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続・憑依霊になった爺ちゃん5

2015/08/07 15:24:33
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!caution!
ダークなストーリーです。
苦手な方はご注意ください。

























女性登場人物

#種田明日菜…28歳・主人公の祖父が入院する病院の看護婦だった。祖父霊のメインボディ。
#祖父霊に憑依され娘を出産、現在一児の母。看護師の仕事を離職中。
#種田美駆…もうすぐ4歳になる主人公と明日菜の娘。
#青山美津子…明日菜の母親、美駆の祖母。美人で年齢の割にとても若々しい。


#楠木双葉…32歳・主人公の自宅の向かいの家に住んでいる人妻で夫が原因の不妊に
#悩んでいたが、現在一児の母。
#楠木彩葉…4歳・実は主人公の娘。本人も母親の双葉もその事に気が付いていない。

#佐伯若葉…主人公宅の近所に住んでいる高校生の女の子。祖父霊の新たなひ孫作りターゲットの一人。
#佐伯園子…若葉の母親。祖父霊の新たなひ孫作りターゲットの一人。


#小林先生…美駆が通う幼稚園の先生。











数日後、俺は仕事に復帰した。

「清坊…あまり無理をするんでないぞぃ!」

そう言って見送る明日菜を背にして俺は家を出た。
明日菜(ジジイ)は気が付いていないが…、実は家に『仕掛け』を置いて来た。


老いぼれ邪生霊の悪行を防ぐ為あれこれ対策を検討してみて、俺は一先ずジジイの行動を監視しようと考えた。
すなわち我が家の各所に秘密の監視カメラとボイスレコーダーを仕掛けて、俺の留守中にジジイが何をしているのかを調べるのだ。
何もしていなければ良し、もし…何か良からぬ事をしていたら……それはその時考えよう…。


仕事復帰後さらに数日経った。

監視カメラとボイスレコーダーとボイスレコーダーは仕掛けたままだ。
機を見計らって再生してみよう…。






今日も仕事が終わり家まで帰って来た。

玄関のドアを開けると明日菜が飛び出して俺に飛びついて来た。

「パパ!じゃなかった…アナタ!おかえりなさーい!ミk…アスナさみしかったの!♪」

「あ、ああ…ただいま…。」

なんだ?この明日菜の態度は?
ジジイが乗り移っている訳ではなさそうだが…何か違和感を感じるような…?




仕草がまるで美駆みたいだな。
真似して甘えているのかな?

可愛く思えて軽くハグしながら頭を優しく撫でたら本当に美駆みたいに大はしゃぎして喜んだ。



「どうしたの明日菜?何か嬉しい事でもあったの?」

「うん!大人になったら難しいこともちょっと分かるようになったんだよ!えへへ♪」
明日菜は一児の母とは思えない屈託のない少女の様な笑みを浮かべている。

一体どうしたんだろう?

「あっ!?赤ちゃんまた動いたよ!きゃははっ♪くすぐったーいぃ♥」
明日菜は自分の膨らんだお腹をしきりに撫で擦った。

そこへ美駆がトコトコと歩いて来た。

「お帰りなさい清坊パパ!夫婦で若さを炸裂させちゃってるね!うへへ…♥」
美駆は幼女らしからぬニヤけた笑みを浮かべている。
間違いなくこれはジジイが憑りついているなと感じた…。




そんなやり取りの後、親子三人で夕食を摂り始めた。
何か違和感を感じるが…ジジイが美駆に乗り移っているのが明らかな以上、明日菜は明日菜本人に違いない。

食事を食べる明日菜は、何故か子供の様な覚束ない手付きで箸を握っている。
だが、表情は実に嬉しそうなニコニコ顔だ。

「アスナねえ…アスナのおなかの中の赤ちゃんのためにごはんいっぱいたべるんだよっ!えへへ♪」
明日菜は頬を赤く染めながらお腹を優しく撫で擦っている。
そう言ったかと思うと明日菜は箸を茶碗の上に置いて、豊かに実っている自分の乳房をおもむろに鷲掴みにした。

「う~ん…。でもオッパイがチョットじゃま~…。ごはんたべにく~い……。」

「ママ!赤ちゃんがママの中から産まれたら、おっぱいが赤ちゃんのご飯になるんだからもっとおっぱいに優しくしてあげて♥」
美駆(ジジイ)はイヤらしくニヤつきながら母親である明日菜に言った。


乳房を弄ぶ明日菜の子供じみた態度を目にした俺は…、肉欲が刺激されて自分の股間が勃起するのを感じていた。
つい先日手術を受けたばかりなのにな…これもジジイからの遺伝のせいか…。

ゴクリッ…。

久しぶりに夫婦で風呂に入ろうかな…どうしよう?




いやいやいやいやっ!!
何を縞馬な事を!もとい…よこしまな事を考えてるんだ俺は!?

最近、思考と精神に大きな乱れがある事を自覚せざるをえない…。
心療内科か精神科で診てもらおうかな…。

でも、なんて相談する?

正直に『祖父が悪霊になって妻に憑りついて子作りを強要してくるんですぅ…。』
などとでも正直に言うのか!?

だめだ!だめだ!!だめだ!!!

強くなるんだ!俺っ!
明日菜を愛しているという響きだけでっ!!


「パパこわい顔してどうしたの?」
我に返った時、明日菜は何時になくあどけない表情で俺を見つめていた。




俺は横目で美駆を見てみた。

美駆はジジイの好物のイカの塩辛茶漬けを実に美味そうにズルズルと食べている。

間違いなく美駆は今、ジジイに乗っ取られている…。
…て事は、今俺の目の前にいる明日菜は【明日菜本人】だ。
簡単な消去法じゃないか。

…の筈なんだけど、なんか違和感があるようなないような…。

少し疲れているのかもしれないな…。
俺は食事をササっと食べ終えると風呂に入りに向かった。




風呂場前の洗面所で服を脱いでいると
「ミk・・・アスナもパパと一緒にはいるぅ~♪」
なんと明日菜も入って来た。




明日菜は大事な所を上も下も隠さずに浴室に入って来た。
ジジイに憑りつかれている時も同様なのだが…。

だが、今回は何か違うような?

しいて言うならば、温泉なんかで稀に見かける『男湯に幼い女の子が大事なところを隠さずに無邪気に入って来る様子…。』
そんな光景を何故か想起させられた。

明日菜は何故かシャンプーハットを被りながら風呂椅子に腰かけた。



明日菜は風呂椅子に腰かけたままじっとしている。

「も~~、パパのいじわるぅ~。はやくあらってよーー!ぶぅーー…!」

明日菜は頬を膨らませて拗ねている。
す、凄くカ、カワイイ…。

「あ、ああ…分かったよ。」

俺は、ぽってりと膨らんだお腹を抱えながら風呂椅子に腰かけている明日菜の肢体を洗い始めた…。




俺は明日菜の後ろから、その肢体を洗い始めた…。
久しぶりにジジイの憑依から解放されたんだから労わらなければ。

ボディソープをタオルで泡立ててと…。
背中を優しく洗う…。

ゴシゴシゴシ…。

「ひゃうんっ!?パパくすぐったいよ~?」

明日菜がびくり!と、体を震わせた。

「ご、ごめん。ごめん…。」

それにしても…背後から見る女性の乳房は格別だ。


オッパイも俺が洗っちゃおうかな…。
それとも、ここは紳士的に明日菜に自分で洗って貰おうかな?
どうしよ…。




やっぱり恥ずかしかったので自分で洗って貰うことにした。

「明日菜、胸は自分で洗ってよ。」

「うん!わかった!♪」

元気よく返事をした明日菜は、自分の乳房を洗い始めた。

「ミk…アスナオッパイ大好きなんだ♪すっごくやわらかいんだもん!えへへ♪♪」


明日菜は、そう言いつつ自分の胸についている豊かな双丘をこねる様にして洗っている。




「そ~れ!ぷにぷにプニ~~♪」

明日菜は熱心に自分の乳を洗っている。

「明日菜…随分熱心だね…。」
股間がムズムズしてしまうじゃないか…。

「ネッシンてな~に?」

「え!?あー…いや…その……。」
言葉に詰まってしまった。

「だっておっぱい大すきだし~アカチャンが吸うことになるからキレイキレイにするの♪」

「そ、そうなんだ…。」




ガマンだ!ガマンするんだ!心頭滅却するんだ俺っ!

このあと俺は、明日菜の髪を洗ってあげた。
明日菜はシャンプー中、顔にお湯がかかるのを怖がっていたが…
なんでだ??



風呂から出た俺は、なんだか異様に疲れ果ててしまい
ベッドにパンツ一丁で転がり込んだのだった…。




どれくらい時間が経ったのだろう?
いつの間にか熟睡していたようだが、身体が身動きできなくて目が覚めた。
(か、身体が・・・明日菜?)
気がつくと明日菜が俺にしがみつくように眠っていた。

「パパ・・・むにゃむにゃ・・・」

今の寝言。
お風呂での様子。
整理しよう。
ひょっとして・・・ひょっとしたら・・・

その可能性を思いつき、まさかとは思うが今日の明日菜の行動を思い返せば思い返すほど その可能性が高い事を保証する。

まさか今の明日菜は・・・。




俺は眠っている明日菜に優しく声を掛けてみた。

「ミぃ~ク!」

「は~い…パパ…。ジュースかって…むにゃむにゃ…。」

「………。」

そうかそうか。
そう言う事か…。

俺は明日菜を起こさない様にベッドから降りて寝室を出た。
そして、階段を降りて居間に向かう。

『あぁ~ん!そのまま中に出してぇ♥いひぃ~ん♥』

居間の中の様子を窺うと、美駆がテレビを一人で見ている様子が目に飛び込んで来た。
テレビモニターにはあられもない格好の女性が、逞しい体躯の男に性器を突かれている様子が
映しだされている…。




俺が美駆になって爺の魂を弾き出すか?
それともこのまま説教するか?




俺は、ごく自然な風を装って美駆の隣に座った。

「あ!パパおはよ~~♪」

「ははは…、まだ夜中の3時だよ美駆…。」

「ミク時計読めないからわかんな~い♥」

「……………。」

美駆はシラを切っている。


「ママとセックスはしないのパパ?」

「……………。」

「孕んだママがもう一人孕む位『ズッコンバッコン』してあげt…ぴぎゃッ!?」

俺は、美駆をソファーの上にひっくり返しズボンとパンツをずり下げて尻を露出させる…。
そして…、引っ叩いた。

ピシャンッ!!




ピシャッ!
「ヒィ!」
悲鳴をあげる中身が寄生虫爺の美駆。
美駆の小さな可愛らしいお尻が真っ赤になる。
もちろん力加減はしているが。




「どういうつもりだっ!?妖怪ぼけジジイっ!!?」

「ど、どうもこうも!美駆にワシの体(明日菜の事)で妊婦体験をしてもらおうと…。」

ピシャンッ!!

「ひぎぃぃ!?」

「どこまで狂ってるんだ!?俺を娘と近親×××させる人でなしにさせるつもりだったのか貴様!?」

「き、近親子作りならワシといつもしとるじゃろ何を今さ……。」

ピシャシャンッ!!

「ぷぎゃあぁぁっ!?」

うぬう……。
怒りに任せていたら幾らでも叩けてしまう…。
どうしよう…。















2日経った。


じじいには誅罰を加えた。
(美駆の体で尻たたきしただけだけど。)
それだけでは到底不足だったので、俺の肉体での労働矯化刑にも処している。
(俺の体に憑依させて仕事をさせる事。)

ジジイは俺の職場で労働矯化の最中で、美駆は幼稚園に行っている。


今、俺は自宅の居間でソファーに腰かけている。

「ふう…。この状態が何だかんだで一番安定してるのかな…?あっ!動いた……。」

俺は自分の腹の中の蠢きを感じて腹部を撫で擦った。




そう。俺は今、明日菜に乗り移っている。
俺の意識で行動したことは明日菜にとっては自分の考えで行動していることになるし
明日菜がやりそうな事を俺がやれば一応は問題ないだろう。
勿論こんな状態が歪んでいるのは理解している。
だが爺の好き勝手にさせるよりは良いだろう。

無理をしないようにしながら洗濯と部屋掃除を終えると昼近い。
「さてと、お昼ご飯用意しなくちゃ」
言葉使いも極力明日菜の口調とか真似る。
そうする事で明日菜とより一体感を感じられた。




台所に向かい食事の支度を始めた。

ばかジジイは、美駆を妊娠していた時から『赤ん坊をデカくするためじゃ♪』とか何とかほざいて…。
スッポン鍋、馬刺し、豚足、イナゴの佃煮だのを喰いまくっていた。

極めつけが先日の【内臓肉のスキ焼】だった訳だ…。


俺は、そんなボケジジイを反面教師として食事の用意をする。
ご飯は麦ごはん、オクラ納豆、アジの干物、グリーンサラダ、デザートのリンゴ…。

完璧だ!

これなら、俺のお腹の中の赤ちゃんも喜んでくれるに違いない♪







「ふう~~食べた食べた♪」

俺は膨らんだお腹をなでなでした。
自分が食べた食事が直接、自分の中に宿っている赤子の栄養になると思うと
特別な感慨がある。

「あ!また蹴った♪どうだゴハン美味しかったか?ふふふっ♥」

素敵だ♪

こんな気持ちを世の女性たちは体験しているなんて……ずるい!




とても落ち着いた気分になった。
こんなに安らいだ気持ちになったのは久しぶりだ…。
リラックスした俺は、居間のソファーに座ってテレビを見る事にした。


テレビを点けると、カツラ疑惑で有名なワイドショー司会者がモニターに映しだされた。

「俺コイツキライなんだよな~。」

思わず明日菜の声で呟いてしまった。
髪は仕方ないとして…、いつも断定的な物言いがカンに触るのだ。

『さて、今日の特集はこちらで~すぅ。』

リモコンでチャンネルを替えようとした時、次のようなテロップが映しだされた。


<新米ママ必見!母乳育児のすすめ!>


「む……?」

チャンネルを替えるの忘れて見入ってしまった…。

<☆赤ちゃんにとってのメリット!>
<栄養満点・免疫物質・発育促進 >

テロップが表示され、専門家のうんちくが続く…。

<☆妊娠中からできる!おっぱいのお手入れ&マッサージ>



『徐々に変化する自分の体に戸惑うこともあるかもしれませんが、こうした変化はすべて、赤ちゃんにおいしいおっぱいを
飲ませるためのもの。自分のおっぱいが赤ちゃんの成長を支えるんだ、という気持ちでこの変化を前向きに受け止めて………。』

「……………。」

特集を見終った時、俺は思わず自分の乳房に目を落とした。




「…………。」

俺は、服をめくり上げてブラジャーに包まれた乳房を露出させた。
そしてフロントホックを外す…。

『たぷんっ!』

ブラから解放された俺の乳房が揺れた。
こ、これする事は母親として愛する我が子の為に、母乳の出を良くする為のマッサージ行為なのだ!

だ、だが…しかし。
俺はマッサージを…。
どうしよう?




ふ、ふん!し、仕方ない!今は俺が明日菜なんだし!
明日菜の体で母親をして行かないとならないんだしな!
よし!
俺は意を決して母乳マッサージを始めた。


<☆産前のおっぱいマッサージのやり方>

『1. 両方のおっぱいを両手で支える様に下から持つ。』
「こ、こうか??」
俺は自分の胸………、明日菜の豊かな乳房を手にした。


『2. おっぱいの脇に親指を添え、胸を外側へ引っぱる。』
「と、とうっ!」
左右の乳房をそれぞれ外側へ引っぱる…。


『3. 片方のおっぱいを両手で包み込み、マッサージする。』
「く、くあっ♥」
慣れて来たと思っていたが…、自分の胸に付いている乳房を揉まれる感覚はいつも新鮮に…か、感じる♪


………………この手順を繰り返すらしい。
俺のお腹に宿っている赤ちゃんの為に、美味しいおっぱいが出せるように…がっ、頑張らねば!




その調子でオッパイマッサージをしていると……。

「あ、あれ?これって……。」

乳首が湿っぽくなって来たような??
マッサージを止めて乳首を指で摘まんでみた…。

「んっ!?」
乳首からピリッ!とした感覚が走る。

これは……………。


間違いない。

乳首から液体が滲み出て来ている。
透明だけど…これは…。
母乳だ…。

明日菜(じじい)が美駆を産んだ時…。
『う~ん!やっぱり良いチチじゃ♥いくらでも出てくるぞぃ♪』
とか何とか言って嬉々として乳児だった美駆に授乳していたのを思い出した。


やっぱり明日菜の体は安産型らしい。
今また、孕んでいる赤ちゃんの為に明日菜の肉体は授乳の準備をしてくれているのだ。




それから暫く俺の…明日菜の乳をマッサージした。

まだ見ぬ赤ん坊の顔を思い浮かべながらマッサージをしていると…
自分でも奇妙に思ったが、何とも言えぬ我が子への愛情が湧き上がって来た。
父親として抱いていた美駆を愛おしいと思う感情とは、少し違ったものだった。


これが母性というものか……。


俺は自分の中に生まれた感情を理解した。
気が付くと、俺は大きく膨らんだ自分の腹を撫で擦っていた。
……撫でれば撫でるほどに我が子を慈しむ感情が大きくなる。

明日菜には本当に申し訳ないが、このまま明日菜として…母親として美駆やこの子を
育てて行きたいと思ってしまった………………。




夕方にオレの肉体に憑りついた爺が美駆を連れて帰って来た。
爺は会社帰りに美駆を幼稚園に迎えに行ったのだ。

「ママ―!ただいまぁ♪」

「うふふ♪お帰りなさい美駆♪」
自然と明日菜としての…一児の母親として対応が出来る様になって来た。

夫である【俺】(…の体の爺)は、オレの乳房にパイタッチしながら言った。

「ただいま明日菜♪おやぁ♪?おっぱいが何時もより張ってるみたいだね♥」

この爺……、どんだけ感がイイんだ…?




「実は…今日とっておきのプレゼントがあるんじゃ…だよ♪」

「?なにそれ??」

何を言い出すんだ?分からん見当が付かない……。


夕食を食べながら爺が話を切りだした。

「なあ明日坊。美駆が産まれてからワs…俺達旅行に行ってないよな?」

「そりゃそうよ…忙しかったもん。誰かのせいの無計画デキ婚に加えて、意識不明のお爺ちゃんが居たんだからね!」
俺は、なるべく皮肉を込めて言った。

「ガハハッ♪まあっ!そうだな♪」
【俺】(の体の爺)は豪快に笑っている。チクショウめ…。


「で、突然じゃが、皆で温泉に行く事にしたぞ♪行先はもちろん、婚前旅行で行った『※子宝温泉』じゃ♪出発は来週じゃ!」
#※支援図書館(γ)憑依霊になった爺ちゃん3を参照

「は……???」




「いやーー、美駆が産まれてから旅行なんて行ってないじゃろ?美駆も初温泉体験をしても良い頃だと思うんじゃよ♪」

「ちょっとまて!お…私のお腹の事考えてないの!?」
俺は大きく膨らんでいる自分の腹部を指さした。

「心配せんでも大丈Vじゃ!♥有給も既に取って来たし、最近の専門家はマタニティのアクテブなライフスタイルを推奨しとる♪」

ゆ…、有給だとぉ!?

「ゆ、有給って!?こんな度々休み取ってたらリストラされちゃうよ!?」
何してくれてんだジジイ!?

「あー大丈夫じゃ♪上司の部長に憑りついて、頭ん中弄っといたからの♪」

「なっ!?」
なに怖い事してるのこの妖怪!?

「今は海水浴のシーズンオフじゃから、あの時の旅館の予約もとれるじゃろ♪なんも心配ないぞい♪
また、個室風呂がある部屋がええの♥」


俺は…。

○温泉に行く事に同意した。
○温泉は止めてスーパー銭湯に行く事にした。
○どこか別の場所に行く事にした。
○どこにも行かない。




#温泉は止めてスーパー銭湯に行く事にした。




「だめ!だめよっ!ダメダメ!!赤ちゃんに負担が掛かるから遠出は出来ないわ!」

「仕方ないの~~、じゃあ『プラン乙』でいくかのぅ?ほら、バイパス沿いの所に新しく出来たスーパー銭湯
あれ温泉らしいぞい。泊まりも出来るらしいからそこにするかのう♪」

「ま、まあ近場なら……。」

「良し決定じゃ!来週は泊まりでスーパー銭湯で命の洗濯じゃな♥」


ジジイの真っ黒な魂は、幾ら洗ったところで浄化なんか出来ないだろうけどな………。




久しぶりに自分の身体に戻った。
明日菜の身体は素晴らしいけどやはり自分の身体が一番落ち着く。「ゴメンね、せっかく清彦が旅行を計画してくれたのに。
私はさっき、どうしても行きたくない!って思ったの。今はそうでもないんだけど?」
俺が明日菜の身体から幽体離脱したので本物の明日菜の意識になった明日菜が俺に謝ってきた。
いや、猛烈に反対したのは俺なんだけどね。
俺が明日菜に憑依している時は、俺が言った言葉や意思は明日菜自身がそう考え、自分自身の言葉や行動していると思っている。
心の中で謝りながら明日菜にキスして
「明日菜が言った通り、明日菜と赤ちゃんの負担を考えてなかった。俺こそゴメン」
と謝った。

「肩凝っているだろ?マッサージさせて」
ついさっきまで明日菜だったのだ。
身体の状態はよくわかっている。
遠慮がちだった明日菜だったがマッサージを始めると本当に気持ち良さそうだ。

途中、寄生虫爺が明日菜に憑依しようとしたが俺が明日菜に憑依して弾き出した。
何度も繰り返したが結局諦めて自分の身体に戻った。

廊下で「清坊は意地悪じゃ!わしだってマッサージされたいわい!」
って騒いでた。

おいおい、明日菜に憑依してマッサージされても爺の身体にマッサージした事にはならないぞ?
俺は明日菜と顔を合わせて笑った。

久しぶりに穏やかな夜を過ごした。




久しぶりに本物の明日菜と話をする事が出来て嬉しかった。
俺はベッドの中で明日菜を抱きしめながら眠りについた。



次の日の朝、俺は自分の体で目が覚めた。

「ふあぁぁ…。」
久方ぶりによく眠れた気がする。

明日菜はもうベッドにいない。
先に起きたようだ。


居間に向かうと明日菜がエプロン姿で朝食の準備をしていた。

「あら、おはよう清彦♪よく眠れた?」

「………………。」

というか、明日菜は『エプロンしか』身に着けていなかった。
お腹ポッコリ裸妊婦エプロンだ。

そういえば、美駆が明日菜のお腹の中に居た時もやってたっけか?
て、ことは……。




「昨日お腹の赤ちゃんの事を心配していたのに…凄い恰好だね。」

「うふふ…♪清彦の種で出来た赤ん坊なんだから、このぐらい屁のカッパよ♥」
そう言うと明日菜は大きなお腹を手の平で叩いてみせた。

「…………。」

油断も隙もあったもんじゃねえ…。
隙あらば寄生虫爺は明日菜に乗り移りやがる。

「やっぱり『自分の』体が一番ね!ボインのパイオツが胸にくっ付いているのが気に入ってるの♥」
そう言いながら明日菜は自分の乳房を握ってみせている。


どうしよう…。

今日も明日菜を守るために、俺が明日菜の肉体に乗り移るか?
それともジジイの所業に目を瞑って仕事に行くか…?




よく考えたら今日は明日菜が産婦人科に行く日だ。
魂が汚れきっている爺を行かせる訳にはいかねえ!

俺は幽体を肉体から離脱させた。
糸が切れた操り人形のように俺の体が床に崩れ落ちる。

そして、間髪入れずに俺は、明日菜の口中に飛び込む様にして明日菜の肉体の中に潜り込んだ。

「清坊?…うひぃっ!?」

爺の幽体を弾き出しながら、俺は明日菜の肉体に己が魂の根を広げる…。

視界が暗転し、直ぐに体の感覚が回復する。
大きく張った乳房、そして男とは異なる重心をもたらす大きな尻…。
…大きく膨らんだお腹。


俺は明日菜の肉体を支配した。




…やっぱり明日菜の体は落ち着くな。
全身が柔らかく頼りないが、そこがまた良いのだ。
それに俺の子が入っている大きなお腹が、たまらなく愛おしい…。


ぶっ倒れた俺の本体がピクピクと痙攣したかと思うと、徐に立ち上がった。

「なにすんじゃ明日坊!?『ワシの』体に勝手に乗り移るんじゃない!」

「だれが『ワシの』…よ!?バカ言ってないで、朝ごはんを食べて会社に行きなさい!」


その後、美駆を起こして家族皆で朝ごはん食べた。




「じゃあ行って来るよマイハニー♥」

「いってきま~すママ♪」

俺(in爺)と美駆を会社と幼稚園に送り出す。


さてと…、俺も行くか!
二人を送り出した俺も、数時間後に産婦人科に向かうため家を出た。

明日菜を寄生虫爺から守るために、明日菜の肉体に乗り移って産婦人科医院に向かうのだが…。
何故か心がウキウキとした高揚感に包まれるのが感じられる。

自家用車は爺が乗って行ってしまったので歩きで行くしかない。
タクシーを呼ぼうかと思ったが…今日はバスで行く事にした。
多少の運動は胎児にも良いのだ。


…バスに乗ると優先席以外席が埋まっていた。
吊り革に掴まろうとして気が付いた。

「あっ!今、俺妊婦なんだよな…。」
ちょっと抵抗があったが優先席に腰かけた。


…産婦人科医院に着いた。

う~ん…。
何か、凄く変な気分だ。

前回ここに来た時は、俺は美駆に憑依していて子供の立場だった…。
その前に来た時俺は、自分本来の体で明日菜の出産に付き添う夫の立場だった…。

で…、今回は妊婦の立場で妊婦検診を受けるという訳だ。




医院に入り受付で保険証と母子手帳を預けた。

待合室はかなり空いているので余り待たないかな?と、思う。
待合室内から託児室が見える様になっているので、幼児達が無邪気に遊んでいる様子が見えた。

「うふふ♪カワイイ♥」
思わず声に出してしまった。

どうも近頃、子供を見ると心がときめくのを感じる様になった気がする。
もちろん以前から美駆に愛情を感じていたのだが、それとは異なり何というか
自分の中に母性とでもいうようなものが芽生えた気がするのだ。

「種田さ~ん、種田明日菜さん。どうぞ診察室にお入りください。」

名前を呼ばれた俺は診察室に向かった。


問診に腹囲測定、体重測定、超音波検査などを受けた。

「母子ともに順調ですね。問題なく育っていますよ種田さん。」

超音波検査を受けている最中、大きく膨らんだ俺の腹部に超音波プローブを押し当てながら医師が言った。

超音波検査によって、俺の子宮の中で胎児が動く様子がモニターに映しだされるのを見て
俺は心からの感動を憶えた。




「ふふふ♪良かった♥」

実に良い気分だ。

産婦人科医院を出た俺は、近くの書店に向かった。
今までならマンガや男性週刊誌のコーナーにまず向かっていたのだが、今日の目当ては…。

「これにしよっと♥」

俺は本来の自分の体なら絶対に立ち止まらない(立ち止まれない。)雑誌コーナーで…
マタニティ雑誌のコーナーに立ち止まって本を手に取った。



俺が手にした本のタイトルは…

『はじめての妊娠・出産♥』だ。




明日菜の体にとっては初めてではないんだけど、俺としては初めての妊娠だ。
これを読んでしっかり勉強しなくっちゃ♥

夜、俺(じじい)と美駆に赤ちゃんの成長具合を報告した。
二人とも凄く喜んでくれた。

夕食を家族みんなで食べ終わったところで考えた。

このあとは…。

◦自分の本体に戻る。
◦明日菜に体を返す。
◦明日菜に体を返さないで明日菜として生きていきたいと思う。
◦明日菜の体を返そうとしたら寄生虫ジジイに横取りされる。
◦その他。




◦明日菜に体を返さないで明日菜として生きていきたいと思う


お腹を撫でながら昼間買った本をじっくりと読む。
あまり本を読むのも好きじゃなかったが、なんだか自分のことと思うと読まずにはいられない。

「あっ……動いた。うふふふ」

なんだかすごく幸せだ……。
出産を体験したことあるじじいを嫉妬してしまう。

「よぉしよし……」

お腹を丁寧に撫で回すと、また動いた気がする。
それだけですごく嬉しい。

「私の赤ちゃん……元気に育ってね」

幸せだ……。
男性では体験できないことを女性は体験できる。

それがどんなに恐ろしいことかわかる。けど俺は明日菜として生きたい……
そんなことを少し考えてしまった。




考えごとをしつつ居間のソファーに座って本を読んでいると、風呂上がりの俺(ジジイ)がやってきた。

「ふはーー!さっぱりしたぞい!」
パンツ一丁だ。
ジジイの昔からの癖で、風呂上がりはいつもその格好なのだ。

「なんじゃ明日坊?その本は?」
オレ(ジジイ)が本を覗き込んで来た。

「ほ、ほっといてよ!」

「ほっほ~♪明日坊も母親としての自覚が出て来たのかのう?でも、な~んも心配いらんぞい!なんせ、その体は…。」
オレ(ジジイ)が俺の隣に座った。
そして手を伸ばし、ソファーに腰かけている俺の尻に…ソファーと尻の間に手を突っ込んで尻を鷲掴みにして来た。

「キャッ!?」
な、なにしやがる!?

「…デカケツの安産型の腰じゃからのう♥今度も立派なひ孫が産まれてくるぞいっ!ぐへへへっ♪」


このジジイ…。
こんな寄生虫ジジイに、私の赤ちゃんは任せられない!
俺が明日菜として…母親としてしっかりせねば…。

俺は胎児を守る様にお腹を抱えた。

(後になって考えてみれば…、俺は明日菜の肉体に乗り移り続ける理由が出来て嬉しかったのかもしれない…。)




ジジイはその後、エロビデオを見ると言って別室に去って行った。
…ジジイ曰く、片玉になってしまった為(※支援図書館(ζ) 続・憑依霊になった爺ちゃん4を参照)入念な試射が必要らしい。

再び一人で本を読んでいると、寝かし付けたはずの美駆がやって来た。

「どうしたのミク?」
俺は優しく言った。

「ねむれないの…ママ。」

「うふふ…。こっちにいらっしゃい♪」
隣に座った美駆を、俺は抱き寄せた。

「ママのお腹あったかい♪」

美駆は俺の大きく膨らんだ腹に顔を埋めて来た。




愛くるしい仕草に心が満たされる。

「あかちゃんなかなかでてこないね。ママのお腹の中きもちいいからかな?」

「うふふ♪そうかも知れないわね♪」
なんだか胸が張ってムズムズとする…。

すると、美駆が俺の左乳房を両手で掴んで来た。

「どうしたのミク?ママのおっぱい吸ってた時の事思い出しちゃった?」

「うん…。ちょっとだけおぼえてるの…。ママ、チューチューしてもいい?」
美駆が恥ずかしそうに言った。

この間は気丈に振る舞っていたが、美駆もまだまだ甘えたいのだろう。

「ふふっ♥良いのよ♪」

俺は着ているTシャツをずり上げて胸を露出させる。
張りのある俺の乳房がポロリと露になった。

俺は左乳房を掴んで突起…乳首を美駆の顔の前に差し出す。
…かつて美駆が乳児だった時に授乳を経験したことでブラウンに染まった乳首を、美駆はパクリと咥えた。




美駆はまるで子猫のように俺の乳房をフミフミと揉みながら乳首を咥えている。

我が子に乳首を吸われる感触は不思議なものだが、本当に心地が良い。
母乳が出る様になったらば、さらに充足感を感じる様になるにだろうか…?

乳を咥えさせながら頭をなでていると、美駆は寝息をたて始めた。

「ふふふ…♪」

今夜は美駆を抱きしめて眠ろう…。
俺は起こさない様に美駆を抱き抱え寝室に向かった。


…俺の腕のなかで寝息をたてる美駆と、お腹の中で時折動く胎児の感触を感じながら
俺も眠りについたのだった。
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たちは板より
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