### 1.新入学式と新入学生 ###
桜咲く、春の陽気にみなの気持ちも高揚するこのごろ、この帝越学園も新学期を迎えていた。
入学式の行われる体育館にわらわらと足を運ぶ新入生。これからの学生生活に期待をよせての表情か。
この中でこの学校の特殊すぎる事情を果たしてどれほどのやつが知っていることだろうか。
男子校でありながら共学の特性をも併せ持つ学校、それがこの特殊事情。
生徒たちの体内にあるナノマシンによって半周期的に男になったり女になったりする。
この学校の教育方針は男子自ら女子として生活することで女性の苦労を知ることにあるのだと。
もっとも、この新学期開始前後はその機能もオフになっているようだ。
新入学性にはギリギリまで知らせない、という方針か。まあどうでもいい。
受験の時の学校説明会ではそんなこと一言も話されない。
恐らく入学生たちはこれから身体検査と称してナノマシンを注射され、そしてそれから特殊事情が明かされる。
そんなあわれな(?)入学生たちを見送りつつ、俺たちがやっているのは……
「服飾同好会よろしくお願いいたしまぁすっ」
入学式恒例のビラ配りでした。
俺、蔵本竜介(クラモト リュウスケ)の所属する、というかさせられている服飾同好会のビラ配りだった。
3年生としての始業式も早々に終わり、きょうはだらだら過ごすかと思っていたら同好会会長の辻牧人(ツジ マキト)に駆り出されてしまったのだ。
「もっとヤル気のある声を出したらどうだい?」
「お前を殺る気は出てきそうだけどな」
そういう辻は妙に生き生きと配っている。いやいや、いろいろおかしいから。
自慢じゃないが俺が女になったときはFカップの巨乳美少女なのだ。
しかし、今はごくごく普通の平凡な男。(←イケメンでないことは自覚している)
そんなやつが服飾同好会なんてビラ配りどう考えてもミスマッチだろうが。
こんなやつが服飾ってどんな服作るんだよ、と突っ込みたくなる。
まあ、部活(というか同好会)の実態も実質はコスプレ同好会だけどな。
俺でもそうだというのに、辻がこんなの配っていたら余計におかしい。
なにせ辻は90キロオーバーの巨漢だ。
こんなやつが服飾同好会ってどうなんだ? もうすぐ100キロだぞ、0.1トンだぞ!
「お前今ものすごく失礼なこと言わなかったか?」
「気のせいだ」
こいつ心の声もで読むようになったか?
もういい。とにかくさっさとビラ配って終わらせてとっとと帰ろう。
しかし、元が元だけになかなか皆ビラもらってくれねえよ。
と、そんなところへ。
「ふ、服飾同好会ですか?」
一人の新入学生が近づいてきた。
身長は俺の目線の高さよりちょっと低いくらいの小柄でちょっと子供っぽい、髪の毛は肩にかかるかぐらいまで伸ばしたセミショート、ブラウスにリボンが綺麗にまとまって、スカートの丈も膝上10センチ程度の、新入学の男子生徒が。
「………」
「あ、案内もらっていいですか?」
「……お、おう」
ビラをすっと渡すと丁寧に受け取って、軽く頭を下げて体育館へといってしまった。
声も透き通るような、綺麗な声。姫ボイスっていうんだっけ?
俺はいまいち整理できないでいた。
まがりなりにもここは男子校だ。半周期的に女になっているが、まがりなりにも。
そして今現在ナノマシンの機能はオフになっている。新入学生はまだナノマシンを仕込まれてないからなおさらだ。
では、今のは何だ?
新入学生だよな? 男子生徒だよな?
なのに、あの服装は一体どういうことだ?
「ふむ、興味深い」
一部始終を見ていたもう一人の男、辻は実に面白そうな顔をしている。
俺はそれはそれはもう、いやな予感しかしなかったけどね。
「綾峰流星(アヤミネリュウセイ)君だったね? ようこそ服飾同好会へ」
「は、はいっ」
あーあ、来ちゃったよ。
あれから帰ろうと思ったらむんず、と辻に捕まって、そのまま部室代わりに使っている小教室に連行。
ビラの案内に活動部屋として紹介されているのがこの部屋だからだ。
辻は来るに違いないなんていって俺は冷めた気分だったのだが……来ちゃったんだよ、さっきの謎の新入学生が。
「実に興味深いねぇ。男子でありながら何故そのような格好を?」
「あ、あの……僕女の子に憧れてて」
あー、今流行の男の娘ってやつか。どうやら男子で間違いなかったようだ。
「しかし、女子用の制服はこれから説明を受けて作成されるはずだが?」
「お、お兄ちゃんのお下がりで…」
ああ、なるほど。年上の兄弟がこの学校の卒業生なのね。
それだったら制服持っているだろうし、この学校の事情も知っていることだろう。
説明会で話がされないといっても皆が皆まったく知らないわけではない。
都市伝説的なうわさで流れていたり、こうして家族から知らされて知っていたりと。
一番多いのはこうして兄がこの学校の卒業生で事情を知っているというパターン。
なにせ家でも女になって生活しているから、家族は必然的に知っているってことだな。
「そのお兄ちゃんは今はお姉ちゃんになってますけど」
うぉいっ! 駄目フラグがひとつたっちまったで。
うちの学校の特殊システムは卒業する時に性別を切り替える要因となっているナノマシンを破壊し活動を停止させるので終了する。
そうしたら普通どおり男としての生活に戻るのだが、中には一生女のままでいたいと思うやつもいる。
そういう人は希望通り、女になって一生を過ごすという選択もある。その比率は卒業生約三百人中、二十人弱らしい。
目の前の真に結う学生の兄…いまや姉になった人物もその一人ということだ。
そういえば稀に母親がこの学校の卒業生だった、ってパターンがあったな。
それすなわち母親が元男という衝撃事実を聞かされるということだがな。
「そのお姉ちゃんが、入学したらここを訪ねろって」
さらに駄目フラグ!!
「そうか、君はあの綾峰美樹先輩の弟君か!」
辻は気がついたらしく、ぽんと手をたたいた。動作が古い。
「……知り合いか?」
「うむ、綾峰美樹(ヨシキ)先輩は私の2年先輩でね、この服飾同好会の前身、服飾愛好会の創設者なのだ」
あー、お前が自分で立ち上げたわけじゃなかったんだ。しかし同好会の名前を変えた理由は気になるが、きっとどうでもいいことだろうな。
「ちなみに先輩は今、女性になって綾峰美樹(ミキ)と名前を変えたはずだ」
まあ、フリガナかえるだけなんて、なんて楽チン! ……あほらし。
「さて、そうなれば君の入部を断る理由など無いな。歓迎しよう、服飾同好会へようこそ」
「はいっ! よろしくお願いします辻先輩っ!!」
たぶんセリフだけだっら頼れる先輩とその先輩に憧れる後輩という絵になる図なんだろう。
しかし辻の特性、そしてこの同好会の趣向と学校の特異性を考えるとろくなことにならない気がする。
そんな先のことを考えるのはやめておこう。面倒くさいだけだ。
一ヵ月後
大体今頃になってくると新入生達に仕込まれたナノマシンがONになる。つまり、そろそろ性転換するようになる頃だ。
まあ、在校生のほうは新学期前後オフになっていたナノマシンはとっくにONになっているのだが。
そういう頃になると新入学生は大体お祭りモードなる。
今まで遠くにあった女体、それが自ら女になることで好き放題できるのだから。
そして真っ先に女になったやつはクラスで皆の前でストリップをする。
そして、それが先生に見つかって大目玉食らう、というのが定番コース。
それはさておき。
そうした状況の中、服飾同好会に嵐がやってきた。
「お邪魔するわよ」
がらり、といつも使わせてもらっている小教室にやってきたのは一人の女子……性格には女になった生徒だが。
突然の来訪者にこのクラスにいた者は自然とそっちに目線が行く。
そして釘付けになる。驚く。
その女子(?)はずいぶんと背が高く、180cmくらいになろうか。
金髪のウェーブがかかったロングヘアーにすらっとした長い細い手足。
くびれたウエストとボリュームのあるヒップ、そして自己主張している張りのある大きな胸。
しかし俺たちが釘付けになったのはたぶんそれが理由ではない。
そんなスーパーボディのくせに……制服が小さい。
どう考えても制服のサイズが2まわりは小さい。子供の服を大人が無理して着ているという感じ。
おかげでお腹がチラチラ見えてます、へそが見えそうです、スカート短いです、中が見えそうです。
一部の人間は日曜日午後6:30のパンチラな妹を連想してしまうな。
で、肝心な問題。
「どちら様ですか?」
同じ学校の生徒に対してどちら様なんて尋ね方は口にしてから変だなとは思った。
が、何だか相手の強気なオーラに圧倒されてそんなことを言ってしまったのだよ。
「綾峰君だね?」
回答が来たのは当の本人ではなく後ろでファッション誌を読んでいた辻だった。
今現在もデブ体系の男の姿だが、その姿で女性ファッション誌はどう見ても不釣合いだ。
……って、ちょっと待て。
「綾峰ぇ!?」
乱入した美女を見て変な声を上げてしまった。目の前の美女が、ついこの前やってきた進入部員ですと?
改めてよく見れば……ああ、たしかに顔のつくりは同じだわ。
それとこの制服のサイズ、背の大きな人物が着ているからつい小さく見えるけど、よく見れば小柄な綾峰が(男のときに)着ていた女子制服と同じだわ。
普通、新入学生の制服は入学してから初めてナノマシンのスイッチが入るまでの1ヶ月の間に女子の制服が送られる。
よく体のサイズが分かるな、って気がするけど大体ナノマシンでそうなるように制御しているのだろう。
そうなると辻のPカップという超乳の体系に合う制服が送られているのはどういうことなのだろうか。
あの体系も制御してそういう風にしているということなのだろうか。
ひょっとして体重が大きすぎるからそうしないとつじつまが合わないとか? いや、だとすると他のデブなやつらもあれぐらい胸が無いとおかしいわけで……考えるのやめた。
とにかくそういう事情があるのだが、綾峰の場合は最初から女子制服を着ている。
たしかに校則には「生徒は制服を着用すること」と記載はあるが男女どっちの制服を着なきゃいけないとは書いていない。
多分この学校の卒業生の兄(今は姉)の入れ知恵だろう。制服はたぶん兄(今は姉)が使っていたものだ。
それをそのまま着用しているというわけか。女子の制服は送られてこなかったのか、断ったのか、またはわざと今までのを着続けているのか。
とにもかくにも……目のやり場に困る。
「改めまして先輩方、ごきげんよう。よろしくお願いしますわ」
挑発しているのか素なのか、モデル歩きのように妙に体のラインを強調した歩きして入ってきた。
特に腰を動かしているのだが、そのせいでスカート簡単にめくれてんですけど。
中……黒のえぐいやつでした。
「ふぅむ、それだけの体系になればさぞかし我が同好会も盛り上がるな」
うんうんと辻はたいそう喜んでいる。こいつ、一応真面目に活動やるつもりではいるんだな。
多分こいつの脳内には既に綾峰にあれやこれやと衣装を着せる姿を想像しているのだろう。
で、当の本人は……
「勝手に想像してくれるんじゃないわよ、ブタ」
「ぶっっ!?」
なんと先輩に対して……いや、辻だったらいいか。どっちにしてもいきなりの暴言。
あまりの突然のことに辻は呆然としている。いや、俺だってそうだけど。
そして当の本人は上から目線で(大きな)胸を張っている相手に対して……
「……女王様?」
座った大勢で背の高い綾峰を見上げ、険しい表情でその一言を放った。
しかし本人はそんなことお構いなしに既に別のことに気がいっていた。
「あらボウヤ、かわいいじゃない」
「へ?」
尊敬する先輩に対して暴言を吐いた1年に苛立ちを隠せないで表情険しくしていた山瀬皇(ヤマセ コウ)。
綾峰の視線は暴言を吐いた直後からそっちにいっていた。
当の本人はそんな相手がいきなり自分にそんなこと言うものだから不意打ちを食らった様子。
男子にしては身長低めの山瀬に対して、綾峰はというと……
「ウブな子ねぇ、抱きしめたくなるじゃない」
「むがっ!? むぐぅっ……」
もう抱きしめてるがな。
山瀬との距離を一気に縮めて自分の胸にうずめてしまった。
身長が高い割にははっきりと巨乳と分かる胸。体積も標準と比べたらかなりでかい。
うん、はたから見たら結構うれしい状況。しかし当人はわけもわからず、だろう。
それにしてもさっきから思っていたのだが。
「性格変わってないか?」
入学式時点では純粋な感じで実の兄(姉)から紹介された先輩に憧れと敬意を持っていたはずの綾峰流星。
しかし、女になった彼の性格はずいぶんと違うようだ。
「ふぅむ、女になった事で内なる何かが解放されてしまった、のか?」
ブタだといわれたことをこれほども気にしていない様子の辻の分析。
そういえばうちの担任も男の時と女のときとで性格がえらい違うよな。あっちはお子ちゃまになっているけど。
こっちは逆に子供体系から一気に大人になった事で変な自信でもついたのか。
それが自分でも分からないうちに開放されてしまった、のか?
原因はよく分からない。が、辻は実に興味深そうに新たな後輩を見ていた。
俺はというと新たな嵐の予感しか感じていなかったのだ。
とりあえずさっさと山瀬を解放させよう。早くしないと窒息死するぞ。
話はちょっと戻って新学期始まって1週間後。
新学期前後のナノマシンオフが解除されて在校生の性転換が再開される頃だ。
新入生にとっては男子校だと思っていたらいきなり上級生の半数が女子になっているのだから驚きだ。
そしてこの頃になると不届きな先輩が新入学生をからかうタイミングでもある。
例えば、図書室や学生食堂でわざと新入学生との距離を物理的に縮めて胸を当ててみるとか。
例えば、すれ違いざまにばさっとスカートをたくし上げて中身を見せるとか。
例えば、男子女子でトイレが分かれているにもかかわらず、わざと男子トイレに入るとか。
そして小便器で用を足すとか。
とにかく新入学生にはドギマギで、寿命が縮むような経験をするだろう。
標的にされた生徒は哀れなものだ。逆に襲い掛かる新入学生もいるらしいが、大体返り討ちにあうのがパターン。
そんな心配が発生するこの頃、放課後俺は一人の女子……ナノマシン活動再開して女になった石井常久(イシイ ツネヒサ)に手を引かれていた。
その表情はどこか楽しそうだった。なんなんだ、と思いつつもなんとなくこれからの展開を予感している俺。
生徒はほとんど帰宅して、無人に近い状態となった校舎。足を速めて進む目的地はその中でもいっそう人の寄り付かない場所。
ちょうど校舎廊下行き止まり、階段の影になったところに隠れることができるようなスペースがある。
もちろんその目の前の教室を使おうとするならばその箇所に目をやる機会はある。
だが今は放課後、しかもその教室は空き教室で使用頻度は極端に少ない。
いわゆるこの学校の秘密の場所だ。こんなところにつれて来るということは当然……
「竜介、エッチしよ♪」
「お前な……」
予想通りの展開だった。
「女になった当日にいきなりそれか。なんか節操無いぞ」
「いいじゃねえか、竜介だってしたいんだろぉ?」
そういって制服を脱ぎ始めた常久。気がつけば既に上半身制服は脱ぎ終わり、ブラに包まれていた形のいいおっぱいがあらわになっている。
この学校の生徒が女になったら最低でもDが補償される巨乳になる。
巨乳好きの男にはたまらないが、そんなハイスペックにする理由は巨乳の苦労を知れ、ということらしい。
事実、巨乳は肩がこる、夏場は谷間が蒸れる、走ると揺れて邪魔、男たちの視線がうざい、うつ伏せのときに邪魔、などなど。
巨乳になってわかる苦労が身をもって体験できる。だから人によっては巨乳好きだったのが一転、ちっぱい好きになったやつもいるとか。
とにかく、巨乳は鑑賞するのが一番だ。なるものじゃない。
そして今、目の前にある美巨乳を堪能する。
「ったく、しょうがないなぁ」
といいつつ、俺もまんざらではないのだが。
ある意味、これは俺と常久との挨拶的な交友。
どっちかが女になったり男に戻ったりするごとに、お互いが男女の体の組み合わせのときにこうして体の交友をする。
最初の頃は性別が変わるたびに毎日のようにやっていたし、それ以降も最低でも週に1回はやっているのかも。
今はそこまではやってはいないが、それでも結構の頻度かも。
今回の場合は常久の方が先に女になったが、俺が女になっていてもそれは同じ。
逆に今度は常久が男に戻って俺が女になったときにはまたやるかもしれない。
そんな女になったばかりの常久はそっと俺に接近し、唇を重ねる。
「んっ……」
舌を絡ませる濃厚なキッス。このときばかりはお互いが男同士だったことを忘れてしまう。
それがどのくらい続いたか、しばらくすると常久は俺の唇から離れ、俺の体を上から下へとめでるようにしながらそっとその場に座り込む。
立ったままの俺、女の子座りしてちょうど目の前に到達した俺のズボンのチャックを下ろし始める。
そして、元気になった俺のムスコを取り出す。
「あはっ、なんだかんだで竜介もその気なんじゃん」
「そんな格好見せられれば必然的だろ?」
ええそうですよ、半裸の女の子が目の前にいれば、例え中身が親友の男であったとしても反応するのは仕方ないじゃないか。
すっかり元気になっている俺のムスコを常久はこれまたいとしそうにみつめている。
「久しぶりぃ」
撫でるような微妙なタッチ、至近距離まで顔を近づけて見つめている図、ぞくぞくと俺の中を駆け巡るものがありますよ。
緊張からか興奮からか、俺のそれは先ほどからびくびくと脈打ってます。
一体いつまで見つめているのかと思っていたが、それもしばらくして終わりになる。
そっと口をつけて、常久はしゃぶり始めた。
「んぅっ、んくっ、んっ………」
俺のブツをしっかり手でホールドしてしゃぶり始めた。
どこかアイスキャンディーでもおいしそうにしゃぶっているようにも見えるが、実際には俺のそれだ。
何とも可愛らしい表情、そしてエロい。
感度のいい部分を舌先で攻め立てられるのに咥えて、そんな表情されたら余計に興奮してしまう。
ちっぱ、くちゅ、くちゃ………
いやらしい音が聞こえる。小さい音なのに廊下中に響きやしないかと心配になってしまう。
何か感じてしまっているのか、常久自身も時折体をもじもじと動かしている。
その度に微妙に動き、形が変形するおっぱいに俺の視線が行く。
わざわざこいつが胸をあらわにしたのは俺の好みを知ってのことだろう。
ええ、そうですよ。俺はおっぱいが好きですよ。
だからこうしてされるがままにしているよりも、ちょっと攻めたほうがいいんですよ。
「んっ……!」
びくっとしたか。まあ普通反応するよな、女の子の乳首は敏感だし。
常久の形のいいおっぱい、それを揉みながら乳首を攻めてやる。
この弾力のある手ごたえ、それでいて柔らかさをかねそろえたすばらしき物体。
手でそれを感じ取り、その影響で俺の興奮はまもなくMAXを迎える。
「常久っ、いくぞ」
「いいよ……出してっ!」
ほおばりながら了承した常久に、その可愛らしいおクチに思いっきり出してやる。
「んんっ……!?」
どくどくと脈打つ俺のムスコ。そこから放たれる白い液体が常久の口の中を満たしていくのが感じ取れる。
ちょっとした開放感、高揚した気分が少し冷めていく感触。
久々に思いっきり出したような気がする。自分でも結構出したことを実感する。
鼻につく独特の匂い。甘いような生臭いような不思議なあの匂いが立ち込める。
「ぷはっ、竜介お前溜め込みすぎだろ」
出したそれを飲み込み、全てを舌できれいに舐め取った常久がようやく口にしたのは抗議。
「んなこと言われてもなぁ……いっぱい出たほうがうれしいんだろ?」
「てへっ♪」
適当に言い訳してみたら何故か喜ばれた。こいつ、なんだかエロくなってないか?
「じゃあ次は……こっちにも思いっきり♪」
後ろを向き、スカートをたくし上げる。中のショーツはピンクのTバックな紐パン。
「おいおい、学校に着てくる下着かそれ?」
「いいじゃん。好きでしょこういうエッチぃの」
いやそうだけど。
元々布地か少なかったショーツを脱ぎ捨て、全てをあらわにしたおしり。
ちなみに俺がおっぱい好きなのに対して常久はおしりフェチ。
だが女になったら自分のカワイイおしりを愛でるのがいいらしい。そしてそれを俺に見せるのも……おいおい。
サイドで結ばれた結び目ををしゅる、と解いてやって、あっという間にプリティなおしりがあらわになった。
うん、別に俺はおしりフェチってわけじゃないけど、こういう丸くて可愛らしいのを見てしまうと気持ちが荒ぶるね。
おかげで先ほど久々に溜まっていたものを吐き出したムスコは再起動しました。まだまだ元気です。
「お前バックが好きだなぁ」
「いやぁ。だってこう、征服されていくというか、犯されている感じがいいっていうか。こう、エッチしてる、って気になるんだよねぇ」
こいつ、Mだったのだろうか。
そんな変態的な言葉と同時にあらわになった割れ目、てかてかと輝いていたそのこから一滴の透明な液体が糸を引いてこぼれてく。
「結構濡れ出るじゃないか」
「だってねぇ、久々に竜介のザーメン飲んじゃったし」
中身男だということを忘れてしまうくらいデンジャーな発言。しかし興奮する。
常久は壁に手を当てて俺にプリティなお尻を突き出し、バック準備完了。
柔らかなおしりに手を当て支えて、狙いを定めてゆっくりと進んでいく。
「あんっ!」
そっと進入した瞬間、常久の声があがる。
「お前、廊下なんだからあんまり声だすなよ」
「無茶言わないでよぉ、こんなことして声でないわけが……はんっ!?」
意地悪してちょっと動いてやった。こいつのGスポットは熟知しているからどこを攻めれば気持ちいいか、感度がいいかは分かっている。
「んっ、はぁっ、あぁっ……」
抗議を上げようにも敏感なところ攻められて上げようが無く、甘美な声しか出すことができないでいる。
「竜介のいじわ、ひゃんっ!」
そんなに激しく動いているわけではない。ゆっくりストロークして、確実に攻めるところを攻めているだけ。
何度も押し寄せてくる快感に耐えるのは難しい様子。常久は我慢しようとしているのだろうがまともにできてないようだ。
「声出すなって言ってるだろぉ?」
「そんな意地悪しな……んんっ!?」
声出させている張本人が何を、って抗議したかったんだろうがそれをふさいでやる。さっきみたいに濃厚なキスをしてやった。
「これで声出せないだろ?」
「もう、竜介ぇ……」
ちょっと体をよじってするからバランスが悪いが、まあいい。
そういえばさっき俺の口に出したんだっけ。風味がちょっと残ってる。これは失敗。
だが常久は味をしめたのか、それとも勢いか、唇を離すつもりはまったく無かった。
むしろ舌を絡ませ、もっと甘く、濃厚なキスをする。
おしりにそえていた手は常久との距離が縮まってか、移動しておっぱいを揉むようになっていた。
二人とも下半身で結合して、舌をもつれ合い、絡み合っている。
攻め立てる俺に常久は応え、全身で俺を受け止め、快感を味わっている。
ゆっくりと攻め立て、常久のときが来るまで我慢し、調整し、時を待った。
急がず、あせらず、ゆっくりと常久を高揚させていく。
俺も常久も陶酔し、快感に酔っていたが、最高潮は一緒に迎えるという暗黙の了解の下、進んでいっていた。
ぞくぞくとした震えを常久から感じ取った。時が近いことを感じ取った。
「常久?」
「うんっ、イクっ……僕イッちゃうからっ、きてっ!!」
俺も、それに応えた。
「んっ、んうぅぅぅっっっっっっ………!!?」
鼓動する下半身、重ね合わせた唇にちょっと力がこもる。
俺は遠慮なく常久の中に吐き出していた。常久のあふれていた愛液と混ざり合っている。
鼓動が落ち着き、頭がクリアになっていく中で、常久との結びつきを今一度確認する。
こんなのが、俺たちの、学校の日常だった。
### 2.弟の困惑 ###
僕、蔵本翔(クラモトショウ)はこの帝越学園に今年入学した。
進路はいろいろ悩んだけど、この学校に決めた理由は兄がこの学校に通っているからだ。
それは僕が兄貴になついているお兄ちゃん子というわけではない。……どちらかというと、お姉ちゃん子?
この学校に入学した兄が、半分の日常を女の子になって生活している姿を見て興味を持った、というのが理由。
この学校に入学を決めた生徒の一部はそんな具合で、親族がこの学校の卒業生で、男でありながら女のこの生活を経験できる、ということが誘惑となったのだろう。
大半の生徒がその事実を知らないまま入学しているけど、僕は知っている種類の方。
今まで身近な女というと母親しかいなかった中で、女になった兄貴は僕にとって刺激が強かった。
さすがに兄貴は裸で家の中をうろうろするようなことはしなかったけど、ノーブラタンクトップは刺激的です。
僕自身も誘惑にそそのかされて、何度か偶然を装って着替えとかお風呂とか遭遇するようにしたこともあった。
まあ、その場合は即フルボッコだったけど。……ガードが固いのか何だか。
とにかく、あれやこれやの誘惑にそそのかされて入学してしまいました。
入学して約一週間後、上級生はその切り替えが始まったのに対して、新入生はちょっと時間を置いてからスタート。
そして入学して1ヶ月。ついにそのときはやってきた。
「ほうらお前ら、待望の女の子だぜぇ」
ホームルーム前、いち早く女になったクラスメイト2人が皆の前で腰を振っていた。
初日の日、女子になったのはクラス40人中7人。
性別の切り替えはクラスの男女比が同じになるように切り替わるらしいけど、初日は少な目らしい。
いち早く男子生徒の欲望の目的を手に入れたそのクラスメイトはうれしそうだ。
制服は入学してから1ヶ月の間に届いたもの。標準だがみんなの前でこんなことするためにスカートの腰の部分を折り曲げて短くしている。
元々の膝上5センチ程度のミニスカートがさらに短くされ、ちょっと動いただけで中が見えそうなぐらい。
「いやんっ、えっちぃ♪」
「「「うぉおぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっ―――――!!」」」
高くなったとろけるような魅惑的な女の子ボイスで放った言葉は見入っていた男子達を絶叫させる。
腰をくねらせ、淫靡な動きで誘惑し続け、その動きでそっとブラウスのボタンを外す。
全部は外さない。第2ボタンまで外して、中をチラッと見せてこう言う。
「私、ノーブラなの」
「「「ぐおぉおおぉぉぉぉぉっっっっっっっっ―――――!!」」」
兄貴が言っていたけど、制服はなんとなく体格が合うようにして用意されるからいいのだが、下着はそうはいかないと。
特にブラは胸のサイズをきちっと合わせなければいけないのでそればかりは女になってからでないと用意できないそうだ。
だからノーブラは必然的なのだが、見入っている男子たちにははそんな理屈どうでもいいらしい。
そして調子に乗って、2人は強烈な攻撃をかました。
「それと、ノーパンなんだ」
短いスカートをぴらっとめくり上げた。そこから見えたのは……
絆創膏がはってあるだけだった。
「「「ふぐぉおぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっ―――――!!」」」
男子たちの絶叫は最高潮を迎えた。が
「くぉらお前ら、ふざけるのはそこまでだ」
張りのいい高い声が教室に響く。担任教師のお出ましだ。
性別の切り替えは生徒だけではない。教師も同じく。
保健体育専門の担任は男の時だろうと女の時だろうとジャージ姿は崩さない。
今は引き締まった、それでいて出るとこ出ている女性の姿でいかにもスポーツやってますという美人の姿。
誘惑ダンスをしていた2人の女体化男子と観客の男子たちは蜘蛛の子ちらすように席に戻っていった。
僕はそれを大歓迎していた。できるだけ見ないようにしていたものの、やっぱり聞こえてきてしまうセリフにドギマギし、チラチラ見ていたもので。
席に座ってじっとして、すごく困っていたけどようやく始まったホームルームに安堵していたのだった。
「いいか、女子はあとで保健室行ってブラ借りてこい。今日はそれ使って、さっさと下着そろえるんだぞ!」
体育教師らしい強い口調で一括する。それにはあの2人も萎縮しているばかりだった。
「はは、あっちは自業自得だね」
隣の席で苦笑するのは同じく女になった楠木誠(クスノキマコト)。
同じクラスになって隣同士の席になって、話を聞いてみたら意外とご近所さんだった。
どうやらウチと楠木の家の間にある一本の道路境に学校が変わっていたらしい。意外とあるものだ。
そんなわけで入学して1ヶ月弱にてずいぶんと仲がよくなったものだ。
この頃になるとクラスの話題は自分がどんな女になるか、ということがメイン。
当然僕と楠木の間でもその話題は上っていたが……いやなんとも。
女になった楠木はショートヘア、スレンダーで文句なしの美人。
この学校の生徒教師が女になると美人でプロポーションがいいのは標準仕様のようだ。
美人の種類は人それぞれ異なっているが、楠木はボーイッシュな感じか。
あと、胸が大きいのも標準仕様。……うーん、どのくらいなんだろう?
「なあ、蔵本」
呼ばれてあわてて胸にいっていた目線をそらした。あせったが、ばれていないだろうか。
「頼みがあるんだ」
「な、なに?」
中身男、と分かっているけど見た目は紛れもなく美人の女子。見つめられて僕はどきどきしていた時に、楠木はこういった。
「つきあってくれないか?」
常識的に「つきあってほしい」と女子からいわれたらやっぱり恋愛のことを思い浮かべるだろう。
ただし、男子の場合だった……それは今からいくところについてきてほしい、という意味になる。
で、そこに行ってきたのだったが。
「……疲れた」
その一言だ。
どこにいったかというと、下着店ですよ。
放課後、楠木がつきあってほしいといったのは下着店で、女になった自分の体に合う下着を買いにいくというものだった。
僕も楠木もしばらく店の前で立ち尽くしていた。もっとも、僕は男だから入店する理由なんてなかったはずなのだ。
だが楠木ときたら一緒に入って選んでほしい、なんていってきた。
おかげで僕まで店に入るハメに。女になった楠木はいいけど、僕はたまったものじゃないですよ。
サイズは保健室で測ったらしいけど、実際に合うかは分からないから試着しないと、とはいっていた。
だからといって試着室で一つ一つ身に着けるたびに「どお?」って見せるのは勘弁してほしかった。
よし、僕が女になったら同じことさせてやろう。……楠木が男のときじゃないと意味ないけど。
そして、現在に至る。
「いやあ、ありがとな」
今は楠木の家、本人の自室で僕はベッドを背もたれにして床に座っている。
一応気を使ってか、楠木は飲み物を持ってきてくれた。遠慮なくいただくことにした。
「で、その……買ってきたやつ着けてるの?」
「ああ、そりゃあね。着けてたほうが落ち着くというか」
こんなこと普通女子に聞いたらセクハラとかいわれそうだな、と言った後に気がついた。
学校にいたときはノーブラで、下は男物を穿いてきたといっていたか。
そのせいで学校では胸がゆっさゆっさ揺れていたのが気になって仕方なかった。
今はどうなんだう。
ちら、と楠木を見る。楠木もいっしょになってベッドを背にして床に座っている。僕とは一人分の距離をおいて。
横から見た胸のふくらみ。上はベストを脱いで、ブラウスだけ。なんだか、ブラ着けたら胸のサイズがより鮮明になっているかもしれない。
薄い白のブラウスの下、うっすらと下着のラインが浮き出ている。その光景に僕はどきどきした。
「やっぱり気になるよなぁ」
その言葉にあわてた。見ていたのがばれていたようだ。
「あはは、恥ずかしがらなくてもいいよ。男だったら自然だろ?」
その言葉に余計に恥ずかしくなってしまう。僕が友人を、男の友人をそんな目で見ていたなんて知られてしまって、しかも理解ありすぎる友人で。
あ、穴があったら入りたい……
「………」
「………」
お互いに何も言い出せないでいる。沈黙が続いている。
どのぐらい時間がたったか、先に言葉を発したのは楠木。
「あのさ、蔵本をウチに呼んだのは、別の理由もあってさ」
気配を感じて横を見れば楠木が僕に近づいていた。
「その、さ……やって、みたくないか?」
何を? と聞こうとしたけど、次の光景でその意味を察してしまった。
楠木が、ブラウスのボタンをそっと、一つ一つ外していた。
「え? その、楠木?」
「興味あるだろ?」
全部外された。その下の、青のブラジャーに包まれたふくらみがあらわになる。
大きい、巨乳が。
どきどきと鼓動が響いている。自分の心臓の高鳴りが、聞こえてしまっているんじゃないかと心配になるぐらいに。
ブラウスが脱ぎ捨てられた。次はスカートに手を伸ばして。
「お、俺だけ脱ぐのはずるいだろ。お前も早く脱げよ」
言われて戸惑って、結局僕も服を脱ぎ始めていた。
Yシャツを脱いで、ズボンに手をつけて、下ろし始めて……
下着姿になったところで止まった。次は舞台の上で、とばかりに2人してベッドの上に乗って、座って、互いを見合う。
そんなところで2人で見つめあいながら、楠木がそっとブラを外した。
ぽろり、なんて音がすごくよく似合っている。胸があらわになった。
恐らく人生ではじめてみる生チチ。その相手が男の友人のとは。
「ど、どうかな俺の胸。70のEだけど」
十分巨乳のサイズ。形がよくて、つんと張りがあって、柔らかそうで……
「さ、触っても……」
「いいよ。ほら」
じれったく感じたのか、それとも了承なのか。楠木が僕の手をつかんで、自身の胸に。
や、柔らかい。
何ともいえない弾力。マシュマロに表現することあるけど、そんな感じ。
初めて触る生チチの感触に僕はさらにどきどきする。
「胸、感じるのか?」
「ちょ、ちょっとだけ」
心臓の鼓動は感じない。けど、楠木もどきどきしているかもしれない。鼓動は早くなっているかもしれない。
僕はただただ胸のやわらかな感触を堪能するだけ。
「あ、あのさ。こっちも準備したほうがいいか?」
するり、とショーツを下ろす。正座していたからひざの所までしか下ろしてないけど、そこがあらわになるのは十分。
わずかな茂みに隠された、女の子のデリケートな部分。
ちょっと濡れている。前準備って、何を……
と思っていたら、また手をつかまれて
「!?」
そこに、もっていかれた。
「え、その……」
温かい、やわらかな感触。そのまま手をつかまれて、楠木はベッドに倒れて仰向けになって。
「だからこうして、俺の気持ちいいところを知ってくれって」
わけが分からないまま楠木のデリケートゾーンをやさしく撫でてみる。
ねとっとして、生温かな感じで、どきどきして。
そして割れ目にあったちょっとした突起。これが確か、女の子の感じやすい部分。
「痛っ!」
「す、すまんっ!」
そっか、ここって気持ちいいわけじゃないのか。
むしろ敏感だから丁寧にしなきゃいけないってことかな?
「もうちょっとやさしく……あっ、そ、そう。そんな感じで」
そっとタッチするような仕方で、撫でるようにして。これだと気持ちいいらしい。
楠木の表情が少し変わる。恥じらいの気持ちか、それとも感じてるのか、顔が赤くなって、恥ずかしそうにして。
「そろそろ……いい?」
何のことかはいわなくてもわかっているはず。
楠木は既に高揚している。それは僕だって。
もう、下半身がギンギンになって、限界。
「う、うん。けど……」
「女って、気持ちいいエッチするには……愛が不可欠って」
「へ?」
愛? それはお互いに好きで好きでって気持ちですか?
たしかに好きな相手と繋がるってことは幸せな気分になれるんだろうなぁ。
だけどさ、僕と楠木って……男同士?
「い、いや、俺が蔵本のこと好きってことじゃないぞ! 間違ってもな! 今は確かに女だけど俺は男だからな!」
あわてて否定してるけど、顔を赤くているから何だかツンデレっぽく見えてしまう。逆効果だ。
それよか、せっかく高まった気持ちがクールダウンしてないか?
「ええいっ、ぶち壊しにしよって」
したのそっちじゃん。
「だから、な。恋愛感情は当然ないから、そこを、友情関係で代用するってことで……苗字じゃなくて名前で呼んでくれよ」
代用できるものなのか?
疑問に思ったけど、たしかに苗字で呼ぶよりは名前で呼び合っているほうが親しみが強いかも。
それじゃあ、改めて……
「いい、誠」
「っ……き、気持ちよくしてくれよ」
思えばマコトって名前は女性でも使うことあるから発音だけだったら僕は女の子を呼んでいる気分になるな。
そう思うと、またどきどきしてきた。
楠木……誠はどうなんだろう。
顔を赤くしている。もう、まるっきり女の子じゃないか。
そんな女の子な誠に、そっと入っていく。
「あ、う……」
きつい、なかなか入っていかない。誠が歯を食いしばっているように見える。
「痛い?」
「ちょっと……」
できるだけそっと入っていくようにする。何だか入り口のところで立ち往生している。
けど少しずつ、ゆっくりと入っていって、そして
「あ……」
何かに当たっている。弾力のある感じの、障害物のような。これがひょっとして、処女膜?
「いくよ?」
「いちいち聞くなよ」
それによって守られているのか、なかなか入っていかない。
女の子を守っているのか、だとしたら当然かもしれないけど。
少しずつ力を入れて、それをまさに破る気持ちで。
そして力を入れていって、ついに、通ったと思った。
「ひっ……!?」
急に誠が、がばっと僕に抱きついてきた。ぎゅっと力を入れて、おもいっきり抱きついて。
なんだか、泣いている?
「誠?」
「……痛かった」
処女喪失の痛み、か?
見えないけど、ひょっとしたら結合部分からは血が出てるかも。処女喪失の、証。
誠が抱きついてきたから、僕もぎゅっと抱きしめる。お互いに抱き合って、そのままだった。
僕は誠がじっとしている間は黙っていようと思った。痛いみたいだし。
痛みが和らぐまで、和らいだのか、そっと僕にささやく。
「翔……キスして、いい?」
どきっ、と大きな音がしたかに思えた。そっと顔を見れば、ちょっと目が潤んでる、可愛い女の子の顔がそこにあった。
男同士、誠が男だってことこの時は頭のなかにはあったけど、自然とそのまま、キスをした。
僕にとってはファーストキスだった。
初めてのキスの相手は男なのに女の体になっている友人。
知識に合った、恋愛ドラマとかで見たことのある舌を交わしてする、濃厚なディープキスだった。
エッチのときに必要な恋愛関係を友情関係で代用、なんてこと言っていたけど、これは代用しているのだろうか。
代用、というよりはすり替わっていると思う。
「翔、動いて……2人で、気持ちよくなろうよ」
また盛大に音がしたような気がした。その言葉を合図に、僕は腰を動かした。
「あ、あっ……」
誠の甘美な声が漏れる。女の子の喘ぎ声か。
「痛くはない?」
「そ、そんなことは……ひゃっ!」
今、反応が変わった。さっきまでとは違う反応に。
動いているときに中のいろんなところに当たっていた気がしたけど、ひょっとしてここが、Gスポットってやつ?
「ここが気持ちいい?」
ためしにそこを攻めてみる。
「あ、やっ……そこ、良過ぎぃ」
正解みたいだ。
僕を抱きしめるのも力が入る。手だけではなく、足でも僕にしっかりと抱きついて、離れないと誓うように。
「あ、ダメっ。翔……い、イッちゃうぅ………」
その声が合図となって、僕も緊張が解かれて……
「いくよ? 一緒に…」
解き放った。
「ひぃゃゃあぁぁぁぁっっっっっっ―――――!!」
放たれる。僕のが誠の中に注がれていくのが分かる。
僕も誠もぎゅっと抱きしめあって。放ち受け止め、快感を共にしている。
波がいつまでも襲い続けるような錯覚を感じつつ、互いを確かめ合っていた。
それが収まったかのように思えて、僕は誠の顔を見つめた。
誠を見つめ、思う気持ち。誠も僕を見つめている。
友情関係を恋愛関係の代用に、だとしたら今のこの思いは友情関係か。
その友情関係の気持ちで、僕たちはまた濃厚なキスをした。
「…………はぁぁ」
ため息、男ってやつは事件後はこんな気持ちになってしまうのか。
浴室内に響くシャワーの音、冷たい水をかぶって頭冷やしてみるけど効果は薄い。
むしろこの時期に水はまだ冷たく、体が冷えるだけだった。
残存する気分は自家発電したときにも似ている。
普通女の子と事を済ませたら「やっちゃった♪」って気持ちで楽しい気分でいられるかもしれない。
しかし今は「やってしまった……」ってな気分。
いくら相手が今現在すばらしい美少女であったとしても、中身は男の友人であって。
おまけに気分が盛り上がって濃厚なキスまでして。
これはつまり、ホモォですか?
「……………はぁぁぁぁっっ」
「もう、お前はいつまでそんなことしているんだよ」
後ろから温度調整のコックを回され、かぶっていた水が適温のお湯に変わる。
クールダウンした体を再び温めて、システム正常になった。
当然ながら、そのコックを回したのは誠。
2人でベッドで一発やって、開放的気分を味わって、汗かいたのでシャワーで流そうということになったのだが。
なんで一緒に入る?
「ほら、お湯出しすぎるなよ。もったいないじゃないか」
質問の答えはもらえなかったけど、その意見には賛成。
自分の家ならともかく、ここは誠の家だ。あまりよそ様の家のものを無駄使いしてはいけない。
「ほらほらぁ。さっさと体洗って」
そういわれて答えようとして、誠を見てまたどきりとした。
お風呂に入っているのだから当然裸。さっきまで一緒に裸でいたのだからある程度は体制ができたと思っていたのだが、ダメだった。
さっきと少し違うのは、シャワーで濡れた誠の体。
濡れて水滴で輝く女の子の裸って、ものすごく魅力的に見えるんですけど。
「お?」
「あ……」
しっかり、ムスコが反応していた。
あわてて後ろを向いたけど、見られてしまった、絶対。
恥ずかしくなった。女の子にそれを見られた、って言うのが普通だけど、男の友人にその裸を見て反応してしまったと知られたのが、恥ずかしい。
「ふふん♪ まだまだ元気ってことだねぇ」
「う、うるさいっ!!」
と、とにかくさっさと体洗って出てしまおう。そう思っていました。
「俺が洗ってやるよ」
「ちょっ、おいっ!?」
誠が手を伸ばして、僕の元気になっていたそれをつかんだ。ボディソープつきで。
「うんうん。男の子は元気が一番ってね」
「誠だって男だろ。っていうか、この感触は……」
背中に伝わる感触、柔らかいそれ。つまり胸が当たっている。
それだけじゃない。それと共につるつるになる質感。これはつまり……
「ソープごっこ。なんちゃって♪」
「お前こそまだまだ元気じゃないかっ!!」
自分で体中にボディソープ塗って、体全体で僕を洗いにかかっている。
うっ、腕に谷間が……
「ふふん、お客さん凝ってますねぇ」
どこが凝っているといいたいのかは分かっている。僕の、起立したそれを片手で楽しそうに攻めている。
先端を重点的に、割れ目、裏側、さすがに男なだけあってどこがいいかよく分かっている。
我慢できなかった。あっという間に……
「ひっっ……!!」
爆発した。
白い粘液が勢いよく飛び出た。そしてそれは浴室の壁に付着するのだった。
「ほほう、さっき俺の中に思いっきり出したと思ったけど、ずいぶん溜め込んでましたなぁ」
「あぁぁ……」
立っていられなくなった。そのまま腰が抜けたように座り込んでしまった。
「誠ぉ。そっちこそベッドの上じゃ可愛い女の子だったのに、今は痴女じゃないか」
「あははっ、女の子は恋とエッチをすると元気になるのです」
その「恋」ってところがとにかく冗談であってほしいよ。
誠は一人暮らしをしているらしい。
何でも両親が海外の仕事だとか何とかで、飛びまわっているといった。
普通だったら子供は一緒に移動するけど、誠はそれを断って、一人暮らしして学校に通いたい、といったそうな。
で、アパート一人暮らしなんだとさ。
そーゆーわけで食事とか家事とか一人で大変だなって思うけど、本人は気軽にやっているみたい。
それでも一人っていうのは寂しいかもしれない。
こうして僕に夕食食べていきなよ、って言ったのもそういう内心があるかも。
何か出来合い物買ってくるかと思ったら、ちゃんと材料買ってきて料理するらしい。
僕も手伝おうか? といったらそこで座って待っていてといった。
僕はどきどきしていた。何故なら――――
「こういう光景って男のロマンだよな?」
誠は、裸エプロン姿だった。
「ちゃ、ちゃんと服着なよ」
「面白いからこの格好でする」
何が面白いのか。多分僕がこうしてどぎまぎしている様子を見てるのが面白いのだろう。
ちょうどキッチンが見えるところに僕を座らせ、その僕に背を向けておしりを見せ付けている。
わざと腰を振ってキュートなおしりを強調させて。あうう、なんて魅力的なおしりですこと。
ついでに言うとエプロンのサイズは小さく、布地も薄くて、そのせいで谷間くっきりで横から時々チラッと見えるおっぱいも僕を刺激する。
さっき散々やって抜かれたばかりだというのに、僕の下半身はまだまだ元気になっていた。
「ほい、お待たせ♪」
しばしの時間であっという間にテーブルの上は料理でいっぱいになった。
すごいなぁ、ここまで料理できるなんてえらいよ。僕なんて冷奴が限界。
そして誠お手製の料理とは……
山芋とろろかけごはん、生牡蠣、レバニラ炒め、ジンギスカン、ごぼうのきんぴら、焼きにんにく……
ずいぶんたくさん作ってくれた。しかし、だ。
「この取り合わせは何?」
「精力のつく料理♪」
ああ、よく見たらすっぽんドリンクまであったよ。理解しました。
そんな誠は目の前で裸エプロン姿で机に肘立てて僕ににっこり微笑んでいる。ああ、さりげなく腕をきゅっとしぼって谷間を強調しています。
これだけ作ってくれたことには感謝。だけど、こんな種類の料理、この後が不安。
そしてその不安は的中する。
「今夜は寝かせないからな♪」
微笑み殺し、ってこういうこというのだろうか。誰か教えてください。
一方、その兄竜介は――――
「翔は友達の家に泊まるって連絡あったよー」
親からのその連絡に不安を隠せないでいた。
### 3.苦悩する超乳 ###
とある日。
「辻センパイっ、今日もよろしくお願いしますっ!」
「お、おう。流星君か」
「うわっ、先輩今日はオンナノコなんですねぇ」
「う、うむ」
「すごぉいっ、迫力の超乳ですねぇ」
「ま、まあな」
「素敵ですっ、憧れちゃいますよぉ」
「ああ、流星君来ていたんだ」
「むっ、山瀬先輩っ。いたんですねっ」
「まあ、今日は活動日だし」
「僕は負けませんっ、辻先輩にふさわしいのは僕ですからねっ!」
「え、何を言ってるの?」
「………」
とある別の日。
「お邪魔するわよ」
「お、おう。流星君か。今日は女なのだな」
「あら、いたのあんた。まあ、下品にでかい胸ねぇ」
「た、確かにサイズはあるが……」
「ホルスタイン女ってあだ名が似合うわね。そんなやつ、本当にいるとは思わなかったわ」
「あの、流星君。先輩に対してそういう口の聞き方は……」
「きゃあ、皇ちゃんっ♪ 今日は女の子なのねぇ、カワイイわぁ、素敵だわぁ」
「へ? むぐっ」
「あんっ、柔らかいわぁ、いい匂いだわぁ」
「む、胸が。くるし……」
「おっぱい素敵だわぁ、食べちゃいたいくらいだわぁ」
「ちょ、どこ触って……ふぁ、あぁぁっ………」
「………」
「私は一体どうすればいいのだ…」
「知らんっ!」
本気で苦悩する辻を俺は始めてみたかもしれない。
苦悩する先輩をよそに新規同好会員の1年生、綾峰流星はいまだ先輩の山瀬皇をハグしたままだ。
相変わらず体に対して制服があっていない。大人が子供服着ているような感じだ。いい加減に再発注してほしい。
大人に見える特徴のひとつ、胸の谷間(立派な巨乳)に山瀬を埋めて愛おしくしているが、本人は必死にもがいている。
谷間に顔を埋める光景はさぞかしうらやましいかもしれないが、現状を見ると窒息してしまいそうだ。
それよりも問題はこっち。
「そうだ、やはり先輩の威厳が不足……」
ぶつぶつと何か言っているが、休息に根暗になっているような気が。
こいつの得意げな勝ち誇った性格は頭痛の種とも言える後輩によって急速に変化している。
しかしそれも一瞬のこと、いつもの強気な顔で立ちあがる。
そして先ほどから山瀬をハグしてやまない新入生につかつかと歩み寄る。
そして……山瀬を奪った。
「流星君っ!!」
突然の出来事に綾峰は驚きを隠せなかったが、山瀬を奪ったのが辻だと分かり、表情を固くする。
そして辻も綾峰をきっと睨みつけて、言い放つ。
「いいか! 正常位でおっぱい抱きをするのは長い時間するものではないっ! 互いのぬくもりと心地よさを考えればそんな窒息するような真似ではなく、乳まくらにするのが最も効果的な方法なのだよっ!!」
辻はいつのまにか奪い取った山瀬を胸に抱いていた。しかし綾峰とは逆で、後頭部を胸に当てるようにして。
つまり、乳まくら!
「結局何がしたいんだお前はあぁぁぁぁっっっ!!」
俺は突っ込みの蹴りを入れられずにはいなかった。
### 4.稀に遭遇する事件 ###
放課後、俺は一人の女子……女になった常久に手を引かれていた。
手を引く常久の表情は何だか楽しそうだ。なんなんだ、と思いつつもなんとなくこれからの展開を予感している俺。
生徒はほとんど帰宅して、無人に近い状態となった校舎。足を速めて進む目的地はその中でもいっそう人気の少ない場所。
階段を上りきったところ、屋上の入り口の扉を前にした。
いわゆるこの学校の秘密の場所のひとつ。こんなところにつれて来るということは当然……
「エッチするつもりだな」
「もちろん♪」
楽しそうに言うんじゃねえよ、ほどほどにしろよ。と思いつつも拒否しないあたり、俺も駄目だと思う。
この学校の場合屋上は開放されている。
安全がどうたらって事で封鎖されている学校も少なくないけど、この学校の場合はフェンスとかしっかりしているから大丈夫って事だろう。
その屋上の扉をがちゃっと開けてみれば……
「んあぁっ、健吾ぉぉっ、これマジですげぇよぉぉっ……」
「ははっ、お前もすげぇ締め付けて……はっっ!」
先客がいました。
女子生徒はブラウスとブラを開け放ち上半身おっぱいあらわで下半身は足首までショーツを下ろしてスカートたくし上げてフェンスに寄りかかり。
男子生徒はズボンを下ろしてフルボッキしたそれを付き立て、ぎゅっと抱きしめてらっしゃって。
そんな姿勢で、乱入した俺たちに気がつき、硬直しています。
うん、どうやら1年みたいだね。初体験の真っ最中かな?
その光景を目撃してしまった常久はというと、
「……ほどほどにしておけよ」
と、先輩らしく助言して扉を閉めました。
「ったく。節操ねぇなあ、あいつら」
ぷんすか怒っているけど、お前人の事いえないだろ。
### 5.弟君の色々な初体験 ###
「ん……」
カーテンの隙間からこぼれ、部屋に差し込む朝日。
朝の知らせ。それと共にけたたましく目覚まし時計が起床命令を発している。
寝ぼけ眼で意識もはっきりしていない中、そのうるさい目覚まし時計をとりあえず停止させる。
ベッドから手の届くところにおいておくのは二度寝するからあまりよくないというけど、僕は多分大丈夫だと思う。
それに、何か違和感があった。
「……」
何だか体が重い。こう、胸にかかる圧迫感というか、ちょっと苦しい。
「ん……」
体を起こしてみるとやっぱり体が重い。こう、引っ張られるというか。
「…ん?」
それと同時に視界をさえぎるものが、はらりと動いた。
これは、髪の毛が伸びている?
この状況にひとつの原因が浮かび上がる。それを確認するための行動に自然と移っていく。
まず下に目線を移動する。我が家の場合は寝るときはパジャマと決まっている。
そのパジャマ、昨日とは明らかに違う変化が起こっている。……膨らんでいる。
それはちょうど圧迫感を感じていた場所と一致する。胸だ。
この中に何かある。そう知らせていた。
僕の推論が、その事実を考えたとき、その正体を考えると同時に胸の鼓動が早まった。
そっとベッドから降りる。そして決して遠くない場所においてある姿見の前に立つ。
そこに立っていたのは確かに自分だ。だけど、昨日とはちょっと違う。
体の線がちょっと華奢になって、パジャマがちょっと大きくなった・・・ではなく僕の体が小さくなった。
髪が伸びていて、顔も角が取れたような。つまり、女の子の顔。
そしてパジャマを押し上げている何か。
緊張が高まる。一つ一つ、ゆっくりと、確実にボタンを外していく。
緊張する。そして、一気に開く。
ぷるんっ
「お、おおぉっ……」
感嘆の声、とはこのことか。
生まれて初めてかもしれない、生でこれを見た。おっぱいだ。
兄貴が女になったとき見るチャンスがありそうでなかったもの、それが、自分の胸にっ。
綺麗なおわん型、先端にはつんとしたピンク色の突起。うん、巨乳だ。
自然と顔がゆるむ。鏡の前の女の子が笑みをこぼしている。ていうか、にやついている。
なんとすばらしい。これが、おっぱいとは。
そ、そうだ。まだ確認しなければならないところがあった。
体が小さくなって腰のゴムがゆるくなったか、既に下がちょっとずり落ちている。
だけど完全には落ちないのはおしりが大きくなったからだろうか。それはいいとして。
下もそっと、下着ごと下ろしてみる。
「おぉぉ……」
毎朝のように元気になっているアレはどこにもなかった。つるっとした見た目。
そしてうっすらとした茂みの下、女の子の神秘の場所が。
「お、女の子に、なった……」
ついにこのときが、待ち望んでいた女の子のときがやってきた。
鏡の前に立つ半裸の女の子、それが今の自分。実に可愛い、自画自賛だけど。
特にこの存在感あるおっぱいがいい。大きすぎず小さすぎず、バランスの取れたこれが。
せっかくなので、揉んでみた。
「おぉっ、柔らかい…」
マシュマロなんていう人いるけど、それよりは弾力がある。もっちりとした感触。けど、柔らかい。
それと同時に触られているという感触。楠木のも柔らかかったけど、触られるとこういう感じになるのか。
せっかくなのでちょっとポーズとって見た。
こう、下に手を組んで自分を抱きしめるような感じでおっぱい持ち上げて。
「……いいっ!」
なんとすばらしいっ! おっぱいの存在感が強調されて実にいいっ!
そ、そうだ、こっちだけじゃない。下だって変わったんだ。こっちももっと調べなきゃ……
「うぉい翔。いつまで寝て……」
いるんだ? って言おうとしようとしたところで停止した。
そして、僕も停止した。
半裸になった女の子の僕。普通だったらラッキースケベな展開で兄貴は大喜びな展開だけど。
すっごい顔していた。
「……とりあえず今日は下着貸してやる。ちゃんと自分で買ってこいよ」
「兄が女物の下着貸すってのも変な話だな」
楠木が笑っているけど、僕としては恥ずかしい姿見られたのがとにかくショックだよ。
とにかく今現在兄からの下着をお借りして着用。どっちにしてもサイズ合ってないから買わなきゃいけないということで母からお金を頂き、放課後買いに来ている次第です。
場所はこの前、楠木が僕を同伴させて買いに来た下着店。
サイズは保健室で測ってもらった。68のEだって。
Eってことは楠木と同じサイズか、と思ったけど、僕の場合はアンダーが小さいから比率で言えば僕のほうが大きいということになるのか。
それと、身長もぐっと低くなったからロリ巨乳って感じかも。
それにしても・・・
「普通に入ってきちゃって大丈夫?」
「ノープロブレム」
いや、ちょっとは恥じてよ。そこまで堂々と下着店に入ってこられたら、一緒にいる僕のほうが恥ずかしいって。
とりあえずさっさと選んで買っちゃおう。無難に白とか青とか地味なやつにしておこう。
陳列されている商品の中からサイズと探し出し、地味なやつを選んで試着室へ。
保険の先生にもサイズが本当に合っているか、最初はちゃんと試着しろっていわれていたから。
ブラは結構デリケートらしい。
「うっっ!」
試着すべく制服を脱いだところで、固まった。
目の前の鏡にいるのは上半身裸、下はスカートだけのトップレスな女の子。
自分の体だけど、やっぱりこれは刺激が強いもので。
「み、見ないように見ないように」
無心になる。とにかくさっさと試着を済ませて買って帰ろう。
ええと、ホックが後ろの場合、前で止めてから回してつければいいんだったな。
回して回して、それで肩紐かけて、周りのお肉を集めてカップに入れる……
「うっっ!!」
お、おっぱい……柔らかいっっ!
はぅぅ。自分のなのに触って緊張してしまうとは。毎回毎回ブラつけるために触らないといけないのね。
それにこう、寄せて集めてって、思いっきりわしづかみにする感じで。
くっっ、ハードルが高い。
とりあえずサイズはOKみたいだが、ブラをつけるたびに毎回こんな思いをしなきゃいけないとは。
先行き不安。すぐに慣れるかな?
「おおっ、サイズはいいんじゃないか?」
「うわっ!? 何勝手にあけてんだよっ!!」
楠木が勝手に試着室の扉を開けやがった。
「早く閉めろっ、着替えるからっ」
「いやぁ、せっかくだからさ。女の子になった記念にと思っていいもの買ってあげようかと」
すごくいやな予感がする。何を買うかって、その手に持っているやつか?
「これをね」
楠木がすっごくエグイ黒のTバック持ってました。
「ちょっとは考えてよっ!!」
「いやぁ、つい・・・」
つい、って理由で公衆の面前であんなことされては困るっての。まったく、おかげでまともに選んでられなかったじゃないか。
とりあえず2セット買ったけど、この感じからすると足りないな。また別のときに買いに行かなきゃ。
うぅっ、女の子になったとはいえ、あの空間に入っていくのはやっぱり勇気が必要だよ。
今日だっていっぱいいっぱいだったのに、勇気振り絞って入ったのに……
「まあ、彼女の下着一緒に選ぶ彼氏もいることだし」
「誰が彼女だっっ!」
ぜんぜん反省してない。
今現在僕たちは楠木の家に来ている。一人暮らしのアパートの部屋だけどきちんと片付いている。
そこだけはえらいと思うよ。そこだけは。
「で、だ。翔クン、ちゃんと着替えた?」
「……本っ当に反省してないな」
「まあまあ」
楠木の言いなりになっているようで感じ悪いけど「俺の処女奪ったろ?」ってことで反論できない。
あの時は僕もずいぶんやっちゃったからなぁ。こんなことなら断っておけばよかった。
しかし、後悔先に立たず。
ベッドに座りにやついた顔、どこか余裕のある表情で僕を見ている。
一方で僕はその前に立ち、恥ずかしながらも、そっと制服のスカートをたくし上げて中を見せた。
「おおっ、絶景ですなぁ」
恥ずかしさで顔が真っ赤だよ。
制服のスカートの中身、それはさっき楠木が買ったあぶない下着だ。
真っ黒のTバック、もはや布地は前の大事なところをかろうじて隠しているだけで、他はほとんど紐みたいなやつ。
気分的には穿いていないのと同じ。ちょっと紐がついているかな、ぐらいの気分でしかない。
「そのままぐるっと回って」
「くっ……」
ぐるっと回る、ということは楠木におしりを見せる、ということだ。
これ、後ろは上のほうは紐が二つに分かれて、パンツの輪郭をたどるように紐がついているから間から割れ目がはっきり見えている。
「うーん、可愛いおしりだねぇ」
「バカっ……」
なんでこんなことに。さっさと帰りたいと思っているけど、無理だろうなぁ。
なんとなく、この後の展開が予測できるし。
「なんとなく、この後の展開が予測できてるだろ?」
僕の心を見透かされた気分だ。気がついたら楠木が急接近していた。そして、僕の腰にそっと手を回す。
「やっぱし、やるんだよな?」
「期待していたんじゃないのかな? 濡れてるよ」
「なっ……!!」
気がつけばショーツが濡れてるじゃないか!
「こ、こんな下着着せるから恥ずかしいんだよっ!」
「あーはいはい。でも着るのは自分でやったからねぇ」
「このっ、んっ……!?」
確かに自分で着たけどそれはお前が、と言おうとした所で塞がれた。楠木の、唇で。
「んっ、んんっ……」
つまりのところ、濃厚なキス。楠木が舌を入れてくる。自然と僕は、それを拒否せず、同じく舌を絡ませた。
「ぷはっ。な、何するんだよっ!」
「文句言いながらもノってたんじゃないの?」
「ば、ばかっ!!」
そういいながらも自分の体が火照ってきたのを感じていた。
至近距離で見詰め合って、男同士なのに、キスなんてしちゃって。
うう、でもこいつが女になったときもやっぱり色々しちゃったから、あんまり反論できないな。
「うわっ!?」
スカートが落ちた。というより楠木が脱がせたんだ。
いつの間にか腰に手を回して、ホックを外していた。
「さあて、こっちも」
「ま、待てこらっ」
ブラウスにまで手をつけて手際よくボタンを外していく。
女性のボタンが逆向きなのは脱がせやすくするためという説もある。
そのせいか、それとも楠木のスケベ思考が勝ってのことなのか、あっという間にこっちも脱がされてしまった。
「うんうん、こっちもちゃんと着けてくれたね」
「ばっ……見ないでよっ」
「そうやって恥ずかしがっている姿もまたいい」
「ぐっ……」
恥ずかしい、その思いが顔を真っ赤にしていくのを感じる。
ショーツとブラはセットのようだ。ブラのほうはというと本来の機能は果たしていない気がする。
ブラって、胸を支えるためのものだよね?
しかしこれは、ブラの形をしたようなもの。ブラの形をしているけど、おっぱいは丸出し状態。
オープンブラとかカップレスブラとか言われているみたいだけど、僕からしたら紐ブラだよ。
あっという間に下着姿にされて恥ずかしさ倍増だよ。
「うんうん、エッチな下着にオーバーニーソの組み合わせは正解だね」
訂正、ここが残っていました。しかし恥ずかしさはさらに倍!
「うっ……!」
ショーツの中に、ブラの中に楠木の手が入ってくる。
ブラに包まれた乳を揉まれ、下半身の大事なところに触れられて。
「あっ、うぅっ……」
ぞくぞくする。体が感じちゃってる。
女の子ってこんなに感じちゃうのか? なんか変、男の時と全然違う。
「じ、自分でもまだちゃんと見てないのに……」
大事なところを攻められて、感じちゃって、そんなことをつい口にしてしまった。
それが悪かった。
「あー、それは悪かった。じゃあ、ちゃんと見ながらやろうか」
「あ……」
鏡の前に連れられた。
姿見の前、そこに立っていたのはショーツとブラに手を突っ込まれた女の子のいる姿。
恥ずかしい顔して、回された手にしがみついて。
そっと、鏡との距離が縮まっていく。
そして、するりとショーツが下ろされた。
全部ではない、ほんの5センチほど、中が見える程度にまで。
自然と自分のそれに釘付けになってしまう。
朝は兄の乱入でじっくり見ることのできなかった、その部分。
ピンク色した小さな割れ目は、妖しい世界に誘い込んでいるような入り口。
透明の粘液がとろり、とこぼれて糸を引き、なまめかしく輝いている。
「可愛らしいおマンコだね」
顔が赤くなる。恥ずかしいよそんなこと言われて。
その部分を楠木は撫で回す。手のひらで、優しく撫でている。
こんなエッチな気分になったら男だったらすぐにあそこが反応するもの。
だけど、今それは存在していない。
つい昨日まであったのに、今は影も形もなくなって。
頭の中ではそれがあると思っている。なのにその部分が平らになって撫でられて。
違和感があふれる。なくなっちゃったのがこんなにも落ち着かないとは。
それが起立するために流される何かが、行き場のなくなった何かがあふれ出てきちゃいそうな。
そんな違和感のせいで、体が高揚していって……
「ひゃあぁっ!?」
不意を、つかれた。
いきなりやってきた衝撃で、僕は立っていられなくなって、腰を抜かして。
「結構敏感でしょ? クリちゃんは」
「あ、あぁ……」
これが、女の子のすごく敏感なところ。
落ち着いてちょっと冷静になった頭で、ようやく状況が理解できた。
行き場のなくなった何かが、ちっちゃなここに集中していて、そこに軽く刺激を加えられて。
それと気がつく。おしりに、硬くて厚いものが当たっている。
「いいかな? そろそろ我慢ができないんだけど」
耳元でささやかれる声。緊張する。どきどきする。
鏡の前の僕、楠木のひざに座って緊張している女の子。
エッチな下着を下ろして、その下のとろとろになった所の下から、後ろにあったそれが姿を現す。
あ、すごい。大きい。
ぴと、と当たった。やっぱり熱い。びくっとしている。
何か別の生き物のように見える。つい昨日まで自分にあったそれがそう見える。
僕の体が抱きかかえられる。入れやすいように、おしりがちょっと浮いた。
先端が当たった。今から入ってくる。
どきどきどきどき。
「あ、ぁ……」
鏡の前の女の子に入っていく、入ってくる。
うわっこれ……変な感じ。
ここは突起があった場所で、入り口なんて本来ないのに、でも今は女の子で、突起はなくなって入り口ができていて。
ゆっくりゆっくり入ってくる。ある程度入ったところでつっかえた。
そこにあるのを僕は理解した。理解したのは、その痛みがあってからちょっと時間かかったけど。
ぷつっ
「ひっ……!?」
痛いっ、一瞬の痛み。ずきずきする。
鏡の女の子の接合部、そこからじわりと漏れ出す赤い液体。
なくなっちゃった。ってやつか。
血が出ると痛い。痛みに戸惑う僕を楠木は後ろからきゅっと抱きしめる。
「楠木……」
「ダメ、それじゃ」
「へ?」
「ちゃんと名前で呼んで。誠って」
「えっと、誠?」
名前で呼ばれたのがうれしいのか、くすっと笑ってさらに抱きしめる。
そんなことしていたら痛みが少し治まってきた。
繋がったままだから違和感は抜群だけど、少しはこれで落ち着くのか?
「じゃあ、動いてみようか」
僕の下半身が突き上げられる。それによって軽くずん、という衝撃が。
「ひゃっ!?」
今、感じた。すごく敏感なところを触られた。
「ん? ここかなぁ、翔ちゃんのビンカンなところ」
「あ、まって、そんな……ひゃあっ!」
それを知ったが誠は徹底的に攻める。
ほんのちょっと角度が違うだけで当たる当たらないの位置だけど、誠は的確にそこを。
「あっ、そんな、マコトっ!!」
「ふふっ、見てよ鏡を。かわいい顔しちゃってさあ」
「ば、ばかぁっ!!」
鏡を見ながら、見せ付けられながら。
自分の感じちゃっている恥ずかしい姿を見せ付けられながら。
男の誠の上に乗り、恥ずかしいそうにしている女の子。
突き上げられる衝撃で腰を揺らし、ぷるんぷるんとおっぱいも揺れる。
恥ずかしくって足は閉じている、けど、気持ちよさそうにしている女の子。
それが、今の僕。
体に力が入らない。気持ちよくって、あぁっ……。
「だ、ダメっ……い、イッちゃうぅっ―――――!!」
「行くときは一緒だよ。翔ちゃん」
その耳元のささやきで、僕の気持ちは爆発した。
「んぅぅぅっっっ―――――!!」
あふれる何か、結合部の中で、何かがいっぱいになっていくのが感じ取れた。
恥ずかしい。
男なのにあんなことして、誠いわく「可愛い声だったよ」という声を出してしまって。
男としてのプライドが、何かが失われてしまって。
これからの学校生活、約半分を女の子で過ごすことに少し不安と後悔を感じ始めてしまった。
そして今、何よりも恥ずかしいのは……
「うんうん、可愛いおしりだねぇ」
「うるさいっ!」
裸エプロンで、食事を作らされていること。
これは誠が女になったときの再現か?
自分もやったんだから翔もやりなよ、といわれて押しに負けて今に至る。
はぁ、とため息しか出てこない。
「ひゃわっ!?」
油断した。いきなり尻を撫でられた。
「何するんだよっ!」
「いやいや、そこに綺麗なおしりがあったから」
「やめんかっ! こっちは今包丁持っているんだぞっ!」
「うんうん、ツンデレ風味がきいてていいねぇ」
「調味料じゃねぇっ!」
「まあ、とりあえず一言いえるのは……」
「何だよ」
「今夜は寝かせないからな♪」
狼に捕まった子羊、ってこういうこというのだろうか。誰か教えてください。
一方、その兄竜介は――――
「翔は今日も友達の家に泊まるって連絡あったよー」
親からのその連絡に頭を抱えるしかなかった。
### 6.定番ネタを打ち破るための考察 ###
学園祭、それは学生たちがもっとも盛り上がるイベントのひとつである。
普段の苦しい学業から開放される、はっちゃけた気分になれる。
その時期が近づくと次第に気分が高まっていく、不思議だ。
とはいうものの、物事には準備が不可欠。
そして今日、その学園祭で何をするのか、科目をひとつつぶして行われるクラス会議が開始された。
「さて、それでは始めていこうか」
教壇に立つのは学級委員の辻だった。
こいつ服飾同好会の会長をし、さらには学級委員もしているとは。
実に心配そうなのだが、こう見えてクラスからは信頼されていたりする。
俺にとっては不思議でならないのだが、多分こいつのマニアックなエロな特性とクラス男子たちが持ち合わせるスケベ心がどこかで調和しているんじゃなかろうか。
どっちにしても普通じゃない。
ちなみに今現在の辻は男の状態。デブな眼鏡をかけたオタク男子。
しかし憎めない特性を持っているのだから大したものだ。
「では学園祭の当クラスの催し物の案を希望としてあげてもらえるか?」
そして暮らす生徒からぱらぱらと手が上がる。
「メイド喫茶」
「メイド喫茶」
「メイド喫茶」
「メイド喫茶」
「他にないのかお前らっっ!!」
だんっ、と机を叩く音が響き渡る。俺の張り手ぐらいでは机は壊れない。
メイド喫茶をやたらと出してくる状況、思わず突っ込みを入れてしまったがこれはよくなかった。
「何だと!? お前メイド喫茶をなんと心得る!」
「メイドのよさが分からんのか! 可愛らしい笑顔で『お帰りなさいませご主人様』っていうあのよさが」
「メイド服のあの魅力、フリルの使われた可愛い仕事着が」
「そうそう、ミニスカートの中にチラッと見える絶対領域」
「そして引き立てるガーターベルトもすばらしいっ!!」
熱く語り始めた一同。この学校は男子校だからこの会話はある意味ありだが、うち半数は今現在ナノマシンのせいで女になっている。
ちなみに今熱く語っているやつの中にも女子が混じっていのだが。
ついでにいうと、その魅力を自分たちでやるんだぞ、わかっているのか?
「辻っ! お前は分かってくれるよな、メイド喫茶がいいよな!!」
「却下だ」
「そうだよなぁ、お前はわかって……却下あぁぁぁっっ!?」
おっとこれは以外。同意を得ようと思って振ったのだが、委員長より却下の声が降りてしまったとは。
俺もてっきり認めると思っていたのだが。ちょっと意外。
「辻ぃ、何でお前まで拒否なんだよぉ」
クラスメイトAが半泣きですがっている。そんなにメイド喫茶がいいのか。
「いいか? 昨今は一時期の萌えブームによってメイド喫茶の認知度は飛躍的に増大した。それ以前はオタクが訪れる怪しい喫茶店というイメージであったにもかかわらず、だ。しかしメイド喫茶はそんな店ではない。最大限のもてなしの精神を集約した喫茶店、それがメイド喫茶なのだ。メイドという奥深さは、あのメイド喫茶の入り口で『お帰りなさいませ、ご主人様』というセリフで決まってくる。まるで自分の家に帰ってきたかのようなリラックスした気分でゆったりと時を楽しむことができる、それがメイド喫茶の醍醐味だ。また数少ない、限られた数しかなかったゆえに希少性も付与されていた。それがここ最近薄れているとは思わないか? それがいまや『かわいい』という単語を持って集約されるようになった。ただ単にちょっとエロい、興奮する制服を着た女の子が相手をしてくれるだけの雰囲気の店ではないか。言うならばこれはキャバクラと同じだ。女の子に鼻の下のばすためだけにいっている店はそれと変わりない。そんな生半可な奥深さのない意識でやるのは言語道断! 希少性という観点でも学園祭でやるには意識が薄れている。去年にいたってはクラスの6割以上がメイド喫茶だったではないか。こんな生半可なメイド喫茶、私は許すわけにはいかないっ!!」
むむぅ、確かに一理あるような。そんな風に思えてしまう。
文句上げていたクラスメイトAも反論できない様子。他の指示していた生徒たちも同様だ。
「で、そこまで言うってことは別の案があるってことだよな?」
そう声を上げたのは石井常久。今は女子生徒の姿。
「ふっふっふ、もちろんだとも」
腕組をして不適に笑う辻は限りなく妖しい。目元がキラーンと輝いたように見えたのは仕様か。
「この私がプロデュースする企画に抜かりはないっ! ついてくるか皆の衆!!」
その声にどこからかごくり、とつばを飲む音が。
こいつに対する妙な信頼感はここでもクラスメイトを引っ張ってしまったようだ。
俺は不安しか感じないけど。
学園祭当日。
日常の勉強から開放されるこの日、学校外からもお客さんがやってくる学園祭はまさにお祭り気分。
生徒それぞれがクラスや部活動の催しを出展し、あちこちで呼び込みに必死の声が飛び、楽しいの一言に集約される。
そういえばあいつ、うちの同好会は一体何をするんだ、というのは要らぬ心配だった。
そもそも今回のクラス企画は服飾同好会とコラボ企画にされていた。いつの間に。
そんなあいつが一体どんな企画をしたのかというと……
「餅つきだ」
「それだけ聞くと相当不安になるのだが、俺はその姿を見てもっと不安になってきた」
辻の姿、これもコスプレ…もとい、服飾同好会のなせる業なのか?
短めのはっぴ、ねじり鉢巻、サラシを巻いて、下はふんどしスタイルだ。
女の体で。
「どうしてそうなったのか俺はもう理解できない」
頭抱えるしかなかった。
「何を言う。今年も俺が予想したとおりメイド喫茶が乱立している。その中で客を勝ち得るためには異色を放つ企画である必要がある。となるとまずはコスチュームからだ。メイド喫茶は当然メイドであるから洋風だ。そうなると逆の属性、和風で攻めるのがベスト。そしてその中で仕事スタイルともいえる服装をチョイスして考えればこの姿に行き着くというわけだ。さらには女性でありながら男性が着る衣装を身にまとうことで力強さを演出し、ギャップ萌えという属性まで引き出してくれる最適な服装よ!」
まずい、頭痛もしてきた。
「そうだ辻。いまや俺たちは一致共存よ!」
「むっ、お前たちも既に装備済みか」
「ふふっ、いいもの選んだくれたなぁ。素敵なおしり見放題じゃねえか」
「自分でやるのもまた、乙なもので」
「ぬ、濡れるっ!」
誰かバファ○ンもってますか?
それにしても今日は女子率が多いなぁ。
普段だったら半数程度の比率なのに、何だか今日は多い。
ちなみに俺は今現在男モード。こんな姿にならずにすんでいるが。
「ふっ、裏技をレクチャーしたまでよ」
「裏技?」
「そう、妨害を仕掛けるという技だ」
ああ、あれか。
詳しい仕組みは分からないけど、女の体であそこにブツを突っ込んでいると男には戻らないってやつ。
こいつが見つけたらしいけど、それを使ったのか。
「ああ、おかげで女の体でこの日を迎えることができたよ」
「こんな業があったとは、辻野やつよく見つけたよな」
「ちょ、ちょっとあそこが痛いけどさ」
……ああ、どこか遠くへ飛んでいきたい。
「さて皆の衆! 今日という日をついに迎えることができた。早速出陣ぞ!!」
「うおぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!」
どこの戦国武将だ、と突っ込んでやりたいが、和装のせいで今の光景何故か似合ってるし。
「はぁはぁ。お、おしりがいっぱい」
「おい常久。お前まで毒されているのかよ」
「はっっ! つ、つい見とれてしまった。それよりも竜介」
「ん?」
「ぼ、僕の格好どお? 似合ってるかな?」
こいつまでもが女になって褌スタイルかよ。
そういえば常久っておしりフェチだっけ。それが重なって自分のおしりまで見せたいって気持ちになっちまうのか?
妙におとなしく辻にのったよおもっていたら、そういう事情か。
自分のを見せるのもそうだし、みんなのも見れるから賛成したってか? こんの野郎。
それにしてもすごい光景だ。
はっぴに褌姿の女の子が勢ぞろい。辻はさらしをしているけど、他半数はサラシしていないから谷間くっきり。
さらには支えるものが機能していないから歩くたぴにプルプル震えてるし。
何よりもくいこんだ褌で女の子たちのおしりが丸出し同然になっている。
おしりがいっぱい。うーん、目のやり場に困る。
しかし、だ。ここまですごい光景が広がっているとなると、気になるのが……
ぴーーーーっ
「風紀委員会です」
「むっ、何のようだ?」
「肌が過剰に露出している衣装は禁止されています。今すぐ着替えてください」
「何いぃぃぃぃっっっ!!?」
まあ、そうなるよな。
結局風紀委員会と辻のバトルは2時間かけたが勝つことができず、女子たちは泣く泣く衣装を脱ぐハメとなった。
餅つきというイベント自体は悪くなかったのだが、制服姿では特にこれといって集客効果が大きかったわけではなく、評価はぼちぼちといったところ。
ちなみに優勝したのはゴスロリ衣装でロックコンサートやったクラスでした。
「くっ、次回は風紀委員を買収するのを忘れぬようにしなければ」
「お前留年するつもりか?」
### 7.エマージェンシー ###
生徒各位
本日性転換に作用するナノマシンに異常が確認されました。
それにより性転換後(女性の体)が本来の体とは異なるものになってしまいます。
この異常は24時間以内に沈静化するものと思われます。
そのため、本日は臨時休校とし、各生徒は自宅待機とするように。
以上。
とどのつまりは原因が分からない、時間が解決するからおとなしくしてろって事だ。
前回も似たようなことがあったか。そのときも原因がよく分からず、結局一日したら戻っていた。
だから今回もという事か。手抜きか。
「まったく、ちゃんと仕事してほしいものですわ学校には」
学校の対応に不満があるのか、それとも今の容姿に不満があるのか、ぷんすか怒っているのは綾峰流星。
自宅待機だというのに辻に呼び出され、服飾同好会一同は当人の自室に集合。
こいつの思考パターンは決まっている。今を楽しんでみよう、だ。
別にいいけどね、どうせ家にいても暇だし。
もっとも、この自宅待機を一体どれだけの生徒が守っているかも疑わしいし。
そんないつもと違う状況、当然ここに集まった面々も普段とは体がちょっと違う。
とはいっても大幅に変わったというのはそんなに多くないはず。
全員女の体になっているというのは共通かもしれないが、特徴がどれほど変わっているかは人による。
俺なんかはぱっと見た感じ変わっていないように思えるだろう。
しかし、先ほどからぷんすか怒っている綾峰はだいぶ違う。
普段の女性体では背の高い、すらっとしたモデルみたいな美人だが、今ではその面影はまったくない。
見た目は、実に子供。小学校中学年か高学年かのレベルであの大きな胸もないストーンとかするぺたとかそういう感じ。
男のときも身長は低かったけど、それよりも頭ひとつ分は低い。誰がどう見ても子供だ。
しかし特徴的だった金髪は健在。それも無駄に長い、自分の身長ぐらい長い髪はいったいどういうことなのか。
「何で私がこんな子供なんですか。お子ちゃまじゃありませんのよ」
うん、外見と発言がマッチしているよ。
よくマンガとかに出てくるロリ系金髪高飛車お嬢様そのまんまだし。
それにしても着る服がなかったのか。サイズが一回り大きい服を無理矢理着ているからだぼだぼもいいところ。
見た感じ、女になったときの身長が高いときの服を着ているように見えるが、だったら男のときに着ている服のほうがまだ身長近くてよかったんじゃないの?
そんなことを言ったら・・・
「何で私が男物の服を着なきゃならないのですの!?」
マジで怒られた。どうしよう。
それにしても制服はちっさいの無理してきているくせに、普段着の女物はちゃんとサイズ合うの着ているって事か? 制服も合わせろよ。
「しょうがないね。一日我慢すれば大丈夫だから、さ」
一方の大人な発言は山瀬。いや、こっちは本当に大人になっている。
こいつ男のときも女のときも小柄だったのに、今はここにいる誰よりも身長が高い。
最低でも180センチ、すらっとした足が伸びて、手足細くて、おまけに胸も爆乳だ。
そんな魅力あるボディを引き立てるのは・・・やっぱしサイズが合ってない服。
小柄な体のときにしている服を本当に無理して着ている、子供服を大人が無理して着ている図だ。
比較的サイズに余裕のあるパーカーを選んでいるあたりはいいけど、それも限度があったようだ。
「だって、僕大きい服持ってないし」
それもそうだけど。
見ているこっちはすごく苦しそうに見えるぞ。胸なんてはちきれんばかりで。
「はっはっはっ、実にすばらしいではないか」
怒っているやつ、諦めているやつと続いて楽しんでいるやつもいる。辻だ、こいつ意外にない。
「普段は絶対見ることのできない魅力ある姿ではないか。楽しもうではないか」
あーもーこういう思考なんだから。
「で、蔵本はどうなのだ? どう変わったのだ?」
やっぱり順番的にそうなるよね。だけど、正直俺の変化はあまり明かしたくない。
これはちょっと、恥ずかしい。
というわけで振ってみた。
「そういうお前はどうなんだよ。そんなの着ているってことは、結構でかく変わったって事か?」
そう、俺はこの部屋に入ってからというもの、気になって不安で落ち着かない。
今の辻の服装、バスローブを着てずっとベッドに座ったままなのだ。
相変わらず得意げな表情を浮かべ、相変わらずバスローブに包まれた非常識なサイズの胸があって、相変わらず余裕を見せた腕組をしていて。
しかし、そこから下。体のラインがなんだかおかしいんですけど。
バスローブ事態のサイズは結構大きい。それを包んでいるバスローブのラインがおかしい。
何かを詰め込んでいるように見える、そんな感じで。
「ふっ、気になっていたか?」
俺に質問投げかけたことを忘れたのか、それとも俺の意図を汲み取って話に乗って無理矢理暴こうとしているのか、分からないがとにかく辻は不敵な笑みを浮かべた。
今、もぞっと動いたような。
「私は、こうなったのだよっ!」
バスローブが開放されて、中があらわになる。それは……
「い、イカあぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!?」
「た、タコおぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!?」
俺と綾峰は絶叫した。
あらわになったのは無数の触手、うじゅるうじゅると蠢く不気味な色をした触手、辻の下半身がバケモノ、触手になっていた。
本数はタコの8本でもイカの10本でもない、絶対にそれ以上ある。
色もタコの赤っぽいものでもイカの白っぽいものでもない、生物の警告色、毒をイメージすることの多い青色をしている。
「ふっ、すばらしいだろ。スキュラというやつだ」
スキュラ、たしかギリシャ神話に出てくる半人半妖のなにか、モンスター娘ってやつか。
上半身はいつもの超乳保持者の辻であるのに対し、下半身はうねうね動いているバケモノって、気色悪すぎる。
それにしてもこいつ、前回は複乳だったか。そして今回はこれか。
確実に陣外になっていくな。辻だからこそか。こいつに常識なんてものは存在しないのか。
「ひぃぃやぁぁぁぁっっっ。うねうねいってるぅぅっ、こわいよおぉぉぉぉっっ!!」
絶叫した綾峰はそのまますっかり怯えてしまっている。
さっきまでの強気お嬢様はどこへやら。萎縮してがたがた震えて、半泣きの姿は外見の年相応か。
まあ、こうして怯えている姿は外見相応で可愛く見えるのだが。
一方、真逆の反応をするやつもいる。
「すごいですっ! さすが先輩ですっ。こんな姿になるなんてっ、カッコいいですっ!」
山瀬だ。
下半身タコに妙に興奮している。まじまじと見つめて、アイドル見つめてる女の子みたいにときめいた顔している。
すごいすごいと誉めまくっているけど、こいつにとってみれは辻はすごい先輩でありとあらゆることが尊敬の対象に脳内変換されてしまうのだろうか。
俺はというとさっきからドン引きしている。それが普通の反応だと思う。
言うならば綾峰の反応も正常な反応だ。こんな空想上のバケモノ、目の前にリアルで存在されたらそうなるって。
ただ、俺はひとつ確認しなければならない。
「なあ、辻」
「何だ、蔵本」
うじゅる、と触手まで反応した。
「それはスキュラなのか?」
「そうだとも、スキュラだ」
うじゅるうじゅる。
「スキュラってのは俺の記憶では上半身は確かに美女(笑)だが、下半身はタコじゃなくて、魚と6匹の犬じゃないのか?」
うじゅる?
「…………………………」
「…………………………」
うじゅる…………
「萌え要素に限界はないっ!!」
開き直りやがった。
「辻ぃぃぃぃぃっっっ!!」
その瞬間、触手が一気に動き出するをおれは見逃さなかった。
明らかに迫ってくる動きを初動で察知し、俺はすばやく動いた。
背を向け、一目散に部屋の扉に直行し、外に出て、扉を閉めた。
「(むっ、蔵本は逃げたか)」
「(ちょっと何で閉めるのですかっ、いやゃぁぁぁぁっ、イカが、イカが足にぃぃぃぃっっっ!!)」
「(いやんっ、先輩に捕まっちゃった♪)」
「(あなたなにを喜んでいるのですかっ、きゃあぁぁっっっ、ぱんつの中にぃぃぃぃっっっっ!!)」
「(あんっ、先輩ったらぁ。おっぱい好きですかぁ、えっちぃ)」
「(うええぇぇんっっっ、いやぁぁぁっっっ、助けてぇぇぇぇぇっっっっ!!)」
うーん、中から響く綾峰の絶叫にちょっとだけ罪悪感が。
しかし悪い、俺にはもう何もできない。ここで入ったら俺までもが巻き込まれてしまう。
だから、綾峰の尊い犠牲は忘れないよ。
というわけで、さよなら。
さて、あの三人はとりあえず放っておいて大丈夫だろう。
辻の家を出てからしばらくして、俺は携帯を確認した。
あの場にいなかった人物、常久からのメールだった。
『ごめん、ちょっと助けて』
実に簡単なメールだ。一体何があったのか、どう助けて欲しいのか感じなことが分からない。
しかし、その内容は今のエラー現象に関連している事ぐらい推察できる。
それも電話じゃなくてメールって当たりで、緊急度は低いと見た。
辻の家に行く前から受信して気になっていたのだが、都合よく出てこれたのでようやくあいつの家にいける。
あいつの家はマンションの一室、両親は共働きでやたらと海外に行っている。
それなりの年齢とはいえ、子供そんなに放置していいのか? なんて疑問に思ったが、まあ今はそれもありがたい状況。
おかげで好きに行動できるのだから、いいってことか。
して、その部屋のチャイムを鳴らす。
「遅いよ竜介」
出てきた常久は当然のように女の姿。男に部屋の扉空けてこんなセリフ言うのは彼女と彼氏の関係に見える。
が、そうじゃないのは当然。それよりも今の常久の姿に釘付けになる。
常久の姿はいつもの女の子の姿。それプラス、超乳。
下はハーフパンツ、上はパーカーだが多分パーカーにしたのは比較的大きめのサイズでゆとりがあるからだろう。
しかし、それでさえ乳をしまうには小さかった。
明らかに乳がでかすぎる。超乳で知られる辻よりもずっと。そのためチャックを閉めることができなくなっているようだ。
だから前が開いてて、とりあえず大事なところ隠しているけど谷間はしょうがない、というスタイル。
見た目には女子がふざけて胸にビーチボール入れてみました、って感じ。だが中に入っているのは本物だ。
「とりあえず入って」
「お、おう」
常久の姿に若干驚いて硬直していたがとりあえず部屋の中へ。
そして目にした、部屋のすさまじき惨状。
あっちこっちに、白い液体が散らばっている。
いやその、部屋を埋め尽くすほどじゃないけど、牛乳コップに入れて部屋走り回っていろんなところにこぼしちゃった、みたいな?
そして部屋の隅っこに、多くのペットボトルと白い液体で満たされたバケツ。
頭の中で、結論が導かれてしまった。
つまり、超乳にミルクいっぱい入ってて、今まで搾ってはペットボトルにつめていた、ってことか。
しかし一体どれぐらい出たんだ。ペットボトルか1、2、3……
「その、やっとこさ搾ることができてここまで小さくなったんだよ」
「へ?」
「朝起きたときは身動き取れないぐらいでかかったんだよ。布団丸めてくっつけたぐらい。で、今やっと搾ってここまで小さくなった」
想像の上を行っていた。
今でさえ非常識にでかすぎる。なのにこれよりもまだ大きかったのか?
「お前、がんばったなぁ……」
不思議コメントと共に頭をなでなでしてしまった。
しかし、そうして大きなサイズが搾られたというのにしぼんだという感じはなく、超乳だというのに綺麗な形とはどういうことなんだ?
ナノマシンによる補正? まあどうでもいい。
「けどさ、少しはマシになったけどまだ胸が苦しいんだよ」
そりゃそうだ。いきなりこんな大きな胸になったんだから圧迫されて苦しいだろうが。
「だからさ、搾るの手伝って」
そうだろうと思った。
「で、どうしてこうなったんだ?」
「え? だって竜介おっぱい好きでしょ?」
そりゃそうだけど。
常久のひざの上に寝かされ、仰向けになって、目の前にさらされたおっぱいを吸わされている。つまり、授乳。
頭を抱かれ、お乳を含まされ、そこからあふれる母乳を飲まされるのは、赤ん坊になった気分。
…ちょっとはずかしい。
どう考えても非効率。今まで手で搾っていたのと比べれば、こうして口に含んで飲んでいくのは効率が悪いのは明らか。
牛乳一気飲みなんてしたことないけど、胃袋の容量限界考えたらギブアップするのはあっという間だ。
だったら手で搾れよ、それを手伝うから、と思ったのだが。
「手で搾るとおっぱい痛いから。だからこっちのほうがいい」
一理あった。
「それにぃ、せっかくおっぱい出るんだから竜介に直接飲んでもらいたかったしぃ」
なんだそりゃ。
「はぁ、こうしていると大きな赤ちゃんできたみたいだねぇ」
わけわからん。
もしかしてそんな気分を味わうためにわざわざパーカーを脱がずにたくし上げて上半身裸にならないか?
まあその、俺も決して悪い気分ではないのであり。
いつもは片手で揉むのにちょうどいいサイズの常久のおっぱいは、まだまだビーチボール級であり。
しかしそれだけ大きなおっぱいも張りがありつつ、非常に柔らかなもので。
だからこうして口に含むと柔らかな感触を顔全体で受け止めて、ドキドキするもので。
それに加えて母乳の甘い味が、市販の紙パックな牛乳とぜんぜん違う味が俺のハートをときめかせ。
能書きはいい。とにかくエッチな気分ですよ。
「さぁて、その大きな赤ちゃんのお世話をしなきゃねぇ」
まだ俺のこと赤ん坊扱いするつもりか、という突っ込みをする前に常久の手は動いていた。
動いた先にあるものに気がついたが、遅かった。
「わ、待てっ、やめっ・・・」
穿いていたハーフパンツが下着ごと下ろされ、中が露出する。
ぴーん
「おおっ、これはこれは」
「ば、バカっ。脱がすんじゃねえよ!」
当然のように現れたのは俺のペニス。しかも、通常の倍以上のサイズだった。
「すごっ、棍棒みたいだねぇ。つまり、竜介は巨根フタナリになったってこと?」
「……そういうことです」
ナノマシンが暴走してみんな普段とは違う身体的特徴を出しているけど、基本全員女子になっているようだ。
だから俺も同じく女子に……って、これ女子っていえるのかな?
下半身に生えているのは、普通の男でも羨むのかドン引きするのか、とにかくでかいやつ。
しかもちゃんと女の子の入り口もあるんだからとんでもないものだ。
そういえば前回のとき、常久がフタナリになって俺が超乳だったか。立場逆ってか?
「うーん、巨根も大したもので。ちゃんとタマタマもついてるんだ。こっちもでかいけど」
子供がおもちゃで遊ぶかのようにみえる。しかし、おもちゃは俺のムスコだ。
「や、やめ…うぷっ」
弄られる。巨大になったペニスの先端が弄られまくって、敏感な部分が攻め立てられる。
抵抗の声を上げようとしてもそれは常久の超乳プレスで押さえ込まれる。
声を上げることができず、必死の抵抗もむなしく終わる。押さえ込んだ常久は意地悪に攻め続ける。
顔面にある柔らかいおっぱいの感触。おっぱいフェチの俺はこの攻撃に弱すぎた。
そんな防御力が弱まっているところへのハンドテクニック。やばい、我慢できないっ。
「あ……」
しかし、それは唐突に終わった。
名残惜しい、切なさがあふれてくる。この不完全燃焼な気持ち。
「くすっ」
優しい笑顔、赤ん坊に微笑むお母さんのような笑顔がいやらしかった。
赤ん坊のように抱かれていた俺はそっと離され、横にされて、常久は離れていく。
寂しさ? だけどそれは違った。
何をする? ある程度予想はついていた。
「いやぁ、すごい光景だよねこれ」
子供っぽい、いたずらっぽい言い方。常久の超乳が、俺の巨根を包み込んだ。
むにゅ
うわぁ、やわらかい・・・
ペニスごしにつたわる、やわらかなおっぱいの感触。
谷間は温かくて、ぬくもりを感じて、そのやわらかなおっぱいが俺のペニスを優しくマッサージする。
それだけじゃない。その超乳をもっても包み込みきれない俺のペニスの先端。
常久はそれを、加えた。
「あ、あ……」
男って、おっぱいのやわらかい感触に弱い。それを意識しだすと特に興奮する。
それと共にダブルパンチでペニスの先端を、弱いところを攻められる。
「ん? ひょっとして、こんなこともできちゃったり?」
常久のいたずら心に火がついてしまったようだ。
「お、おい、何を……むぐっ!?」
いきなり下半身持ち上げられて、丸められて、下半身が俺の顔面に接近して…加えさせられた。
「おおっ、セルフパイズリフェラ! 本当にできちゃうとは、すごいね」
なんだか楽しそうな常久だけど、させられたほうはたまったものじゃない。
自分のペニスを自分で舐めるなんて、普通しない。ていうか普通はできないけどさ。
つーか、変な感じ。おっぱいも大きいからそのままパイズリもできちゃうなんてどうなんだ?
やめりゃいいじゃん、って思うけど、今逃げられない。なぜなら――
「じゃ、いっしょにやろっか」
常久が、迫ってきたから。
二人で俺のペニス舐め舐めしているとは、そして時折俺と常久の唇が触れる。
キスしている間にペニスがある感覚。ペニス越しにキスしているともいうか?
それに加えて常久の超乳によるダブルパイズリも。
重なるおっぱい、先端からもれ出る母乳、俺のおっぱいとペニスを濡らす感触、漂うミルクの甘い香り、たたみかけられてる。
こんなことされたら、あっという間に……
「んんっ!!」
ぶしゅっ、びゅるっ、びゅるっ。
ペニスが、噴火した。白いマグマを噴出していく。
俺の体の一部なのにどくどくと別の生き物のように脈打って、暴走しているような気がして。
その白いマグマがフェラをしていた俺達二人の顔面に一気に降りかかってくる。
つんとする独特の匂い。じ、自分で顔射してしまうとは。
「もう、出すときはちゃんといってよね」
常久が抗議の声を上げているが、そんな事言ってられるか。そもそも追い込んだのはお前だろうに。
一度抜いてしまうと男ってのは緊張が解けるもの。丸めさせられていた体制から再び仰向けに戻り、脱力。
しかし、女の常久はそうではない。
「んっ……」
俺にキスする。正確には顔についたザーメンを舐め取っている。
「くすっ、セルフダブルパイズリフェラの味はどうだった?」
こんのイタズラ野郎が。
「んあっ!?」
「ダメだよ竜介。僕はまだイッてないんだからね」
巧みな手さばきで根元のタマを揉み解され、その下のヴァギナに指を入れられる。
やばっ、またスイッチはいっちまった。
「次はちゃんと、竜介がリードしてよ?」
そういうと常久はゆっくりひざ立ち姿勢から腰を下ろしていって、挿入した。
ドッキング、俺と常久が下半身で繋がる。
この状態で常久は腕を引っ張り、俺を起こして、自分は仰向けになった。
上下が逆転したわけだ。
「う・・・」
いきなり接続状態から体起こされて、戸惑っている中で視界に入ってくるのは仰向けになった爆乳の常久。
頬を赤らめ、ちょっと変形して目の前に広がる乳。男としての本能が呼び起こされる。
「でえぇぇいぃっっっ!!」
当然のようにピストン運動開始。
「あぁんっ、竜介はげしいぃぃっ♪」
やたらうれしそうに言う常久。俺の巨根を受け止め、気持ちよさそうにする。
突くたびに前後運動、それにあわせてぷるんぷるん揺れてる常久の超乳。
刺激にあわせて感じているせいなのか、揺れるたびに先端からミルクがぷしゅっ、と吹き出てくる。
こんな光景見せられたらたまったものではない。ペニスが熱い、限界、爆発しそう。
「んはぁぁっ、しゅごいのぉぉっ……奥まで、とどいちゃってぇぇっ………!!」
ああ、そんなの分かっている。
そもそもこんな巨大なペニスが入りきるわけがないのだから、奥に届いたって不思議ではない。
俺も味わったことがあるからちょっとはわかる。確かに奥まで届いて、子宮を刺激されたときは、もう……
「んあっ!?」
そんな事考えていたら別の刺激が。常久が、ヴァギナに指を…
「えへへぇ、竜介も一緒にかんじちゃぉ……」
一瞬、常久の理性を疑った。こいつ、大丈夫か?
くそう、こんなダブルパンチされたら……もう……
「んはあぁぁぁぁぁっっっっっ………!!」
思いっきり放出される白濁液、それと共に超乳から噴出す母乳、俺達の体が真っ白に。
自分でも分かる、普段とは違う続く放出、大量のそれが噴出され、常久のお腹をいっぱいにしていく。
容量限界を超えてもなお噴出すそれを俺は外に出そうとせず、ただひたすら常久に注ぎ込んでいく。
「あ、あぁっ…」
常久もそれを分かったのか。トロ顔で素直に受け止めていた。
お腹がちょっと大きくなったような気が。そして自分の中でそれが収まったとき、ようやく引き抜く。
それにあわせてドロドロと流れ出てくる白い液体。うわぁ、やっちまった。
基本今の俺は女。だけど男として果てたから頭の回路は男になっているようだ。
何が言いたいかというと……賢者タイム。
急に理性を取り戻して、やっちまったと後悔する。バカだよな本当に。
しかし女の思考はそうじゃないかもしれない。
女になっている常久は俺の手をつかみ、ぎゅっと引っ張って俺を引き寄せる。
倒れ掛かった俺を自身の超乳でクッションにして受け止めて、ぎゅっと抱きしめる。
おっぱいクッションをしたせいで俺と常久のおっぱいがぶつかって、衝撃でまたしても常久から母乳があふれる。
おっぱいでミルクを感じながら俺はチューされた。
「まだまだ、一日は長いよ♪」
そのときの笑顔が妙に印象的でした。
前例通り、だろうか。
この異常変身も翌日になったときには終わっており、みんな普段の姿に戻っていた。
普段の姿、といっても本来の男の姿だったり女になっていたり、という感じだけど。
しかし、時として心境に変化を与える。
「マキトさまぁ♪」
巨漢のデブに戻っていた辻に、金髪美女が寄り添っていた。綾峰だ。
「これはどういうことだ、辻」
問いかける俺に対し、辻自身も戸惑いを隠せないようだ。複雑な表情している。
「うむ、ある種のショック療法、なのか?」
ああ、あれか。
こいつが下半身タコになって触手使って犯したんだっけ。
あれからさっさと扉閉めて帰ったからその後どうなったか知らないけどさ。
そういえば綾峰は触手におびえていたな。トラウマを克服するのにあえてその経験を強く思い起こさせて取り払うっていうのがあるけど、こいつの場合はそれが行き過ぎて逆に惚れる要因になったとか?
それにしても両極端なやつだ。女になったら性格もがらりと変わって、辻のこと見下げた女王様キャラになって、そして今度はデレデレキャラですか?
頭痛の種だな、こりゃ。
「なんていうか、複雑です」
そういうのはそのトラウマ逆転要因の現場に居合わせた山瀬。
何故複雑なのかというと……
「いい? マキト様は……わ、わたしのものなんだからっ、あなたとはライバルだからねっ!」
山瀬によく分からない宣戦布告。ついこの前まで山瀬のこと可愛いだの言っていたが、今度はこれか。
「いえ、まったく嫌ってはいないようでして……僕の事、抱きしめて撫で回しながら『い、いい? あなたとは本当はライバルなんだからっ!』って言うんですぅ」
本当に頭痛の種だよ、こりゃ。
### 7-2.エマージェンシー(弟君の場合) ###
兄貴によると、前にもこういうことがあったらしい。
そのときは一日経ったら治ったからおとなしくしてろ、って言われた。
うん、学校から連絡があったとおりだな兄貴。そんなこと言ってるわりには外出しているじゃないか。
まあいいや。そんなわけだから今現在僕は学校から出された指示にちゃんとしたがって家でおとなしくしている。
というよりも、こんな外見で外に出たら注目の的だ。
「……うわぁ」
姿見に映る自分の姿を見て、出た言葉はやっぱり驚きの声。
人によっては身長がやたら伸びたとか、ロリになったとか、胸が大きくなったとか聞いたけど、僕は特殊系だった。
下着姿の僕、ちょっとエッチな黒の下着は誠と買いに行った(というよりも買わされた)もの。
それと同じような黒の色した細いふさふさのしっぽ、それと髪の毛をかきわけて頭の上にぴょこんと出ている耳。
とどのつまり・・・
「ネコ耳?」
どうやら僕はネコ娘になってしまったようだ。つーか、こんなのあり?
もちろんこれは飾りなどではない。ちゃんと感覚がある。
ためしに尻尾に意識を集中してみる。
くりん、くりんっ
うん、動かせる。
それと耳は、本来存在する人間の耳の部分はふさふさの毛で補正されていて、そこから上に向かって進み、ネコ耳につながっている。
音はばっちりそこから聞こえている。ためしに触ってみよう。
「ひゃんっ!?」
すっごい敏感でした。
集中すれば耳もぴくぴくと動かせるではありませんか。
うーん、どうやら本物のようだ。
「そうだっ!」
思い立ったが吉日。がさごそと。
取り出したのは・・・まあ、いつも着ている制服なんだけどね。
それに袖を通す。ブラウスと、スカートを穿いてみて、具合を確かめる。
「うーん、尻尾が・・・」
尻尾の出具合がいまいち。ちゃんと尾てい骨のところから生えてるから上からは出せない。
今の時点でもぱんつをちょっと下げているから結構不安定。これに加えてスカートを下ろすのも変だし。
ああ、スカート短くすればいいんだ。
というわけでちょっと腰のところで巻いてみて・・・結構短くしたな。
膝上何センチか、もう股から計ったほうが近いぐらい。ちょっと動いたらぱんつ見えちゃうぐらい短くしてみて・・・
あ、いいかも。
見えてる尻尾の長さもいい感じ。これぐらいがちょうどバランスがいい。
というわけでこの状態から前かがみになって、片手を顔のところに持ち上げて、グーにして、しっぽをちょっとくりんっとしてみて。
「にゃんっ」
んうぅぅぅっっ。か、かわいいっ!
自画自賛だけど、これはまた最高っ! ここまで可愛くなれたのって僕ぐらいなものじゃないか?
よ、よしっ。この可愛い姿をしっかり記録しておかねば。明日になったら元に戻っちゃうわけだし……
「はっっ!!」
そこまでやって、気がついた。部屋の入り口で呆然とたたずんでいる人物に。
誠がいた。ブラウスとミニスカートがよく似合う、うさ耳装備で。
「…………………………」
「…………………………」
再起動。
「ま、誠も一緒に写真とろう!」
「まあ、いいけど」
そしてそれがお互いの黒歴史を共有する出来事の証拠となってしまった。
### 8.修学旅行とは思い出を残すためのものであってトラウマを残すためのものではない ###
3年になると修学旅行というイベントが発生するのはどこの学校も同じだろう。
当然、それはこの学校にもある。
修学旅行とは生徒にとって勉強から解放され、学校公認で遊びに行ける実にすばらしいイベントだ。
参加する生徒達はうかれ、楽しみ、時には先生も一緒になって遊ぶことだって。
まあ、「修学」ってついている以上勉強の一部のはずだけどね。
それはともかく、普通の学校であれば絶対に存在しない問題がうちの学校にはある。
そう、性別が半周期的に入れ替わる、というやつだ。
修学旅行中、性別が切り替わってしまうのは何かと不都合が生じる。例えば、着替えの問題。
日常であれば毎日自宅に帰るので問題は起こらない。しかし、修学旅行中に切り替わってしまっては着替えの問題が発生する。
つまり、いつ切り替わるか分からない性別のために男女両方の着替えを持っていかなければならないということ。
普段着だったらユニセックスな服をチョイスすればいいのだが、下着はそうはいかない。
万が一にも男子のとき、荷物を何かしらの事情で見られてしまって男子がブラだの持っていることが発覚したら大変だ。
というわけで、この修学旅行期間中は性別の切り替えがオフになる。
生徒、先生も含めて修学旅行をどちらかの性別で決めて出発しなければいけないのだ。
そういう事情があるのはこの学校特有。まあ、それだけだったら対して問題だとは思わないけど。
しかし、俺にとっては今現在、それが大問題となってしまった。何故なら……
「どうして俺以外みんな女子になってんだよっ!!」
空港に集まったクラスメイトと担任を見て、そう叫んだ。
みなさんキャミソールやらフリルのついたブラウスやらミニスカートやらハーフパンツやらニーソックスやら……女子スタイルに実に気合が入っている。
よく見たら化粧までしているやつもいるし。
手にはバッグはリュック、キャリーケースなどなどお持ちで旅行のために集合しているのは一目瞭然だが、空気が違う。
かのナノマシンによって女になるとほぼ確実に外見的に極上の女の子になってしまう。
それは顔やスタイル、肌のきめ細かさなど、レベルが高すぎるぐらい。
そんな女子が集っているのだ。ただ一人男子の、それも外見的には平均な俺では浮いてしまってしょうがない。
いや、それ以前に、だ。何で俺以外全員。
「分かってないなぁ、お前」
「何だよ」
外見的には極上の女の子なクラスメイトが実に荒い口調でダメ出しをされました。
俺は中身を知っているから、それと慣れているから自然と鋭い口調になります。
「いいか、修学旅行なんて一生の思い出になるんだぞ」
「ああ、そうだな」
「だったら、一生の思い出にするようにしなければならない」
「確かにな」
「そして、だ。女になることのできるのは、この学校卒業したら終わってしまう!」
「ナノマシンオフにするとか破壊するとかいう話だからな」
「だからっ、女でいることのできる機会は限られてしまうっ」
「それで?」
「ここまで言ったら分かるだろっっ! 女としての修学旅行なんてこれっきりの機会だ。女で行くのは無条件で決定するようなものだろがっっ!!」
よくわからん、こいつの説明がへたくそなのか俺の頭の理解が悪いのかそれとも次元が別方向に行っているのか。
まあいい。こいつはエロい頭で決定したということだけはなんとなく分かった。
だとしても他のやつらもそうやって決定したのか? エロい頭だけで。
先ほど修学旅行は一生の思い出なんていっていたけど、だとしたらこの先過去振り返って自分がエロい頭で修学旅行に行きました、なんて記録が残るほうがよっぽどだと思うのだが。
ダメだ、理解できん。放ってこう、どうせ俺には関係ない。
「はい、それじゃみなさん出発の時間ですよぉっ」
ゆるい口調で集合かけるのは相変わらず女になったらほわほわ系になる担任だ。
しかしこんな調子でもちゃんとしたがっているクラスメイトを見るところでは、まあ実力はあるかもしれない。
というよりも、逆に心配されてる?
そんな心配はどうでもいい。それよりも強いのが俺の中にある不安。
ただでさえこんな女子達の中で浮いてしまっている俺。ふつういだったら女子の中にいる男子ってことでどこか恥ずかしい思いが、ってことになる。
が、俺はこいつらが中身男子だと知っている。それが故の不安。
そんな状況下で3泊4日の修学旅行がスタートするのだ。必然の集団生活、学校とは違う飲食寝泊りまで同一行動。
厄介なことが起きるんじゃないかと、不安になるのは自然なことだと思った。
ぴーっ
辻が金属探知機に引っかかった音だった。
「む、ブラジャーの金属が引っかかったか? これは外さねば」
早すぎるよ、俺の不安が的中するのが。
それなりにクラス数のある学校だから修学旅行のルートはクラスによって完全に分かれている。
つまりクラスメイト約40人でほぼ同一のルートを行くということだ。
とはいうものの、初日は移動日でもあるからあまり大きな動きはない。
班ごとの自由行動、つまりは好きに動いてよし、ということだ。
そんなわけで各班観光名所に行ったり、買い物に行ったりと初日の工程を楽しんだ。
そしてイベントは初日の宿泊に発生する。
「くそっ、キャンプは誤算だったな」
「女の体じゃ、不便が出るな」
何が誤算だ、不便だ。
修学旅行のスケジュールはだいぶ前から分かっていたんだからこうなることは分かっていただろうに。
そう、俺達が修学旅行に来ているのはかの南の島な場所。
そこにある自然豊かなキャンプ施設が一泊目の宿だ。まあ、宿じゃないけど。
キャンプというからにはそれなりに本格的なことをしたり。
テントで寝泊りは当然のこと、夕飯は飯ごうでご飯をたき、キャンプ定番のカレーを作る。
自然を満喫しよう、そういう企画だ。
それはいいのだが、俺以外の女子からは部分的に不満が出てくる。
「トイレが和式のボットンしかないぜぇ」
「くっ、女の体じゃ立ちションできねえ」
早速そういう不満が出てくる。
施設自体は予算をケチったのかそれともここしかなかったのか少々お古なところ。
風呂は当然ない、トイレもきれいではない、そのあたりの不満が出てきたようだ。
男の体と女の体では不便なところがいくつかあったり。トイレがいい例だ。
それ以外は別になんら問題ない、キャンプをやる上では十分すぎる設備だと俺は思うんだがなぁ。
それに、どうせお前らミニスカートなんだからちょっとたくし上げてショーツ下ろせばいいだろと心の中で毒づいていたが。
そういう文句言うやつらを放っておいて、俺は黙々と夕飯を作るための薪をなたで割って準備していたところ。
にしても、普通まきってあらかじめ割って用意してあるだろが。なんで薪を割るところからスタートするんだ。
「蔵本、こういうとき男って頼りになると思わないか?」
「ん?」
かこーん、と景気のいい音を立てて薪を割っていく中、背後から都合のいい声が聞こえてくる。
「男子ってさ、女子に頼られるといい気分になるものだぜ」
「そうだよね、やっぱり蔵本君って頼りになるよね」
「あぁーん、私お箸より重いもの持ったことないのぉ」
「蔵本くぅーん、お・ね・が・い♪」
こいつら、今俺が手にしているなたで頭割ってやろうか?
2日目、媚びてくる偽女子達を適当にしばき倒し涙を流しながらたまねぎを切り完成したカレーのようなものを食して一部で腹が痛いとかいっている別の班のやつらを無視しておとなしくテントで寝袋で寝て少々体がきしんでいる状況。
既にキャンプ場から脱し、次の工程へと出かけている。今日は南の島らしく、海水浴を1日楽しむことになっている。
そういえば前に辻が同好会の活動名目で海水浴に駆り出したっけ。
あの時は強制的に女の体にさせられて、エッチな水着着せられて結構恥ずかしかったけど。
とりあえず今日は俺は男でいられるんだ。ごく普通の水着で海水浴を楽しむとしよう。
そう思っていた時期が、俺にもありました。
「いようっ、待たせたな」
馬鹿がエロ水着でやってきた。
いわずもがな、うちのクラスメイトだ。中身男肉体女子の連中だ。
羞恥心って言葉をご存知なのかと疑ってしまうぐらい恥ずかしい水着を着てきました。
Tバックは当たり前、布面積がかなり少ないマイクロビキニ。つーか、透けてないか?
幸いなのはシーズンを少し外していることと平日であること。俺達修学旅行客以外は少ないというところだ。
しかし危ない水着に変わりはない。みんながみんなそんな水着を着ているわけではないが、それでも要注意事項だ。
「お前ら、ずいぶん大胆な水着だな」
冷ややかな目で言ってやった。
「ふっ、色っぽいだろぉ? 蔵本も俺たちの悩殺ボディにメロメロってか?」
ちげーよ、ていうか古いわ。
まあ、俺としても反応しないわけではないが。
ざっと見た限りクラスメイトの半数近くがちょいとエッチな水着(俺の主観で)を着用なさっている。
マイクロ水着、Tバック、露出の多いワンピース、ポロリは十分に考えられる危ない水着ばかりだよこれ。
皆さん、一体何を考えてこんな水着を着用なさったのか。
「おまえ、本当にわかってないな」
「何を」
「男として、女になったからにはエッチな水着着たいと思うのは当然だろっっ!!」
ダメだ、さっぱり分からない。
悩むべきなのはこんな状態のやつらと今日も一日過ごさなきゃならないのかと思うこと。
できることならばどこか遠くへ行きたい。それは叶わぬ夢。
「おい、なに難しい顔してんだよ」
「ん?」
見ればそこにいたのは常久だった。
こいつもこいつで女の体でちょいエロな水着を着てらっしゃる。
パステルブルーのビキニの水着、カップのつなぎ目は白のリボン、その周りと腰周りにはフリルがあしらわれている。
大人なエロを求めたデザインではなく、女の子らしさ、可愛さを前面に出したデザイン。
うん、これはこれで似合っているじゃないか。
「似合っている、か?」
「ん?」
知らず知らずのうちに口に出してしまったらしい。まあ、確かに率直に言えば・・・
「可愛いな」
「……くっ、ほめても何もでねーぞ」
常久は顔を赤くしました。いや、何か出されてもそれはそれで困るのだが。
それにしてもすごい光景だ。クラスで浜辺をほぼ独占している状態。
しかもそのクラスメイト達はそろって極上の美女、スタイル抜群、ちょいエロな水着ばかり。
所々いるほかのお客様、男性客には実に迷惑だ。
ほうら、そこのカップルなんて彼氏がこっち見てて彼女にひっぱたかれているし。
そこのお父さんなんて腰が引けて目のやり場に困っている様子。
いや本当に申し訳ない。
「ふむ、実にいい天気だ。海水浴日和だな」
そしてもっと申し訳ないやつが来た。辻だ。
露出の多い、可愛い系の水着が多い中でこいつのセンスは斜め上を行き過ぎていた。
こいつ、スクール水着できやがった。
どこで見つけてきたのやら旧式スクール水着。ご丁寧に胸元には白布で「つじ」とひらがなで名前まで書いてある。
さすがにサイズが合うのがなかったのか、自身の超乳を半ば強引におさめているせいで上から横から肉がはみ出てるし。
苦しそうにも見えるのだが・・・こいつには心配無用か。
露出は確かに他のやつらに比べれば少ないかもしれないが、破壊力はすさまじかった。
「(ねーねー、ママあの人)」
「(こらっ、見ちゃいけませんっ)」
「(ちょっと、どこ見てんのよ)」
「(ま、まて、あの光景は早々見れるものじゃ・・・ぎゃゃゃっっ)」
バッドステータスもかなり大きい、存在するだけで迷惑な装備だ。
「さて、我々は海水浴に来たのだが修学旅行ということを忘れてはならない」
辻が一歩踏み出すと乳がぎしっ、と揺れた。
「修学旅行で海といえば遠泳だっ! いざっ、あの小島まで往復42.195キロの道のりをっっ!!」
浜辺を疾走し、辻は海へと突っ込んでいった。もう一人でやってろ。
それともうひとつ突っ込んでおく。そういうことするのはどっちかというと林間学校だ。
「ふぅ・・・」
前日がキャンプ生活だったのに対して今日はちゃんとした宿だ。
建物施設自体は決して新しいわけではないが、それでもこうして温泉につかってゆっくりできるのはいいことだ。
露天風呂は広く、湯加減もちょうどいい。こうしてつかっていると疲れが取れるような気がする。
それにしても不思議なのは・・・
「何故混浴?」
あたりを見回せばクラス一同つどいてみんなで入浴中。
この宿は俺達修学旅行生で貸しきり状態。他に客はいなく、当然のように男性客も俺しかいない。
周りにいるのはクラスメイト達女子のみ。その光景はどこもかしこも女体の嵐。
湯に濡れ、しずく滴る玉の肌。歩けば胸に実った乳がぷるんとゆれ、それに加わって美尻も舞う。
落ちつかねぇ。
「おう蔵本、うかねえ顔だな」
「……お前らのせいでな」
クラスメイトの一人が俺の前にやってきて前かがみに顔を覗き込む。
その際に乳をわざと揺らしていたように見えたのだが気のせいではない。
一糸まとわぬ姿。タオルを頭に乗せ大股で、湯に濡れた体をタオルで隠すことはない。
恥じらいなんて存在しない、男同士と思っているせいなのかそれともわざと俺の前に女体をさらしているのか。
後者だな、絶対。
「ほほう、疲れが取れないか」
に や り
やばい、いやな笑顔浮かべやがった。
こいつらの行動パターンは大体決まっている。今の顔はいい獲物見つけたって顔だ。
そうすると次に取る行動は。
「おーいお前ら、蔵本疲れが取れないらしいからマッサージしてやろうぜ」
はい、嫌な予感的中。
単純にマッサージと聞けば肩もみとか想像するけど、いかんせん中身はエロ男子。
そして武器である女体を身につけているということはやることは・・・
「んじゃ俺は首ね」
「それじゃ俺は右手」
「左手はまかせたっ」
「足もやっておこうか」
「せっかくだから顔もいいんじゃね?」
よってたかって集まって、女体を、具体的にはおっぱい押し付けてきやがった。
首に柔らかなおっぱいの感触。ぷにゅんぷにゅんが来ていますっ。
腕に、足に、顔に、こいつら遠慮することなくおっぱいを押し付けてきやがっています。
ん? 左手の感触は・・・手マンですかいっ!?
既に今に至るまでこいつらがやってきたことは俺に対する逆セクハラばかり。
一般的な方々がこれをされて嬉しいか分からんが、俺は迷惑以外の何者でもないっ。
「うん? 意外と下半身はこりませんなぁ」
「おかしいですね。ここまでされたんだから固くなるはずなんですけどねぇ」
挑発してきやがったな。
残念だがセクハラの対象にならないように我慢してんだよ、勃起しないように。
「お前ここまでされて感じないとは、イン○ですか?」
くっ、そっち方向で攻めてきたか。
とりあえずこの現状を打破しなければ。そうだ、担任!
いくらハメ外していいといってもここまでされては普通教育的指導が入るはず。
くっ、担任はどこだ。
「あははっ、お風呂ひろーいっ」
ばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃ
くぉら担任ぃぃぃっっ、風呂で泳ぐのはマナー違反だろがあぁぁぁぁっっっっ!!
本日この宿は我が校の修学旅行生、クラスメイトでほぼ貸切のはずだ。
だというのに・・・
「どうして大部屋なんだ?」
クラスメイト約40名、うち13名がつどいてこちらの部屋にて寝ることになっています。
なんだか変なプランニングじゃないか? 他にも部屋があるはずなんだからもうちょっと小分けすればいいじゃんか。
しかも男子が女子の中に混ざっているんですよ? 俺だけ別部屋にすればいいじゃん。
普通そうでしょ? そんな疑問を担任にぶつけてみた。
「いやぁ、どっちの性別で行くかは生徒の判断に任せるから直前にならないと男子と女子の数決まらないんだよねぇ。だから部屋分けるの難しいのよぉ」
なるほど。
「それにぃ、みんな本当は男だし、見慣れているからいいんじゃないの?」
その一言、もうちょっとだけ配慮して欲しかったです。
とにかくどう転んでも今の現状をかえることはできない、ということか。
・・・寝よ。
「蔵本ぉ、夜は長いんだ楽しもうぜぇぇぇっ!!」
「ぐげごはあぁっ!?」
布団にもぐりこんだら休日の子供が父親にダイブするのと同様にボディプレスされた。
轢かれたカエルの声、なんて聞いたことないが比喩的に表現すれば今の俺の声はそれか。
「お前な・・・俺の安息の時をよこせ」
「何言ってやがる、修学旅行は夜が本番だろが」
俺の上にまたがり、ニヤニヤしているそいつは旅館備え付けの浴衣姿だ。
しかし、結構着くずしている。
前をきっちり閉めることせず、胸元は結構オープン。おかげで谷間くっきり。どうやらブラもしていないようだ。
絶対わざとだな。
「そうそう、こっち来て盛り上がろうぜぇ!」
その盛り上がり方が不自然だと思う。
そこに集まった面々を見ればさっき同様、浴衣を着ているのが約半数弱、そいつらは例外なく着くずして胸元オープン。
そして半数は・・・ベビードールです。
「お前らどっからそんなもの持ってきたんだっ!!」
はっきり入ってエロい以外の何者でもない。スケスケだったり、やたら布面積が少なかったり、しまいには尻丸出しやらニップレス貼って乳出しのやつまで!!
これは・・・裸よりもエロい。
「ふっ、せっかくの修学旅行だから気合入れたのさ」
「俺の秘蔵コレクションだよ」
「いやぁ、ちょっとばかり高かったぜ」
意味が分かりません。
「くっ、俺もそうしたかったんだが・・・予算の都合で」
よかったなぁ、予算がなくて。
そういえばパジャマパーティなんて女子の集いがあったか。なにそのかわいいの、ってレベルだ。もうこれはエロパーティだ。
下手すればさっきの風呂よりもエロいんじゃないのか? こんな中にずっといたら・・・目が痛くなる。
「普通目の正月だろ」
「俺の思いの言葉に突っ込むんじゃねえ!」
ダメだ、疲れる。早く寝たい・・・。
「おい、せっかく用意したのにさっさと寝るなよ」
「ん? ………常久、お前もか」
見れば常久までキャミソールでした。
ピンク色の、フリルいっぱいの、布地が少ない、スケスケで。
下のショーツもセットなのか、こっちも結構エロい。どうやらTバックのようです。
スケスケで体が結構はっきり見えてます。しかしフリルが多用されているから胸ポッチの大事な部分がかろうじて隠れている。
見えそうで見えない、あぶないねまきですね。
「さーて、みんながそろったところで修学旅行定番の大貧民スタートっ!」
いえーいっ、て盛り上がっているけどこの人数でやるのか。
「負けたやつは順番に一枚脱いで生きますっ!」
いえーいっ、て盛り上がっているけどお前ら2回もやったらアウトじゃないか。
「ふっふっふ、覚悟しろよ蔵本」
だめだ、こいつらバカばっか。
「ど、どうして……」
「あうう、俺なんてニップレスあるからみんなよりも数多めなのに……」
「もう、お嫁にいけない」
俺の快勝でした。
その後何がどうなったのか。
とりあえず俺が大富豪のお情けで貧民どもに服を着せたのだが、どこのバカがいつのまにかアルコール出しやがった。
止めようとするも時既に遅く、皆さん結構インストール。
俺も呑まされそうになったけど何とか逃げ切って、全員頚動脈閉めて昏倒させて強制睡眠させた。
そして自分も布団にもぐりこんでお休み、というわけだ。
「なるほど、ひどい状況だ」
一応全員布団に寝かせたはずなのだが、朝起きたら実にひどい光景。
ほぼ全員が布団からはみ出し、投げ出し、乱れまくってあられもない姿で寝ています。
豪快な大股開きは標準、いびきかいて寝ていたり、他人の胸揉んでいたり、とにかくだらしない。
まあ、中にはおとなしく寝ているやつもいるけど。
これ男が見たら半分幻滅するんじゃないだろうか。女の子ってもっとおしとやかで、小さな寝息を立てて寝ているってイメージ持っているには。
まあ、こいつら中身男だし。それにもしかしたら現実の女もあんまり変わらないかもな。勝手に幻滅してろって具合。
とりあえず……朝風呂行ってこよう。
「ふぅ…」
海水浴ができる季節とはいえ、都会から離れたこういう場所は朝は涼しい。
程よく冷えた外気に当たりつつ、露天風呂に入れば実にちょうどいい。
そして何よりも朝の時間、誰もいないのが一番いい。
昨日の風呂といい、昨晩といい、あいつらの暴れっぷりに心身ともに疲れてちっとも休まっていない気がする。
一定の睡眠を獲得することはできたからまだいいけど、あそこで昏倒させていなかったらもっとひどいことになっていただろう。
とりあえずはこの朝風呂で残りの疲れから回復ですよ、充電ですよ。
「お邪魔するよ」
と、一人のんびりしていたら来ちゃったよ。常久だ。
遠慮しがちな様子で入ってきた常久は当然裸であるが、普通サイズのタオルを前にあてて胸と大事なところを隠している。
うん、その隠しきれていない感じがいいねぇ。特に横乳。朝からいいもの見ました。
「ふぅ、朝風呂もいいねぇ」
湯船に入る直前まで体を隠している。ばしゃばしゃと歩いてきて、そして腰を下ろすのにあわせてタオル装備解除、と同時に揺れる水面で見えづらくなる。
うん、見えそうで見えない具合がいい。しかし気になることが。
「何故隣に座る?」
「え?」
これだけ広い露天風呂だというのにこいつはわざわざ俺の隣りに寄り添うように座ってきた。
おまけに、肩をくっつけて。
……嫌な予感が。
「誰もいないね」
「……ああ、朝早いし、宿自体も貸しきり状態だしな」
ちらり、と横を見たら常久と目が合った。
にっこり微笑むその姿に俺はどきりとしてしまった。
そして、嫌な予感が的中する。
「ねえ、誰もいないしさ……しよ?」
やっぱりそうきたか。
その言葉を言うが否や、俺の答えを聞くことなく身を寄せて、俺の下半身に手を伸ばす。
「お、おいっ、お前……」
「んふふぅ、一回温泉でプレイしてみたかったんだよねぇ」
なんか変なこといってるこの人っ!
俺に体を近づけて、ぷにっとした俺好みのおっぱいを押し付けてくる。あててんのよ、ってやつだ。
くっ、さすが俺の好みを知り尽くしたやつだ。何とかこらえていたが、そのせいでつい下半身が反応してしまう。
いや、それだけじゃない。反応したのはぷにっとしたやつ以外にもさわさわしていたのも原因だ。
遠慮することなく俺のムスコに触れ、丁寧に、やさしくタッチを繰り返す。
それも相まって……反応してしまいました。
一度そうなってはもう常久のペース。逃げられそうにない。
「くすっ、元気になったね」
「おかげさまでね」
まあ、逃げる気はないけど。
どうせここまできたんだ。だったら最後までやってやるよ。えーえー、最後までやってやりますとも。
「んっ……」
キスしてきた。下を絡めあう、濃厚なキス。
男同士、のはずなんだけど。だけどこれは恋愛関係とかじゃなくてエッチを盛り上げるための演出。
キスして、お互いにどきどきして、ムードを盛り上げていく。
俺だけが攻められてばかりじゃない、俺だって攻めてやる。
形のいいおっぱいをやさしく揉んでやる。全体を撫でてやったり、さきっちょをちょっと指先でつついてやったり。
「んっ……いいっ……」
ぽわんとした顔は気持ちよがっているのか、上々の反応だ。
当然それだけじゃない。そっと腰に手を回して、抱き寄せるようにしつつ、デリケートゾーンに触れる。
「あ、あんっ……」
いきなり指突っ込むなんて野暮なことはしない。
まずは優しく撫でてやる、マッサージをするように。
十分に時間をかけてから、そうしてから指先で軽くタッチしていく。
「あ、はあっ……」
顔が赤くなっていく。湯船から上半身を出して、湯あたりはしないようにしているけど、やっぱり赤くなっているのは反応か。
うん、そろそろいいかも。それは常久も思ったようだ。
するり、と俺にまたがって対面座位。後は一言こういっただけ。
「いい、いくよ?」
これも答えを聞かず、硬くなった俺を自らのそこに導きいれる。
ゆっくりと、確実に、俺のペニスが飲み込まれていく。
「あんっ……」
きゅっと締まる下半身。俺に手を回して、足も回して、ぎゅっと抱きついてきた。
気持ちいいのかな?
しばし停止。自分の体の中に入ってきた俺の存在をじっくり感じているのだろうか。
目の前にはちょうど常久の谷間。谷間を顔面で受け止めて、柔らかな感触を楽しむ。
俺はそっと常久のおしりに手を回す。うん、柔らかくていい感触。
むにむになでなで、その感触ちょっと楽しんだ後、動きを再開する。
「あ、あんっ、んっ……」
ずんっ、と腰を突き上げる。揺れる。
水面が揺れる、体も揺れる、おっぱいも、それと俺たちのハートも。
「いいっ、いいよぉ……」
とろける表情がまたいい。毎回この表情を見るのをひそかに楽しみにしていたりして。
「だ、ダメっ……僕っ、もうっ………」
ああ、その表情。高揚してイキそうでたまらないときの表情、可愛いじゃないか。
それに応えよう。俺も、心の栓を開放する。
「出すぞっ」
「うんっ、来てっ。思いっきり、出してっ……んんっっっっ――――っ!!」
声を上げそうになった常久の唇をキスでふさいだ。さすがに声を出すのはどうか、と思ってのこと。
それを合図にして、俺は常久にぶちまけ、常久は果てた。
どくどくと互いに脈打つ結合部。それが体全体に伝わって。
常久がさらにぎゅっと抱きしめてきた。俺も女になってエッチしたから分かるけど、感じちゃってるんだよな。
体中にめぐっていく快感、味わっているんだ。
俺もそれに応えてぎゅっと抱きしめてやった。
朝から風呂場で、お互いにぎゅっと抱きしめて……
「おう、どうした蔵本」
「……ちょっと、のぼせただけだ」
修学旅行に来て俺は一体何をやっているんだか。
楽しみにしてました!!
続編ありがとうございます!
続編とは、非常に面白かったです。
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単に批判されてるだけ
嫌ならコメントを見なければいい
マンセー意見だけがこの世にあるとでも勘違いしてるのかよ