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理想の上司

2014/02/07 17:09:24
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神さま!
お願いです!
上司をかえてください!

仕事に厳しいのはいいんです。
だからって、乱暴な言葉でなじったりしない。
できれば仕事が楽しくできるような……。

さらに理想を言えば、仕事だけじゃなく……。
プライベートにも配慮してくれるような。
そんな上司にかえてください!

そんなお願いをしたら、上司だった部長が……。
頑固オヤジ……。
いや、ジジイと言っていい年齢の部長が……。
頭頂部が寂しく、脂肪まみれだった部長が……。

若い美人のお姉さんになっていた!



◆ ◇ ◆


「……本当に部長ですか?」
「まだ寝ぼけてるの?」

目の前の美女が、苦笑混じりに言う。
ビジネス用チェアの肘掛けに右手を突き、形の良い顎を載せている。
黒く長いストレートの髪は、美しく背後へと流れている。



スラリとした脚に似合うミニのタイトスカート。
その優美な曲線を描く脚を黒いストライプのストッキングが覆う。
履いている靴は、これも黒のパンプスだ。

トップスは黒地に白い縁取りのレディーススーツ。
ドレスシャツは清潔感のある白。
その大胆に開いた胸元からは、黒のブラジャーが顔を出している。
腰にはワインレッドのサッシュベルト。
その色が見事なワンポイントになって、全身を引き締めて見せている。

白く長い首を飾るのは、ゴールドのチェーンネックレス。
ときおり揺れるこの首飾りが大胆に開いた胸元に、視線を誘導して……。

……もう、たまりません。

見事なのは服装だけではない。

描いたように形の良い眉。
優しそうな光をたたえたつぶらな目。
すっきりと通った鼻筋。
吸いつきたくなるようなみずみずしいチェリーピンクの唇。

声は落ち着いたメゾソプラノ。
以前のだみ声と違って、透き通るような綺麗な音だ。

仕草も美しく、しかも女性らしい。
以前は身体を動かすだけで「よっこいしょ」という感じだったのがウソのよう。
キビキビとした動きが見事で、つい目で追ってしまう。

頭からつま先まで、全く非の打ち所のない美女ぶりだ。

……なんでこんな美人が部長?
いや、逆だ!
なんで部長がこんな美人に?



……でも、この事態をいぶかしんでいるのは、俺だけのようだった。
仕事場の他の誰もが、さも当然のように部長に接している。
だんだんと俺の中の違和感も消えてきて……。

「……敏明くん。わたしの話を聴いてる?」

部長に言われて思考が現実に戻った。

「すみません。ぼーっとしてました」

普段なら罵声を浴びせられる場面。
でも……。

「もう……わたしの胸元ばかり見てちゃダメよ?」

「メッ」という感じで叱られた。
けれど、むしろやる気は急上昇だ。

左手に学校の先生のように指示棒を持った部長は、俺に説明を続ける。
内容はわかりやすく、自分の期待された役目もわかる。
仕事をやる気がこんなに高まったのは初めてだ!

しかも、分量も適切。
集中したせいもあって、定時ちょうどに仕事が終わった。
俺は久々に残業なしで帰宅したのだった。



◆ ◇ ◆



家に帰ると、ぷーんと美味しそうなにおいが漂ってきた。
あれ?
俺は一人暮らしじゃなかったか?

……などと思っていたら。

「お帰りなさい。敏明さん」

そこには、会社にいるときとは呼び方を変えた部長がいた!

いや……違う……。
俺の頭の中に、存在しないはずの記憶が流れ込んでくる。
その記憶によれば……。
なんと!

部長は俺と結婚してプライベートでも色々配慮してもらっている。
あの美人は俺の上司であるとともに俺の妻の清美でもあるのだ!

あの美味しそうな匂いの正体。
それは、彼女が調理をしている香りだった。

それにしても……。
同じ会社から帰っているのにどうやって俺に先回りしたんだろう?

……謎だ。



プライベートな時間帯。
当然彼女は普段着に着替えていた。

トップスは膨らんだ袖を意味するパフスリーブのカットソー。
青い地の水玉模様のシャツは清潔感があって彼女に似合っている。

ボトムスは黒いデニムのレギンス。
ぴったりと身体の曲線に沿っいて……。
彼女のヒップから脚の美しさを見事に描き出している。

そして、黄色い地にオレンジのチェック柄のエプロン!
胸元にはワンポイントとなる愛らしいピンクの熊のプリント。
知的な彼女の容貌とはミスマッチで……。
だからこそ逆に可愛らしさをかもし出している。

フライパンを持ち楽しそうに調理する彼女。
その姿は初々しい新妻以外の何者でもなかった。

「もう少しでできるから、テーブルで待っててね」

美しいメゾソプラノの声ですまなそうに謝る。
俺は、いそいそとリビングダイニングの食卓に向った。
彼女が調理を終えるのを待つためだ。



彼女は調理の腕前も最高だった。
食事を終え、まったりと彼女が入れてくれたお茶をいただく。
俺はリビングダイニングで至福のひとときを過ごしていた。

気がつくと、テーブルの反対側にいる彼女が俺をながめていた。
左手でテーブルに体重をあずけ、右手で頬杖をついている。
その笑顔はとても幸そうだ。



なお、エプロンを取ったことではっきりとわかったことがある。
パフスリーブシャツの前方に張り出す清美のバストがデカい!
圧倒的な存在感を持ってテーブルの上に載っている。

カットソーの胸元には涙滴型のホールが開いている。
そこから深い谷間がチラチラ見える。
男であれば誰もが、押して、揉んでみたくなるんじゃなかろうか?

そんなことを考えつつ、俺は彼女に訊ねた。

「何を見てるの?」

彼女はにっこりと微笑んで答えた。

「ん? あのね、だーい好きな敏明さんを見てるの」

「ズギューン!」と心臓を撃ち抜かれた気がした。
ああ……なんて可愛らしいんだ!

嬉しい……。
でも……。
でも、ダメだ!

小市民である俺の良心が限界を超えてしまった。
俺は椅子から立ち上がった。
そのままフローリングの床に土下座する。

俺は清美に……清彦部長に説明した。
昨夜、俺が祈ったワガママな神への願いの内容を。
部長は俺の身勝手のせいで作り変えられてしまったことを……。

「俺が……俺の勝手で部長の人生を変えてしまいました。
つぐないようもありません!」

本当に……なんて恐ろしいことを祈ってしまったんだ……。
他人の人生を勝手に書き換えてしまうなんて……。

額を床にこすりつけて謝っていると、部長が俺に近づいてきた。
彼女は俺の手をつかんで引っ張る。

(これは、立ち上がるように、という意思表示だよな……)

俺が床に座ったまま上半身だけを起こす。
清彦部長は、白く細い両手の指で俺の手をつかみながら言う。

「敏明さんが謝る必要なんてないの……」

彼女は真剣な目で俺を見つめながら言葉を継いだ。

「……だって、これはわたしの願いでもあるんだから」

俺は両目をしばたかせて、美しい部長をまじまじと見た。



「わたしはね。もっと良い上司になりたかったの……」

部長は部下(主に俺)との付き合いに悩んでいたという。

厳しいのではなく、つい苛立ちをぶつけてしまう自分。
自分の考えを上手く相手に伝えられない自分。
なにより部下の長所ややる気を引き出してやれない自分。

そんな上司であることに悩み、忸怩たる思いだったのだという。
俺の視点から見ればあまりにも真面目すぎるように思う。
けれど、部長は真剣に悩んでいたのだ。

実直な部長の願いはさらにエスカレートした。
できるなら……。
仕事だけじゃなく部下のプライベートにまで配慮できるような。
そんな理想の上司になりたい。

でも、現実にはそうはなれない。
そういう自分にいらだちを感じた部長は……。

「つい神さまにお願いしてしまったの。
『部下の理想とする上司になれますように』って……」

えっと……つまり俺と同時に、ほぼ同じ願いを神様にしたってこと?

「まあ、女にしてほしいとまでは願ってなかったけどね」

苦笑する部長。
実は俺もそうなので、女性になったのは神さまの判断らしい……。
神様……GJ!

「ってことは……男だったときの記憶も残ってるってことですか?」
「ええ。でも、なんだか他人の記憶みたいなの……」

その辺は俺も似たような状態だったので、気分は理解できた。

「ちゃんと女性として生きてきた記憶もあるのよ?
あなたと愛し合ってきた日々の記憶も……」

「だから……」と彼女は言葉を継いだ。

「あなたへの好意を自分のものだって受け止められるの」

彼女ははっきりとそう言った。

「それに、女性になってみてね、
自分の本当の望みに気がついたの」
「本当の……望み?」
「いい歳をして、仕事一筋……と言えば聞こえはいいけど、
実際には仕事に逃げて、ひとりぼっちで過ごす生活……」

部長は、その麗しい顔を曇らせた。
寂しそうな表情に、俺の心臓はドクンと跳ね上がる!

けれど、次の瞬間には部長は明るい笑顔を浮かべてた。
彼女は正面から俺を見て言った。

「だからね、そんな空しい日々に比べたら、
愛しい人と暮らせる今は、とっても幸せなの」

可愛らしすぎる!
俺のハートは部長にわしづかみにされてしまった。
今なら彼女のために命だって捧げられる!

とは言っても……。

「でも……相手が俺なんかでいいんですか?」

俺なんか、彼女に釣り合うとは到底思えない。
恐る恐るそう訊くと、清美はこう答えた。

「あなたこそ、わたしでいいの?
元はイジワルな上司だった、わたしでいいの?」

俺は全力で首を縦に振った!
一度でなく何度も何度も振った!

「部長以上の相手なんかいません!
どうか今後ともよろしくお願いします!!」

そんな俺の仕草を見てなにを思ったのか。
美しい我が上司は床に正座した。

彼女はなめらかな動作で三つ指を突き……。
そして、最高の笑顔を浮かべて言った。

「こちらこそ……。
ふつつかものですが、よろしくお願いします」



◆ ◇ ◆



……まだ色々と信じられない気分だ。
あまりにも俺に都合がよすぎる。
でも、部長の言い分を否定する理由はない。
というか……。
あそこまで言わせて、さらに疑えるほど俺は冷徹な人間じゃない。

お互いが幸せなら、まあいいんじゃないか?
そんなことをごちゃごちゃ考えながら、俺は風呂に入っていた。

だから、風呂のドアが開くまで気づかなかった。
風呂場に入ってくる清彦部長……いや、清美に。
バスタオル一丁という実に刺激的な格好の美人妻に!

「お背中を流しますね」

恥ずかしそうに頬を染めて言う清美。

「ちょ! ちょっと待って!」

俺の抗議も虚しく、彼女は俺の手にしていたスポンジを奪う。
洗い場に膝立ちになって俺の背中を洗ってくれる。

強すぎず、弱すぎず。
絶妙の力加減だ。

「男の人の背中って……大きくてたくましいですね」

なんて言ってくれる。

「敏明さん。痛くありませんか?」
「いえ。とても上手いです。気持ちいいです!」
「良かった!
……実は……わたしが男だったときの夢なんです。
こんな風にできる相手がいたらいいな、って」

……あー、なるほど。
清美が男性である俺にとって理想的な女性である理由がわかった。
彼女は俺だけじゃなく、部長にとっての理想の女性でもあるんだな。
こんなことをしてくれるのも、元が男性だからなのか。

……ならば……これはどうだ?

「ねえ……清美さん?」
「うふふ。さっきまでみたいに清美って呼んでくださいね」
「じゃ、じゃあ……き、清美」
「はい。何でしょう敏明さん?」

俺は男にとっての夢の1つである提案をした。

「お返しに清美の身体を洗わせてほしいんだ」
「え……でも……」

恥ずかしそうにうつむく清美。
でも……。

「と、敏明さんがそうしたいなら……」

そう言って聞き入れてくれた。

「どうぞ……」と言って俺にスポンジを手渡した後。
はらりとバスタオルを取る。
まさに神の造形美がそこにあった!

「優しく……してくださいね」

はい。
力が入りすぎないように気をつけます!
俺は細心の注意を払って清美の身体をスポンジでこすった……。

「あん!」

やたらに可憐な声が浴室に響いた!
興奮して力が入りすぎないように注意しつつさらに彼女をこする。

「はぅぅ! くしゅぐったぁい!
あぁん! だめぇ! そこは自分で洗うからぁ!!」

そう言って身をよじる清美は……。
とても可愛く、エロティックだった。



◆ ◇ ◆



風呂上がりに、明日の仕事の準備になる調べものを2人ですませた。
清美はこの辺は妥協しない。
有能な上司としての表情をみせる。

けれど、その後……次こそは。
……夫婦としての営みの番だ!

俺はパジャマに着替え、ベッドの上で正座する。
待つことしばし……。

「敏明……さん」

キター!

声の方向を見やる俺。
その視線の先には……。

フリルのついたブラジャーとショーツ。
薄いピンク色の可愛い下着だけを身につけた……。
俺の女神様がいた!



思わずまじまじとながめてしまう俺。
さっき全身の裸を見たばかりなのに……。
なのに、全裸とは別のおもむきに俺の身体が反応する!

女性の美とは奥深いものなのだなぁ。

部長はベッドまでたどり着くと、そこに腰掛けた。
俺に背中を向けつつ右の肩越しに声をかける。

「お願い……外して……くださいません?」

……それってあれですよね。
ぶ、ぶ、ぶ、ブラジャーを外せってことですよね?
俺は震える手で、可愛らしいブラのホックを外した。

「ぷるん」と豊かなバストが露わになる。
主に脂肪で構成された2つの塊が動いただけ。
それなのに、なぜこんなにも魂を揺さぶるのだろうか?

次は下側のショーツの番だ。
腰のゴム部分に両手をかけ、するすると下げていく。
俺の目の前に、美女の女性の部分が開かれた。
両手が塞がっていなければ、手を合わせて拝みたかった。

血走った目で彼女を見つめていた。
俺の視線に清美は恥ずかしそうに頬を染めた。
それでも、彼女は笑顔で言ってくれる。

「じ、じゃあ……しましょうか……」
「はい! 喜んで!!」

彼女は俺のいるベッドに上がると身体を横たえた。
長い髪が「ふさぁ」と広がる様が見事だ。

ぼーっとそれを見ていたおれと目があってしまい……。
思わず2人でクスクスと笑った。
タイミングを見計らって、今度は俺から言った。

「……じゃあ、いくよ?」
「はい。ドキドキします」

嬉しいこと言ってくれるなあ。
俺は横たわった彼女の身体を抱き寄せた。

顔を近づけてサクランボ色の彼女の唇にキスをする。
彼女も俺の背に手を回し、目をつぶって吸い付いてきた。

「はむ、ちゅ、ちゅうぅ……ぶは! ちゅぱっ! れろ……」

俺が彼女の中で舌を動かすと、負けじと清美も応じてくる。
ときおり唇を離してまた音をたてて吸い付く。

ねっとりとした淫靡な音が寝室を満たす。
俺と清美の唾液が2人の舌により、かき混ぜられていく。
かぐわしい彼女の香りが俺の鼻に抜けていった。

陶然……というのはこういうこを言うのか……。
この香りだけで昇天しそうだ。
俺たちは互いの口内をずいぶん長いことむさぼった後……。

「「はふぅ!」」

そんな息継ぎの音とともに唇と唇を離した。
粘性を帯びた唾液が2人の間で糸を引く。
目の前の清美の表情が蕩けて上気し、俺を興奮させる。

俺は、本能の趣くまま、彼女の形のいい胸を揉んだ。
柔らかな双丘を優しくつかむと「ひゃん」と清美が声を漏らした。

その声に、ちょっとイジワルな気分にさせられた。
俺は彼女の耳元でささやいた。

「この柔らかいところは部長のお腹の部分だったんですかね?」
「はぅ! 敏明さんの、イジワルぅ」

仕返しに、ちょっと強めに右の耳たぶを甘噛みされた。
こそばゆくて、そして彼女の恥じらいが伝わってきて……。
どっちかというとご褒美だ。

こちらもお返しせねば。
俺は彼女のピンク色をした、胸の先端を噛んでやる。

「はぁん! だめぇ!
そこ、感じすぎますぅぅぅ!!」

清美がのけぞりながら、「いつものように」はしたない声をあげた。
噛むなよ、と言われたからには誘いに乗らねば。
そこで俺はやはり「いつものように」反対側も噛んでやった。

……いつものように?
俺の知らないはずの記憶が、俺の中で再現される。

そう……。
……清美が好きなプレイ。
……清美の感じる場所。
……清美が恥じらう卑猥な言葉。

麗しの上司でもある妻に、夜な夜な見せられた痴態の記憶。
それが俺自身の経験として脳内で再現される!
さらにその記憶は俺の中の清美への愛情をさらに高める!

「はぅぅ! だめ……だってばぁ!!」

清美の嬌声で我に返った。
敏感なところを噛まれた彼女が身悶えた。
その振動でベッドごと揺れる。

勢いで、お互いの上下が反転。
彼女が俺の腰の上に載るような体勢となった。



華奢で……それでいて柔らかな清美の身体。
彼女の体温が彼女の重みとともに肌越しに伝わってくる。

すると清美は俺の股間に清らかな顔を近づけた。
美女がするその動作は、とても背徳的だ。

部長は右手で俺の「もの」をつかむ。
そのさい、左手で長い艶やかな髪をかき上げた。
「チラ」っと上目遣いで俺をイタズラっぽい表情で見上げる。

……そうですよね部長。
その、髪をかき上げる仕草が……。
そして上目遣いが「グッ」とくるんですよねっ!

清美は可愛らしい舌で、俺の先端をペロリとひとなめした。
敏感な部分からの刺激に、俺の身体がゾクリと震える。

さらに部長は舌をチロチロとイヤらしく動かす。
普段聖女のような彼女の表情が……。
まるで淫魔に変じたかのような艶めかしいものになる。

唾液を塗りたくるようにしながら、断続的に刺激を与えた。
(さすがに元男だ、上手い)
という感想と……。

(「あなたのために練習したの」と言われて苦笑したっけ……)
という記憶。

まったく異なる感慨が同時に起きるのは奇妙な気分だ。

清美の唾液で滑りのよくなった俺のモノ。
彼女はそれを愛おしそうに見つめた後……。
「ぱくり」と小さくて可愛らしい口で咥えた。

「はむ……ちゅぷちゅぷ……」

まずは先端近くを口に含み舌で刺激。
やがて「じゅぶぶじゅぶ」と音をたて、根元まで飲み込む。
深く、浅く……ときおり変化をさせつつ丁寧にしゃぶる。

その間彼女は口で息ができない。
当然鼻で呼吸をすることになるのだが……。
その呼吸音が恐ろしく艶かしい!

鼻息だけでこんなに興奮できるだなんて……。
このキレイな部長は、本当に色々な感動を与えてくれる!

……さて、彼女にだけさせておくのも申し訳ない。
彼女が感じる……恥ずかしいことをしてやらねば。
俺は本来自分のものではない記憶を探り……。

よし。これでいこう!

俺は彼女の軽い身体を持ち上げ……。
その女性の部分が俺の顔面にくるように位置を変えた。

「ぷはっ! えっ!」

驚いた部長は一度口を離してしまう。
そして、その直後……。

「ひゃぁあぁぁん!」

俺の舌の刺激で嬌声をあげた。
彼女は舐めるのも舐められるのも大好きなのだ!

「ほらほら、お口の方が休んでるよ?」

俺はそう言ってまたひと舐め。

「ひゃうぅぅ! ご、ごめんなさい……」

彼女はまたぴちゃぴちゃとおしゃぶりを再開した。
俺の目前に位置する女性の部分をじっくりと見る。
彼女が興奮しているのがはっきりとわかる。

いつの間にか彼女は小さな手を両方使って握りしめていた。
もちろん、俺の硬くなった竿状のものを、だ!
その手から与えられる刺激も心地いい!

快感とともに俺は「存在しなかったはずの過去」を思い出す。

新人のとき、まだ課長だった清美の部下に配属されたこと。
俺がした失敗のフォローのため、一緒に謝りに行ってくれたこと。
緊急案件をかたづけるために、2人で徹夜したときのこと……。

(そういえば、初めてキスしたのは……)

そんな、甘い恋の記憶が俺を昂ぶらせ……。
たまらず、白濁した液を放ってしまう!
飛び出た粘性の液体が彼女口内からあふれる!

だが……。
それでも彼女は俺のものをくわえ続ける。
くさい液を口に含み、音をたてて飲み込んでいく。
その表情は清らかで……だからこそ淫靡だった。

仕上げに俺のものについた液を、ちろちろと舐め取る。
その作業を終えた彼女は……。
身体を起こし恥ずかしそうに懇願した。

「今度は……こっちの方にぃ……」

そう言って脚の付け根部分を開いてみせる。
そこは俺の唾液と彼女自身の液でトロトロに濡れていた。

「ね? おねがぁい……」

蕩けた目でのおねだり。
その仕草に、俺のものは再度いきり立つ!

「いくよ……清美」
「はい……旦那さま」

妻の懇願に応え、俺の腰にのった彼女を抱き寄せた。
妻が俺のものをくわえ込む形で体重を預けてくる!
柔らかな清美の女性の部分が、猛る俺のものを飲み込んでいく!

「あ、あああぁあああぁぁぁあぁぁぁっ!!」

彼女はのけぞってバランスを崩しそうになった。
俺は彼女の両胸を両手でわしづかみにして身体を支える。
彼女は両膝と、彼女の胸を支える俺の手をつかむ!

なんとか態勢を安定させることに成功した。
そうなると、彼女の腰が少し浮いた状態になる。
すかさず清美は、腰を懸命に動かし始める!

「あん! あぅ! いい! いいのぉ!」

顔を羞恥に染めながら俺の妻が叫ぶ。
一方、俺は舌から持ち上げるように清美の胸を揉む。
大きくて張りのある母性の象徴がぐにぐにと形を変える。

俺の脳内にまたもや知らない記憶が流れ込んでくる……。
初めてはクリスマスイブの夜。
彼女のマンションだったっけ。

酔った清美をベッドまで抱き上げていって……。
そのままベッドインしたんだよな。

……あれ?
俺に女性をお姫様抱っこする力なんてあったか?
って、清美に誘われてトレーニングしたっけな。
一緒のスポーツジムで……。

…………あれ? あれ?

もしかして……。
俺も……俺自身の身体も……
上書きされてる?

気がついてみればおかしなことだらけだ。
俺の身体がこんなに引き締まっていたはずがない。
今みたいに頭が回っていたとも思えない。

そもそも、この家……。
戸建てのマイホーム……。
この建物自体、2人の貯金とローンで建てた家で……。
元の状況では存在しなかったものじゃないか!

つまりこれは、俺が「清美」と出会い……。
彼女の影響を受けていく中で……。
俺という存在が書き換えられてしまった。
……そういうこと、なのか?



俺自身が変貌させられた……。
そのことへの恐怖感はある。
だが……。

俺が今まさに受けている甘美な刺激。
それと俺の過去を比較する……。

冴えないサラリーマンである過去。
美しい妻を貫く現在。

「あぁん! 敏明さん!
イイ! 気持ちいいですう!」

清美の嬌声が俺の意識を目の前の営みに戻す。
もう、過去なんてどうでもいいや!
今の快楽となら何とでも引き換えてやる!!

俺は彼女の中をいきり立ったもので何度も突く!
そのたびに彼女は声をあげ……。
女性の部分で締め付け返してくる!
湿った穴をこする音がイヤらしく寝室に響き渡る

タイミングが絶妙だ。
この相性のよさも神様の配慮だろうか?
清美がとろけてしまったような表情で叫ぶ!

「あぁん! 敏明さん! 気持ちいいですう!」
「こっちも気持ちいいよ、清美ぃ!」

お互いにいい感じで高まってきた!
俺の腰の上の清美は口を開きっぱなし。
形のよい唇から、よだれをたれ流してる。

そろそろ頃合いか……。
俺が思ったその時。

「敏明さん! 出してぇ!
清美の中でイってくださいぃ!」

タイミングピッタリ!
貞淑さをかなぐり捨て、激しく喘ぎながら美女が切望する。
おねだりをするその声が、艶めかしい。

そして、俺は……。
彼女の女性の部分めがけて、白い液を放つ!

もう変わってしまった過去のことも……。
部長の元の姿も頭にはない!
あるのは目の前の美女の肉体。
それだけだ!

「あぁん! 来ちゃったぁ!
旦那様のが、わたしの中に来ちゃいましたぁ!!」

俺の白くて熱い液がドクドクと彼女に注ぎ込まれる。
粘り気を持った汁が、美しい妻の中を満たす!

「イっちゃいますぅぅぅ!!
清美いイっちゃいますううぅぅぅっ!! あ……」

……2人同時にイってしまった。
ぐったりとした清美が逞しい俺の身体に崩れ落ちた。

愛しい妻を抱きしめながら俺は思った。
こんなタイミングでさえも、彼女は理想的だ……。



◆ ◇ ◆



その夜からそれなりに時間が経過した。

あの日以降も夫婦仲は大変良好。
仕事も順調だ。

生まれてこの方、こんなにやる気に満ちたことはない。
そうなると仕事が楽しくなるというもの。
すると、よりやる気が出てくるという好循環。

もちろんプライベートも絶好調。
毎晩のように求めてくる清美。
対する俺は夫としての務めを喜んで果たしている。
公私ともに、俺は充実した日々を過ごしていた。

……ただ。
俺には1つだけ気になっていることがある。

俺は毎夜ベッドで乱れる部長を見て思うのだ。
本当に気持ちよさそうだ、と。

好奇心から彼女に男のそれとの比較を頼むと……。

「比べものに……なりません……」

恥じらいながらも彼女はそう断言する。
……やっぱり。
そんなにいいんだ……。

俺は美しい理想の妻を抱きながら時おり思う。
もしあのとき、俺の願いが……。
「理想の部下に変わりたい」だったとしたら?
今ごろ一体どんなことになったのだろう?

愛しい妻を抱いているそのときに……。
俺は、ついそんな可能性を考えてしまうのだった。


――終わり――
TSはもちろん大好きですが、年齢変化ものも大好きです。
そんなわけで年上の上司と若い部下の組み合わせは大好物のひとつです。

この作品も執筆中に感想をいただけた作品です。
展開を読まれてギクリとしたこともありましたが、私個人はそういうのは楽しめるたちのようです。
お陰様で楽しく最後まで書き切れました。
感想をくださった方には心から感謝させていただきます。

この作品を最後までお読みくださったのなら幸いです。
ありがとうございました。

#編集ミスを修正しました。

2014,06,21
タグを追加しました。
パンダの介
0.10520簡易評価
15.100きよひこ
素敵なものをありがとうございました。
40.100きよひこ
TSと年齢変化、自分も両方大好きです。最高の作品を有難うございました。次も是非!
72.80きよひこ
なかなかかなりいいいです