かつて、アヴァロンという王国には戦う事に長けた闇の種族がいた。
「悪魔」と呼ばれた彼らは、殺戮と破壊を好み、邪悪な魔法で多くの人々を苦しめていったのである。
その惨劇を嘆いた神は、聖なる光を宿した剣を一人の勇者に託したのだった。
後に「大聖剣エクスカリバー」と名付けられる剣を振るった勇者は激戦の末に悪魔達を異次元の彼方に封印することに成功し、神はその封印を見守らせるために地水火風、そして光を司る五体の大精霊を派遣することで、アヴァロンに本当の平和が訪れた。
それから千年もの時が流れ。
平和な時代を築いていたアヴァロンに、悪魔の復活を企む魔女モルガン・ルフェイが現れ、各地の動植物を魔法で魔物に変えた。
襲いかかる魔物たちを相手に国中の戦士たちが奮闘する中、一人の青年騎士が王宮に潜んでいた侍女の正体が魔女モルガンだと暴きだし、彼女を打倒したのだった。
すると、魔女モルガンは甲高い声で笑いながら、呪文を唱え始める。
青年が首を切り落としてもそれは止まることなく続き、首だけのまま俺を見て言った。
「見事だ。これは私からの褒美だよ。」
次の瞬間、魔女の身体が塵となって消えていくと、その塵が青年の身体に纏わりついてくる。
死に際の悪あがきかと、青年は塵を払いのけていく。
やはて、全ての塵が消え去り、青年は勝利を確信した時だった。
「くそ、何だこれは?身体が焼けるように熱い。どんどん胸が苦しくなって。」
苦しさのあまり青年は胸部のアーマーを外すと、ポヨンっと大きな二つの腫れが飛び出した。
「なっ、何だこれ!!か、身体が??」
青年が取り乱す内に、身体の変化は進んでいった。
鍛え上げられた身体はどんどん細くなり、装備が重くなっていくのを感じる。
胸の腫れも大きくなり、硬く逞しかった胸板には大きくて形のよい柔らかな乳房ができていく。
尻は成熟した桃のように大きくなり、そこから伸びる細長い足も肉感を増してインナースーツに締め付けられいく。
短かった髪は、人を絡め取るような長くウェーブのかかった長髪に。
低かった声は、甲高く甘い声へと変わり、股間にあった男の象徴が消失してしまっていた。
こうして、魔女の死に際に放った魔法により、青年騎士は新たな魔女として生まれ変わってしまったのだ。
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この身体になって、どれほどの月日が経っただろうか?
俺は味方だったはずの騎士団だけでなく、魔女狩りなどといった様々な組織から狙われ続ける身になってしまった。
今はその刺客達の襲撃をかわしながら、呪いを解く方法を探す旅をしている。
旅の途中で綺麗な湖を見つけた俺は旅の疲れを癒すため、水浴びをすることにした。
装備を脱ぎだすと、大理石のようなきめ細かな白い肌、豊満と淫猥を体現しているようなエロティックな長身のボディラインが露わになる。
(男なら飛びつきたくなるような『極上の女』だろうけど、まさか自分がそれになってしまうとは。)
俺はそう思いながら、深いため息をついた。
「早く元に戻りたいなぁ。」
これまで魔法を解くために各地を放浪してきたけど、魔法を解く方法が一向に見つからず、それどころか魔物を倒していくことで腕を磨いていく俺は、同時に魔女としてさらなる成長を遂げてしまっている始末だ。
(まあ、落ち込んでても仕方がない。さっさと身体洗って休もう。)
俺はそう思って湖にゆっくりと足をつけ、座り込むことで肩まで浸かった。
すると、胸の爆乳がプカーっと浮いて二つの島が出来上がった。
「…しかし、我ながらでかいよ…なぁ…」
この身体になって随分経つが、いつも見ても立派なものだと見惚れてしまう。腕で抱え込むと、むにゅうっと形を変えて、程よい弾力が腕や胸に伝わってきた。
(ああ、気持ちいい…。)
ムラムラしてきた俺は、熱くなってきた股間に手を伸ばそうとした時だった。
「そこのお前!」
突然誰かの声がかかって驚いた俺は、理性を取り戻し、声がした方向に目をやる。そこには俺より年下の少年が立っていた。
「お前が王国から逃げた魔女だな!ついに見つけたぞ。僕はアーサー。王国騎士としてお前を退治する!」
威勢よく叫ぶ少年は、俺の裸体に赤くなりながらもしっかりと剣を手に構えていた。
手に持ってる剣は、王国の一般騎士に普及されているものだ。
(騎士っていうのは本当らしいな…でもまだまだだな。)
これでも俺は元士官クラスの騎士。女になったとは言え、年下相手に負ける気などしなかった。
数十分後。
「はあ、はあ、はあ、くっくそ、ちゃんと…戦えよ」
少年は果敢に挑んでくるが、若さゆえに太刀筋が甘く、見切りやすい。しかも、俺の裸体に見惚れてるせいか、剣に勢いが無くなってきている。
「ほらほら、そんなじゃ虫一匹殺せないぞ。」
「うっ、くそ、くそっ」
とうとう力尽きたのか、少年は膝をついてしまった。
「はあ、はあ、はあ、こんな所で…躓くわけには…」
俺は何やら思いつめた表情で悔しがる少年を見て、何か事情があるのかと察していると、少年の後ろの影に気づく。
「危ない!!!」
「えっ?」
俺は少年を抱え、影からの攻撃をかわしながら荷物を持って森の中に隠れる。
どうやら逃げ切れたらしく、少年を座らせ、着替えを済ませることにした。
「何で助けたんだよ…魔女の癖に!」
「あのままじゃ、お前死んでたぞ。」
「助けなんて頼んでないだろ…!」
「じゃあ、あのまま死んだ方がよかったと?」
「俺の憧れの人を、マリク先輩を殺した奴に助けられるよりはマシだ!」
マリク、久しぶりに聞いた自分の名前だ。
(そうか、王国では俺は殺されたことになってるのか。)
「仇を取るつもりで挑んだのに、逆に助けられるなんて…。」
少年はあまりに悔しかったのか、涙を流し始める。
(先輩ってことは、こいつは騎士学校の後輩か?)
「その先輩が生きてると知ったら?」
「えっ?どういうことだよ!」
「俺がそのマリク先輩だからだよ…。」
「でたらめ言うな!そんな分けないだろ!」
俺の告白に驚くことなく少年は一蹴した。まあ、当然と言えば当然か。
俺は着替え終わり、少年の前に立った。
「先輩は男だぞ。そっ、その身体のどこが男だよ!」
そう言われて俺は自分の身体を見下ろしてみた。
ビキニアーマーに支えれた爆乳は見事な谷間を、細いウエストと豊満なヒップからは見事なくびれを作り出している。
(確かにこの身体で男と言い張るのは無理か…)
俺はこれまでの経緯を丁寧に説明したり、俺が昔から使っている剣を見せたりしたが、結局少年には信じてもらえなかった。
その時、俺は異様な気配に気づいた。
「どっ、どうしたんだよ?」
「静かに、さっきの奴かもしれない!」
その言葉に少年は震えながらも剣を構え出した。そして、巨大な影が近付いてきた。
やっぱり、さっきの魔物だった。
「お前、さっきの湖まで走れ」
「何でさ? あんなやつ僕が…」
「こんな木が生い茂った場所で剣が満足に振れるか?しかもお前、震えてるじゃないか。」
確かに威勢はいいが、その割には足はガクガクとしていた。
「俺が引きつけるから、湖に向かえ。早く!」
少年は黙って湖の方に走り去る。
「さてと、こっちだぜ、魔物!」
俺は剣で魔物の攻撃を防ぎながら、魔物の注意を引きつける。
魔物は図体がでかい割に素早く、不意を突かれて攻撃を受けたが、このビキニアーマーは肌の露出は多いものの、俺の魔力に反応して皮膚の表面に頑丈な防壁を作るため、それほどの大きいダメージじゃない。
ちなみにこのアーマーは女体化して間もない頃、着るものに困っていた所を怪しい商人から買ったものだ(金代わりに俺を犯そうとしてきたが、返り討ちにして強姦未遂で警官につき出した)。
何とか湖から離せるまで引きつけることができた。しかし、魔物はもう一体いたという誤算があった。
二対一で引きつけるどころの話では無くなった俺は逃げ回るしかなかった。そして、さっきの湖まで追い詰められてしまった。
「迂闊だった。どうすれば…」
長旅の疲れが出たせいか力が入らない。このまま、死んでしまうのかと、覚悟した時だった。
「やめろっ、魔物!」
少年が魔物一体に攻撃を仕掛けた。しかし、効いてる様子はない。
「お前、何してる?!」
「湖で待ってたら、お前が吹っ飛んできただよ。魔物に仇を横取りされてたまるか!」
威勢はいいがまだ足が震えてるぞ。これは思わず出てきたって感じだな。
さっきの攻撃で気を悪くしたのか、魔物の一体が襲いかかってきた。
俺は咄嗟に少年を庇ったが、渾身の一撃だったのだろう。
俺は少年ともどもは吹き飛ばされ、湖の中心に落ちてしまった。
(くそ、身体がうまく動かない…)
予想以上のダメージで俺は満足に泳ぐことができない上に、少年の方も気絶している。
このまま、溺死するのかと思った矢先だった。
少年の手に光輝く剣が現れ、その刃から放たれる凄まじき斬光が水面を貫いた。
湖は半分に割れ、それを見ていた魔物たちは逃げ出していく。
あまりの出来事に驚きながらも、その直後に俺も気絶してしまった。
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あれからどれくらいたっただろう。
気がつくと、湖の前で少年の横で寝かされていた。
さっきの魔物もいない。
もしかして、魔物に襲われたのは夢だったのかと思いきや、まだ眠ってる少年の手にさっきの剣が握られていた。
どうやら夢ではなかったらしい。
「これは、一体?」
「神が造りし大聖剣エクスカリバーです。」
「!?」
女性の声に驚いた俺の前には、透き通るような水色のドレスを着た女性がいた。
「ん、何だよ。一体?」
俺の声で少年は目覚ました。すると、自分の手に握られた剣に驚く。
「あれ?何だよ、この剣。」
「ですから、大聖剣エクスカリバーです。」
「うわああっ!、誰だよあんた?」
デジャブを見た気がした。
とりあえず、俺と少年は落ち着きを取り戻し、かくかくしかじかとこれまでの経緯を整理していった。
「んで、魔物の攻撃で湖に落とされた後、お前がその剣で湖を割ったんだよ」
「そんなバカな、僕全然覚えてないよ。」
まあ、俺も意識朦朧としてたし、俄かに信じられないけど。
「あのぉ、そろそろよろしいでしょうか?」
水色ドレスの女性が恐る恐る話に加わろうとする。
「「どうぞ」」
その言葉に気を良くしたのか、明るい表情で自己紹介を始めた。
「私はこの湖の精霊ビビアンと申します。古の命により、再び悪魔の時代がこの世界に訪れた時、新たな勇者が現れるその日まで大聖剣エクスカリバーを守っておりました。」
その名前を聞いた俺は訪ねた。
「エクスカリバーって、昔勇者が振るったとされる伝説の?」
「その通りです」
(確かエクスカリバーは決して折れずこぼれず、千の光を集めたような輝きを放ちながら、あらゆるものを両断したという。それなら湖を割ったことにも説明がつく。)
伝承を暗記していた俺は、ビビアンと名乗る精霊の話に信憑性があることを理解した。
しかし待てよ、それが本当だとしたら。
「じゃあ、僕がその新しい勇者だって言うの?」
「またしても、その通りです。」
一度に衝撃の事実を告げられたせいか、俺たちは放心状態となってしまった。
(こんなひよっこ少年騎士が勇者だって、世も末かも知れないな…)
そんなことを思いつつ少年を見ると、顔が真っ青になって息を切らしていた。
「おい、どうしたんだ?」
「何か、どっと疲れが…」
「いけない!魔力切れによる虚脱症状よ!」
「魔力切れ?」
「大聖剣は確かに強力ですが、その分だけ多くの魔力が消費されるのです。すぐに治療しないと、このままでは彼の命が危険です。」
治療と言われても魔力は通常、余力を残した状態で睡眠をとることで回復できるが、全て使い切ったとなると、魔法病院等ですぐに適切な処置をとる必要がある。しかし、ここから病院までかなりの距離がある。急いでも二日はかかるだろう。
「私には魔力を送る力はありませんし、一体どうすれば…」
その時、俺は魔女の用いる魔法の中に『チューニング』があったことを思い出した。
そのチューニングは、『動植物に自分の魔力を口づけで与えることで、その動植物の思考を乗っ取り自在にコントロールする。』というもの。全国に発生した魔物の大量出現の元凶ともいうべき魔法だ。
つまり、このチューニングを使えば、魔力切れの少年を救えるということだ。
しかし、これを行えば俺は本当に魔女の仲間入りをしてしまう。倒すべき対象だった『魔女』にだ。
そうこうしているうちに、少年の顔はひどく青ざめていく。
もはや一刻の猶予もない。
俺は少年を助けるために今日まで封印してきた魔女の力を使うことにした。
「少しの間、我慢しろ…」
俺は少年の唇にキスをした。本来は呪文がいるのだが、それはコントロールを得るためのものだから、魔力注入だけが目的ならキスだけでいいのだ。
それから合間をとりながらキスを続けて、数分後。
「ん、んんっ…」
真っ青だった少年の顔に生気が戻って、ほんのり赤く染まっていく。
(よし、うまくいったぞ。)
俺は唇を離し、様子をうかがった。
「はあ、はあ、はあ…」
少年が苦しそうだが、少なくとも虚脱から回復はできたようだ。後は安静にしていれば自然と眠気が出て、魔力は回復していくだろう。
俺はひとまず安心して、少年の頭を撫でた。
(それにしても、結構可愛い顔してるよなぁ…)
改めて少年の顔を見つめてみると、黒髪に黒目であどけない顔立ちであり、どちらかと言えば女の子のようにも見える。
そんな美少年が顔を赤く染め、息を切らし苦しみ臥せる様を見つめていると、俺の身体がどんどん熱くなり、疼き始めた。
(急にどうしたんだ…? こんなの初めてだ…)
俺の鼓動は速くなり、疲れてもいないのに息が切れていく。
そうだ、この時の俺は気づいていなかった。一部とはいえ魔女の力を使ったことにより、俺の精神に変調をきたしていたということを。その変調と今の状況が重なりあい、『ショタコン』というステータスが加えられてしまったのだ。
「あれ…僕は…一体?」
少年は涙目になりながら不安げな表情でこちらを見た。
その時、俺の中で、カチンと、変なスイッチが、入る音がした。
「かぁわぁいいいいいよおおおお(えっ!!何だこの声!?俺が出してるのか?)」
この時の俺には、もう自分でもどうすることできなかった。
俺の意思を無視して、身体は勝手に少年の唇を奪い、口の中に舌を入れて掻きまわした。
「んっ!? んんんっ!」
驚いた少年は暴れ出した。
「あんっ、暴れないでぇ…気持ちよくしてあげるから…(止めろ俺!!男とキスなんて!!!)」
正気の俺だったら絶対に言わない甘ったるい声だ。
少年は身体を離そうとしたのか、俺の胸をアーマーごと押し出してきた。
「あんっ、なあにぃ、そんなにおっぱいほしいのぉ?(明らかに拒絶してるだろ!)」
俺は上半身を起こして背中の金具を外した。すると、自慢の爆乳がブリュンと弾け出た。
少年は目を見開いて固まってしまった。
俺は少年の手を取って揉ませてあげた。
「ほーら、俺のおっぱい、柔らかいでしょ(うわあ、止めろって俺!)」
少年の方も理性が外れたのか、すごい力で俺を押し倒し、おっぱいにしゃぶりについてきた。母乳を求める赤子のように。
「やんっ…、おっぱいぃ、あん(お前もかよぉ!!)」
俺はその少年を見てると、愛おしくて堪らなくなった。
(うぅ、何だよこの感覚、まさか…これが、母性愛って奴か?)
身体がどんどん熱くなる。
すると、胸の奥から何かがせり上がってくるのを感じた。
(いや、何これ…乳首の先が変な感覚に…)
そこで少年が胸の先を強く吸いついた時だった。
「んぐっ!」
乳首から白い液体が放出され、少年の口を満たしていった。
「あああん、出てる、いっぱい(これって、母乳か? バカな俺は妊娠してない、はずだ…!!)」
身に覚えのないことに戸惑っている時、あることを思い出した。
魔女が魔法の薬を作る時、自身の魔力を『魔乳』に変えて材料にするという。
「私の、おっぱい(じゃあ、これが魔乳なのか? 確かに魔力を感じるけど…)」
俺はいつのまにかそれを舐めていた。その味はほんのり甘くて病みつきになりそうだった。
「んぐ、んん…ぷはぁっ…」
少年は口の中の魔乳をおいしそうに飲みほしていた。
その仕草が可愛いと思っていた矢先、少年がギラギラした目でこちらを見ているのに気がついた。
それはまるで、発情した雄が雌を見るような獣の目。
そういえば、魔乳の材料となる薬は『媚薬』…。
「えっと、そろそろ終わりに…」
その雰囲気に圧倒されたのか、自分を取り戻した俺は一歩後すざりした。しかし、少年はすごい勢いで俺の身体を押し倒してきた。
少年の身体が密着すると同時に、俺の太ももに当たる懐かしい感触があった。
少年が腰を動かす度に、熱くて硬い『あれ』を柔らかい太ももに擦りつけくる。
「ま、待てっ! 離れろ!! ダメだったら…」
俺の必死の抵抗も空しく、少年は俺の身体にに乗り上げ、俺の唇にキスをしてきた。
「くちゅっ、ちゅっ」と少年は俺の口の中にしたを入れてきた。しかも、口の中に残ってたさっきの魔乳も一緒に流れ込んでくる。
すると、頭がトローンとして身体の力が抜けていく。
治まりかけた身体の疼きもぶり返してきてしまった。
その隙に少年は俺の下半身のアーマーを脱がしてきた。
「止め、ろ、やあああ…」
俺は夢中で抵抗し、四つん這いになって逃げようとしていた。
しかし、少年は逃がさないように俺の腰を掴み、熱く硬い肉棒を秘唇の中に挿入させてきた。
「ひゃあっ、あん!」
まだ小さく未熟だが、俺の処女を通過するには十分だった。
痛みはあったが、魔乳のせいか心地よい痛みだった。
「ふあっ・・・、らめぇ・・・」
俺の言葉を無視し、少年は腰を打ちつけてくる。
「ひっ、ひゃあ・・・、あん、ああっ」
未熟な肉棒ながら、力強いピストン運動に感じてしまう。
ところが、三分と経たない内に少年は果ててしまった。
「うぅっ!!」
「ひんっ(えっ、もうイっちゃったの?)」
俺は呆気なさと物足りなさを感じた。
そんな時だった、少年の肉棒が衰える所か、太さと長さを増していき、俺の中を押し広げていく。
「あっ・・・。」
少年は凄い力で俺を仰向けにして、胸に顔を押し付けてきた。そして、胸に吸いついてにじみ出ていた魔乳を飲み始める。
それに呼応するように肉棒が熱く、大きくなっていく。
少年は再び腰を動かし、俺の中を突き破るように打ちつけてくる。
「あう!! ひあ・・・、やん、やあん。」
打ちつけくる度に、俺の理性はそぎ落とされるようだった。
「ひっ、らめぇ、きちゃうぅ・・・。」
少年は魔乳を吸いながら、空いた片方の胸を鷲掴みにして揉みしだいていく。
上と下を同時に激しく責められ、俺は限界を迎えた。
「あっ、ああああああっ!!」
俺が絶頂を迎えると同時に、熱い何かが俺の中に放たれた。
----------
あれからどれくらい経っただろう。
俺は目を覚ますと、朝日が射しこんでいた。
どうやら、あの後眠ったらしい。
俺は起き上がろうとするが、身体が妙に重いことに気がつく。
視線を下にやると、少年が俺を離さないように身体にしがみついていたのだ。
(そうだった、俺はこいつと…)
「お楽しみでしたねぇ。」
後ろからの声に驚いた俺だが、ビビアンに口を塞がれて声が出せなかった。
「まだ寝てるんですから、起こしちゃかわいそうですよ。」
「み、見てたのか?」
「はい。それはもう二人とも激しく・・・。」
ビビアンは恍惚の表情を浮かべながら、はあはあと言った。
「ああ、良いですね。『元男』が少年を犯し、挙句の果てに獣欲かられた少年に逆に犯される。ああ萌えますねぇ・・・。」
(こいつ、貴婦人のようで中身が「腐」ってる)
その時、俺はビビアンのセリフに気がついた。
「お前、俺のこと!」
「はい。存じ上げております。 強力な魔法ですね。」
「この魔法のこと知ってるのか? 解除の方法も?」
「それをかけた魔女を倒さない限りは解けることはないかと…」
「っ?!、今何て?」
耳を疑うような発言に俺は聞き直した。
「ですから、その呪いをかけた魔女を倒さない限りはその呪いは解けません。」
「魔女なら倒したぞ、あのモルガン・ルフェイを!?」
俺は呪いをかけて死んだはずの張本人の名前を叫んだ。
「いいえ、彼女はまだ生きています。あなたが倒したのは偽物だったのでしょう。その呪いは術者が生存する限り溶けませんし、はびこっている魔物たちも元の動物に戻るはずです。」
ビビアンは真剣な表情を見て、俺はとんでも見落としをしていたことに気がついた。
確かにモルガンを死んだというのに、彼女に操られた魔物たちがまだ活動しているのはおかしい。
「彼女こそ、悪魔復活を企み、その身を闇に落とした魔女。もはや大聖剣の光無くして完全に倒すことは不可能なのです。」
「じゃあ、本当にあいつは生きてるのか?」
「ええ、この世界のどこかに・・・」
「んん・・・、ふぁああ」
俺とビビアンの間に、シリアスな場面に不釣り合いな欠伸が響いた。
少年が起きて、目を擦りながら起き上がった。
「お、おはよう。」
「おはようございます、勇者様。」
こうして、俺と少年は互いに全裸のままの挨拶で朝を迎えるのだった。
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その後、俺達はビビアンに別れを告げて湖を後にし、近くの町へとたどり着いた。
宿を探しながら歩いている間、周囲の視線が気になって仕方なかった。
とくに胸と尻に注がれているそれには、男として絶えられないものを感じている。
こんな扇情的な恰好しているからには仕方のないことだが、やっぱりこの視線には慣れない。
(速く宿を見つけないと、面倒なことになりかねないな。)
身の危険を感じた俺は、少年を連れて身を隠すようにさびれたホテルに入った俺は、シャワーを浴びて疲れを癒した。
「調子はどうだ?」
バスタオルを身体に巻いて浴室から出た俺は、ベッドで座り込んでいる少年に声をかけた。
「はい、なんとか…。」
少年は、最初に会った頃と違って随分と潮らしくなっていた。
生意気な感じと違って、こっちの方がかわいらしく感じるが。
「それにしても、お前が大聖剣の勇者ね、でかい話になってきたな…。」
話の規模は本当に壮大だ。俺を狙った少年は大聖剣の勇者になったり、殺したと思っていた魔女が生きていたり、と重大なことが一度に直面して、正直実感がわかない。
「で、これからどうするか?」
俺は少年に目をやると、その顔は浮かない表情をしていた。
「本当に、僕なんかが勇者になって、いいんだろうか…。 『落ちこぼれ』の僕が…。」
「どういうことだよ?」
俺は少年に事情を聞いてみると、どうやら少年は騎士学校では落ちこぼれの劣等生として蔑まれていたらしい。孤独と絶望から塞ぎ込んでいた所に手を差し伸べてくれたのが、マリク先輩つまりは俺だったのだ。自分が騎士になれたのも先輩の存在が大きかったらしい。
俺が魔女に殺されたことを知り、その敵討ちをするために夢中で飛び出したのだという。
(そういえば出来の悪い後輩の指導役を命じられたこともあったな。あの時の後輩は、こいつだったのか。)
俺が学校に在籍していた頃の話だから、四・五年くらい前になるからすっかり忘れていた。
懐かしい思い出に浸っていると、少年が泣き出した。
「お、おい、どうした?!」
「僕には、勇者になる資格なんて、無いんだ。 先輩の敵に助けられる有様だし…。」
潮らしくなったと思ったら、今度はいじけ出したよ。
「もう、騎士になんて辞めた方がいいのかも…。」
その言葉を聞いた瞬間、俺の脳裏に昔の記憶が呼び覚まされた。それは今まで忘れていた、騎士学校での少年と過ごした日々、そして脳裏に焼きついた『あの言葉』。
思い出した瞬間、俺は少年の肩を掴み、互いに向き合った。
「何言ってんだ! そりゃ昔のお前は落ちこぼれだったけど、『騎士になりたい』っていう思いは誰にも負けてなかっただろう!!」
騎士学校で落ちこぼれなのは少年だけの話ではない。
競争率の高い騎士学校では、成績の悪い生徒は強い者だけが生き残れる実力主義の現実に絶望し、次々とやめていくからだ。
しかし、こいつだけは違った。絶望こそしていたものの、決して学校を出ていくことはしなかったのだ。
「『弱き人を護る騎士になるのが夢なんだ。どんな辛くても責められても夢を諦めたくない。』って、そう言ったのはお前だろう!!!」
「どうしてそのことを? それを知ってるのはマリク先輩だけのはず…。」
「結果はどうあれ、お前は騎士になれたんだろう?だったら胸を張れ。今度辞めるなんて言ったら許さないぞ!!」
「ご、ごめんなさい。」
クールをモットーにする俺としたことが、随分と熱くなってしまった。
いや熱くなるべきだった。なぜなら騎士学校の現実に染まっていた俺に、騎士としての本分を思い出された場面でもあったからだ。
俺の叱咤が効いたのか、少年の顔に少しだが明るくなっていた。
しかし、まだ陰りがある。不安をぬぐいきれない表情だ。
一介の騎士から大聖剣の勇者になってしまったのだから、不安にかられるのは無理もないだろう。
(何か元気づける方法はないだろうか?)
俺はそんなことを考えていると、急に寒気に襲われた。
シャワーを浴びてからずっとバスタオル一枚で過ごしているのだから、寒くもなる。
(えーい、こうなったら…。)
俺はバッとタオルを外した。
その拍子に、胸がブルンと大きく揺れる。
「うあ…!」
その様子を至近距離で見ていた少年は、驚きの声をあげる。
俺はそのままベッドに乗り出し、俺は一糸纏わぬ姿で、少年を誘惑する。こういう時は女の身体が一番の癒しになるはずと思ったからだ。
「ほら、来いよ。思う存分好きにしろ。」
「えっ!?」
後先考えずに出した突拍子のない案だったとはいえ、なんとも色気のない誘惑で最初から失敗したと我ながら思う。
少年の方も開いた口が閉まらない状態で固まっていた。
しかし、今ここで引き下がったら何か失いそうな気がする。
「自慢したくはないが、スタイルには自信があるんだ。そこらの高級娼婦にだって負けないくらいのいい身体だぞ。」
もう自分でも何言ってるのかわからない…。とにかくこいつに抱かれなければという使命感だけが俺を動かしていた。
「えっ、でも…。」
少年は顔を真っ赤にしてためらっている。
(よし、脈が出てきたぞ。)
「何いまさら恥ずかしがってんだよ。湖では獣のように貪ってきて何度も声を上げさせたくせに…。」
「ええっ!!だってあの時は、うぐっ…。」
俺は少年の顔を胸に押しつける。そして、力ずくで少年の服を脱がしにかかる。
「お前が来ないなら、俺からやってやる。」
俺は少年の服を脱がしていき、ズボンを下ろした時、少年の肉棒が現れた。
(ためらってた割に少し勃ってるじゃないか。心なしか湖で見た時よりも大きくなっているような…。)
俺はそう考えながらマジマジと少年の肉棒を見つめた。
「あ、あの…。」
少年は恥ずかしさのあまり顔を赤くしている。
「あっ!悪い悪い。(おっと考え込んでる場合じゃないな)」
俺は気を取り直して、その未成熟な肉棒をしゃぶり始める。
「うぁっ、ちょっ、と。」
震える少年を余所に、俺はチュパチュパと音を立てながら続けていく。
俺の動きに呼応したのか、肉棒はどんどん大きくなり、熱を持つようになっていく。
「気持ちいいか、アーサー?」
「は、はい…。」
少年は身もだえしながら答える。
俺は肉棒を根元から先端に沿ってレロレロとなめていく。
「もっと、気持ちよくしてやるからな。」
俺はそう言いながら、柔らかい胸で肉棒を挟んだ。
「ううっ。」
少年はまた身もだえる。
(挟まれてる方が気持ちいいのは確かだろうけど、挟んでる胸の方もなんだか…。)
両胸から伝わってくる肉棒の熱に、俺はゾクゾクしてしまう。
「上手、ですね。その、経験たくさん、あるんですか…?」
少年はハアハアと息を切らしながら聞いてきた。
「俺がヤリマンみたいな言い方して失礼な奴だな。この身体で経験したのはお前が初めてだし、自分からしたいと思ったのもお前が初めてだぞ。」
「でも、どうして僕なんかと…!!!」
少年の話す途中で俺は肉棒をチュウウっと強く吸いつく。
そして、口から肉棒を離した。
「お前は自分が思ってるほど男として悪くないぞ。だからもっと自信を持て。」
「えっ!!」
少年は俺の台詞にひどく驚いた様子だった。
俺は少年は寝かせると、硬くなった肉棒がそびえたった。
「あ、あのぉ…!?」
戸惑う少年に跨り、俺の秘唇を肉棒に合わせていく。
俺自身の鼓動が速くなっていく。少年に聞こえてしまうのでは思うくらいドクンドクンと響いている。
「イれるぞ、アーサー。」
そう言いながら俺は腰を沈めていく。
クチュッと音が鳴り、ヌルッと少年の肉棒がゆっくりと俺の中に入っていく。
(あっ、気持ちいい…。アーサーのが押し広げて、入ってくる…。)
湖の時とは違う快楽が伝わっていく。
「うっ、んんん…」
少年は声を殺してはいるが、気持ちいい事に変わりないだろう。
全部入った時には、奥に何か当たる感覚があった。
俺は少年に覆いかぶさると、柔らかい胸が少年の痩せた胸に押しつぶされていく。
「う、動くぞ。」
「は、はい。」
俺は腰を上下に動かしていくと、クチュクチュと音が鳴っていく。
「あん。ああん…。(お腹の中、あっつくてたまんない。)」
「うあ、僕も、限界、かも。」
「もう、ちょっとは、我慢してよ…。俺より先にイったら許さないから、なぁ。」
「そんなぁ…。」
俺は腰を強く落としていき、ベッドをギシギシいわせていく。
「お願い、おっぱいしゃぶっていいから。もっともっと気持ち良くしてぇ…。」
すると、少年は無我夢中で俺の胸にかぶりついてきた。
「ああん…。そう、それ、いい、ああ…。」
股間だけでなく、両胸からも伝わってくる快楽の波が俺を絶頂にいざなっていく。
「俺も、もう限界。アーサー、一緒にイこう。」
俺は飛びかけている意識の中で、そう言いながら少年にキスをした。
そして、俺の中で熱いものが放たれると同時に、俺の視界は真っ白になってしまった。
----------
翌朝、少年はすっかり元気を取り戻していた。
出発のため、俺はアーマー装備していた時だった。
「あの、あなたは本当にマリク先輩、なんですね?」
少年は半信半疑で質問してきた。
「何だよ、まだ信じられないのか?」
「いいえ、さっきの話といい、『もっと自信を持て』っていう言葉を聞いて、マリク先輩を感じたんです。」
そういえば、少年を指導していた時もその言葉をよく言っていた。
(だから、あの時強く反応したのか。)
そう思い出している内に、俺達は支度を終えてホテルを出た。
「じゃあ、これでお別れだな。」
「えっ!?」
少年は俺の言葉に驚いていた。
「当然だろう。俺は仮にも魔女。お前は大聖剣の勇者。一緒にいていいはずがないだろう。」
「それは、でも…。」
少年は顔をふせていく。
「僕は騎士に勇者になったからって、まだ皆からは下っ端扱いだし、魔物との戦闘だって足手まといだったし、このままじゃ旅に出てすぐに死んでしまうのが落ちです。だから…!!」
少年は膝をついて、両手と頭を地面につけた。簡単に言えば土下座だ。
「もう一度、僕を鍛えてください、マリク先輩。」
しばらくの静寂、それを終わらせるため、俺は口を開いた。
「俺の指導は厳しいのは知ってるな。勇者になったからって手加減はしないぞ。」
その言葉に少年は顔を上げて、満面の笑顔を浮かべた。
「ありがとうございます、マリク先輩。」
「なあ、アーサー。」
「何ですか、マリク先輩。」
「その名前で呼ぶのやめてくれないか…。」
「なぜです?」
「王国の間では、俺死んだことになってるんだろ?」
「はい、魔女に殺されたと。あっ!生きていたことを王国に伝えた方が。僕が証人になって皆を…。」
「いや、ダメだ。せめてもとに戻るまで待ってくれ。」
「??」
「不覚をとって魔女にされたなんて話が出回ってみろ。俺の家名に傷がつく所か、家族が魔女狩りの標的にされるだろ。」
各地で行われている魔女狩りの過激さはよく耳に届いている。ひどい話では村一帯を人もろとも焼き払ったということだ。
「では偽名として、『マーリン』というのはどうですか?」
「ああ、それでいいよ。せめて元の姿に戻るまではそう呼んでくれ。あと先輩も付けなくていい、俺たちはもう学生じゃないんだしな。」
「はい、ではこれからもよろしくお願いします。マーリン。」
笑顔で答える少年に思わず、ドキッとしてしまう。
(何?今のドキッて、まさかこいつにときめいたのか。男のこいつを。そんなバカな、いやでも、よく考えてみればこいつに貞操を奪われてるよな、それどころか…。)
といった具合に自問自答を繰り返す俺は、心も徐々に女になっていくことに気づき、早く元に戻ろうと決意を改めるのだった。
こうして、魔女になった俺・マリク改めマーリンと、勇者になった後輩・アーサーの旅が始まった。
「悪魔」と呼ばれた彼らは、殺戮と破壊を好み、邪悪な魔法で多くの人々を苦しめていったのである。
その惨劇を嘆いた神は、聖なる光を宿した剣を一人の勇者に託したのだった。
後に「大聖剣エクスカリバー」と名付けられる剣を振るった勇者は激戦の末に悪魔達を異次元の彼方に封印することに成功し、神はその封印を見守らせるために地水火風、そして光を司る五体の大精霊を派遣することで、アヴァロンに本当の平和が訪れた。
それから千年もの時が流れ。
平和な時代を築いていたアヴァロンに、悪魔の復活を企む魔女モルガン・ルフェイが現れ、各地の動植物を魔法で魔物に変えた。
襲いかかる魔物たちを相手に国中の戦士たちが奮闘する中、一人の青年騎士が王宮に潜んでいた侍女の正体が魔女モルガンだと暴きだし、彼女を打倒したのだった。
すると、魔女モルガンは甲高い声で笑いながら、呪文を唱え始める。
青年が首を切り落としてもそれは止まることなく続き、首だけのまま俺を見て言った。
「見事だ。これは私からの褒美だよ。」
次の瞬間、魔女の身体が塵となって消えていくと、その塵が青年の身体に纏わりついてくる。
死に際の悪あがきかと、青年は塵を払いのけていく。
やはて、全ての塵が消え去り、青年は勝利を確信した時だった。
「くそ、何だこれは?身体が焼けるように熱い。どんどん胸が苦しくなって。」
苦しさのあまり青年は胸部のアーマーを外すと、ポヨンっと大きな二つの腫れが飛び出した。
「なっ、何だこれ!!か、身体が??」
青年が取り乱す内に、身体の変化は進んでいった。
鍛え上げられた身体はどんどん細くなり、装備が重くなっていくのを感じる。
胸の腫れも大きくなり、硬く逞しかった胸板には大きくて形のよい柔らかな乳房ができていく。
尻は成熟した桃のように大きくなり、そこから伸びる細長い足も肉感を増してインナースーツに締め付けられいく。
短かった髪は、人を絡め取るような長くウェーブのかかった長髪に。
低かった声は、甲高く甘い声へと変わり、股間にあった男の象徴が消失してしまっていた。
こうして、魔女の死に際に放った魔法により、青年騎士は新たな魔女として生まれ変わってしまったのだ。
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この身体になって、どれほどの月日が経っただろうか?
俺は味方だったはずの騎士団だけでなく、魔女狩りなどといった様々な組織から狙われ続ける身になってしまった。
今はその刺客達の襲撃をかわしながら、呪いを解く方法を探す旅をしている。
旅の途中で綺麗な湖を見つけた俺は旅の疲れを癒すため、水浴びをすることにした。
装備を脱ぎだすと、大理石のようなきめ細かな白い肌、豊満と淫猥を体現しているようなエロティックな長身のボディラインが露わになる。
(男なら飛びつきたくなるような『極上の女』だろうけど、まさか自分がそれになってしまうとは。)
俺はそう思いながら、深いため息をついた。
「早く元に戻りたいなぁ。」
これまで魔法を解くために各地を放浪してきたけど、魔法を解く方法が一向に見つからず、それどころか魔物を倒していくことで腕を磨いていく俺は、同時に魔女としてさらなる成長を遂げてしまっている始末だ。
(まあ、落ち込んでても仕方がない。さっさと身体洗って休もう。)
俺はそう思って湖にゆっくりと足をつけ、座り込むことで肩まで浸かった。
すると、胸の爆乳がプカーっと浮いて二つの島が出来上がった。
「…しかし、我ながらでかいよ…なぁ…」
この身体になって随分経つが、いつも見ても立派なものだと見惚れてしまう。腕で抱え込むと、むにゅうっと形を変えて、程よい弾力が腕や胸に伝わってきた。
(ああ、気持ちいい…。)
ムラムラしてきた俺は、熱くなってきた股間に手を伸ばそうとした時だった。
「そこのお前!」
突然誰かの声がかかって驚いた俺は、理性を取り戻し、声がした方向に目をやる。そこには俺より年下の少年が立っていた。
「お前が王国から逃げた魔女だな!ついに見つけたぞ。僕はアーサー。王国騎士としてお前を退治する!」
威勢よく叫ぶ少年は、俺の裸体に赤くなりながらもしっかりと剣を手に構えていた。
手に持ってる剣は、王国の一般騎士に普及されているものだ。
(騎士っていうのは本当らしいな…でもまだまだだな。)
これでも俺は元士官クラスの騎士。女になったとは言え、年下相手に負ける気などしなかった。
数十分後。
「はあ、はあ、はあ、くっくそ、ちゃんと…戦えよ」
少年は果敢に挑んでくるが、若さゆえに太刀筋が甘く、見切りやすい。しかも、俺の裸体に見惚れてるせいか、剣に勢いが無くなってきている。
「ほらほら、そんなじゃ虫一匹殺せないぞ。」
「うっ、くそ、くそっ」
とうとう力尽きたのか、少年は膝をついてしまった。
「はあ、はあ、はあ、こんな所で…躓くわけには…」
俺は何やら思いつめた表情で悔しがる少年を見て、何か事情があるのかと察していると、少年の後ろの影に気づく。
「危ない!!!」
「えっ?」
俺は少年を抱え、影からの攻撃をかわしながら荷物を持って森の中に隠れる。
どうやら逃げ切れたらしく、少年を座らせ、着替えを済ませることにした。
「何で助けたんだよ…魔女の癖に!」
「あのままじゃ、お前死んでたぞ。」
「助けなんて頼んでないだろ…!」
「じゃあ、あのまま死んだ方がよかったと?」
「俺の憧れの人を、マリク先輩を殺した奴に助けられるよりはマシだ!」
マリク、久しぶりに聞いた自分の名前だ。
(そうか、王国では俺は殺されたことになってるのか。)
「仇を取るつもりで挑んだのに、逆に助けられるなんて…。」
少年はあまりに悔しかったのか、涙を流し始める。
(先輩ってことは、こいつは騎士学校の後輩か?)
「その先輩が生きてると知ったら?」
「えっ?どういうことだよ!」
「俺がそのマリク先輩だからだよ…。」
「でたらめ言うな!そんな分けないだろ!」
俺の告白に驚くことなく少年は一蹴した。まあ、当然と言えば当然か。
俺は着替え終わり、少年の前に立った。
「先輩は男だぞ。そっ、その身体のどこが男だよ!」
そう言われて俺は自分の身体を見下ろしてみた。
ビキニアーマーに支えれた爆乳は見事な谷間を、細いウエストと豊満なヒップからは見事なくびれを作り出している。
(確かにこの身体で男と言い張るのは無理か…)
俺はこれまでの経緯を丁寧に説明したり、俺が昔から使っている剣を見せたりしたが、結局少年には信じてもらえなかった。
その時、俺は異様な気配に気づいた。
「どっ、どうしたんだよ?」
「静かに、さっきの奴かもしれない!」
その言葉に少年は震えながらも剣を構え出した。そして、巨大な影が近付いてきた。
やっぱり、さっきの魔物だった。
「お前、さっきの湖まで走れ」
「何でさ? あんなやつ僕が…」
「こんな木が生い茂った場所で剣が満足に振れるか?しかもお前、震えてるじゃないか。」
確かに威勢はいいが、その割には足はガクガクとしていた。
「俺が引きつけるから、湖に向かえ。早く!」
少年は黙って湖の方に走り去る。
「さてと、こっちだぜ、魔物!」
俺は剣で魔物の攻撃を防ぎながら、魔物の注意を引きつける。
魔物は図体がでかい割に素早く、不意を突かれて攻撃を受けたが、このビキニアーマーは肌の露出は多いものの、俺の魔力に反応して皮膚の表面に頑丈な防壁を作るため、それほどの大きいダメージじゃない。
ちなみにこのアーマーは女体化して間もない頃、着るものに困っていた所を怪しい商人から買ったものだ(金代わりに俺を犯そうとしてきたが、返り討ちにして強姦未遂で警官につき出した)。
何とか湖から離せるまで引きつけることができた。しかし、魔物はもう一体いたという誤算があった。
二対一で引きつけるどころの話では無くなった俺は逃げ回るしかなかった。そして、さっきの湖まで追い詰められてしまった。
「迂闊だった。どうすれば…」
長旅の疲れが出たせいか力が入らない。このまま、死んでしまうのかと、覚悟した時だった。
「やめろっ、魔物!」
少年が魔物一体に攻撃を仕掛けた。しかし、効いてる様子はない。
「お前、何してる?!」
「湖で待ってたら、お前が吹っ飛んできただよ。魔物に仇を横取りされてたまるか!」
威勢はいいがまだ足が震えてるぞ。これは思わず出てきたって感じだな。
さっきの攻撃で気を悪くしたのか、魔物の一体が襲いかかってきた。
俺は咄嗟に少年を庇ったが、渾身の一撃だったのだろう。
俺は少年ともどもは吹き飛ばされ、湖の中心に落ちてしまった。
(くそ、身体がうまく動かない…)
予想以上のダメージで俺は満足に泳ぐことができない上に、少年の方も気絶している。
このまま、溺死するのかと思った矢先だった。
少年の手に光輝く剣が現れ、その刃から放たれる凄まじき斬光が水面を貫いた。
湖は半分に割れ、それを見ていた魔物たちは逃げ出していく。
あまりの出来事に驚きながらも、その直後に俺も気絶してしまった。
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あれからどれくらいたっただろう。
気がつくと、湖の前で少年の横で寝かされていた。
さっきの魔物もいない。
もしかして、魔物に襲われたのは夢だったのかと思いきや、まだ眠ってる少年の手にさっきの剣が握られていた。
どうやら夢ではなかったらしい。
「これは、一体?」
「神が造りし大聖剣エクスカリバーです。」
「!?」
女性の声に驚いた俺の前には、透き通るような水色のドレスを着た女性がいた。
「ん、何だよ。一体?」
俺の声で少年は目覚ました。すると、自分の手に握られた剣に驚く。
「あれ?何だよ、この剣。」
「ですから、大聖剣エクスカリバーです。」
「うわああっ!、誰だよあんた?」
デジャブを見た気がした。
とりあえず、俺と少年は落ち着きを取り戻し、かくかくしかじかとこれまでの経緯を整理していった。
「んで、魔物の攻撃で湖に落とされた後、お前がその剣で湖を割ったんだよ」
「そんなバカな、僕全然覚えてないよ。」
まあ、俺も意識朦朧としてたし、俄かに信じられないけど。
「あのぉ、そろそろよろしいでしょうか?」
水色ドレスの女性が恐る恐る話に加わろうとする。
「「どうぞ」」
その言葉に気を良くしたのか、明るい表情で自己紹介を始めた。
「私はこの湖の精霊ビビアンと申します。古の命により、再び悪魔の時代がこの世界に訪れた時、新たな勇者が現れるその日まで大聖剣エクスカリバーを守っておりました。」
その名前を聞いた俺は訪ねた。
「エクスカリバーって、昔勇者が振るったとされる伝説の?」
「その通りです」
(確かエクスカリバーは決して折れずこぼれず、千の光を集めたような輝きを放ちながら、あらゆるものを両断したという。それなら湖を割ったことにも説明がつく。)
伝承を暗記していた俺は、ビビアンと名乗る精霊の話に信憑性があることを理解した。
しかし待てよ、それが本当だとしたら。
「じゃあ、僕がその新しい勇者だって言うの?」
「またしても、その通りです。」
一度に衝撃の事実を告げられたせいか、俺たちは放心状態となってしまった。
(こんなひよっこ少年騎士が勇者だって、世も末かも知れないな…)
そんなことを思いつつ少年を見ると、顔が真っ青になって息を切らしていた。
「おい、どうしたんだ?」
「何か、どっと疲れが…」
「いけない!魔力切れによる虚脱症状よ!」
「魔力切れ?」
「大聖剣は確かに強力ですが、その分だけ多くの魔力が消費されるのです。すぐに治療しないと、このままでは彼の命が危険です。」
治療と言われても魔力は通常、余力を残した状態で睡眠をとることで回復できるが、全て使い切ったとなると、魔法病院等ですぐに適切な処置をとる必要がある。しかし、ここから病院までかなりの距離がある。急いでも二日はかかるだろう。
「私には魔力を送る力はありませんし、一体どうすれば…」
その時、俺は魔女の用いる魔法の中に『チューニング』があったことを思い出した。
そのチューニングは、『動植物に自分の魔力を口づけで与えることで、その動植物の思考を乗っ取り自在にコントロールする。』というもの。全国に発生した魔物の大量出現の元凶ともいうべき魔法だ。
つまり、このチューニングを使えば、魔力切れの少年を救えるということだ。
しかし、これを行えば俺は本当に魔女の仲間入りをしてしまう。倒すべき対象だった『魔女』にだ。
そうこうしているうちに、少年の顔はひどく青ざめていく。
もはや一刻の猶予もない。
俺は少年を助けるために今日まで封印してきた魔女の力を使うことにした。
「少しの間、我慢しろ…」
俺は少年の唇にキスをした。本来は呪文がいるのだが、それはコントロールを得るためのものだから、魔力注入だけが目的ならキスだけでいいのだ。
それから合間をとりながらキスを続けて、数分後。
「ん、んんっ…」
真っ青だった少年の顔に生気が戻って、ほんのり赤く染まっていく。
(よし、うまくいったぞ。)
俺は唇を離し、様子をうかがった。
「はあ、はあ、はあ…」
少年が苦しそうだが、少なくとも虚脱から回復はできたようだ。後は安静にしていれば自然と眠気が出て、魔力は回復していくだろう。
俺はひとまず安心して、少年の頭を撫でた。
(それにしても、結構可愛い顔してるよなぁ…)
改めて少年の顔を見つめてみると、黒髪に黒目であどけない顔立ちであり、どちらかと言えば女の子のようにも見える。
そんな美少年が顔を赤く染め、息を切らし苦しみ臥せる様を見つめていると、俺の身体がどんどん熱くなり、疼き始めた。
(急にどうしたんだ…? こんなの初めてだ…)
俺の鼓動は速くなり、疲れてもいないのに息が切れていく。
そうだ、この時の俺は気づいていなかった。一部とはいえ魔女の力を使ったことにより、俺の精神に変調をきたしていたということを。その変調と今の状況が重なりあい、『ショタコン』というステータスが加えられてしまったのだ。
「あれ…僕は…一体?」
少年は涙目になりながら不安げな表情でこちらを見た。
その時、俺の中で、カチンと、変なスイッチが、入る音がした。
「かぁわぁいいいいいよおおおお(えっ!!何だこの声!?俺が出してるのか?)」
この時の俺には、もう自分でもどうすることできなかった。
俺の意思を無視して、身体は勝手に少年の唇を奪い、口の中に舌を入れて掻きまわした。
「んっ!? んんんっ!」
驚いた少年は暴れ出した。
「あんっ、暴れないでぇ…気持ちよくしてあげるから…(止めろ俺!!男とキスなんて!!!)」
正気の俺だったら絶対に言わない甘ったるい声だ。
少年は身体を離そうとしたのか、俺の胸をアーマーごと押し出してきた。
「あんっ、なあにぃ、そんなにおっぱいほしいのぉ?(明らかに拒絶してるだろ!)」
俺は上半身を起こして背中の金具を外した。すると、自慢の爆乳がブリュンと弾け出た。
少年は目を見開いて固まってしまった。
俺は少年の手を取って揉ませてあげた。
「ほーら、俺のおっぱい、柔らかいでしょ(うわあ、止めろって俺!)」
少年の方も理性が外れたのか、すごい力で俺を押し倒し、おっぱいにしゃぶりについてきた。母乳を求める赤子のように。
「やんっ…、おっぱいぃ、あん(お前もかよぉ!!)」
俺はその少年を見てると、愛おしくて堪らなくなった。
(うぅ、何だよこの感覚、まさか…これが、母性愛って奴か?)
身体がどんどん熱くなる。
すると、胸の奥から何かがせり上がってくるのを感じた。
(いや、何これ…乳首の先が変な感覚に…)
そこで少年が胸の先を強く吸いついた時だった。
「んぐっ!」
乳首から白い液体が放出され、少年の口を満たしていった。
「あああん、出てる、いっぱい(これって、母乳か? バカな俺は妊娠してない、はずだ…!!)」
身に覚えのないことに戸惑っている時、あることを思い出した。
魔女が魔法の薬を作る時、自身の魔力を『魔乳』に変えて材料にするという。
「私の、おっぱい(じゃあ、これが魔乳なのか? 確かに魔力を感じるけど…)」
俺はいつのまにかそれを舐めていた。その味はほんのり甘くて病みつきになりそうだった。
「んぐ、んん…ぷはぁっ…」
少年は口の中の魔乳をおいしそうに飲みほしていた。
その仕草が可愛いと思っていた矢先、少年がギラギラした目でこちらを見ているのに気がついた。
それはまるで、発情した雄が雌を見るような獣の目。
そういえば、魔乳の材料となる薬は『媚薬』…。
「えっと、そろそろ終わりに…」
その雰囲気に圧倒されたのか、自分を取り戻した俺は一歩後すざりした。しかし、少年はすごい勢いで俺の身体を押し倒してきた。
少年の身体が密着すると同時に、俺の太ももに当たる懐かしい感触があった。
少年が腰を動かす度に、熱くて硬い『あれ』を柔らかい太ももに擦りつけくる。
「ま、待てっ! 離れろ!! ダメだったら…」
俺の必死の抵抗も空しく、少年は俺の身体にに乗り上げ、俺の唇にキスをしてきた。
「くちゅっ、ちゅっ」と少年は俺の口の中にしたを入れてきた。しかも、口の中に残ってたさっきの魔乳も一緒に流れ込んでくる。
すると、頭がトローンとして身体の力が抜けていく。
治まりかけた身体の疼きもぶり返してきてしまった。
その隙に少年は俺の下半身のアーマーを脱がしてきた。
「止め、ろ、やあああ…」
俺は夢中で抵抗し、四つん這いになって逃げようとしていた。
しかし、少年は逃がさないように俺の腰を掴み、熱く硬い肉棒を秘唇の中に挿入させてきた。
「ひゃあっ、あん!」
まだ小さく未熟だが、俺の処女を通過するには十分だった。
痛みはあったが、魔乳のせいか心地よい痛みだった。
「ふあっ・・・、らめぇ・・・」
俺の言葉を無視し、少年は腰を打ちつけてくる。
「ひっ、ひゃあ・・・、あん、ああっ」
未熟な肉棒ながら、力強いピストン運動に感じてしまう。
ところが、三分と経たない内に少年は果ててしまった。
「うぅっ!!」
「ひんっ(えっ、もうイっちゃったの?)」
俺は呆気なさと物足りなさを感じた。
そんな時だった、少年の肉棒が衰える所か、太さと長さを増していき、俺の中を押し広げていく。
「あっ・・・。」
少年は凄い力で俺を仰向けにして、胸に顔を押し付けてきた。そして、胸に吸いついてにじみ出ていた魔乳を飲み始める。
それに呼応するように肉棒が熱く、大きくなっていく。
少年は再び腰を動かし、俺の中を突き破るように打ちつけてくる。
「あう!! ひあ・・・、やん、やあん。」
打ちつけくる度に、俺の理性はそぎ落とされるようだった。
「ひっ、らめぇ、きちゃうぅ・・・。」
少年は魔乳を吸いながら、空いた片方の胸を鷲掴みにして揉みしだいていく。
上と下を同時に激しく責められ、俺は限界を迎えた。
「あっ、ああああああっ!!」
俺が絶頂を迎えると同時に、熱い何かが俺の中に放たれた。
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あれからどれくらい経っただろう。
俺は目を覚ますと、朝日が射しこんでいた。
どうやら、あの後眠ったらしい。
俺は起き上がろうとするが、身体が妙に重いことに気がつく。
視線を下にやると、少年が俺を離さないように身体にしがみついていたのだ。
(そうだった、俺はこいつと…)
「お楽しみでしたねぇ。」
後ろからの声に驚いた俺だが、ビビアンに口を塞がれて声が出せなかった。
「まだ寝てるんですから、起こしちゃかわいそうですよ。」
「み、見てたのか?」
「はい。それはもう二人とも激しく・・・。」
ビビアンは恍惚の表情を浮かべながら、はあはあと言った。
「ああ、良いですね。『元男』が少年を犯し、挙句の果てに獣欲かられた少年に逆に犯される。ああ萌えますねぇ・・・。」
(こいつ、貴婦人のようで中身が「腐」ってる)
その時、俺はビビアンのセリフに気がついた。
「お前、俺のこと!」
「はい。存じ上げております。 強力な魔法ですね。」
「この魔法のこと知ってるのか? 解除の方法も?」
「それをかけた魔女を倒さない限りは解けることはないかと…」
「っ?!、今何て?」
耳を疑うような発言に俺は聞き直した。
「ですから、その呪いをかけた魔女を倒さない限りはその呪いは解けません。」
「魔女なら倒したぞ、あのモルガン・ルフェイを!?」
俺は呪いをかけて死んだはずの張本人の名前を叫んだ。
「いいえ、彼女はまだ生きています。あなたが倒したのは偽物だったのでしょう。その呪いは術者が生存する限り溶けませんし、はびこっている魔物たちも元の動物に戻るはずです。」
ビビアンは真剣な表情を見て、俺はとんでも見落としをしていたことに気がついた。
確かにモルガンを死んだというのに、彼女に操られた魔物たちがまだ活動しているのはおかしい。
「彼女こそ、悪魔復活を企み、その身を闇に落とした魔女。もはや大聖剣の光無くして完全に倒すことは不可能なのです。」
「じゃあ、本当にあいつは生きてるのか?」
「ええ、この世界のどこかに・・・」
「んん・・・、ふぁああ」
俺とビビアンの間に、シリアスな場面に不釣り合いな欠伸が響いた。
少年が起きて、目を擦りながら起き上がった。
「お、おはよう。」
「おはようございます、勇者様。」
こうして、俺と少年は互いに全裸のままの挨拶で朝を迎えるのだった。
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その後、俺達はビビアンに別れを告げて湖を後にし、近くの町へとたどり着いた。
宿を探しながら歩いている間、周囲の視線が気になって仕方なかった。
とくに胸と尻に注がれているそれには、男として絶えられないものを感じている。
こんな扇情的な恰好しているからには仕方のないことだが、やっぱりこの視線には慣れない。
(速く宿を見つけないと、面倒なことになりかねないな。)
身の危険を感じた俺は、少年を連れて身を隠すようにさびれたホテルに入った俺は、シャワーを浴びて疲れを癒した。
「調子はどうだ?」
バスタオルを身体に巻いて浴室から出た俺は、ベッドで座り込んでいる少年に声をかけた。
「はい、なんとか…。」
少年は、最初に会った頃と違って随分と潮らしくなっていた。
生意気な感じと違って、こっちの方がかわいらしく感じるが。
「それにしても、お前が大聖剣の勇者ね、でかい話になってきたな…。」
話の規模は本当に壮大だ。俺を狙った少年は大聖剣の勇者になったり、殺したと思っていた魔女が生きていたり、と重大なことが一度に直面して、正直実感がわかない。
「で、これからどうするか?」
俺は少年に目をやると、その顔は浮かない表情をしていた。
「本当に、僕なんかが勇者になって、いいんだろうか…。 『落ちこぼれ』の僕が…。」
「どういうことだよ?」
俺は少年に事情を聞いてみると、どうやら少年は騎士学校では落ちこぼれの劣等生として蔑まれていたらしい。孤独と絶望から塞ぎ込んでいた所に手を差し伸べてくれたのが、マリク先輩つまりは俺だったのだ。自分が騎士になれたのも先輩の存在が大きかったらしい。
俺が魔女に殺されたことを知り、その敵討ちをするために夢中で飛び出したのだという。
(そういえば出来の悪い後輩の指導役を命じられたこともあったな。あの時の後輩は、こいつだったのか。)
俺が学校に在籍していた頃の話だから、四・五年くらい前になるからすっかり忘れていた。
懐かしい思い出に浸っていると、少年が泣き出した。
「お、おい、どうした?!」
「僕には、勇者になる資格なんて、無いんだ。 先輩の敵に助けられる有様だし…。」
潮らしくなったと思ったら、今度はいじけ出したよ。
「もう、騎士になんて辞めた方がいいのかも…。」
その言葉を聞いた瞬間、俺の脳裏に昔の記憶が呼び覚まされた。それは今まで忘れていた、騎士学校での少年と過ごした日々、そして脳裏に焼きついた『あの言葉』。
思い出した瞬間、俺は少年の肩を掴み、互いに向き合った。
「何言ってんだ! そりゃ昔のお前は落ちこぼれだったけど、『騎士になりたい』っていう思いは誰にも負けてなかっただろう!!」
騎士学校で落ちこぼれなのは少年だけの話ではない。
競争率の高い騎士学校では、成績の悪い生徒は強い者だけが生き残れる実力主義の現実に絶望し、次々とやめていくからだ。
しかし、こいつだけは違った。絶望こそしていたものの、決して学校を出ていくことはしなかったのだ。
「『弱き人を護る騎士になるのが夢なんだ。どんな辛くても責められても夢を諦めたくない。』って、そう言ったのはお前だろう!!!」
「どうしてそのことを? それを知ってるのはマリク先輩だけのはず…。」
「結果はどうあれ、お前は騎士になれたんだろう?だったら胸を張れ。今度辞めるなんて言ったら許さないぞ!!」
「ご、ごめんなさい。」
クールをモットーにする俺としたことが、随分と熱くなってしまった。
いや熱くなるべきだった。なぜなら騎士学校の現実に染まっていた俺に、騎士としての本分を思い出された場面でもあったからだ。
俺の叱咤が効いたのか、少年の顔に少しだが明るくなっていた。
しかし、まだ陰りがある。不安をぬぐいきれない表情だ。
一介の騎士から大聖剣の勇者になってしまったのだから、不安にかられるのは無理もないだろう。
(何か元気づける方法はないだろうか?)
俺はそんなことを考えていると、急に寒気に襲われた。
シャワーを浴びてからずっとバスタオル一枚で過ごしているのだから、寒くもなる。
(えーい、こうなったら…。)
俺はバッとタオルを外した。
その拍子に、胸がブルンと大きく揺れる。
「うあ…!」
その様子を至近距離で見ていた少年は、驚きの声をあげる。
俺はそのままベッドに乗り出し、俺は一糸纏わぬ姿で、少年を誘惑する。こういう時は女の身体が一番の癒しになるはずと思ったからだ。
「ほら、来いよ。思う存分好きにしろ。」
「えっ!?」
後先考えずに出した突拍子のない案だったとはいえ、なんとも色気のない誘惑で最初から失敗したと我ながら思う。
少年の方も開いた口が閉まらない状態で固まっていた。
しかし、今ここで引き下がったら何か失いそうな気がする。
「自慢したくはないが、スタイルには自信があるんだ。そこらの高級娼婦にだって負けないくらいのいい身体だぞ。」
もう自分でも何言ってるのかわからない…。とにかくこいつに抱かれなければという使命感だけが俺を動かしていた。
「えっ、でも…。」
少年は顔を真っ赤にしてためらっている。
(よし、脈が出てきたぞ。)
「何いまさら恥ずかしがってんだよ。湖では獣のように貪ってきて何度も声を上げさせたくせに…。」
「ええっ!!だってあの時は、うぐっ…。」
俺は少年の顔を胸に押しつける。そして、力ずくで少年の服を脱がしにかかる。
「お前が来ないなら、俺からやってやる。」
俺は少年の服を脱がしていき、ズボンを下ろした時、少年の肉棒が現れた。
(ためらってた割に少し勃ってるじゃないか。心なしか湖で見た時よりも大きくなっているような…。)
俺はそう考えながらマジマジと少年の肉棒を見つめた。
「あ、あの…。」
少年は恥ずかしさのあまり顔を赤くしている。
「あっ!悪い悪い。(おっと考え込んでる場合じゃないな)」
俺は気を取り直して、その未成熟な肉棒をしゃぶり始める。
「うぁっ、ちょっ、と。」
震える少年を余所に、俺はチュパチュパと音を立てながら続けていく。
俺の動きに呼応したのか、肉棒はどんどん大きくなり、熱を持つようになっていく。
「気持ちいいか、アーサー?」
「は、はい…。」
少年は身もだえしながら答える。
俺は肉棒を根元から先端に沿ってレロレロとなめていく。
「もっと、気持ちよくしてやるからな。」
俺はそう言いながら、柔らかい胸で肉棒を挟んだ。
「ううっ。」
少年はまた身もだえる。
(挟まれてる方が気持ちいいのは確かだろうけど、挟んでる胸の方もなんだか…。)
両胸から伝わってくる肉棒の熱に、俺はゾクゾクしてしまう。
「上手、ですね。その、経験たくさん、あるんですか…?」
少年はハアハアと息を切らしながら聞いてきた。
「俺がヤリマンみたいな言い方して失礼な奴だな。この身体で経験したのはお前が初めてだし、自分からしたいと思ったのもお前が初めてだぞ。」
「でも、どうして僕なんかと…!!!」
少年の話す途中で俺は肉棒をチュウウっと強く吸いつく。
そして、口から肉棒を離した。
「お前は自分が思ってるほど男として悪くないぞ。だからもっと自信を持て。」
「えっ!!」
少年は俺の台詞にひどく驚いた様子だった。
俺は少年は寝かせると、硬くなった肉棒がそびえたった。
「あ、あのぉ…!?」
戸惑う少年に跨り、俺の秘唇を肉棒に合わせていく。
俺自身の鼓動が速くなっていく。少年に聞こえてしまうのでは思うくらいドクンドクンと響いている。
「イれるぞ、アーサー。」
そう言いながら俺は腰を沈めていく。
クチュッと音が鳴り、ヌルッと少年の肉棒がゆっくりと俺の中に入っていく。
(あっ、気持ちいい…。アーサーのが押し広げて、入ってくる…。)
湖の時とは違う快楽が伝わっていく。
「うっ、んんん…」
少年は声を殺してはいるが、気持ちいい事に変わりないだろう。
全部入った時には、奥に何か当たる感覚があった。
俺は少年に覆いかぶさると、柔らかい胸が少年の痩せた胸に押しつぶされていく。
「う、動くぞ。」
「は、はい。」
俺は腰を上下に動かしていくと、クチュクチュと音が鳴っていく。
「あん。ああん…。(お腹の中、あっつくてたまんない。)」
「うあ、僕も、限界、かも。」
「もう、ちょっとは、我慢してよ…。俺より先にイったら許さないから、なぁ。」
「そんなぁ…。」
俺は腰を強く落としていき、ベッドをギシギシいわせていく。
「お願い、おっぱいしゃぶっていいから。もっともっと気持ち良くしてぇ…。」
すると、少年は無我夢中で俺の胸にかぶりついてきた。
「ああん…。そう、それ、いい、ああ…。」
股間だけでなく、両胸からも伝わってくる快楽の波が俺を絶頂にいざなっていく。
「俺も、もう限界。アーサー、一緒にイこう。」
俺は飛びかけている意識の中で、そう言いながら少年にキスをした。
そして、俺の中で熱いものが放たれると同時に、俺の視界は真っ白になってしまった。
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翌朝、少年はすっかり元気を取り戻していた。
出発のため、俺はアーマー装備していた時だった。
「あの、あなたは本当にマリク先輩、なんですね?」
少年は半信半疑で質問してきた。
「何だよ、まだ信じられないのか?」
「いいえ、さっきの話といい、『もっと自信を持て』っていう言葉を聞いて、マリク先輩を感じたんです。」
そういえば、少年を指導していた時もその言葉をよく言っていた。
(だから、あの時強く反応したのか。)
そう思い出している内に、俺達は支度を終えてホテルを出た。
「じゃあ、これでお別れだな。」
「えっ!?」
少年は俺の言葉に驚いていた。
「当然だろう。俺は仮にも魔女。お前は大聖剣の勇者。一緒にいていいはずがないだろう。」
「それは、でも…。」
少年は顔をふせていく。
「僕は騎士に勇者になったからって、まだ皆からは下っ端扱いだし、魔物との戦闘だって足手まといだったし、このままじゃ旅に出てすぐに死んでしまうのが落ちです。だから…!!」
少年は膝をついて、両手と頭を地面につけた。簡単に言えば土下座だ。
「もう一度、僕を鍛えてください、マリク先輩。」
しばらくの静寂、それを終わらせるため、俺は口を開いた。
「俺の指導は厳しいのは知ってるな。勇者になったからって手加減はしないぞ。」
その言葉に少年は顔を上げて、満面の笑顔を浮かべた。
「ありがとうございます、マリク先輩。」
「なあ、アーサー。」
「何ですか、マリク先輩。」
「その名前で呼ぶのやめてくれないか…。」
「なぜです?」
「王国の間では、俺死んだことになってるんだろ?」
「はい、魔女に殺されたと。あっ!生きていたことを王国に伝えた方が。僕が証人になって皆を…。」
「いや、ダメだ。せめてもとに戻るまで待ってくれ。」
「??」
「不覚をとって魔女にされたなんて話が出回ってみろ。俺の家名に傷がつく所か、家族が魔女狩りの標的にされるだろ。」
各地で行われている魔女狩りの過激さはよく耳に届いている。ひどい話では村一帯を人もろとも焼き払ったということだ。
「では偽名として、『マーリン』というのはどうですか?」
「ああ、それでいいよ。せめて元の姿に戻るまではそう呼んでくれ。あと先輩も付けなくていい、俺たちはもう学生じゃないんだしな。」
「はい、ではこれからもよろしくお願いします。マーリン。」
笑顔で答える少年に思わず、ドキッとしてしまう。
(何?今のドキッて、まさかこいつにときめいたのか。男のこいつを。そんなバカな、いやでも、よく考えてみればこいつに貞操を奪われてるよな、それどころか…。)
といった具合に自問自答を繰り返す俺は、心も徐々に女になっていくことに気づき、早く元に戻ろうと決意を改めるのだった。
こうして、魔女になった俺・マリク改めマーリンと、勇者になった後輩・アーサーの旅が始まった。