたいのですよね?」
「はい。知りたいです。」
「遅くとも6時にはここから出ます。さもなくばオーナー店長様に叱られます。」
「6時閉店ですか?」
「そう言うわけでは無いですが、とにかくリミットはどんなに長くとも6時までです。」
「つまり、後2時間我慢すればいいんですね?」
「でも、残り小一時間もすれば終わると思います。作業が順調に進めば5時前には終わると思います。」


と言う事は、私が女装を始めてから全体の半分くらいが終わったのか・・・。まだまだ先は長そうだな。
でも終わりが分かってくると、精神的にはかなり楽になってきた。

「それから清美ちゃん?早く終わらせたいのならなるべく女の子らしく振舞って下さいね?」
「どうしてですか?」
「上手く説明できませんが、そうした方が早く作業が終わって早い時間にホテルへ向かえます。
小一時間で終わらせるには清美ちゃんが女の子らしく振舞わないといけません。」
「つまり、一人称の俺とか男っぽい喋り方は長引く原因なんですね。」
「ええ。ホテルに行く時間が早ければそれだけお楽しみ時間が取れますし、私達としても順調に事を進めたいです。」
「じゃあ、今から私は女の子として喋れば良いんですね?」
「喋るだけじゃなくって立ち振る舞いとかもですね。問題があったら随時私達が注意するのでそこまで意識しなくとも大丈夫です。」
「それじゃあ私は自然に振舞いながらもなるべく女らしくなっておきますね。」

「その意気ですよ清美ちゃん。」
「ええ。私もなるべく女らしくなるのでご指導お願いしますね一葉さん。」
「ええ。今から貴女は女の子の清美ちゃんです。いいですね?」
「はい。私は今から女です。」
「服装はスカートがが基本で、下着はショーツとブラをつけるのが当然です。」
「ええ。トランクスはもう身につけてません。」


「いいですね。あと、私が言う事じゃないですが敬語で喋るよりいわゆる女言葉を使った方が高得点です。」
「分かりました一葉さん・・・じゃなくって分かったわ一葉さん。」
「良いじゃないですか清美ちゃん。やっぱり清美ちゃんには女の子らしくなれる素質があるのですね。」
「ええーそうですかー?なんだか嬉しいですわ・・・って少し不自然かしら?」
「そうですね。少しとってつけた風の女らしさは良くは無いです。」
「うう。なかなか難しいですね。」

それじゃあ早く終える為にも自然に女の子らしく振舞わないとね。
お股のアレが少し邪魔だけど、やっぱり脚は内股が基本よね。
・・・って私ってばいつの間にか内股になってたわ。
若葉さんのときに、立つのや座るのに歩く姿を女の子っぽくするよう言われていたっけ?
いつの間にか女の子っぽい立ち方が身についていた私は女らしい!!

って、どうしてかしら?
頭の中で考えている時も自然と女の子の話し方よね?
まぁ男の子みたいな心理描写してたら、つい男の子の喋り方になっちゃうかもしれないしこれで良いのかしら?
私って今は女の子だもん。
考えている時も女言葉で当然よね♪ナンチャッテ。


今思えば、意識しなくとも勃ち振る舞いが女らしくなっていく様は明らかに不自然だった。
しかし、その時の私はその事を全く変とは思わないでただただ女の子の素質がある自分に酔っていたのだった。



* * * * *



「それじゃあ一葉さん。私って胸がないけれど、ブラもつけない女子高生って恥ずかしいです。女の子の先輩として清美のブラを選ぶの手伝って下さい。」
「分かりました清美ちゃん。それじゃあ私も同じ性の先輩として、貴女のブラを選ぶのを手伝いましょう。」
「はい。なるべく可愛いのを選んで下さいね?」
「GJです清美ちゃん。」
こうして私は予想以上に乗り気で、女の子になったのだ。モチロン本当は男だけれど、ここにいる間だったら私は女の子なのだ。

「実を言うと、既に幾つか清美ちゃんの為のブラを選んでいたのでした。」
そう言うと一葉さんは、カバンの中から幾つかのブラを取り出した。
「そうそう清美ちゃん?」
「何ですか?」
「一から全部自分で選んでみたいって事は無いですか?たくさんあるブラの中から全部自分で。」
「私、ブラは初めてだし選べそうにないので一葉先輩のオススメの中から選びます。」
「素直で良いですね清美ちゃんは。それでは同性の先輩としてこの一葉がいいブラを出してあげましょう・・・ってか今出してますね。」

「折角ですけど、一葉さん?この黒のスポブラはダメじゃないですか?」
「どうしてですか?」
「スポブラだからか、レースとかの綺麗な飾りは無いし、黒は良いですけどこの黒は可愛さや色気を感じない真っ黒です。」
折角ブラを身につけるんだから、出来るだけ可愛いのが欲しいなぁ。



「なかなか見込みのある後輩ですね。正解です。」
「正解ってどういう事なの?・・・っと先輩だから敬語の方がいいのかしら?」
「女言葉の方が良いに決まってますよ?」
「それじゃあ、女らしく喋りますわね先輩。・・・で正解って言うのはどう言う事なのかしら?」

「この黒のスポブラはトラップです。女の子なら誰でもウキウキ気分で選ぶ筈の初ブラが真っ黒のスポブラじゃいけません。
清美ちゃんがこれを間違って選ばないか少しテストしたのです。」
「意地悪です。でもそれを見抜いた私は素質アリですよね?」
いつの間にか私は自分の方から、しかも喜びながら女の子らしく振舞っていた。
どうせ女らしくならないと終われないんだし、嫌々やるよりも女の子ライフを楽しんだほうが絶対に得よね。
ヤバイなぁ。女の子ごっこするのってこんなにも楽しいものなのね。


「でも、動く時とかはスポブラがあると便利なので一つくらいはスポブラを使うのも手です。」
「そうですね。私って結構なスポーツマ・・・スポーツ少女ですもの。スポブラが一つもないのって逆に不自然よね。」
「スポーツ少女なのにスポブラがないってそれはまずいですよ清美ちゃん?それでよく女の子として生きていけましたね。」
「ええ。私の両親は男の子が欲しかったのか、私を男として育ててきたんです。」
「まぁ!!それは大変ですね!!」

あぁ・・・。
女の子ってこんなに楽しいものなのかなぁ?
私、女の子として過ごす事に喜びを見出しそう。
ヤバイなぁ。本当に。
女の子する事にハマッちゃいそう



* * * * *



女の子を演じる事がだんだん楽しくなってきた私は、少し変な設定の女の子になっていた。
「ええ。両親は男の子が欲しかったのか私の事を清彦って呼ぶんです。だから清彦と呼ばれると未だに反応しちゃうことも有るんですよ。」
「清彦君ですか。意外と似合いますね?清彦君って。」
「やめて下さいよ?私は清美なんですからね?」
「ご免なさいね清美ちゃん。」
「気をつけて下さいよ?私は女の子の清美なんですから、清彦だなんて呼ばれたくないんですよ。」
演じていると不思議なもので、自分が清彦扱いを嫌う清美になっているような気すらした。ついさっきまでは、清美扱いを嫌う清彦だったのに。

「ひょっとして清美ちゃんの胸が未成熟なのは、ご両親に男として育てられたせいですか?」
「ちょ・・・私の平らな胸をネタにしないで下さいよ?」
「ネタでは無いです。ご両親が男として育てたいのなら清美ちゃんが女性らしく育つのを邪魔した可能性があります。」
「そうですか?」
「さらしか何かで胸を締め付けて成長を邪魔したとか・・・。男性ホルモン注射で胸の発育を妨害したとか・・・。」
「パパもママも酷いわ。」
私を男として育てるなんて!!

「ならば私も少しお手伝いをして、清彦として育てられた清美ちゃんを正しい性にすべくプロジェクトに参加しましょう。」
「あぁん。有難うございます一葉先輩。」
「それじゃあ、このブラを使って下さい。」
そう言って一葉さんは、白いブラを私に差し出した。



「でも身に着けるとなるとちょっぴり恥ずかしいなぁ。だって私、お・・・。」
「どうしましたか清美ちゃん?」
いけないいけない。『私は男ですよ?』って言いかけた。
今の私は女の子なのにね。少なくとも設定の上では。
こんな事を言ったら余計な時間を取って、ホテルに行くのが遅くなっちゃう。

「清美ちゃんは、お・・・何ですか?」
一葉さんがニヤニヤに近い笑い顔を見せ聞いてきた。
この娘って、意外と攻撃的なイイ性格なのかな?
「いえ・・・私は・・・。」
「『お』の後に続く言葉を言ってくださいよ清美ちゃん。」
「ちょっと・・・顔が近すぎますよ一葉さん。」
一葉さんのフローラルな髪の香りはこの際どうでもいいとして、ここをどうにかして切り抜けないと・・・。

「だって私、おっぱいが全然ないんですよ。」
私の渾身の切り抜けに一葉さんは『ホー』と感嘆の声を上げた。
「うまい事を言いましたね清美ちゃん。」
「そうですか?」
「・・・というのはどうでも良くて駄目ですよ清美ちゃん?例えお胸が小さくとも、女の子が16にもなってブラもしないで外出しちゃいけません。」
そういって一葉さんは、再び白のブラを差し出した。
どうやっても、ブラは身につけないといけないんだろう。
まぁ別に今更ブラをつけるくらいはどうってことないけどね。お楽しみもあるし。
ただ似合わなさそうなのが少し嫌だけど・・・。



そういうわけで、ブラの着用は決定事項っぽい。
こうやってまじまじと見ていると、白くて繊細で飾り気の多いこの下着ってチョッピリだけどいいかも

「でも私に似合うかなぁ・・・ブラって大きくなった胸を支えるものなのに私のペッタンコおっぱいじゃブラの意味ないですよね?」
ペッタンコどころか、男のような胸(当たり前だけれど)そんな私がブラをつけても変な絵にしかならないよね?
この下着が似合わない自分の体が、ほんの少しだけど恨めしい。

「でも、胸が対して大きくない状態で初のブラを身につける女の子も少なくないですよ?私だって、初ブラをつけた時って今の清美ちゃんと大差ない状態だったんですから。」
「意外ですね。一葉さんが私と同じくらい平らな胸だったなんて。」
ブラをつけると胸って大きくなるのかな?聞いたことないけど。
私もこのブラを毎日身につけていたら、少しは胸が大きくなるかなぁ・・・?一葉さんや双葉さんみたいに。
って、女の子の一葉さんと男の私の胸の大きさなんて比べられるわけないでしょうに。
そもそも、男の私が胸を大きくしてどうするの?女の子なのは今日だけで今だけなんだから、巨乳になるのは困るのに!!
さっきから自分で自分にツッコミを入れることが多いよね私って?今日の私は何処かがおかしいよね。
超豪華なデートのせいで感覚が変になっちゃったのかな?


「それに、ブラをつけている女の子のみんながみんなお胸の大きな女の子と言うわけではありません。
亜紀さんはまだいいとして若葉さんは今でも胸がペッタンコで冗談抜きに今の清美ちゃんと遜色がないです。」
「そうですね・・・ってそれは酷くないですか一葉さん?」
「ええ。少し言いすぎでしょうね。」
「少しじゃないと思いますけど・・・?」
「でもいいですか清美ちゃん?若葉さんの件もありますし胸がないだけでブラをつけないのは女の子のする事じゃないんですよ?」
「そうですね。」
妙に女の子と言いたがるのが気になったけれどまぁいっか。
ちゃんと女の子扱いしてくれた方が、女装をしているって感覚がなくなって女の子の格好がしやすいもの。

「それにですねー清美ちゃん?」
「それに何なんですか一葉さん?」
一葉さんの表情がなんとなくだが変わった。
いつもと同じような笑顔だけれど、なんて言うか質が違う・・・かな?
悪戯っ娘とか、獲物を狙う獣の鋭さとかそんなのが加わったような気がする。


「聞いて驚いてください!!このブラはこのブラはお胸が小さい娘用なのです!!」
「そうなんですか?そうは見えないですけど・・・?」
取り敢えず、一葉さんからブラを受け取ってみた。
でも胸が小さい娘用のブラって驚くような事なの?

「・・・ってCカップ用じゃないですかコレ?これって結構胸のある人用なんじゃないんですか?」
平均的な女性の胸がいかほどの大きさかは分からないから巨乳かどうかは分からないけど、少なくとも貧乳さんの大きさじゃないよね?
「ええ。確かにCカップなんですケ・ド・ネ」
小首を傾げながら思わせぶりに言う一葉さん。
いいなぁこの娘は可愛い。
「男は度胸・・・じゃなくって案ずるより生むが易しです。ここは女の子らしく妊娠出産です!!」


恥ずかしいとは思いながらも、一葉さんに押し切られる格好でそのまま産んじゃいました(^^
案ずるより生むが易しとはまさにその通りで、思ったより大変ではなかった。
っていうよりも、初出産(ブラ)は結構気持ちが良いんだね・・・。
なんて言ったら本物の妊婦さんに怒られそうだけどネ。

スベスベとした肌触りのブラって、こんなにも気持ちのいいものなのね。
不快とまでは言わないものの、付け心地の良さを考えていない今までのシャツがどれ程お肌に優しくないか良ぉく分かった。
こんなにいい下着を当たり前のように身につけている女の子ってズルイ!!・・・って今は私も女だっけ?テヘヘへへ。
特に重力のせいで垂れ下がってきそうなこの胸にぴったりとフィットして、ちゃんと胸を支えてくれるこの感じが・・・?
ってえー!?
「胸!?どうして私に胸があるのよ!!」



* * * * *



うーん・・・。驚いてとっさに女言葉で悲鳴を上げちゃったけど不味かったかなぁ?
さっきから考える時もずっと女言葉だったものねぇ・・・。
まぁ男としては問題あっても、ここにいる間だけは女の子として振舞う事になってるから別にいっか。
・・・って問題はそこじゃないよ!!どうして私に胸があるかって事よ!!

慌てふためく私とは対照的に、一葉さんは落ち着いていてニヤニヤしながら私の方を眺めていた。
やっぱりこの笑みは何かを企んでいるのだろう。少なくとも私にはそう見えた。
「胸があるのは当たり前じゃないですか?人間には男性にも女性にも胸くらいありますよ?」
一葉さんはこちらを煽りたいのか、殊更『それが何か?』と言うような口調で言ってきた。

「そうじゃなくって、どうしておr・・・じゃなくって私の胸が膨らんでいるかって事ですよ!!」
男の本能が危険を告げたのか、この時は女の子っぽい喋り方をしたくはなかった。
それでも一人称は私になっていたけど・・・。

「清美ちゃんは女の子だから胸が膨らんだって可笑しくは無いですよ?」
一葉さんは今まで以上におっとりとしていて、口調もよりゆっくりだ。
こちらを煽っているようにしか見えなかった。

「でも俺はおと・・・。」
そこまで言いかけると、笑顔のままの一葉さんに睨まれた。日本語としては可笑しいけれど笑顔の状態で睨まれたんだ。


「でも私は女の子ですよ?」
考えるよりも先に口が動いていた。
どういう訳か、自分を男と主張できなかったのだ。
自分が男だと言おうとすると妙に不安になって、結局は一葉さんの睨み笑顔の力もあって出てきた言葉が『でも私は女の子ですよ?』なのだ。

「でも私は女の子ですよ?胸が膨らんでいるわけないじゃないですか?」
またしても日本語としては可笑しいけれど、俺は男だと言えない以上はこう言うしかないのだ。
・・・しかも『でも私は女の子ですよ?』の部分ももう一回言い直していた。
どんだけこの台詞を言いたいの?って言われそうだ・・・。

「ええ。ですから、清美ちゃんは女の子だから胸が膨らんだって可笑しくは無いですよ?」
ダメだ。『でも私は女の子ですよ?』を何とかしないと。延々と無限ループが続いちゃうよ。
でも、『俺は男です。』がどうしても言えない。言うのが怖くて不安になっちゃう・・・。


「なんてね。冗談ですよ。」
引っ張られると思ったら、意外にもあっさりと無限ループの鎖が切れた。
「不思議に思っているようなので、この下着について説明しますね?説明欲しいですか。」
「凄く欲しいです。だって不思議じゃないですか胸が膨らんでいるなんて。だって私は・・・。」
一度は口の流れを止めることに成功した私だが、一葉さんの「『私は』の後は何ですか?」と言う質問に対し『女の子だもん。』と言ってしまった。



* * * * *



男としての情けなさを感じている私を尻目に一葉さんは、解説を始めた。

「清美ちゃんは補正下着と言うものをご存知でしょうか?」
「ええ。それくらいは私でも知ってますよ。」
「普通の補正下着でも寄せてあげる事でそれなりに大きくする事も出来ますが、やはり限度があります。しかしこの下着は凄いです!!
身に着けるだけで理想的な形でしかもブラにぴったりとフィットする大きさに自動調整してくれる最高の補正下着なのです!!」
「そんなに凄い下着が・・・?パッドとかじゃなくてですか?」
幾らなんでも、私のぺったんこ胸板をそれなりに巨乳にする程の補正下着なんてないだろう。
半信半疑・・・というか9割方は疑ってほんの少しだけ期待をしながら私は自分の胸に手を当てた。
あっ!?・・・期待って言っても決して巨乳になりたいって意味じゃなくって、凄い技術の存在を期待したって意味だからね!!
この下着があればまだ見ぬ彼女の胸が控えめでも問題なく、イロイロできるって言う意味だからね。


「あぁん(キモチイイ)」
余りの気持ち良さに私は思わず熱っぽい声を出してしまった。
快感が強すぎたせいか、口にするのが恥ずかしかったのかは分からないが後半部分は上手く言葉に出来なかった。
しかし、私の声って低いよね。今日はいつもより高い気はするんだけどそれでも一葉さん達より明らかに低すぎる。


「そんなに気持ちが良かったですか?清美ちゃん?」
またしてもニヤニヤ度の高い笑顔で、こちらの反応を伺ってきた一葉さん。
ヤバ・・・。この娘って意外と黒いよ。

「ええ・・・まぁ・・・。」
「自分の手が相手とは言え、お胸を揉んでもらう感覚はやっぱり気持ちがいいですよね?」
愛くるしい、おっとりとした雰囲気の笑顔には違いないのに『ニタァー』といういやらしい擬音が妙に似合う笑顔だった。
「いやいやいや!!揉まれるんじゃなくて揉む感覚がが気持ち良いんですよ。私は女の子じゃないし胸を揉まれて気持ちが良いなんて有り得ません!!揉む方が良いんです!!」
一葉さんに核心を突かれたのが恥ずかしかったせいか、私はとっさに自分に芽生えた快感を否定し、男であることを主張した。
うん!!私は女の子じゃないんだから、揉まれて気持ちがいいわけないんだ。

私が必至に否定すると、一葉さんの表情がパァーッと明るくなり、ちゃんとした意味で良い笑顔になった。
どういう事だろう?これは安心していいって事なのかな?
「いけませんよ清美ちゃん?胸は揉まれるより揉みたいとか、揉まれって気持ちがいいわけじゃないとか、挙句の果てに私女の子じゃないは駄目駄目ですよ?」
どうやら悪い方だった。
女らしく振る舞わなかったことに対して、何か罰則がくるのだろうか?


「すいません。」
「女性としての自覚の足りない清美ちゃんは、お胸を揉まれて自分は揉まれるサイドの存在だという事を自覚して貰いましょうか?」
「揉まれるサイドって・・・?私の胸を揉むんですか?誰が?」
「私ですかね?今から揉む役に向いている方を見つけるとなると時間が足りませんし。」
「本物の女の子の一葉さんが、本当は男の私の胸を揉むんですか?逆ですよね?」
「きよみちゃん。」
「すいません。」
またしても、失言をしちゃったよ。今の私は女の子。これだけは徹底しないと。
「でも、今回は見逃してあげましょうか♪」
何故か一葉さんは妙に良い笑顔で失態を見逃してくれた。

「で、結局は一葉さんが私の胸を揉むって事ですよね?」
「得意ではありませんが、ワタクシめが男役を演じてみましょう。」
「いえ、一葉さんと比べれば男の・・・男っぽい私の方が男役の方が良いんじゃないですか?」
「おや?清美ちゃんはそんなに男役が演じたいのですか?」
「ええ・・・まぁ・・・。」
「お胸を揉まれるのがそんなに嫌ですか?それともそんなに私の胸を揉みたいのですか?」
「えっ?」

一葉さんの胸を揉む。
そう思い彼女の胸元を意識的に見てみるが、ドキドキもムラムラもしなかった。
あんなにも魅力的だった、一葉さんのバディー(胸)が妙に退屈なものに見えていた。
寧ろ自分の胸を揉まれる感覚の方に興味を持っていた。男役として胸を揉むより、女役として胸を揉まれたいと思っていた。


「おや?その表情は女性として胸を揉まれる感覚に興味があるのですね?」
「そんな事は・・・ないです・・・。」
否定したかったが、胸を揉まれる事が甘美なお楽しみのように思えて強く否定が出来なかった。
一葉さんの『顔は正直ですね?清美ちゃん♪』と言う言葉が男としてどうしようもなく恥ずかしかった。


「えい♪」
「きゃん!?」
「良いリアクションですよ清美ちゃん?」
「どうして・・・揉まれる感触が・・・?」
素直に気持ちがいいとは言えなかったので、一葉さんの質問はぼかし代わりに質問をしていた。
「最上級の補正下着は、お胸周辺のお肉を使って感度の良い巨乳にするのデスヨ♪」
凄い技術の内容が気にならないと言ったら嘘になるが、深く追求しようとはしなかった。
私の理性は快感に溺れていて、下着の仕組みを理解するだけ働かないのだ。



胸を揉まれるって気持ちがいい。
自然と声が漏れるくらいに気持ちがいい。
男性器を扱いて気持ちよかった頃の自分が不憫に思えるくらいだ。
でも駄目。物足りない。

どうして私の喘ぎ声ってこんなにも低い声なんだろう?
女らしくなってゆく私でなく自分の男っぽい部分の方に違和感を感じていた。
私が今までの自分とは変わっていくのは分かっていたけれど、その流れに打ち勝つ事は・・・そもそも戦おうとすら思わなかった。
私は流されるままに女性化していくのだった。



* * * * *



「どうでしたか清美ちゃん?」
「ブラジャーっていいものなんですね・・・。」
「ええ。」
モミモミ(揉まれ揉まれ)タイムが終了して貰い、私は喘ぎ地獄からどうにか解放された。
案外あっさりと終ってしまい物足りない気も知るけれど、自分のあんな低い喘ぎ声を聞き続けるのは何気にきついし、
揉まれるのも体力をかなり消耗するようなのでこれくらいで留めて貰っても良かったのかも知れない。
これ以上、激しく揉まれちゃったら肝心のホテルに着く前に限界になってるよ。
というより、スカート+ショーツの下は既に限界の近くまで来ていますですハイ。

今穿いているのが、タイトなスカートだったら絶対にテントを張ってたよ。危ないアブナイ。
本当に、これで終わってくれてよかったよ。さもなくば違う意味で危ないところだったから。
胸を揉まれてイってしまったら男性としては試合終了だものね。
やっぱり今は女の子を名乗っていても、男としての自分が終わってしまうのはね・・・。
今は女の子をしてるのが楽しいけど、お店を出てからとか学校にいく時は流石に男にならないとねぇ?

女としての新しい自分が目覚めそうになる時になって、男の私が声を上げるというのも不思議な話ね。
・・・うう。考える時の台詞が妙に女の子っぽいのを少しは治そうかな?


「では、私の担当はそろそろお終いにしましょうか。」
「えーっ!?」
「随分と残念そうな、『えー』ですね清美ちゃん。」
「ええ。まぁ実際に物足りないですし。」
「物足りないとは、ブラ1着じゃ物足りないという事でしょうか?ブラお着替えショーをしたいとか。それとも、私の担当時間が終わるのが寂しいという意味ですか?」

ブラジャーを着けるのは気持ちよかったけれど、もっとブラを付けたいですとまで言うのは恥ずかしかったので違う方を答えた。
「後者の方に決まってるじゃないですか?私はこんな格好ですけど男ですよ?女の子と一緒の時間が嬉しいに決まってます。」
「清美ちゃん?ニコッ♪」
「ごめんなさい。私はご覧の通りブラジャーが大好きな女の子ですよ?」
「よろしい。」
日本語として可笑しな、『私は女ですよ』もいつの間にか疑問や抵抗を感じなくなってきた。
ホテルに向かう時にはこの癖は治っているのだろうか?
というか、口でニコッって言われると妙に怖いよ。

「しかしまぁ許してあげましょう♪これでね♪えいや。」
「あぅっ!?」
いきなり私の胸を人差し指で突っつき、しかも乳首周辺を撫でるというおまけつきだ。
そして私は、例によって低くて違和感のある嬌声を挙げたのでした。



「ひょっとして、清美ちゃんって声が低いのを気にしちゃってますか?」
凄く答えにくい質問だ。
確かに、気になってはいるけれど実際に声を高くしたいか、とまで聞かれるとそこまででもない。
かといって「俺は男だから声は低くて当然だぜ。」って言っちゃうと怒られそう。何より、そんな台詞は何となくだけど言いたくない。

「気にならないとは言いませんが、今を過ぎれば声が低くても問題ないと思うので別にいいですよ。頑張ってボイトレをするのも時間がないでしょうし。」
取り敢えず、やんわりとNOだろう。女の子の声を出すトレーニングをしてまでこの男みたいな嬌声をどうにかする程でもないし。
「ほんの数分で女性らしい高い声が出せて、しかも2時間程度で効果が切れるから学校に行く頃には完全に男の声に戻っていられる。そんな夢のようなアイテムがあったらどうしますか?」
「そりゃあ、そんなに楽して女の子の声が都合のいい感じで手に入るのなら嬉しいですけどそんなものあるんですか?仮にあっても高すぎて買えないでしょ?」

一葉さんは指を振り甘いですねと言わんばかりだ。
「清美ちゃん。ここは女の子らしさを売っているお店ですよ?メインは下着ですが女性らしい声の出せるお茶くらい当然置いてあるんです。」
「マジですか?」
「ええ。今、一部の女子高生の間ではかなりのブームですよ。女性らしい声の出せるお茶が。清美ちゃんは女の子の流行に疎いです。」



「・・・というわけで、飲めば一時的に女性らしい可愛い声になるお茶を用意しました。」
「やっぱりまだ信じられませんね。補正下着程度ならまだしも声が女らしくなるお茶だなんて。」
「だからここは、女の子らしさを販売しているお店なんです。一時的に可愛い女の子の声になるお茶くらいありますって。」
「ハァ・・・。」
「それに、案ずるより産むが易しです。さっき産んだ感覚が清美ちゃんにとって良いものだったらもう一度産んでみましょうよ?」
やっぱり、出産は女性にとって体験してみたいイベントなのでしょう。
自分が女の子らしくなる事に抵抗を覚える事無く、私はお茶に口をつけていたのだ。


「あーあ゛ー・・・。あっあ゛あ゛ー。・・・喉が痛いです。」
「最初の数分間は声を出すのも辛いでしょうけれど、もう少しすれば落ち着いている筈です。そうなる頃には清美ちゃんは女の子らしい声が出せるようになっていますよ。」
「ぞヴでずが・・・。」
「あらあら。無理をしてはいけませんよ?」
「ばい゛・・・。」



5分経過



「あー。あぁー。凄い!!これが私の声なの!?」
女の子にしては低めの声だけど、これって絶対に男の声って感じじゃないわね。
やったー♪私は声も女の子になったのね♪
「お気に召しましたか?」
「はい♪」
「やっぱり女の子らしくなってゆくのって楽しいですよね?」
「当たり前じゃないですか。」



「それはいい傾向ですね。なかなか順調です。」
「はい?」
「あっ。いえこちらの話ですよ。」
「そうですか。」
女の子らしくなる事が楽しい。
女の子やこの頃流行の男の娘とかならまだしも、私はついさっきまでは普通の男の子だった。
だった筈なのに、女の子らしくなる事が楽しい・・・。この事に違和感や疑問を覚えなくなってきたのだった。


「では折角ですから、この補正ブラをプレゼントしましょうか?」
「いいんですか?」
「ええ。少々・・・。いえ、かなり高価な品ですがここのオーナー店長さんは話の分かる方なので多少はお安く譲っていただけるでしょう。
なんなら私の方からプレゼントしましょうか?」
「でも女の子に奢って貰うのって・・・?」
と自分で言いながらも、『アレッ?』と思った。

「コラコラ清美ちゃん?今更何を言っているんですか?」
「ですよね。」
今日のデートの費用はそもそも彼女達が支払い続けていて、私の方は一銭たりとも払ってなかったっけ。
「男女のデートなら経済状況に関係なく男性側が支払うという事もあるでしょうけれど、
女の子同士で遊びに来たのならお金に余裕のある私か双葉さんが払うのが普通ですよ。」
ここまで言い切ると一葉さんはしたり顔で話を続けた。


「それに、今日の計画にかかったお金って結構凄い額ですからね?『清彦さん』が支払える金額ではないでしょう。」
「そう言われると私は、おと・・・女の子として情けなくもないのかな?」
うん。言ってて自分でも訳が分からなくなってきたよ?少なくとも私の言動が女性化しているのは確かだけれど・・・?
「GJです!!清美ちゃん♪」
一葉さんにGJと言って貰ったしこれでOKと言う事にしようかな?


「それじゃあブラの方は先ほど見繕ったものでいいですよね?実は全部にお胸を大きくする補正機能がついてますし。」
「はい!!有難うございます♪」
「それから、ブラのお陰ですがせっかく清美ちゃんは念願のCカップを手に入れたのですしこのブラは暫くつけたままにしておきましょうか?」
「ええ。それじゃあもう少しの間、身につけさせて貰いますね?」
この時の私は、もうサイコーって感じだ。
もうすぐホテルでのオタノシミ時間だし、この凄いブラだって何着も手に入れたんだ。
この調子でいけば、ホテルの中では揉んだり揉まれたりが出来そうだ。


「あっそうそう清美ちゃん?最後にこれだけは言っておきますね?」
「何ですか?」
「ホテルの中に入ったらこのブラは身につけないで下さいね?少なくとも私の前では。」
「えっ?」
一葉さんの一言は衝撃的だった。



「だってホテルの中では男性の清彦さんに可愛がって欲しいと思っているんですよ?女性の胸をした清美ちゃんのお相手なんてイヤです。」
「えっ!?」
えええええぇぇぇぇぇ!?

そんな・・・。
折角のお楽しみなのにこの、おっぱいブラ(仮)が使えないの?
ええい。いいや。
他の3人が相手してくれてる時に女の胸になればいいんだから!!
「双葉さんも若葉さんも女性の胸をした清美ちゃんのお相手は難しいと思いますよ?」
私の考える事を予想していたのだろうか?一葉さんは私の聞きたくない言葉を言ってきた。

「彼女達だって、ホテルのお相手をするのは清彦さんと言う心算ですもの。特に若葉さんなんて自分よりもバストが豊満な人にどうやって可愛がられろって言うんですか?」
「それじゃあ・・・。亜紀は?亜紀はどうなんですか?」
一葉さんの強い口調と、確かな説得力の前に私はタジタジだった。最後の望みである亜紀の名前を出したのだけれど・・・。
「亜紀ちゃんに至っては、元々清美ちゃんの事を良くは思っていません。清彦さんなら好意的なのですが。女の子らしくなっていく清彦さん・・・もとい清美ちゃん
を見たくないから車の中で待機をしているほどです。そんな亜紀ちゃんが清彦さんにブラの着用を認めると思いますか?」
予想はしていたが、やはり最後の望みは容易く打ち砕かれた。

「言ったじゃないですか?ホテルに行く時は男の清彦さんとしてきて欲しいって。」
ラッキーワードと思っていたこの言葉が、今では最悪の条件にしか思えなくなってきた。



* * * * *



「それじゃあ双葉さんを呼んできますね。」
こう言って一葉さんは部屋を出た。
退室際に言い放った「さようなら清彦さん。」と言う言葉が妙に粘着質な声だった気がする。
とは言え、この時の私にはそれを気にする余裕がないのだけれど。


毎回恒例(まだ2回だけど)となっていた、女の子の前に出てのお披露目が今回は中止らしい。
しかし、折角のブラを使えない事にショックを受けていた私にとっては関係もない事かな?
無関係でもないか。流石に。
ブラをつける事が出来ずに、女の子らしい服装も封じられた事は私にとって動くことすら出来ないほどのショックだった。
だから暫く誰とも会わずに、動く必要もなかったこの状況は好都合といえば好都合かな。
目を赤くした状態でのお披露目会はしたくないからね。
それとも一葉さんはこうなる事を分かっていたのだろうか?
私が動けなくなるほどのショックを受ける事を分かった上でこの事を告げて、それから放っておいたのだろうか?
双葉さんがこの部屋に来るのって遅かったみたいだし・・・。
でも私がショックを受けると分かっていたのなら、どうしてそんな事を言うのだろうか?

ほんのついさっきまではブラジャー(ショーツもだけど)を身につける事に抵抗を覚えていた筈なのに今はその逆だ。
女性らしい下着をつけていられないことに抵抗を感じる・・・いや、深い悲しみに明け暮れるのだった。



ブラジャーを身につけてはいけない。
男子高生ならそう言われたって痛くも痒くもない事だが、この時の私にとっては涙が止まらなくなるほどの大事だったのだ。

「それじゃ中に入るわよ?清美ちゃん。」
「あっはい。どうぞ。」
双葉さんの声を聞き、私は慌てて目を拭った。
女の子の前で泣いてしまった。しかもその理由がブラを身につけられなかったのが悲しいからだ。
幾らなんでもこんなのは恥ずかしすぎる。
女の子らしくなってゆくのは嬉しいし、楽しいけれどまだ私には男としてのプライドが残っているという事だろう。
その事に対して少し安心したような、かなりガッカリしたような・・・。どっちだろう?


「清美ちゃん?コホン・・・。アーアーアー・・・。」
「どうしたんですか双葉さん?」
「ああ。ご免なさいね?少し喉の調子が悪くて声があんまりでなかったのよ?」
「喉の調子が悪かったんですか?」
かなりいい声に聞こえたのに・・・?意外だった。

でも、意外と思う以上に悔しいという気持ちの方が強かった。
双葉さんはかなりの美声で、しかも可愛らしい声でもあった。
それに対して私はと言うと・・・。



* * * * *



一葉さんに飲ませてもらったお茶の効果はかなり凄い。
裏声を使わなくとも、男の子っぽい声がどうにかなる程だから性能は本当に凄いと思う。
だから今の私は男の子の声を出さずに済んでいる。

しかし、欲を言えばそれだけなのだ。
男の子の声とは違うが、女の子の声と比べると結構低い声だ。
仮にこれを女の子の声と呼べたとしても、決してそれ以上ではない。
女性らしく可愛い声とか、女性らしい美声とかそこまでのものではない。
女性の声の中でも、特に美声の双葉さんとは圧倒的に違うのだ。
例え秘密道具で声が女っぽくなっていたとしても私の声の方が明らかに劣っているのだ。

ああ。双葉さんの美声が羨ましいよぅ。


「コホン。どうかしたのかしら清美ちゃん?」
「いえ・・・。なんでもないです。」
改めて見てみると、双葉さんは本当にイイ女だと思う。
顔は美人で、肌は白くてスベスベだし、プロポーションも抜群だ。ついでにすらってしてて高身長だし。
長い青髪は、結んでても伸ばしていても映えるし、声もかなりの美声だ。
ハッキリ言ってしまえば、美女・美少女の条件を全部持っている。
「清美ちゃん?アナタ、凄い表情だけど大丈夫なの?女の子は笑顔が一番よ?」
「ええ・・・そうですね・・・。」
「折角の可愛らしい顔が台無しよ?ねっ?」
可愛く女の子らしい双葉さんを目にした私はいつの間にか対抗意識を持っていた。



「どうかしたの清美ちゃん?」
心配そうな表情をして私の方を覗き込む双葉さん。
こうやって間近で見るとやっぱり綺麗だし可愛い。

目は綺麗だし、口と鼻は整っているし、透明感ある唇はプルプルしてて、肌が綺麗で・・・って顔のパーツが全部いいじゃない!!
おまけに何処となくいい香りがしていてセクシーさもあって、私ですらその色香にやられてしまいそうだ。
なんて言うのかな?全身から美人ですオーラが出てるって感じかな?
今までも十分すぎるほど美人だとは思っていたけれど、双葉さんってここまで綺麗な女の人だったんだ。
いいなぁ双葉さんは。
綺麗で可愛くてセクシーで。
私もこんな風になれたらなぁ・・・ってそれじゃあ駄目ジャン?

私、今はこんな格好してるけど本当は男だよ?
男性として双葉さんをいいなぁと思う事はあってもこんな風になれたらなぁはおかしいって!!
双葉さん言いなぁの後に来る言葉は、『こんな風になれたらなぁ』じゃなくって『付き合って欲しい』とか『キスされたい』とか・・・。
少し恥ずかしいけど・・・。『抱いて欲しい』でしょう。全く、今日の私は考える事がおかしいよ。


「本当にどうかしたの清美ちゃん?今日の清美ちゃんは調子がおかしいわよ?」
「大丈夫ですよ双葉さん。もう問題は解決しましたから。」
そう。慣れない女装が続いて調子がおかしい!!何が変かが分かれば問題は解決したも同然だ。


「ふん。それなら良いんだけど・・・。」
「何ですか双葉さん。何か言いたげですけど・・・?」
「無理はしないでよ?私が言うのも変な話なんだけど。」
「無理って言うのは?」
「決まってるじゃない。女装よ女装。」
「はい?」
双葉さんの一言は、普通に考えれば当たり前の事なのにこの時の私にとっては青天の霹靂だった。



* * * * *



「だって清美ちゃん・・・じゃなくって清彦君は今までスカートなんて穿いた事ないでしょ?ショーツもないだろうしブラは必要ないし。」
「まぁ・・・そうなんですけど・・・。」
双葉さんの言った事は当たり前の事だけど、どこか癇に障った。
『男だから当然です!!』とでも言うべき内容なのに不思議とカチンと来た。

「そりゃあやっぱり大変よね?男の子がスカートブラショーツの3点セットですもの。
あのお茶を加えて4点かな?心なしか声がいつもと違う気もするし。やっぱり疲れちゃう?女の子に扮するのは?」
「そんな、疲れてなんてないです!!私女の子ですもの。スカートは普段着ですわ!!」
双葉さんの一言につい、カッとなったのか私はとんでもない事を言ってしまった。
『確かに女装は大変っすよ』とでも言っておけば、女装タイムが短くなって早くホテルに迎えたかも知れないのに私はその言葉を選ばなかった。
カッとなったせいか、女の子ですものとまで言ってしまった。



ひょっとするとこの台詞は単にカッとなっただけのものでは無いかも知れない。
短時間のうちに、余りにも女の子らしい扱いを受けたせいで精神的に女性化してしまったかもしれないし、
ひょっとすると元々女の子っぽい部分が私にはあるのかも知れない。
ただ、この時の私は男扱いされる事に激しい抵抗を覚えた。この事は確かだろう。
私の台詞に驚いたのか、双葉さんはその端正な顔を崩し口をあんぐりと開けていた。
そしてその後すぐに笑顔になった。「ようよね。清美ちゃんは女の子だからスカートを穿くのは当たり前の事よね♪」という言葉を残しながら。

先ほどは一瞬だけ男の自分を取り戻したがすぐに私は女の子らしくありたい私に戻った。
女の子に扮するのがそんなに楽しかったのか、それとも、うすぐ終わってしまう女の子タイムに名残惜しさを感じたのだろうか?
スカートを穿く事も、女言葉を使うのももう抵抗を覚えるようなものではなくなっていた。例のスカートは普段着発言もこの時は本心だった。
ただでさえ彼女と比べると女らしさで劣っている私が女の子らしくない行動をするなんて考えられない。
ズボンを穿く事も、男言葉や性別に関係のない話し方をするなんて嫌だと思っていた。
オトコだった私が、双葉さんに女の子らしさで勝つのは無理に決まっているのに対抗意識は強かった。

要するに、女性化願望は全身に染み渡っていたようだ。



「それじゃあ女の子らしくなりたい男の娘(リトルレディー)の清美ちゃんにはこのショーツをプレゼントしましょう。」
そう言いながら双葉さんは見覚えのある赤いショーツを取り出してきた。

「あれ?これってさっき穿いたショーツじゃないの?」
見た感じは私が今見につけているこのショーツと同じだ。
私が女性としての第一歩を歩むことになったこのショーツと同じものだ。
「えへへ。同じものに見えるでしょう?でも実はベツモノなのよ。」
笑顔でそう言う双葉さん。その笑顔は本当にいい笑顔で、凄く幸せそうだ。
別にさっきまでの笑顔が、嫌な笑顔といいたいわけじゃないけれど、とにかくこの時の双葉さんの笑顔は今まで以上の輝きなのだ。


「よく分からないけれど、とにかくこれは凄いショーツでこれに履き替えればいいのね?」
二つ返事のOKはもう定着化した。そしてその時の回答が敬語ではなく女口調なのももう普通になってきた。
「分かってるじゃない清美ちゃん。案ずるより産むが易しよ。折角女の子になったんだから産まなきゃソンよね?」
「アハハハ。でも私にはまだそこまで思うのは無茶よ。」
「あーそうよね?ゴメンゴメン。」
「とにかく私はこのショーツに履き替えればいいのよね?着替える場所は何処がいいんだろう?」
「えー?ここで着替えないのー?」
冗談とも本気とも取れる声や口調だった。



「それは絶対にイヤ!!」
「まぁそうよね。ゴメン言ってみただけだから。」
「本当なのぉ?」
「あわよくば清美ちゃんの生着替えを見てみたいと思ったのは内緒の話なのだ。」
「・・・双葉さんはそんなシュミがあるの?私の着替えを覗くだなんて。」
「ショーツを穿き慣れていないコのショーツ生着替えは見ていて萌えるものなのよ。ショーツが膨らんでいようがいまいがね。」
「もぉ。変な事は言わないでよ。」
「ゴメンねぇ。でもまぁいいじゃない。更衣室はあるんだし。ここのはカーテンで区切った程度の簡単な試着室とは違ってかなりしっかりとした更衣室よ。」
「それじゃあ安心しても良さそうね。それで更衣室って何処にあるの?」
「真っ直ぐ進んで、突き当りを左ね。そうすればこの区画唯一の女子更衣室があるわよ。」
「女子・・・更衣室・・・?」
双葉さんのさり気ない一言で思わず固まってしまった。


「どうしたの清美ちゃん?」
本気かワザとかは分からないが、顔は凄く『どうしたの?』って感じの表情だった。
あまりにもハッキリとしすぎた『どうしたの?』なので作為的に見えるがワザとにしては表情が自然すぎる。
これがもし、ワザとだったら双葉さんは女優顔負けの演技派と言う事になる。


「本当にどうかしたの?”清美ちゃん”?」
清美ちゃんの部分を強調するあたりはやはりワザとなんだろうか?

「ええっと・・・双葉さん。」
「はぁい?」
「私が本当は男だって事を分かっていますよね?」
「ええ。でも、ここにいる間は女の子の清美ちゃんだということを覚えていますよね?」
「まぁそれは分かっていますけど・・・。」
「じゃあ無問題ね♪」
「でも私は女子更衣室を使っちゃいけない方の女の子ですよ?」
このやり取りに、本日何度目かの危機を感じたからだろう。
身についていた女言葉は一旦、鳴りを潜め敬語になっていた。ただし一人称は私のままだ。


私がそう言うと、双葉さんは指を振りながら「分かってないなぁ。」と言った。
「何の為に私達がここを貸し切ったのかその理由が分からないの?清美ちゃんが人目を気にしないで女の子ライフを送るための配慮に決まっているじゃない?」
『決まっているじゃない?』と言われても分からないし困るのだけれど・・・。
「それに人目を気にしないで済むって言われても、そもそも双葉さん達はバッチリ見てるじゃないですか?」
「まぁいいじゃない?」
「えー?」
「今の私達は同性の友達なのよ?まさか清美ちゃんはこの姿を見知らぬ男性に見せちゃいたいの?」
「それは困りますね。」



双葉さん達は絶賛している私の女姿だけれど、見ず知らずの人に見られるのは怖い。私が本当に女の子らしくなっているかまだ不安な所もあるのだ。

「そんなに不安そうな顔はしなくても大丈夫よ。女子更衣室と言いながらも他に誰もいない貸し切りだし私達が覗きに行くこともないから安心して。
それとも、さっきの一葉ちゃんと同じように私の目の前で私の手で強引にお着替えさせましょうか?」
双葉さんの前でショーツとその中身をさらけ出すのは絶対にイヤなので女子更衣室へと向かう事にした。



* * * * *



『女性専用更衣室』
扉の上にはそう書かれたプレートがある。
特別大きな扉でも、特に印象深いプレートでもないのに妙な威圧感があるように見える。
男の子・・・もとい男の娘の私にとって女子更衣室はハードルが高い。例え他に人がいなかったとしても。
とは言え、双葉さんが遠目で見ている以上は入らないわけにはいかない。
このまま入らないとスカートを捲られて、ショーツをムリヤリ穿き替えされそうなので入らないという選択肢は無い。

それに、心の何処かには入ってみたいという好奇心のようなものもある。
男の子は絶対にはいることの出来ない聖域に入ることが出来る。これには興味があるし憧れもある。
それから、女の子らしくなっていく私にとっては男子更衣室より女子更衣室の方が相応しいのではないか?
自分の中の『女』に自信を持ちながらそう思っている『私』もいた。



女子更衣室の中は思った以上に普通だった。本当に何もない。
床の材質は店内と違ってないし、中にあるものは脱いだ服を入れるケースだけで本当に何もない。
唯一女性っぽい要素は、中にあるカーテンの色がピンクってくらいだ。
壁で区切られて造りがしっかりとしているけれど、普通の試着室とほぼ差がない。
どこか期待していただけあって、女子更衣室が他の試着室と違わないのは物足りなくって残念・・・かな?
うん。良く分からないけどなんだか物足りない。
「清美ちゃん?少しいいかしら?」
私が残念がっていると双葉さんからお呼びがかかった。

「ってどうしたんですか双葉さん?着替え中は覗きに来ないって約束したのに・・・?」
「失礼ね。覗きじゃなくって、一つだけ言い忘れた事があったのよ。」
「言い忘れ?」
「大した事じゃないんだけどね。」
「そう言われると余計に気になる。」
「ホラ?ここって試着室だけど大事なものがないでしょ?」
「大事なもの?」
大事なものって一体なんだろう?分からないや?


「鏡よ鏡。更衣室、試着室なのに鏡がないって変に思わなかった?ゴメンね。どうやら昨日あたりにここの鏡が割れちゃったみたいなの。」
「ああ・・・さっきから物足りないと感じていたのは鏡がないからかぁ。」
「折角のお着替えタイムなのに鏡がないなんて物足りないとは思わなかったの?清美ちゃんは女の子としてまだ立ち振る舞いが出来てないのね。」
「うう・・・。すいません。」
どうせ、私は女の子初心者ですよーだ。
「でも、清美ちゃんが鏡を忘れているくらいで丁度良かったわ。どうしても鏡で自分の姿を確認したいとか言われたら私達の誰かが
パシリの如く鏡を買いに行っていたところですもの。」
「そこまでして貰うのは申し訳ないなぁ。鏡は少し欲しかったけど用意して貰うのは申し訳ないし。」
「ゴメンね清美ちゃん?次回には必ず鏡のある更衣室やら試着室を用意しておくから?」
残念だけど、鏡を使ってのお着替えは次回に持ち越しか・・・ってアレ?
次回に持ち越しって何処かがおかしくない?

「・・・って次、は無いんじゃないんですか?そもそもここを出たら私は清美じゃなくって清彦に戻るんでしょ?再びこんな格好はしないでしょ?」
少し・・・というかかなり物足りないけれど、ホテルでのお楽しみを手放すのも惜しいからね。
「ゴメンなさぁいそうだったわね」
双葉さんの声が妙にねっとりとしていたような気がした。
この時の彼女はどんな表情をしていたのだろうか?
まぁ気にはなっていたけれど、この時の私は新しいショーツに履き替える事が重要だったのでそこまで気にもしていないんだけど。



さて、双葉さんがこの場から離れたのを確認したので改めて着替えるとしよう。
私はスカートを脱いで、ショーツを丸出しにした。
「うーん・・・。」
予想通りと言うべきか、真っ赤で可愛らしいショーツはその小さな面積に似つかわしくない膨らみが存在している。
ふっくらでモッコリですよ。言ってて恥ずかしくなるけどまさにその通りなんだよね・・・。

ただ幸いなのが、膨らんではいるけれどそこの膨らみが大きすぎない事かな?
いや・・・私のTんTんが小さすぎるんじゃなくって・・・まぁそれもあるかもしれないけど・・・。(特に今日はいつもより小さい気がするし)
という意味じゃなくってこんなきわどい下着を身につけているのに今は全然、巨大化的な興奮を感じていないのだ。
最初にこのショーツをつけた時はナニが痛くなるくらい大きくなっていたのに・・・。
まぁ男性として女装に興奮して大きくなるのも、女性なのにショーツが膨らんでいる事もどちらも恥ずかしいから、
膨らまない事は歓迎する事はあっても困る事では無いのだけれど。

それでも、この可愛らしいショーツが変形してしまうような体って何かねぇ?
やっぱりこの下着とこの体は相性が悪いわけですよ。



「あぁ・・・。」
ショーツを脱ぐとそこにはしっかりと男性が存在していた。男性と言うかどちらかと言えば男の子かな?
今は縮んでいるようにも見えるし。男性と言うには頼りない気がするし。
それでも私のお股は(当たり前だけど)バッチリと男性型なのでショーツを脱げばそこに♀の要素は存在せず、れっきとした♂が存在する。
ごく普通の事なのに、この事に妙な違和感を感じてしまうのは今日の私が長い時間女の子をやっているからだろうか?

でも、長い時間と言ってもせいぜい3時間かそこら。
今日の朝から男として接待を受け続けた時間に比べれば私の女の子時間なんてその半分以下だ。
それなのに今日の出来事で印象深く記憶に残っているものは、映画館内で女の子達が私の隣を奪い合うでもなく、高級料理をアーンで食べさせて貰うでもなく
このランジェリーショップでの出来事ばかりだ。一葉さんの手料理とか一生忘れられない筈のイベントもあったのに何故かブラやショーツのカゲに隠れている気がする。

思い返してみればどうしてあんなに楽しい時間よりも、ここでの無茶振りのほうが記憶に残っているんだろう?
ここでの出来事に比べればアレだけ楽しく濃ゆかった筈の昼までのデートが妙に薄くて中身のないものに思えてすらきた。



* * * * *



「まぁいいや。ショーツに脚を通そう。」
わざわざ同じようなショーツに変えさせたがる意味は良く分からないけど、きっと肌触りがいいとかだろう。


「あぁ」
少し脚を通した程度だが、確かに心地がいい。
前回は脛毛のせいで存分に布質を味わえなかったが、今回はスベスベした布を十分に味わえた。
前はショーツを穿くのが恥ずかしくて、肌触りも味わう余裕がなかったが今回は純粋にショーツの心地よさを味わえた。
確かに心地はいい。でもそれだけと言えばそれだけだ。

このショーツにする意味は分からなかった。同じショーツでも私の感じ方が違う事を言いたかったのか、それとも別の理由か。
双葉さんの意図が分からないまま私はショーツを引き上げお股を被った。
明らかに女性らしいこの赤ショーツが私のお股のせいで、変なところが膨らむと思うとこの体が恨めし・・・?
「アレ?」
ない?それっぽい膨らみがない!?
「ないっ!?無くなっちゃったよ!!」


突然の消失にパニくった私は思わず声を上げてしまった。
壁がしっかりとしていて防音効果は高そうだが、私の声が余程大きかったのだろう.。その騒ぎを聞きつけた双葉さんが室内に入ってきた。
一応はカーテンの内部にいたので半裸姿を見られないで済んだ。・・・とは言え、パニくっていた私は恥ずかしさを感じる余裕もなかったっけ?



「どうかしたの?清美ちゃん。」
事情を知ってか知らずか、双葉さんの声はとても穏やかでどこか能天気でもあった。
「ふ・・・双葉さん?それが・・・?」
「それが?」
「無くなっちゃったんです?」
「無くなったって何が無くなったの?」
「膨らんでないんです。ショーツの中身が膨らんでないんです。」
「なんだ。その事ね。」
「何だって事は知ってるんですね?」
「ええ。そりゃあこのお店でも屈指の性能を誇るショーツですもの。これを身につけていれば多少の膨らみなら完全になくす事ができるって人気の逸品よ?」


なんか色々と気になる事を言っているような・・・?
膨らみをなくす事に特化したショーツって事はコレ、見かけによらず男(男の娘)用って事?
女性用の商品ばっかの店にそんなものが置いてあるって事なの?
それに、そんな品物をどうして女の子の双葉さんが知ってんのよ?
「膨らみをなくすショーツってやっぱり男用ですか?それに危ないものっぽく聞こえるんですが・・・?」
「やだなぁ清美ちゃん?ショーツは女性用の下着に決まってるじゃない。どうして私が男性用の下着を清美ちゃんに紹介しなきゃいけないのよ?女の私がそんなの知ってる訳ないじゃない。」
「そうですよね。アハハハ。」
「そうよそうよ。アハハハハ。」
2人の乾いた笑い声が室内に響いた。



* * * * *



「それに考えてもみてよ。清美ちゃん?穿くだけでお股が女の子になれるショーツなんてノーベル賞もののショーツがあると思う?あったとして無名だと思う?」
「そうですよね。性別を変える為にはワザワザ、タイやらモロッコやらに行かなきゃいけないらしいですからそんなショーツがあれば有名になってますよね。」
「そうそう。そんな遠くまで行って手術に2週間くらいかけて、それで手に入るのが作り物の女性器っていうのが現状よ?」
「そんなショーツがあったらそりゃあノーベル賞ものですね。」
ってか妙に詳しいなぁ双葉さん。ひょっとしてこういう話に興味があるのかな?
ああ。私の男の娘化計画に積極的だしやっぱこの手のネタは好きなのかな?
「そうそう。そんなのがあったら私が欲しいくらいよ。」
「いや、女の子の双葉さんがそんなショーツ貰ってどう使うんですか?」
「えっ?でもそんな凄いショーツなら女の子が身につけたら世界一の美女になれそうじゃない。下半身美女って。」
「ふーん。」
なんか奇妙だけど、まぁいいや。


「で、清美ちゃんはショーツを穿いた後で色々と調べてみたの?」
「色々と調べる・・・?」
「見た目は平らだけど触ってみるとポッコリがあるとか、逆にそれすら感じないほど平らになっているとか。」
「それじゃあ、試しに触ってみますね。」

・・・とショーツに手を当ててみた。



見た目に反してどこかに膨らみがあるのかな?と思いながら触れてみたがさにあらず。
何処を触ってみても全然それらしいものが見つからない。そもそも何処にあるのか感覚がないから分からない。
本当にアレが消えてしまったのかな?そう思ってしまうくらいについていた痕跡が分からないのだ。
おまけに、今のシチュ(下半身が下着姿でしかもカーテン1枚向こうには双葉さんがいる)にドキドキしているのに、おっきくなる気配もない。
本当に、お股の部分が女の子になったとしか思えない。

「無くなったと思ってる清美ちゃん?」
「ええ。ついているとような感じが全くないんです。」
「でも心配は要らないわ。ショーツを脱げば元に戻る・・・と思うわ多分。」
双葉さんの言い草に不安を覚えた私だが、ショーツを脱いで見るとそこには見覚えのある突起物がついていた。
いつもと同じようにしっかりとソレがついている。違和感も問題もなくそれはしっかりとついている。
強いて言えば、さっきまでアレだけ興奮していたのに少しも膨らんでないのがいつもと違う・・・かな?
でも、濡れてるっていうのかなコレって?
心なしかショーツが湿っているような気がする・・・。

「凄い。どんな仕組みですか?」
「仕組みは分かんない・・・・・・し、私は確認しようもないけどショーツを下ろすと男性部分は復活するらしいわ。」
復活ってまるで身につけると消滅するみたいな言い草だ・・・。



「それじゃあ清美ちゃん。ごゆっくり。」
「ああはい。もう出て行くんですか?」
「ええ。清美ちゃんが困ったような声を出したから出て来ただけだし、それに清美ちゃんとしても困るでしょ?下着姿でいる時に、カーテン一枚向こうには
人がいるって。同性だろうと異性だろうといい気分はしないでしょ普通?」
「うぅ。そうですね・・・。」
「それじゃあ私は出て行くからごゆっくり。」

さて・・・。ごゆっくりとは言われたけれどどうしようかな?
まずはショーツでも穿いてみようかな。可愛いショーツを引き上げてお股の膨らみを消・滅
本当に消えたわけじゃないんだけどね。

またショーツの感覚を味わえる事に期待をしてドキドキしていたせいか、私の中のボルテージが高まりさっきまで縮んでいた突起物は膨らんでいた。
ただし、ショーツをいっぱいまで上げるとその存在感はたちまちのうちに消えていた。

こうして改めて感じてみると、やっぱりショーツっていいなぁ
ただお股を被うだけのトランクスとは違って、肌触りを重視しているお陰でスベスベしてて身につけた感じが全く違う。
下腹部を押さえつける感じも安心感があって以外に快適だし、何よりお股をピッタリと覆うフィット感は病み付きになりそうだ。
つけるだけで気分が高揚してしまうほどに。



それにしても、この真っ平なお股って本当に不思議だなぁ。何処でどうやって隠しているのかが全く分からない。
さっきまでは確かに存在していた膨らみは、眺めても触ってもその存在を認識できない。
そして触れると気持ちがイイ。
「アァン」と声が漏れでそうな・・・実際に漏れ出てしまうほどに。

今の倒錯的なシチュが原因だといわれればその通りだけど、ショーツを穿いただけでただ撫でてるだけなのに異様なまでに気持ちがイイ。
ペニスを扱く普通のオナニー程ではないにせよ、ただ撫でているだけなのに性的興奮を感じてしまうのだ。

「あっ・・・。」
そしてショーツの前面を見ると、ちいさいけれど濡れたような染みがついている。
先走り液かな・・・とも思ったけれど勃起すらしていないから液が出るとは考え難い。
それに、お股の部分は火照っているけど勃起した時のような力強さは感じられない。アソコの存在感すら感じられないのは相変わらずだ。
中がどうなっているのか気になって、ま中身を覗こうと少しだけショーツを下ろしてみるとそこにあるのはやっぱり見慣れたもの。♂です。
着用時は女の子になれるショーツなんて存在しないと思うけど、感覚としてはそんな感じ。
穿いている時はアレがなくなって女の子になっている感じがする。・・・まぁ女性の感覚なんて味わった事がないからそんな気がするだけだけど。


ショーツ着用時は、本当にアレを感じなくなるのかな?
まぁ仕組みに関して考えていてもキリがなさそうなので、取り敢えず仕組みの事は一旦考えないようにしよう。

さて・・・。ショーツを穿いた状態で撫でるだけでも気持ちが良い。というのはなかなかな収穫だ。
・・・とそう言えば、このブラを身につけて胸を揉まれるのも良かったっけネ。
双葉さんも、丁度この場にはいないしごゆっくりって言ってたし・・・。
ごゆっくりとは言ってもそう言うコトを想定した訳じゃないダロ?ってツッコミはナシね。
ってなワケで、下着を身につけたこの体を存分に楽しんじゃうとしましょうか♪


まずは胸の方から♪
一葉さん曰く、このブラは胸の周辺の肉を上手い具合に集められるから胸が大きく見える・・・との事だけどそれにしても大きい。
胸の部分はかなり痩せ型な私は、胸やその周囲には脂肪が少ない筈なんだけどこんなに大きくなるものなんだね。
この胸の山はそれなりに大きくて、私の手でやっと掴めそうな位の大きさだよ。
バストの測定方法とかは良く分かんないけど、Cカップくらいあるかもね。
ある程度で良いから大きめの胸を掴んでみたいという、かつての私の願いは意外な形で叶ってしまったんだ。
・・・自分のだけど。でもまぁ、本物の女性の胸は後で揉む事くらいできるから別にいっか。
今は胸を揉むよりも揉まれてみたい。・・・揉むのは自分の手だけど。



「んン」

柔らかい小ぶりのメロン、弾力のある特大プリン、マシュマロのような感触・・・と言うほどは柔らかくないか。
でもとにかく突くと柔らかくて気持ちがいい物と言うのは間違いない。
しかも柔らかさがありながら、結構大きくて立派なのもいい。
少し下を向けば、私の胸が膨らんでるのが分かるくらいですもの。
たったの数分でここまで立派なバストになれるなんてちょっと満足だね。
・・・って胸を揉む(揉まれる)気持ちよさを味わおうとしたのに、これじゃあ巨乳自慢の女の子みたいな考え方じゃない。
まぁいいや。女性と同様の快感を味わいたくてやってるんだし考え方が女の子と似ていても無問題!!

それにしてもやっぱり凄いよね。ブラをつけるだけでここまで大きな膨らみが出来上がっちゃうだなんて。
もしかして、双葉さんや一葉さんの豊満なバストはこのブラによって作り上げられているとか!?
だとするとちょっとイヤかも。
でも、女の子達がこのブラを使えるのなら若葉さんの胸が妙に薄いのは納得できないよね。
本当は男の私ですらCカップになれるんだから若葉さんだってCくらいいくよね?どうして彼女はこのブラを使わないんだろ?
うん。謎が多いけどそこは考えないようにしよう。
一々気にしてたらキリがないもの。




さて、さっきは気持ちよく感じたのに自分で揉んでいるからか何かが物足りない。
誰かの手が揉むから予想できない動き・・・と言うのが気持ちの良さを生むのだろうか?
それともテクニックの問題なのだろうか?
うん。どうすればいいのかなぁ?


あっ!!
このブラをつけた事で胸は大きくなったけれど、先っぽの・・・乳首の方ってどうなったんだろう?
女の子みたいに大きなポッチになってるって事は無いよね流石に?胸周辺の肉を寄せ集めただけだし・・・?
でももしそうなっているとしたら・・・。


まさかね。
などと思いながらも私は内心期待をしていた。
だって身につけた感覚が、単なる寄せてあげるブラとは別格だったのだ。
普通のブラを身につけた事は無いけれど、でもそれとは別格のものだというのは分かる。
少なくとも、単なる寄せてあげるブラではここまで立派かつ整ったバストにはならないだろうし、触った感じが敏感になるというのも奇妙だ。
まるで、一時的に女の子のバストになったような感覚・・・。
科学的・常識的に考えればそんな訳は無いのだけれど、でも一時的な胸の女性化が起こっているような気がしてならなかったのだ。
期待と不安・・・というより、期待と疑いだろう。女性の胸になる事に対し不安らしい不安は感じなかったから。


「アレっ?やっぱり大きい?」



* * * * *



予想に反してなのか、逆に予想通りなのかは分からないが私の胸・・・主に乳首はかなり成長していた。
さっきまではマッチの先っぽ程度のポッチだったのが、今では小指の先くらいに大きくなっていた。
ただし、ブラを外そうものならそこにあるのはただの壁だ。先端の部分もマッチ棒の先っぽと変わらない。
再びブラを身につけると、やっぱり壁はバストに成長し先にあるものも立派なサイズに成長している。

信じられない超現象な筈なのに、今の私には意外なほどにあっさりと受け入れる事が出来た。
今日は朝から信じられないような事態が続いていたからだろうか?
美少女4人とのデートも、行く場所行く場所が貸切なのも一時的とは言え、女性っぽい声の出るお茶だって今思えば信じ難いし。
このおっぱいブラだって、乳首とバストの急成長は現代科学じゃ説明できないけれど胸の感度が上がっていた事を考えると、
コレくらいの追加効果があったとしても驚きはするもののそこまで意外と言うわけではない。
不思議な現象だがそんな事よりも、この胸の・・・特に乳首の感度がどうなのかに私は心を奪われた。

「アぁン」
そして手を伸ばし、円を描くようにして先っぽ周辺を中心に胸を弄った。ほぼ意識せずとも私の手はそのように動いていた。



* * * * *



一瞬気が遠くなったが、イきそうになる直前で私はどうにか踏みとどまった。
気が遠くなったらイっただろとは言わないで。現に私は射精していないし、まだまだ満たされたわけではないのだから。
私の顔はまだまだ火照っていて、荒い呼吸はまだ収まらず、ショーツは濡れてはいるが多分汗か何かだろう。
精液らしい匂いは無い。あの特有の生臭さと言うか、水っぽい異様な匂いと言うか悪臭だけどフローラルな香りがする魅惑の・・・
って精液をそんな風に言っちゃってどうするの私?一応は♂なんだし精液大好きになっちゃ駄目でしょ!?

危うく危ない世界(男好きフラグ)へ旅立つ所だった。
私のお楽しみは、この後で女の子達とホテルへ向かう事なんだから。
などと本日何度目かももう分らない程、この台詞で自分を奮い立たせた。自分にこうやって言い聞かせて、モチベーションを高めた。
あれ?でも、嫌々女装をしなきゃ場合ならともかく今はモチベーションを高めないといけない場面だっけ?
今のは、奮い立たせると言うよりも自分にムリヤリ言い聞かせているっぽいような・・・?
女の子達とホテルへ行って夜通しでお楽しみ・・・『一番』楽しい事の筈なのに言い聞かせるだなんて?



「そうだ。ブラをつけると胸が女性化したんだからひょっとすると・・・?」
自分に対する疑心暗鬼を誤魔化すかの如く、私は意識をショーツの方に移した。

このショーツを穿いてからお股の部分は何度も念入りに触って調べた。その結果、あるべきモノが無いと言う結論に至った。
しかし確かにあるものは無いのだが、本当に何も無いかは調べていない。
具体的には無いはずのものがある・・・そっちの可能性については全く調べていなかったのだ。
さっきよりも強い力で指を使いショーツを押し、指がどの程度沈むかを調べてみた。


「あっ!!あったぁ」
お股の中心部から下部の間くらいの場所にそれはあった。
詳しい深さは分からないが、人差し指の第一関節までならば収まるくらいの窪みを感じた。
この感触は、柔らかくて押せば凹む・・・と言うものではなく穴、窪みがあったといった感じだ。
それから、少しぬるっとしていて湿り気はハッキリと感じられた。
目で確認はしていないが、指で触った限りは女性器っぽいものだった。
私はその女性器を感じようと再び人差し指そ挿れてみた。
やはり深さはそれなりにあるようで、人差し指の第二関節付近まで入れてもまだ奥に到達しなかった。
謎の割れ目に私は期待とブラで胸を膨らませていた。

でも、恐怖や不安もあった。空けてはいけないパンドラボックス。
これ以上進むと二度と戻れないような危惧もあった。



* * * * *



「あ・・・オシッコしたい。」
幸か不幸か、私が選ぶ前に選択は中断された。
さっき飲んだ女声化のお茶が意外な効果を発揮したのだろう。・・・別に意外でもないのだけれど・・・。
そのとき感じた尿意は、我慢出来ないほどではないもののなかなか強いものでトイレに直行したいと思ったほどだ。
下着をしっかりと身につけ直し、スカートの乱れを直した私は小走りで女子更衣室を後にした。


「あれ?意外と早かったわね。もう良いの清美ちゃん?」
「ええ・・・っと・・・。良いって言うか、まだ途中って言うか・・・。」
核心の部分は言いにくいので、精一杯モジモジすることで(漏れそうなので元からモジモジしていたけれど)私は意思表示をしようとした。
しかし、私のモジモジが通じないのか双葉さんは微動だにしなかった。
「おトイレの場所教えて下さい!!」
こう言った直後に双葉さんの目が輝いて、良い笑顔になったのは私の思い込みであって欲しい。


「ああ。さっきお茶を飲んだものね。女の子はオシッコを我慢するのに向いてないみたいだし、早くおトイレに行ってらっしゃい。」
「いえ私は・・・。」
言いかけたけれど、またしても下の句『男ですよ』は言わなかった。
寧ろさっきから女の子をやっているからか『男でしたっけ?』のような句の方が身近になってきたかも知れない。
いつの間にやら、私は自称女の子が当たり前になっていた。


のだが、その自称女の子にも超え難い高いハードルがあったのだ。



「清美ちゃん。おトイレはこちらよ。」
双葉さんが手をかざした先にはトイレがある。それは当たり前だし私の望んだものなんだけど・・・。
ただ一つだけ予想しなかった事がある。
「どうして女子トイレなんですか?」


私の叫びを双葉さんは予想していたのか、さも当然じゃない?という表情で切り替えしてきた。
「清美ちゃんは女の子なんでしょ?少なくともここにいる間は。じゃあ使うのは女子トイレに決まってるじゃない。」
「そうは言いますけど、女子トイレに勝手に入るだなんて・・・。」
「さっきまで女子更衣室に入っていたのは何処の娘だったのかな?それにスカート姿の子が男子トイレに入るのはマズイでしょ?」
「まぁそうなんですけど・・・。」
「それに大丈夫よ。例によってここにも部外者はいないの。だから気兼ねなく女子トイレを使えるわ。」
口を歪めた双葉さんの手が示すのは赤いスカートマークのトイレだ。
奥の方の男性用トイレはさも存在しないような態度だ。
口を歪め、笑顔ではあるが物凄く眼力のある瞳に魅入られた私がどちらの道を選ぶかは分かりきっているだろう。

最後に残った、僅かばかりのちっぽけでささやかな抵抗感やプライドなんてあってないようなものだ。音もなく、跡形もなく砕け散るしかないのだ。


いや・・・双葉さんに強要されたような表現とはまた違う。
結局は私が・・・私自身が選んでしまったのだ。女の方の扉を。

誰も見ていないのなら男子トイレでも問題ない・・・そう言い返すことは出来た。(言い返しても言いくるめられる気はするが)
最悪、言い返す事が出来なくとも双葉さんの不意をついて走り抜ければ男子トイレに飛び込んで用を足すことも出来た。
しかし結局私はそれらの選択をしないで女子トイレに入る事を選んだのだ。
女性用のものを抵抗無く利用できる・・・から、女性用の方が自分に合っているに変化しつつあるのかも知れない。



* * * * *



さて女子トイレに入った私だが、女子更衣室の件で学んだ通り?女子トイレの中は意外と大した事がない。
初めて女子トイレに入っちまった。でも想像していたよりなんて事ないな。なんちゃって。
中途半端なパロディはともかくとして、本当に女子トイレの中は大したことがない。
小便器がない事を除けばせいぜい、タイルの色がピンクっぽい赤だという事くらいしか差がない。あとは洗面台の数が少し多いくらいかな。
トイレ3つに対して洗面台5つは男子トイレのよりかなり多い比率だろう。何故か少し物足りない気もするけど。


当然の如く個室へ入ろうとする私。小便器はないものね。
でも仮にここに(女子トイレだけど)小便器があったとして私は使っていたのだろうか?
スカートを穿いてるし下着はショーツだし、こんな状況で立ちションはしないよね。
スカートを捲りあげて、立った状態でのオシッコ・・・したくないなぁ。やっぱり座ってしたほうがいいよね。
などと色々な事を考えながら、私は個室に入った。


それに、実は密かに期待をしているのだ。
穿いている間はモッコリが消えて、しかも窪みらしきものまで出来ていたという神秘のショーツ。
それじゃあ、このショーツを穿いている時はオシッコがどんな風に出るんだろうか?その事に興味を持ってしまった。
エロ目的では無いから、純粋な好奇心からかそれとも女性と同じ事をしてみたいからか。
まぁどちらにしても女の子スタイルのオシッコをしたいという事は変わらないのだけれど。

そんなこんなで便座に座ったはいいが、女の子スタイルのオシッコをしようにも勝手が分からない。
スカートは捲った状態でするのか、ズボンと同じように下げた方がいいのか?
スカートを捲った状態の方が何となくだが女の子スタイルっぽいけれど、捲るだけだとオシッコを引っ掛けそうだ。
それにショーツはどの程度まで下ろした方がいいのか?座る位置は男時と同じでいいのか?前や後ろにズレた方が良いのだろうか?
うん良く分からない。



色々と迷った挙句、座ってのオシッコをするという事に重きを置いてそれ以外はなるべくやりやすそうな方法を選んだ。
スカートは、ズボン時と同じように下ろせるだけ下ろして座る場所も男時の大の時と同じような場所にした。

女の子スタイルのオシッコの準備はOKだ。
念の為の最終確認としてショーツ一枚となったお股の部分を触ってみる。
予想通り膨らみはなく、その代わりに窪みらしきものがあり人差し指の先端部分は中に入っていった。
「よしっ!!イケる!!」
私は内心、ガッツポーズでそう思った。

のだけれど、ショーツを膝の辺りまで下ろしてしまうと懐かしのヤツが蘇ってしまう。
うん。ダメかぁ。
それならばと、今度はどこかの支援所(かいわい)で見たやり方で試してみる。
ショーツのお股の部分とお尻の部分をズラしての対応だ。
お股の部分やお尻の部分をズラせば、ショーツを下ろす事無くオシッコをするだけの余裕が出来、ショーツを穿いたまま用を足せるという画期的な方法だ。

その後は女の子としての初オシッコに悪戦苦闘して、出そうな感じがするのにいつもと同じ要領だと出なくて焦ってしまい、
それから出そうとすればするほどドツボにハマって余計に出てこなくなって、最終的に無意識で出そうとすると今度はあっさりと出る。
そして出す時の、お腹の力具合などが違う事に驚きながら女の子スタイルの初オシッコに感動するのだ!!



* * * * *



などと暴走気味に妄想したが、実際はそうはならなかった。
私のお股についているものは、結局見慣れたいつもの棒だった。まぁついてるだなんて表現した時点でコレなのは分かるか。
女の子スタイルのオシッコが出来るかな?と『少し』期待していただけに『ほんっの少しだけ』残念だ。

一応は、ショーツを目一杯まで上げる事で女性器は元に戻るが(見えては無いが触ると窪んでいるから多分だけど)ショーツを
下ろしたりズラしたりして、少しでも隙間が出来てしまうとアレが生えてくるっぽい。
凄く小さな隙間から覗けばその時にはもう出てきてしまっている。ついでに、心なしかショーツの小山が高くなっている気もする。
穿けばその時だけはお股が女性化するが、簡単に効果が切れてしまう魔法のショーツなのだろうか?コレは?
凄く不思議だなぁ。

結局は女の子スタイルのオシッコは諦めるしかなかった。というかあのまま出てしまった。
オシッコが飛び散らなかったのは幸いだけど、座ってしてるのにアレから出る光景には違和感があった。
でも、再びショーツをしっかりと穿けば女の子のお股に戻るからまぁ良いんだけどね。またショーツ前面がスムーズな小山と言う満足感が得られるから。

だけどやっぱり女の子スタイルのオシッコが出来ないのは残念だなぁ。
あぁ・・・一度で良いから女の子スタイルでしてみたいなぁ。



* * * * *



「あっ清美ちゃん。どうだったおトイレは?」
「ああ双葉さん。どうだったもなにも無いですよ。特にコレと言った何かがある訳じゃないですし。」
「そうよね。」
微笑む双葉さんは美しく、髪をくるくると弄りながらの笑顔は天使にも小悪魔にも見えた。


何気なし、しかしまじまじと見たけれど双葉さんの顔って本当に良いよなぁ。
綺麗だし、可愛くもあり、豊かなバストだけでなく全身から色気が漂っていて、お嬢様ゆえに清楚さも十分にある。
その高スペックから今まではその姿をまともに見ることが出来なかったけれど改めて見ると本当に思う。
双葉さんって本当に美人なんだ・・・と。

そんな美女を間近で見た私は心の何処かがメラメラと燃え上がってきた。
最上級美少女の双葉さんを見てドキドキするでもなく、ムラムラとするでもなく、湧き上がってきたのがメラメラだ。
さっきも思ったけれど、どうして双葉さんに対して対抗心を抱いているんだろう私は?
あの美女となぜ競おうとするのだろうか?
男の私と美女、美少女の中でもまた別格の双葉さんとじゃ勝負にもならないのに?
・・・勝負にならない以前にどうして美女に嫉妬心や対抗心を感じているのかが問題か。


「そうそう清美ちゃん?」
「何ですか?」
「私の持ってきたショーツって気に入ってくれた?気に入らなくて今は穿いていないって事は無い?ついでに一葉ちゃんの用意したブラも。」
唐突な質問には少し焦った。
正直に気に入ったと答えるのはやっぱり恥ずかしいけれど、かといって興味がないですなんて言ってしまえば折角の下着が外されるかも知れない。
男のプライドと女の子の気持ち良さ。この両方を天秤にかければ重いのは後者の方に決まっている。迷う余地すらないほどに。

「気に入るに決まっていますよ。こんなに気持ちの良い下着を使って気に入らない人間なんていないでしょう。」
「やっぱり?清美ちゃんだったら気に入ってくれると思っていたのよねぇ。」
清彦としては聞き捨てならない台詞だがそこはもう置いておく。現に私はこの下着を着に気に入っているのだし。
「ところでこの下着ってどういう物なんですか?身につけると途端に胸が膨らんできたりお股の膨らみがしたようなんですが。」
何より私はこの下着の事をもっと知りたかったのだ。
だからこの下着の話題が着て食いつかないわけがない。
下着の話が終わってしまいそうな返答なんてしないし有り得ない。




しかし双葉さんの返答は残念なものだった。

このお店のオーナー店長さん曰く、この下着を身につければその間は女性らしい体になれる。・・・そうなのだが冗談っぽい口調なので審議の方は不確かだった。
試そうにも女の子である自分達では試すことも出来ない。
ただ、冗談っぽいとは言え、そのオーナー店長さんは不思議な人で女性化ランジェリーを持っていても可笑しくは無い・・・そうだ。
「私も半信半疑だったけれど清美ちゃんの話を聞くと本物っぽいわね。実はこのランジェリーには私も興味があったのよね♪」

そう言って、毎度のように笑顔でプレッシャーをかける?双葉さん。
彼女の魔力のある笑顔は、きっと男女に関係なく人を魅了し動かす力があるのだろう。
そして私は気圧されて、彼女が何も言わない内に分かりましたと答えてしまった。


「それで、如何して更衣室に二人で来ちゃったんですか?」
「そりゃあ下着・・・しかも女の子の下着を扱う以上は女子更衣室に入るのが当たり前じゃない。あぁさっきも一応入ったとは言えこの女性専用更衣室って懐かしいわ。」
「それで結局何をするんですか?」
「決まってるじゃない?調べるのよ。下着の力で清美ちゃんが本当に女の子になっているのかどうかを。」
「その・・・調べるって事は・・・やっぱり調べるんですよね?」
「そうよ?調べずにどうやって調べろって言うのよ?」
「まぁ・・・それはそうなんですけど・・・。」
「はいはい。ちゃっちゃと行くわよ?」
言われるがまま強引に、半ば強制的に連れて行かれまた女子更衣室へ入っていった。
ただ、強引ではあったけれど決して嫌と言うわけではなかった。
身につければ女性化する。このショーツとブラに興味津々なので双葉さんに調べてもらえるのはラッキーって感じだった。

使えば女性化する・・・とは言ってもそれは飽くまで私の感覚的なものであって本物の女体になれたかどうかまだ確証を掴むまでには至っていない。
体こそ変わっていないが、特殊な技術により女性化したような感覚に、膨らんだ胸や平らなお股を手に入れた感覚になっているかもしれないし、
胸の肉を集めて、お股のナニを隠す程度のものの可能性だってゼロじゃない。

双葉さんに判定して貰えば、感覚的な変化だけなのか?とか、本物の女体なのかが分かるだろう。
特に私は今日まで、女性の体に全く縁がなかったのだ。
この膨らみが、この窪みが、ちゃんとした女の子と同じものなのかが女の子暦の長い双葉さんなら分かるだろう。
下着姿を曝け出すのは恥ずかしいけれど、どこか心待ちにしている私もいた。



* * * * *



そして女子更衣室へ。
部屋の中には私と双葉さんがいる。
広くない部屋の中で双葉さんと二人きり。
しかも私は服を脱いで、下着だけの姿になっている。

普通に考えたら興奮もののシチュなんだけれど、私の胸はドキドキしないし、ショーツの中身も穏やかなままだ。
学校内でも最高に可愛い女の子と、こんなシチュで一緒と言うのにこんなにも平静でいられるなんて・・・。
今の私にとって双葉さんってどんな存在だろう?

付き合ってみたい理想の女性?でもこんな状態なのに少しもドキドキしないし、襲い掛かりたくなるようなムラムラもないよ?
じゃあ友達関係?でも、話す時は結局いつも敬語になっちゃうし、私も一応は男で双葉さんと友達って言うとなんか違うんだよね。心理的な距離があるって言うのかな?
それじゃあ・・・憧れの存在?

前々から思っていたけれど、双葉さんは顔が可愛いだけじゃなくって色気はあるし肌も髪も綺麗だし、声がってかなり可愛い。しかもお嬢様としての立ち振る舞いも出来ている。
学校内の男子生徒の大半が憧れ、付き合いたいと思うのも納得の女性だと思う。
私だって男だった時から憧れの気持ちを抱き、付き合ってみたいと思った回数は数知れない。


しかし今になって思うとこれは単なる憧れであって、男女間のそれとはまた違うのではないかと思えてくる。
何せ双葉さんを見て、可愛いとは感じるがその後に付き合いたいとか抱いてみたいと言う風にはならないのだ。
寧ろ羨ましい・・・だ。
あの顔に、あの肌に、あの髪に、胸だって大きいし、声も可愛いし。
可愛い女の子ってこういう娘なんだよね・・・。


「あぁん!?」
胸に電流が走った。
「ちょ・・・双葉さんっ!!いきなり何をするんですか?」
「ゴメンね清美ちゃん?でも、下着の効果を確認を確認するには触るしかないでしょ?・・・ネッ?」
悪びれずに微笑みながら謝る双葉さん。
その姿はやっぱり可愛く、そして羨ましい。

「でもだからっていきなり触らないで下さい!!」
「ゴメンゴメン。でも一応確認は取ったのよ?ただ清美ちゃんがボーっとしてて反応がなかったからついつい触っちゃったのよ?」
「うー。」
双葉さんとのやり取りで怒りや嫉妬が一時的に収まるが、冷静になると先ほど胸に走った電流の衝撃が気になった。
痺れるような感覚だったけれど、不快ではない・・・どころか寧ろ心地よいこの感覚って・・・?



「取り敢えず胸を触ってみたけれど、本物の女の子の胸って感じだったわね。」
「それって本当ですか?単に肉を寄せ集めただけじゃなくって本物の胸なんですか?」
双葉さんの診断結果に私のボルテージは一気に跳ね上がる。
息は急激に荒くなったし、胸の高鳴りは止まらない。

私って今は本当に女の子になっているの?あの双葉さんが認めるくらいに女性化しているの?
このドキドキ感は本当に激しくて、かつて男として双葉さんを見ていた頃感じたそれとはそれとは別格だった。
あんな少し顔が赤くなって、多少ハァハァする程度の気分高揚とは別格だ。
私の中に隔日に芽生え、そして開放を待ち続ける熱い衝動は、胸の高鳴りは、こんな大人しいものとは違う。


「あぁん・・・ってまた何をしてるんですか?」
「ふむふむ。この感じだと感度は良好ってトコね。」
「んもぅ・・・。本当に何をしてるんですか?」
「ウフフ。ゴメンねぇ。でも本当に女の子の胸になっているかどうかを調べるには感度チェックが一番いいと思ってね。
ホラ、周りのお肉を寄せ集めただけ男の子の胸って全然感じないでしょ?でしょって言われても分からないかも知れない
けれど、まぁとにかく胸が女性化したかどうかを調べるには大きさのほかに感度チェックが重要なのよ。」
などと独自すぎる理論により双葉さんは私の胸を揉む展開を強引に作ってきた。
胸を揉まれる感じに興味がないわけではないが、妖しい眼光の双葉さんに揉まれるのは期待よりも恐怖の方が強かった。



* * * * *



本当は男だった筈の私は、最初のうちは強引で嫌々やらされている(というか餌に釣られた)格好だったけれど、最初に赤いショーツを
身につけた時から抵抗がなくなっていた。履き心地の良い、ピッタリとフィットする下着に好意すら覚えていた。
それからほんの2時間もない程度の今ではもう女の子らしくなる事が何よりも楽しいと思えるようにさえなっていった。

しかしこの時の双葉さんには恐怖を覚えた。双葉さんに睨まれ(見た目は笑顔だけど睨んでいるような気がする)て動けなくなった程だ。
女の感か男の娘の感かは分からないが、とにかく私の感が身の危険を告げたのだ。


逃げなきゃ。
本能的に逃げの姿勢を取ろうとし、私は跳ねるように地面を蹴り上げた。
しかし逃げ道を塞ぐように双葉さんが立ちはだかっていて脱出は出来なかった。
「さて清美ちゃん?ここからが本当のお楽しみよ?今までの楽しい一時すら前座と思えるくらいのお楽しみがこれから始まるんだからネ?
これをしないなんて勿体無いわよ?」
笑顔の双葉さんは、『俺』の考えを読んでいたのだろうか?
笑顔の双葉さんに睨まれた私は蛇に睨まれた変える状態で足が震えて動けなかった。



体の動かない私に双葉さんは一歩、また一歩と近づいてきた。
広くないスペースなので大きめならば一歩で十分なのだが双葉さんは私を焦らしたいのか、とても小さな歩幅で迫ってくる。
四歩目、五歩目・・・。
双葉さんは嬉しそうに私を追い詰めてくる。
この人って隠れSだよ・・・。ゼッタイ!!

双葉さんから逃げたくて、動かない足をどうにか動かし後ろに下がったが直ぐに行き止まりだ。
コーナーに追い詰められた私は逃げる事も出来ず、ゆっくりと、ゆっくりと、小さな歩幅で迫ってくる双葉さんを待っている事しか出来なかった。
双葉さんが私の目の前に達し、彼女は麗しき手を伸ばしてきた。


「うわぁ!!」
「コラコラ清美ちゃん?女の子なんだからそんなはしたない悲鳴を上げてはいけません。」
「で・・・でも・・・。」
「でもじゃないの!!・・・はい。」
双葉さんに悲鳴を窘め?られ伸びてきた彼女の手はまたしても私の胸に到達した。



* * * * *



「えいっ☆」
「きゃん。」
「ふむ。やはり乳首とその周辺が特に高感度のようですね。うりうりうり。」
「ちょ・・・。何をしてるんですか!?」
「そりゃあ胸を揉んでるに決まってるじゃない。感度の高そうなポッチョの部分とその周辺をナデナデ、グリグリしてるのよ。」
気がつけば私は恐怖を感じる余裕もないほどの快感を感じ、そしてその快感に流されていくのだった。


「ウフフ。口を半開きにしてボーっとするなんてだらしが無いわよ清美ちゃん?」
「はへ?双葉さん?」
快感に流されたせいだろう。私の意識も流れていった。
「胸を揉まれるのって本当にいいでしょ?」
「ええ。とっても気持ちがイイれす。」
「それは良かったわ。私としても揉み甲斐があるというものよ。」
そう言い終えた双葉さんは、ニヤニヤと言うべき笑顔をニッコリというものに変えていった。
「こんな風に女の子が胸をもまれるととっても気持ちがイイのよ。まぁ揉むもは揉むので気持ちがいいんだけどネ。」

そして双葉さんは、髪とスカートを直し、それからとびっきりの笑顔をぶつけてきた。
今までの笑顔も(色んな意味で)力のある笑顔には違えないけれど、それらの力作すら前座と思える。
それくらいにこの笑顔は会心で渾身のものだった。
きっとこれは女の子が男に何かを頼みこむ時の笑顔だろう。なぜかは良く分からないがその時は妙に良く分かった。



* * * * *



「そう。女の子が胸を揉まれる。・・・これには何物にも代えられない心地よさがあり、幸せなの。補正下着で作った女体を
女の子が揉んですらこれほどなのよ?れっきとした女の子が男性に揉んで貰ったらどれ程の幸せを噛み締められるかは
想像に難くないわよね?」
「あ・・・はい?」
私には双葉さんの言いたい事が分からなかった。
「だからねっ?清彦君?」
久々に本当の名前を呼ばれたお陰で私は・・・いや俺は清彦である自分を久々に取り戻すことが出来た。
でも双葉さんは本当に何をしたいんだろう?
「もしその気があるのならホテルの中ではお願いね?」
可愛くお願いをする双葉さんに俺はドキリとした。

ああ。やっぱり双葉さんは女の子で俺は男なのかな?
清彦と男を少しは取り戻した俺は、この急激な女性化の流れに逆らった。

そう言えば最初の頃は女の子とホテルへGOする交換条件としてイヤイヤ女装していたっけ?
それで女の子していく楽しさに目覚めてこんななってたんだよなぁ。
そろそろ時間も近いし、女の子の清美は封印して男の清彦に戻ろう。
俺は元々男なんだしその方がきっといい。

・・・でも女の子タイムが終わってしまうのって残念だなぁ。
「でもホテルに行く時は清彦君かもしれないけれど、今の貴女は清美ちゃんよ?・・・というわけで第2ラウンド開始といきましょうか。」
「えっ?」
さっきまでの美しくも可愛らしい双葉さんはその姿を変え、淫乱な性欲魔女がその姿を現したのだった。



女は化け物と言うけれど、まさかここまでとは・・・。
外見はパッと身なら同じ筈なのに、今の双葉さんはさっきまでの愛らしいお嬢様の面影もない。
人の性を貪り食う淫魔か何かにしか見えない。
双葉さんは私を強引に抱き寄せた。
あの細い腕からは想像もつかないほどその腕の力は強く、恐怖や驚きも加わって私は身動き一つ取れなかったのだ。

強い力で抱かれたせいで私の胸が押し潰されるのが分かる。
双葉さんは自分の胸を上下させているのだろうか?私の胸が動かされ揉まれるのに近しい快感が私を襲う。
そして双葉さんは更なる方法で私を襲うのだ。


「はぅっ」
私の体内に・・・いやきっとこれは胎内だろう。
私の胎内に細くて長い何かが入っていくのが分かる。
これって双葉さんの指かな?それにしては太い気がするからペニバンって奴なのかな?
頭の片隅で冷静さを保とうと、状況を判断しようとした私だがそんなものはどうだって良い。
この気持ち良さの正体が指だろうがペニバンだろうが、本物のペニスだろうがどうだっていい。


「あぁん。はうっ。イイ」
挿れられて、出されて、また挿れられて・・・。
気がつけば押し倒されて横になっているのも気がつかないほど双葉さんに無理矢理犯される。
男の自分が女の子である双葉さんに犯されるなんておかしい筈だけれど、現実問題それが起きている。
激しく腰を上下させる双葉さん。その動きで彼女の股間の辺りにある堅いモノが出たり入ったり。
本当に気持ちがイイ。
捏ね繰り回されて、引っ掻き回されて、痛みは感じるけれどそれ以上に気持ちがイイ。
この快感は尋常ではない。感覚が麻痺して狂いそうなくらいに気持ちがいいよ。
現に、双葉さんに胸を押しつぶされているのに柔らかく気持ちがいいものを感じない。
むしろ私の豊満な胸が堅いものに潰されるような感覚を感じてしまうほどだ。
それに時折漏れる双葉さんの声もちゃんと聞こえない。まるで例のお茶を飲む前の私みたいな声に聞こえてしまう。

でもそんな事はもうどうだって良いや。
双葉さんに犯される。挿れられて、ピストン運動をされ、捏ねるようにされて、引っ掻き回される。
この気持ちよさを感じられれば今がどういう状況だろうがどうだっていいや。
さっきの双葉さんじゃないけれど、女の子の扱いを受けるって信じられないくらい気持ちがイイ。



いつしか挿れられているモノから熱さを感じる。
痛くて熱い!!・・・でも気持ちがイイ

やっぱりこのショーツは穿くと女性化するんだなぁ。
その事を確認しながらも、何故、犯される事が出来るのかは分からないままだ。
オシッコをする時に少しショーツをずらすだけでも男に戻ってしまうのに、女性として挿れられることが出来るなんて・・・。
まだ感覚が麻痺してるのかな?
挿れられる事自体がありえない筈なのに、双葉さんのペニバンが太くなったり振動したり・・・今は脈打つような躍動を感じるし。
私についていたペニスでもここまで激しく動かないのに、ペニバンでこんなに激しい動きや快感を感じるんだから私ってもう壊れちゃったのかな?
あぁんダメェ
双葉さん!!それ以上ペニバンを大きくしないでぇ。
それ以上激しく動かれると私壊れちゃう

あぁ・・・熱いよ。
双葉さんから熱いものが流されてゆく・・・そんな感覚がある。
私の胎内が快感の力で溢れてくるわ。
もう・・・『俺』には抑えられない。
快感に流されていた私は、とうとう快感に溺れ意識を失ったのだった。
快感の許容量を超え、限界に達した筈なのに、本物の女性として男性に抱かれてみないなどと更なる快感を貪欲に求めながら・・・。



* * * * *



「目が覚めたみたいね。清美ちゃん・・・それとも今はもう清彦君と呼んだほうがいいのかな?」
目を覚ますと目の前には双葉さんがいた。
彼女は相変わらず美しくも可愛らしい美少女の姿をしていた。
先ほどのアレは夢か現実かは分からない。
ただ、双葉さんの服は乱れてはいなくて使っていたと思われるペニバンも見えはしない。


「今日は色々有難うね。私はかなり楽しめたわ。」
「はひ。こちらこそ本当に楽しかったれす。」
私・・・いや俺かな?
とにかく自分はまだ夢見心地で、舌も回らない状態だ。
ただただあの時の気持ち良さが忘れられなくてそのことばかり考えてしまう。
・・・考えと言うか動物的欲求でソレを求めていると言った方が良いかも知れない。
だって、今はロクにものも考えられないくらいにボーっとしているんだもん。
これは単に寝起きが原因と言うわけでは無いだろうきっと。


「あっ・・・そう言えば・・・?アレ・・・声が・・・?」
いつの間にか女声化の効果も切れていたようで、俺の声は今まで通りの低いものになっていた。
もともとの状態で、あるべき状態に戻っただけだと言うのに俺は違和感を感じずにはいられなかった。


「夢はいつか醒めるものなのよ。まぁ本当は現実だけどね。」
俺の疑問を察してくれたのか、双葉さんは何も言わずとも答えをくれた。
ただどちらとも取れるような分かりにくい回答だったけれど。

「結局どっちなんですか?」
「シンデレラにかけられた魔法は時間が来れば解けるものなのよ。だから例え現実だとしても、夢を見てたのと大差は無いわ。
だって男の子が女の子になるなんて夢のまた夢のような話でしょ?世の中にはどれ程たくさんの人が、作り物の女体を手に
入れるのに高いお金と長い時間をかけていると思うの?下着一つで女性になれるなんて夢と魔法の世界の話よ。」
まだ頭が上手く働いてはいないし、双葉さんの説明はあえて分かりにくいものにしているようだがこれだけは分かった。
あの女の子タイムは現実のものではある。しかし夢のような話であり、その夢を見る事はもう出来ないのだと。
その事に寂しさを覚え、涙を流しそうになったが俺は男だ。ここで泣く事は許されないのだろう。きっと。


試しにスカートの中に手を入れてみた。
確かにショーツは穿いていたが、膨らみを感じた。
「ごめんね清彦君?さっき君がショーツを汚しちゃったもんだから勝手に変えちゃった。」
「そうですか。」
普通に考えたら、大慌てするような一大イベントだけれどなんだかもうどうでも良くなった。


「あらら。勝手な事をした事で機嫌を悪くされるのは困るけれど、でもここまで無反応って言うのも寂しいなぁ。」
「ええ。すいません。ただ、今日はいろんな事がありすぎてもう動じなくなったんです。」
4人の美少女に誘われてのデートでも十分凄いのに、その後は豪華+ハーレムなデートで、何より女の子を体験できたのだ。
今更、大概の事ではもう動じはしないのだろう。
「さて・・・それじゃあ、今からが本当の本番よ?帰る準備を終えてホテルに行きましょ?」

ああ。そう言えばそう言う約束だったっけね。
本当。当初はメインイベントだった筈なのに、何度も何度も忘れちゃうよ。
私にとっては女の子の体を手に入れる事の方がメインイベントかもしれないものね。
「だからもう女装はしなくていいのよ?キ・ヨ・ヒ・コ君♪」
双葉さんに促されるままに俺はブラを外し、ショーツをトランクスに代え、そしてスカートを脱いだのだった。


あーあ。
夢のような女の子タイムはもう終わってしまったんだな。
この瞬間に、色鮮やかで濃密だった。そんな絶頂の一日が急に色褪せたのだった。



* * * * *



スカートもランジェリーも脱いで、私は男の姿に戻った。
長く(短く?)楽しい夢ももうお終いだ。
一応は思い出の品と言う事で今日身につけたショーツなどの商品は譲って貰える事になった。(スカートなど譲って貰えない商品もあったが)
オーナー店長さん。ご好意有難うございます。
まぁショーツが精液で濡れてしまうなどの理由により、もう売り物にはならないから貰ったと言うのもあるけれど。
でも普通なら弁償モノなのに無料で譲って貰えるのは感謝感謝だね。

「それじゃあ清彦君。最後にここのご主人様に挨拶とお礼を言って帰りましょうか。ランジェリーの事もそうだし、何よりも今日
このお店を貸切にしてくれたのはあの方のご好意ですもの。」
「ええ。そうですね。」
どこかに引っ掛かりを覚えながらも、私・・・じゃなかった。俺は女子更衣室を出発したのだった。
もう女子更衣室も、私と言う一人称もお終いなんだ・・・。寂しいけど仕方がない・・・よね?



「あっ!!双葉さん達が来ましたよ若葉さん。」
「清彦さんに双葉、どうでしたか?」
「ええ。もうバッチリよ!!」
「わ・・・俺の方も十分楽しめました。今日は本当に楽しい一日でしたよ。特にここでの出来事は別格でしたよ。」
「フフフフ。それは光栄だ。」
声と共に奥の部屋から誰かが現れた。



「双葉君暫くぶりだね。それから清美ちゃんだよね?今は。今日は楽しんでくれましたか?」
「ええ。今日はとっても楽しめました。」
「それは良かった。」
「ちょっとオーナー。男のコの清彦君をちゃん付けで私を君付けってどういう事なの?いくら貴方でも少し冗談がきついですよ?」
「すまないすまない。双葉お嬢様も楽しんでいただけたかな?」
「ええ。これから先の事を考えるともう気分はサイコーですよ。」
「ここでの出来事が前座と聞こえる回答だな。」
「でも実際そう言うところも無きにしも非ずですよ。」
「それは手厳しいな。でも君自身も楽しめたんじゃないのかな?」
この人と双葉さんの関係性はよく見えないが、何か盛り上がっているのは分かった。
なんに盛り上がっているかはよく分からないけれど、この魅力溢れる男性と一緒にいれば普通の女の子は気分が高揚しちゃうよね。
俺は男だけど、何となく分かる。この人の不思議な魅力は女性の心を持ったものに絶大な効果を発揮するって。


「あの・・・すいませんオーナーさん。下着の事なんですが・・・。」
「ああ分かってる。」
「いや・・・気に入ったと言うわけでは・・・?」
本当は気に入りすぎて、色々な商品が欲しい。所持金全部をはたいてでも買い物をしたいくらいだが恥ずかしくてそれを口にすることは出来ない。
「強がりは良くないよ。聞くところによると、ランジェリーを身につけて相当楽しんでくれたようじゃないか。双葉君や一葉君から聞いたよ。」
「はうっ!?」
穏やかな口調でそういうオーナーさんに俺は赤面した。


「まぁここは良しとしないか?君としても下着を濡らした事で怒られるよりも、自分の店の品物を気に入ってくれて嬉しいと
言われた方が気分がいいだろ?」
「ええ・・・。まぁ・・・。」
「それに、禁断の果実は美味しそうに見えてしまうのが人のサガさ。本来身につけてはいけないと言われるランジェリーを身につける
機会があったら人は興味や好奇心によりついつい身につけ、禁断の果実を味わってしまうものさ。再び果実を口にするかどうかは
その人次第だろうがね。」
女装肯定!!
そう言わんばかりのこの人の言い草に俺は少し安心したような、恥ずかしくなったような。
女の子の格好のことだからか、本来は異性である双葉さん達、美少女勢に言われるより男性であるこの人に肯定された方が不思議と恥ずかしかった。



* * * * *



オーナーさんについては未だによく分からなかったが、嫌な顔もされずしかも無料でランジェリーを貰えたのは幸運だろう。
その意味ではショーツを精液でべっとりと汚して正解だったのかもしれない。汚してしまえばこのショーツは俺が使うしかないもの。
あのやり取りではそれがなくとも女性用のアイテムが手に入ったかもしれないが、やっぱり自分の方からランジェリーやスカート
を持って帰りたいなんていうのは恥ずかしいもんね。特に男性であるあの人の前では恥ずかしくてお願いできないよ。
欲を言えば、スカートやもっと別のランジェリー(一葉さんが見繕ってくれたものは結局は貰えてない)が欲しかった。
ここは発想を切り替えて、何も言わずとも幾つかのアイテムが貰えてラッキーと考えるべきかな?

にしても、女性化の反動か今日の俺は精力絶倫らしい。ドロドロでネバネバのものを大過剰に放出した筈なのにまだまだアレが元気なのだ。
欲求不満で出してしまいたいと、アソコが叫んでいるような気すらする。


「それじゃあこれから最終ラウンドの会場に行きましょうよ清彦君。」
「そうですね行きましょうよ。亜紀ちゃんもきっと楽しみに待ってますよ。」
「あれ?楽しみにしてるのは若葉さんも一緒じゃないんですか?」
「いいじゃないですか別に私が何と言ったって。」
ランジェリーショップの前と変わらぬ美少女達に俺は少し安心感を覚えた。


「それじゃあ清彦君?一旦は私がこのランジェリーセットを預かっておくわね?」
「えっ?」
「当たり前でしょ?というか言ったでしょ?ホテルの中で貴方は清美ちゃんではなく清彦君なのよ?」
「そうですね。なんだったら私達が着飾って清彦さんを楽しませる為に借りるというのも悪くないですね。」
「成るほどぉ。さすがは若葉さんです。こういう使い方もありましたね。」
双葉さんにひったくられるようにランジェリーを奪われた私は呆然とし、再び判断力を失った。


まぁいいや。これはこれで十分なお楽しみだし。
まぁいいや。どうせ下着は後で返ってくるんだし。
まぁいいや。この下着の双葉さんはきっと可愛いんだろうし。
まぁいいや。初の行為に没頭していればこの寂しさも忘れられる。

でも・・・本当言えば今すぐこの下着を身につけたいよ・・・。
この可愛らしい下着を身につけた双葉さん達は、俺にヒィヒィ言わされながら絶頂を向かえるのかな?
気を失うほど気持ちのいい目に遭うのかな?
仕方がない。羨ましいけど俺も男だ。
この虚無感は美少女を抱くことで無理矢理忘れるとしよう。
どうせ当初の予定は男としてホテルに行く程度のご褒美だったんだ。
これ以上のものを望んではいけない。



* * * * *



ホテルに向かうウキウキ気分の車内なのに、俺はつまらなさそうに黙りこくっていた。
俺を楽しませようとその場を盛り上げ、笑顔で話を振る双葉さん達を尻目に。(亜紀こそは終始無言だったが)
俺は男だから双葉さん達とお楽しみをするのが良いんだ!!
などと自らに言い聞かせても視線や志向の先にあるのはあのランジェリーだ。他の事はもうどうだって良い。
双葉さんの「ところでこの中で一晩共に過ごす相手を選ぶなら誰?」という問いかけに「誰でもいいです・・・。」と空返事をする程だ。
この失礼な返答に双葉さんの目が光った事も正直言ってどうだって良い。
別れ際に、双葉さんが間違えて清美ちゃんと呼んでくれたことには食指が動くがでもやっぱりどうだっていい。
ランジェリーや女体がなければ面白さは9割減だ。


車を降り、ホテルに着いた俺は双葉さんの言った部屋に向かうことになった。
「元に夜を過ごす相手は誰が良い?」と言う重要な問いかけに対してはまたも「誰でもいいです・・・。」だ。
そんな俺に対して双葉さんは怒りもせず「それじゃあ最適な人を用意するわね?」とだけ言って鍵を渡してくれた。

最上階にあるスイートルームへ向かった。
扉を開けた先に待っていたのは、銀髪(白髪?)の男性だった。
そう。あのお店のオーナーなのだ。
そして彼の手にはランジェリーが握られていた。
あのお店の中で、私を私にしてくれたあのランジェリーが握られていた。
私の視線は彼の手元(と股間)に釘付けになっていた。



* * * * *



ランジェリーショップでの様子だと、清彦君・・・もとい清美ちゃんは落とされただろう。
あのお店のオーナー・・・もといご主人様と一晩過ごす事に抵抗を覚えなければ彼の運命は決まったようなものだ。いや、彼は終わって彼女か。
最初は驚くだろうが、あの方が女体か下着を差し入れとして持ってきたとでも言えば清美ちゃんは食いつく。
そして、「本番の前に少し使ってみないか?」とでも言われれば、清彦君が清美ちゃんになる口実が出来てそのまま女性化プレイに突入だ。
一晩かけての女性化プレイで清彦君が残る可能性は0に等しいだろう。

あっ若葉から連絡だ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
やっぱり清美ちゃんはご主人様の申し出を喜んで受け入れたそうね。
まぁそれも当たり前か。
女体化羨望デート計画をたったの1日で完結できる猛者なんて早々いない。
私ですら5回目にしてようやく落とされたんだ。
清美ちゃんほど素質のあるコがこの場面でランジェリーを使わないわけがないし、男性を受け入れないとも考えられない。


なかなか長い1日だったけれど、私の任務はこれで完遂だ。
これさえ終われば女の子・・・とびっきりの美少女の体が手に入るんだ。完全に。
これから女として、思いっきりイかされる清美ちゃんは羨ましいが私の女体化はこれで一応の完成なのだ。
ご主人サマ?ご褒美として双葉を・・・かつて葉二だった私をちゃんと女にして下さいね?
さて、清美ちゃんが本当に清美ちゃんになれるのは何年後だか?



* * * * *



「もう少し・・・。後ほんの少しなんだ・・・。」
あと少し・・・。ほんの少しだけ頑張って、あと一歩だけ踏み込ませる事が出来ればこれで終わる。

これさえ終われば女の子・・・とびっきりの美少女の体が手に入るんだ。
やるべき事を終え、私は試着室のカーテンが開くのを待った。



出てきた少年の優(まさる)君はちゃんとショーツを身につけていた。恥ずかしがりながらも満更でもない様だ。
優君・・・いいえ優(ゆう)ちゃん貴女も女の子になるのよ?
彼の膨らみを見つつ、ショーツの似合わない優ちゃんを前に私は今晩のご褒美を楽しみにしていた。
私にとっての初陣である優君の優ちゃん計画で、かなり活躍したのだからご褒美はかなり期待できそうだ。
あの晩の再来と言う可能性もある。・・・それともまずは自らの女性化を進めて貰う方が先決かしら?



* * * * *



あの晩に、私の運命は決まった。

一夜を共に過ごす相手が男だという事に一瞬だけ抵抗を感じた私だが、彼の手に握られていた女性化ランジェリーを
前にして男としてのささやかな抵抗なんて一瞬で吹き飛んだ。これでまた私に・・・清美になれるんだ。
その喜びでさっきまで考えていた『美少女と楽しんでこのモヤモヤを忘れよう』なんて事はすっぽりと頭の中から抜け落ちていた。
このランジェリーを身につけて女になって、しかも男性がお相手してくれるんだ。
その時の私は涎を垂らすほど女性化ランジェリーを魅入っていたらしい。
あのお店のオーナー・・・ご主人様から後で笑われるほど魅入っていたらしい。
それほどまでに女体に羨望を覚えた私がとるべき行動なんて一つしかない。
こうして私は女の子になったのだ。


いや・・・女の子になったと言うのは少し正確じゃない。
完全に女性化する事を望む男の娘になった・・・が正しいだろう。
だからこそ私はこうしてご主人様の命を受けて一生懸命働いているのだ。
完全に女性化する日を夢見ながら。



どういう仕掛けか分からないけれどあの晩以降、清彦と言う人間は社会的に消滅し代わりに清美が存在するようになったらしい。
両親もクラスの皆も清彦が消えた事に何も言わず、清美の存在を当たり前のように受け入れていた。



そして私は双葉さん率いる仲良し4人娘の一員として認識されていた。だから学校内随一の美少女5人組か。
男子生徒からの熱い視線や、女子生徒からの眼差しがとっても気持ちイイ。
しかし、私は社会的に女になったけれど完全には女性化していないのだ。



* * * * *



「はーあ。オフになると折角の女性化状態が解除されるのって本当に嫌だわぁ。」
一仕事を終えた私は、不評を零した。
「文句を言ってはいけませんよ清美さん?今回の件がどれ程に良い仕事かは分かっているのでしょう?」
不評を零した私を窘めるのは若葉さんだ。ただしその姿は学校でお馴染みのクール&ビューティーではない。少し地味で大人しそうな少年の姿だ。
因みに服装はお気にの白ワンピと青のカーディガンだ。
見た目は女装好きの男の娘だ。しかも特に綺麗でも可愛いわけでもない。

「そうですよ。今回のお仕事のご褒美でどれだけ女性化が進むのか。考えただけでも羨ましいです。」
聞きなれた、おっとりとした口調の声が部屋中に響き渡った。ただしその声はかなり低く響き渡る低音ボイスだ。
声の主はご存知一葉さんだが、あの一葉さんでは無い。
身長180のガタイの良い男の娘である葉一君なのだ。
胸はあるが、彼は基本的にゴツイ男だ。


「んもぅ・・・酷いですよ清美ちゃんは。私が出てくる度に驚いてませんか?」
「ええ。まぁそりゃあ驚きますよ。私の知ってる美少女達の本当の姿がこんなんだとは。」
「変な事を言うんじゃないの。清美ちゃん・・・いいえ清彦君。」
「双葉さんが一番変な事を言ってるじゃないですか?」
出てきた双葉さんは、幸いにも私の知っている双葉さんと同じで外見は美しく声は可愛い。理想的な美少女のままだ。

「ゴメンねぇ。でも清美ちゃんもご主人様の為に働き続ければ女性らしい体が手に入るわよ。公然の場のみの一時的なものではなく
私みたいなオフの日だって立派な女体がね。」
「しかし最後の砦だけは未だに残っているという指摘だけはしておきましょうか。」
「ったく・・・。若葉は私に対しては本当に容赦がないんだから。」
「親友暦が妙に長いですからね。ついでにもっと早く誘ってくれなかった事は密かに恨んでますよ。」
「ゴメンゴメン。でも葉若(ようじ)君は頭が良いから男性として社会的地位の高い仕事につくのが似合ってると思ったのよ。」
「それを言えば葉双さんこそ、財閥の後取り若旦那を目指した方が皆さん喜びましたよ。」
「若葉までそんな事言うの?」
「やっぱり?」
「せーの。」
「「そんな事より女の子してる方が楽しいんだもんねー。」」



初めて事実を聞いた時は本当にビックリした。
双葉さん達美少女4人組は実は男だった。少し前の私だったらショック死ものの衝撃だろう。
しかしその時の私はショックは大きいが同時に喜びもあった。だって男の子がこうなれるのなら私にだって美少女になれるチャンスがあるという事だから。

詳しい経歴などは分からないけれど、あのランジェリーショップの主であるご主人様は素質ある男の子を見つけては女性化をしているらしい。
女性化をしているとは言っても、決して強引にするのではなく彼らに女の子をする楽しさを教えてあげて進んで女性化するように仕向けているらしい。
現に私は自分の意志で、女性化する為にご主人様の言う事なら何でも聞いてしまうような子になっている。女の子になれるのなら奴隷でも性奴隷でも問題ない・・・っていうか後者だったら望むところなくらい。
だから男の子を女性化するというよりも、女の子として生まれてくるべき子が間違って男の子として生まれ育った歪を修正し、彼女達、私のような子を解放していると言った方が正しいのかも知れない。
これが世に言う次元の管理人と言う人なのだろうか?違う?

こうしてご主人様、或いは双葉さんのようなあの方に服従する者は素質ある子を見つけては『開放』しているらしい。
双葉さんは小学生の時かれこれ8年前に解放され、次いで一葉さんが中学に入って間もなく、若葉さんは中3の受験を意識している時で
亜紀はごく最近になって解放されたらしい。勿論私も解放されたよ(笑)




ただ、そう簡単にご主人様は完全な女体をくれなくて今の私達は人前では女の子の姿をしていられるがオフの時は男の姿に戻っているという状態なのだ。
彼の仕事である解放運動を手伝った見返りとして、より女性らしい体やオフの時でも女の子でいられる権利などが貰えると言うポイント制のシステムなのだ。
そんなわけで、私はご主人様の依頼で新しいターゲットである1年生の優君・・・優ちゃんに女性化の悦びを教えてあげたのだ。
若葉さんを参謀に従え、なかなかいい女性化のレールを敷けたないのかと自負している。
どれだけの女性化(ごほうび)が手に入るのか。今から楽しみでしょうがない。

体の良い奴隷化と言えない事もないが(そうとしか言えない?)私達は、みんな喜んで主人様に従っている。
だってあの方の為に働けば女性らしい体が手に入るのだ。こんな好条件の就職がこの不況の時代にあるのだろうか?
プライスレス。お金じゃ決して買えない好条件の職場です。

まぁ、ご主人様が洗脳や催眠術を駆使して私達を体よく利用しているのではとの見方もあるけれど(開放だけが目的ならすぐに女体をくれるという選択肢もあるし)
ここは彼のために尽くす女として、偉大なる任務の為に人手が必要だから開放を交換条件に利用するのは合理的で、納得の行く選択だという事にしよう。



仮に本来、私には女性になれる素質が無くムリヤリ植えつけられていたものだとしても問題ない。
だって、今の私は女の子になっていく事を望んででいるのだ。最終的に女性化できれば後のことなんてどうでも良い。
洗脳や催眠術みたいなものが原因だったとしても、女の子になってゆくことは幸せなのだからこの事で文句を言うのは有り得ない。


まぁ強いて言えば、もう少し女性でいる時間を増やして欲しいとは思うんだよね。
人目につかないオフの時は仕方がないにしても、トイレの中でオシッコをする時すら男になってしまうのは少し悲しい。
お陰で女の子スタイルのオシッコは未だに経験した事が無い。
まぁ学校内では体育や着替えの時も含めて女の子になれるから、誰も私が女の子じゃないだなんて疑わないから女性として生きて行く
上では問題ないんだけど、恋愛も、エッチも、オナニーや女の子としてのファッションすら実質封印されているようなものなのはツライ。
可愛い服を見つけても、部屋の中で好きなように着替えるときとか男の姿って言うのは結構堪えるよ。そう言う時にご主人様にはもっと手早い真なる開放を行って欲しいと思う。
結局は、女性として開放されるには努力をしなければいけない、という彼の持論の前に却下されて今週もまた働いているのだけれど。



* * * * *



「それで、清美ちゃんは今回のご褒美どうするの?」
「そうですね。中心人物と言う立ち位置だからかなりのボーナスが期待できますね。私は端役なのでたかが知れてますけど。」
「文句を言ってはいけませんよ若葉さん。今回私はお休みなんですよ?小さくても手柄があるだけ良いじゃないですか?」
今回の優君、優ちゃん化計画も初回を終えて私達は打ち上げ気分でガールズトークを楽しんでいた。双葉さんはともかく他はかなり男だけど。

「色々と迷ってるんですよね。ご主人様にこの火照った体をどうにかしてもらいたいというのもあるんですが。」
「清美ちゃんって結構お盛んなんですね。」
「だってご主人様にシて貰うと女性の幸せを噛み締められる上にその間は完全に女性でいられるんですよ?いいじゃないですか。」
「しかし、そういう嗜好品的な女性化ばかりしていると後々困りますよ?」
「胸がなかなか成長しなかった若葉みたいにね。この子ったら真面目少年時代に耐性が無かったせいでご褒美はご主人様に抱いて貰うのばっかだったの。
だからポイント溜まっても直ぐに使っちゃって胸の成長とかにポイントを回せなくってね。お陰で今もひんぬーちゃんなのよ。」
「余計な事を言わないの。」
「しかも若葉さんはお胸の成長の素質が無いから、余計にお胸で苦労しているんです。」
「もぅ・・・って事で清美ちゃんは先輩を気遣って巨乳化のお願いはやめてね?」

部屋中に笑い声が響いていた。
笑い声が妙に低く感じるのはきっと一葉さんのせいだ。私じゃない・・・と信じたい。



「ところで前から気になってたけれど良いですか?」
「どうかしたの?」
「ええ。もし私が清彦を保っていたらどうなるのかなって?仮に男でいられなかったとしても今回ほどあっさりと女性化していたかどうか
は分かりませんし。その場合って私は男になっていたんでしょうか?」
「まぁ男になっていたというか、男のままだったというほうが正しいのだけれど・・・。」
「意地悪いわ無いで下さいよ若葉さん。私は若葉さんと同じ性別なんですよ?」
「うっ・・・見事なカウンターね。」


「清美ちゃんにならず清彦君を保っていた場合は幾つかのパターンがあるわ。」
待ってましたと言わんばかりに双葉さんが説明にはいっていった。
「まずは、清彦君が清美ちゃんとして目覚めそうでギリギリ目覚めなかった場合ね。この場合は約束通りホテルイベントが起こってその他は次回に持越しね。
オンナノコする気持ちよさを覚えた清彦君なら、次回か次々回・・・後何回かデートに誘えば清美ちゃんになるから結果としては今と同じようになるわね。
ただ少し遠回りになるけれど。・・・というか最初はこの予定だったのよ?ただ清美ちゃんへの変化っぷりが余りに良いものだから一日でカタがついたのだけれど。」


「そのパターンの場合は今と大差がないと。」
「ええ。今日の優ちゃんのケースだってそれじゃないですか。」
「次は、ターゲットだった子が実は素質が無かった場合、或いはデートの内容が下手すぎて開放が全然出来ないままホテルに行ってしまう
ってケースね。この場合は開放は失敗なのでポイントが貰えずに女性化の進行はないの。」
「失敗はタダ働きですか・・・まぁ男性化させられる罰が無いだけマシかな。」
「そうね。それに一応はメリットが無いわけでもないのよ?」
「そうなんですか?」
「双葉が清彦さんに言ったご褒美の内容を思い出せば分かる筈です。」
「双葉さんが・・・?ホテル・・・!?」
「ええ。ホテルの中で一晩中、女性として抱いて貰えるのよ?ポイントは貰えないけれどそれはそれで悪くないでしょ?」
「悪くないどころか、小規模のポイントよりも美味しいくらいですね。」
「その場合は相手男性に選んで貰えないと完全タダ働きですが、選ばれると色々と特典があるのですよ。」
「若葉さん。涎は垂らさないで下さいね?」
「ああ・・・ご免なさい。それで、特典なんですが端的に言えばその時に選ばれた娘ってホテルにいる間中、ずっと女性の体でいられるの。
だから本番以外でも女性として可愛い格好を楽しんでしかもそれが相手の方にも喜ばれるとかそう言う楽しみ方も出来るのよ?」
「更に隠し特典としてお風呂やトイレも女性として利用できるというのも魅力的ですね。私なんかは最近まで女の子スタイルでオシッコ
できない違和感をホテルの中で解消した経験があります。男性とホテルに行くのって本番以外にもお楽しみがいっぱいです。
私達がしきりに清彦さんを誘ったのにはそう言う理由もあるんです。万一任務に失敗しても楽しい一晩になれますからね。」
「妙に豪華な特典ですね。何でそんな豪華なんですか?」
「それはご主人様の意向なのよ。建前的な色合いが強いとは言え、相手男性には最高の夜を提供するって約束したでしょ?
それがお風呂の中では男でしたとかじゃ卒倒する事もあるじゃない。そういったトラブルに対する対策よ。普通の場合はともかく
ホテルの中ならお風呂やトイレの中に入ってこられる可能性も無いわけじゃないでしょ?だからホテルの中では常に女の子なの。
必ず処女の美少女が貴男に最高の一晩を提供しますって。」
「成る程。建前として言った筈の事すらしっかりと守るご主人様は正々堂々としています。少し疑っていた私が恥ずかしい。」
「ええ。ご主人様は凄く紳士的ですよ。最後のパターンを聞いてあの方をもっと尊敬して下さいね。」

「最後のパターンは、ターゲットが女性化の魅力を理解できる人物で女性化願望が目覚めるものの、見事に男として打ち勝ち
それを克服し男を保っていられるってパターンね。」



* * * * *



「それってかなり凄いパターンですよね。普通の男性ならまだしもこの気持ちよさを分かった上で男を保てるなんてまさに男の中の男ですよね。」
「ええ。この計画の目的は女性の素質のある娘を開放することだけれど、素質を持ち女性化に魅入られながらも見事克服し男を保つ猛者
にはご主人様も敬意を表してできる限りの報奨を与えるのよ。あの方は立派な者を立派と認めるだけの度量があるのよ。」
「確かにそうですね。そんな素敵な男性を女性化して男の力を奪い取るとかそんな真似をしないのはさすがご主人様って感じです。紳士的。」
「そんな男の中の男がどうなるか・・・当然気になるでしょ?」
「ええ。気にならないわけ無いですよ。」

「ズバリ、ハーレムエンドって感じね♪私達が清彦君に約束したように、ホテルの中にその場にいる女の子全員を連れて清彦君の場合
ならば4人がかりで、最高の夜を提供する為にご奉仕するわ。もちろんさっき言ったようにその時の私達は完全に女の子でしかも処女の状態での女性化よ?」
「それは豪華で良いですね。」
「それだけじゃありません。その豪華なひと時はホテルから出ても続きます。シンデレラの魔法はずっと解けないのです。」
「まさか・・・それって・・・。」



「ええ。4人ともずっと清彦さんの為に尽くす女になっていたんですよ?勿論気に入らない娘は選ばないことも出来ます。
そして選ばれた娘は4股を嫌とは思わずに、選ばれた事を光栄と思いながら生涯をかけて清彦さんに尽くし続けたのです。」
「それって凄いですね。」
「清彦さんの為ならみんなお金を稼ぐ事もお世話をする事も最高位の仕事と言わんばかりに張り切ります。因みに、清彦さんには
真実が明かされますが女の子達は完全に女性化しているので愛人は男なのか?などと思う心配はありません。元男・・・という
部分はでは流石にどうしようもなりませんが、でも戸籍も体も女で赤ちゃんだって産めるので当事者の記憶以外、私達を男と
示す要因は存在しません。」
「ナニソレ?それってすっごく羨ましい!!」
「一応聞くけど、それってかつての自分の条件が恵まれていたって言いたいの?それとも私達が羨ましいの?」



「そんな事は聞くまでも無いでしょう。『清彦さん』がご奉仕されるのは当然です。女性化の魅力を克服できる男性に週に2回近くも
抱いて貰えるなんて考えられないくらいの好待遇じゃないんですか!!そんなビッグチャンスがあったなんて双葉さん達はどんなに恵まれて
いたんですか!?」
「「「やっぱりね。清美ちゃんならそう言うと思って(いたわ/いました/いましたよ)」」」



私の女性化はもう来る所まで来てしまったらしい。女性化と言っても精神的なもので肉体的にはかなり男だけれど。
かつての自分に生涯わたっての4股ハーレムエンドの可能性が存在していても、それを惜しいとも羨ましいと思わずに
例え四股でもそんな素敵な男性の一緒にいられる女の子を羨ましいと思う私はこの体でも男とは呼べまい。
週に2回も無い女性として愛される行為にここまでの羨望を抱くとは、やっぱり私は清彦さんではなく清美なのだろう。
そして清彦という男性はもう存在しないのだな。
今の自分の境遇を完全に理解したような気がした。
それと同時に少しだけ心苦しい想いをした。



「それじゃあ亜紀・・・元敏章は清彦と付き合いたくって女性化したってことですか?」
「ええ。清彦さんが女性化に打ち勝つ事が出来れば亜紀さんは女性として、清彦さんの恋人・・・上手く行けば奥さんになれましたからね。
清彦さんにほのかな感情を抱いていた亜紀さんはその為に女性になったと言っても過言ではありません。」
「亜紀には悪い事をしたかなぁ。」
「でも仕方が無いわよ。私達の忠告も聞かずに敏章を捨てて亜紀ちゃんになったんだもの。清彦だったらきっと男を保てる。
問題は例え4股でも自分を選んで貰えるかどうかだけだって。かなり分の悪い懸けになるとは言ったんだけど。」
「ええ。清彦さんは特に女性化に魅入られやすかったですからね。」



「そうですよ。たったの一日で計画完遂って清美ちゃんしかいませんからね。4人がかりで計画の質も高かったとは言え
余程素質がないと・・・というか清美ちゃん以外は一日で落とされた娘なんていないんじゃないですか?」
「見る見るうちに、ガールズサイドに落とされていく清美さんを目の前に、亜紀ちゃんは見るのも辛くなって後半は店内にいることすら
出来なくなりましたよ。自業自得と言えなくも無いですが、乙女心の持ち主としてはなかなか切ない話ですよね。」
「結局亜紀ちゃんとは未だに和解出来てないの?」
「ええ。亜紀は私を避けてるみたいで、グループとして一緒の場合を除いて目も合わせられないようです。」
「亜紀ちゃんとは同性の親友としての関係を再び築くしかないわね。」
「ええ。事情がかなり違いますが私と双葉だって一度は同性の親友としての関係が壊れてしまったけれど今があるのです。根気強く亜紀ちゃんと向き合っていればいつかきっと通じ合えますよ。」
「ええ頑張ります!!それから女性化ポイントを稼ぐのも頑張ります!!」
「そこは少し遠慮して私にでも譲って欲しかったです。」


この時に部屋の中に響いた笑い声は不思議と女の子の笑い声だったような気がする。



* * * * *



「あっ!!そろそろ時間ね。」
気がつけばご主人様がここに来る時間になっていたようだ。

ウフフ。
今日の活躍でどれほどのご褒美が貰えるのか今から楽しみで仕方が無い。
あの方に抱いて貰って子のほてりをどうにかしたいというのもあるが、若葉さんの言うとおり嗜好品的なものより後に残る女性化の方が良いだろう。
自分の部屋の中で女の子の服を着る時は女の子でいられる。月一でベッド内では女性化し女の子オナニーができるようになる。
女子トイレの中では座ってオシッコできるようになる・・・だと今回の女性化ポイントじゃ足りないか。

若葉さんには少し悪いけれど、今回はナイスバデーの巨乳化でもお願いしようかと思う。
双葉さん曰く、初期バストがBに近いAと言うのは素質があるようだが私はまだ胸が無い。
女の子状態なら結構可愛い顔で、きれいな肌や髪と思うが如何せんスタイルが微妙で5人娘でも人気が今一歩延びていないから胸を大きくしてみたい。
私のスタイルが良くなれば、きっとこんな風な美少女になるだろう。
↓そーぞーず



双葉さんが一応の女性化完遂まで8年もかかったから私の完全女性化もかなり長い道のりだろうが、それもそれでいいだろう。
私って焦らされるのも意外と嫌じゃないのだ。
勿論、すぐに女性化してもらえるのなら喜んで受け入れるけれど。




ウフフ。
楽しみだなぁ。涎がでそう。
この任務ってやってみるとかなり難しいからポイント弾んで下さいねご主人様?


だってその気にさせるとは言え、決して可愛くも無い優君の下着女装姿(モッコリ)を可愛いって言い張るのは意外と神経使うもの。
まぁ自分の女装姿の汚さを見てある程度は分かっていたけれど・・・。でもやっぱり大変だ。
今更ながら双葉さん達は(亜紀こそ少し違うけれど)よくキモイ下着女装男子だった私を可愛いと言い続けたものだと思う。
少しはウエストを細くして、無駄毛も減らして、色も少しは白くなったのにそれでも男の私の下着姿は可愛くない。ってかキモイ。
それを可愛い可愛いと言い続けるのって、本当に体力と神経使うよ。・・・今日の私がそうだったもの。

ポイントが貰えるから良いけれど、再来週に予定している優君とのデートは随分と疲れそうだ。
またあの下着女装を可愛いというなんて・・・。
女性化のご褒美がもらえないのなら、可愛いなんて言えないくらいキモ過ぎるよ。ゼぇッタイ!!
随分と作業が滞ってました。暫く振りに図書館に投稿した作者不詳だった作品の作者です。
どうにか頑張って作品を微妙に手直しして図書館までこぎつけられました。ただ、急いで修正したから少し自信がなかったり・・・。


このSSがとある絵をきっかけで書き始めた作品と言うのは、書き始め当初から読んだ人ならば知っているかもしれませんが、知らない人も多そうなのでここに書いておきます。そうです。この作品は絵から始まるタイプのTS作品です。

で、個人的には一日で終わる変化過程重視と言うテーマのSSで短編から中篇程度の(テキストだけなら50kbいかないくらい)短めな作品で留める予定でした。この絵に一応は作品をつけておきたいみたいな感じで書き始めたんです。
画質はアレですが、折角の良い絵を放置しておくのは勿体無いですからね。

しかし、蓋を開けてみれば異様に長い作品になりましたね。
作中は一日なのに、何でこんなに長いんだか。某日記の一ヶ月間と互角以上の長さって長すぎだし。
そんな長文グセを含めて、色々とシュミに走った私らしい作品だと思っていたのですが、意外や意外!!全く関係のない作者さんに間違えられましたね。意外と私らしくない作品なのかな?
そして私らしくないっぽいこの作品は比較的好評でした(笑)

いや(笑)じゃなくって(泣)かな?
IDNo-NOName
0.4670簡易評価
12.100きよひこ
↓そーぞーず で以前わかば板に貼った画像を使って頂き嬉しいです。
お話も面白かったです。
24.100きよひこ
面白かったです!
個人的な欲望ですが、もし続きがあったら、「女性化の魅力を理解できる人物で女性化願望が目覚めるものの、見事に男として打ち勝ちそれを克服し男を保っていられるってパターン」の展開も見てみたいです。
25.無評価IDNo-NOName
>12
選んだ画像で喜んでいただいて光栄です。ただ、画像選びは正直言ってかなりいい加減だったんですよ。
直前まで、画像選びを忘れていて急いで画像を探さないと!!などと焦って若葉版や双葉版を荒らしてあの画像を偶然発見し使用に至ったわけですが、とにかく、違和感のないTS娘の画像さえ見つかればOKくらいのノリでした。
因みに条件は、他の4人と髪の色が異なる事(銀髪か黒髪あたり)でかつナイスバデーと言う条件で探してました。
でも、いい加減に選んだ割りに選んでみると愛着わきますね。
新たなターゲットを、恥じらいながらも水着姿で誘惑する清美ちゃんっ感じでアリですよね?そして誘惑した後で彼は新たな幸せ(女性化)を手に入れるわけですが。

>24
言うなればご褒美ルートの方をご所望ですか。
この作品自体が、清彦君のオとされるサマを見てニヤニヤする事しか楽しむ箇所のない作品ですから男ルートとなると全くの別物になりそうですね。同じような構成で書いてもきっとつまんないでしょう。

あえて書くのであれば、亜紀視点でIF、アナザーエンドの物語を書けばどうにかなるかな?
親友と結婚したくて女になった亜紀ちゃんは、ご主人様との契約により双葉たちと一緒に清彦をオとしにかかる。
彼ならば大丈夫!!そう信じたけれど、徐々に女らしくなっている親友を見て無理かも知れないと思うようになる。
精神的に女性化する親友を見るのは苦痛ではあるが、自身も女性化の快感を覚えてしまったし、双葉やご主人様は清彦は容易く女性化が完了すると忠告をしてくれたのに計画を発案したりと自業自得の部分も強いので涙を堪えながらも、好きな男を自分と同じ性にするように動き続ける。万が一の奇跡を信じながら・・・。
そんな親友LOVEなTS亜紀ちゃんの姿を書けば、親友萌えとしてどうにか形になるかな?アナザーエンドとか考えた事もないし、描ける見込みは薄いですが。

・・・ってかこれ何てチョイネタ投稿?
27.無評価きよひこ
>25
ご返答ありがとうございます。
>24のレスをした者です。
私の個人的な要望に親身な解答を提示していただいた事を光栄に思います。
以下に書くことは一読者としての私の考察になりますので、無視していただいて構いません。

もし本当に番外編アナザールート或いは別のキャラクター達による続編があるならば。

亜紀のような男のままでいる事を願うキャラクターが重要な立ち位置になり、女性化に肯定的な姿勢のキャラ、傍観に徹するキャラ、そしてオーナー、といった複数のキャラの視点から描き展開されていくストーリーもありではないかと思いました。

それぞれのキャラクターが、女性化するまでの経緯や価値観や想いを描きつつ、オーナーはどうして女性化をするのか、その力は何処で得たのか、など本編で語られなかった部分を補完しつつ多視点的に物語がが進んでいけば、本編に登場した魅力的なキャラクター達がさらに活きるのかなと考えていました。

これは勿論私の個人的な妄想にすぎないので、一人の読者の一意見として受け止めてください。
ここまで書いておいてなんですが、作者さまにとって完結した物語の続編を無理にお願いするつもりは全くありません。
良いTSFに触れる事が出来たので、少々のめり込んだ意見を書いてしまいました。

作者様を困らせてしまうような事を延々書き続けてしまいました事をお詫び申し上げます。
素晴らしい作品をどうもありがとうございました。