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換魂操滓(後編)

2013/10/23 08:45:26
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換魂操滓(後編)



最初は何も起こさず、緩やかな時間を過ごしていった。
俺も付き合い始めたばかりの女の子を演じ、夜は電話やメールで敏明と色々な話をし、休日は水族館で手を繋ぎながらデートをして、別れ際も何もしない。



そして2週間が経過。
普通にオナ禁してればそろそろ辛くなってくる時期のはずだ。
敏明もせっかく双葉と2回目のデートだというのに、心ここにあらずという感じで呆けることが数回あった。

さて、そろそろ仕掛けていくか。

「それじゃ夜にまた電話するね、双葉ちゃん」
「あの……ちょっと待ってください……その……しゃがんで目をつぶって貰えますか?」

頬を紅潮させ、上目づかいにした目を潤ませ両手を胸の前で握りしめてみせる。
いかにもピュアな少女が精一杯勇気を振り絞りました、という様子は、我ながら顔や胸を舐めさせたり、濡れたエプロンごしに裸を男に見せつけた変態少女と思えないほどだ。

「う……うん」
敏明は、俺(双葉)が何をしようとしているのか理解して、緊張しつつも従う。

そして俺は、その期待通りのことをしてやる。

ちゅっ。

唇が触れるだけの軽いキス。
そして、
「そ、それでは失礼します!」
と、両手で顔を覆い、俺は敏明を置き去りにしてその場を走り去った。



今頃敏明は、双葉の唇の感触を忘れらず悶々としているだろう。
そこから先を想像し、オナニーしようにも貞操帯がそれを防ぐ。
双葉の家に帰った俺は、その様子を想像してほくそ笑む。

「ククク、おめでとう敏明……そして双葉。あれがお前らのファーストキスだな」

これまでさんざんべっティングしてやったこともあって、男相手に唇を重ねることも嫌悪はない。
むしろ女の肉体は、つがいになるべきオスと粘膜接触したことを当然のように感じている。
本体(清彦の肉体)にいるときは男とのキスなんて死んでもイヤだとすら思うんだがな。
性別が違えばそういう感覚も違うってことか。



(敏明の)オナ禁3週目。
俺は恋人兼ペットを双葉宅に招き、入浴を共にしていた。
一緒にフロに入るということは、当然俺も敏明も服を脱いでいる。
ラブコメでよくあるシチュエーションのように、水着を着用するという軟弱なマネはしない。
2人とも生まれたままの姿だ。

直に裸を見せるのはこれが初めてだが、男である俺が女(双葉)の体になって、男(敏明)の性欲に満ちた視線を浴びるのは、何とも言えない心地好さがある。

「ふ……双葉ちゃん……『ここ』は自分で洗うからいいよ」
「ダメです。私に洗わせて下さい」
「で、でも……ああっ! 何するの!?」

スキをついて敏明の両腕を後ろ手に回し、『指錠』をかける。
指錠とは親指のみを拘束するSMグッズの一種だが、これだけで腕の動きのほとんどを制限できる優れモノだ。

「ふふっ、敏明君のおちんちんをキレイキレイしましょうね」


精神的には男同士の裸の付き合いだが、ここにいるのは一糸まとわぬ美少女と、腕の自由を封じられ、ペニスをシリコン製の拘束具で抑えつけられた少年だ。

俺は貞操帯の鍵を外すと、二十日ぶりに自由となった敏明の大きなナニを小さな両手で丹念に洗っていく。

「うっ……あっ……はぁっ……」
ジョイスティックをいじる度にビクンビクンと反応する敏明は、どんなコンピュータゲームより面白いな。

浴場の鏡に視線を移すと、子供のように小さな少女が、スポーツ選手以上に立派な体格の少年を弄んでいる光景が繰り広げられている。

「あっ……だ、だめだ。ぼ、僕もう出ちゃう」
「もう、ダメですよ敏明君。ちゃんと我慢してくださいね」
ぷるぷる震える男性器からパッと手を離し、寸止めにする。

女に比べてあまりにもちっぽけな男の快楽。
しかし、そのささやかな幸福すら理不尽に取り上げられた敏明の情けない表情は、嗜虐心と優越感を十分に満たしてくれる。

コイツを見ているだけで、俺の脳内からは麻薬が、膣内からは愛液が溢れてくるほどだ。

「貞操帯も丁寧に洗わないといけませんよね。何せ敏明君の大事なところに使うわけですから」
「あ……あの……双葉ちゃん……僕……」
このまま射精させてくれと言いたいんだろう。
その気持ちはよく分かる。

……だからこそ、言うことを聞いてやるつもりはないがな。

「これで三週間ですから丁度半分ですね。今年の敏明君の誕生日は一生の記念日になるでしょうし、今から楽しみです」
「あぅ……うん……ソウダネ」

もちろん演技なんだが、無垢な童女のようにその日を心待ちにする俺に、敏明はそれ以上何も言えなくなる。
諦観というか、もうどうにでもなーれ、と脱力する敏明の股間が萎えたところで、俺は再び貞操帯を取り付けた。



その後も、俺は双葉の肉体を使って敏明にハニートラップを仕掛けまくった。

時にはディープキスをし、少女の甘い唾液を注ぎ込み。
時には手マンさせ、女性器の感触を一足先に指に伝え。

男であれば間違いなく興奮する数々のシチュエーションだが、射精はおろか勃起すらできない敏明の性欲は発散先を奪われ、体内に蓄積していく。

日に日に精神が摩耗していく敏明を見ていると、同じ男として憐憫の情を覚えざるを得ない。
しかし、それ以上に大柄な男が性的苦悩を抱えている様は、憐れみを打ち消すほどの興奮を俺に与えてくれる。

もっと敏明を追い詰めたい。もっと敏明を苦しめたい。
そして――グツグツと煮えたぎり、貯め込んで凝縮された欲望を、俺の子宮にブチ込んで欲しい。

近い未来に訪れるであろう最大級の快楽に思いを馳せ、双葉の肉体でオナニーしながら処女膜をそっと撫でた。

そのとき、双葉の携帯が流行歌を奏ではじめる。
「ったく誰だよ。せっかく昂ってる最中だってのに」

無視しようと思ったが、着信が双葉の父親からだったため、しかたなしに通話ボタンを押す。

「もしもし、お父様ですか? ……はい、ご無沙汰しております」

双葉の記憶を使い、礼儀正しく気の利く少女を演じての通話。
電話の向こうにいる中年オッサンも、愛娘が自慰しながら電話してると思わないだろうな。

「……えっ! 本当ですか!? ですが学校が……いえ……そういうわけでは……はい……分かりました。すぐに支度します。それでは空港で……失礼します……クソッ!」

電話を切った俺は、忌々しげに舌打ちする。

「敏明の調教が最後の仕上げに入ったっていうのに、水を差しやがって!」

文句を言ったところでどうにかなる問題じゃないか。
……仕方ない。後は『あいつ』に引き継ぐか。

俺は【手鏡】を取り出し、呪文を唱えた。



敏明視点



双葉ちゃんの牝穴に挿入したい。
贅沢を言わないからせめてオナニーしたい。

17回目の誕生日を一週間後に控えたある日。
僕は股間の疼きを紛らわすため、自室でひたすらスクワットをしていた。

しかし、体を動かして発散できたのは最初のうちだけ。
ムラムラとした熱が断続的に襲ってきては、僕の心を激しくかき乱す。

エッチなことを考えなければ少しはマシなんだろうけど、双葉ちゃんがベタベタくっついてきて、本番以外のエッチなことを沢山するからたまらない。

だれもいない教室で何度もハグしてキスしたり、体育直後の汗で蒸れたブルマを穿いている双葉ちゃんの股間に顔を埋めたり、スクール水着の内側に腕をつっこんでおっぱいやあそこを触ったり。

……ううん、それが決して不快なワケじゃないんだ。

学校でも手作りのお弁当を『あーん』って食べさせてくれたり、昼休みは中庭のベンチで膝枕してくれたりしたおかげで、僕と双葉ちゃんが公認カップルとして皆から祝福を受けているのは正直嬉しい。

学校でもトップクラスの可愛い女の子を独り占めしているという優越感もある。

だけど双葉ちゃんと触れあえば触れあうほど、最後までできないのがもどかしてたまらなくなる。

正直、もう理性は限界だ。
これ以上エッチな刺激を受ければ、僕はおかしくなるかもしれない。

僕の股間についている貞操帯を外してくれるなら……射精させてくれるなら、どんなことでもやっちゃうかもしれない。
そう、どんなことでもだ。
それほどまでに僕は追い詰められている。

だから双葉ちゃんが突然海外に行ったまま、僕の誕生日前日まで戻ってこないというのは僥倖としか言いようがない。
何でもアメリカに住んでいる叔父さんが急に亡くなったんだって。

大切な恋人の親族が急逝したことは、本来悲しむべきだと分かっている。
双葉ちゃんと一週間近く会えなくなって寂しいという感情に嘘偽りはない。

だけどこれ以上エッチなことをされて、それを我慢しなければいけないという状況から解放されて安堵しているんだ。

これなら後一週間、何とか耐えきれるかな。

「お兄ちゃん、ごはんができたよ」
「うん、今いくよ」
若葉に声をかけられ、リビングへと移動する。

双葉ちゃん家ほどじゃないけど留守がちな両親に代わって、料理を作ってくれているのが妹の若葉だ。

ふわりとした金色の髪の毛に、愛嬌たっぷりの大きな瞳。整った鼻梁にぷにっと柔らかそうなほっぺた。
肉親というフィルターを通してもなお可愛く、僕の学校では双葉ちゃんと並んで五大美少女に数えられるのも頷ける。

と言っても妹は妹。
いくら美少女でも・いくら仲が良好でも、さすがに家族に欲情しない。

「どうしたのお兄ちゃん? さっきからあたしの太ももをじーっと見てるけど?」

……前言撤回。
『普段の僕』なら、若葉がどんなに際どい恰好をしても欲情しない。
だけど、今の僕は異常なんだ。

端的に言えば『女の子に飢えている』
もちろん股間を抑えつける貞操帯のせいなんだけど、逆にソレがあるから実妹と間違いを起こすことだけはない、というのは皮肉な話としか言いようがないよね。

「もう、何ブツブツ言ってるの? ほら、ご飯よそってあげるから早く食べようよ」
「うん、ありがとう」
若葉から茶碗を受け取り、おかずに目を通したところでぴしりと固まった。

ウナギのかば焼き、里芋の煮っ転がしにレバニラ炒め。
これでもかと精力がつく料理が並べられている。

うっ。よくよく見ると、ご飯もガーリックライスだし。

「双葉お姉ちゃんと付き合い始めてから、お兄ちゃん疲れが溜まってるみたいだから、元気が出る食べ物を取り揃えてみたんだよ」
にっこりと笑い、握り拳を作って人差し指と中指の間から親指を出す若葉。

理解のありすぎる妹も困ったものだと思う。
『双葉お姉ちゃんとのエッチで疲れた体を回復してね』という気遣いなんだろうけど、そうじゃないんだ!
むしろこんな物を食べたら逆効果なんだよ!

なんてことを厚意丸出しの妹に言えるはずもなく……。
「いただきます」
と、料理を全て平らげた。

「ううぅ……眠れないよ……あぁ……オナニーしたいなあ」
若葉の手料理は効果バツグンだった。
貞操帯で抑えられて勃起と射精できないナニの代わりに、鼻血がドバッと溢れたほどだ。

せめて火照った体を冷すためにシャワーを浴びよう。

そのとき、壁の向こうにある若葉の部屋から物音が聞こえてきた。

「……あんっ……やっ……いい……もっと……」

どうやら話し声みたい。だれかと電話をしてるのかな?
そんな風に考え、大して気に留めず廊下に出る。

若葉の部屋の前を通り過ぎると、室内から声が鮮明に聞こえてくる。
部屋の扉がちゃんと閉まってないから、声が廊下にだだ漏れだ。

「若葉のやつ、何してるんだろ?」
興味本位というより、誘うような声に惹かれて、ドアの隙間からそっと覗き込む。

部屋の中では、全裸になった若葉がこれまで見たことも無いエッチな顔で、写真を手にワレメをいじっていた。

「……くぅんっ……お兄ちゃん……もっと……あぁんっ……」
その嬌声は妹が兄を呼ぶためではなく、牝が牡を求める甘美な音色に満ちていた。
淫蕩にふける若葉の表情は、体格が似ていることもあって双葉ちゃんそっくりに思える。

「お兄ちゃん……好き……大好きなの……あたしを抱いて……んうっ……若葉のおまんこにお兄ちゃんの……おちんちんを突っ込んで……あああああんっ!」
若葉は絶頂に達すると同時に、股間のワレメからおしっことは違う液体をどばっと放出した。

「……はぁ……はぁ……潮吹き……しちゃった……汚しちゃってゴメンね……お兄ちゃん」
若葉は荒い呼吸のまま、手に持った写真……僕の写真に口づけし、ピンク色の小さい舌で自分の出した液体をぺろぺろと舐め取りはじめる。

……これ以上ここに居ちゃダメだ。

僕は音を立てないようにそっと、扉の前を離れる。
ふと視界の端、若葉の机上に古ぼけた【手鏡】が置かれているのが見えたが、そんなことはどうでもいい。

逃げるように自室に戻り、今しがたの光景を忘れようとする。

「……んっ……あんっ……一回イったのに……お兄ちゃんのことを考えると……子宮がまた疼いて……切ないよ……あっ……んっ……」

だけど、薄い壁ごしに聞こえてくる嬌声でそれもままならない。
若葉がどういう意図で声をだしているのか理解したいま、さっきまでくぐもっていたあえぎ声がクリアに聞こえる。

「ダメだ……こんな声を聞いてたら、僕はおかしくなる!」
布団を頭からかぶり聴覚をシャットダウン。

だけど、脳裏中に焼き付いた光景と音声は決して消えてくれない。
僕は雷に怯える子供のように、布団の中でガタガタと震えるしかなかった。



……どれくらい時間が経ったんだろう。
1分も経ってないような気がするし、1時間以上過ぎた気もする。
とにかく、気付いたときには若葉の部屋から物音や声がしなくなっていた。

「もしかして、さっきのって夢だったのかな?」
思ったことを口にしてみると、不思議とそれが真実だと思えてくる。

うん、きっとそうに違いないよね。
一か月以上ずっと『溜まってた』から、エッチな夢を見ちゃっただけなんだ。
だけど、どうせ見るなら双葉ちゃんの夢が良かったなあ。

――コンコン。

「うわひゃいっ!」

それは完全な不意打ちだった。
寝耳に水を垂らされたように、奇妙な悲鳴をあげてしまう。

「良かった。まだ起きてたんだね」
「わ、わわわ若葉。どうしたの?」
僕の悲鳴を『はい』と勘違いした若葉が、パジャマ姿で部屋に入ってきた。

若葉が手にした枕は危険だと、決壊寸前のダムみたいな股間がアラートを鳴らしてくる。

「高校生にもなって恥ずかしいんだけど、怖い夢を見て眠れなくなって……」

いやいやいやいや。
僕が見た夢の方が絶対怖いって!
何せ妹が兄をオカズにオナニーする夢だったんだよ。

「だから一緒に寝るね」
「断定系!? そこは普通『寝てもいい?』じゃないの!?」
「ほら、もっとそっちに詰めて」
僕のツッコミを無視して若葉は枕を置き、ベッドにもぞもぞと潜り込んでくる。

「こうやってお兄ちゃんと一緒に寝るのって、2年ぶりぐらいだよね?」
真横から吐息と共に声をかけられるけど、僕はそれに反応できなかった。

だって若葉の体から、汗と愛液が混じったフェロモンのような匂いが漂ってるんだもん。
つまり、さっき見た『アレ』は夢じゃなかったってことだよね?

「……ゴクリ」
妹の綺麗な割れ目が牝汁まみれになった光景を思い出してしまい、心臓と股間をドクドクと脈打たせてしまう。
未だに信じられないけど、若葉が僕のことを好きだっていうのなら、このまま抱いても……ってちょっと待った!
何で僕はそんなこと考えてるの!?

いくら可愛くても若葉は妹だし、僕には双葉ちゃんっていう彼女がいるのに!

「……ちゃん? お兄ちゃん?」
うぅ。でも射精(だ)したい。
もうこうなったらオナニーだろうがセックスだろうが――1人だろうが相手が誰だろうが白く濁ったマグマをぶちまけたいよ!

だけど、貞操帯は射精どころか勃起すら許してくれない。
だから僕は、これ以上甘い毒を注ぎこまれて狂わないよう、寝たふりを決め込む。

「もう寝ちゃったの? なら……いいよね?」

ちゅっ。

頬に暖かい感触を覚え、叫び声を出しそうになるけど必死に堪える。
「えへへ。大好きだよ、お兄ちゃん」
その言葉・その行為・そして双葉から漂ってくる『匂い』のせいで僕は眠ることができず、夜明けをじっと待つしかなかった。



今日は何日目……だっけ?
もう何を考えられないし考えたくない。

微かに覚えていることは、若葉から毎日のように精のつく料理を食べさせられ、オナニーの喘ぎ声を聞かされ、ベッドに潜り込まれたことだけだ。

そういえば、何のために僕は頑張ってたんだっけ?
それ以前に、何を頑張ってたんだっけ?
いや、考えるまでもない。

射精(ダ)シタイ。

ただその本能だけが僕の体を支配しているから。

……ああ、月が綺麗だなあ。
夏の空を照らす淡い光を浴び、ようやく今が夜だということに気付く。
時間は……いや、そんなことはいいか。

「……敏明君? もしかして忠犬ハチ公のように、ここでずっと私の帰りを待ってたんですか?」

背後から女の子が聞こえてくる。
何だろう。どこかで聞いたような……懐かしいような声。

振り向くとそこには、黒髪の女の子が小さな体に不釣り合いな巨大トランクケースを持って立っていた。

「……ふた……ば……ちゃ……ん?」
頭より先に、抑えつけられた竿と玉が少女の名前を伝えてくる。

そして煮えたぎった男性器は、この娘を犯したいと切に訴えてくる。

ああ、そうだ。
僕は双葉ちゃんを抱くために……双葉ちゃんの中に射精(だ)すために、ずっとここで彼女の帰りを待ってたんだ。

モウガマンデキナイ。
僕はズボンを下ろしながら、ふらふらとした足取りで双葉ちゃんに近づいて行く。

「ああっ……素敵ですよワンちゃん。今日まで一週間……いえ、一ヶ月半も私の『まて』を守って……うっ……ああっ!」

双葉ちゃんもこちらに歩み寄ってきたんだけど、その動きが一瞬だけ止まる。

「ふう。間に合ったか。他人から他人の肉体に入り込むためには、一度本体を経由しなきゃいけないのが面倒だな」

双葉ちゃんが何やらブツブツ呟いてる。

聞き取れないし、仮に聞こえてもその意味を理解できないからどうだっていいけど。
僕は腹をすかせた獣のように、目の前に立つエサに飛びかかる。

「ふふっ。それじゃあ行きましょうか。私たちが一つになるために」
そして『エサ』は僕に向けて【手鏡】をかざした。



清彦視点

眠らせた敏明を寝室に引きずり込んだ俺は、服を脱がせ、かねてから用意していた鎖を使って両手・両足を縛り、ベッド上で大の字に拘束して一息つく。
敏明が目を覚ましたのはそのときだ。

俺は双葉として、満面の笑みを浮かべて口を開く。
「お出迎えありがとうございます。私も大好きな敏明君と一週間も離ればなれで寂しかったんですよ」

もっともそれは、肉体的な意味合いでだ。
精神的には若葉に成りすまして敏明と一つ屋根の下で過ごしていたため、いまさっき読み取った双葉の記憶ほどの懐かしさはないがな。

「……らせろ」
「はい?」
「犯らせろ! 姦らせろッ! 嬲らせろオオオオオオ!」

敏明は繋がれた鎖をガチャガチャと揺らし、血走った目でヨダレを垂らし、手負いの獣のように暴れる。
双葉の顔を見た途端トんじまうなんて、調子に乗って若葉の肉体で追い詰めすぎちまったか。
まさかまだ壊れてないだろうな?

俺は小さく白い掌で、敏明の頬をおもいっきりビンタする。
「あ、あれ? 僕……」
とりあえず会話ができる程度には落ち着いたようだし、最後の仕上げといくか。

「再会して早々いきなり襲い掛かったり暴れるなんて、敏明君を見損ないました」
「え? 何の事? 僕……ああっ! あ、あれは違うんだよ!」

この様子から見るに、自分が何をしでかしたのか覚えてるみたいだな。
説明の手間が省けるのは楽でいい。

「このままワンちゃん……いえ、駄犬を野放しにしていたら他の女の子に迷惑がかかるでしょうし、貞操帯の鍵は捨ててしまいましょうか」
俺は冷たい目で敏明を見下ろして蔑む。

敏明からは、先ほどまでの『狂犬病にでもかかったのか?』という雰囲気は消えうせ、今は借りてきた猫……いや、座敷犬のようなしおらしさを見せている。

「そ……そんな。お願いだから許して! その鍵が無ければ……貞操帯が外せなければ……射精できなければ僕は死んじゃうよ! うっ……ぐすっ……」

貞操帯のみを股間にはりつけたほぼ全裸の大男が、泣きながら情けなく懇願してくる。
あ、ヤバ。その表情はすごくそそるじゃねえか。
背筋がゾクゾクとして子宮にきゅんと来て、これだけで双葉の肉体は達しそうになったぞ。

「そうですね。反省しているのなら、その証を見せてくれませんか?」
「ぐすっ……証?」
「はい、靴下ごと私の足を舐めてください」
少しだけ表情を柔らかくし、敏明の顔面を右の足裏でグリグリする。

双葉はいくら美少女と言っても人間だ。
長旅の間中履いていた靴下は、汗で若干蒸れている。
決して強くはないものの鼻につく臭いと、女の子の匂いが混じった布を、敏明は泣きながらも口に含み、吸いつき、しゃぶっていく。

靴下が敏明の唾液で濡れるほど、その姿に快感を覚える俺もまた、股間をジワジワと湿らせていく。

「もう結構です。『とりあえず』貞操帯を外してあげますね」
ひとしきり満足したところで、俺は双葉の顔・双葉の声で満足したことを伝え、貞操帯の鍵を外した。

「うっ……はぁっ……オスの臭い……すごい……」

その瞬間、ほとんど洗ってないペニスと貞操帯から、むせかえるような栗の花の臭いが立ち登る。
男では気持ち悪いと感じる臭いも、女の体で嗅ぎ取るといい意味で脳が痺れてくる。

「ふふ、すごいと言えばこちらもですね。ポチのおちんちんが貞操帯を外したとたん、ムクムクと大きくなってそそり立ちましたよ」
「あっ……ああ……僕、勃起してる……数十日ぶりに……あっ……苦しい……挿入たい……射精したいよぅ」

勃っちまったことで余計に刺激を求めるようになったんだろう。
皮が剥けた肉棒の先から、ガマン汁がどんどん溢れてくる。

俺は舌舐めずりをしながら服を脱ぎ、ブラとショーツを外して敏明の上にまたがる。

「ポチ。時計が見えますか? いまは23時55分。貴方の誕生日まで後5分あるんですよ」
「そ……そんな! ここから後5分なんてガマン出来ないよ! お願い! 何でもするから! 双葉ちゃんの言うことを何でも聞くから挿入させてよ!」

勃起したところに、大好きな少女に裸体で馬乗りされた敏明は、腰を突き上げる。
もちろん四肢を縛られているため、その先端が微かに腰を浮かしている俺の秘所に届くことはない。

――ああ、まただ。
俺の女性器を求めて惨めに懇願する敏明を見てると、この哀れな獣をどうしようもなく愛おしく感じ、それ故にもっと苦しめたい・困らせたいと思えてくる。
例えるなら、小学生の男子が好きな女の子をいじめるような感覚だ。

「挿入させて、ってどこにですか? はっきり言わないと分かりませんよ」
「おまんこに! 双葉ちゃんのおまんこに僕のいきり立ったおちんちんを挿入させてください!」

堕ちた。

弱弱しいながら一点の曇りもない瞳で訴えられ、敏明が双葉の肉体無しでは生きていけない状態になったことを『女のカン』で理解する。

「本当に私の言うことを何でも聞いてくれるんですか?」

無言で首肯する敏明。

「でしたら、自分の舌を思い切り噛めますか?」
その言葉を受けた敏明は迷うことなく大きく開けた口から舌を出し、上の歯と下の歯で噛みちぎろうとする。

――瞬間。

『本当にやるだろう』と思って構えていた俺の行動は素早かった。
あらかじめ手に持っていた貞操帯を敏明の口につっこみ、自決を阻止する。

「ああ……死に繋がるような命令でも聞いてくれるなんて……素敵ですよ、ポチ」

限界を超えて射精を禁じた甲斐があった。
何でも言うことを聞く忠実で可愛い奴隷(いぬ)。
俺は、女の肉体という道具を使ってコツコツ作ってきた作品の完成に、膨らみかけの小さな胸を躍らせる。

「それではお待ちかねのごほうびです。私の蜜壺を存分に味わってください」

すでにこちらの方も準備が整っている。
人差し指と中指で肉襞をくぱぁと開き、二つある穴の下、膣口に照準を合わせ、一気に腰を下ろしていく。

「……っ……く……痛っ……でも……」

ぶちぶち、と処女膜が裂ける音が体の裡に響く。
その痛みたるや、間違いなく人生で初めて味わうほどの強さだ。
これならまだ、『玉』を蹴られた方がマシだと思うような激痛。
しかし、その激痛を抑え込むほどの充足感が俺を満たして行く。

双葉の処女と敏明の童貞。
その2つを同時に貪り喰らう快感は筆舌に尽くしがたい。

「ああ……ポチのおちんちん……すごく美味しいですよ……」
さて、この痛みが収まったら腰を動かそうとした矢先……。
「あうっ……だ、ダメだ……双葉ちゃんの膣内(なか)、気持ち良すぎるよ!」

ドクン、と下腹部の内側が熱い液体で満たされる。
いくら何でも早漏すぎだろ!

……まあ、貯め込んだ期間や量を考えれば無理もないか。
仕方ないよなと、ため息をつく俺の膣内で敏明のペニスが縮んでいき、結合部から破瓜の朱と精液の白が混じったピンク色の液体がどろっと溢れ出てくる。

そのお互いが初めての証を見た俺は感動に打ち震え、敏明は、
「うっ……ひぐっ……ふだばぢゃん……ごべんばさい……」
と泣き出してしまう。

おいおい、何に対しての謝罪だよ。
一瞬で果てたことか?
たっぷりため込んでるんだからまだまだイケるだろ?

それとも中出ししたことか?
そんなモンはゴムをつけない以上、覚悟のうえだ。
まあ、仮に妊娠したらしたで、出産を体験するのも悪くないか。
どうせ俺の肉体じゃないしな。

「せっかく……挿入させてくれたのに……グスッ……双葉ちゃんの許可が無いのに……勝手に射精……しぢゃった……」
スゲェ。
男って生き物は射精管理でここまで卑屈になれるのか。
それとも敏明が特別『そういう素養』があるのか?

少女の肉体そのものに備わった母性本能は、泣きじゃくる敏明を慰めて安心させたいと訴えてくるが、サドっ気を発揮した俺の魂(こころ)は、その負い目につけこみイジメてやろうと判断を下す。

「少しは見直したのですが駄犬はしょせん駄犬ということでしょうか? 保健所にお願いして引き取ってもらいましょうか」

俺は敏明の上に覆いかぶさり、むき出しになった男の乳首を指でこねくり回す。
乳腺の発達している女と違って、男はここを弄られてもあまり感じないんだろうがまあ、雰囲気って奴だ。

「い……嫌だ……お願い……僕を捨てないで……」
「私に考え直して欲しいなら、何をどうすればいいか分かりますよね?」

その答えとばかりに、俺の膣内入り口まで戻された敏明のナニが再び力を取り戻してくる。
太く長くなっていく肉棒は、狭い膣壁を擦りながら処女膜のあった場所より先、子宮目指して伸びていく。

「あっ……いいっ……ゴリゴリして……んっ……自分でオナニーするよりずっと……はぁぁんっ」



こ……これが本当の女の快楽なのかよ。
ただ肉棒を受け入れただけで、脳まで蕩けそうな信号を膣壁の細胞1つ1つが発信してくる。

「んっ……ほら、ポチ、見えますか? 私のおまんこから入った貴方のおちんちんが……やんっ……こんなになってるんですよ」

俺は上体を起こし、騎乗位になる。
小さな双葉の下腹部は、膣内で蠢く敏明のペニスの形に膨れ上がっていた。

「あぁっ……双葉ちゃんの膣内(なか)、温かくて狭くて気持ち良すぎるよ!」
「ふふっ。喜んでばかりいないで、私も気持ち良くさせてくださいね」

ほんと、おめでたい奴だな。
そっちは肉棒だけの気持ち良さだろ?
こっちはクリトリスや肉襞、膣や子宮など、女陰の1つ1つが男性器より凄まじい快感を与えてくるんだぜ。

「ポチ、命令ですよ。私が気持ち良くなるまで、何回でも……何十回でも付き合ってくださいね」

乗っかった体を振るたびに、膣壁から全身に快楽が駆け巡って行く。
腰の1振り1振りが射精以上の快楽を、体中に沸きあがらせてくれる。

「はぁ……はっ……ふ、双葉ちゃん……僕、また……」
「いいですよ……んっ……そのまま中に。私の赤ちゃん部屋に……ポチの子種をたっぷり注ぎ込んでください」
「あっ! で、出ちゃうよぉぉぉぉぉ!」
敏明の情けない悲鳴と同時に、子宮が満たされていく感触を覚える。

だけど、まだ足りない。
もっと欲しい。

敏明の四肢を縛る鎖を外して解放し、こちらが気持ち良くなる為の手伝いをさせる。

「んっ……いい感じです……しっかり私を持ちあげて……あっ……突いてください」

俺は敏明に命令し、抱え上げられ後ろから羽交い絞めにされるという背面座位となる。
そして美少女となって犯される自分自身の姿を鏡で見ながら、女陰のすべてが齎す快楽に身をゆだねる。

「……はぁ……はぁ……」
俺を背後から抱きかかえて腰を動かす敏明は、自分が気持ち良くなりつつ、俺をそれ以上に気持ち良くさせようと懸命に働く。

「ポチ……そろそろ……あっ……いきそうです……射精の準備は……あぁっ……いいですか?」
「うん……一緒に……はぁっ……一緒にいけるように……頑張るから……」

パンパンと音を立て、雄肉と牝肉がぶつかり合う肉の宴。
くちゅくちゅと互いの恥部から零れた液体が、それに彩を添える。

「あっ……んっ……そろそろ……」
子宮が蠢動し、限界を知らせたところで膣内部をぎゅっと締め、敏明に合図を送る。

「あっ……ああああっ……双葉ちゃん!」
「いく……いっちゃう……ポチのおちんちんで……あっ……あああああああああっ!」

子宮が精子でどぷどぷと満たされていく異性の絶頂に陶酔し、体を小刻みに痙攣させる。
「はぁ……はぁ……やっぱり女の肉体ってすげぇ……って敏明君!?」

その余韻に浸る間もなく俺は体を前後180度回転させされ、対面座位でピストン運動を再開した敏明に突かれまくる。

「はぁ……はぁ……双葉ちゃんの膣内……おっぱい……もっと……」
精子タンクの残量は十分なのだろう。
敏明は俺の胸を舐め、ミルクのような黒髪の匂いを嗅ぎながら獣のように牝肉を貪ってくる。

上等だ。俺の子宮が精子で埋め尽くされるまで付き合ってやるよ。
こっちは男と違って賢者タイムなんてものがないし、見かけと違って淫乱な双葉の肉体はもっと欲しがってるんだ。

俺は敏明の首に両腕を回し、舌を絡めながら突かれるタイミングに合わせて腰を動かす。

――こうして敏明の誕生日中、俺たちは肉欲の宴に興じた。



エピローグ

すっかり女としてのセックスに味を占め、双葉になったまま毎日のように敏明を調教したり交わっていたある日。

ピンポーン。

「ごめんください」
「いらっしゃい若葉ちゃん。お待ちしてました」
「きゃっ! もう双葉お姉ちゃんたら。顔を見るなり抱き着かないでよ」
「いいじゃないですか。私と若葉ちゃんの仲ではありませんか」

俺は双葉として、家を訪れた若葉を出迎えた。
何でも敏明に内緒で相談したいことがあるらしく、昨晩若葉から双葉の携帯にメールが入ったんだよな。

配役が逆だが、いつぞやの焼き直しのような気がするが……まあいい。

俺は若葉を広いリビングへ通し、紅茶を進めながら口を開く。

「それで、相談したいこととは何でしょうか?」
「ん、相談って言うか、話っていうか、一方的な通達っていうか……」

どうにも若葉の言葉は歯切れが悪い。

心の中では『早く言えよ』とイラついてるが、優しい双葉お姉ちゃんを演じている以上、本性を見せるわけにもいかない。

「宣戦布告、って言うのが一番しっくり来るかな? 勝ち目が無いのは分かってるけど、それでも筋は通しておきたくて」
「宣戦布告……ですか?」
「うん。あたしも……敏明お兄ちゃんが好きなの!」
「そうでしたか。私が敏明君を占領してるから、若葉ちゃんに寂しい思いをさせてしまっていたんですね」
「ちがうの! あたしはお兄ちゃんを家族としてじゃなく、異性として好きになっちゃったの! お兄ちゃんを愛してるの!」

あー、これってやっぱり俺のせいだよな。
双葉が海外に行ってる間、敏明を追い込むために若葉の肉体を使って、お兄ちゃん大好き波状攻撃を仕掛けまくったからなあ。
そのつもりは無かったが、結果として若葉の心を歪めちまったってことか。

よし、ここは男らしく責任を取ってやるか。
若葉が実の兄を愛してしまったのなら、その後押しをしてやろう。

その手段だが……俺が若葉に成りすまして敏明を寝取るのも面白そうだが、せっかくくっつけた敏明と双葉の仲を引き裂くのは勿体なさ過ぎる。
と、なると……そうだな。若葉もこちら側(変態の世界)に引きずり込むか。

そうと決めた俺は、半ば勢いで告白して息を荒げている若葉に対し、柔らかい笑みを浮かべて口を開く。
「3人じゃダメですか?」
「え?」
「ですから私と若葉ちゃんが敏明君を奪い合うのではなく、私たち3人で仲良く交際するというのはいかがでしょう?」
「お兄ちゃんに彼女公認で二股かけさせるっていうの? そんなのおかしいし間違ってるよ!」
「妹が兄を愛するのは間違っていないと言えますか?」
「……うぐっ」
痛いところを突かれた若葉は黙りこくってしまう。

「とにかく、ちょっとこれを見ていただけますか?」
「? 双葉お姉ちゃん、これ何?」
若葉は差し出された俺の掌に古ぼけた【手鏡】が握られていることに気付き、疑問をぶつける。
俺はそれには答えず、呪文を唱えて若葉を眠らせ、双葉の部屋へと運ぶ。

さらに指錠と縄を使って若葉が身動きできないようにし、口にボールギャグを噛ませて喋れないようにする。
途中で目を覚ました若葉が驚き何かを言おうとするも、「ん、んんん」と言葉にならない。

「手荒な真似をして申し訳ありません。ですが若葉ちゃんには、ありのままの私と敏明君を見て頂き、そのうえでどうするか判断していただこうと思いまして」
俺は双葉として、いつもと変わらない表情、いつもと変わらない口調でそう告げる。

そのことが若葉にとっては恐ろしいんだろう。
表情が次第に混乱から恐怖に変わる。
もっとも体の自由を奪っているから逃げるにも逃げれないし、助けを呼ぼうにも言葉が出せないから怯えるしか他ないんだけどな。

っと、そうそう。
ボールギャグは言葉を封じるだけじゃなく、口を開きっぱなしにする効果もあるからヨダレが止まらなくなるんだよな。

俺は若葉の口元を濡らし始める分泌液を指で掬い、甘い香りのする美少女の唾液の味をこれまた美少女の舌を使って堪能する。

「そんなに怖がらないでください。若葉ちゃんをどうこうしようって訳ではありませんから」
言って若葉をクローゼットの中に閉じ込める。
もちろん室内の様子が見えるようにしたうえで、だ。

さて、これで準備は整った。
後は敏明を呼び出し、変態的なプレイを若葉に見せつけるか。



敏明に今すぐ来てくださいとメールを入れ、待っている間に着替えを取り出す。
用意したのは『例の店』でオーダーメイドして作らせた本革ボディスーツだ。

股間を覆う逆三角のパーツは切れ込みが深く、女性器をあてがう部分にはファスナーがついていて、上着にあたる部分もノースリーブで胸元が大きく開き、ブラ部分と一体化となっているガーターベルト付きのコルセットが扇情的な雰囲気を作り出している。

俺はその女王様ご用達スーツに着替えて自分の姿を確認した。
幼い容姿の美少女がアダルティなコスチュームを纏ってる姿は、背伸びしている感が半端ないが、このアンバランス感が逆に魅力を醸し出しているとも言える。

「ふふっ。どうです? 似合いますか、若葉ちゃん?」
当然ながら返事はない。
それを少しだけ残念に思っていたところで、ようやく敏明がやってきた。

「ゼェ……ハァ……お待たせ、双葉ちゃん!」
「遅いですよ、駄犬。私が呼びだしてから何分経ったと思ってるんですか?」

俺は敏明に冷たい視線を送る。
忠犬はそれだけでこちらの意図を察し、全裸になって仰向けになり、さらに手足をだらんと曲げて服従のポーズをとった。

「本当にみっともない畜生ですね。私にこうされることを期待して遅れてきたんですか?」
俺はぶらーんと垂れ下がった敏明のナニに蹴りを入れる。

と言っても、いつぞやの変質者にそうしたように全力ではなく、かなり手加減……いや、足加減してだ。
潰して使い物にならなくするワケにいかないしな。

「はうっ……うっ……」
「おちんちんが大きくなってきていますが、気持ちよくなってきているんですか?」
「ち、違うよ! 双葉ちゃんのその恰好が刺激的すぎて、見ているだけで反応しちゃうんだよ!」

女としての自分の肉体、自分の服装で男を興奮させるっていうのはホント、物凄い優越感と恍惚感だよな。
(双葉の)大金を払ってこのスーツを作らせた甲斐があったってもんだ。

「褒めていただきありがとうございます。そのお礼にポチをたーっぷり苛めてあげるので、気持ちよくなってくださいね」

そのセリフでさらに股間を大きくする敏明の情けない姿に劣情を催しながら、俺は若葉に見せつけるため、愛犬を嬲りはじめた。

スパンキングから始まり、ドッグフードを食べさせ、「シャワーで体を綺麗にしてあげますね」と、割れ目をくぱぁと広げ、敏明の全身に黄金水を振りかける。

……などなど、ひとしきり『ムチ』で責め立てた後は『アメ』の時間だ。
ボンテージスーツの股間についたファスナーを開け、敏明の『男』を俺の『女』で受け入れる。

「あっ……はっ……やっぱりバイブなんかのオモチャより、ポチのおちんちんが一番ですね……んうっ……」

大きな敏明の体にしがみつくように抱かれながら、牝穴をぎゅうぎゅうに絞めてカリが膣壁を擦る感触を堪能する。

「この短い期間に何十回も受け入れたから……ああっ……私のおまんこはポチのおちんちんの形を覚えちゃったんです……この穴はポチ専用なんですよ。嬉しいですか? 嬉しいですよね!」
「はぁ……あっ……双葉ちゃんは僕の……僕だけの飼い主なんだ……あっ……合体して……生ハメして……」

女に成りすましてセックスすることで、肉体はもとより心までも満たされていく感覚。
犬奴隷に堕ちた敏明じゃないが、この快楽を味わうためなら他の何をかなぐり捨ててでもいいとさえ思えてしまう。

「あっ……やっ……そこ……もっと……突いてください……」

もしかしたら俺は、敏明を支配しているつもりで、支配されてるのかも知れない。
そう錯覚するほど『生きた肉棒』で女にしかない器官を刺激される行為にハマッちまっている。

「……あっ……やっ……いく……ああああんっ!」



『行為』が終わって何も知らない敏明を帰した後、クローゼットに閉じ込められていた若葉を引っ張り出す。

唾液と涙でぐちゃぐちゃになりながらも俺に浴びせる視線は、怒ってるようでもあり悲しんでるようでもあり……羨ましがってるように思える。

「見ての通り敏明君はいじめられて興奮するどうしようもないマゾ犬なんですよ。貴女はそれでも彼を愛せますか?」

ボールギャグをつけたままなので、若葉からの返事はない。
もとより、いまこの場で返事をさせるつもりはないしな。

「少しだけ考える時間を与えますので、後ほど返事を聞かせてください。敏明君を諦めるか、私と一緒に敏明君をいじめることで『愛』の形を確かめ合うかを」

そして俺は若葉を再び眠らせ、拘束を解いて裏庭の目立たない場所に置き、一度自分(清彦)の肉体に戻る。

小さく綺麗な体から大きく醜い体へと戻った俺は、重い体を揺さぶり清彦宅から双葉の家までダッシュし、裏庭に忍び込む。
そして金髪の眠り姫を視界に捕らえたところで、【手鏡】を使って若葉と肉体を入れ替えた。

「学校以外の場所で他人から他人に乗り換えるのは、ホント面倒くせーな」

こんな手間をかけてまで即座に若葉となった理由は、色々見せつけられたコイツが想定外の行動に出るのを防ぐためだ。

敏明や双葉を変態と罵るだけならまだしも、『2人を殺してあたしも死ぬ!』なんて暴走されたらたまったもんじゃないからな。

「さて、若葉はさっきの行為をどう感じたのかな?」

記憶を読みとってみたがいまいち把握できない。愛憎渦巻く複雑な感情で、自分で自分の気持ちを理解できてないようだ。

「それはそれで構わないか。次に若葉の魂が自分の肉体に戻ってきたときは、双葉と同じ立派なご主人様になるよう、俺がこのツルペタな肉体に覚え込ませてやるからな」

俺は童顔の少女に不釣り合いな下卑た笑みを浮かべ、双葉の屋敷の呼び鈴を鳴らす。
双葉に全てを受け入れることを伝えると、幼馴染の少女は新たな仲間を快く受け入れてくれた。

まあ、俺が双葉の肉体で『若葉を仲間にしたい』って口と行動で示したからこそ、双葉本人はそれが自分の意思だと思い込んでるからなんだが。



そして翌日。
すっかりご主人様に染まった双葉が、敏明の手足を縛って目隠しプレイを強要。
そこに隠れていた俺がこっそり姿を現し、何も知らない実兄の肉棒に女陰をズブズブと埋めていく。

相変わらず処女膜が破れる痛みは辛い。
だが、処女として男を受け入れる経験を何度も味わえるのは俺だけという優越感と、目隠しを取った敏明がどんな反応をするかという期待が破瓜の衝撃を打ち消してくれる。

ふふっ。若葉の処女まんこは気持ちいいでしょ、お兄ちゃん?
これからはあたしとお兄ちゃんと双葉お姉ちゃん、3人一緒にいつまでも仲良くしようね。



さらに数週間後。
俺は若葉の肉体に居座り続け、存分に女の肉体を堪能しながら、実兄の調教を双葉と共に進めていた。

「ねえポチ。あたしと双葉お姉ちゃん。どっちを先に食べたい?」
「選ばれなかった方はきついお仕置きを貴方に与えますから、慎重に選んでくださいね」
「そ、それってどっちを選んでも、僕はいじめられるんじゃないの?」

その困り果てた表情とは裏腹に、敏明のペニスは期待に満ちて膨らんでいる。
もはやコイツに妹とセックスするという背徳感は存在せず、牝の柔らかな肢体に溺れまくっている。

若葉の肉体も『ご主人様』として過ごした日々の記憶を十二分に蓄えたし、若葉本来の魂がこの肉体に戻ってきた暁には、立派なご主人様として俺の後を引き継ぐだろう。

――そろそろコイツ等で遊ぶのも潮時か。

次はどんな女の子になってどういう遊びをしようか。

俺はそんなことを考えながら仰向けになっている敏明に女性器を近づけ、双葉と同時に選択を迫った。



0.6350簡易評価
11.100きよひこ
続編希望
54.100きよひこ
掲示板のときから、補足や追記があるみたいですね・・・
59.無評価作者です
No11様
続編を希望いただきありがとうございます。
何かいいコンセプト(今回で言えば調教)が思い浮かんだら書くかもです。

No54様
掲示板のときは、その都度書いては更新と繰り返してるので気づかないのですが、全体を通しての文章でみたとき、「ここの文章おかしいな」とか「ここは捕捉した方がいいかな」と感じてしまうので、図書館掲載をするにあたり、若干手入れをしております。
60.100きよひこ
今、読み直してみたけど、やっぱりこの作品はすごいなぁ
ちょっと感動ものです。
61.無評価作者です
No60様
お褒めいただきありがとうございます。
拙作に対し、読み直してくださる程の評価いただいたこと、感謝致します。
64.100きよひこ
最高だわ