開始5日前
目が覚めたのは病院のベッドの上だった。
無機質な天井、無骨なベッド、その周りを囲うカーテン、病室独特の雰囲気。
カプセルに入ってどのくらいの時間が経過したか、説明では数日といっていたような気がする。
だんだんと意識が覚醒していく中で、自らに起こった変化に気がつく。
カプセルに入る、それはすなわち自らの肉体変化のため。
体にかかる毛布を取る、ゆっくりと起き上がる。
簡素な病院着の下、まず目に付く体の変化は胸が膨らんでいるということ。
仰向けに寝ていたときの圧迫感の原因。それなりに重量があるもの。
そっと衣服をはだける。そこにあるのは美しき双球。
遠かった存在が、自分の体に。
衣服をはだける自分の手、それもまた細く、白く、美しいものに。
そして一番大事な部分、足の付け根に手を伸ばしていく。
ぺたっ、という音がするような。
あったはずのものが何もない。男の証は綺麗になくなっているのを感じ取った。
探すように手を動かす。しかしいくら探してもそれは無かった。
名残惜しくて、最後に思いっきり出しまくった記憶がしっかりやきついている。
それだけに、余計に思い出してしまう存在。そして喪失感。
そして、涙が出てきた。
開始4日前
今日は女体化の検査が行われた。といっても簡単な往診と触診で終わったけど。
本格的な検査は女性化が完了してカプセルから出た時点で行われていたそうだが。
結果は問題なし。問題ないということは完全に女の体になったと太鼓判を押されたことになるのだがそれは喜ぶべきか。
そうなると体の機能も問題なく動き始める。
それはつまり、トイレの問題。
今まで立って済ませていたものがそうはいかなくなる。
ついいつものくせで男子用小便器の前に立って、ズボンを下ろしていた。そして中に手を入れて、それがなくなったのを思い出してしまう。
悔しさが入り混じった気分で仕方なく個室に入って、下着を下ろし、便座に坐る。
下腹部の力を抜く。そして伝わる、排尿の感覚。
今まで先端で感じていたものが、胴体の付け根のところからダイレクトに伝わるとは。
やはり、違和感がある。
俺の頭の中には今現在もブツが残っている感覚が生きている。
だから本来存在すべきもののところに無い感覚が来るのは小規模な混乱を生む。
そういえばカプセルに入る前日に名残惜しいとばかりに、忘れぬようにと自慰を繰り返してしまった。
それが余計に存在していた頃の記憶を強め、違和感を強めてしまう。
やるせない。どうしようもないことを自覚しつつ、用足しを終えて、紙で拭いた。
開始3日前
今日は皆が一室に集められた。病院の会議室か。
指定された席につき、目の前に順次回されるのは…女性下着の定番、ぶらじゃあ。
「というわけで、今日は色々女性のことについてレクチャーいたします」
そういったのは壇上に立つ女性、先日診察をした女医だった。
なんでもここのスタッフは全員、女性化した元男とか。
同じような境遇で、あのふざけた法律で女性化した人もいれば自ら望んで女性化した人もいるとか。
元男だからこそ親近感、理解ができるということらしい。
「では早速だけど、ブラジャーの着け方を教えます」
そして手際よく脱いでいく女医。あっというまに衣服を脱ぎ、ブラジャーを外し、形のよい大きな乳がぽろんとこぼれる。
その姿に元男子達は興奮を覚え、「おおっ」と声が洩れる。そりゃそうだ、いい年した男子にとって生乳は最高の好物。
そんな俺達の反応を知ってか知らずか、女医のレクチャーは続く。
話をちゃんと聞いていただろうか、「では次は君達が実際にやってみよう」の声に皆あわてる。
俺もその一言にあわてて服を脱ぐ。そして、周りを気にする。
全員脱ぐ、だからおっぱいがいっぱいになる。
俺同様、ほとんどのやつが周りを見てる。見回せばあたり一面おっぱいの数々。
これほどまでの絶景を今まで目にしたことがあるわけない。こんな、最高の光景。
「こらっ、ちゃんと着け方の練習しないかっ!」と女医から一括が入ったのはいうまでもないが。
結局ちゃんと着けられなかったし。
開始2日前
女になった事に戸惑っていたものの、今は少し余裕が出てきた。
そして手に取るところに、自分の自由に出来る女体があることに気がつき始めた。
トイレの前の、洗面台の前の鏡。残念ながら病院ゆえに自由に使える鏡が限られている。
共用のトイレに車椅子用の低い洗面台があるのが幸い。これなら比較的広い範囲で自分の女体を映し出すことができる。
病院着をはだけ、下着を下ろし半裸の姿を鏡に映す。
若き男子あこがれの女体が、生で堪能できている。
これはいい。
胸はなかなかのボリューム、ウエストはきゅっと締まっていて、お尻も綺麗な丸み。
色々ポーズもとってみる。うんうん、絶景ですね。
裏ルートで入手しクラスメイト達で鑑賞したあのAV女優がやっていたような、エッチなポーズも。
谷間強調したり、身をよじらせたり。
触ったっていい。なんせ自分のものだから好きなだけ、好きなだけできるんだし。
「はっっ!!」
視線を感じた。トイレの入り口に立つ、同じく女体化したクラスメイトだった。
「つ、次は俺だから。交代してな」
考えることは皆同じか。
1日目
「さて、TSハーレム法に従って全員の性転換が完了したな。まずは諸君、よろしく」
壇上に立つ先生までもが女になってる。あの先生がねえ。
あたりを見回せば全員女、しかも見事に全員美人でスタイルがいいときたものだ。
女にするとき多少の調整ができるらしい。美人でスタイルがいいほうが男子役が盛り上がるってのが理由らしいけど。
まったく、ついこの前まで男だったとはとても思えない。
とはいっても話せば中身は変わってないからすぐ分かるけど。
さて、その中で男子が一人だけ。清彦だ。
適正がどうたらで清彦が男役に選ばれたらしいけど、俺の目から見てもひょろっこい清彦が何故って感じだ。
あいつ、落ちつかねえみたいだな。きょろきょろしてる。まあ、俺も同じだけど。
と、その清彦と目があった。
そしてその場の勢いでなんとなく、ちらりと胸を見せてやった。
くくっ、慌ててる慌ててる。見なかったふりしてすぐ前に向き直りやがって。
なんだか、面白い生活になりそうだぜ。
100日目 朝
カーテンの隙間からさす朝日が僕に目覚めを与える。
時刻は7時前、いつもの起床時間。もう少しすれば朝食の時間だ。
むくりと起き上がり、毛布がずれ、裸の僕の体が姿を現す。
・・・いつものことだ。
ここ最近寝巻きを着て寝ていないような気がする。着ていてもいつの間にか脱いでるほうが多い。
これで風をひかないか心配になる。
それよりも心配なのは、毎晩のように行われるこの日常。
「すぴー」
「むにゃむにゃ」
僕の両サイドでいまだ夢の中の女の子二人、クラスメイトだ。
「んぅっ、きよひこぉ、えっちなんだからぁ・・・」
夢の中ではまだ延長戦のようだ。
この教室のルールどおり、子作りのために毎晩誰かしらとやっている環境。
昨日の相手は彼女達(?)3人。39名いるクラスメイトのごく一部に過ぎないのだが。
……ん? 3人? 一人いないような気が。
「うおっ!?」
下半身に違和感を感じ、毛布を捲り上げてみたら。
「ん? おはよー」
フェラしてました。
「朝っぱらからそれかいっ! もう定番すぎて大体予想していたけどね!!」
「まあねー。なんせ本体よりも早く起きて元気になっているムスコさんがいるんだから、面倒見てあげないと」
「子供あやすみたいな説明でフェラですかいっ! ってぐあっ!?」
「ふっふっふ、寝起きは敏感だねぇ」
こいつっ、やたらとテクニックが上手くなってる。うわっ、吸われる吸われる。
「うぐっ!」
耐え切ることができるわけもなく、あっという間に放出。
全身を駆け巡る放出感、それをどんどん吸い取っていかれる。
「うぁぁ……」
そしてやってくる倦怠感。それなりに睡眠はとったのにそれを帳消しにしてしまうぐらい。
「んふっ、朝一番絞りごっそさんでしたぁ」
こんの野郎。しっかり吸い取りやがって。
にしてもだ。男だったのにフェラに抵抗なくなってるのはどうなのだ?
こうして、今日も一日が始まる。
100日目 朝食
「おっぱいよー、清彦っ♪」
「お、おう。おはよう雄一」
今日も明るく元気な雄一に一歩たじろいでしまった。
このクラスの中で一番女の子になってしまったのが雄一。最初の経験が効果ありすぎたせいなのか。
外見も相まってこうしてなついてくるのがすごく可愛い。その前の男としての雄一を知っているだけに僕はものすごく戸惑っていたり。
「それじゃ、はい。今日のミ・ル・ク♪」
顔を赤くしながらシャツとブラをたくし上げておっぱいをあらわにする雄一。
「そ、それじゃあ……」
そしていつものようにそれに吸い付く、僕。
「あ、んんっ」
僕の頭を抱き寄せ、赤ん坊にするかのように優しく授乳させる。そう、授乳です。
薬の効果でおっぱいが出るようになっているのです。
薬自体は自由に配布され、飲むのは自由なのだが、雄一は欠かさず摂取して毎日のように僕に飲ませている。
「はふぅ。清彦、おいしい?」
「う、うん」
その親切のようなものを僕は拒否することができず、こうして毎日飲んでいるのです。
おかげで、一日のスタートはミルクっ腹なのですが。
100日目 朝のHR前
「よう清彦、エッチしてるかい?」
「それは馬鹿にしているのか元気付けているのか皮肉をこめているのかどうにしても変なこというな正彦」
あいも変わらずエロ攻撃を実施するのが目の前の正彦の特性。
制服をばっちり改造してヘソ出し、中が簡単に見えてしまうミニスカート姿、そして中はエッチな下着もしくは前貼り。
風邪ひかないのだろうか。
「ぶえっくしゅんっ!」
「寒いんだったら無理するなよっ!」
「い、いや、ここは清彦がエロを活性化してもらうためにもこの姿は維持しなければ・・・」
「何の自己犠牲だっ! そんなことされても嬉しくないからっ!!」
「そんなこといいつつもチラチラ見ているではないか。ほーれほーれ」
「目の前でそんなことされたら必然的に視界に入るって」
「ふっ、我慢は体によくないぜぶあっくしょんっ!!」
「むしろお前のほうが我慢はよくないだろっ。いや、この場合は我慢しろになるのか?」
「ふっ、俺は負けない。ずびーずびー」
「負けてしまえ」
100日目 午前水泳授業
「気になっていたんだけど、水泳の授業多くない?」
「確かにね。けど屋内だから快適じゃん」
確かに、ここの施設は屋内プールと都会から離れた場所にあるにしてはずいぶん立派だ。
まあ、おかげで雨の日も気にせずできるし、温水プールで寒くないからやりやすい。
「たださぁ、みんなその水着は泳ぐ気あるの?」
そう、気になっていたのは皆の着用している水着。
スクール水着はマニアックな気がするけどある意味正解。競泳水着はスタンダード。
しかしそれらを着用しているのは2、3割がいいところ。
ほかの皆さんはビキニがメインで、Tバックだのマイクロビキニだのが少なくない。
さらにはほぼ紐ではないかというあぶない水着もいるし。
もう水着として用をなしていない。
「まあまあまあ、目的は何なのかお前も分かっているだろ?」
「分かってるだけにたちが悪いっ! ちょっと、胸当てるな! おしり押し付けるなっ!」
いくらなんでも授業中にこんなことするのは駄目だっての。
「元々この学級の目的はそれだからな。別に遠慮は要らんぞ」
「くぉら担任! もちっと教育者らしい発言せんかあぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
100日目 休憩時間
思うのだが、何故この校舎は女子の比率が多いことを分かっているくせに男子トイレを女子トイレに改装しないでそのままにしたのか。
男子用小便器がほぼそのまま残されていると思われ、個室の比率が今の男女比を考えると少ない。
そのせいで・・・
「はぁ~っ、やっぱ立ちションはすっきりしていいねぇ」
「こっちのほうが手っ取り早くていいしな」
女子が立ちションするなんて光景が日常になってしまっているじゃないか。
スカートたくし上げて足広げているものだから、トイレに入った瞬間おしりいっぱいの光景を目の当たりにしてしまう。
「お? 清彦いたのか」
さすがに拭かないままにはしないようだ。ペーパーでちゃんと拭いて個室の便器に放り込んでる。
だったら最初から個室でしてよ本当に。
そして下着着用。立ちションしやすいようにだろうか、使われてる下着は紐パンたったり、中央が割れた下着だったり、中にはマエバリだったりそのままノーパンで過ごしたり。
まったく、こいつらエロい。
「そうだ清彦」
「何?」
「ちょうどパンツ脱いでるところだからこのままやっちゃおうぜ♪」
「断るっ!」
100日目 調理実習
「先生、ひとついいかな?」
「何だね?」
「保健体育の先生が調理実習をやるってのはとりあえずおいておくよ」
「うむ」
「体育で水泳やった後に調理実習って流れが不自然に感じるのもおいておく」
「うむ」
「それよりもずっと不自然で、ツッコミ入れようか迷ったけどさ」
「突っこむ? 大いに歓迎だ性行為は積極的にな」
「ふざけた勘違いすなっ! それよりも、どう考えても変なのは……」
「じれったいな、はっきりいったらどうだ」
「はっきり言うよっ、どうして皆裸エプロンなんだあぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」
そう、この場に集ったクラスメイトに加え先生まで、皆裸エプロンだった。
普通のエプロンからフリフリのハートマークなエプロンまで。
何人かはかろうじてパンツを穿いているけど、そのほとんどはエプロン以外何もつけていない。
「何を言う。男に料理を作るといったらこの姿はテッパンだろうが」
もう、僕が悪かったよ。そういうことにしておく。
「では始めよう。前から言っていたとおり今日はクリームシチューを作る」
細かいことは気にしないで授業に戻ろう。まずは材料を確認しなければ。
えーと、じゃがいもとにんじんとたまねぎと鶏肉と……まずは材料を切ることからだな。
「まずは搾乳してミルクを用意するところから」
「うをいっ!!」
僕のツッコミを入れるよりも既に皆さんおっぱい出してますがなっ!
エプロンずらしてあらわにして、女子達が自分のおっぱい一生懸命搾っている様子は、エロい。
ちゅーって、ボールに搾っている音が響く調理実習室、唖然ですよ。
「ああ、清彦には言ってなかったな。今日の実習で使うミルクは各自自分で搾ることにしていてな」
そういう先生まで乳搾りしてますがな。
ということはあれだな。あのおっぱい出る薬ってやつを皆あらかじめ飲んでいたんだな。
「安心しろ、清彦の分は皆でわけることになってるから」
それはどうもありがとうございますよ……ん?
「ううっ……」
その中で雄一が一人、泣きそうな顔に。
「今日のことすっかり忘れてた……朝清彦にあげちゃったよぉ」
ああ、なんだかごめんな。
100日目 昼休み
料理ができた次は、それを誰が僕に食べてもらうかということでもめた。
愛の手料理ですが、僕に食べてほしい気持ちは分かるけど、胃袋には限度があるので。
とりあえずみんなの一口ずつ、と言おうとしたらそれでは納得しない様子。
どうやら独占して最後までしっかり食べてほしいんだとさ。
おいおい、これって女の争いってやつじゃないのか?
そして戸惑う僕をそっちのけでくじ引きによってその権利を獲得したのが……
「う、うまいか?」
信彦だった。
信彦が引き当てたくじに誰も文句は言えなかったようだ。
まあ、信彦って元々ぐれてたからね、みんなはちょっと怖がっているのかも。
実際、日常は眼光鋭く隙がない感じだし。
ただ、僕に対してはずいぶん対応が違う。
今だって裸エプロン姿のまま僕の上にまたがって、片手にシチューの入ったお皿、片手にスプーンを手にして顔を赤くしながら僕にあーんしてくるし。
そしてもぐもぐと咀嚼する僕。
「うん、おいしい」
意外と信彦は料理が得意のようだ。
「よ、よかった」
嬉しかったのか、顔を赤くしてちょっとだけ笑顔。
これはやはりツンデレなのか?
それはそうと・・・
「距離近くない?」
ここは屋上。信彦に呼び出される場合は決まってここだ。
僕達がいる場合、この空間には誰も入ってこようとしない。やっぱり信彦のこと怖がっているのか。
誰もいない屋上で二人っきり、広い場所だけど、僕と信彦の距離はすごく近い。
僕の上にまたがって、裸エプロンだから肌の感触が伝わってきて……
「の、のどかわかないか清彦。ほら、飲めよ」
空になったサラとスプーンをおいて飲み物を……おっぱいを出してきた。
「ちょっとぉ!?」
「ひ、久しぶりに薬飲んだせいか出がよすぎるんだよ。出し切れなかったから、飲んでくれって」
先端から白い液体。なんかもう必死な信彦が可愛くて、断れませんよ。
「あ、んっ……」
遠慮なく吸う。感じちゃったのか信彦がぎゅっと抱きついてきて。
「その、俺の体好き?」
「へ?」
「その、手が……おしりに」
はっっ!! しまった。さわり心地がいいからってつい無意識に信彦のおしり撫で回してた!!
「そ、その……俺も我慢しないから、清彦も……我慢しなくていいぜ」
つーっと、ズボンのチャック下ろされて……
この後滅茶苦茶(以下略)
100日目 午後
エネルギー切れ(笑)になったので皆さんが作ってくれたクリームシチューを昼休み終了間際まで口にして回復。
皆やたら嬉しそうな顔してた。なんとなく引っかかるものを感じたけどそれはおいておく。
「各自自習」と黒板に書かれたのをいいことに、お腹がいっぱいになったのでまぶたが重くなっていたときのこと。
「お昼休みはお楽しみでしたなぁ」
嫌味がやってきた。
「ふっふっふ、俺たちにばれないとでも思ったかな?」
くっ、覗かれていたか。助けを求めて信彦のほうを見れは既に夢の中に。先に逃げたか。
「あれだけ元気にできたのに、俺たちにはやってくれないのかな?」
「もう、こっちだってうずいちゃってるんだよぉ」
「せっかく先生が気をきかせて自習にしてくれたのにぃ、何もしないの?」
言いたいことは沢山あるが、やっぱり僕は押しに弱い。
こうも何人も囲まれてしまってはどうにも。味方もいないし。
それと、ここの生活で僕はひとつ学んだことがある。それは・・・
「ああわかったよ。相手してやるよ」
開き直ることが手っ取り早いと言うことを。
そして現在。
「これは一体?」
「まだまだ試してないシチュがあってさぁ。これもそのひとつってわけだよ」
十数人、その人数分のおしりが並んでます。
みなさんショーツを下ろしてスカートたくし上げて黒板によりかかって、まあるい可愛いおしりを僕に向けてます。
「ずばりっ! 教室でエッチなハーレム授業だ!」
いまいちよくわからん。
「こうすることで連続して一気にできるぜ!」
流れ作業かいっ。
「ふっふっふ、全員攻略するまで何分かかるかな?」
タイムアタックさせるなっ!
「それと何人かはあえてショーツを下ろさないでずらし挿入ができます」
何の意味があるっ!
「にしてもこれだけの人数相手にって僕の体力がふごがっ!?」
「そういうと思って用意しました。グレートマグナムギャラクティカストロングジェットアームドリルパワフルスタミナドリンクですっ!」
ごっくんごっくんごっくんごっくんごっくん……ぷはっ。
ありったけ強そうな名前並べやがって! 結局あの嫌なドリンクじゃないかっ!!
「ぐうっ!? か、体がたぎって……」
そういえば昼に食べたシチューに配合されてる母乳も、なんか効果があるんじゃなかったっけ?
「さぁ清彦くんっ、活性化したところでいってみようじゃないかーっ♪」
「で、この惨状ということか」
「……はい」
教室中に倒れる女子生徒たち。そのほぼ全員がのびており、あそこから白い液体が洩れてます。
その表情はまあ、みんな気持ちよさそうな幸せそうな。
その光景はもう、ひどい有様だよ。
ええもうあのドリンクと母乳シチューの効果は絶大でしたよ。
そこから勢いづいた僕は手当たり次第に女子達をイカせまくってまして。
野獣と化した僕に女子達は大喜びでおしり差し出して、そして次々に倒れていって。
僕の勢いも最後の女子をイカせてようやく収まる。
それと時を同じくして先生が戻ってきたので。
いや、もしかしたらタイミング合わせていたかもしれないな。
「まあ、積極的なのはいいんだが、限度はあるな」
「はい……」
しかし、僕は挑発され流されて無理矢理あのドリンク飲まされて、被害者な気がするんだけど。
そしてこの状況で、くーすか寝ている信彦がなんともうらめしいです。
100日目 夕食
「いや本当にすまんっ」
あの一件で午後がつぶれて皆へばって僕もドリンクの反動でぐったりして。
ようやく夕食時になって回復して謝罪の言葉を聞いています。
「まあ、別にいいよ。そこまで怒ってないし」
「き、清彦ぉ」
じぃん、って効果音が聞こえてきそうだ。
まあ、これで皆もちょっとは懲りたし満足もしただろ。
僕も今日はこれでゆっくりすれば回復すると思うし。これでみんな水に流せるだろう。
「では、こちらに謝罪の気持ちを……」
そうはいかなさそうだ。
「……何のまねだ」
「いえ、ですから謝罪の気持ちで……おっぱいディナーを」
手ブラして乳をささえて、その上におかずを盛って僕に差し出してきた。
一人ではできないからやってもらったんだろう。後ろに立って僕の顔色を伺っている二人がやったんだな。
「それじゃまあ、もらおうか」
ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり。
「んあぁぁっ! おはしでおっぱい刺すのはやめてえぇっ。いやそんな、乳首はオカズじゃ……んあぁっっ!!」
ちっとも懲りてなかったな。
100日目 夕食後
「あー射精してえ」
ぶーーーーーっっ!!
「何言うんだっ! お茶吹いちゃったじゃないか」
となりでいきなり輝幸がそんな事をいうものだから動揺してしまった。
いや、普通見た目女の子がそんなこと言ったらドン引くのは当然だ。
「いやな、時々思い出すんだよ」
「思い出すって……」
「女になる前に、これが出しおさめだって、ムスコとお別れだって思って残弾ゼロになるまで思いっきり出しまくったのさ」
「う、うん……」
「おかげであのビュッていう快感はバッチリ記憶に残ってんだけど、そのせいで時々懐かしく思っちゃうんだわ」
「そ、そうなのか」
それは彼らにしかわからない悲しさ、女の体になってしまった、男の体を懐かしむ悲しさか。
それは到底、僕には分からない話でもあり。
「だからさ、清彦」
「な、何?」
「ちょっと貸してくれない?」
「は?」
100日目 入浴時間
「こういうことね」
浴室で鏡の前に映る僕、その後ろにぴったり抱きつきくっつく輝幸。
そして輝幸は僕の硬くなった下半身を握り締めている。
その一方で僕は後ろに手を伸ばし、輝幸の下半身の割れ目に触れている。
「おぉ、この手触り感触思い出すなぁ」
輝幸の要望はこうして射精を疑似体験したい、だそうだ。
こうされてみると輝幸のタッチはどこか懐かしむようなものだった。
思えば他の皆も僕とやるときは結構触ってきてたような気が。フェラとか手コキとか。
あれって懐かしんでいたのかなぁ。
それにしても、輝幸は懐かしんでいるかもしれないけど、そのタッチは僕に絶妙な電流を流しているのであり。
「あ、んんっ……清彦感じてるのか?」
「あ、うん。結構気持ちいい」
「お前の手つきも結構、あんっ」
連動して愛撫する僕の手。徐々に僕も輝幸もヒートアップしていく。
「あ、やばっ、イクっ……」
「ちょ、ちょっと待って俺もうちょっと……」
しゅこしゅこする手つきに僕のほうが先に果ててしまいそうだったけど何とか我慢。
逆に合わせるために僕の手つきはパワーアップする。
「あ、待て、それはちょっと……あ、やばっ、イクっ、イッちゃいそう……」
「いい? じゃあ僕も……」
「ふぁっ、あぁぁぁっっっっっ………!!」
僕は白濁の液体を放出し、輝幸は潮を吹く。
「あはっ、すげえいっぱい出たぁ」
輝幸の手にはべったりと白い液体、僕のザーメンが。
午後に手当たり次第やったけど夕食の定番の精力つく料理のおかげですぐにフルチャージされている。
「びくっびくって感触、よかったぁ」
僕のムスコからずっと手を離さなかったから、躍動をしっかり感じ取ってくれたようだ。
「てか、輝幸もすごいよ」
大量に潮吹きしたようで、ぐったりして横たわる輝幸の下半身のあたりはぐちゃぐちゃだ。
「へへっ、そんなのお互い様じゃん」
まあ、たしかにね。
「いやぁ、いいもの見せていただきましたぁ」
「なーる、こういうプレイもあったのですねぇ」
「んなっ!? みんないつの間に」
僕たちに集まるギャラリーの皆さん、僕と輝幸が入ったときは誰もいなかったのに。
「いやいや、こんな面白い光景見逃すはずありませんよ」
なんてことだ、鍵閉めておけばよかった。
そう、僕が最も恐れているのは……
「俺にもやらせてよ」
「おい待て、お前昨日ベッドインだったろこっちが優先だ」
「いーや、俺が先に」
「まあまあ、順番にすればいいじゃん」
あぅぅ、そんなに残弾ありましぇん。
100日目 夜
風呂上り、一息ついて冷たいお茶を一杯。
共有のリビングルームにあるソファに腰を下ろして風呂で上がった体温を落ち着かせる。
先の件で全然疲れ取れてないしむしろ溜まったし。
お風呂上りはこうして少しゆっくりするのがちょうどいい。
「では開催、清彦にささげるえっちなダンスショー!!」
わーっ、ぱちぱちぱちぱち。
……ゆっくりできねぇ。
「こうしてエッチなショーを楽しめるなんて、お客さんいいねぇ」
「よくないっ! やらなくていいから僕に静寂をくださいっ!」
「ではエントリーナンバー1番っ、ロリ巨乳で定評のある竜馬ちゃんからですっ!」
だめだ、僕の意見なんて微塵も採用されない。
「あっはぁ~ん。おにいちゃん、わたしキ・レ・イ?」
クラス一小柄な竜馬、その体に似合わないぐらい迫力のある巨乳がダンスしてる。
黒猫の猫耳カチューシャに肉球グローブに、そして大事なところだけをかろうじてガードしている布地。
艶かしくダンスする体に合わせてしっぽもぴくぴくしてる。
ん? しっぽ? 動いてる?
「そうですっ、この尻尾はアナルビーズでバイブになって刺さっているのですっ!」
「はぁ、はぁっ、マジでやばいよこれぇ」
誰か僕を助けてください。
「それはそうとどうしてみんなこうも積極的なんだ」
「お前も女になればわかる」
「ん?」
「手の届かなかったエロが好きなだけ自ら再現できるんだ。ありとあらゆるエロを試してみたいと思うのだよ」
自分でやる空しさは感じないのだろうか。
100日目 深夜
現在地、担任の部屋の前。
来るようにと担任から呼び出され、こうしてきているのだが、まだこの部屋をノックすることができないでいる。
何故こんな時間に呼び出しなのか、思い当たるものがないのと嫌な予感しかしないということ。
それでも時間は過ぎていく。聞いてなかったとか忘れてたとか、あの担任に言い訳は通用しない。
だから意を決して部屋をノックする。
「失礼しまーす」
「遅いぞ待ちくたび「お邪魔しました」
ぱたん
うん、よし。なんだか変なものがあった気がしたけど帰るか。
ばんっ
「お前はどうしてこうもひねくれた対応するのだ。入れ入れ」
「んがーっ、引っ張らないでくださいていうかそれ以前になんですかその格好はっっ!!」
こんな担任見たことない。こんな危ない格好している担任なんて。
どんな格好ってダンサーですよ。それもエロい危ないダンサー。
肩にかかるレースの布地が体をなんとなくカバーして、胸は先端にふさのついた金属のようなニップレス。
腰はビーズが沢山あしらわれた紐パンTバックのレースの生地、とにかく露出が限界に達している。
「何考えてこんな格好しているんですかっ!」
「ふっ、手の届かなかったエロが好きなだけ再現できる。ありとあらゆるエロを試してみたいと思うのは自然だろ」
どうしよう、担任が壊れてしまったかもしれない。
「で、僕を呼んだのはまさかその格好を見せるためじゃないですよね?」
「半分はそうだが半分は違う」
半分でも衝撃的ですよ。
「君はこのクラスの目的を忘れてはいないか?」
「目的? えーっとその……女の子になったクラスメイト全員を妊娠させるってことですか?」
「クラスメイトだけか?」
「え?」
「クラスメイトだけでなく、私も含まれているだろ?」
「……………………」
「……………………」
「おっともうこんな時間だ帰らなきゃ」
がしっ
「どこへ行く? まだ用件は済んでないだろ」
「いえちょっといくらなんでも刺激が強いものは年上はどうかとクラスメイトの父親はどうかと」
「既に一回は肌を合わせただろ。何をいまさら」
「そーかもしれませんけど今日はちょっと気分が……」
「夜は長い。じっくり楽しもうではないか」
「いやーっ、犯されるーっ!!」
101日目 朝
「ゆうべはおたのしみのようでしたな」
「お前も朝帰りするようになるとは、相当だな」
「僕は……多分悪くない」
本当に夜通し相手して、体力HPゼロ状態ウィンドウ真っ赤の状態でやっとこさ帰ってきました。
気分はラスボス相手にして死にそうになって帰還ですよ。
そして帰ってきてたら帰ってきたで、食堂で皆の一斉攻撃。
結局休まらない。できれば安眠ぐらいは僕にほしい。
「待たせたな、朝食を持って来たぞ」
「「「げ……」」」
そこにいた一同、僕も含めて絶句。
「まったく、気がついたらいなくなってるとはな。朝チュン展開ぐらいあってもいいだろ」
担任が僕のために朝食を持ってきた。そのまではまあいい。
問題はその格好。メイドカチューシャにグローブ、チョーカーとガーターストッキングに、裸エプロンだと!?
「なんですかその格好は!」
「お前たちも普段やってるだろ。たまには私にもやらせろ」
たまに、ってどういうこっちゃ。
「ほら、私もミルクが出るのだ。飲め」
そういって裸エプロンのメイドさんはおっぱいを僕に出してくれました。
……公開処刑ぢゃないか。
こうして今日も一日が始まってしまった。
開始?日前
消灯され、寝静まった病棟。深夜の巡回のため私はそこを歩いている。
この施設に今入院しているのはTSハーレム法のもと、女になる手術を受ける男子たち。
明日以降、彼らは施術を受けて順次女になっていく。
かくいう私も数年前、その法律によって女になったのだが。
皮肉なものだ。かつて自身が経験したのと同じ経験を看護師として、彼らに行おうとしているとは。
もっともこの施設のスタッフは全員、あのふざけた法律によって女になったのだがな。
だからこそ彼らの心境が分かる、苦悩が分かる、不安が分かる。
それだけにフォローしやすいということだ。そのために私達がスタッフとして選ばれたのだがな。
そして私は男子トイレに足を運ぶ。
その経験者だから分かるパターン。入り口の前に音を立てぬよう近づくと、案の定気配がする。
わずかな物音。何をしているのかがよくわかる。
ぎっ、とわずかにきしむ音を立てて扉を開く。
その音に気がついたのか、中の気配が変わり、わずかな物音が消える。
男子トイレ、一番奥の個室。そこだけ扉が閉まっている。
この病院のトイレの個室は非常時に備えてスタッフの持っている鍵があれば外からでも開くようになっている。
私はその鍵を使い、扉を開けた。
案の定の光景。彼は便器に腰掛け、ズボンを下ろし、起立したそれを必死に隠していた。
自分もしたから分かる。最後にと、名残惜しいために、お別れにと、行っていた自慰行為。
いきなり入ってきた私に戸惑い何も言えず、そして女性に見られたことへの羞恥心から顔を真っ赤にしている。
くすっと笑みを浮かべ、その男子に微笑みかける。
「大丈夫よ、私もやったからよく分かるわ」
その言葉に表情が変わる。何が言いたいのか分かる。この人、男だったのか、って。
「だから、最期にいい思い出残してあげるわ」
顔を近づささやく。そしてそのままゼロ距離に。
そっと唇を重ね、舌を絡ませる。不慣れなのがよくわかる、私の舌に何とか答え応じている動きが。
「童貞ね?」
答えない。沈黙によってその質問を肯定している。
唾液が絡まり、糸を引く。それを私は舐めとった。
「いい思い出残してあげるって言ったわよね。それは約束するわ」
ナース服のボタンを外していく。薄いピンク色の衣装を途中まで脱ぐ。
ブラに包まれたバストが姿を現す。彼はこれをまじまじと見ている。
このサイズと形、正直これは私にとって自慢のバスト。
「半脱ぎのほうがいい? それとも全部脱ぐ?」
「……半脱ぎで」
顔を真っ赤にして答えた返事が、始めて聞いた彼の声だった。
「気持ちいいかしら?」
「はい、すごく……」
上下する私のバスト。谷間には彼のペニス。その先端を舌で舐めていく。
私のパイズリフェラも捨てたものじゃないみたい。
彼はただただされるがまま。谷間でびくびくと鼓動するペニスが感じ取れる。
これは私達ナースのちょっとしたサービス。
ここにいるナースは全員元男。ふざけた法律のせいで有無を言わさず女にされた元男たち。
そして目の前にいる、これから女にされてしまう彼ら。経験者だから彼らの気持ちが理解でき、ケアがしやすいだろうということで私達がこの施設のスタッフを務めている。
ふざけんじゃないよ。ケアがどうのと言うんだったら最初からこんなことしなきゃいいじゃん。
内心腹が立っているけど、そんな事聞き入れられるはずもなし。
だからせめてものこうしている女になってしまい、果たせなくなる願いをかなえる。
女の子との経験を。
今頃私以外のスタッフも同じようなことをしているだろう。
ベッドの中で一人慰めている彼らに、女の子との思い出を残すために。
「で、出るっ!」
口で覆う。そして放たれるザーメン。
その全てをしっかり口にした。
「どお? パイズリとフェラの感想は」
「すごく、いいです……」
うん、ちょっとクリーンになって賢者モードかな?
けどこれで終わってはいけない。ちゃんと最後の経験をさせてあげなきゃ。
ちゃんと起立してるわね。若さが役に立ってるわ。
半脱ぎのナース服、下をたくし上げる。その下はガーターベルトのちょっとエッチな大人の下着。
彼らに大事な思い出を残さなきゃいけないから、勝負下着ってやつ。
それを両手を使って、色っぽく、するすると下ろしていく。
「あ……」
「ほら、女はこうなっているの」
ふふ、釘付けね。じっと見てる。反応してか、彼の下半身はさっきよりもさらに勢い良くなったように見える。
「俺、こうなるんですよね?」
ああ、そう考えちゃったか。
「そう、こうなるの」
「あの、看護師さんもついていたんですよね?」
そこまで考えちゃうか。
「そう、私にもついてたわ。今でも感覚はちゃんと思い出せるぐらいに。でも、とられちゃった」
そう、思い出せるあの感覚。ボッキして思いっきりしごいた最後の夜のこと。
ああ、ダメ。ちょっと悲しくなってきちゃった。
「俺も、取られちゃうんですよね」
ブルーになってる。まだ賢者モードが続いてたかな?
「そう、ね。逃げたくても逃げれないのは悲しいね」
そっと近づく。抱き寄せる。私の、胸の谷間に彼の頭を埋める。
「だから、せめてもの私が最高の思い出を残してあげるから」
私の目から涙がこぼれた。
彼とあのときの私を重ねてしまった。女になって涙もろくなってしまった自分と。
「俺も、気持ちよくさせてあげますから」
密着している私を彼も抱きしめた。やれやれ、童貞のくせに強がっちゃって。
私はそっと腰を下ろす。狙いを定める、触れる、重なる、そして……
「んっ……入ったの、わかる?」
私の中で感じる彼のムスコ。我が子が帰ってきたのと錯覚する。
彼もまた私を強く抱きしめる。子供が、お母さんに甘えるように。
ふふっ、いいのよ。今日はたっぷり甘えなさい。
上下する接合部。私も彼も遠慮しない。
彼は私の体を堪能している。接合部もそうだし、顔で乳の柔らかさを、手で私のおしりを。
「あのっ、出……」
「遠慮しないで、中に出していいからっ……」
二人でイッて、しばらく繋がったまま、抱き合ったまま、余韻を楽しむ。そして離れる。
「本当にいっぱい出たね」
だらりと垂れる白濁の粘液。ちょっと汚れた彼のペニスを最後に綺麗に舐めとっていく。
出した直後って敏感なのよね。少し刺激が強かったかな?
そういう私も彼の遺伝子情報で真っ白になったところをトイレットペーパーでふき取る。
中が残っちゃってるのは後でウォシュレットを使えばいいかしら。
「あの、ありがとうございました」
こんなことで感謝されるのも複雑。
「大丈夫よ、とにかくもう遅いんだからベッドに戻りましょう」
「は、はい」
私も戻らなきゃ。なんせ彼だけじゃないから。
ほかにも思い出を残したくて、もどかしい思いをしている男の子達がまだいるんだから、ね。
101日目 朝のHR
昨日からぶっ通し、朝まで精力削られてもうぐったりです。
「どうしたんだよ、朝っぱらからそんなんで」
「わかるでしょ? どうしてこうなったか」
「ったく、お前が元気がないとやる気うせるな。折角気合入れておニューの下着にしたのに」
ぴらっ、とご丁寧にスカートめくってくれますが、申し訳ありません。残量不足です。
「おーし、お前ら席につけ」
先生が来たところで雑談終了。朝の謎のサービスなんてなかったことにするぐらい颯爽と現れた。
いや、白衣に下着姿だったけどそれはツッコまないでおこう。
「さて、お前らに重大な発表がある」
ん? 重大な発表?
「忠明と俊介の妊娠を確認した」
どよっ ざわざわ
クラスがどよめく。そして二人に視線が集中する。
二人は皆の視線が集まるのに気恥ずかしそうにして、顔を赤くしたり目をそらしたり。
皆はどんな思いで二人を見ただろうか。
僕は、来るべき時がきたって感じした。
なんでも俊介につわりのような症状が出て検査したので、ついでに忠明もいっしょに受けたらしていたらしい。
あの百合ペアがトップバッターとは、うーん。
クラス全員を妊娠させる、それがこの僕に課せられたルール。
最近はみんなとエッチするが目的になっていたような気がするけど、行き着く先はそれなんだよな。
思い起こすことになった、かもしれないこの発表。
これからの事を考えようとすると、どこか緊張する。
「負けてらんねえぇぇっっっっ!」
「くっ、先を越されたな」
「とにかくこっちもガンガンやらねば」
「千本ノックならぬ千本エッチだあぁぁぁぁぁっっっ!!」
緊張するよ、さらに搾り取られそうな予感で。
「よーし、それでは早速このグレートマグナムハイパーギャラクティカストロングキャノンアームバレッタギガデススタミナドリンクを飲んでもらおうか!」
「いや待て、それは効果が強すぎる、使い物にならなくなったら根本的に問題だぞ」
「せめて1.2倍ぐらいに希釈してから」
僕、死因は服上死ってやだよ。
101日目 授業中
「というわけで皆で協議した結果、30分交代制ってことでおちつきました」
「ちょっと待て、協議って僕の意見はやっぱりないのかいっ!」
何を話しているかと思ったら、こういうことか。
授業開始と共に僕の膝の上に良介が乗ってきて、独占するつもりらしい。
「それはかまわんが、ちゃんと授業は聞けよ」
「ハイ先生。わかりました」
いやいやいや、良介はいいかもしれないけど、僕は無理だって。
なにせ良介はクラスの中で一番身長がでかい。180cmあるとか。
おかげで前がぜんぜん見えないんですけど机に手が回らないんですけどノート書けないんですけど。
そうして視界を確保しようと机の上に手を回そうと必死になっていたら。
「もう、手は机じゃなくてこっち」
んなーっ! おっぱいに誘導されたーっ!!
「それとこっち」
うわーっ! チャック下ろされて下半身も誘導っ!!
気が付けばパンツ下ろしておしりの感触が伝わって……
「はい、お・い・で♪」
教室でガッツリやることになってしまった。
「お前らせめて声だけは抑えてくれ。ほかのやつらの気が散ってるぞ」
声だけの問題じゃないですよ先生。
101日目 中休み
「お客さんどうですかぁ。俺のパイズリは」
「あぅぅ、いいです……」
ちゅぱちゅぱといやらしい音を立てて、甘い笑顔でマッサージしてくれる正宗。
大きくて、形のいいおっぱいで僕の固くなってるものをマッサージしてくれます。
気持ちよすぎだよ。てか、やたら上手いんですけど。
「んふふ、もう限界かなぁ?」
ええ、限界ですよ。こんな教室で皆の目の前で、ガン見されながらだと、恥ずかしさも相まって限界ですよ。
しかし僕は一方でひとつの疑問を感じていた。
それは他の人も同様だったらしい。
「なあ、正宗」
「んー?」
「妊娠しなきゃいけないから、中出ししなきゃいけないから、このまま口でやってるのはまずいんじゃね?」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
ぎゅううぅぅぅぅっっっ
「出すんじゃねえぞコラ。俺が入れるまで我慢しろよ」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ! そんな強く握らないで潰さないでっっ!!」
さっきの笑顔が一転、凶暴になりました。
101日目 体育
このクラス、体育の授業が多い気がするのは気のせいか?
「いやいや、教室で黒板に向かっているよりもカラダのふれあいができていいだろぉ?」
「僕の心を読むなっ」
みんなが和気あいあいと楽しんでる体育の授業。今日は陸上だからみんな走る走る。
そして揺れる揺れる。それはともかく
「その格好はなんだ俊彦」
体操着にしてはおかしすぎる。下はブルマのような色でデザインだけど、後ろは完全にTバック。
そして上はスポーツ用のニプレスだけ。露出が限界だ。
「いやいや、ちょっとずらせばすぐにインできますよ」
「………」
くちゅ、にゅる……
「おー、インしてるインしてる」
「ああっ、ちょっと。バトンはっ、バトンはインさせないでえぇぇぇぇっっっ!!」
こういうバカにはちょうどいいだろう。
「あはぁ、バトンインされちゃったぁ。でも、これで拡張されちゃったからバトンの中にいっぱい注げるよね?」
転んでもただでは起きないようだった。
101日目 昼休み
「はいどーぞ、あーんして♪」
目の前に向かって座り、あーんしてくる智明はトロ顔になって気持ちよさそうだ。
そりゃそうかもしれない。対面座位で下半身ドッキング中なんだし。
そして巧みに下腹部の筋肉を活用しながら僕にお昼を提供してくる。
「ほら、食べてよんっ」
器用に片手でおっぱいをリフトアップしながら、その上に並べられていくおかず。
「……いただきます」
もぐもぐもぐ……おいしい。
「ほら、飲み物もあるからな♪」
飲み物……母乳が出るんですね。
「んふっ、エッチだなぁ清彦は。食べながらおしり触って、好きなのぉ?」
いや、ただ単にこの智明の体制が不安定だから支えようと思ってるだけですが。
まあ、これはこれでさわり心地がいいからいいけど。……うん、確かにさわり心地がいいから触っていたい。
もみもみもみもみもみもみもみ。
「やっ、そんなにモミモミして。ねえ、穴にもっ、アナルもお願いっ」
いや食事中にそれはばっちいでしょ。
「くっ、くじ運のいいやつ」
「どうして昼休みに当たらなかったんだよ俺」
ついでに、周りの視線も気になり始めてます。
101日目 午後
わらわらわらわらわらわらわら
「ってどうして一気に来るんだよっ!」
いつの間にか僕の周りには露出の激しい女子が集ってるんですけど。
「いやいや、やっぱ一人30分のペースだとさあ」
「ちょっと遅いんだよ」
「次にこっちの番になるのいつだって話でねぇ」
待ちきれなくなったということか。だとしてもこの人数集中されたら……
「僕は干物になるぅ」
「いやいや、それはないだろ。天日干しするわけじゃないんだから」
「そうじゃないっ! つーかそもそもだ」
「妊娠したいなら排卵日狙うようにすればいいだろっ!!」
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
ちょっと待て。何で誰もその考えを思いつかなかったんだ。
「説明しよう。あえて排卵日を狙わない理由を」
「おわっ! 先生っ」
いきなりわいて出てきた。
「私がいることが不思議か? 授業中だということを忘れていないか」
そういえばそうでした。では下着に白衣はなんなのでしょうか。体育教師だから白衣関係ないじゃん。
「君は単なる種付けマシーンになりたいか?」
「は?」
担任の威厳というやつか。周囲のクラスメイト一同は担任に場を譲り、一歩ひいて僕と共に話を聞いている。
「排卵日狙ってやるのは完全に妊娠目的だ」
「そりゃそうでしょ。だってこのクラス自体がそれが目的で……」
「ということは君はただ単に機械的に行為をすればいいだけだ。ほしいのは精液だけだ。それ以外の君には何の用もない。それでいいかね?」
なんか、そういわれると……
「私は担任だ。生徒個人を認めたい。だからこそ機械的な行為はお断りだ。まあ、私自身の経験も加味しているがな」
そういえば担任もかつてはTSハーレム法での男役だっけ。
「したがって君にはただ単にやるのではなく、それ以外も求められる。包容力とか気遣いとか愛とか、そういうやつだ。女の子はデリケートだから大切に扱わないとな」
101日目 夕食
包容力、ねぇ。
なんかうまい具合に担任に丸め込まれた感じがするけどさ。
そういえばかつて担任はTSハーレム法で男役になって、ガンガンやりまくって、まずいことになった、って言ってたっけ。
そう考えると機械的に繰り返しやるよりは、大切に扱わないといけないっていう重みが増すよな。
そんな感じでまとめていたときだ。
「ん?」
食堂に隣接したリビング、ソファのところで忠明と俊介がいた。
なんとなく気になったんだ。だから自然とそこに足を運んでいた。そして、俊介が辛そうにしているのを見る事に。
「俊介?」
「あー、つわりがひどくてな」
ソファに腰掛けていた忠明が、後ろから近づいてきた僕に気がつき説明する。
ああ、そうか。そりゃそうだよね。
その辛さは僕には到底分からない。本来俊介達だって知るはずもなかったけど、女の子になってしまってそれを知ることとなった。
後ろから覗き込んで見た俊介の表情は、本当に辛そうだった。
つわり自体にも、それだけでなく女の子になってしまった人生も辛いのだろうか。
その様子を見る僕に、できることは何だろうか。
「……清彦?」
「何もできない僕で、ごめん」
優しく語りかけるのが、精一杯だった。
101日目 入浴時間
「清彦様、お背中お流し」
「しなくていい」
「ううっ、つめたいよぉつめたいよぉ」しくしくしくしく
ああもういちいちうるさいなぁ。ちっとも懲りてない。
午後はあれだけ荒れたからせめてお風呂ぐらいはゆっくりしたかったのに、どうしてみんなタイミング合わせて入ってくるんだか。
「清彦様、お気を静めください」 ぷる~ん
「そうです、精一杯の謝罪の気持ちをしたいのですぅ」 ぽよ~ん
「私達の気持ち、ご理解ください」 ばい~ん
「何か言う度にどうして乳を揺らしてるんだよ」
ツッコミを入れざるを得なかった。
「いえいえ、おっぱいで気を悪くしたのならばおっぱいで謝罪せねば」
「どんな理屈だ! しかも原因はおっぱいじゃないだろっっ!!」
浴室に広がる裸の光景。濡れた肢体が輝やいて、あっちこっちで揺れる様は実にいい景色かもしれない。
が、限度はあるよ本当に。
しかし、ふと思い出す。
女の子はデリケート、とはいったが今のみんなの心境はどうなんだろう。
こんな馬鹿やって、一見ふざけてからかっているように見えて、実は心のどこかをごまかしているのではないだろうか。
大切に扱わないと、先生の言葉を思い出す。
「あーあ、相変わらず清彦はノリが悪いよなぁ」
湯船の中、僕の隣に座る正和。ぷかぷかお湯に浮かぶおっぱいが魅力的だ。
「ねえ、正和。ちょっと」
「なんだ、清彦」
ぎゅっ
「………………………」
「………………………」
「えっと、これは?」
「包容力?」
僕を背もたれにするように前に抱き寄せてみた。
密着する正和。柔らかい体と、髪を洗ったシャンプーのいい香りがする。
「ど、どうしたんだよ急に。い、いや、嫌じゃないよ俺も。その、すごくどきどきするというか、その……」
もじもじしてる。そのしぐさがさっき悪ふざけしていた男子の内面を感じさせない。
「そ、その……」
「その?」
「硬いのが、あたってんだけど」
はっっ!! しまった僕自身も慣れない事したから緊張してつい硬くなっちゃってた!!
「えっと、ご、ごめん」
「ちょっと待った!」
離れようとした僕に対して静止する正和。おしりに当たってるのを感じながらしばし硬直。
「その、このまま……入ってきてよ」
101日目 入浴後
ぴとっ
「………………………正和君?」
「女の子に君付けはないだろ。正和って呼び捨てでいいよ」
ソファに座る僕の横にぴったりくっついて座る正和。お風呂上りの、いいにおいがしています。
ホットパンツとキャミソールのラフな格好。ブラをしていないらしく、横を見れば谷間がくっきりで、先端が見えそうです。
「ば、馬鹿っ。見るなよエッチ」
いや、あわてて胸元手で隠してもさ、今まで散々裸で一緒にお風呂入ってたじゃん。
「おいおい、風呂でガッツリやりまくっていたのにまだ独占かよ」
「もういいだろ正和。次はこっちに貸せよ」
いやちょっと待て。僕をマンガ雑誌みたいに貸し借りするものにしないでよ。
「いや、もうちょっとこうさせてよ。もうちょっとでいいからぁ」
そして正和はぎゅーっと僕に接近し抱きついて。うわぁ、柔らかいのが当たってますよ。
それにしてもこの反応はどういうことだ?
そう思いながら雄一のことを思い出す。雄一があの日を境にすっかり女の子になっちゃった事を。
つまり、僕は正和の女の子のスイッチを入れてしまったのだろうか。
「その、清彦のこと好きだから」
どうやらそのようです。
101日目 夜
「簡単に言うと、キュンキュンする感じ?」
「それって、まるっきり恋する乙女だろ」
「まあ事実俺女だし」
ベッドの上で4回戦まで行った後の会話。
今日のお相手は2人。毎晩大体こんな感じでやってる。
二人とも僕を挟み込むようにして密着、両手に花っていうんだろうなぁ。
「ああ、こうしてぎゅっとハグハグしているだけでなんだか幸せ」
「それわかる。清彦ってなんだかいい匂いするし」
それってあれか? フェロモンを感じてるってこと? 前にもそんなこといわれたことあるような。
「こうするとマジ下腹部がキュンキュンするんだよなぁ」
「うんうん、こうしてもっと密着したい感じ、わかるわ」
なるほど、先ほど二人してから胸をぷにゅぷにゅ足をすりすりしているのはそういうことですか。
「ひょっとしてあれか、俺たち排卵日?」
「かもしれないなぁ」
股もすりすりしてきました。
「えっと……それじゃあもう1回戦する?」
翌日、二人はおめでたということが発覚しました。
開始3日前
「というわけで、今日は色々女性のことについてレクチャーいたします」
会議室に集められた元男子一同。
その表情は戸惑う者、かなりブルーになっている者、既に順応している者など様々。
ふっ、以前の私も彼らと同じく、こんな表情をしていたのだろうな。
女になってそれなりに経つ。女医として彼らに処置を施し、こうしてレクチャーするのは何回目か。
「では早速だけど、ブラジャーの着け方を教えます」
手早く脱ぎ、ブラを外し、胸をあらわにする。
張りのある形、ボリュームのあるサイズ、この美乳はちょっとした自慢だ。
まあ、他の女性スタッフ(元男)達の乳もみんないいもの持っているがな。
そして「おおっ」と上がる声。ふふっ、いい反応だ。
どうやら男子のハートは十分残っているようだな。そういう反応、見せがいがあるというものだ。
そうだ、存分に見るがいい。この私の、すばらしきバストを。
「では次は君達が実際にやってみよう」
私の説明をどこまで聞いていたかな? 私のバストに見とれている場合ではないぞ。
それはそれでいいのだがな。そうすれば彼らに触れる口実ができていいのでね。
初々しい彼らのバストをカップに詰め込むのだ……たまらんっ。
一様に脱ぎ始める元男子たち。うん、若々しい綺麗なバストだ。
やはり気になるか? そうだろうなぁ。こうも当たり一帯に乳が広がっている生の光景は生まれて初めてだろう。
私もだよ。いやはや、このTS法での担当をまかされての毎回の楽しみだ。
さーて諸君。私が丁寧にレクチャーしてあげるからね。
「先生、よだれが出ています」
「……失礼したね、ワトソン君」
「誰がワトソンですか。私は看護師です」
110日目 昼休み
39人もいるのだから好みが分かれるのは当然のこと。
ある人はベッドの上じゃなきゃダメとか、外でしたいとか、お風呂がいいとか。
体位も正常位がいいとか、バックがいいとか、体面座位がいいとか、騎乗位がいいとか。
信彦もそんなこだわりの強いタイプじゃないかと思った。
「はい、あーん」
「んぐっ」
昼休み、場所は決まって屋上、ショーツを膝まで脱いで、スカートたくし上げて、おっぱいあらわにして、体面座位。
そして、僕にお昼をあーんしながら。
どうしてこうなった。
「うまいか? 今日は手作りにしてみた」
「う、うん。おいしいよ。お弁当もあっちの方も」
「すけべっ」
しかしまんざらでもないようだ。昨日の女子の言葉を借りれば、信彦の下半身がキュンキュン言ってるのが接合部から伝わってくる。
「もう…バカっ」
プチトマトを口渡しされた。どっちがバカなんだか。
111日目 休み時間
39人もいるのだから好みが分かれるのは当然のこと。
ある人はベッドの上じゃなきゃダメとか、外でしたいとか、お風呂がいいとか。
体位も正常位がいいとか、バックがいいとか、体面座位がいいとか、騎乗位がいいとか。
良明もちょっとした嗜好の持ち主だった。
「俺のおしり、いい?」
ぷりんっ
「あ、うん。魅力的なおしりだね」
ぷにぷにで、弾力があって、さわり心地がいいです。
良介は尻フェチらしい。そして自分のおしりも気に入ってるのだと。だから下着はおしりがいつでも見れるTバックだとさ。
そしてそのおしりを僕に見せ付けられる立ちバックがお好み。
この体位だと自然と僕はおしりに触れる、それがいいのだと。なんかなぁ。
「だとして、なしてトイレ?」
そう、僕達が今いるのはトイレの個室。良介は水タンクに手をつけ、受け入れる体制。
「だってぇ、ここが一番立ちバックが映えるじゃん」
もうよくわからない。
112日目 休日
39人もいるのだから好みが分かれるのは当然のこと。
ある人はベッドの上じゃなきゃダメとか、外でしたいとか、お風呂がいいとか。
体位も正常位がいいとか、バックがいいとか、体面座位がいいとか、騎乗位がいいとか。
道広もまた、個性的でして。
「んっ、うんっ………ぷはっ」
道広の部屋、ベッドの上で向き合って、手をつないで、甘いキスをかわして。
「うん、かわいいよ清彦」
……僕は現在、女装しています。
「いやぁ、百合百合な光景だねぇ」
そしてこの部屋のパートナーの清晴は、男装しています。
道広は男性恐怖症。だから僕がこうして女装しないとダメなんだとさ。
うん、自分で言って悲しくなるけど、女装した僕って、恐ろしく女の子らしくて可愛いんですよ。
それはもう、泣きたくなるぐらいに。
「くすっ、清彦ったらクリちゃん硬くして」
スカートそっとたくし上げて、ショーツから顔を出してるクリちゃんに指でタッチ。
ええ、そうですよ。僕のムスコですよ、男のアレですよ、それが何か。
男性恐怖症って言ったのに、生で見るの嫌なはずなのに、女装してりゃ大丈夫なんだね。よくわからん。
「いやぁ実にいい光景だねぇ。美しいよ2人とも」
外野の清晴が、ちょっと腹立つ。
「ていうか、何で男装?」
「お前が女装してるから、バランス保つため」
何のバランスだ。
113日目 夜
39人もいるのだから好みが分かれるのは以下略。
好みが分かれるのはいい、別にいい。だとしても……
「ふはははぁぁぁぁっっっ! ああ気持ちいいっっ!!」
部屋に響く笑い声。敏明はボンテージ衣装に身を包み、ムチを振るう。
何にだって?
「ぐぎゃあぁぁぁっっ! 痛い痛いって!」
僕ですよ。
三角なアレに裸で縛られて、さっきからずっと鞭打たれてます。
「やっぱストレス解消に効果的だよなぁぁぁっっっ!!」
「こっちはどんどんストレスと痛みが蓄積されるわあぁぁぁっっっっ!!」
「「「だから壊すなっていってるだろがっ!」」」
「いやすまん。つい調子に乗って……」
とりあえず三角なやつは取り壊しておこう。
開始?日前
暗い病室のベッドの上、俺は最後の別れを惜しんでいた。
あのふざけた法律のせいで俺は明日、女にされてしまう。
今日に至るまでこの病院で検査のために入院。警備が堅いこの病院を逃げ出すことなんてできやしなかった。
もとい、ここから逃げたとしても完全に逃げ切る自信などない。
女にされてしまう絶望。泣きたくなる。泣いてしまった。今日だけは、このベッドの中で、そう思って。
泣いて気持ちが少しすっきりしたところで、別れの挨拶をしようと思い立つ。
今の人生に至るまで、俺の体の一部として、分身として共に過ごしてきた、こいつに。
今まで得てきたエロ画像やらの記憶を総動員して、最後の慰めを、処理をしていた。
そして、硬直。
人の気配がした。足音が。巡回の看護師だろうか。部屋に入ってくる。
落ち着かせる。息を整える。布団を頭まですっぽりかぶって、音を漏らさないように。
そうしていたら、ベッドを仕切っていたカーテンが開かれる。俺のベッドに近づいているのがわかる。
目を閉じて、寝ているフリをする。早く行ってくれないか。
近づく気配。俺に接近しているのがわかる。
「オナニーしてたでしょ?」
耳元でささやかれる。綺麗なソプラノボイスで。
バレてる。俺がしていることが。心臓が止まるかと思った。悪いことして、子供が怒られるのを怖がっている錯覚。
寝たふりを続ける。このままやり過ごしたい。
しかし、そうはいかなかった。布団がまくられる。そして
「!?」
キス、された。
柔らかな唇の感触、静かに入ってきた舌の暖かさ。
ほんの一瞬の出来事。だけど、寝たふりを強制終了させられて目を開くきっかけになるのは十分だった。
そこにいたのはいたずらっぽい笑顔で俺を見ている看護師。
美人で巨乳でスタイルがよくて。昼間見たナース服姿は薄い生地で下着の線が透けて見えて、ドキドキしていた。
薄暗い、非常灯のわずかな明かりで見える看護師もまた、綺麗だった。
「ほら、やっぱり固くしてる」
と、見惚れていたらいつのまにか手を中に入れて、俺の下に。
「ちょ、何を……」
「しーっ、あまり大きな音を立てないでね」
人差し指を立てて静かにするように促す看護師は、やっぱり悪戯っぽい顔だった。
「もしかして、私のカラダ想像してオナニーしてた?」
突然の質問、予想外の質問に頭が追いつかない。な、何を言ってるんだ?
いや、その……正直に言うとその、ちょっと想像しちゃいました。
「ひとつ教えてあげる。ここに勤めている看護師はね、みんなあなたたちと同じ元男なの」
え?
「もちろん私も男だった。数年前までね」
え? その、こんな美人が、男?
「だからね、あなたの気持ちよくわかる」
気持ち?
「いきなり女の子にされちゃうんだもの。悲しくなるよね、お別れにオナニーしたくなるよね」
あの、どうして脱いでるんですか?
「だから、これはささやかな私達ナースからのサービス」
あの、下着姿綺麗ですね。
「思い出、残してあげるから」
出し切った。もう空っぽだ。
フェラからスタート、パイズリ、クンニ、騎乗位、正常位、密着したり、キスしたり。
ベッドの上でできる内容で徹底的に攻められた。声を漏らさないようにするのが苦労した。すっげえ気持ちよかった。
「もう出し切ったかな? 」
無言の返事をする。
「初めてには刺激的だったかな?」
はい、正直に言います。俺童貞でした。これで童貞捨てました。
俺はからっきしなのに、看護師のほうはまだ余裕がありそうだった。
ウェットティッシュで体についた液体を綺麗にふき取り、ナース服を再装備。
さっきまで痴態を展開していたとは思えないぐらいビシッと決まってる。普段のスタイル。
「じゃあおやすみ。私は次のコのところに行かなきゃね」
ああ、そうやって皆にやってあげてるんだ。
去っていく看護師さんがどこか格好良かった。
120日目 職員室
生徒個人を認めたい。だからこそ機械的な行為はお断り。担任はそういってくれた。
それは生徒たちにとってもありがたい話。ただ単に子供を産めばいいということでなく、人格を認めてくれたのだから。
そうはいっても現実的に全員妊娠しなきゃならない。それがまたこのTSハーレム法の残酷な面。
だから、担任は僕に誰とやったのか報告するようにといってきた。
「ふむふむ、ちゃんと書いてくれたようだね」
「は、はぁ」
自分の恥ずかしいことを書いて提出しなきゃいけないなんて、どんな拷問だよ。
誰とやったかだけでなく、具体的にどんなプレイをしたか、何回中出ししたか、いつやったか、とにかく事細かに。
書いたら書いたで恥ずかしいし、だからといって書かなかったら僕と他の生徒たちにもお叱りが出てしまう。
こんな天秤ありかよ。どっちにしても僕は苦しむなんて。
とはいえ、こうやってある程度は管理しなきゃ全員の妊娠は望めない。そりゃわかっているけどさ。
「ふむ、大体わかった。大方全員とは何らかの形でやっているな」
お願いだから書かされた上にさらに口頭で聞かないでください。
「そして比較的やっていない相手もわかっているな」
「ええまぁ……」
エッチなことが大好きな若き男子たち。だから女になって好奇心爆発、というのも確かにいるけど皆がみんなそうという訳じゃない。
女になっても残っている男の自覚。それゆえにあまりやりたがらない人もいる。
担任はそれを確認したかったのだ。そしてそういう生徒にも配慮をしたかった。
そんな生徒たちだけは、排卵日を確認して、一回で済むように。
120日目 夜
「ふ、ふつつかものですがよろしくお願いします」
常明はベッドの上で正座して指を立て、頭を下げた。
うん、これからって思ってる男子にとってこれはやる気をそぐ演出第1位だ。
「えっと、怖がらなくてもいいからね?」
「は、はい……」
常明は大人しい性格だ。いたって真面目、勉強家、クラスの中でも成績優秀だ。
そういう真面目な性格だからこそ、普通の性格であり、ちょっと道から外れたことに抵抗を感じるらしい。これは担任の分析。
なんでも話によると最初は自分の女になった体を見て鼻血出して倒れたとか。純情なんだねぇ。
一応、一回はやってるはずだけどそれは僕の記憶では皆で海にいってフェロモンだか何だかでハイになったときの話。
その後冷静を取り戻した常明は自分のしてしまったことに強い嫌悪感を感じで数日間引きこもったとか。
う、うん。とにかく優しくしてあげなきゃ。
恐ろしいことに僕は相当手馴れてしまった。
女の子の服を優しく脱がせ、愛撫し、気持ちを高めさせていくことに。
いくつもの経験を積んで女の子は最初にいかに気持ちを高めさせるかがカギだと知って、そのテクニックを日々高めてしまっている。
うん、自分が怖い。
そして常明に対してもそのテクニックを駆使して気持ちを高めていく。
怯えた表情、だけど僕はひたすらに優しく声かけ、触れて、じっくり時間をかけて気持ちを高めていく。
怯えた表情の中に快感が入り混じって、手ごたえを感じてきた時だった。
「や、やめ……やめてっ」
高まっていたように見えたけど、怯えた様子に戻った。
「怖い?」
「その、ないのが……怖い」
目線の先には、僕の手、触れているところ、女の子の入り口。
「あったのに、なくなっちゃったのが…怖いから」
ある意味よくあるパターン。自分が女の子になってしまったことを一番よく自覚してしまう場所。
そういえば他の人が言ってたけど、、立ちションしようとして空振りしてしまうあの悲しさが最初はあった、って。
こういう場合は、あの方法試してみるか。
「これでどお?」
「あ……」
僕の固くなった下半身、常明にもついていた僕のムスコを触らせてみた。
前に僕の触って思い出したいって言ってた人がいたのを思い出したから。
しかし自分の触らせるって、変態だよね常識的には。
ただし、常明には一定の効果はあったようで。久しぶりに触れるそれ、自分のじゃないけど懐かしさを感じてるのか。
うん、色々まさぐってきてるね。本人は自覚ないと思うけど、手つきがちょっとえっちいよ。
「あ、あ……」
ぬいぐるみを与えて安心感を与えている間に治療をする医者のように、僕もそれと同時に常明を気持ちよくしていく。
僕の手が少しずつ活発になっていくのに合わせて、常明の握る手も少しずつ強くなってる。ちょっと痛い。
「あ、あっ、やだ……イクっ、イクうぅぅぅっっっ!!」
痛っ、痛たたたっっっ! ちょっと、手ぇ弱めて弱めてっっ!
「だ、大丈夫かな?」
波が去って、ようやく手からも力が抜けて、僕のムスコが開放された。いや折れなくてよかった。
「まだ続くよ、いいかな?」
一線を越えたようだ。常明は静かにこくり、とうなづいた。
「もっと気持ちよくしてあげるからね」
言った後でダメ人間のセリフだと思った。
121日目 朝
とりあえず受け入れてくれたのはよかった。嫌な記憶にならなくてよかった。悲し泣きしないでくれたのはよかった。
しかし、だ。
「あの、常明君。いつまでやってるのかな?」
「その、もうちょっとだけ」
どうしてこうなった?
朝食の席、席につく僕の足元で常明は……僕のムスコに頬ずりしていた。
触られ続けていりゃ硬くなりますよ。ええ、必然ですよ。
その硬くなったムスコを常明はずっとなでなでし、すりすりし、ぺろぺろしたりしていた。
僕のに触らせていたのが効果ありすぎたのか?
なんだかぬいぐるみを手放したくない子供みたいに見える。
「おいおい、お前常明を淫乱にしやがったのか」
「あのおとなしい常明を。お前鬼畜だな」
僕は悪くないです。多分。
121日目 夜
「ちっくしょおぉぉぉっっっ!! 出しやがれクソ教師っっ!」
がんがんとドアを叩くがそんなことでその扉は開くわけがない。
いやもう、僕も秀彦も一服盛られてしまいましたよ、夕食に。
睡眠薬が仕込んであったらしくて食事してたらばたんきゅー。そして気がついたらここですよ。
どこって? かつて信彦と共に放り込まれたことのある懲罰室と名前のついたラブホテルな部屋ですよ。
「だからいってるではないか。一発やらない限りその扉は開けないぞ」
「くそったれ!!」
がんっ、と品のない言葉を発しながら強い一発蹴り。当然そんなことで開くわけがない。
秀彦はいわゆる不良だった。
信彦もヤンキーだったけど、それとは種類が違うようだ。説明が難しいんだけど、男気が強い? 硬派なタイプ?
とにかく自分の男としてのプライドが高くて、女になった自分をまったくといっていいほど受け入れてない、というのが担任の説明。
だからといって目立ったことをして反抗的になっているわけではなく、のらりくらりと僕との接触をかわしていたそうだ。
ちなみにクラス全体の乱交的な授業(?)の際にはうまくバックれていたようだ。
「まー、こうなったらやるしかないね」
担任の行動パターンを熟知している僕は素直に諦めてベッドの上で正座する。
「喧嘩売ってんのか? コラ」
気楽になろうってつもりでにっこり微笑んだのだが、逆効果だったようだ。
鋭い目つきで睨んでる。めっちゃ怖い。
「あの担任だからもうしょうがないよ? ここは素直にやるしか…」
「流されてたまっか! 俺は男だ!」
うん、強気だ。ちょっとやそっとじゃOKしてくれそうにない。しかしさあ……
「男だって言うけど、その格好は……」
「目ぇさめたらこんなもの着せられてたんだよっ!」
ベビードールですよ。ピンクのスケスケで、下は紐パンですよ。すごいチョイスしたなぁあの担任。
男の自覚の強い秀彦にはダメージでかいんじゃないかな? まあ、それを狙ったんだと思うけど。
「でもさぁ、男だっていうくせに、こんなことでビビってたらダメじゃん?」
「こんなことのレベルが超えてるわ!」
ちっ、プライドを刺激して度胸でのらせようと思ったけど失敗か。
「大体てめえも他のやつらも流されすぎなんだよ。こんなおかしなことによ」
ずい、と威圧的に迫ってくる秀彦。うん、それは否定しない。こんなおかしなことってあたりに。
「でもさぁ、時に現実を受け入れることも重要だよ」
「こんなふざけた現実をか? ああん?」
「そりゃふざけてるけど、現実に秀彦も女の子になっちゃってるしさ、ほら」
くいっ
「ひいっ!? あ……ばかやろぉ……」
あ、あれ? 近距離だったからショーツに手を伸ばして上から軽く刺激しただけのつもりだったけど。
あっさり、ベッドの上に崩れ落ちちゃったよ。
「えっと……自分で試したことないの?」
「そ、そんなの……怖くて……」
身を縮め、防御姿勢を取る秀彦。うーん、これはちょっと意外。
大体みんな女の子の体になったらエッチな思いが爆発、遠き存在だった女体が身近にできたということで好き放題試しているらしいのだが。
秀彦、やってない?
秀彦みたいな不良だったら絶対に女の子に興味があって、エッチなこといっぱいやるんじゃないかと思ったんだけど。
もしかして……
「男気勝る、硬派と見せかけて実は……女の子が苦手?」
「う、うっせえっ! 言うんじゃねえっ!!」
図星だったのか。
「女嫌いって……今まで性格の悪い女子しかいなかったとか、過去に盛大に失恋したとか、女子からいじめられていたとか、小さい頃姉に女装させられていたとか?」
「な、何でわかるんだよっ! お前エスパーか!?」
図星かい。適当に言っただけなのに。
しかしこれはこれで駆け引きの重要なカードだ。
「お、おい。近づくんじゃねえ!」
「まあその、そんなに怖がらなくてもいいよ」
強気な相手が見せた弱点。女性への恐怖、それが女の子の自分の体に対する抵抗になっているならば。
強気な相手であればあるほど強気な姿勢には弱い。その壁、ちょっと強引に破ってみるとするか。
122日目 朝
じぃーっ
「……えっと」
じぃぃーっ
「その、視線が痛いんですけど皆さん」
「清彦、なにをやった?」
「……やりすぎました」
朝食の席、僕の隣にぴったりとくっついて座る秀彦が僕への皆さんからの視線の原因。
「清彦ぉ」
自身の胸をモミモミしながら、僕の手をスカートの中に、ダイレクトへと導いてくにゅくにゅしてます。
「もう、清彦のせいで……クセになっちゃった♪」
朝っぱらからトロ顔でエッチなことを要求してきて。
昨晩ハードに攻め続けたせいなのか、秀彦のハートをすっかり塗り替えてしまったようで。
なんか淫乱になってる?
「清彦なしじゃ生きていけないかも」
女の子になってる?
それはともかく
「朝食ぐらいちゃんと食べさせてください」
片手がふさがっていては食事がまともにできません。
「じゃ、じゃあ……ご飯食べた後なら……」
おねだりする顔したって、やりませんよ!
122日目 夜
「どういうことでしょう?」
またしても懲罰室という名のラブホテルです。
エッチを嫌がる生徒を排卵日に合わせて一回だけ、が今日で3回目。
その今日のお相手は……
「うおっ!? なんかすげーぞこの部屋。いっぱい道具あるじゃねえか!!」
部屋の装飾やら謎の道具やらでテンション上がっている正彦です。
正彦が相手、ということに僕は疑問だった。
正彦は恐らくこのクラスの中で最も女になった事を受け入れている人物ではないだろうか。
いつもの服装はだれよりもエロい。超ミニのスカートやブラウスをカットしてヘソ出し谷間くっきりにしたり。
下着だってオープンブラやTバックや謎の割れ目のあるショーツやら。時に前貼りやニプレスなど下着ですらない時だって。
そういう露出の多いスタイルで風邪ひくことがしょっちゅうだったり。
そしてうわさによると毎日姿見の前に立って自身の女体を鑑賞するのが日課とか。
さらには毎日のように僕だけでなく、みんなの前でエッチなダンスして自分の裸見せびらかしているし。
そいでもって……えーと、夜の方もそれなりにやっていたはずなのだが。
つまり、積極的であるからあえてこんな方法取らなくてもいいはずなのだ。
今だってほら。
「す、すごいこれ。ネコ耳しっぽのアナルビーズ試してんだけど、すっごいエロいよ」
黒いもふもふのビキニとネコ耳しっぽで勝手に遊んでるし。
『相変わらずだねぇ正彦君』
ん? スピカーから担任の声? 案の定この様子をモニタリングしていたか。
「あの、先生。正彦とは結構やってるはずだけど、わざわざこんなことしなくても……」
いい機会だ。思っていた疑問をぶつけてみよう。
『確かにな。しかし限度があるではないか?』
ん?
『積極的なのは結構。しかし正彦君は度が過ぎている』
ふむ?
『さすがに毎日のようにエロスタイルを見せ付けられるのは、こちらも疲れるのだ』
はい?
『一言で言えば行動がうるさい? そういえるかもしれん』
なぬ?
『あまりに長続きすると授業にも影響が出るし、妙な影響が出てきても困る』
んんっ?
『そこでだ。正彦君は早めに対処しようと思ってね』
へ?
『お腹に子供ができれば、少しは落ち着くかもしれんからな』
はいぃぃっ!?
『説明が少々難しいのだが、とにかく清彦君、頼んだぞ』 ぶちっ
「………」
遠まわしに言っていたけど、とどのつまり担任の言いたいことは……
『うざいからとっとと妊娠させて黙らせろ』
ですか?
「うわーん、なんだかよくわからないけど今日で俺のエロも最後!? だったら思いっきり楽しんでやるうぅぅぅぅっっ!!」
「ちょっ、正彦っ! 待ったあぁぁぁぁぁっっっっ!!」
「よく考えたら妊婦プレイってのもありかな?」
「胎教に悪いから自重しなさいっ!」
開始?日前
手術着に着替えた俺は、一歩一歩その部屋を進んでいった。
そう、今日がその日だ。
俺が女にされる日。俺の男の体と、別れをしなければならない日。
いい気分がするわけがない。俺の意思とは関係なく、女にされてしまう。
考えすぎると気がどんどん重くなっていくだけ。深く考えないようにした。
部屋にはいくつかのカプセルが並んでいた。
白い表面の一部に小窓のような、中の様子を伺うためのガラス面があってそこから中が少し見えた。
先に入ったクラスメイトの顔が、静かに眠っている顔が少し見えた。
「昨日は眠れたかな?」
声をかけてきたのは女医。
「では服を脱いでここに入ってくれ」
指示されたのは開いたカプセル中。その横に立っているのは……昨晩、俺と事をしたナースだった。
綺麗な顔、体のラインにフィットしたナース服。その下にあるのは、あの体。
思い出していた、昨晩の出来事。まずいと思ったときには遅かった。
「あら?」
「おやおや……」
起立してしまった、下半身。
手術着を着るとき、下着を全部脱いで裸で着るよう指示された。だから、余計に目立つ。
くすくす、と可愛らしい顔で笑う看護師。恥ずかしすぎる。
「言ったと思うが私も彼女も元は男だ。それほど恥ずかしがらなくてもいい」
そんなこと言われても女医さん。今現在は女性でしょ?
「仕方ない子ね。先生、ちょっとだけ時間いいですか?」
「またかね、君も好きだねぇ。結局全員にやるんじゃないのか?」
「最後の最後じゃないですか。いいでしょ?」
「好きにしたまえ」
呆れ顔で答える女医に何のこと? と訪ねるよりも早く、ナースが服を脱いでいた。
昨日も味わったボリュームのある胸があらわに。それが、接近する。
「みんなのケアも私たちの務めだからね」
これは、パイズリフェラ!?
「この子のこと、忘れないように、ね?」
綺麗な顔して、やることが大胆だった。
130日目 HR
「やっぱりねぇ、子供の名前はぁ、二人の名前から一文字ずつ取るのもいいなって思ったんだぁ。
だとすると男の子だったらぁ、清一かな? それとも雄彦? 清一のほうが響きはいいかなぁ。
女の子だったらぁ、可愛い名前がいいよねぇ。でも漢字だと難しいからぁ、ひらがなで取って『ゆうき』とか?」
朝から雄一はテンションが高かった。先ほどの発表が原因だろう。
ここ最近朝になると大抵一人はおめでたの発表がある。その中に雄一がいたのだ。
「ふふっ、私もついにお母さんかぁ。このお腹に私と清彦の愛の結晶がぁ」
うん、ついこの前まで男やっていた雄一も、他の皆も自分が子供産むというのがすごく不思議に思える。
皆それぞれそれは感じているだろうし、僕だって思ってる。
男だった頃のみんなをよく知っているから、そんなみんなが女の子になって、お母さんになって……
それにしても。
「一人目だけどぉ、清彦は子供は何人欲しい?
一人目は男の子で二人目は女の子の二人とか? それともサッカーチームができるぐらい?
何人でもいいよぉ。私がんばっちゃうからぁ、きゃっ♪」
人数ですか、他にも全員妊娠させるからサッカーチームは確実でしょうよ。
さてはて、雄一のふわふわ幸せモードはいつまで続くのでしょうか。
「よくまあそんな能天気にしていられるよな…うぇっぷ」
「あぁぁ、つわりで苦しいぃ」
一方で他のおめでたメンバーは苦しんでます。
「雄一はまだ症状が出てねえのか? なんか腹立つ」
うーん、しんどいみたいだな。
乗り切るための方法は色々と指導されているみたいだけど、それでも基本は我慢になってしまうのだとか。
だから軽減されても症状が出ることに変わりないようで。
そんなわけで、僕ができることは……
ぎゅっ
後ろから抱きついてみた。
「……なんだ清彦」
「いや、ストレス軽減なるかな、と」
つわりの要因のひとつに体の変化によるストレスがあるそうだ。
だから少しでもストレスを軽減、発散させるようにする、というのがあるのだが……これで効果あるかな?
「んっと……悪くない」
回した僕の腕に触れ、ぎゅっと握り締める。うん、これは効果があるようだ。
「あーーっっ、ずるいずるい。私も私も」
「ちょっ! お前そんなに症状ないからいいだろが」
「わ、私だってうーっ気持ち悪い」
「棒読みじゃねえかこっちはもっと辛いんだ癒しがほしいんだ!」
ダメだ、奪い合いが始まってしまった。
「ほう、ストレス軽減か。それは確かに効果が大きそうだな」
「あー、みんな先生が来たよ。席に戻ってほら」
とりあえず一時限目スタートだ。続きは後でやってあげるとして、今はとりあえず授業に集中……
「って、なにやってんすか先生」
担任が、僕に抱きついてきました。
「つわりに効果があるのだろ? だったら私にもしてほしいのだがね」
ん? それはつまり……
「私も、授かったのだよ」 にやり
おおーっとあたりから歓声が、そして拍手までもがちらほらと。
「年上の人もとりこにするとは。熟女クラッシャーの称号がついたな清彦」
いや、壊してどうする。
「というわけで私も清彦分を頂きたい。つわりに効果がある成分をね」
いやそんな栄養素みたいなのありませんから。つーかこの状況は……
「あーーっっ、先生ひとりだけずるいですっ。私も私もっ!」
やっぱし奪い合い再開じゃないかっっ!!
開始7日前
生徒達が大部屋で数人ずつこの施設で検査入院をしている中、私は教師ということで一人個室をあてがわれていた。
一人だから色々考えてしまう。昔のことを。TSハーレム法により、男役だった頃のことを。
私のときは法律ができて初期の頃だった。それだけに運用が多少荒削りだったのは否めない。
女子39人の中で男子は私一人、ハーレムもいいところだ。有頂天になっていた。
それだけの人数を好き放題やっていいって話なんだからな。そういう方向に興味津々な若き男子にとっては特に。
もちろん知った中もいた。一緒になってエロ本やAV鑑賞をしたやつだって。
そういうやつらは積極的だった。やりやすかった。
その中にもためらいのあるやつもいた。そういう時は「興味あるんだろ?」とそそのかしてやった。
特に交友のないやつは、やはり抵抗した。そのときは無理矢理やったな。
変な知識で無理矢理でもやって気持ちよくさせればクセになると思っていたが、そんなわけあるはずない。
当時は全然考えてなかったが、今思えば本当にひどいことをした。
突然女にされ、知った顔に犯され、傷つき、戸惑いながら、男でありながら子供を産まされた。
彼ら……彼女たちにはそれ以来ほとんどあっていなかった。
その後私以外の誰かと結婚したのもいるし、一人で育てたのもいる。
そして、病んでしまったのもいることも知った。
一見して平常に、幸せになったと見えるクラスメイトもいるが、彼らは果たしてその内に何を持っているのだろうか。
時を経て、それを私が追体験することになろうとは。
私自身もこれから女になって、子供を産むことになる。
言いようのない不安が、私が彼らに経験させてしまったのと同じようなものが、私も感じていた。
「調子はいいかしら?」
そんな私のところにやってきたのは一人のナースだった。
「……ああ、久しぶりだな。隆之介」
そのナースは、私のかつてのクラスメイト、男だった、ハーレムの一人だった、隆之介だった。
「ナースになっていたのには驚いたぞ。元気か」
「ええ、すこぶる元気」
美女だ。隆之介は私と同じ年のはずだが、まったく年齢を感じさせない、20代に十分見える。美魔女と最近はいうのか。
体にフィットした薄いピンク色のナース服。ボリュームのある胸にくびれ、美しいボディラインは以前とまったく変わらない。
それでいて、一児の母。
「子供は元気か?」
「ええ、すっかり大人の美人よ、私に似てね。あなたには全然似てないけどね」
くすくすと二人で笑いあう。子供が私に似ていないとは。それはよかったことなのか。
「……皮肉なものだな、こんな形で再開とは」
「こっちもだよ。まさかTSにナースとして立ち会うことになるなんてさ」
ベッドに腰を下ろし、肩を並べる隆之介。かつてのクラスメイトが語り合う。
隆之介は私とは特に親しい仲だった。親友だった。
その関係が崩壊したのは、あのTSハーレム法のせい。
隆之介は逃げることなどできない、諦めるようにして私の前に身を投げ出した。
お互いスケベなことも語り合った仲。私は性欲のままに隆之介を犯した。
果たしてそのとき、隆之介は何を思っていたのか。それは親友だった"彼"が今まで私と会わなかったことが全てを物語っているようで。
「すまない、隆之介」
あれこれと考えて、結局その一言しか言えなかった。
「……昔のことだから。俺は、別に怒ってないから」
いつのまにか男口調に戻ってる隆之介。強気でいるのだろうか。だが、涙目になっていた。。
私はそっと隆之介を抱き寄せた。抵抗せず、私の胸板に身を預ける隆之介。
沈黙が部屋を支配する。私も隆之介も何も語らなかった。
「なあ、お前女になっちゃうんだろ?」
「……ああ、そうだな」
それを深く考えたら怖かった。自分が別の体になってしまうのが。
その恐怖、隆之介も、他のみんなも経験しただろう。
そして、これから私の生徒たちも。
「だったらさ、最後に抱いてよ」
そっと離れる。そして、脱ぎ始める。
「女になる前に、健次郎の男を、最後に、感じさせて」
ナース服を脱ぎ捨て、現れた隆之介の女体。とても美しかった。
150日目 朝のHR
順調だった。本日の発表により、これで32名が妊娠確定。
そして6人ほど排卵日に合わせた行為により、ほぼ確定だ。
「いやぁ、俺もついに妊娠かぁ」
「なんつーか、この中に赤ちゃんがいると不思議な気分だなぁ」
「そんなことより、つわりが……おえっぷ」
思うところは人それぞれだった。
これでクラスメイトほぼ確定したわけだが、一人だけまだ未確定がいた。
「えっと……やべえな話しかけづらいんだけど」
「ま、まあな。その……そっとしておくのがいいか?」
教室の後ろのほうで、ぼーっと外を眺めている生徒。
敏明、彼がまだ妊娠が発表されていない、最後の生徒だった。
「というわけで二人には特別休みを命じる」
「いやというわけでとか言われても唐突過ぎて何が何だかですけど先生」
いきなり朝のHRで休みを命じられましたよ。一日の始まりで今日の授業の始まりのはずなんですけど。
「言わんでもわかるだろ」
いやそりゃあねぇ。今までのパターンからしてそれがどういう意味かうすうす感じてはいるけどさ。
「あまりにもいきなりすぎてどうにも……」
「どうにも言うな。こちらの診断では本日が敏明の排卵日なのだ」
うん、例のセックスに抵抗ある人たちを対象に排卵日に合わせてやるってやつ、それはわかってるけど。
それを皆の前で言っちゃうのかい?
「何を戸惑っている。清彦は敏明君を一人だけ妊娠しないで惨めさを感じさせるつもりか?」
いや、そんなつもりは当然ないし、ましてやそんな思いはさせたくないし。
「ならば善は急げだ。休みを与える。とっとと子作りに励めっ!」
強引過ぎるよ先生。僕たちの話は聞かないのか。
なんか色々不安。敏明のほうを見てみたら……目ぇそらされてしまったし。
「それとこれは餞別だ」
「ん?」
何だこのビン。なになに……『激! ハイパワー活力エナジーブレンド』?
「健闘を祈る」ぐっ!
サムズアップされたってどうしろと? こんなの飲ませて殺す気ですか?
150日目 日中 自室
休みというが、ある意味おつとめである。うん、上手いこと言ったとは思ってない。
とにかくその後、僕と敏明は教室を追い出され、丸一日の時間を与えられてしまった。
これを喜べばいいのか悲惨というのか。とにもかくにも一旦僕の部屋へと移動したのだった。
「しかしまあ、敏明は意外とやる気なんだな」
「や、やる気って、仕方ねーだろっっ!!」
敏明は今現在ばっちりベビードールなんていうエッチな下着に着替えてスタンバってます。
うん、スケスケの衣装がいい感じです。
「あ、あんまりじろじろ見るな」
いまさら恥ずかしがって手で隠されてもなぁ。だけどそうやって恥らう姿がグッときます。
「えーと、いいのかな?」
「何ためらっているんだよ。どっちみち俺は妊娠しなきゃいけねーし」
まあたしかに。全員妊娠が目的だからね。だけどさぁ。
「ここ最近の敏明とは、僕が殴られてばっかなんだけど」
「うっっ!!」
そう、記憶によみがえってくるのは敏明によるSMプレイ……という名前がついた虐待。
拘束され、ボンテージな衣装を着た敏明がムチやら何やらでただただ僕を殴打するばかり。
「そ、それは悪かった」
「いや別にいまさら謝らなくてもいいんだけど、ただ……」
「ただ?」
「そういうことするってことは、やっぱり嫌なんでしょ? エッチするの」
思い返してみれば敏明は皆の中で一番最初に相手していた。だけど、それが最初で最後。
以降は敏明とはやっていない。機会があっても先ほどのSMだけなわけで。
そうして避けているところ見ると、やっぱりいやなんだろうなーって。
まあ、普通はそうでしょ。
皆の中には盛んな人もいるけど、みんながみんなそうじゃない。
女の子になった現実受けいけられなくて、女の子の体でやることに恐怖を感じてるかも。
事実、何人かはそうだったから最小限にするようにもしていたし。
「……嫌じゃない」
「ん?」
「別にいやじゃねーよ。ただ、ちょっと機会が少なかっただけで」
「え? でもさ、その機会のたびに僕をビシバシしていたじゃん」
「そ、それは……俺のこと全然相手してくれないから」
「は?」
「そ、それでちょっとかっとなって、ひっぱたきたくなって」
え? あれ? ひょっとしてこれって……
「敏明って、ツンデレ?」
「い、いうなっ! 」
どかっ!
「うおっ!? い、いきなり殴らなくてもいいだろっ!!」
「うるさいっ! と、とにかくっ……とっととお前も脱いで始めろっ!!」
何この展開。強がってるくせに顔真っ赤にして恥ずかしがって。
敏明って、こんな性格だっけ?
まあそのとにかく……始めますか。
「俺のおっぱい、どお?」
「えっと……大きくて柔らかくて、揉み応えがあります」
ベビードールの間から手をもぐりこませ、揉んでいたら唐突にそんな事聞かれた。
だから正直に答えちゃった。
「清彦はおっぱい、好き?」
「……好きですね」
あまりこういう好みは聞かれたくない。答えるのが恥ずかしい。
「俺もおっぱい、男のときは好きだったから」
うん、そういえば巨乳について語っていた気がする。
「だからさ、女になったとき鏡の前でいっぱい鑑賞して、揉んだりしたよ」
それ、他のみんなもやっていたっぽいけどね。
「最高だったよ。自分の好みのおっぱいが見放題で触り放題で。けどさ……」
「けど?」
「清彦と最初にやったとき、おっぱい揉まれたとき全然違った。自分でしていたのと」
「自分で触るのと触られるのとの違い?」
「清彦に揉まれたとき、すごくどきどきして、気持ちよくて」
「今も?」
今も僕は敏明のおっぱいをモミモミしている真っ最中。
「うん、すごく。きっとさ、女の子って好きな男の子におっぱい揉まれると気持ちよくなるんだと思う」
可愛い、まるっきり恋する女の子の発言をする敏明。
僕は聞き逃さなかった。というより聞いてしまった。ものすごく大事なことを言ったことを。
「清彦、俺……清彦のこと、大好き」
女の子の、突然の告白。
今の敏明はすごく可愛かった。
「なんだろな、初めてのときよりずっと気持ちよかった気がする」
一戦を交えて余韻に浸っている最中。
横になる僕に敏明は密着して添い寝状態。
ハグハグする敏明のおっぱいがぷにぷにして気持ちいいです。
その顔はデレな状態。本人は自覚しているのだろうか。
「うん、愛のあるエッチは気持ちいいんだよ」
「あ、愛って……ばかっ」
うん、ツンデレは健在のようです。
「そ、それでな清彦。とにかく一線だけで終わるつもりないよな?」
先ほどから足元がもじもじすりすりしてきているのが気になっていたところです。
「もちろん1回で終わるつもりはないよ」
我ながらエロ発言。
「だ、だったら折角だし……場所変えないか?」
「ん?」
150日目 日中 男子トイレ
誰もいない男子トイレ、その男子用便器の前に敏明は手をかけ、僕におしりを突き出す。
わざわざ制服に着替えて、下着を下ろし、スカートをたくし上げて突き出されるおしり。
こちらも丸くてぷにぷにですごくいいです。
「あはっ、す、すごくいけないことしてる気分」
僕もびっくりだよ。敏明がこんなこと要求するとは。
場所を変えるってこういうことまでとは。
「ほ、他のやつとはやったんだろ? トイレで」
うん、そんな気がする。
「ほら清彦。尻ばっかじゃなくておっぱい揉めよ」
いや、バックの体制なんだから自然とおしりに手がいってまして。
言われるがままに便器に手を突いて半四つんばい状態になっている敏明に覆いかぶさるようにして、おっぱい揉み始めた。
「あ、いいっ……もっと、もっとぉ!」
結合部がきゅんと締まる。それだけで相手ががどんな常態か、わかってしまうようになった。
「あ、イクっ、イッちゃう……出して、思いっきりっっ!!」
込み上がってくるだろう敏明のペースに、僕は合わせるようにした。これも慣れだ。
「あっ、あぁっっ………!」
どくどくと脈打つ僕のペニスが、敏明の内側を真っ白にしていく。
150日目 日中 体育倉庫
薄暗い体育倉庫の中、わずかに洩れる外からの光で僕たちの姿を確認しあう。
僕はそのままだけど、敏明はご丁寧に体操着姿に着替えている。
体操着、このクラスでは体育で着用する体操着は好きなものをチョイスしていいってことになっている。
短パンとか、スパッツとか、ぴったりしたランニングウェアとか……もちろんブルマも。
「こ、これもまたいけないことしてる気分」
といいつつも罪悪感は微塵もないだろ敏明。
たくし上げて胸をあらわにして、ブルマ着用でちょっと横にずらして挿入して騎乗位で。
仰向けになる僕の上にまたがって、上下しています。
「あはっ、お、奥にまで達してるよ。清彦のってやっぱしでかいよな」
奥までしっかり入ってるのが目に見える。敏明は酔いしれているようだ。
「ほらっ、お前横になってサボってないでおっぱい揉めよ」
「あ、うん」
手をつかまれ、そのまま胸に誘導。
うん、さっきも堪能したけど手にフィットするちょうどいいサイズの、柔らかいおっぱいですね。
「あんっ……気持ちいいっ、最高ぉ♪」
敏明のテンション、やたら高くないですか?
150日目 日中 プール
マイクロビキニ、見えるか見えないかギリギリのラインを狙った水着は実に男性のハートをかきたてるアイテムです。
それを装備した敏明はなんともエッチな雰囲気に包まれています。
僕も水着に着替えさせられ、プールにイン。ここでプレイですか。しかし……
「皆さん授業中なんですけどおぉぉぉぉっっっっ!!」
そう、ここにいるのは僕たちだけじゃない。他のクラスメイトたちも、まさに授業中です。
まあ皆さん体のことを考えて泳いでいる人も水中ウォーキングだけ出し、見学している人も半数だし。
とにかく、注目されているのは必死です。
「いいじゃねえかよ、もっと見せ付けてやろうぜ」
「いくらなんでもこんな大勢いるところでちょっと僕の手をおっぱいに誘導しないで!」
「あんだよ、今まで教室でやったりしてただろぉ? 今さら何言ってんだよ」
「ちょっと無理矢理しないで入れようとしないでうわなにするやめ……」
僕はパニックです。皆さんの視線が集まりすぎてます。
「清彦も敏明も、結構大胆だなぁ」
「むむぅ、なんか腹立つ」
「いやいやお熱いですねぇ。どうぞお楽しみに」
お願いだから皆さんもうちょっと抗議を……
ぴぴーっ
「お前ら一日時間をやると入ったがプールではやめろ。水が汚れる」
もうちょっと別のところを指摘してほしかったです先生。
開始4日前
鏡があった。
自身の姿を映すための道具、そんなことはわかっている。
問題なのはそこに映る姿が今までの自分とは異なっているという事実。
まず顔だ。40代近いオッサンの顔はどこへ消えたか。どことなく印象は残っているものの、その顔は若い女性だ。美女だ。
そして体のライン。特に病院着を内側から盛り上げている、立体を形成している物体に目が行く。
そっとあけてみると、そこにあったのは今まで自分には存在しなかったもの。
それなりに鍛えていた筋肉の胸板が、美しい大きなバストに変わっている。
その周りにある胴体も腕も細くなっている。肩幅も狭くなって、骨格までもがしっかり変わっていることを知らされる。
一言で言うなら、美しい、だ。事実この処置で性転換されて女になると例外なくスタイルのいい美女になる。
はっきり言うと鏡に映る自分の姿は私の好みでもある。
好みの女性が裸の姿。緊張するさ興奮するさ。
しかし、それは自身の姿。それを理解したうえで、改めて自身の体を見るならば……
「重くて邪魔だな」
自身の胸だ。この時点で重量をしっかり感じる。肩の負担も。
胸が大きいと肩がこるのは紛れもない事実だな。
「でも好きなんだろ? おっぱい大きいほうが」
横で鏡に映る私の姿を一緒に鑑賞するのは隆之介だった。
看護師として、患者の健康管理などという適当な名目で私と今現在こうして観察中だ。
「確かに、大きいほうが好きではあるが。しかし自分がなるのは違うな。やはり鑑賞するにつきる」
ためしに右の胸を持ち上げてみる。うむ、重量感がある。
「そうだねぇ、鑑賞するに尽きるねぇ。俺もそう思ったよ女になったときは」
そして隆之介は私の左胸を持ち上げる。
「うん、Jカップってところかな? こんな爆乳で美乳なんだから卑下にするなよ?」
何の遠慮もなく私の乳房を揉み、乳首を舐め始める隆之介。くっ、少し感じてしまった。
「こんな立派な体を独り占めできるなんて、あの少年に嫉妬しちゃうね」
あの少年とは男役の清彦のことか?
「彼に処女上げちゃうことになるのかな?」
「……そういうことになるだろうな」
止まらぬ隆之介の愛撫に平然を装いつつ、答える。
そうだ、女になった以上はそれは避けて通れないのがこのふざけたプログラム。
私だけじゃなく、生徒たちも同じ事。
そしてその一人、清彦に負担が集中する。
一見するとハーレムでうらやましいだろう。が、そんなものじゃない。
全員の相手、体力的負担と共に精神的負担も大きい。かつてのクラスメイト、男子だったクラスメイトたちを抱かなければならないという重圧。
清彦は私の目から見て芯のある真面目な人間だ。そして、誰よりも優しい。
決して野獣などではない清彦が、皆を、私も抱けるだろうか。
「せっかくだから、俺に処女くれない?」
「何?」
「じゃーん、これなんだ?」
黒い棒、そして紐のような布地がついたもの。その黒い棒はあるものをかたどっている。そう、それは……
「……ペ、ペニパン」
「ふっふっふ、すごいでしょ? 健次郎のペニスを忠実に再現してみました」
「……わざわざMRI撮影するときに勃起させた理由がよくわかったよ」
「そう、だから……これから自分のでたっぷり犯して、ア・ゲ・ル♪」
190日目 朝のHR
「というわけでこれで晴れて全員妊娠したということだな。まずはおめでとう」
本日担任から最後だった敏明の妊娠が発表された。これで全員、か。
あたりを見回せば制服姿のクラスメイトの何人かは既にお腹が大きくなっているのがわかる。
妊娠時期にばらつきがあるから、その差はあるようだ。
「で、だ。これで清彦君の役目は終わったのだが」
「へ?」
あー、そういうことか。
僕の役目は確かに全員を妊娠させること。そして今、その全員が妊娠したわけだ。
ということで僕はお役御免、もう必要はないって事になる。それはつまり……
「僕には帰れ、と?」
「帰りたくないかね?」
それをいわれては……帰りたくないわけじゃない。ここにいることは生活上多少の制限はあるから。
街からは離れているし、どこかに出かけるってことも早々できない。
それを考えたらさっさと元の生活に帰って色々今までできなかったことをしたいとは思う。しかし……
「一人で帰れ、と?」
もう用済み、必要ない。だから帰れ、みたいなことを言われては、カチンとくるさ。
見る人が見れば僕の額には青筋が立っていたかもしれない。自分でも珍しいとは思う。怒るってのは。
「それはお断りですよ」
そんなこといわれたら、反論したくなる。
「僕一人でのうのうと帰るなんて、そんな事できませんよ」
そう、それは用済みといわれたからじゃない。その理由は……
「お腹大きくした彼女達、放って帰るなんてしませんよ」
ああそうだ、僕だけじゃないから。
「今までずっと一緒に生活してきたんです」
大変なのは、彼女たちだって。
「彼女達は、母親になったんですよ」
わけもわからず、女の子にされて。
「だったら、僕だって父親になったんだ」
彼女達は、僕よりずっと大変なんだ。
「父親が母親と子供捨てて、どっか行くなんて、最低だろ?」
だから、意地だ。僕だって。
「……ふっ、なかなかすばらしいよ。言っておくが私は君に帰れとは一言も言ってないぞ」
「……」
「有無を言わさず問答無用で彼女達は女にされ母親にされた。そして君もまた父親にされた」
「……」
「彼女達は逃げることができない。しかし君は逃げることができる。それこそ縁を切って皆のいないところに一人で、な。
だがそれは選ばなかった。もし君が帰るといってたら私は君をぶっ飛ばしていただろう」
「……」
「まあ、そう言わないとは思っていたがな。君は優しいからな」
どうやら、僕は担任に一杯食わされたようだった。
190日目 夜
僕はここに残って父親を果たす、なんて啖呵切ったけど実際のところ何をすればいいのかさっぱりわかっていなかったり。
こうしてベッドの上でどーしよあーしよとゴロゴロ転がってるしか今はできなかったりする。
つーか、僕って無力?
「ん? どうぞ」
ノックの音がして、入ってきたのは忠明だった。
「よっ、お邪魔するよ」
「ああ、どうぞ」
パジャマ姿の忠明。とてとてとベッドで胡坐かいて座っている僕のそばに歩み寄り、そのままベッドに腰掛けた。
「えっと、4ヶ月ぐらいかな?」
「もうすぐ5ヶ月目だな。つわりも治まって安定期だよ」
忠明のお腹は少し大きくなっている。子供がいるってことがわかるぐらいに。
皆の中では早くに妊娠がわかって、多分出産予定日は一番早いかもしれない忠明。
「今日はまた担任に啖呵切ってたな。あれはなかなか格好良かったぜ」
「そ、そうかな?」
「まあ、担任のほうは挑発してみたって感じだよな。お前の反応見たかったんだろな」
「ああ、それは僕にもわかって……って、忠明」
「あ、なんだ?」
「いやその……どうして僕のベッドにもぐりこんでるの?」
隣で座って話していたと思ったら、いつの間にか僕のベッドにインしてるのですが。
「いやーそのさ、今日はここで寝かしてくれね?」
「へ?」
「ベッドの中でしかできない話ってのがあるじゃん」
そんなのありましたっけ?
190日目 夜中
というわけで今日は忠明が僕と添い寝です。
言っておきますけどやらしいことはしないよ。お腹の子供によくないからね。
「ひさしぶりだなー、こうして一緒に寝るのはさ」
「う、うん」
隣に横になるだけと思っていたら、想像以上に密着しているんですけど。
添い寝、ですかね。抱きついてきている感じだから、もっとか。
胸があたって、ぷにっとなってるんですけど。
「清彦、みんな嬉しかったんだよ」
「なにが?」
「お前が帰るって言わなかったこと。それと、父親だって言ったこと」
「あ、えーと。それは売り言葉に買い言葉みたいなもので」
「勢いだとしてもさ、嬉しいものは嬉しいんだよ……みんな、女の子になったからさ」
「あ、うん。確かに女の子になったけど」
「体だけじゃなくて、ハートもだよ。俺も、最近自覚してる」
僕に抱きつく手の力が強くなった気がする。ぎゅって、僕のパジャマつかむ手の力が。
「もちろん記憶とか、しゃべり方とか、男のときのままだよ。だけど、時々考え方とかが、ああこれ女の子の考え方だ、って自覚するんだ」
「……」
「自分では体は女になったけど中身は男のままだ、女になるかって強がってたけど、やっぱり女になっちまってる」
「……」
「違う自分になって、どんどん自分が変わっていくのが怖くて……」
「女の子になったの、悲しい?」
「……そりゃそうだよ。悲しいよ」
忠明は涙ぐんでた。普段から強がりな、一緒の部屋の俊介をリードする立場だけど、違う一面。
確かに、女の子になっちゃったかもしれない。
「ダメだよ、悲しくなっちゃ。お腹の子供も、悲しくなっちゃうからさ」
「んなことわかってるよ。けど、妊婦ってのは情緒不安定なんだよ……んっ」
「だから、僕が帰らないって言ったのが嬉しかったんでしょ?」
僕に抱きつく忠明を、僕は抱き寄せた。
ぎゅっと僕の胸に抱きしめて、なでなでしてあげて。
「……みんな、強がって見えるけど不安だと思うんだ」
「うん」
「だから、清彦っていう守ってくれる男が必要なんだよ」
「うん」
「みんな相手にするの大変かもしれないけど、甘えさせてくれよ」
「もちろんだよ。皆がお母さんになったのと一緒で、僕もお父さんになったからね」
ベッドの中、僕の胸の中で泣きつかれたのか、忠明は眠っている。幸せそうな寝顔を浮かべて。
開始4日前
まだ異物の挿入間が残っている。
下半身の、自らに新たに生まれた器官、新品の、出来立てほやほやのそこに挿入された感覚。
かつて自身の男性のシンボルがあった場所には女性のそれができており、そこに自身の男性のシンボルをかたどったものを挿入されて。
未知の感覚、入れられることなど今までできるわけがなかった場所に、挿入された。
初めては、処女喪失は痛いものだろうが、これは想像以上だった。
傷みの後に快感がやってくるという男の発想は本当にいい加減なもので、とにかく今は痛みしかなかった。
「初めてにしてはハードだったかな?」
そして入れた張本人、隆之介は悪びれているのかわからない口調で私に語りかける。
「可愛かったよ、あんなに激しくなっちゃってさ」
つい先日、私は攻める側だったが今日は攻められる側。
キスに始まり、愛撫に続き、ボルテージを徹底的に上げたところで、挿入された。
多分隆之介は上手だったんだろう。処女喪失の痛みは覚えている。その後は覚えていない。
初めて経験する女の快楽に、記憶に残らないぐらい狂って、喘いでいたのではないだろうか。
自分ではなくなる、そんな感覚。
喘いでいたと思われる自分は果たして本当に自分だったのだろうか。
「……お前も最初はこんな痛かったのか?」
「そりゃそうだよ。みんな痛かったんじゃない?」
さらっと答えるその言葉が、私の過去の過ちを思い起こさせる。
性欲のままにクラスメイトを犯し続けた自分を、過去の自分を。
「気持ちいいとは、思わなかった?」
「そんなことはないよ。他のみんなは知らないけど」
そこまで聞いて、それ以上は聞けなかった。
過去クラスメイト達がどんな思いで私に抱かれていたのか、犯されていたのか。
自分がその立場になって、初めて分かった気になって。
愚か者だな、私は。
「健次郎、そんなに自分を責めるようなことをするなよ」
密着する隆之介。私の胸と隆之介の胸が重なり合い、つぶれる。
女同士、裸同士。お互いに大人になろうとしている子供がいるほどの年齢なのに、美しい体をした女同士が裸で抱き合う。
そして、近い隆之介の顔。
「過去は過去。それはしょうがない。そして少なくとも俺は攻めてないだろ」
「……」
「とにかく今お前は教師として、あの生徒たちを教えなきゃならないだろ」
「……ああ」
「だから今日は女のセンパイからの特別授業。嫌な思い出じゃなくて、気持ちいい思い出にしてあげるための、な?」
ああ、そうだな。そう返事する前に私の唇を隆之介の唇がふさいだ。
かつてはクラスメイトの男同士、今は美しい女同士で濃厚に交わす接吻。
私の中で高揚する何か。目の前にある隆之介の顔を見て、これから行われることに期待してしまう。
「じゃあ今度は、健次郎がリードしてくれる?」
「……ああ」
その日私は生まれて始めてペニパンなるものを装着した。
300日目 入浴時間
そういえば僕らがここでの共同生活を始めてそろそろ1年近くなるんだなぁ。
一日の疲れを落とすに入浴時間はリラックスできるから、あれこれと考えることのできる時間でもある。
最初の頃は女の子になった皆にどきどきして、女子の中たった一人男の僕は緊張していた。
中身は皆のままだって事わかってるくせに、やっぱり外見が変わっちゃったからね。
女子がいる、って意識しただけで危うかったのに裸を見るだなんて、もう無理だったよな。
だけど、今はそうでもない。無反応、って言うのは嘘だけど、当初の頃よりは落ち着いていられる。
けれども裸を見るとどきどきするというか、興奮するのは変わりなく。
そして今は、みんなは妊娠してお腹を大きくしている。
すらっとした健康そうでスタイルのいい、それでいて巨乳のみんなの体。その体に妊婦の属性が付与されている。
うん、お腹が大きくなった皆はやっぱり綺麗。
母性が相まって美しく見えるのか。見惚れちゃうなぁ、ついつい見ちゃうなぁ。
当初の頃からみんなは僕の入浴時間に合わせて入ってくることが多い。
最初の頃は完全に裸見せつけて嫌がらせが目的。それがそのまま定着しちゃって今も一緒に入っている。
理由は色々、最初からそのサイクルで生活していたからなんとなく固定しているとか、いまだに嫌がらせ目的とか。
他にも裸の付き合いというか、裸同士だからこそ話できることもあるらしくて。
というわけで今日もこの大浴場は混雑しているのでした。
「よっ、邪魔するよ」
こうして湯船に浸かっていると大体誰かが僕の隣に寄り添い密着する。今日は明彦だった。
このクラス一の爆乳の持ち主、僕の至近距離でその爆乳はぷかぷかとお湯に浮いている。
本人曰く、妊娠してさらに大きくなったらしい。最強だね。
「なあ、清彦」
「なに、明彦」
「我慢しなくていいんだぞ」
がしっ
「ん?」
ふにゃっ
「な、何すんのおぉぉぉぉぉっっっっ!?」
いきなり手をつかまれて、そのまま爆乳に誘導された!?
「なに、胸触るぐらいだったらまったく遠慮はいらないのだぞ」
ふにょんふにょんふにょんふにょん
「いやいやいやいや、一体急に何をしてるのさ明彦」
「お前が俺たちに目一杯気を使っているのはわかってる。お前は優しいからな」
むにょんむにょんむにょんむにょん
「そ、それがどうしてこうなるのさ」
「我慢してるだろ。そのためにこっそり抜いてるだろ」
「ぎくっ」
必然だよ、それは。
女の子に囲まれた生活、衣食住共同の生活であり、こうしてお風呂まで一緒に入っているんだ。
女の子のいい匂いに当てられて、素肌を見ているんだ。そりゃ男だから自然と反応しちゃうさ。
今までだったらそれがみんなに発散していた。ベッドの上で夜戦を展開、って具合で。
でも今はそういうわけにはいかない。みんなお腹に子供がいるんだから。
だからみんなのことは本当に大事にしなきゃいけない、神経使ってた。
情緒不安定のときは添い寝して落ち着かせることもしていた。そんなときも優しくしなきゃいけない。
だから我慢しなきゃいけない。変な気を起こさないように、寝る前にこっそり抜いていた。
それが、しっかりばれていた?
「お前が俺達に気を使っていることは本当に感謝している」
むにむに
「でもな、俺達だって元は男だったんだ。だから興奮することぐらいわかってる」
むにゅ
「そりゃあ今は妊娠してるからできん。だがな」
ぽよん
「できることはやってもかまわん。だから、胸触るぐらいなら一向に構わんぞ」
「う……」
うん、そりゃあたしかにそういう気持ちはあったけどさ。
なんていうか、それを言われると……抑えきれるか不安になるっていうか。
「そーそー、我慢はよくないぜ」
「気ぃつかってもらってるからなぁ。こっちも礼をしなきゃいけないし」
気がつけば周囲にみんなやってきてた。
僕はみんなに気をつかってるつもりでいた。けど、みんなも僕に気をつかっていたのか。
心配しているつもりでいたら、僕のほうも心配されていて。
「みんな……」
かーっと熱くなる。この気持ち、これは……
「のぼせました」
ばたんきゅー
「ってうおいっ!?」
「久しぶりにおっぱい触ったのがそんなに刺激強かったのかよっっ!!」
「ちょっとー! 清彦しっかりせぇー!!」
結局僕のほうが気をつかってもらっちゃってます。
301日目 午前授業
妊婦に軽い運動は大切です。
体は大事にしないといけないけど、だからといって動かないでいると体にもよくない。
そうなると選ばれる運動は大抵ウォーキングか水泳。
というわけでここ最近はずいぶんと水泳の授業が増えました。
「そう、それは合法的にエロ衣装を身にまとえる時間」
「例え違法でもエロ衣装つけてなかったっけ正彦」
水泳の時間の正彦は実に楽しそうだ。
それもそこも本人が言ったとおり水着を……露出の多い衣装を着る事のできるから、なのか?
「ただの裸よりも何か少しでも見につけていたほうがエロいと思わないか清彦」
「あーうん、そうだねぇ」
適当に返事しておこう。
水泳とはいえ体に負担がかかるから実際にやるのは泳ぐことよりも水中ウォーキングのほうが多い。
基本どんな水着を着るかは自由。となると標準の紺のスクール水着や競泳水着が多いかと思いきや、実際はビキニが意外と多かったり。
その理由はビキニのほうが着易いからじゃないだろうか。あのお腹でワンピース水着大変だろうし。
それにお腹の圧迫が少ないのだろう。そこは大事だからね。
「というわけでどうだ清彦。今日の俺のチョイス!」
正彦が身につけているのは紐です。紐みたいな水着です。スリングショットって言ったっけ?
ブイV な感じの水着は妊婦のお腹の周りを支えるように周回し、上にたどってかろうじて胸の先端を隠している。
「ああっ、このこぼれそうなおっぱいの、不安定な感じが、た・ま・ら・んっ♪」
完全に露出狂の発言だ。本人は自覚しているのだろうか。
元々ナルシストのように、自分の体を鑑賞するところから始まっていたはずなんだけど、最近露出狂の傾向に移行してないか?
大丈夫だろうか、これ。
「お母さんは頑張ってるよ。お父さん喜ばせるために今日もエッチな水着着てるよ」
なんだか僕のせいにされてるっ! お腹の子供に変なお父さん像植え付けないでっっ!!
どうしよう、こんな思考パターンが子供にも移ったら。正彦の子供だけど、僕の子供でもあるんだぞ。
「おい、清彦」
「ん?」
くるうり
「さっきから正彦の相手してばっかだけど、こっちだって気合入れた水着着てるんだぞ」
「え?」
「TバックだぞTバック」
「俺はマイクロビキニで攻めてるんだぞ」
「こっちはローレッグ」
「スケスケがいいに決まってるだろ」
うん、なるほど。確かに皆さんビキニですねぇきわどい水着ですねぇ。
なかなか壮観な光景ですねぇ。きわどいところを狙ったスタイルは裸よりもかえってエッチに見えます。
っていうか。
「みんな、着易いって理由でビキニじゃなかったの?」
「「「こっちの気持ちを台無しにするなっっ!!」」」
ああ、どうやら皆さん、僕のために変に気をつかってくれていたようです。
301日目 中休み
トイレに拉致られました。
「つ、常明君。どういうことかな?」
トイレに拉致られ、一緒に個室に入った時点でもう嫌な予感は的中したも同然だった。
「もちろん、清彦のことを思ってだよ」
セックスに抵抗を感じていた常明、それがついにことを果たして妊娠し、今4ヶ月ぐらいじゃなかったか?
見た目にはちょっとお腹が出てきたナぐらいの初期だけに、あまり変なことはしないでほしい。
そんな常明が僕のことを思って何をするのか。
ブラウスのボタンに手をかけ外して、フロントブラのホックを外して、あらわになったおっぱい。
「んふっ、カタくなってるねぇ」
洋式便器に座らされ、硬直している僕のズボンに触れる。
そしてためらうことなく僕のズボンのチャックを下ろしてあらわにする。
ええ、そこもまた硬直してますよ。
「あはっ、久しぶりぃ♪」
やっぱしこうなるのね頬ずりしちゃってまあ常明さんたらっ!!
一線を越えて痴女になってしまったようだ常明は。ビギンズナイトのときは何とかなだめて落ち着かせたけど、溜まりたまってましたか?
いとおしそうに頬ずりする光景は、ちょっと不気味です。
「お腹の子供によくないからぁ、フェラしかできないけどぉ、いいよね?」
いやそれでも十分ダメだと思うんだけど。
僕の答えなど聞かずにパイズリフェラを開始。
「ちょ、ちょっと常明……」
「んーっ……」
あまり変に抵抗して常明に怪我したら大変だからと思っていたけど、それはそれで大変なことになってしまう。主に僕が。
夢中になってちゅぱちゅぱしてる様子はものすごくエロい。
どうしてこうなった常明君。
「ぐっ!……」
久々のフェラ体験だったせいか、僕はあっという間に解き放ってしまった。
噴き出す白濁の液体を、口にしてるそれからもらすことなく受け止める。
「んふっ、濃いね♪」
放出すると男子は賢者モードになるのです。
いやもう色々やってしまった絶望感はハンパじゃないんですけど。
そううなだれて上に視線を向けたときだった。
「………」
「………」
「……じぃーっ」
個室の上、その隙間から複数の視線。
なんか、皆さんのぞきしているんですけど。
「……いつからそこに?」
「『んふっ、かたくなってるねぇ♪』あたりから」
ほぼ全部見られてました、というオチはお約束だね。
301日目 昼休み屋上
屋上は例のごとく信彦のなわばり(?)になっていることに変わりはなく、誰も近づこうとしません。
したがって本日お昼休みは信彦とふたりっきり、手作りのお弁当をいただきます。
「うまうま。にしても腕を上げてない? 信彦」
「お、おう。ありがと」
隣にならんで座り、一緒のお弁当を口にする信彦。なんだか顔が赤いです。
それにしても信彦もだいぶ印象が変わったなぁ。最初の頃は本当に荒れてた感じだったけど、今ではすっかり女の子だ。
お腹も、大きくなったな。
「なあ、清彦。お前、溜まってるんだろ?」
……信彦、君までその話題出すの?
「い、いや。あれはデタラメだからね。みんなが勝手に色々と……」
「そう聞いたからさ、清彦」
あ、あれ。信彦さんなんでスカートに手を入れてるの、どうしてショーツ脱ぎ始めてるの?
「その……お、お尻だったら使ってもいいから」
ぶうぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!
「き、きたねーぞ。それにせっかく作った弁当噴き出すんじゃねえよ!」
「い、いや、そんな事いう方がおかしいでしょ!!」
どーしてみんな変な方向で気をつかっちゃってるのさ。僕はそこまで性欲魔人じゃないって。
「お、お前、まさか俺の行為断るんじゃないだろうな」
「あれ、何怒ってるの?」
「き、清彦の事思って、お尻だったらいいだろうと思って、カンチョーやって中身空にしてきれいに洗って準備したんだぞ大変だったんだぞ!」
「具体的にいわなくていいでしょ食事中でしょ!!」
どうしてみんなこうなっちゃったのさ、最初の頃は本当に荒れてた感じだったけど、これじゃすっかり痴女だ。
「こ、断るわけないよな? 俺にここまでさせておいて、まさか断らないよな?」
凄みがきいてます信彦様。僕に迫って睨みつけて、もう断れる状態ではありません。
「……わかりました」
やっぱり僕は押しに弱いことは間違いない。
「じゃあ、前準備から……」
そう言ってぺらっとスカートめくって、僕におしりを向けます。
うん、信彦のおしりはキュートだね。
ここにいるみんなは大抵スペックが高い。胸もお尻もボディラインも、本当にモデル並。
その中にちょっとずつサイズが違ったり、形が違ったりで個性があるんだけどさ。
信彦はどちらかというとコンパクトで可愛いって感じかな?
そんなコンパクトでキュートなお尻に一点、本日の目標があります。
……前準備って、舐めなきゃいけないよね?
「ま、待て。ちゃんと洗ってるけど嫌だったらこれ、使って」
信彦が僕に渡したのは……ローション?
「準備よすぎない?」
「う、うるせえっ!!」
とりあえずせっかく準備してくれたから使わせてもらいますか、ローション。
突き出されたぷりんっとしたお尻、目標の一点にかける。
みんなとは数え切れないぐらいやっちゃったけど、よく考えてみたらお尻は初めてか?
……自分は掘られた経験あるくせに。
いつもの攻め方同様、入り口を指先で軽くタッチする。かけたローションを軽くすりこむようにして。
「あ、んっ……」
反応があった。信彦の声が洩れ、お尻の穴がひくひくする。
「大丈夫? 変じゃない?」
「いや、いいかも……続けて」
許可が下りたからあまり遠慮しない。マッサージするようにして、優しく攻める。
お尻の穴は思ったよりゆるい。指先で入り口から攻めて、少しずつ中への侵入を試みる。
第一関節まで入って、届く範囲で内側から攻めて、慣れてきたかなというところで第2関節。
「お、おまっ……なんでそんな上手いんだよぉ」
もう何人も相手しちゃってるからねぇ。心の中だけでそれを言って、口には出さなかった。
それを言ったらなんだか浮気男の節操ない発言っぽく聞こえそうだったから。
「あ、やべっ……お尻って、こんな、感じとは………」
思いのほか感じちゃってる様子。未知の経験でやられたのか、それとも元々弱いのか、僕が上手すぎるのか。
……最後のだったら僕は最低な人間かも。
「あ、う……」
そっと離れる。名残惜しそうにしているけど、準備ができたのがわかったからこれ以上は別のほうがいい。
「えっと、このままバックで行く?」
「ばかやろ、いつも俺とは……対面、だろが」
顔を真っ赤にしていわなくても。
そうそう、信彦とはいつも対面ですね。
強がっている信彦はこのときだけは甘えんぼになっちゃう。だからバックは不安がっちゃって嫌いな様子。
お互い顔を見つめ合って、抱きつくことのできる対面じゃないとダメなんだよね。
そうこうしているうちに信彦はいつものように僕の上。
僕にまたいで、手を回して抱きついて、準備をする。
僕もそれを拒否することなくいつものように、狙いを定めるために信彦のお尻を支える。
いつもと違うのは、入れる場所。
「いいかな?」
「う、うん」
ローションでほぐされた入り口が僕と接触する。そして僕が支える手に誘導されて信彦の腰がゆっくり下ろされる。
先端が、入った。
「んっ!……」
「大丈夫?」
「う、うん……」
恥ずかしそうに答える信彦。本当に、このとき信彦は女の子の顔になるんだよなぁ。
「あ、んっ……」
そのまま降りていき、全てが入った。
密着し、腰を振る。僕は引き続き信彦を支えながら。
大きくなったお腹、胸が密着する。そして、唇も。
「んんっ……」
キスを交わすのも久しぶりかな。僕のほうから近づいて唇にふれても信彦は抵抗しなかった。
甘い口付けを、互いに舌を唇を確かめ合い、密着し続ける。
「出しても、いい?」
「うん、いいから……いっぱい、出してぇ」
こういうとき信彦は本当にか弱い女の子になる。普段とのギャップが大きい。
ツンデレの極上レベルだね。
「ん、んっ、ふあぁぁっっっっ……」
脈打つ僕の分身から発せられる白濁の液体を、信彦のお尻の穴にたっぷり注入してしまった。
「あ、ふぁぁ……や、やべっ、いっぱいはいったぁ」
中出しされてトロ顔の信彦はいまだ接続されたままで僕に抱きつく。
「その、満足した?」
「えっと……変に気をつかわせてごめん。もう無理して僕の性欲処理なんてしなくていいからね」
「ふふっ、お前のお父さんは本当に元気だよ」
お腹の子供に変な同意求めないでよ。
301日目 午後
「やめえぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっ!!」
午後に突入したら、修羅場でした。
「ネタは上がってんだ。お前屋上で一発かましてただろ」
「いやまったく、妊婦姦までするとは節操ないなぁ」
「僕を非難してるのにこれはどういうこと!?」
取り囲まれてます。そして一部の方々、裸です。
そうです。襲われているのです。
「ダイジョーブ。とっくに安定期入ってるから問題ないって」
「ちっとも問題ない分けないでしょがあぁぁぁっっっっ」
これだけの数に取り囲まれたらたとえ男女の力の差があっても拘束されるのは仕方ない。
そしてしっかり椅子に縛り付けられちゃってるから、脱出は困難。
「では早速俺から……」
ぴぴーっ
「馬鹿者。妊娠期間中は母体を大事にせんか」
救いとなったのはここが教室だからか。先生が来てくれてよかった。
「清彦には罰として後ほど反省文を書いてもらう」
処罰対象は僕ですかっっ!?
301日目 夜
結局本当に反省文を書かされてしまった。
担任の言い分は妊娠中のか弱い女子を襲おうとした、だそうだ。
襲ってきたのはあっちの方なのに。それにあのクラスメイトたちのどこがか弱いんだか。
「まあいい、とりあえず書けばな」
「はい……」
夜になって担任に呼び出され、その場で書かされた反省文を一瞥してそれをデスクの上へ。
担任のお腹も大きくなってすっかり妊婦さん。
だけどさぁ、いくら部屋着とはいえ下着姿に白衣ってのはどうなんです?
大きくなったお腹さらけ出して、お腹冷やすのはよくないですよ?
それと目の前に男の僕がいるのだから、すっごく目のやり場に困るし。
「さてと、清彦を今日呼んだのは何も反省文を書いてもらうことではない。むしろこれはついでだな」
ついでで書かされた反省文だったのか。そのわりに「私は妊娠姦をしたい衝動に駆られ」とか「ムラムラしてやった」とか、結構きついこと書かされた気がするのですが。
「ひとつ話をしておこうと思ってな」
椅子に腰掛け、足を組み、お腹をなでなでしてお腹の子供をあやしているようにも見える。
だから服着てくださいって。
「このTSハーレム法において男子は遺伝子的に優れたものが選ばれるって話だが……あれは嘘だ」
「……は?」
クラスの一人を除いて全員が女子になって子供を産む。その一人を選ぶ方法は遺伝子検査において優れた遺伝子を持っていること、そう話を聞いていた。
それが、嘘?
「正確には何らかの遺伝子疾患を持っていないかが検査されるが、その程度だ。別に優れた遺伝子など見てない。
極端な話、問題がなければ誰でもいいのだよ身体的には。もはやみんなが納得しやすい理由付けだな。
そうでも言わないと自分が女になった事、男として選ばれなかったことに納得しないだろうし」
「な、なんですそれ。それじゃあ、僕は意図的に選ばれたってことです?」
「その通りだ。男子役は身体的ではなく別の理由で意図的に選ばれるようになっている」
意図的に選ばれたことをごまかすためのカバーストーリー。
体質で、遺伝で選ばれたとなっては確かに諦める。自分ではどうしようもない、仕方のないことだってことで。
だけど、意図的に選ばれるのであれば話は別。
そうされるのならばなせ自分が? となる。
言うならば試験の点数というわかりやすい基準じゃなくて、面接の第一印象で全てが決まってしまうような、曖昧な。
「まあ、ある意味面接みたいなものだな」
心読みました?
「男子役に選ばれるかどうかは……そいつが優しいかどうかだ」
「え?」
「身体的遺伝的に優れたものを選ぶ、それは私の頃に行ってきた方法だ。
確かにそれによって生まれる子供は健康的遺伝的には大きな問題はない。そう思われていた」
「思われていた?」
「子供が育つというのは、母親の状態が関係している。簡単に言えば母親が明るければ子供も明るく育つ、ということだ。
では質問だ。支配されるようにして、男から虐待され、子供を産む道具のように扱われ、男の性欲のはけ口のようにされた女性は明るい母親になるだろうか」
……あ。
「私はそうだった。何十人といる、女子となったクラスメイトの中のたった一人の男として、ハーレムの中にいて有頂天だった。
欲望のままにクラスメイトたちを犯し、発散させていた。
抵抗する相手には『産まなければダメだろ?』なんて強制することも言った。
何回も何回も、犯し続けて最高の気分に浸っていた。
その結果……かなりの数のクラスメイトが病んでしまったのだよ。
その例は私だけじゃなかった。他の、同じようなハーレム達でも発生していた。
だから表向きは遺伝的に優れたものが男子として選ばれる、として本当は野獣化しない物を選ぶということになった」
「それで、僕が?」
「遺伝子検査と共にカウンセリングを受けただろ? あのときにそれぞれの性格、傾向をチェックして評価している。
その人物が支配的な、暴力的な傾向がないかをチェックするんだよ。
そのカウンセリングの内容と共に……私の推薦によって男子が決定される」
……え? ってことは。
「実質、私が清彦を男子役に選んだようなものだよ」
……
「教師という立場だと生徒たちを客観的に見ることができる。この生徒はこういう性格だな、ここがダメだな、ここがいいな、とか。
清彦はクラスの中でも優しい正確だとわかっていた。だから選んだ。
……それはつまり、自分の子供を、他の生徒を女にする、ということだがね。
男子を選ぶのも、他の生徒たちを女子にするのも私に責任がゆだねられている、ということだ。
実に重いよ。その選択によって生徒たちの将来が、人生が激変するのだからね。
だからこそ、担任にはその責任を取る機会が与えられる」
「機会?」
「自らも女になって、子供を産むかどうか」
え? なにそれ。
いや、ちょっと待て。だったら納得がいく。
考えてみれば担任だっていろんな年齢がいるわけで、先生のような中年もいれば若い担任だって、定年間近の年取った教師もいる。
ましてや中には結婚して子供もいて、という教師だっている。そんな人まで女になって一緒に子供産まなきゃならない理由は? 不自然だ。
だとすると担任まで一緒になって女性化する理由は……
「私は迷わなかった。これが責任の取り方だと」
「……」
「清彦君だけじゃない。他の生徒たちに対しても。そして……かつて犯し、支配したクラスメイトたちに対しても。
私は責任を取らなければならない、償わなければならない。そう感じた。
だからこそこの機会が与えられたことに感謝しているよ」
「……」
「でも自分も同じ目にあったからといって生徒達が納得するかどうかは別だ。
だからこのことは明日、皆にも言おうと思っている。
それに先立って、清彦君には言っておきたかった。
クラスの男子として、たった一人孤立したような状態にさせて、そして父親になるという思い責任を負わせることになって……すまなかった」
そういって深々と頭を下げたのだった。
302日目 HR
昨日のこと、担任は皆の前で話した。
静かに聴いていたクラスメイト。その告白に何を思っただろうか。
ただ、ひとつ担任は皆に入っていないことがある。
それは、僕が決定すべきこと。
302日目 夕食後
ひざ枕、それは男にとって彼女にしてほしいベスト10の何位だろうか。
直に感じる彼女の太もものぬくもり、男は憧れるのだろうか。
「えへへ、こんなことしたの始めてかもね」
「う、うん。そうかも」
夕食後、雄一が僕の部屋に訪ねてきて一体何を、と思ったらこういうことだった。
「みんながいると大変だよね、ちゃんと気をつかってさ」
「いや、そういうほどじゃ……」
まあ、まったく気をつかわないわけじゃない。
特にお腹に子供がいるときはデリケートだからあまり変なこといわないように、ちょっと励ますような言葉をかけたりとするけど。
でも、それぐらいだ。それ以上何かするわけでもないから。
もっとも、何ができるのかよくわからないぐらいだし。
そして雄一もまた、デリケートな時期かも。
雄一のお腹も大きくなった。皆と比べたら雄一のつわりは軽かった。
だからといって何もしないわけじゃない。軽いから何もしなくていいってわけじゃないことは分かっている。
今日こうして呼んだのもそのひとつだろうか。そんなことを考えながらつい、雄一のお腹を撫でてしまっていた。
「あんっ。赤ちゃん気になる?」
「え? あ、ああっ……ご、ごめんっ」
「ふふっ、謝らなくていいじゃん。お腹の赤ちゃん、元気だよぉ」
幸せそうな顔だった。お母さんの顔だった。
だとすると、僕はお父さんの顔になれるのだろうか。
「それでさ、久しぶりのお願いだけど……」
「ん、何?」
「妊娠したせいで、おっぱいが張っちゃって……」
え? お? 雄一さん脱ぎ始めてますね。えっと、片乳出しちゃってますね?
「久しぶりに、飲んでくれない?」
あー、おっぱいですね。
そういえば前は変な薬の性でおっぱい出るようになっちゃって、飲まされましたね。
そして雄一はその薬飲み続けちゃって、ずっとでてましたね。
僕に飲んでほしいからとか言って、さ。
おっぱい飲んでもらうのってそんなにいいのかな?
まあとにかく……ご無沙汰だしせっかくだし、いただきましょう。
「じゃあ、失礼して」
「あんっ」
ぷにっとしたおっぱいに吸い付き、ちょっと力を入れればすぐに出てくる。
授乳プレイ、ですね。
久しぶりだなこうしておっぱい飲むの。甘いミルクが口の中で芳醇な舌触りで広がっていく。
うん、とにかくおいしい。夕食でお腹一杯になっているけど、口直しのデザートかさしずめ。
「あはっ、お腹の赤ちゃんもこんな感じになるのかな」
えっと、これは練習なのですか? 赤ちゃんに実際に授乳するときのための。
「……なあ清彦、覚えてるか俺が女になったときのこと」
え? あれ、雄一さん?
「ほら、風呂でふざけて清彦にまたがって、ためらっていたら肩叩かれた勢いで事故って処女喪失しちゃって」
ああ、そうだね。あれは覚えてる。
いくらなんでも心構えがちゃんとできてない状態で、あれはね。
「すごく泣いた。けど、あの時いろんな思いが絡み合ってたんだ。
処女喪失がすげえ痛かったってのはある。けど、それだけじゃない。いや、むしろそれはそれほど大したことじゃないかも。
その、俺がもう男じゃないって自覚したのがさ。
それまで男のアレがあったんだよ? お前と同じやつがあって、ちゃんと男だったんだよ?
だけどなくなっちまって、あの喪失感は本当にきつかった。皆もそうじゃないのかな?
でも、実際になくなっても頭の中ではまだあったんだ。
少なくても俺は頭の中ではあの時まだ男の体で、ちゃんとアレがついていたように思えて。
それで、頭の中じゃいつも朝立ちしてたんだよ。
それぐらいだったのに、いきなり物理的に入ってきて、処女喪失して、一気に頭の中の男の体の記憶がなくなっちゃって。
それでもうわけが分からなくなって、もう、自分でも分けわかんないぐらい悲しくて、涙でてきて。
なんだかやけくそみたいに清彦のところ行って、ちゃんと抱いてなんて言って。
そのときもう何もかもどうでもよくなってたんだと思う。うん、きっとそう。
だけど、清彦すごく優しかった。
俺のこといっぱい優しくしてくれて、気持ちよくしてくれて。
だから俺……私は、素直に女の子になれたんだと思うの。
他の皆はわからない。ちゃんと女の子になれてるか。まだ、女の子になろうと頑張っているかもしれない。
とにかく、とにかく私は……女の子になれて、清彦に本当に感謝してる。
私のこと、女の子にしてくれて、ありがとう」
泣いてた、雄一は泣いてた。
悲しみの涙、喜びの涙、いろんな思いが詰まった、涙。
僕は悪いやつだ。女の子を泣かせてしまったな。
こんな僕に、感謝いわれる資格あるのだろうか。
柔らかな乳房を離れ、僕は……雄一にキスした。
「んっ、んんっ……」
飲みかけの、まだ口に含んだままのミルクを雄一の舌と絡ませて、そっと与える。
まるで母鳥が雛の口に愛情を持って餌を与えるように。
「雄一、そんなこといわなくていいから、僕に感謝なんていわなくていいから……」
「清彦……」
「でもその……散々雄一の胸を味わっちゃったし、今度はさ、泣きたいときは僕の胸、貸してあげるよ」
「……きよひこぉぉ」
遠慮なく貸してあげた。僕の胸の中で、雄一は泣き続けた。
泣きつかれた雄一をそのまま帰すわけにもいかず、今日はそのまま一緒に寝ようってことになった。
一緒のベッドに入って寄り添って寝る女の子。寂しさか、甘えんぼなのか、ぴったり僕にくっついてくる。
ちょっと前まで男だったとは微塵も感じない可愛らしさだった。
「あのね、清彦。私、きのう……聞いちゃったの、先生と清彦の話」
今日、担任が皆の前で告白したあの一件。前日に僕に事前に話した内容。
そのとき話したのは、僕の、男子役の選定方法の話だけじゃない。
「その……誰を選ぶかって話」
そう、今後の事だ。
当然皆はこれから子供を産んで、育てることになる。母親として。
そうなったら、父親の僕はどうするのか。
選択肢は3つ。
1つはこの中の誰か一人と結婚して、一緒に夫婦として生活すること。
2つ目は全員と共同生活して、ハーレム生活続行すること。
3つ目は、誰ともかかわらず、縁を切ること。
はっきり言って、難しすぎる選択肢だ。
ちなみに担任はかつてのとき、3番目を選択した。散々皆を相手して楽しんで、トンズラしたということだ。
その選択肢だけはしたくない。皆を放ってどこかへ逃げてしまうなんて僕には無理だ。
かといって一人だけ選ぶってのも、それじゃ選ばれなかった人はどう思うだろう。
だからといって皆と一緒、なんて選択肢も、僕の苦労はハンパじゃない。
生活費はある程度この法律で保障されている。支給されるようになっているからいいけどさ、それとは別の苦労ってやつ。
とはいえ、皆にだって選択肢はある。
僕が皆で一緒にいたいといっても強制するわけじゃない。シングルマザーとして、または実家に帰って、それを選びたい人がいれば強制するつもりはない。
でも、基本は僕の選択に皆がかかわることに違いはない。悩む話。
ただ、気になるのは。
「あのさ、雄一はどうなの? わざわざこんな話して、出し抜こうとか考えなかったの?」
そんな選択肢があること、決定しなければならないことを知っているのであれば、うまいこと僕にこび売って僕とくっつこうと、一人で独占しようとか考えてもおかしくない。
けど、それはしなかった。こうしてわざわざ自分が聞いたということを口にするってことは。
そんな雄一は、笑った。
「無理だよ、私そんな器用じゃないし」
あー、そうですか。
「それにね」
「それに?」
「清彦はちゃんと考えてくれるでしょ? だったらいいじゃん。
仮に誰か他の人を選んでも、私はいいよ。だって、今まで清彦は私たちにすっごく優しくしてくれたんだし」
ああ、僕って信頼されてるなぁ。
それは、裏切りたくない。
「うん、ちゃんと考えておく。ちゃんと考えて、決定するよ」
難しい決定だけど、大事なことだ。
僕にとっても、皆にとっても。
380日目
安らかな笑顔とはどういうものか。言葉で表現してもなかなか理解できない気がした表情はここにあった。
正宗に抱っこされて、必死になっておっぱいを吸ってる赤ちゃん。
正宗が、産んだ子供だ。
先陣を切って、って表現が正しいか分からないけど、とにかく一番最初に生まれた子供だ。
「あぁ、このくしゃくしゃな顔が可愛いと思えるなんて、俺もお母さんになっちゃったんだなぁ」
ご満悦のようだ。そして最初の子供だからこそ当然皆の注目も集まる。
「うんうん、本当に可愛いわ」
「必死になっておっぱい吸っちゃって。お腹すいてるのかなぁ」
皆も集まってその様子を愛でる。みんなのお腹も限界まで大きくなっている。出産予定日はもうすぐだ。
これから自分たちも同じように子供を産んで、抱くことになるから。よりいっそう関心は強い。
さっきも忠明が陣痛が始まったかも、といっていた。
立会いに行かなきゃね。皆の出産には必ず立ち会うって決めたんだから。
「本当に、マジで体バラバラになるかもしれねぇぐらい痛いんだから。けどさ、それだけの大事業こなしただけあって、可愛さマックスだよなぁ」
産んだからこそ強まる母の愛情、かな。
「ち、乳首が……清彦が吸ってるときに感じたのとはまた違う気持ちよさ」
なんて比較してるんだこの母親は。
「もう、必死になっちゃって。お母さん巨乳だからいっぱい出るからあせらなくてもいいんだよぉ」
キャパシティ多いって表現じゃないぞ!
「で、清彦。お前は身のふり方ちゃんと考えたんだよな?」
何を言っているかはわかっている。
僕も結局担任が告白したように、皆の前で告白した。
僕が下さなきゃいけない決定。時間をくださいといって、ちゃんと考えた決定。
「ああ、考えてるよ。僕は――――」
その決定、後悔しないように。
後日談読みたいけど、綺麗に終わってるから、少し複雑な感じです。
最高の作品でした!
やはり友人といちゃラブするTS作品はいいなー
エロゲ化希望です
単行本でもいいが…