へっ?別れたああ??」素っ頓狂な声を挙げる男、俺の友人の利明だ。
ああ、まあな…。俺は努めて冷静を装い、返事する。
「お、お前等、中学から高校・大学と7年間も付き合ってきたんじゃねえのかよ??」
まっ!しゃあねえわなあ~!
「双葉の奴、最近、何か元気ねえって思ったら…。」
こういう事…。
「何、落ち着き払ってんだよ??お前!何ともないのかよ!?双葉の奴泣いてたって若葉が言ってたぞ!」
まあ、落ち着けよ。別れた理由は決して双葉の所為じゃない、全面的に俺が悪いんだ。
「ま、まさか、お前浮気を…?」
ふっ…、浮気か…、それが出来る位の身体なら未だしも…。
「友達の俺に言えないなんて、場合によっちゃ幾らお前でも容赦しねえぞ!!」
はは、そうか、お前双葉の事好きだったもんなあ~。
「ば、馬鹿言うなっ!!俺はもう昔の事なんか…。」
結構引きずってんじゃねえの?
「う、うるせえ~!!」
頭に血が上った利明は俺の胸ぐらを掴み、押し倒し、殴りかかろうとした!と、その時。
「えっ?お、お前…、何か、異様に痩せてね??こんなに軽かったっけお前?」
重てえな、退いてくれよ…。ちょっとは俺の話も聞いて欲しいんだけど?
「お前…、一体どうしたんだ?最近のお前変だぞ。」
変?変か…、そうかもな…。
「何があったんだ?双葉と?」
双葉は関係ない!俺個人の問題だ。そうだな、一言で言えば、俺もう女と生殖行為が出来ない身体に成っちまったって言うか、つまり『性的不能者』って奴?早い話『インポテンツ』に成っちまったって訳。
「え?そ、それって…?」
と、言う訳…。
「それって、治療で何とか成らないのかよ?サイコセラピー(心理療法)とか、薬とか?」
ああ、無理無理っ!俺の場合『物理的』に無理なんだよ。
「物理的にって、お前交通事故か別の原因で脊椎を損傷したとか??性器にダメージを負ったとか?若しくは病気とか!?」
ん、まあ当たらずとも遠からずってとこかな。
「お、お前!良く落ち着いていられるなっ!この若さで男として『死刑判決』受けたみたいなもんじゃねえかっ!!」
はは…、俺って昔から精神的に追い詰められれば追い詰められる程、変に冷静沈着に成っちまう癖が有って…、って、えっ??
「冷てえじゃねえかあ~!お、俺達、友達じゃなかったのかよ~!?何でそんな大変な事相談してくれなかったんだよお~!?」
大の男が涙ボロボロ流して…、そう言う奴なんだ、昔っから…、ふふ…。
おいおい、ちょっと落ち着けよ、別に命を取られるってんじゃないんだから…。
「ば、馬鹿野郎~!!お前っ!子孫が残せないんだぞっ!?どんだけお前の親父さんやお袋さんが悲しむか!?」
い、いや、そこまで…、そ、そのお~、別の方法で子供を残せるって方法も有るみたいだし…、まあ、その…、やっぱり相手が要るんだけど…。(ボソッ)
「何だあ~?精子バンクに冷凍保存でもしてるのかよ??そんな…、男と女、お互い愛し愛され性の喜びを知った結果の愛の結晶だろうが!それを知らないでお前は一生終えるつもりかよ?不憫すぎるぜっ!」
い、いや、だから…、別の形で愛されて、性の喜びを知るって事もあり得るんだけど…、まあ、これも相手の同意が…。(赤面)
「古い付き合いの俺が何とかしてやりたいぜっ!俺に出来る事何かねえのかよっ!?たとえば俺に役立つ事が有るんなら?」
え、ええっとその逞しい身体、凄く役立つと思われます、はい…。
その時、今流行(はやり)?のゲリラ豪雨って奴?凄まじい勢いで降ってきて、あっという間に俺達二人はびしょ濡れに…。
「うひゃっ!まったく最近の日本は亜熱帯化してるぜ!って何してんだ?」
う、うわっと!俺は胸の辺りを両腕で隠す様に抱え込んで…。
「何してんだよ?胸なんか隠して??」
い、いや、だって、透けちまう…。
「はあ?何かさっきからお前の言ってる事よく判んねえんだけど?まあ、兎に角ここから一番近い俺の下宿へ行こうぜ、幾ら夏だからってこんなにびしょ濡れじゃあな。着換え貸してやるよ。」
えっ?えっと、それって…?お前と二人きりでお前の下宿に??
「当たり前じゃねえか、それがどうしたってんだよ?」
い、いや、俺…、まだ心の準備が…。
そうこうしている内に利明の下宿に着いた。学生用のマンションで、部屋には風呂も完備してる。
「さあ、入れよ、ちょっと散らかってるけど。」
お、お邪魔しまあす…。
「何か余所余所しいなあ、今日のお前?何度も泊まってるじゃねえか。さあ、先にシャワーでも浴びろよ、着換え用意して置くから。」
え、えっと、俺いいよ。
「はあ?いくら何でも全身ずぶ濡れじゃ気色悪いだろ。下着も洗濯すりゃ、直ぐ乾くし明日休日で授業もねえし、ゆっくりしていきゃいいじゃねえか。」
う、うん…、じゃ、じゃあ…。そう言って俺は渋々浴室に入り、ドキドキしながら服を脱ぎ始めた。と、浴室のドア越しに利明の声が。
「そういや、先月。一ヶ月ほど実家で農業の手伝いしてくるって、休んでたよな?実家の方忙しいのか?」
い、いや、あ、あれは、そ、その~、やっぱり男手が足りなくてさ。
「そうか、おい、バスタオルと取り敢えず替えの下着、新品だぞ!」と、突然、利明の奴、浴室のドアを…。
きゃああああ~!!
「えっ?ええっ!?ええええっ??って、おま、ちょっ!」
ば、馬鹿野郎~~!!入ってくんなあ~!!出てけ~~!!俺は恥ずかしさの余り、そこら中に有るものを利明に投げつける。
「痛え~!お、おいっ!ちょっと落ち着けって!痛てっ!」
うう、だって、だって…。俺は涙目ウルウルに成りながら、胸をしっかり抱きかかえる。そこには外れかけたサラシの下に半円形に盛り上がった膨らみが…、そしてフリル付きの白色のショーツに包まれたお尻が…。
うう…、しっかり見られた…、利明の奴に…、ふ、ふええええ~!!
「お、お前…、その身体??ええっ?お、お前…お、女に??」
へなへなへな…、恥ずかしさの余り俺はその場にへたり込む。所謂女の子座りって奴。
頬が熱い、多分顔に血液が集中してる。俺の頭の中色んな事がぐるぐる回ってる。
利明に嘘付いてた事、実家で農業を手伝うって言いながら実は入院してた事。
双葉に自分の身体の事を打ち明けた事、そして…、そして何より身体がこう成ってから
秘めていた想いが徐々に顔を出す様に成って…。
ぐすっ、ぐすっ。俺は座り込んで泣きべそをかいていた。すると利明の手が。
「おい、何時までへたりこんでんだよ?そんな格好で居ると、そ、その…、お、襲っちまいそうになる…、から、な。」
ひゃっ!?って、利明は俺を立ち上がらそうと手を差伸べてきたのに、何警戒してんだ俺?
俺は左手で利明の手をつかみ、右手で胸を隠しながら(ほとんど隠れてないけど)立ち上がる。えっと…、お、襲わないんだ?何がっかりしてんの?俺??
「俺ちょっと出かけてくるからさ、その間にシャワー浴びてさっぱりしろよ。絶対覗いたりしないからよ。」
な、何で?サラシ外れかけた下乳丸見えプラス女物パンツ一枚の危うい姿の俺をほっといて出かける気かよ?
お前って奴は……、昔っからだよそういう堅物なトコ…、でも、でも…、もっと羽目外してもいいんじゃ…、だって、だって、お、俺こんな姿なんだよ?
バタンッ!ドアの閉まる音がした、出てっちゃたんだ…、な、何紳士ぶってんだよ!ばかやろ…。
俺はサラシを全て取り去り、下半身を覆うちっちゃな布きれを脱ぎ捨てるとシャワーを浴びに浴室に入る、コックを捻り熱いお湯を身体に浴びせる。胸の二つの大きな膨らみにシャワーを浴びせる。
お湯を弾く肌、前よりも色白にそして柔らかに成って、そして股間のアノ部分には男の時の充実感はなくツルリとして、柔らかくて繊細な溝が有るのみ。
な、何だよ!?俺…、何考えてんだよっ!?この気持ち…、訳分かんねえよ~!あいつは中学校からの友達じゃねえか?
俺は二つの膨らみを両腕で掻き抱き、その場にしゃがみ込む、ううっ!ぐすっ!ぐすっ!ひううう…、利明ぃ~!俺、俺…、切ないよう~!何とかしてくれよお~!!
30分程して、コンビニの袋を下げた利明が帰ってきた。
「よう、さっぱりしたか?つまみと発泡酒買ってきたからな。えっと…替えの下着いらなかったよな。」
ああ、この体に成ってから何時も替えの下着はバッグに入れてる、それにもうトランクスの類いはごわごわして駄目なんだ。
俺は利明のジャージの上下を着ていた、勿論ダボダボだ。もともと華奢だったけどこの体になってから余計にでかく感じる。それにサラシの巻いてない胸の先がジャージの布地と擦れて、ふあ…、へ、変な感じ…。
「ほれ、お前の分。」そう言いながら利明は発泡酒の缶を渡す。
え、えっと、俺まだいいよ、酔っちゃったら…、そ、その…。
「はあ?泊まっていきゃいいじゃね…、と、そうか…、今のお前だったら…。」
あう…、ええっと、何かジュースみたいなの無い?はああ~、駄目ださっきから心臓がバクバクしっぱなし…。
何かお互い話し出しにくい雰囲気…。俺は部屋の隅っこで身体を抱え込む様に体育座り、こうやっていると胸の膨らみが膝に当たり、嫌でもあちらこちら柔らかく成った自分の身体を意識してしまう。
「あ、あのさ清彦、俺、お前がこうなったからって、別にどうってことはないからな。なんせ、中学からのダチなんだから。」
そ、そうだよな、俺達中学の頃からの…、でも、でもよ、俺が双葉と付き合う様に成った理由って…。
「えっ?」い、いや、その…。
ここからは俺の心の中の呟き…。
利明よ、俺の身体がこう成ってから解ったんだ。俺が双葉と付き合ったのって、お前が双葉に惚れていたのが解ってたから、俺は嫉妬してたんだ…。お前にじゃない!双葉にだぞっ!!だから、だから、俺はお前を双葉から引き離そうと…、俺…。
「そういや、おまえさあ、中学校入学式の事覚えてる?」
えっ?ああ、俺、悪ガキ共に囲まれてて…。
「うちの中学、私立で私服だったもんだから、てっきりお前の事女の子だって思い込んでて、女虐めるたあ何て奴等だって。」
あは、お前一人残らずボコボコにしたよな!
「その所為で俺、先生達にマークされて、まあそれから俺とお前に絡んでくる奴等は居なくなったけど。」
あの時のお前頼もしかったぜ、思わず惚れちまいそうになる位…って、何言ってんだ?
「で、クラスで自己紹介の時までお前の事ずっと女の子だと、出来ればお近づきになりたいって、全く俺って馬鹿だよな。」
「おまえさあ、さっき、俺が双葉に惚れていたって言ったろ。あれな、本当は双葉の事を好きに成って、ある奴の事を忘れようと思って…。」
え?
「中学で出会ったそいつはずっとその日から俺の心の中に住み着いた。でも、でもな…、そいつと俺とは本来絶対混じり合う事のない平行線の存在。だから、だからよ…。」
と、利明…。
「だから、双葉を好きに成る事でそいつの事を…、でも、駄目だった。それどころか、双葉とそいつが付き合うって知った時に俺は嫉妬に狂った、そいつにじゃない、双葉に対してだ!双葉の奴にそいつを強奪されたと言う想いで俺は嫉妬に責め苛まれた。」
……。
「はは、俺は変態だ…、アブノーマルだ…。『男』であるそいつを奪った『女』の双葉に対して嫉妬するなんてな…。」
お、お前…。
「だけど、俺の願いを神様が叶えてくれたのかなあ?そいつと俺と隔てる垣根を取り除いてくれたんだ…。」
暫くじっとお互いの目を見つめ合っていた俺達…。突然利明の奴、俺を抱きしめてきて!?
「清彦…、お、俺っ!!」
い、痛え~!!お、おいっ!俺、もう前の俺じゃ無いんだから、そんな力一杯…、そのくせ俺、体中の力が抜けて、されるがままに身を任せていた…、ああ又、顔に全身の血液が集中してる、おまけに胸の鼓動が…、も、もう限界っ!!俺はふにゃあっていう感じで利明の分厚い胸に身体を預けていた。
俺の大きく膨らんだ胸、利明の分厚い胸板に押しつけられて、胸の鼓動が直に利明に伝わってるはずドクンドクン…、同時にブラをしていない俺の…、そ、その…、ポッチがトレーナーの布地を通して利明のTシャツ1枚の胸に直に…、びくんっ!…あふ…。
「清彦、俺お前の事、ずっとずっと好きだった…。」
ああ、耳元で囁く利明の声…、この一言がずっとずっと聞きたかったんだ、俺…。
あっ!?利明の唇近づいてきて??
うむうう~!ひゃっ?お、俺?利明にキスされてる??
ちゅう~!ああん、か、身体の力が抜けちゃいそう…。
も、もうどうなってもいい、このまま死んじゃっても…、ひゃあ?利明の右手がトレーナーの下から侵入して来て、俺の左の胸の膨らみを…?あう…、指の先が充血して尖ったポッチに触れて…、はあん…。
「き、清彦!い、いいのか?」
いいって、何を??ああ、そうか!今、俺、女だったんだよね?
男が女に対して『いいの?』って訊くのは、身体を許す、許さないのどっちかだよね?
ここまで来てそんな…、来てっ!俺を…、あ、あたしを利明の物にしてっ!
あはっ!乳首が利明の指先で捏ねられて、ビクッって背中に電流が…。
「お前?こんな美人だったんだ?」俺の顔をしげしげと見つめながら利明が言う。
馬鹿…、今頃気づいたの?もう…、許さない!許さないんだからあ~!!
そう言って利明の唇に自分の唇を重ねる。
そのまま二人はもつれ合う様にベッドに倒れ込む。あたしは利明の唇を貪る様に吸う、ああ、ずっとずっとこうしたかった。すると、利明は身体を入れ替えあたしを下に…。
「清彦、好きだ…、ずっとずっと好きだった。」そう言いながら右手で直に胸の膨らみを揉む、はあん、あたしは疼く様な快感に思わず声を漏らす…、あん、やさしくして…。
あたしの着ているジャージの下をもどかしげに脱がす。ああ、下半身はちっちゃな布きれだけ…。
う、ぷ…、再び利明の唇があたしの唇に…、も、もう身体に力が入らない。あっ!?な、何か、硬いモノがあたしのお腹に??
「清彦ぉ~清彦ぉ~!お、俺、もう我慢出来ないよおっ!」
あんっ!現在(いま)の名前『清美』だよ、き・よ・みって呼んで。
あ、あれっ?何時の間に『あたし』って?お、俺?ちょ、ちょっと…、何で??
利明はもどかしげにあたしのショーツを脱がしに掛かる、ひうっ!乳首に吸い付いたまんま、やあっ!?恥ずかしい~!
えっ?アソコがひんやりと??何?これっ!?濡れてる??
利明もボクサーブリーフを脱ぎ捨てる、びいいい~~ん!!ひゃあっ!?すごっ!?何これ??あ、あたしが男の時より数倍大きい、太いっ!逞しい!ひゃうっ!!あたしにむしゃぶりついてくる。
「はあっ!はあっ!はあっ!き、清美い~!俺っ!俺っ!!」
ああ、って利明、『童貞』だったんだよね?何せ堅物一辺倒だったから、うふふ、落ち着いて、あたしも利明が初めてなんだからね、利明もあたしが初めての『オンナ』なんだよね?嬉しいっ!嬉しいよっ!!利明ぃ~!!
ジャージの上も脱がされたあたしは生まれたまんまの姿に(正確に言うと生まれた時は『男』だったんだけど…)あたしの胸の膨らみに顔を埋める利明、ちゅ、ちゅう…、あはっ!左の乳首が利明に吸われて、どうして左の方がより感じるんだろう?有る説では心臓に近いからだって言うらしいけど?
でも、何だろ?この気持ち??必死に成ってあたしのお乳を吸う利明、凄く愛おしくって、可愛くって、これって、母性本能っていうやつ?ああ、利明との赤ちゃんをこの腕に抱いてお乳をあげるのを想像したりしてってあたしったら…。
あっ、あたしの右のお乳を揉んでるその左手が震えてる、緊張してるんだ…、あたしもさっきから心臓が張り裂けそう…。
ぴちゃ…、ひゃあんっ!と、利明ったら?あ、あたしのアソコに、ゆ、指を?ひゃうっ!ああ…、あたしの何も無くなって、割れ目だけがある股間、その割れ目に沿って指を…はあうっ!緊張して震える指があたしに微妙な快感をもたらす。
「き、清彦…、清美!お、俺もう!」
あん、もう限界みたいだね?利明のアレ、ビンビンに膨れあがって今にもミサイル発射しちゃいそう。
来て、利明…、あたしに頂戴、利明の初めて。
そして…、あたしの初めてをあげる。
あうっ!?あたしの中に侵入してくる利明、あたしのアノ部分は疼痛を伴いながらぐいっ!ぐいっ!と押し広げられる。そして、利明と一つに成れた得も言われぬ感動と歓びに目から頬に熱いものが伝うのを感じていた。
「ああ、清美、やっとやっと願いが通じたんだ!」そう言いながら口付けをしてくる利明、あたしも激しく利明の唇を求める。
はああ、これが幸せって言う奴?『女』としての初めてのセックスはお世辞にも気持ちいいものとは思えなかった、でも、この世で一番好きな相手と結ばれた幸福感があたしを包み込んで、何時までもこの状態が長く続いたらって…。
やがて、身体の奥底に熱い迸りを感じながら、あたしは夢見心地で意識が無くなっていった…。
「ええっ!?お母さんって、昔、『男の子』だったの??」
「そうだよ、『利彦』と同じ『男の子』だったんだから、おちんちんだって有ったんだから。」
金曜日の昼下がり、すっかり春めいた温かい日差しが差し込むとあるマンションの一室、二十代後半位の若い母親と、五歳位の男の子の会話。
「でも、どうしてお母さんは『女の子』に成れたの?」
「う~ん、やっぱり『お父さん』の事ずっと好きで、思い続けて、一緒に成りたいと思って、そしたら、神様が願いを叶えてくれたのかなあ?」
「へええ??、ね、ね、じゃあ僕も神様にお願いしたら『清明』君のお嫁さんに成れるのかなあ??」
「えっ!?あ、あははは…。」
(完)
ああ、まあな…。俺は努めて冷静を装い、返事する。
「お、お前等、中学から高校・大学と7年間も付き合ってきたんじゃねえのかよ??」
まっ!しゃあねえわなあ~!
「双葉の奴、最近、何か元気ねえって思ったら…。」
こういう事…。
「何、落ち着き払ってんだよ??お前!何ともないのかよ!?双葉の奴泣いてたって若葉が言ってたぞ!」
まあ、落ち着けよ。別れた理由は決して双葉の所為じゃない、全面的に俺が悪いんだ。
「ま、まさか、お前浮気を…?」
ふっ…、浮気か…、それが出来る位の身体なら未だしも…。
「友達の俺に言えないなんて、場合によっちゃ幾らお前でも容赦しねえぞ!!」
はは、そうか、お前双葉の事好きだったもんなあ~。
「ば、馬鹿言うなっ!!俺はもう昔の事なんか…。」
結構引きずってんじゃねえの?
「う、うるせえ~!!」
頭に血が上った利明は俺の胸ぐらを掴み、押し倒し、殴りかかろうとした!と、その時。
「えっ?お、お前…、何か、異様に痩せてね??こんなに軽かったっけお前?」
重てえな、退いてくれよ…。ちょっとは俺の話も聞いて欲しいんだけど?
「お前…、一体どうしたんだ?最近のお前変だぞ。」
変?変か…、そうかもな…。
「何があったんだ?双葉と?」
双葉は関係ない!俺個人の問題だ。そうだな、一言で言えば、俺もう女と生殖行為が出来ない身体に成っちまったって言うか、つまり『性的不能者』って奴?早い話『インポテンツ』に成っちまったって訳。
「え?そ、それって…?」
と、言う訳…。
「それって、治療で何とか成らないのかよ?サイコセラピー(心理療法)とか、薬とか?」
ああ、無理無理っ!俺の場合『物理的』に無理なんだよ。
「物理的にって、お前交通事故か別の原因で脊椎を損傷したとか??性器にダメージを負ったとか?若しくは病気とか!?」
ん、まあ当たらずとも遠からずってとこかな。
「お、お前!良く落ち着いていられるなっ!この若さで男として『死刑判決』受けたみたいなもんじゃねえかっ!!」
はは…、俺って昔から精神的に追い詰められれば追い詰められる程、変に冷静沈着に成っちまう癖が有って…、って、えっ??
「冷てえじゃねえかあ~!お、俺達、友達じゃなかったのかよ~!?何でそんな大変な事相談してくれなかったんだよお~!?」
大の男が涙ボロボロ流して…、そう言う奴なんだ、昔っから…、ふふ…。
おいおい、ちょっと落ち着けよ、別に命を取られるってんじゃないんだから…。
「ば、馬鹿野郎~!!お前っ!子孫が残せないんだぞっ!?どんだけお前の親父さんやお袋さんが悲しむか!?」
い、いや、そこまで…、そ、そのお~、別の方法で子供を残せるって方法も有るみたいだし…、まあ、その…、やっぱり相手が要るんだけど…。(ボソッ)
「何だあ~?精子バンクに冷凍保存でもしてるのかよ??そんな…、男と女、お互い愛し愛され性の喜びを知った結果の愛の結晶だろうが!それを知らないでお前は一生終えるつもりかよ?不憫すぎるぜっ!」
い、いや、だから…、別の形で愛されて、性の喜びを知るって事もあり得るんだけど…、まあ、これも相手の同意が…。(赤面)
「古い付き合いの俺が何とかしてやりたいぜっ!俺に出来る事何かねえのかよっ!?たとえば俺に役立つ事が有るんなら?」
え、ええっとその逞しい身体、凄く役立つと思われます、はい…。
その時、今流行(はやり)?のゲリラ豪雨って奴?凄まじい勢いで降ってきて、あっという間に俺達二人はびしょ濡れに…。
「うひゃっ!まったく最近の日本は亜熱帯化してるぜ!って何してんだ?」
う、うわっと!俺は胸の辺りを両腕で隠す様に抱え込んで…。
「何してんだよ?胸なんか隠して??」
い、いや、だって、透けちまう…。
「はあ?何かさっきからお前の言ってる事よく判んねえんだけど?まあ、兎に角ここから一番近い俺の下宿へ行こうぜ、幾ら夏だからってこんなにびしょ濡れじゃあな。着換え貸してやるよ。」
えっ?えっと、それって…?お前と二人きりでお前の下宿に??
「当たり前じゃねえか、それがどうしたってんだよ?」
い、いや、俺…、まだ心の準備が…。
そうこうしている内に利明の下宿に着いた。学生用のマンションで、部屋には風呂も完備してる。
「さあ、入れよ、ちょっと散らかってるけど。」
お、お邪魔しまあす…。
「何か余所余所しいなあ、今日のお前?何度も泊まってるじゃねえか。さあ、先にシャワーでも浴びろよ、着換え用意して置くから。」
え、えっと、俺いいよ。
「はあ?いくら何でも全身ずぶ濡れじゃ気色悪いだろ。下着も洗濯すりゃ、直ぐ乾くし明日休日で授業もねえし、ゆっくりしていきゃいいじゃねえか。」
う、うん…、じゃ、じゃあ…。そう言って俺は渋々浴室に入り、ドキドキしながら服を脱ぎ始めた。と、浴室のドア越しに利明の声が。
「そういや、先月。一ヶ月ほど実家で農業の手伝いしてくるって、休んでたよな?実家の方忙しいのか?」
い、いや、あ、あれは、そ、その~、やっぱり男手が足りなくてさ。
「そうか、おい、バスタオルと取り敢えず替えの下着、新品だぞ!」と、突然、利明の奴、浴室のドアを…。
きゃああああ~!!
「えっ?ええっ!?ええええっ??って、おま、ちょっ!」
ば、馬鹿野郎~~!!入ってくんなあ~!!出てけ~~!!俺は恥ずかしさの余り、そこら中に有るものを利明に投げつける。
「痛え~!お、おいっ!ちょっと落ち着けって!痛てっ!」
うう、だって、だって…。俺は涙目ウルウルに成りながら、胸をしっかり抱きかかえる。そこには外れかけたサラシの下に半円形に盛り上がった膨らみが…、そしてフリル付きの白色のショーツに包まれたお尻が…。
うう…、しっかり見られた…、利明の奴に…、ふ、ふええええ~!!
「お、お前…、その身体??ええっ?お、お前…お、女に??」
へなへなへな…、恥ずかしさの余り俺はその場にへたり込む。所謂女の子座りって奴。
頬が熱い、多分顔に血液が集中してる。俺の頭の中色んな事がぐるぐる回ってる。
利明に嘘付いてた事、実家で農業を手伝うって言いながら実は入院してた事。
双葉に自分の身体の事を打ち明けた事、そして…、そして何より身体がこう成ってから
秘めていた想いが徐々に顔を出す様に成って…。
ぐすっ、ぐすっ。俺は座り込んで泣きべそをかいていた。すると利明の手が。
「おい、何時までへたりこんでんだよ?そんな格好で居ると、そ、その…、お、襲っちまいそうになる…、から、な。」
ひゃっ!?って、利明は俺を立ち上がらそうと手を差伸べてきたのに、何警戒してんだ俺?
俺は左手で利明の手をつかみ、右手で胸を隠しながら(ほとんど隠れてないけど)立ち上がる。えっと…、お、襲わないんだ?何がっかりしてんの?俺??
「俺ちょっと出かけてくるからさ、その間にシャワー浴びてさっぱりしろよ。絶対覗いたりしないからよ。」
な、何で?サラシ外れかけた下乳丸見えプラス女物パンツ一枚の危うい姿の俺をほっといて出かける気かよ?
お前って奴は……、昔っからだよそういう堅物なトコ…、でも、でも…、もっと羽目外してもいいんじゃ…、だって、だって、お、俺こんな姿なんだよ?
バタンッ!ドアの閉まる音がした、出てっちゃたんだ…、な、何紳士ぶってんだよ!ばかやろ…。
俺はサラシを全て取り去り、下半身を覆うちっちゃな布きれを脱ぎ捨てるとシャワーを浴びに浴室に入る、コックを捻り熱いお湯を身体に浴びせる。胸の二つの大きな膨らみにシャワーを浴びせる。
お湯を弾く肌、前よりも色白にそして柔らかに成って、そして股間のアノ部分には男の時の充実感はなくツルリとして、柔らかくて繊細な溝が有るのみ。
な、何だよ!?俺…、何考えてんだよっ!?この気持ち…、訳分かんねえよ~!あいつは中学校からの友達じゃねえか?
俺は二つの膨らみを両腕で掻き抱き、その場にしゃがみ込む、ううっ!ぐすっ!ぐすっ!ひううう…、利明ぃ~!俺、俺…、切ないよう~!何とかしてくれよお~!!
30分程して、コンビニの袋を下げた利明が帰ってきた。
「よう、さっぱりしたか?つまみと発泡酒買ってきたからな。えっと…替えの下着いらなかったよな。」
ああ、この体に成ってから何時も替えの下着はバッグに入れてる、それにもうトランクスの類いはごわごわして駄目なんだ。
俺は利明のジャージの上下を着ていた、勿論ダボダボだ。もともと華奢だったけどこの体になってから余計にでかく感じる。それにサラシの巻いてない胸の先がジャージの布地と擦れて、ふあ…、へ、変な感じ…。
「ほれ、お前の分。」そう言いながら利明は発泡酒の缶を渡す。
え、えっと、俺まだいいよ、酔っちゃったら…、そ、その…。
「はあ?泊まっていきゃいいじゃね…、と、そうか…、今のお前だったら…。」
あう…、ええっと、何かジュースみたいなの無い?はああ~、駄目ださっきから心臓がバクバクしっぱなし…。
何かお互い話し出しにくい雰囲気…。俺は部屋の隅っこで身体を抱え込む様に体育座り、こうやっていると胸の膨らみが膝に当たり、嫌でもあちらこちら柔らかく成った自分の身体を意識してしまう。
「あ、あのさ清彦、俺、お前がこうなったからって、別にどうってことはないからな。なんせ、中学からのダチなんだから。」
そ、そうだよな、俺達中学の頃からの…、でも、でもよ、俺が双葉と付き合う様に成った理由って…。
「えっ?」い、いや、その…。
ここからは俺の心の中の呟き…。
利明よ、俺の身体がこう成ってから解ったんだ。俺が双葉と付き合ったのって、お前が双葉に惚れていたのが解ってたから、俺は嫉妬してたんだ…。お前にじゃない!双葉にだぞっ!!だから、だから、俺はお前を双葉から引き離そうと…、俺…。
「そういや、おまえさあ、中学校入学式の事覚えてる?」
えっ?ああ、俺、悪ガキ共に囲まれてて…。
「うちの中学、私立で私服だったもんだから、てっきりお前の事女の子だって思い込んでて、女虐めるたあ何て奴等だって。」
あは、お前一人残らずボコボコにしたよな!
「その所為で俺、先生達にマークされて、まあそれから俺とお前に絡んでくる奴等は居なくなったけど。」
あの時のお前頼もしかったぜ、思わず惚れちまいそうになる位…って、何言ってんだ?
「で、クラスで自己紹介の時までお前の事ずっと女の子だと、出来ればお近づきになりたいって、全く俺って馬鹿だよな。」
「おまえさあ、さっき、俺が双葉に惚れていたって言ったろ。あれな、本当は双葉の事を好きに成って、ある奴の事を忘れようと思って…。」
え?
「中学で出会ったそいつはずっとその日から俺の心の中に住み着いた。でも、でもな…、そいつと俺とは本来絶対混じり合う事のない平行線の存在。だから、だからよ…。」
と、利明…。
「だから、双葉を好きに成る事でそいつの事を…、でも、駄目だった。それどころか、双葉とそいつが付き合うって知った時に俺は嫉妬に狂った、そいつにじゃない、双葉に対してだ!双葉の奴にそいつを強奪されたと言う想いで俺は嫉妬に責め苛まれた。」
……。
「はは、俺は変態だ…、アブノーマルだ…。『男』であるそいつを奪った『女』の双葉に対して嫉妬するなんてな…。」
お、お前…。
「だけど、俺の願いを神様が叶えてくれたのかなあ?そいつと俺と隔てる垣根を取り除いてくれたんだ…。」
暫くじっとお互いの目を見つめ合っていた俺達…。突然利明の奴、俺を抱きしめてきて!?
「清彦…、お、俺っ!!」
い、痛え~!!お、おいっ!俺、もう前の俺じゃ無いんだから、そんな力一杯…、そのくせ俺、体中の力が抜けて、されるがままに身を任せていた…、ああ又、顔に全身の血液が集中してる、おまけに胸の鼓動が…、も、もう限界っ!!俺はふにゃあっていう感じで利明の分厚い胸に身体を預けていた。
俺の大きく膨らんだ胸、利明の分厚い胸板に押しつけられて、胸の鼓動が直に利明に伝わってるはずドクンドクン…、同時にブラをしていない俺の…、そ、その…、ポッチがトレーナーの布地を通して利明のTシャツ1枚の胸に直に…、びくんっ!…あふ…。
「清彦、俺お前の事、ずっとずっと好きだった…。」
ああ、耳元で囁く利明の声…、この一言がずっとずっと聞きたかったんだ、俺…。
あっ!?利明の唇近づいてきて??
うむうう~!ひゃっ?お、俺?利明にキスされてる??
ちゅう~!ああん、か、身体の力が抜けちゃいそう…。
も、もうどうなってもいい、このまま死んじゃっても…、ひゃあ?利明の右手がトレーナーの下から侵入して来て、俺の左の胸の膨らみを…?あう…、指の先が充血して尖ったポッチに触れて…、はあん…。
「き、清彦!い、いいのか?」
いいって、何を??ああ、そうか!今、俺、女だったんだよね?
男が女に対して『いいの?』って訊くのは、身体を許す、許さないのどっちかだよね?
ここまで来てそんな…、来てっ!俺を…、あ、あたしを利明の物にしてっ!
あはっ!乳首が利明の指先で捏ねられて、ビクッって背中に電流が…。
「お前?こんな美人だったんだ?」俺の顔をしげしげと見つめながら利明が言う。
馬鹿…、今頃気づいたの?もう…、許さない!許さないんだからあ~!!
そう言って利明の唇に自分の唇を重ねる。
そのまま二人はもつれ合う様にベッドに倒れ込む。あたしは利明の唇を貪る様に吸う、ああ、ずっとずっとこうしたかった。すると、利明は身体を入れ替えあたしを下に…。
「清彦、好きだ…、ずっとずっと好きだった。」そう言いながら右手で直に胸の膨らみを揉む、はあん、あたしは疼く様な快感に思わず声を漏らす…、あん、やさしくして…。
あたしの着ているジャージの下をもどかしげに脱がす。ああ、下半身はちっちゃな布きれだけ…。
う、ぷ…、再び利明の唇があたしの唇に…、も、もう身体に力が入らない。あっ!?な、何か、硬いモノがあたしのお腹に??
「清彦ぉ~清彦ぉ~!お、俺、もう我慢出来ないよおっ!」
あんっ!現在(いま)の名前『清美』だよ、き・よ・みって呼んで。
あ、あれっ?何時の間に『あたし』って?お、俺?ちょ、ちょっと…、何で??
利明はもどかしげにあたしのショーツを脱がしに掛かる、ひうっ!乳首に吸い付いたまんま、やあっ!?恥ずかしい~!
えっ?アソコがひんやりと??何?これっ!?濡れてる??
利明もボクサーブリーフを脱ぎ捨てる、びいいい~~ん!!ひゃあっ!?すごっ!?何これ??あ、あたしが男の時より数倍大きい、太いっ!逞しい!ひゃうっ!!あたしにむしゃぶりついてくる。
「はあっ!はあっ!はあっ!き、清美い~!俺っ!俺っ!!」
ああ、って利明、『童貞』だったんだよね?何せ堅物一辺倒だったから、うふふ、落ち着いて、あたしも利明が初めてなんだからね、利明もあたしが初めての『オンナ』なんだよね?嬉しいっ!嬉しいよっ!!利明ぃ~!!
ジャージの上も脱がされたあたしは生まれたまんまの姿に(正確に言うと生まれた時は『男』だったんだけど…)あたしの胸の膨らみに顔を埋める利明、ちゅ、ちゅう…、あはっ!左の乳首が利明に吸われて、どうして左の方がより感じるんだろう?有る説では心臓に近いからだって言うらしいけど?
でも、何だろ?この気持ち??必死に成ってあたしのお乳を吸う利明、凄く愛おしくって、可愛くって、これって、母性本能っていうやつ?ああ、利明との赤ちゃんをこの腕に抱いてお乳をあげるのを想像したりしてってあたしったら…。
あっ、あたしの右のお乳を揉んでるその左手が震えてる、緊張してるんだ…、あたしもさっきから心臓が張り裂けそう…。
ぴちゃ…、ひゃあんっ!と、利明ったら?あ、あたしのアソコに、ゆ、指を?ひゃうっ!ああ…、あたしの何も無くなって、割れ目だけがある股間、その割れ目に沿って指を…はあうっ!緊張して震える指があたしに微妙な快感をもたらす。
「き、清彦…、清美!お、俺もう!」
あん、もう限界みたいだね?利明のアレ、ビンビンに膨れあがって今にもミサイル発射しちゃいそう。
来て、利明…、あたしに頂戴、利明の初めて。
そして…、あたしの初めてをあげる。
あうっ!?あたしの中に侵入してくる利明、あたしのアノ部分は疼痛を伴いながらぐいっ!ぐいっ!と押し広げられる。そして、利明と一つに成れた得も言われぬ感動と歓びに目から頬に熱いものが伝うのを感じていた。
「ああ、清美、やっとやっと願いが通じたんだ!」そう言いながら口付けをしてくる利明、あたしも激しく利明の唇を求める。
はああ、これが幸せって言う奴?『女』としての初めてのセックスはお世辞にも気持ちいいものとは思えなかった、でも、この世で一番好きな相手と結ばれた幸福感があたしを包み込んで、何時までもこの状態が長く続いたらって…。
やがて、身体の奥底に熱い迸りを感じながら、あたしは夢見心地で意識が無くなっていった…。
「ええっ!?お母さんって、昔、『男の子』だったの??」
「そうだよ、『利彦』と同じ『男の子』だったんだから、おちんちんだって有ったんだから。」
金曜日の昼下がり、すっかり春めいた温かい日差しが差し込むとあるマンションの一室、二十代後半位の若い母親と、五歳位の男の子の会話。
「でも、どうしてお母さんは『女の子』に成れたの?」
「う~ん、やっぱり『お父さん』の事ずっと好きで、思い続けて、一緒に成りたいと思って、そしたら、神様が願いを叶えてくれたのかなあ?」
「へええ??、ね、ね、じゃあ僕も神様にお願いしたら『清明』君のお嫁さんに成れるのかなあ??」
「えっ!?あ、あははは…。」
(完)