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ポンピング・エロージョン

2014/09/03 13:51:23
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ベッドの上でパジャマをはだけ、オナる姿を鏡に写し見ていた。
電気はつけたままだからよくみえる。
寝る用のチェック柄ブラジャーに手を入れ、乳首を転がす様子も。
硬くなってきたのがわかる。
脚を開いて直接さわっているとすごく熱くなってきた。
割れ目を擦ると、濡れて音が聞こえ出す。
感じると声が出ちゃいそう。
想像すると興奮する。
脚を持ち上げて、腰をグイグイ押しつけられてる……。
いじりながら考えると、トロトロがいっぱい出てきた。
グチョグチョになって興奮が高まり、
「あぁっ」
ふわっと力が抜けた。
にじむ汗をかきながら、いたたまれない気持ちに襲われる。
こんなことするのは良くない、自重するって決めたのに。
と思いつつ、今日もしたくなってしまった。
自分はなんて醜い人間なんだろう。
冷静になればなるほど、涙が出てくる。
週に一度だったのに、進学してからは間隔が短くなっている。
むなしくて自慰は二度としない、と決めてもこれだ。
つまり……あれだ。
思春期のまっただ中にあって、性的快楽も理解できる。
興味本位ではじめた頃と違って、身も心も感じやすくなったんだ。
こんなことしてたら、猿みたいにしまくっちゃうよ。
ほんと、どうしたらいいんだろう……。

☆ ☆ ☆

「スケベで淫乱な自分を受け入れたらいいんじゃないの」
前の席に座る女子に悩みを打ち明けたら、さらりと教えてくれた。
髪は茶色に染めてぱっつん前髪、小顔に見えるヘアスタイルにばっちりメイクをし、セーター袖は伸ばし、襟首のボタンはからず学校指定外のリボンをさげ、スカート丈はやたら短いビッチ女子とは対局の、服装も真面目ですっぴん、長い黒髪を軽くまとめた、声のかけやすい子をわざわざ選んだのに。
ひょっとしたら怒らせたかもしれない。
すぐ謝っておこうとすると、
「いやらしい本性と罪悪感から禁止にした意志の間で板挟みになって苦しみ、濡らすだけで自己嫌悪に陥ってるんでしょ。スケベな自分に罰を与えるくらいなら、他人から罵倒されたほうがマシなんじゃないの。淫乱って罵ってあげようか」
分析と考察、そして対処法を告げられた。
これを聞いて、
「なるほどね」
素直に納得してしまった。
「……ちょっと面白いね。わたしは伊達嶋子。名前は?」
「一ノ瀬遥です」
「どこのグループにいるの?」
「グループって……仲の良い子はいないっていうか」
「ボッチか。だったら紹介してあげる。来て」
いわれるまま、彼女の後をついていった。

「葵、この子一ノ瀬遥っていうんだけど、まぜてあげてほしいんだ」
メイクした女子が集まるなか、一人の美少女に嶋子が声をかけた。
染めた髪はぱっつん前髪。
小顔にはバッチリメイクを施し、手足は細長い。
胸元が見えるほどボタンを外し、スカート丈がやたら短かった。
目についた持ち物はどれも高そうなブランド物ばかり。
怖そうなギャル系ビッチだ。
「嶋子がいうならいいよ。あたし椿山葵っていうんだ。よろしく」
笑顔で握手を求められた。
あれ?
なんだかとってもいい人そう。
「よ、よろしくお願いします、椿山さん」
きれいにネイルされた指は細長かった。
「葵でいいよ。みんなそう呼んでるから」
クラスの主導権を握る派手系グループに、ぼくは入った。

女はグループを作るのが好きだ。
しょっちゅう集まっては、ヒソヒソペチャクチャクスクス。
男は固まらないし、コソコソもやらない。
でも女子はやる。
「集団になると女子は怖いよな」
そう男子にいわれると、女子はますます結束を固めるようだ。
当然水面下のグループ間の対立、内部の抗争もある。
うちのクラスには三つのグループがあり、それぞれ行動していた。
もっとも勢力が強いのが、男子にモテる派手系グループ。
勉強も運動も上位、元気で明るく、派手だけどしっかりしている。
数日してわかったのは、華やかな彼女らは、我が強いこと。
プライドが高く、内輪もめが絶えない。
陰口や無視なんて日常茶飯事だ。
ファッションセンスも問われ、家の裕福さが重要だった。
なのに地味な嶋子は、どうしてこのグループに入れたのだろう。

☆ ☆ ☆

「たまたま葵の家が近所だっただけ」
放課後の教室でたずねると、すんなり教えてくれた。
「互いの家を行き来するくらい仲良くなって、それからのつきあい」
「幼なじみなんだ」
「そんな立派なものじゃないよ、腐れ縁だって。葵とちがって男子にちやほやされないから、グループ内ではちょっと浮いているのもわかってる。だから、彼女たちの相談役をしてるの」
「すごいね」
ぼくは嶋子をみた。
派手さはないが、小柄で髪は長く、柔らかそうにみえる。
目鼻立ちがはっきりしていて、ほっそりとした体型。
丸みを帯びたふくよかな胸は大きそう。
「なんていうんだったかな、芍薬ボタンが百合の花、とかなんとか」
「それをいうなら、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」
「そうそれ。美人を花にたとえてるんだったよね」


芍薬はすらりと伸びた茎の先端に華麗な花を咲かせる。
牡丹は枝分かれした横向きの枝に花をつける。
百合は風を受けて揺れるさまが美しい。
故に芍薬は立って、牡丹は座って、百合は歩いて見るのが美しい。
「昔は芍薬を花の宰相、牡丹を花の王とよび、百合はキリスト教において聖花とされている」
と、古典の先生が話していた気がする。


「ありがとう」
嶋子は照れずにいうと、
「でも元々は、生薬の用い方をたとえだったらしいよ」
さらりと知識を披露してきた。
彼女曰く、
『立てば芍薬の「立てば」というのは、イライラと気が立っている女を意味し、芍薬の根がこの痛みや筋肉のこわばりをとってくれる。
座れば牡丹の「座れば」は、座ってばかりの女を意味し、牡丹の根が腹部の滞った血液を改善してくれる。
最後の百合は、ナヨナヨ歩いている様子を表現し、百合の球根によって心身症のような状態を緩和するってこと』
といい、症状に合った生薬を用いると健康になれるそうな。
「つまり、健康な女性は芍薬と牡丹と百合の花のように美しいというわけ」
博識は素敵さの所以だ。
男子は好きなんだよね、彼女のような清楚でかわいい子が。
手が届かない高嶺の花って感じで、告白前に諦めるけど。
「きれいもかわいいもブスも、遥と変わらないんだよ。彼氏ほしいし、四六時中エロいことばっか考えてるんだから」
「まじですかっ」
この反応がまずかったのか。
いきなり胸を触られ、ひゃあぁと声が出てしまった。
「し、嶋子っ。くすぐったいよ」
意外だった。
彼女はふざけたスキンシップはしないと思っていたのに。
はにかんでみせるも、むにゅっと摘まれる。
「詰め物はないみたい。ブラのサイズは」
エロいおじさんみたいなことを聞いてくる。
答えないと手の動きをやめてくれそうにない雰囲気だった。
「えっと……Bの80かな」
小声で話せば、
「そうなんだ。じゃあ、代わりに触らせてあげる」
今度は手をとり、彼女の胸を触らせようとしてきた。
「それはちょっと」
拒みはするも、彼女の胸には興味があった。
つい目がいくほど、大きいのだ。
この機を逃せば確かめるチャンスはないっ。
「女同士だし恥ずかしくないって」
ボタンを外し、嶋子は平然とブラウスの前を開けてきた。
のぞけた谷間におもわず、
「み、みせないでっ」
顔をそむけずにいられなかった。
「軽々しく人に見せちゃダメだよ。しかも教室で」
D以上、E?
いや、もっとあるかも。
「恥ずかしがり屋なんだ」
嶋子は制服を整えながら、
「遥って処女なんだね」
耳元でささやいてきた。
「なっ、なんでいきなりそんなことをっ」
ぶわっと顔が熱くなる。
両手で顔を覆って隠したくなる。
「図星なんだ。予想通り」
嶋子の小さな笑みを見せられた。
「でも、処女だからってエッチな事には興味あるよね」
「それは……もちろん」
ためらいつつもうなづく。
「キス、したことは?」
「き、キスですかっ」
動く彼女の唇にどきまぎしてしまう。
「まだなんだ。なら、してみない? 二人で」
「さすがにそれは」
「わたしなら平気。遥となら大丈夫だから」
なにが大丈夫なんですか、と強く問いかけたかった。
ためらってしまうのは、真っ直ぐな彼女の眼差し。
なにも聞けなくなってしまう。
「はじめてじゃないし」
「それは、女相手って意味ですか」
「はじめては葵だったかな」
「えっ」
驚いた瞬間をついて、迫ってきた彼女の唇が押し当たる。
軽く触れる程度の、かわいいキス。
目を閉じれば温もりが伝わってきた。
「……やわらかい」
吐息混じりにつぶやく声に目を開け、彼女の顔をみた。
積極的に行動したわりに、恥ずかしげに耳まで赤く染まっている。
瞬間、かわいいと抱きしめたくなる。
「遥って、なんだか男みたいな味がする」
彼女の一言に、呼吸が止まる。
「でも胸あるし……ここで全裸になるか秘密を打ち明けるか選ばせてあげる」
「な、なにを」
「選ばないと、卒業まで誰とも口をきけないようにするよ」
にこやかな笑顔で恐ろしいことをいった。
葵と幼なじみならできるだろう。
派手系グループの裏リーダーの彼女なら。
上位に君臨するグループに鬱屈した思いをもつのが地味グループ。
はけ口にボッチをいじめ、それを制裁する正義の上位グループ。
その他はだまって従うだけ。
そんな世界の縮図を、これまでみてきた。
友達関係や自分のポジションこそ、人生の明暗を決するほど重い。
とくに、集団に入らないと生きていけない女子にとっては。
うまくいかず負け組になると、死にたいほど毎日がつらくなる。
女子の世界というのは、容赦のない残酷さに満ち満ちているのだ。
叶うなら、能天気にみえる男子に戻りたいよ。
「……ぼくと嶋子だけの秘密にしてください」
念入りに約束をし、身の上に起きた話を打ち明けた。


楽をしたい怠惰や体験したい欲望。
そんなものから、女の子になったわけではなかった。
高熱にうなされて病院へ搬送されるも、意識不明に陥り入院。
数ヶ月後、ぼくの身体は女の子になっていた。
病名は、突発性性転換症。
原因不明の奇病だが、生死に関わる病ではなかった。
だけど、有効な治療法がないのが現状だった。
あったものがなくなり、身体は徐々に丸みを帯びていく。
できた治療は薬剤をつかってホルモン分泌を抑える方法だった。
投与のおかげで、第二次性徴の進行を遅らせることに成功。
これまでどおり男の子として小学校へは通えた。
ただし、女の子っぽい男の子として。
卒業をむかえると投与は打ち切られた。
これ以上の投与は、成長期の身体に負担になるから。
それは同時に、女の子として生きていくことを意味していた。


「受け入れるしか……なかったんだ」
「そう。今度はわたしを受け入れてね」
ちゅっと頬にキスした嶋子が、耳元に囁く。
同時に胸に触れてきた。
容赦なくブラウスのボタンをはずし、
「えっ」
ブラジャーの下に手を入れて触ってきた。
「ああっ、だ、だめだよ」
下から上へと軽く押し上げるような手の動き。
「ほんとうに? そんなに大きな声出して」
嶋子の表情がどんどんかわっていく。
「かわいい」
彼女の顔は、いじめてあげるという表情だった。
ブラジャーをめくられ、乳首にキスされた。
「あんっ」
「遥って乳首が弱いのね」
硬さを確かめるつもりなのか、甘噛みされる。
「噛んじゃだめっ」
すると今度は口に含み、舐めるように転がしてくる。
下から上へ、上から下へ。
噛みながら先だけを舐められた。
舌で転がされると、興奮が頂点に達しそうになる。
知らなかった。
触られたり舐められたりするのがこれほどいいなんて。
恥ずかしい。
なのに、たまらず喘いでしまう。
「弄られて感じてるんだ」
「ちがっ、やめ……あっ」
彼女を突き放すこともできたし、振り払う力もある。
きっと彼女はふざけてるだけ。
もうやめようって言い出せば、やめてくれるはず。
そう思いながら、下半身への侵入を許してしまった。
「遥ったら説得力ないよ。ここをこんなにしといて」
乳首を摘まれながら、スカートの中に手を入れられる。
「ひっ、あ……」
押し寄せる快感に悶えるしかなかった。
下着を脱がされ、直接触れてきた。
必死に体をこわばらせて耐えているのに、
「ここ、気持ちいいんだ」
囁いて、耳全体を舐めあげてくる。
首筋までなめられると、ぞくぞくっと快感が駆けぬけた。
そのたびに荒い息が漏れ、喘ぎ声が出そうになる。
口に手を当てて必死に我慢すれば、
「もっと遥の声を聞かせて」
急所を摘む彼女の親指と人差指が、執拗にこねてくる。
透明な液体が溢れでて、どんどんいやらしい音が聞こえていた。
「どこが気持ちいいのかいってみて」
「いや……はずかしっ、うっあぁ」
交互に乳首を摘んでこねてくる。
つまみながら引っ張ったり、ねじったり。
指先で押し込んでもきた。
「ひいっ」
たまらず声を上げると、
「毎晩してるんでしょ。やめてもいいの?」
「や……だ、やめないで」
思わず口から出ていた。
なにを言っているんだ、ぼくは。
頭はぼんやりして視界はぐにゃりと歪んでいく。
考えが働かないほど、快感が身体を支配していった。
全身の震えが止まらない。
「だったら素直に言ってみて」
耳を甘咬みされたのが最後だった。
「気持ちいい……嶋子にされて、気持ちいいっ」
張り詰めていたものが一気に切れ、彼女に身を預けていた。
抵抗する気力もなく驚いていると、
「はうっ」
硬くなった乳首を舐められ咥えられ、躊躇なく指を入れてきた。
グルグルと指を回してかき回される。
膝にも力が入らず、されるがままになってしまう。
「やらしく濡れちゃってるよ」
「ぐちゃぐちゃにしないで、はげしすぎ、そこっ」
ビクッと体が震える。
「気持ちいいんだ。震えてる」
大きな円を描くような指の動きに変わっていった。
むず痒さと異物感しかなかったのに……。
気持ちいい感じに変えられていく。
がくがくと脚が震える。
もうダメ。
「……ひ、ひゃあああっ」
あそこが勝手にヒクヒクして足が変な方向に力が入る。
力が抜けて、膝から崩れた。
楽しそうに微笑む嶋子の顔が目の前にあった。
「イッちゃった?」
放心状態で何も答えられない。
少しして我に返ると、
「どうだった?」
彼女の問いかけに困りつつ、
「……気持ちいい」
と、いうしかなかった。
興奮がさめていない状態で再びキスされた。
上唇に重なり、下唇をやさしく吸われる。
彼女の手が首の後にまわり、耳端をなぞられた。
身体から拒む力がぬけていく。
ほんの少し舌が入ってきた。
触れ合うと、柔らかさと熱さが伝わってくる。
互いに重なり、力なく絡まる。
ゆっくりとした動き。
彼女になにもかもゆだねたくなる。
「わたしのいうことに逆らわないでね」
ふいに彼女が離れる。
消えていく彼女の温もり。
訪れた寂しさから、ぼくはうなづいていた。

☆ ☆ ☆

あの日から時々、二人で気持ちいい遊びをしている。
互いの胸を揉みあっていると、嶋子が突き出た先を摘んできた。
「くすぐった……んっ、い……あっ」
この痺れるような感覚。
全身にひびいて腰が引けてしまう。
揉まれながら転がされると、力が入らなくなる。
身をよじるも、密着する彼女からは逃れられそうになかった。
「右と左、どっちがぎゅーってくる?」
交互につねられ、
「右のほうが……ぎゅーって、くるっ」
素直に答えた。
甘い刺激が全身を走り、下半身へと響いていく。
頭がぼんやりしてくる。
「そんなに腰ふってはずかしくないの?」
言われて気づく。
力が抜けて動けない上半身のかわりに、勝手にくねっていた。
「遥って敏感。いいなぁ、気持ちよさそう」
嶋子の指にかき回されると、喘ぎ声しか出なくなる。
あっという間に達した。
「ずるい。わたしまだイッてないのに」
「ご、ごめん……」
「わたしも、気持ちよくなりたい」
スカートをたくし上げる彼女。
しゃがんで、ミントカラーのショーツをゆっくり脱がした。
濡れた場所をなめていると、
「ねえ遥。十人に輪姦されるのとオタメガネの脱童貞の手伝いとどっちがいい?」」
やさしく頭を撫でられた。
顔をあげると、
「処女がうちらのグループにいるわけにはいかないから」
嶋子の頬がほてっていて、目がとろんとしていた。
きっとぼくは、もっとやらしい顔をしているにちがいなかった。

☆ ☆ ☆

嶋子から紹介されたのは、日置仁というオタメガネ。
茶髪で、百八十くらいありそうな高身長。
ただの目が悪い男子って感じがする。
童貞なら病気をうつされないし、無茶なこともしないはず。
見ようによってはイケメンぽいから、とも言われたけど。
「やっぱ無理っ、嫌だって」
おもわず嶋子に泣きついた。
「はじめてなんだから怖すぎる。キモいし、それに生理的に無理っていうか、元男だし」
小声で懇願するも、
「女として生きるって受け入れたんでしょ。覚悟決めなって。これでも遥のことを考えて、楽そうな相手を選んであげたんだから」
聞き入れてくれない。
「で、でも……」
「だったら、十人に輪姦される?」
「それはもっと嫌っ」
「ここで逃げたら、この先ずっとボッチだけど。いいの?」
「それも……嫌です」
逃げ場がなかった。
ホテルは嶋子が用意した。
彼女のコネで、問題にならないよう手配された場所らしい。
ひょっとしたら、斡旋の商売でもしてるのかな。
でもまさか……さすがにそれはないか。
「確認のために、証拠動画をわたしのスマホに送ってね」
「自分で撮るの? そんな……」
「大丈夫、ゴムつけるよういってあるから。部屋は一晩とってあるけど、終わったらさっさと帰ればいい。支払いも済ませてある。なにもないと思うけど、もし何かあったらわたしに連絡してきて」
そういうと嶋子は背中を押してきた。

☆ ☆ ☆

ホテルの一室に入ると、ぼくはベッドに腰を下ろした。
「そんなこんなで日置とセックスするハメになったんだけど。やだなぁ……」
ため息が出て仕方ない。
隣に腰掛けた日置を見ると、鼻息が荒くて気持ち悪かった。
「クラスで幼児体型と名高い一ノ瀬遥さんとのフラグが立っていたとは。毎晩ズリネタにしてきたおかげにちがいない。今日この日のために、予習はバッチリ。このぼくがついにリア充の仲間入りか。これからは、はるちゃんと呼ばせてもらうよ」
眼鏡の奥の目がかなりマジなんだが……。
「は、はるちゃんって……ダメに決まってる。それに胸あるし、今回はどうにもならない事情があって相手するだけ。殴るぞメガネっ」
こいつぜってー、調子のってる。
元男をなめんなよ。
「歯、磨いてきた?」
「もちろん、磨いてきました」
「よ、よし……」
「はるちゃんは?」
「きれいにしてきた」
いよいよ、か。
本当にこいつとしちゃうんだ。
そう意識しただけで、体がこわばって動けなくなっていた。
「これだけはマジなんでいわせてもらうと、一ノ瀬さんのこと、本気で愛してますから」
「えっ」
「付き合って欲しいって思ってる」
「えっ」
いきなりの告白に、えっ、しか言えない。
ただただ驚き、頭の中がパニックになった。
「チューするよ」
「あ、やっ、あのっ……」
慌てたぼくを見て日置が笑い、迫ってきた。
ほんの一瞬、フッと軽く触れた。
顔が離れていくも、頭がぽわーんとした。
なんだこれ、なんだこれ。
日置とのキスがこんな気持ちいいなんて。
おもわず「もう一回」とつぶやいていた。

キスでスイッチが入ったのは日置もおなじだった。
唇が重なる。
と、にょろっと舌が滑りこんできた。
うわー、あったかい。
身体が熱くなって、全身が溶けていくような感覚が広がっていく。
ぼく、食べられちゃう……。
恥ずかしさが限界を越え、意識がとんだ。
「はるちゃんっ、やわらかくて甘くて、これがキス、キスなんだね」
気づくとベッドに押し倒されていた。
何度もキスされ、頬や耳、首筋を舐められる。
胸を鷲掴みされたとき、
「……い、痛いって」
自分から日置にしがみついているのに驚き、慌てて突き放す。
だけど無理。
こいつ、かなり力があって全然逃げられない。
「がっつくなっ、ブラが痛いんだって」
脚をばたつかせ、日置の腹に蹴りを入れた。
「ひぃっ、ご、ごめんなさい」
「外すから、ちょっと待って」
どいてもらうと、背中に手を回して自分でブラジャーを外した。
セックスするのは避けられないから、この際仕方ない。
だけど、好き勝手にされるのだけは我慢ならなかった。
胸があらわになると、
「生ちっぱいキタ」
日置は両手を伸ばしてくる。
「ちっぱいいうなっ。小さくないって」
「触ってもいい?」
「やさしく、やさしくだぞ」
両手でおさまるほどの胸を、日置はつつきだす。
出てきた乳首も押しこむように触ってきた。
「これが……はるちゃんのおっぱい」
そういうと日置は右乳首にしゃぶりついてきた。
噛んだり転がされたり吸われたり。
そんなことされると、興奮して感じてしまう。
日置は弱いところを知っているみたいだった。
集中して舐められると硬く立ってきたのがわかる。
そんなぼくの左胸を力強く揉みながら、乳首をひねった。
「あはぁ、んぅうっ」
つい声が出てしまった。
「乳首ビンビンだよ。感じたんじゃないの?」
言われると、ゾクッと体が震えた。
いつもオナニーする時の妄想に出てくるセリフだった。
まさかオタメガネが言うなんて……。
「感じるわけないだろ。いちいちキモいんだって」
「ここも濡れてるんじゃ……」
股間に手が伸びてくる。
「そんなすぐ濡れるわけ……ない」
強がってみたものの、濡れているのはわかっていた。
乳首を吸われながら胸を揉まれる快感に溺れていたからだ。

日置にパンツを取られ、
「はるちゃんのおまんこだっ」
股の間に入ってきて、両脚を大きく広げられた。
日置が枕を置いたのか、お尻が持ち上がる。
これじゃあ、あそこが上を向いて丸見えじゃないか。
手で覆い隠そうとすると、
「うわー、すごい濡れてる。クリトリス触るよ」
いうより先に指でつついてきた。
「くうっ、んー」
声が漏れそうになり、思わず身をよじってしまう。
「可愛い声。気持ちいいんだ。下の方も触るからね」
「いちいちしゃべるなっ、キモオタ」
怒鳴りながら体が震えた。
手の平全体で押しつぶすようにこねくり回してきたからだ。
オタメガネに弄られてるのに興奮してくる。
ひとりでするより気持ちいい……。
こいつと相性がいいなんて……そんなわけない。
「はるちゃんのおまんこ臭、もうたまらん」
そういった次の瞬間、日置は股間に顔を埋め舌を這わせてきた。
「ぬおーっ、本物のおまんこ舐めてるよっ。はるちゃんの舐めちゃってるぅ」
理性が飛んだみたいにむしゃぶりついてくる。
同時に手のひらを押し付けるようにこねてきた。
舌が上下に動く度に震え、声を漏れそうになる。
「ねっとりとした汁が奥からどんどん溢れてくるよ。はるちゃん、エロすぎ」
そう言ったかと思うと、舌が潜り込んできた。
「きゃっ」
と声を荒げ、息使いも激しくなってくる。
突っ込んだ舌が、上下左右に動く。
「これがはるちゃんの味なんだ」
今度は指がねじ込まれてきた。
敏感な部分を絶妙に触られ、指の動きが速くなっていく。
押されると尿意に襲われ、
「お願いだからやめてっt」
と叫んだのにやめてはくれない。
も、漏れちゃう……。
苦痛以外なにものでもなかった。
「あああああああああっ」
絶叫して身体がのけぞると、太ももに水分がつたっていく。
「えっ、えっ」
その時なにがおきたかわからなかった。
まさか、漏らした?
粘り気はなく、サラサラしたものだった。
「これ、みてよ」
痙攣する体をよじって日置を見た。
彼の手からは汁がポタポタと垂れ、顔も濡れていた。
しかもシーツがビショビショになっていた。
「あ、あ……ご、ごめん」
咄嗟に謝るも、
「すごいよはるちゃん。これは潮吹きといって、君が感じてる証拠なんだな」
濡れたメガネをそのままに、日置はぼくの股間にキスをした。
べつに濡らしたことに引け目を感じたわけじゃない。
ただ恥ずかしかった。
感じたなんて認めたくない。
認めたくないのだけど……。
本当に相性が良いのかもしれない。
「もう……充分だし、時間もかけたくないから、はやく挿入してよ」
「おおおっ、ついにはるちゃんとセックス。自分からおねだりなんてやらしい子だなあ」
「ゴムはつけろっ」
日置が用意する間に、スマホを手にした。
証拠動画を撮れだなんて、考えたら質の悪い罰ゲームみたいだ。
はじめてを奪われる瞬間を自分で撮るなんて。
かといって、いまさら止められない。

日置はファスナーを下ろし、はずかしげもなく出してきた。
信じられないくらい大きい。
しかもまっすぐ上をむいている。
勃起するっていうのは知っていた。
けど、親以外でみるのはこれがはじめて。
かつては自分にもついていたけれど、親指ほどしかなかった。
それはまだ幼い子供だったからで……。
「どうして撮ってるのかな」
ゴムをつけた日置がのしかかってきた。
「ちゃんとやったか証拠が……いるんだよ。気にしないで、さっさと挿れて終わらせて」
「それでは、いよいよはるちゃんのはじめてを」
日置が指であそこを左右に広げてきた。
自分でもみたことのない場所を覗かれている。
「はるちゃんの処女まんこ、うっすら黒くて形はきれいだよぉ。穴もよく見えるし、入れる方向もばっちり。痛かったらいってね」
といって、穴にあてがわれた。
襲ってくる痛みに力が入る。
緊張すると痛いかもしれない。
小さく深呼吸をくり返し、こわばりを解いていく。
あ……少しずつ、内側を擦りながら、入ってくる……。
日置が腰を突き出した瞬間、
「くっ」
痛いのは一瞬だった。
「おおおっ、これがおまんこ。すごいっ、セックスしてるよ」
「は、入ったの?」
「うん、根本まで」
まさか、と指を伸ばして確かめる。
あんな大きなものが入ったのなら、激痛が来てもおかしくない。
なのに痛みは最初だけだった。
むしろ圧迫感の方が強い。
ぬちゅと動かれると、
「うぐっ」
痛みが走った。
「動かないで……」
絞りだすようにいうと、
「はるちゃんの頼みだから。一分だけだよ」
日置は入れたまま動かないでいてくれた。
その間、くっついて抱きしめられながらキスされていた。
舌使いがうまいのか、頭がぼんやりしてくる。
「どう、はるちゃん。痛くない?」
ゆっくりと日置の腰が動き出した。
「……まあ、うん」
素直に答えると、だんだん突きが激しくなっていく。
「あぁっ、うわああぁあっ」
突かれるたびに声が出てしまう。
いま、本当に日置とセックスしちゃってるんだ。
「感じてるんだね、はるちゃん。ぼくとの相性はばっちり。やっぱり結ばれる運命にあったんだな」
腰の動きに出たり入ったりする様子を撮りながら、
「ひ、日置……の感想、は?」
と聞いてみる。
「ぬるぬるで暖かく、ぐにぐに動いて小刻みに震える。最高だよはるちゃん、乳首固くしたちっぱいもたまらん、超エロいよ」
「へ、へえ……気持ちいいんだ」
されてる方は、そうでもないんだけど。
熱い棒が入ったり抜いたりをくり返されていただけ。
ただそれだけだったんだから、と自分に言い聞かせた。
「最高だよ、はるちゃん」
いきなり日置が胸をつかんできた。
「ちょっ、痛いんだってっ」
彼の手を叩いていた。
「もうすこしやさしく、乳首の先はさわるかさわらないかくらいで、そっとやわらかく。舐めるならなぞるようにゆっくり丁寧に」
嶋子にされた手ほどきを思い出しながら伝えると、
「こう?」
いわれたように素直に胸を触り、乳首の先を舐めてきた。
「うん。それと、腰はただ動かすだけじゃなくて、お腹のほうをこする感じに動いてくれると」
「うんうんっ」
指摘すると、的確な場所を集中して刺激してきた。
腰を激しく打ち付けるたび、ズチュブチュと音が出はじめた。
「これでいい、はるちゃんっ」
「うん、わ、わるくない……かも…ああっ」
「気持ちいいの? いいんだね、はるちゃん。ぼくのちんぽで気持ちよくなっちゃったんだ」
「だ、だから、いちいちいうなって……」
本当にうざいっ。
これがなければ……と思っていると、スマホが震えた。
嶋子からだ。
「やってる? 臆病な遥のことだから、まだなんじゃないかと気になって」
日置の荒い息づかいのなか、やわらかい嶋子の声が聞える。
瞬間、ぼんやりモヤのかかっていた頭が冴えた。
「あー、うん、いま……やってる。動画も、撮った」
平静さを装いたくて、息が漏れ出ないよう心がけた。
感じてると知られたら、後でからかってくるはず。
嶋子ならやりそうな気がする。
「ほんとに撮れてるか、ちゃんと送ってよ。確かめるから」
「うん、童貞……だったよ、はじめてって……感じで、さ」
自分もはじめてなのに、なにカッコつけてるんだか。
奥を擦られ、乳首を転がされて感じてるのに。
「キモいっていって嫌がってたのに、オタメガネとしちゃってるんだ。初セックスの感想はどう?」
「キモいっていうか……うざい、かな。けど、言うとおりにしてくれるのは……楽でいい」
「はるちゃん、もうイキそうだよっ」
日置が重くのししかかる。
「もうイクって。切るよ」
スマホを日置に向け、
「イク瞬間を撮るから、イッちゃって」
いうと、腰の動きが加速する。
「ああっ、はるちゃん。出す、出すから、孕んじゃってーっ」
「ゴムつけてるから無理っ」
それから数十秒後、
「うおおおおおっ」
雄叫びのような声を上げた。
息遣いが落ち着く前に、
「イッた、イッたよ、はるちゃん……すごい気持ちよかったぁ……はぁ、はぁ」
満足そうな笑顔で答えていた。
そんな日置の顔を見ながら、胸がチクリと傷んだ。
嶋子からの電話がなければ、一緒にイケたかもしれない。
自分にとって、彼にとってもはじめてだったのに。
ふざけるみたいに録画して、最後までしちゃうなんて。
もしぼくが彼の立場だったら嫌だろうな。
「日置……」
「なに、はるちゃん」
「気持ち……よかったよ」
別にデレたわけじゃないから。
胸の中で自己弁護しつつ、日置を押しのけた。
ぬちゃ、と抜けた感覚に声が漏れそうになる。
「これで終了だね。童貞卒業おめでとう」
ベッドを降り立つと膝が震えた。
あそこはまだ入ってる感覚が残っている。
日置に背を向けながら、壁にかかった鏡をみた。
ブラウスははだけ、顔や胸が汗とヨダレでべたついている。
息を吐いてめくれ上がったスカートを直すも、気持ち悪い。
「ただちょっと、力任せで自分本位なとこがあるから、もうすこし反応みながら調節して……いうこと聞いてくれるなら、また相手してあげてもいいかなって」
「ほんと、はるちゃんっ」
日置のやつ、すごい嬉しそうな顔してる。
「考えてあげるだけだから。あと、ウザキモ発言は禁止な」
言い過ぎると凹むだろうから、このくらいにしておこう。
一歩前に脚を出すと、痛みがひびく。
がに股気味に歩きながらスカートのフォックを外し、
「シャワー浴びてから帰るから。日置は先に帰っていいよ」
ファスナーを下ろす。
スカートが床に落ちたとき、
「そうだ」
思い出す。
嶋子に動画を送らないといけないんだった。
スマホを取りにベッドへ、と振り返る。
「えっ」
目の前に日置が立っていた。

☆ ☆ ☆

「すごいね、最初っから気持ちよくなれるなんて。運命だったんだ。
はるちゃん、ぼくとエッチできて最高?」
抵抗する力が入らなかった。
ベッドへ押し倒されるや後ろから日置がねじ込んできたのだ。
「うぅ……や、やめ、ろぉ……」
胸を揉みながら激しく腰を振ってくる。
突起を擦られるとすぐ全身がしびれ、あそこがじわりとしてきた。
しかもお尻の方から引っ張られる快感が胸や首まで上がってくる。
ゾワッと鳥肌以上の感覚に襲われ、一瞬ビクッと体が震えた。
息を吐くとどうしても体を縮めてしまう。
欲しい欲求が、駄目だという意識を飲み込もうとしている。
このままじゃだめだ……。
自分のスマホを見つけると、必死に腕を伸ばした。
「はるちゃんは素直じゃないなぁ。すっごい濡れてるよ?」
濡れた分だけ、あそこをいいように擦られる。
わずかに引いて次はもっと強く、と波のごとく快感がくり返す。
引っ張られる感覚にのけぞり、足は強く内側に引き寄せてしまう。
「う、嘘……はあっ、あっ」
吐くばかりで、ほとんど息が吸えない。
腕も内側にひき付けてしまい、シーツを握りしめていた。
わずかに快感が鈍ったかと思うと、以前の数倍押し寄せてくる。 快感の波の感覚がどんどん短くなってきた。
あそこが勝手に、開いては引き締まるをくり返すみたいな感覚。
「あっ、やぁ、いやあああっ」
突き上げられるたびに、自分のものと思えない声が出てしまう。
乳首をこね回されビリビリした刺激と重なり、声が跳ね上がった。
「ああああっ」
引き締まりが止まらない。
押し寄せる快感が暴れまくり、視界がいきなり明るくなった。
光が飛び込んでくるのにぼやけて白く染まっていく。
同時になにも聞こえなくなった。
体の真ん中を貫く感覚しか感じなかった。
息をしているのかも考えられない。
ただ全身がどこかへ持っていかれる感じがしていた。
「イッたんだね、はるちゃん。最高だよね」
放心状態、だった。
下半身のズキズキした痛みとだるい腰。
熱くなった身体からは、じわりと汗がでていた。
もう……力が入らない。
ぐったりしていると日置が覆いかぶさってきた。
そして首をひねられ、唇を押し付けられる。
舌を入れながら腰をなでられ、お尻を揉みあげてきた。
揉みながら左右に広げられるも、閉じる気力がなかった。
クリトリスを触られると吐息とともに腰を振ってしまう。
「気持ちいいんだね、はるちゃん。よーし、もっといっぱい突いてあげるから」
日置はぼくの腕をつかむと後ろへ引っ張った。
のけぞり、上半身が宙に浮く。
前に倒れそうになると、日置が引っ張り、突いてくる。
より深く、奥へ。
「あんっ、あぁっ、あんっあんっあんっ」
こんな喘ぎ声が勝手に出て、また果てた。
……なのに、日置はやめなかった。
「……ちょっ、やめてっ、もう触らないで」
暴れて拒んでも、男の日置に腕力では勝てなかった。
少し突かれただけで抵抗できなくなってしまう。


☆ ☆ ☆

何回……イかされただろう。
もう、身体に力が入らない。
それでもなんとか腕を伸ばし、身をよじる。
日置がゴムを付け替える間に、ようやくスマホに手が届いた。
嶋子につながると、
「……けて、たしゅ、けて、たすけて……」
呪文のようにくり返した。
「遥っ、どうした」
嶋子の声に泣きそうになる。
「こいつ、やばいっ、あれからずっと……イかされてる」
「あれからって、何時間たったと思ってるのっ」
そんなこと知らない。
「もう敏感になって、気持ちいいとこばかああああっりいい」
電話の途中で、日置のがまた後ろから押し入ってきた。
何度も受け入れてすっかり潤み、痛さを感じなくなっていた。
そればかりか、
「やばあいいいいっ、またあああんっ」
自ら腰をふってしまうほど気持ちいい。
「おいっ、どうした遥っ」
電話に答えようとするも、日置は容赦なく叩き込んできた。
「うぐっ、うはぁああああ、あああああああああぁ」
快感が駆け抜けた。
意識が飛ぶも、痙攣のたびに戻ってくる。
ぬるんと抜かれると、取り残された寂しい感じになった。
なにをバカなことを、と朦朧とする頭で打ち消す。
でも、ふわっとして気持ちいい。
ずっと満たしてほしい……。
落としたスマホを、日置は拾い上げる。
「あー、もしもし」
「日置っ、お前、遥に何やってんだっ」
嶋子の声が遠くに聞こえる。
「なにって、セックスだよ」
「一度だけの約束だろ」
「ぼくらの愛を確かめるには一度では足らないんだな」
「あ、ふざっけんなああああああああああああっ」
普段は絶対大声出さない彼女が、狂った様に叫んでいた。
「はるちゃん、またイッちゃったみたいですね。大丈夫ですよ、失神してるだけだし……四、五回かな? てゆーか、イキまくりだね」
日置にお尻をなでられると、反射的に腰を動かしてしまう。
ダメとわかっていても、自分から擦り寄ってしまう。
「乱暴なことはしないから安心してよね。じゃあ、明日学校で」
通話を打ち切ったその手で、クリトリスをこねられる。
そして穴の中にするっと指が入ってきた。
どのくらい深く入れられたのかわからない。
指が中でくにくにっと動く。
クリトリスの刺激だけで狂いそうなのに。
こんな刺激を与えられたら、ひとたまりもなかった。
「はうっ」
腰が跳ねて、あっという間にイッてしまった。
「愛の営み中に電話するなんて、いけない子だな。罰を与えなければ……でも愛するはるちゃんに罰だなんて……そうだ、イキ足りなかったから、悪いことしたんだね。それじゃあ」
彼の指は、まだクリトリスの上と穴の中にあった。
クリトリスに触れた指は、押しつけながら微妙に振動している。
穴に入ってる指は、ゆっくり大きな動きで内壁を撫でまわす。
押し付ける刺激がさらなる絶頂を誘う。
「あぁっ、またイクゥーッ」
「何回でもイくんだ。好きなだけ」
そういって股間に息を吹きかけら、
「あぁっ」
身体が大きく跳ねて達してしまった。
すると彼に右手を握られ、自分の股間へと導かれた。
いやらしいほどに濡れている。
クリトリスに触れると、信じられない。
こんなに固く大きくなってるなんて……。
彼はぼくの手を使って強く刺激させてくる。
彼の指先から伝わる、中指も使えという指示。
人差し指と中指でクリトリスを挟み、こねられる。
あまり激しくない円運動。
わずかの刺激にも敏感に反応してしまう。
「あっ、あっ……あっ、あぁ」
内股が軽く痙攣してる。
腰が自然に浮いて、もう限界。
「あっ、イキそうっ」
ほんの少しのところで、彼の手が離れていった。
あと一息っていうところなのに。
悲しいやらじれったいやら、どうしていいのかわからなくなる。
もう……誘導してくれないの?
振り返ろうとしたときだ。
「あとは自分でやってごらん。見ててあげるからさ」
日置が耳元にやさしくささやいてきた。
イキたい衝動が一気に押し寄せ、夢中でかきむしった。
いつもは片手しかつかったことないのに。
右手の二本指はクリトリスをつまんでこね回す。。
同時に左手の人差し指を穴に入れてかき回していた。
「うぅ……気持ちいいよぉ……イッちゃいそう」
「ぼくの目の前で、思い切りイッちゃいな」
彼が、両脚をさらにぐいっと広げた。
ぼくも腰を思い切り浮かせ、両手を激しく動かす。
恥ずかしい気持ちは吹っ飛び、ただ、イキたい一心だった。
腰が痙攣しはじめ……ぐいっと感じで快感の波が押し寄せる。
クリトリスへの刺激を強くし、穴への挿入を深くして……。
「あっ、あっ、あああああああああああああっ」
来たっ、ものすごく大きな波。
腰がガクンガクンと大きく痙攣し、視界が暗くなっていく。
ふわっとなって、どうにかなりそう。
なのに、気持ちがいい……。
また暗くなり、体がどうかなってしまう不安に落ちていく。

「はるちゃんも結構いやらしいんだね。用意してきたゴムも使い切っちゃったし、もう生でいいよね、はるちゃん」
「……こっ」
遠くで何か言われた気がした。
腕や脚から力が抜け、声すら出せない。。
足を大きく広げられ、後ろから入ってきたものに頭が熱くなる。
ぐちゅぐちゅ動き始めると快感が身体中をほとばしっていく。
「す、すごいっ、生でセックスっ。はるちゃんのおまんこに生で入れてるっ、今までとぜんぜん違うっ」
もっともっと、と腰が自然に振れてしまう。
「はるちゃんの体温っ、ぼくのちんぽで直に感じてるよっ。すぐイクっ、中で出すよぉ、いいんだねっ、中に直接うっ」
お腹の奥で脈打っている。
なんとなく温かいものが拡がっていく。
なんだか気持ちがいい……。
ぬるうんと抜かれ、とろんと垂れ出る感じ。
まどろみから覚めると、ベッドで仰向きにされていた。
しかも、いつのまにか全裸にされている。
視線の先に、裸の日置がぼくを覗きこんでいた。
「気がついた? いま中出ししたところだよ。これからはずっとゴムなしでいいよね」
「はぁあっ」
なにをいってるんだ?
記憶が曖昧でおぼえがない。
中に出した?
「う、うそぉ……あっ」
これ以上まだやるつもり?
「む、むりぃ……」
「さあ、愛しあうよ。セックスって最高だよね、はるちゃん」
「ふざけんなっ、こっちは気絶して」
こいつ、人の話を聞く気ねぇー。
逃げようとするのに、腕や脚に力が入らない。
それでも這って逃げようと身体をひねり、うつ伏す。
日置は脚をつかんで引き寄せ、
「それだけ良かったんでしょ。もっともっと気持ちよくしてあげるからねっ」
ぐっと突き入れてきた。
脇の下から手が入ってきて、胸を荒々しく揉んでくる。
中央に寄せられて乳首を指で攻められてると、
「あんっ、うぅんっ」
気持ち良さそうに喘いでしまった。
「お尻も弄ってあげるよ」
指を入れられ、激痛が走った。
「やあっ」
裂けちゃうっ。
でもすぐに快感とまざり、甘い痛みとなっていく。
いろんな方向に激しく突かれ、ある場所を擦った瞬間、
「やっ、ああっ、はっ、ぐっ」
ものすごい快感が突き抜けた。
日置は嬉しそうに、
「ここ? ここか?」
と言いながらそこを突いてくる。
「やあっ、もういきたくなああいっ、あぁああああああっ」
ビリビリしすぎて死んじゃう。
「こんなのしたら、ふつうううのできなくなあるうっ」
必死に声を張り上げたけど、やめてくれない。
それどころか何度も何度も突き上げられ、連続でイッちゃってる。
「ぼくもイクよ。また中に出すからね。はるちゃんはぼくのちんぽで何回イッたか、いってごらんよ」
激しく突き動かされ続けると、おかしくないのに笑えてきた。
揺さぶられると声が漏れ出て、どうにもできない。
快感の海に漂いながら、身体の芯で感じ続けていく。
しばらくして、快感の大波がうわっと押し寄せてきた。
全身が狂ったように敏感になって、
「とんじゃああああああうーっ」
声を出して必死に抵抗したのが最後だった。
自分から日置に抱きついて、腰をふってしまっていた。
舌を絡め合い、長いディープキス。
それだけで頭がぼうっとなる。
「ぶっ飛んじゃったね。責任とって毎晩セックスしてあげるよ」
「毎日ぃ……こんなしたらあぁあたまおかひくなるう」
「じゃあ、もうセックスしないの?」
胸や腰を撫で回され、自然と甘い声が出ていた。
「いやああ、毎日ぃしゅるるう」
触られただけで敏感になった身体。
胸や腰を撫でてくる。
そのまどろっこしさに、
「おっぱいのてっぺん……摘んで」
お願いするも触ってくれない。
自分で触りたくても腕が重くて動かない。
「触ってよぉ……」
決定的な刺激欲しさに、抱きついて擦り付ける。
「はるちゃんは困った淫乱さんだね。本当にかわいいよ」
日置の手が、痛いほど私の胸をわし掴みにして揉みしごく。
片手で両胸をまさぐり、もう片手で乳首を摘んで引っ張った。
音を出して吸ったり、指ではじいたり。
右乳首を吸いつつ舌が高速で動いて刺激されたとき、
「ううううううーん」
思いきりのけぞり、日置に抱きしめられた。
「イッたんだね、かわいいいよ」
身体中を撫で回されながら、何度も突き上げられる。
ぐちゅぐちゅと沸き上がる快感に、
「あふっ、あああん、すごいのおおおおおお、またイッちゃううう」
何度めかの絶頂をむかえてしまった。
日置はイッたにもかまわず続けていて、
「どこに出してほしいかな?」
と聞いてきた。
「な、中に……出してええっ」
即答していた。
身体が勝手に感じてどうもにならない。
「はるちゃんは淫乱なんだから、こんなにも感じまくって。もっといやらしくおねだりしてごらん」
「ひ……んらん、はるかあはああっ」
「中に出していいよね?」
「し……らく、なあああいいや……めえ、ああっ」
「はるか、出してほしんだろっ」
「ほ……ひぃ、いいいっ」
自分でもわからず叫んでしまっていた。
「ぼくもいくよおおおおっ」
激しく腰を動かし、また中へ出されてしまった。


ベッドに横になるも、快感から頭は覚めていなかった。
身体はだるくて重い。
しばらくは動けそうになかった。
「はるちゃん、咥えてくれ」
日置は自分のものを目の前に出してきた。
「感じてるんだろ。このまま帰ってもいいけど、もっとほしいよね?」
抵抗しないで迷っていると、下半身に手が伸びてきた。
「すっごいとろとろ。ここはもっと欲しいっていってるじゃないか」
いきなり指が穴に入ってきた。
乱暴にかき回されても、全然痛くない。
それどころか感じて声が出てしまい、お尻を突き出してしまう。
「入れてほしいんだろ」
と言われた時、一瞬迷うと、
「ぼくを満足させてくれたら、してあげるから」
口元にもってきた。
むわっとする。
ちょっと太めで、長さも少し長く形は真っ直ぐ。
先がすごく広がっている。
こんなのが口に入る?
ためらうも、とりあえず触れてみた。
熱くてピクピクしている。
手を添えて先を舐めてみる。
「ほら、ちゃんとお口にれて。動いてあげるから」
頭を押さえ、ぬうっと突き出し、口の中へ入ってきた。
しゃぶっていると、なんだろう……。
むっとした匂いも不思議な苦い味も気にならない。
広がってるとこで敏感な口の中を擦られる。
「あぁ、気持ちいいよ、はるちゃんの口まんこ。かわいいはるちゃんが下品な顔して、ぼくのちんぽをしゃぶりついてるなんて」
頭がどんどんぼんやりして……身体も熱いまま……。
口の中で硬く、大きく、脈打っている。
小さな優越感と悦び。
これが入ってたんだ、と口に含みながら手を上下に動かす。
感じさせてくれた。と玉袋を触りながら口を上下に動かした。
竿を奥まで入れると、苦しくて「んっ」と声が出た。
少しだけ液が出たみたい。
先の方をちゅうっと吸うと、
「うっ」
と彼が反応した。
「うまいよはるちゃん、はじめてだよね? ぼくのために練習してたとか? そうじゃないなら、はるちゃんは根っからの淫乱だよ」
日置はニヤニヤしている。
がんばって、口を、舌を、顔を、手を動かした。
「出すよはるちゃん、飲めっ、あぁあああっ」
びっくりして口から出そうとした。
でも離そうにも、頭を押さえつけられ、逃げられなかった。
とりあえず手は止めず、飲んでいく。
どろっとして飲みにくかった。
すぐに抱きしめてくれて、
「ありがとう。がんばったね、はるちゃん。よくできたなぁ」
頭を撫でて褒めてくれた。
よかったんだ……と嬉しさが込み上がってくる。
「咥えてたら、すごい濡れちゃったんだね?」
うれしそうな日置の顔。
あそこがとぅくんとぅくんして溢れてくる。
「ごほうびに指、二本にしてあげるよ」
と二本の指でかき回され、へろへろになってきた。
「指、足りないみたいだね」
さらに一本増え……。
もはや正気も失い、快感に身をゆだねてしまっていた。
「もう……無理」
日置のものを催促する。
正常位で、と脚を開くも入れてくれない。
おまんこの入り口を音を立てながら擦ってくれる。。
それでも気持ちいいんだけど、早く欲しくて、
「お願い……挿れて」
何度かお願いした。
「これからは、ひーくんと呼ぶんだぞ。こんなに愛し合ってるんだ。ぼくらはもう恋人同士、だろ」
「ひ、ひーくん……挿れて」
「はるちゃんから挿れてごらん」
寝転がる日置。
またがるも、戸惑ってしまう。
ためらっていると腰をつかまれ、
「沈めて、はるちゃん」
引っ張られた。
にゅるるうと入ってくる。
「んぁ……ああ」
怖いよぉ……。
話したこともなかったヤツに突っ込まれて気持ちいいなんて。
怖いのがドキドキして……止まらないっ。
拡がってえぐれて気持ちいい。
この形おぼえちゃう……。
「処女だったのに、こんなにいやらしく腰振っちゃう女の子は、はるちゃんだけだろうね」
集中してれば気持ちいいだけだから……。
怖さをごまかせるかも。
「はるちゃん、気持ちいいでしょ」
「うん……」
「その気持ちを、いやらしい言葉使って素直に教えて。どんな感じ?」
素直に……なる?
「お、おまんこ……熱い、よ」
「それから?」
「ちんちん擦れるたび、ぞわぞわって……気持ちいいの来て、もっとしたいって」
「それで?」
「ずっと気持ちいいしか考えられなくてっ、怖くて……ドキドキしてるぅ」
「いいんだよ。女の子はみんなそうなるんだから」
乳首をこねながら胸を揉みしだいてくる。
「怖がらなくていいなんていわない。むしろ怖がればいいよ。怖いって気持ちのドキドキも恋愛のドキドキも同じなんだ。はるちゃんの心音が伝わってくるよ」
「ドキドキしてる……」
「身体ははじめからよろこんでる。素直なればいい。そうすれば怖いのドキドキも愛情のドキドキもひとつになるから」
日置が両腕をつかんで引き寄せてきた。
「おまんこが気持ちよくて仕方ないんだろ。はるちゃんの一番気持ちいいように腰振ってごらん」
奥に、奥に。
奥にもっと入ってきて欲しい。
彼のものでいっぱいにして欲しいっ。
腰を前後に動かすと、めちゃめちゃ気持ちいい。
奥に当たって、より一層濡れる。
グチュグチュ音を立てて、おかしくなりそう。
中でピクピク動いてるのが伝わる。
「すごく気持ちいいよ。はるちゃんのおまんこ、最高だよ」
ずっとこうしていたい。
かき回されていたい。
彼の胸に持たれながら、唇を寄せた。
「やっと自分からキスしてくれたね」
舌をのばして舐めると絡んでくれた。
「もっと気持ちよくなろう。毎日朝から晩までしよう」
「あ……でも」
下から突き上げられ、快感が脳天まで響く。
「ほら、いいよね」
「あああああっ」
声が勝手に漏れ出てる。
「ギチギチに締まって搾り取られそう。出るよ、はるちゃんの大好きな精液。はやくおねだりするんだっ」
「あひっ、ぜんぶぅなかでだしいいてぇ」
「なにをだっ」
「せーえき、せーえきですっ」
「よく言えたね、一緒にイクんだっ」
気持ちよすぎて激しく腰を前後に動かし、
「出してぇ、ああ……あぁん、ああああぁぁんっ」
イッてしまった。
その時、誰かに腕を掴まれ後ろへ引っ張られた。
彼のが抜け、その先から白濁したものが飛び出るのをみた。
「遥、大丈夫かっ」
ベッドから転げ落ち、遠くで嶋子の声がした……気がする。

☆ ☆ ☆

「おはよう遥。よく寝れた?」
揺れ起こされて目を開けると、笑顔の嶋子は制服に着替えていた。
「おはよ」
と返すものの、彼女の顔をまっすぐ見れない。
気怠さと股の痛み、いまも入っている違和感が蘇らせてくる。
日置と抱きあったときの肌の感触と温もり。
妙に人肌が気持ちよかったのを覚えている。
それ以外はなんだかぼうっとして細かいところが思い出せない。
何を言われ、なんと答え、どう動いてたとか。
ただ、自分がもう女なんだと実感した。
ついに処女じゃなくなったんだぁ……とさびしくなる。
嶋子が教えてくれたのは、彼女に助けら家に泊めてもらったこと。
汗と精液まみれの身体をきれいにし、寝かせてくれたのも彼女だ。
アフターピルを飲ませてくれながら、彼女は謝っていた。
日置があそこまでエロいヤツだったとは、知らなかったらしい。
その日置には、キツイ罰を与えたという。
「日置が遥に近づいてこないようにしたから。うちのグループだけじゃなく、他のグループの子らにも声かけて頼んだ。あいつが校内でちょっかいかけてきたり、あの夜のことを口外したらどうなるのか、身をもって教えもしたし、大丈夫。安心して」
具体的にどんなことをしたのかは教えてくれなかった。
登校して、絆創膏だらけの日置を教室でみて、なんとなく察した。
中出しされたためなのか、ショーツが汚れた。
嶋子に逆流の話をすると、
「タンポンすれば大丈夫だから」
小さく笑われた。

☆ ☆ ☆

あれから一週間、ようやく痛みもひいた。
彼女のいうとおり、校内で一人になることはなかった。
必ず誰かが側にいる。
なかでも嶋子が一番いてくれる。
ひょっとすると、責任を感じているのかもしれない。
「授業も終わったし帰ろ。おいしいって評判の店へ葵たちと行くから、遥も行こっ」
「ごめんなさい。親が夜出かけるから、早く帰らないといけなくて」
「そっかー、今日は店に行くのやめに」
「いいよいいよ。みんなと行ってきて。いつも迷惑かけて悪いから」
「わかった、じゃあ気をつけて」
また明日、と手を振って、嶋子たちと校門前でわかれた。
彼女たちとは反対の道を歩いていると、
「つまり、今夜は一人で留守番するんだね」
前触れもなく背中から声をかけられた。
振り返ると、
「……ひーくん」
新しいメガネに変えた日置だった。
痛々しかった顔の腫れも、かなり癒えていた。
腰に手をまわされ、ぐっと引き寄せられる。
「誰にも、ぼくたちの愛の絆は引き裂けないんだよな」
自然に体が震えた。
「学校じゃ声もかけられないし、帰り道もあいつらが側にいて近づけなかったんだ。でもようやく、はるちゃんに近づけた」
日置の体臭に包まれながら射精され、快感におぼれたのだ。
忘れようとしても疼きが記憶を呼び覚まし、鼓動が高鳴ってくる。
「さびしかっただろ、淫乱はるちゃん」
スカートの上からお尻を撫でまわされた。
ドキドキする、おかしい。
頭がぼおっとしてくる。
「ほら、素直に気持ちをいうんだ」
制服の上から右胸を揉まれ、乳首辺りを撫でられる。
あの夜におぼえた快感が蘇り、あそこが熱くなるのがわかった。
「……不安、だった」
開いた口から言葉が漏れる。
「さびしかった、よ……もう、ひーくんなしじゃ……いられない身体に、されちゃったから……」
彼が泊まりに来る。
考えるだけで全身が震えた。
「淫乱はるちゃんは、どんなことがしたいかな?」
「今日は……上に、乗るから」
「ふふっ、人の往来があるところで女の子がいっちゃダメだよ。はるちゃんはドMの淫乱だし、すぐへばっちゃうだろ?」
彼が笑みを浮かべて、唇を重ねてきた。
頭がしびれて、ふわふわしてくる。
「……がんばる。ひーくんのためにも」
「今夜は楽しみだな」
今度はディープキス。
唇をスーっと舐めたり、舌を強弱をつけて吸ったり。
愛されてるのもあるけど、舌を舐めあうだけで奥から濡れてきた。
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