飴を拾ったよ、圭介(桜子)視点
私は圭くんのことが、小さい頃から大好きだった。
だけど私が変な飴を拾って舐めたせいで、その大好きな圭くんと、私は体が入れ替わってしまった。
大好きな圭くんの体なのに、私が男の子の体になっちゃったのは、生理的にイヤだった。
特におちんちんに触るのはイヤだった。
だけど今は、圭くんの体が私の体なんだ、お風呂とかトイレとかで、触らないわけにはいかなかった。
最初はトイレでは座って、おちんちんを紙で押さえながらおしっこをした。終わった後は紙で拭いた。
その時おちんちんの先っちょが敏感に感じたり、そのせいでおちんちん大きくなったり、何か変な気持ちになったりした。
なんで男の子の体って、こんな変なものついてるのよ、もうイヤ!!
そんなイヤだった男の体やおちんちんに、私が慣れはじめたきっかけは、立ちションだった。
学校で、嫌々ながら男子トイレに入って、個室に入る直前、他の男子が立ちションをする姿を見た。
その時、私は幼い頃の事を思い出した。
何で男の子は立ちションが出来るのに、女の子には出来ないんだろう?
男の子ばかりずるいって。
そうだった、幼い頃の私は、男の子の立ちションには興味があったんだ。
女の子の私にはできないから、余計に憧れた。ふとその時の気持ちを思い出した。
今の私なら、男の子だから立ちションが出来る?
立ちションをやってみたい、後で、じゃなく今やってみたい。
そんな気持ちがふつふつと湧き上がってきて、おちんちんを嫌だと思う気持ちを上回り、私は思い切って立ちションに挑戦してみた。
なんだか恥ずかしいから、できるだけ端っこの便器に移動して、こっそりおちんちんを取り出した。
あまり触りたくないけど、指先でそっとおちんちんをつまんで、小便器に狙いをつけておしっこをした。
女の子と違って、狙い通りにおしっこができた。なんだか感動だった。
おしっこをするのも、後始末も、女の子の時より、思った以上に楽だった。
それ以上に、幼い頃からやってみたかった事が出来て、胸の奥のつかえが取れたみたい。
おしっこを済ませたすっきり感との相乗効果もあってか、何だか気分が爽快だった。
男の子になって、初めて良かったと思った瞬間だった。
圭くんと入れ替わってしまった事を嘆くより、少しづつでも今のこの状況を楽しもう。
私がそう思えるようになったのは、この時のこの立ちションからだった。
そんな調子で、私はだんだん男の子の生活にも慣れてきた。
私は男子と一緒に過ごす機会が増えた。
最初は男子が少し怖かったけど、慣れてくると他の男子と一緒に遊ぶのが楽しくなっていた。
そんな話を、桜子(圭介)にしたら、良かったと言ってくれた。
私が男子の中で上手く過ごせるのか、その事を心配してくれていたらしい。
「うん、うまくやってるよ。心配をかけてごめんね」
そう返事を返したら、桜子は笑ってくれた。
だけど、その笑顔は、なんだか寂しそうだった。
男子の生活に慣れてきた私は、お昼休みの時間に、高木くんたちに誘われて、ドッジボールをするようになった。
最初は痛いのはイヤだし、ちょっと怖かったから、色々言い訳をして断っていた。
だけど、高木くんに熱心に誘われて、断りきれなくてはじめた。
ドッジボールか、私運動とかこういうの苦手なのよね、痛いのはイヤだし、失敗してみんなに迷惑をかけるのもイヤだな。
そう思っていたけれど、体が思った以上によく反応して、よく動いてくれた。
あれ? 私ってこんなに運動できたっけ?
あ、そうか、この体って、運動音痴の桜子じゃなくて、運動の得意な圭くんの体だからなんだ。
今の私は、まだ要領が悪かったけど、それでも下手な男子よりはうまく動けた。
圭くんの体ってすごい!!
今までできなかった事が、こんなに簡単に出来ちゃうなんて!!
そうやっているうちに、だんだんドッジボールに慣れてきて、体を動かす事が楽しくなってきた。
すごいすごい、運動の得意な子って、こんな気持ちだったんだ。
私は、他の男子と一緒に遊ぶ事に、だんだん夢中になっていった。
だから桜子が、そんな私を恨めしそうな表情で、遠くから見つめていた事に、私は気付いていなかった。
飴を拾ったよ、プール開き
六月末、私が圭くんと入れ替わってしまってから、もう二ヵ月半になる。
最近暑くなってきて、季節はもうすぐ夏本番って感じだ。
そして今日の体育は、今年最初の水泳の授業だ。
私は泳ぐのが好きだし、(体力的に、あまり長く泳ぐのは苦手だけど)水泳の授業が楽しみだった。
プールサイドにある男子更衣室で、私は他の男子と一緒に水着に着替えた。
最近は男子の中で着替えるのにも慣れていた。……はずだった。
水着に着替えた後、男子は上半身が裸になっちゃう事に気が付いて、ちょっとだけ恥ずかしくなった。
つい反射的に、女の子の時みたいに、両手で胸元を隠しちゃった。
私の事を、変に思われていないだろうか? こっそり周りの様子をうかがってみる。
特に気にしている人はいないみたい。少しだけホッとした。
だけど別の事に気がついた。
男子の中には、格好を付けてか、バスタオルをマントのように羽織っている子もいる。
そうか、あんな風にバスタオルを羽織ればいいんだ。
男子のそういう所は、ちょっと子供っぽい感じもするけど、みんなの前で上半身裸になるのは、ちょっとだけ抵抗があったんだ。
だから今は真似してみよう。
私は、バスタオルをマントのように羽織りながら、更衣室を出た。
プールサイドでは、先に着替えて来た子が、それぞれ男女に分かれて集まっていた。
私は男子の集団に合流して、後から来る子を待っていた。
その少し後に、桜子が美由紀と一緒に来た。
二人はなんだか楽しそうにお喋りをしていた。
最近二人は一緒にいることが多いし、仲良くやっているみたいだ。
桜子は、グループの他の女子とも上手くやっているみたいだし、その点はホッとしている。……けど。
本当なら、私はあそこに居たのよね。
ついそんな風に思って、なんだか感傷的になっちゃった。
「何を見てるんだよ」
「ひゃっ!!」
いきなり声をかけられて、私はびっくりして振り返った。
「は、原口! いきなり脅かすなよ!!」
馴れ馴れしく私に声をかけてきたのは、原口徹(はらぐちとおる)だった。
お調子者の原口くんは、根がスケベでデリカシーのない人だ。
女子にはそう思われて、嫌われている。
私も桜子のときはそう思っていて、原口くんのことが嫌いだった。
じゃあ、圭くんとはどうだったか?
圭くんとは、特別仲が良かったわけでも、悪かったわけでもないらしい。
なのになぜだか原口くんは、私が圭くんになってからは、馴れ馴れしく接してくるようになった。
原口くんによれば、中身の換わった最近の私には、親しみを感じるらしく、仲良くなりたいと思っているらしい。
なんでよ、私はあんたなんかとは、仲良くなりたいなんて思っていないのに!!
かといって露骨に拒絶なんて出来ないし、原口くんとは限定的に接するようになった。
でもそんな風に、圭くんとして、原口くんと男同士の付き合いをするようになって、少しづつわかってきた。
こう見えて原口くんは、友達思いの気のいいやつなんだってことに。
そうと知ってしまったら、原口くんのことを、前ほど嫌いになれなくなった。
そしてそんな流れで、最近のお昼休みの時間には、高木くんたちだけでなく、原口くんとも一緒に遊ぶ事が多くなった。
「お前も女子の水着姿をおがんでたんだろ? どの子が好みなんだ」
「そ、そんなんじゃないよ!!」
「女子の水着越しに見える胸の膨らみ、水着からすらっと伸びる素足、くう、たまんないよな!」
……んもう、私にそんな話題を振るなんて、前言撤回、やっぱりこいつは、スケベでデリカシーのないやつだわ。
「女子が嫌がるだろ、そういう目で見るのはやめろよ!」
無駄だと思いながら、でも少しでも女の子が嫌がる行動を思いとどまるように、釘を刺してみた。
「何言ってるんだよ、男として当然の反応じゃないか。そんなこと言いながら、お前だって女子に興味があるんだろ?」
釘が効くどころか、私にその矛先を向けてきた。
「……ないよ」
「嘘付け、お前、さっきから女子のほうばっかり見てただろ」
「そ、そんな目で見てたんじゃない!!」
「やっぱり女子を見てたんじゃないか、もっと自分の気持ちに正直になれよ」
そんなんじゃないってのに。
でも女子のほうを見ていたのは、確かにその通りだから、私の言葉には説得力がなかった。
私が動揺しているうちに、原口くんはにやにやしながら、畳み掛けるように私に囁いた。
「俺は柴田(美由紀)が好みだな、あいつまた胸が大きくなったよな、女子の中では一番スタイルが良いっていうか、何かいいよな」
おあいにくさま、美由紀は高木くんが好きなの。あんたなんかお呼びじゃないの。
さすがにそんなことは口には出せないから、私は心の中で嫌味を言った。
原口くんは、私の内心なんか気にもしないで、言葉を続けた。
「お前のお目当ては川島(桜子)か、あいつも体つきが女らしくなってきたよな、うんうん」
「ち、違うし、桜子をそんな目で見るな!! ……だいたい全然成長してないだろ!!」
桜子は背もあまり伸びて居ないし、水着だって、去年私が着ていた競泳水着をそのまま着ている。あまり成長していない証拠だ。
背がすらっと伸びて、今年は新しい水着に買い替えて、体つきも大人びてきた美由紀とは対照的だ。
……そんな比較をしてしまって、私はちょっとだけ落ち込んだ。
「お前こそどこ見てるんだよ、川島は去年よりも、胸もお尻もぐっと成長してるぜ、俺はこういう分野での目には自信があるんだ」
「そんなこと自慢になるか!!」
「体つきだってこう、……特にお尻のあたりが丸みを帯びてきてさ」
「だから、桜子をそんな目で見るなって!!」
原口くんの妖しげな手つきでの解説を、私は遮った。
こいつに桜子をそんな目で見られたり、そんな風に言われるのは不愉快だった。
「はいはい、お前の女房のことを、そんな目で見て悪かったよ」
「そ、そういう意味で言ってるんじゃ……」
「だけどさ、ならお前くらいは、好きな子の体の成長を、ちゃんと見といてやれよ」
そうけしかけられて、私は改めて桜子を見た。
圭くんの目から、去年の桜子がどう見えたのか、私にはわからない。
だけど、そう言われて見てみたら、今の私の目から見ても、桜子の体つきが丸みを帯びているのはよくわかった。
去年はぺったんこだった胸の辺りが、緩やかな丸みを帯びて見えた。
お尻から太股にかけての肉付きが良くなっていて、なんだか柔らかそうで、なんだか私……。
「ほらな、やっぱり、体のほうが正直じゃないか」
「!!?」
そういわれてハッと気付いた。
いつの間にか、私のおちんちんが大きく硬くなっていて、水着の内側から大きく押し上げていた。
「ち、違う、これは違うのよ!!」
「なにが違うって? もっと自分の欲望に、正直になったほうがいいぞ」
硬くなっちゃったおちんちんに、私は恥ずかしさで赤面しながら、あたふたした。
そんな私を、にやにやしながら見ている原口くんに、私は反論したいのに、何の反論も出来なかった。
そのすぐ後に先生が来て、なんとかその場はうやむやにできた。
体育座りで身を縮こまらせながら、私は硬くなったおちんちんを誤魔化した。
先生から今日の水泳の授業の方針が告げられた。
「今日は、今年最初のプールだが、お前達も遊びたいだろ。今日は自由行動にするから、思い切り楽しんでこい」
そう告げられたとたん、みんなからどっと歓声が上がった。
やっぱりみんなも、プールを楽しみにしていたんだ。
プールの右サイドを泳ぎたい者専用、左サイドを水遊び専用、という風に大雑把に分けられることになった。
私は、右サイドに行って、思い切り泳いだ。
圭くんの体で、どれだけ泳げるのか、試してみたかったということもある。
だけど、さっきの原口くんの挑発のせいで、なんか気持ちがむらむらして、それを発散させたかった。
すごいすごい、圭くんの体って、桜子より早くてすいすい泳げる。
体力に余裕があるのか、それとも体が覚えているのか、息継ぎも余裕を持ってスムーズにできた。
桜子の体だったら、とっくに体力が切れているだろうけど、この体はまだまだ余裕がありそうだった。
その後、高木くんに勝負を挑まれて、競争もした。
僅差で負けたのが悔しくて、再度勝負して今度は勝った。
そうしているうちに、何だかすごく楽しくて、だんだんさっきの醜態の事は気にならなくなった。
たくさん泳いで、ちょっと疲れたのでプールサイドに上がった。
プールサイドで休みながら、ふと水遊びをしている左サイドを見た。
右サイドは男子が多かったけど、左サイドは女子が多かった。
桜子と美由紀も、左サイドで一緒に楽しそうに水遊びをしていた。
水を掛け合ったり、女の子同士のスキンシップ、というか、美由紀が桜子にじゃれついていた。
美由紀が桜子の背中から抱きついて、抱きつかれた桜子が、きゃーきゃーと黄色い声をあげていた。
『あーん、二人ともくっつきすぎ!!』
美由紀ったら、私じゃない桜子にそんなに楽しそうにくっついちゃって、桜子も桜子だわ、あんな嬉しそうな顔をして、でれでれしちゃって。
私は、桜子に対してだか、美由紀に対してだか、よくわからない嫉妬を感じた。
うらやましい、私もあんな風に、桜子に抱きついて、桜子の柔らかさと暖かさを感じてみたい。
美由紀に抱きつかれて、あのおっぱいの感触を感じてみたい。
いっそあの中に割って入って……って、私は何を考えてるのよ!!
そんな事を考えていたら、またむらむらって来て、おちんちんが硬くなってきた。
『あーん、またおちんちんが、こんな所でおちんちんを弄るわけにもいかないし、もうやだー!』
私は、むらむらって来た気持ちを発散させるために、またプールに入って泳ぎ始めたのだった。
放課後、今日の私は、寄り道をしないで、真っ直ぐ山本家に帰って来た。
「ただいま」
「おかえりなさい」
家の奥から、圭くんのお母さんの返事が返ってきた。
どうやら台所にいるみたい。
私は圭くんのお母さんに聞いた。
「祐二や琴美は?」
「祐二は居間でおやつを食べているわ。琴美はお友達の家に遊びに行っているわよ」
「……そう」
祐二くん(8)と琴美ちゃん(9)は、圭くんの弟と妹だ。
圭くんの家は、兄弟はみんな仲が良い。
特に圭くんは、小さい頃から祐二くんと琴美ちゃんの面倒を見てあげていたから、二人ともお兄さんが大好きだった。
その圭くんの立場を受け継いだ私は、二人に懐かれていた。
私は一人っ子で、ちょっとだけ兄弟がいることに憧れていたから、こういうのはなんとなく嬉しかった。
ちなみに、妹の琴美ちゃんは、最近は女の子の友達の家に遊びに行って、この時間はいないことが多い。
琴美ちゃんも、そろそろ女の子同士で遊ぶことが多くなる年頃なのね。
そんな琴美ちゃんの成長は、お隣のお姉さんとしても嬉しいって思う。
今の私は琴美ちゃんのお兄さんだけどね。
私は自分の部屋に戻る前に、居間に寄った。
居間では、祐二くんが、おやつを食べながら携帯ゲームをしていた。
「あ、お兄ちゃんおかえり」
私が居間に入ってきた事に気がついて、祐二くんはゲームを中断して、嬉しそうに話しかけてきた。
「お兄ちゃん、一緒に遊ぼう」
「悪い、今から宿題なんだ」
「え、また」
祐二くんは、面白くなさそうにほっぺたを膨らましながら、私に抗議をした。
「俺の分おやつを半分あげるから、それと、後で一緒に遊んでやるから、もうちょっと待って」
「うー、約束だよ」
「そのかわり、しばらくの間、部屋には入るなよ」
圭くんと祐二くんは兄弟で相部屋だから、こう言っておかないと、途中で部屋に入ってくるかもしれない。
んもう、桜子だった時は、一人部屋だったのに、こうしないとプライベートで一人になれないなんて。
「うん、わかったよお兄ちゃん」
でも祐二くんて、聞きわけが良い素直ないい子で、こういうところも可愛いのよね。
だから相部屋も悪い事ばかりじゃないし、今の生活に不満もあるけど結構気に入ってもいる。
私はもう一度、祐二くんに釘を刺してから、自分の部屋に戻った。
自分の部屋に戻った私は、素早くドアを閉めた。
私は、手に持っていた鞄を勉強机に放り投げ、二段ベッドの上の段へ上がり込んだ。
ハーフパンツとトランクスをずり下げると、私のおちんちんは、待ちくたびれたように硬くなっていた。
「あーもう、おちんちんがうずうずして、もう我慢の限界!」
今日のプールでの出来事が、私の頭の中に焼きついてはなれなかった。
あの後、たっぷり泳いだはずなのに、もやもやしたまま気分がすっきりしなかった。
いつもなら、ドッジボールとかである程度暴れたら、少しは気が済むんだけど、今日はプールでの刺激が強すぎたのか、すっきりしてくれない。
じゃあ、どうすればいいのよ?
私の出したその答えがこれだった。
私は、プールでの出来事を思い出しながら、固くなったおちんちんの先を、指で撫でて刺激した。
私のおちんちんの先からは、痺れるような快感が駆け抜けた。
あぁん、すごく気持ちいい。
最初は、おちんちんに触るのもイヤだったはずなのに、何で私は、こんなことやってるんだろう?
圭くんと入れ替わってしばらくして、男の子の生活に慣れてきた頃から、私は女の子のことが気になるようになってきた。
気がついたら私は、桜子や美由紀などの、女の子の胸とかお尻とかを、ちらっとみるようになっていた。
何でよ、私は本当は女の子なのに、何で女の子のそんな所が気になるのよ!!
特に、なんで桜子のことをそんな目で見ているのよ、元は私の体のはずなのに!!
その事に気がついて、最初は少しショックだった。
なのにそのうち、気になるだけじゃなくて、だんだん女の子の体を、もっとよく見たり、触ってみたいって思うようになってきた。
私が女の子だった時、近くで見たり、スキンシップで触ったりした事もあったけど、どんな感じだったっけ?
桜子と美由紀ちゃんのスキンシップ、私もあんな風によく弄られてたっけ。
あの頃はあたりまえすぎて気付かなかったけど、もっと、美由紀と触れ合っておけばよかった。
美由紀のおっぱいの感触って、どんな感じだったっけ?
桜子の体だったときの、女の子の感覚ってどんなだったっけ?
こんなに気になるなら、もっと女の子の感覚を、色々と試しておけばよかった。
そして、そんなことを考えていたら、いつもおちんちんが硬くなってしまって、最初はどうしていいのかわからなくて困っていた。
硬くなったおちんちんを、ハーフパンツの上から押さえつけたら敏感に感じて、そのうちに撫でたら気持ちよくなることに気がついた。
私は、硬くなったおちんちんを、撫でて慰める事を覚えた。
そのうちに、ハーフパンツやトランクスの布越しではなく、直接おちんちんを弄るようになっていた。
それでも私は、ある一線は越えていなかった。
ある程度気持ちよくなれたら満足して、そこでおちんちんを弄るのを止めていた。
けれど今回は、簡単に満足できなかった。
頭の中に浮かんだ、水着姿の桜子たちの姿が離れてくれない。
水着に包まれた美由紀のおっぱいを、桜子のお尻を思い浮かべてしまって、かえって手の動きが早くなってしまう。
「ほらな、やっぱり、体のほうが正直じゃないか」
「なにが違うって? もっと自分の欲望に、正直になったほうがいいぞ」
あの時の原口くんの挑発は、悔しいけれど図星だった。
私はプールでも、桜子や美由紀ちゃんたちの事が気になって見とれていた。
そして今は、私は脳裏に水着姿の桜子を思い浮かべている。
今の私は、原口くんと同じだ。
女の子をHな目で見て、Hなことを考えて、Hなことをしたいと思っている。
私はHな男の子になっちゃってる、そしてそんな私自身にゾクゾクしてる。
「ああ、私は今、Hな男の子になっちゃってるんだ」
私、本当は女の子だったのに、こんな事考えながらおちんちんを弄ってるだなんて。
それも、元の私の、桜子の姿を思い浮かべながらだなんて。
そんな私がイヤになる。でもそれ以上にゾクゾクしている。
体の奥から、何かがこみ上げてくるのを感じた。
だめ、これ以上やったら、私が変わっちゃう。
だけどもうがまんできない、止められない。もういっちゃえ!!
ピュ――ッ!!
私のおちんちんから、何かが吐き出されのを感じた。
私は男の子として、初めての射精を経験した。
その瞬間に得たモノは快感だった。
「あっ」
余韻に浸りながら、私はしばらく放心した。
「私……」
やってしまった。
我に返って脱力しながら、私は自分が何をしたのかに気が付いた。
知識としては知っていたけど、私が男として射精しちゃうなんて……。
「あれ、目から涙が? なんで?」
慌てて涙を拭ったけれど、後から後から溢れる涙はしばらく止まらなかった。
私は、私の中の大切なものを失ったような気がして、オナニーをして射精したことを、少し後悔した。
だけど私は、涙を流して後悔しながら同時に、今の自分が男であることも、改めて受け入れていた。
一年後の話も楽しみにしています。
一年後の話はただいま準備中です。少しづつ投稿していこうと思っています