ここはとある女の子の部屋。
部屋内は完全に閉め切っており、昼間とは思えない暗さとなっている。
外部から部屋の中が見えないのと同時に、この暗さが怪しげな雰囲気を作り上げている。
この部屋の中には二人の女の子がいる。一人は近所の高校のセーラー服を着た美人系の女子高生。
もう一人は腰まで届く長い黒髪の少女。
ぶかぶかの白いワンピースと赤い首輪をつけている彼女の頭には、黒い猫耳がちょこんと鎮座している。
少女はおびえた子猫のような表情としぐさをしてもう一人の少女の前に座っている。いや、"立てない"でいる
この少女は…いや、僕はつい10分ほど前まではごく普通の男子高校生であった。
それなのに今ではこのように、元の姿とはかけ離れた姿になっている。
「さて、今の現状を踏まえて何か言い残すことはあるかしら?」
「え、えーっと…これから僕は何をされるの…双葉さん…?」
「別に取って喰ったりはしないわよ…………ごめん嘘。今の可愛い貴女を
美味しく頂かせてもらうからせいぜい期待しなさい。もちろん性的な意味で♪」
今僕の目の前で仁王立ちをする女の子は同じクラスの双葉さん。
スラッとした高い身長にグラビアアイドル顔負けのスタイルと少し子供っぽさの残る器量。
しかも運動神経は抜群で、成績も優秀。
学校の男たちの間では学年問わずトップクラスの人気を誇る彼女ではあったけど
同じクラスだと言うのに、僕はこれまで彼女と特に接点を持てずにいた。
そんなある日の放課後、彼女がいきなり話しかけてきて、僕を家に誘ってくれたのだ。
いきなりやってきたクラスのトップアイドルのアプローチに戸惑う僕に、クラスメイト達の怨嗟と羨望の混じった野次が沸いた
「馬鹿な…あの清彦に双葉さんが…?」
「なん…だと…?清彦の霊圧消えろ。」
「そんな!双葉お姉様が、よりによって清彦なんかに…」
「俺はむしろ清彦を襲いたい。」
「奇遇だな、俺もだ」
「ちくしょーーーー爆発しろぉぉぉぉーーーーーー!!!」
「双葉さぁぁぁぁーん!清彦なんかよりも俺を誘ってくれーーー!」
「さっ、行こうか清彦君♪」
混沌の渦と化しつつある教室をスルーして、僕と双葉さんは一緒に彼女の家へと向かう。
校門を出て、しばらく昼間の住宅街の中を歩く。
途中、双葉さんと軽い世間話をしている間に、いつの間にか双葉さんの家の前についたようだ。
「いやー、学校から近いと楽でいいんだよねー。さぁさ、上がって清彦君」
双葉さんの家はごく普通の二階建ての一軒家。家の表札には4人の名前が…?
「あれ?双葉さんのお兄さんの名前って…清彦さんって言うの?」
「そうだよー。今は大学に通ってて…でも今日は家で朝からゲームばっかりやってたかな?」
そう言って双葉さんは玄関の扉を開ける。鍵は最初から開いていたようで、中に人がいるようだ。
「うん。まーだ家にいるみたいね。まぁ気にしないで上がって上がって。」
そうは言われても女の子の家に上がるというのに、家の人と顔を合わせるのはどことなく気が引ける。
意を決して双葉さんの家の中に上がると、居間の方から何か音が聞こえる。
廊下から居間の方を覗いてみると、僕達よりやや年上の男性がソファに寝転がってゲームをしているようだ。
「…お兄ちゃん何してるの?」
「ん?おお双葉、帰ってきたか。お帰り。俺は見ての通り先日発売した狩りゲーをしているわけだが。」
そう言った双葉さんのお兄さんは、両手と両足で別々のゲームをしていた。
一度に二つのゲーム機を操る神業をしれっとやってのけるお兄さん。只者ではない…
「どうせまたアニメか何かに触発された勢いでやったんでしょ。というか勝手に私の部屋に入るな。」
「お前もよく入って来るだろ。それよりえーと…、君が双葉が言ってた彼…?なのかな?」
双葉さんのお兄さんが僕に話しかけてきた。それよりも双葉さんが…僕のことを家で話していた…?
「え!?えー、僕は、えーとその…」
「違うわよ。ただのクラスメイト。今はまだ…ね」
双葉さんが僕に満更でもない気持ちを抱いていたみたい…?
でも、どうして僕なんかを選んだんだろうか。
イケメンでスポーツ万能として有名なある先輩の誘いも断っていたみたいだし。
「そうか…双葉。"アレ"は使うのか?」
「もちろん。鞄も一緒に借りるね♪」
双葉さんとお兄さんが、何やらよく分からないことを話している。
アレ?…ってなんだろう。それに鞄とも言っていたし…何の話をしているんだろう。
「あーその…使うのはいいけどなるべく過激なことは控えろよ。俺の時みたいに…ゴニョゴニョ」
「何言ってんのよ。私も"アレ"の機能解明に協力したんだし、遊ぶ位いいじゃない。」
「…まぁ俺も人のこと言えないしな。分かったよ、許可するよ。」
「やった♪お兄ちゃんありがとう!あ、それと私のゲーム機、しっかりと消毒しておいてよね。アルコールで」
「えーと、さっきから一体何の話をして…」
「さぁ行こ、清彦君!私の部屋に♪」
僕が二人の会話の内容を聞こうとする前に、双葉さんに引っ張られたまま、2階にある双葉さんの部屋に連れて来られた。
さっきのお兄さんとの会話の中に、いくつか不穏な雰囲気を感じたものの、クラスのアイドルの部屋に来た高揚感にかき消されてしまった。
もし、ここで僕が彼女の言動に不信感を持っていれば、彼女を振り払って逃げる勇気を持っていれば…
これから待つ運命から逃れることもできたかもしれなかったのに。
「さ、座って座って清彦君。」
双葉さんに勧められて、僕は腰を下ろす。
双葉さんの部屋はそれほど物も多く置いてる訳でもなく、小ざっぱりとしていて妙な居心地の悪さを感じなかった。
とはいっても僕は女の子の部屋なんて、実際に入ったことなんてないのだけども。
「お茶持ってくるから、しばらくそこで待っててね。漫画とか自由に読んだりしていてもいいよ~」
そういって彼女は立ち上がり、そのまま部屋から出て行った。
「はぁ~。なんでこんなことになったんだろう…」
実を言うと今でも彼女の部屋にいるという実感があまり沸いてこない。
ケータイを見ると、もう噂を聞きつけたのか、男友達からの恨みと殺意のこもったメッセージが届いていた。
僕はそれを見てケータイの電源を切り、ポケットにしまった。後で詳細を送らないと、何をされるか分かった物じゃない。
そのうち双葉さんがお盆に紅茶とお菓子を載せて戻ってきた。部屋に戻ってきた。
それから僕は双葉さんと、取り留めもない話を続けた。
会話の中で、どうやら彼女は僕と趣味が意外と合うことを知った。
とはいっても漫画の話だったりプラモの話だったり、人気者の双葉さんの趣味は意外とオタク寄りだった。
いくつか適当な会話を楽しんだ後、僕はずっと気になっていたことを双葉さんに問いかけた。
「そういえば双葉さんって…どうして僕を家に誘ったの?」
「あぁそれね。強いて言うなら清彦君が私の趣味に合いそうな容姿と性格をしていることが大きいかな?」
ええぇぇぇぇ!!!
どうやら僕はあの双葉さんの好みに相当一致しているらしい。
自分で言うのもなんだけど自分は結構ナヨナヨした性格だと思う。
何か人に押し付けられたり頼まれたことは断れない性格だし…
身長もクラスの男子の中で一番低いし、体つきも細いからスポーツも苦手。
加えて童顔なせいか、今でも中学生…酷い時は小学生に間違われることもある。
正直言って、そんな僕に学校屈指のアイドルの双葉さんが興味を示してくれるなんて…
「それでね…清彦君に頼みたいことがあるんだ~」
そういって双葉さんは、この部屋の隅に置いてあった鞄を僕の目の前に持ってきた。
「清彦君にね、この中に入っている衣装を着けて欲しいの♪」
げげ!
僕はその瞬間に双葉さんの意図が分かったような気がした。
さっきも言った通り、僕は男にしては体の線が細い。
そのため、高校に上がる前に僕の従姉や妹に女装させられたことがあったのだ。
女装した時の僕は不本意ながら自分でも可愛い…と思ったのだが、その後男としての自分にますます自信を持てなってしまった。
その思い出は当時の自己嫌悪から自分のコンプレックスとなっていたのだ。
今でも姉や妹にはそのことでからかわれてるし、隙あらばまた女装させようとしてくる。
双葉さんもきっとそのつもりなんだろう。
思えば双葉さんの部屋には一応ドレッサーも化粧用品も一通りそろっている。
この家の中で彼女の部屋の中に入ってくるのは彼女のお兄さんぐらいだし、先ほどの口ぶりからこのことも知っているようだ。
まんまと僕は手中に取られたわけだ。
「ねぇ清彦君。とりあえずこの鞄を開けてみて?きっと気に入ると思うからさ」
そう言って双葉さんが僕に鞄を開けるように促してくる。
そうだ。何もこの中身が女の子の服とは限らない。一応中身を確認して…もしそうだったら断ればいい。
そう自分に言い聞かせて、僕は鞄に手を掛けてみる。
よくわからないけど、高そうな装飾も施してあって相当高級品のようだ。
どうしてわざわざこんな高そうな鞄に入れて持ってくるのか分からないけど、僕は鞄を開けることにした。
その時、ロックを外して鞄を開けた瞬間、まばゆい光が鞄の中からあふれてきた。
「うわわわわわぁぁぁぁ!?」
予想していない光に驚いた僕はそのまま意識を手放して………------
―――――――――――――――――――――――――
「は~。家に男の子を呼ぶのって意外と騒がれるものねぇ~。」
そういって私は学校の教室で騒がれたことを思い出す。
でもここまで連れてくる苦労も、これからこの清彦君で"遊ぶ"ことで吹っ飛ぶだろう。
それにしてもお兄ちゃんと同じ名前と言うのはやっぱり何だか変な気分だよね。
新しく名前を考えないと…でもその前にこれから清彦君が別の姿になる過程を見届けようと思う。
目の前で気絶している清彦君は、今までお兄ちゃんで試したような変化を遂げようとしていた。
鞄からあふれ出た光は生き物のように清彦君の体にまとわりつき、清彦君の来ている学生服の形状を変えていく。
光に触れた学生服の黒が白く染まっていき、白ランに近い物に変わった。
固そうな学生服の生地がだんだん柔らかく、薄くなるように変化していき、ゆったりとした材質に変わっていく。
そして上下に分かれていた服が腰の辺りでつながり、
前についていた金属のボタンや袖についていたカフスボタンも消滅し、一着の白い大きな服となった。
袖や襟に生地が寄せられ、無骨な服に可愛らしく装飾がなされていく。
ズボンの二つの裾の穴が互いに引き寄せられて、繋がって、一つの大きな裾となっていく。
みるみるうちにズボンであった部分は、長く細いスカートへと変貌を遂げていた。
次に、足首まで届いていたスカートの裾が徐々に短くなっていき、
ぴっちりと足を覆っていたタイトなスカートにゆとりが生まれ、
膝丈のスカートに変わった後、風も無いのにスカートがぶわっと一瞬めくり上がり、変化を終えた。
上半身の変化に移る。
首元まで覆っていた固い襟のカラーは、下の部分と二つに分かれて首に巻き付いたカラーが赤く染まっていく。
そのままカラーは形を変え、材質を変え、赤い革の首輪のようなものへと変わった。
白い服は肩ひもが出来て肩で支えられ、肩口と胸元を強調するようなデザインのワンピースとなった。
「ふーむ。服の変化は大体変化が完了したようね。それにしても清彦君、なかなかどうして可愛い顔してるね。
変身しなくてもこのままカツラつけてお化粧したりすれば十分女の子に見えるんだけど…目的は女の子にするだけじゃないのよね~」
見える部分の服装の変化が完了し、次の変化は肉体に移る。
元々童顔で中性的な顔立ちであった彼の顔もさらに、眉が細く、顎も狭く、目もぱっちり大きくなり、
もはや一目で女の子にしか見えない顔つきへと変わっていく。
「わぁ。顔が変わっただけなのにもう女の子にしか見えない…もともと私よりも身長低かったのもあるしなぁ」
髪型だけでも男らしく見せようとしていたのか、短く切りそろえてあった髪がみるみる内に伸びていく。
前髪が目にかかる程度まで伸びた後も、横たわって床に接した頭から、放射線状に黒い艶やかな髪が広がっていく。
元々そこまで高くなかった身長もさらに低くなっていき、ますます"女の子"らしくなる。
胸が少しずつ膨らんでいき、つつましいサイズの乳房が形作られる。
僅かに乳房を、服の下で白い布が優しく包んでいき、ブラジャーとして形を作る。
下に履いていた男性用の下着も、同じような変化で女性物の可愛らしいショーツへと変化を遂げる。
それに合わせて、彼の股間を押し上げていたモノが徐々に体内へ収納され、平らな面となる。
体内に収納されたモノは、そのまま女性器へと変化を遂げていく。
子供を授ける器官である睾丸は体内で大きく姿を変え、
下腹部の中でぷっくらと膨らんでいき、卵巣、子宮と自らが子供を宿すために必要な器官へと変わる。
残ってあった陰茎部も姿を変え、股間へつながる膣へと変わり、子宮と秘部を繋ぐ道となる。
股間から頭を出した亀頭は平べったく形を変え、膣の入口の陰唇を形作る。
こうして彼女は生物的にも"女"への変化を遂げた。
全身を覆っていた僅かな筋肉が、柔らかい皮下脂肪に覆われ、体の線がますます細くなる。
もはや彼女には"男"であった名残はみじんも残っていない。
変化はまだ終わっていない。
彼女の側頭部に付いている耳が徐々に頭の上へ上がっていく。
それはこれまでとは違って奇妙な変化であった。
ある程度耳が"上がった"後、長い髪から辛うじて見える耳に変化が訪れた。
耳の裏側が黒い毛で覆われ、内側から白い毛がとびだし、耳は徐々に形を変え、猫の耳のような三角形を形作る。
臀部にも異常があった。
彼女の尾てい骨の辺りから何か細長い物が生えてきているように蠢く。
ワンピースのスカートから覗くそれは、明らかに黒い猫の尻尾であった。
一通りの変化を終え、落ち着いたころにはそこには男子高校生の姿は影も形も無く、
頭から黒い猫の耳が、お尻からは尻尾が生やした一人の少女がいた。
「よし!変身完了っと!」
私の予定通り、清彦君を可愛い女の子に変身させることができた。
しかも今回はいつの間にか追加されていた新機能『けものっこ(命名は私)』を使用した。
といっても、タンスの小物入れに現れるようになった付け耳や付け尻尾を服と同じように使うだけなんだけど。
この機能を使えば名前の通り、使用者に動物のような耳や尻尾を体から生やすことができるのだ。
しかもこの機能で生えてきた耳や尻尾は神経としっかりリンクしているのかちゃんと感覚が伝わってくる。
元々人の体についていなかった器官のせいか、新しく生まれた耳や尻尾は少しどころか、かなーり敏感になりすぎるけど…これはこれで利用できる。
しかもこの『けものっこ』には生やすだけの効果だけじゃなくてさらに…っと、脳内説明はまたもう少しあとに取っておこう
さて、これまで普通に遊ぶだけならお兄ちゃんを使ったりしてもいいんだけど…
最近流石にお兄ちゃんで遊び過ぎてる気もするし、毎回無理矢理遊んだりするのもちょっと悪い気もする。
なにより最近のお兄ちゃんには変身に対する抵抗も無いから新鮮さも感じないし、
こうして新しく遊ぶために清彦君を利用することにしたのだ。
勿論こうやって巻き込んだからには、清彦君をもとの姿に戻すつもりは無い。
でもいいよね。お兄ちゃんも同じことをやっていたことだし、
"そもそも世界はもう既に清彦君が元々女の子だったということになっている。"
清彦君も、そのうちこの姿に慣れていって、男の子の感覚も徐々に失っていくだろう。
うん。それにしてもやっぱりこんな可愛いのに"清彦君"なんてのは似合わないね。新しく名前を考えよう。
うーん…猫少女になった清彦君には可愛い名前を付けてあげたいよね…
そうだ!「きぃちゃん」!
うん!なんかしっくり来るし、この子の名前は「きぃちゃん」にしよう。
さぁて、きぃちゃんが目を覚ますまでどんなことして遊ぶか考えておこう♪
―――――――――――――――――――――――――
意識を取り戻してから最初に見たのは、知らない天井だった…
と思った直後に僕は双葉さんの家に遊びに来ていたことを思い出した。
それにしても何が起こったんだっけ…?
双葉さんから渡された鞄を開けようとしたところまでは覚えているんだけど…
僕が気絶してから目を覚ますまでの間、双葉さんに気を遣わせてしまったなぁ。
そう思いつつ体を起こそうとしたところで、ふと自分の体の違和感に気が付いた。
頭が重い。
いや、重いと言うよりは何か長いものが頭にぶら下がっている感覚がする。
ふと顔を横に向けてみると、何か黒い細いものが束になって頭から垂れ下がっている。
「これは…髪の毛?」
眠っている間に双葉さんにカツラでもつけられたのだろうか。
全く…やっぱり女装させられてしまったじゃないか。
上体を起こしてみると、僕の学生服はいつの間にか脱がされ、女の子が着るような白いワンピースを着せられている。
双葉さんが、僕が眠っている間に服を脱がして着せ替えたのだろうか…どうしてわざわざ気絶している間に…
(って!それなら僕の裸を双葉さんに見られたってことじゃないか!)
そう考えて思わず顔から火が出そうになるのを抑えていると、後ろから双葉さんの声がかかった
「あら、目が覚めたと思ったら…可愛い仕草をしてるじゃない"きぃちゃん"」
きぃちゃん…?それって僕のこと!?
さっきまで僕のことを「清彦君」と呼んでいたのにどうしていきなりきぃちゃんなんて…
「どう?気に入ったかなその姿。」
「や、やっぱり双葉さんが僕を眠っている間に着替えさせたんだね?」
あれ?なんだろう?自分の声に違和感を感じる。
心なしか声がいつもより高くなっている気がする。もともと男にしてはそこまで低い声ではなかったけど。
そもそも僕はどうして気を失っていたんだっけ?確か双葉さんに渡された鞄を開けた辺りから記憶が…
「ま、まさかさっきのお茶に睡眠薬とかを…」
「そんな訳ないじゃない。普通の家に睡眠薬なんて置いてあるわけないでしょ。」
そう言って双葉さんは否定する。確かに…でもそれだったらどうして僕は気を失っていたんだろう。
「そんなことよりこっちに来て、ほら!鏡見てみてよ。」
そういって双葉さんは僕を鏡の前に手招きしてくる。
(自分の女装した姿はあまり見たくないんだけど…)
僕はしぶしぶ双葉さんに従って鏡の前に向かうため、重い腰を上げる。
うぅ…立ち上がった瞬間足元がスースーするよ…
スカートと言うのは何回か履かされているけど、やっぱり慣れないものだし…
服を着ているのに自分の太ももが直接触れ合う感覚もおかしな気分だし、
女の人ってどうしていつもこんなのを履いているのかぁ
それに何だかさっきから体がふらつく。何だか体の重心が変わったような…
そんな僕の様子を見て、双葉さんはクスクスと笑う。
「うふふ…そんな可愛い顔しちゃって、ほらきぃちゃんも見てみなってば。」
「そんなこと言ったって恥ずかしいよ…」
双葉さんに促されて僕は鏡の中をのぞいてみる。
「え…これが僕…?」
全身を映せる姿身鏡にはにはセーラー服を着た双葉さんと
恥ずかしそうに顔を赤らめた、少し大きめの白いワンピースを着た美少女が映っていた。
もちろんこの美少女が僕であるわけなのだが…今まで見たこともないくらい女の子になりきっていることに驚いた。
というか自分のことを今無意識に美少女…って!
ご丁寧にも胸にパッドもつけられていて、本物のように膨らんでいる。
これのせいでさっきも歩きにくかったのか…
しかもよく見ると頭には猫の耳のカチューシャまでつけられている。
いつの間にか付けられていた赤い首輪と合わさって、まるで怯えた黒猫のように見える。
「ね?可愛いでしょ?ほら、この耳なんかホラ!」
「ひゃぁっ!?」
鏡の中の双葉さんが後ろから僕の頭についていた猫耳カチューシャに触れてきた。
その瞬間僕の耳が何か熱い物に触られたような、撫でまわされたような言いようもない感触が伝わってきた。
って嘘!?どうして感覚が!?
「な、何!?カチューシャから変な感触が!」
「どう?すごいでしょ。きぃちゃんの頭についているのは付け耳じゃなくて、本物のきぃちゃんの耳なんだよ~ほら!」
そう言って双葉さんは僕の頭の猫耳を口の中に入れてカプリと甘噛みをする。
「ひゃぅっ!双葉さん…やめて…」
僕の猫耳から、双葉さんが舌でこねくり回す感覚が伝わってくる。
歯を立てずに僕の耳を噛み、舌を僕の耳の穴に入れてなめまわす。
痛みは感じられない。代わりに性感帯のように敏感になった耳から、くすぐったいような途方もない快感が押し寄せてくる。
双葉さんの唾液が僕の耳の中に入ってくる。本来なら気色の悪い違和感でも、今はそれすらも心地よく感じる。
ふと鏡を見る。
そこにはセーラー服を着た双葉さんが、猫耳の生えた黒髪の女の子を"可愛がっている"のが見えた。
女の子の表情は赤い顔で恍惚としており、発情した雌猫を思わせる。
見る男を誘惑し、虜にし、嗜虐性を起こさせる女の顔。
そんな顔をしているのが僕自身であることを、その時のボクは忘れていた。
ただひたすら双葉さんの"可愛がり"を身に受けていた。
憧れの人に全身を撫でまわされ続けているような快感。
そしてそれを受けている今のボクの姿が本来の姿とはかけ離れているという倒錯感。
押し寄せる快感によって感覚が麻痺していたのか。
その時ボクは、ふと下腹の内側に違和感を感じていることに気が付いた。
それは決して苦痛ではなく、むしろ甘く切ない、何かキュンと締め付けるような…それでいて心地よい感覚。
その感覚の正体を知る前に、双葉さんはそれまで続けていた動きを一旦止めた。
「…っふぅ。ホントに可愛いくなっちゃったね…きぃちゃん。」
「双葉さん…」
いつの間にか双葉さんもボクと同じ顔をしていた。発情した、真っ赤に染まった女の顔。
それでも双葉さんは今のボクとは違って、強かな顔つきで、その目には強い光を灯していた。
それはまるで獣の何かを、あるいは強い意志を思わせるような目で…
「もう…我慢できないから…いいよね?」
ボクに返事をさせる間も与えず、双葉さんは来ていたセーラー服を脱ぎ捨て、下着のみの姿となる。
ボーっとした頭でボクもそれに応えようと、自分の着ているワンピースに手を掛けようとするも、双葉さんに止められる。
「いいから…きぃちゃんのは私が脱がせてあげるから」
直後、ボクは口の中に双葉さんの舌を入れられた。
不意を突かれて驚いたものの、ボクは双葉さんがお互いの息のかかる距離まで近づいたことに喜びを感じた。
双葉さんの舌が僕の口の中を激しく、優しく蹂躙していく。
それに驚いてボクは思わずそれを舌で止めようとするも、今度は僕の舌に双葉さんの舌が絡みつく。
お互いの唇が密着したまま、お互いの唾液が口の中で溶け合い、混ざり合う。
興奮した双葉さんの息が荒くなり、熱い空気が双葉さんの鼻から感じられる。
僕はあまりにも激しく、情熱的な快感に酔いしれて、いつの間にか頬を涙が伝っていたことに気が付いた。
双葉さんの腕が僕の首元から侵入し、背中に回してくる。
その腕の感触はまるで滑らかな珠のようであり、お互い摩擦をほとんど感じないほどだった。
「あれ…ボク何時の間にかブラジャーをつけてる…」
「うふふ…さっききぃちゃんを着せ替えたときに一緒につけておいたんだ。
それにしても今まで気が付かなかったなんて…相当鈍いね、きぃちゃん。」
女性用の下着を男のボクがつけている。
今のボクの姿を見て、男だと思う人はいないと思う。ボクもまだ信じられない。
でも今までの女装でもつけたことのない下着の感覚が、一旦意識してしまうとどうしても気になってしまう。
そして羞恥心に似た感情が溢れ…なぜかボクの下腹部が熱く感じられる。
あぁ…これは勃ってしまったかなと思い、熱くなった股間を抑えようとしたその時、不意に浮遊感と共に視界が天井にシフトする。
その直後、ボクが双葉さんに部屋のベッドに押し倒されたことを理解した。
(…男であるボクが女の子にベッドに押し倒されるなんて…普通逆じゃないのかな。)
そう考えているうちにボクを押し倒したままの姿勢から、双葉さんはボクに抱き付いてきた。
双葉さんのブラジャーに覆われた脂肪の膨らみが、ボクの胸に押し付けられる。
柔らかい双葉さんの体がボクの体を圧迫する。
双葉さんの髪の毛から甘い女の子の香りが漂ってくる。
双葉さんの匂いと、ボクの体から出る汗の匂いが混じり合う。
視覚、嗅覚、聴覚、そして全身の触覚から双葉さんの存在を感じる。
高揚感から、ボクと双葉さんが一つに混じり合った様な感覚に陥る。
双葉さんが、背中に回していた手を動かすのを感じられる。
そして双葉さんがボクにつけられていたブラジャーのホックを外すと、ボクのブラジャーを外していく。
最初は汗でボクの体に密着していたブラジャーとボクの体にひんやりした空気がぽわっと入るのが感じられた。
そしてボクの両腕を伝ってブラジャーがするすると外され、露わになったボクの胸が熱くなる。
今のボクには真っ赤になった双葉さんの顔しか見えていない。
男として少し情けない話だけど、リードしていく双葉さんに逆らうことができず、ただ人形のように身を任せるだけだった。
だから今も、ボクは双葉さんに服を脱がされていくことに何の抵抗もしていない。
むしろ双葉さんがボクの服を脱がせやすいように、姿勢を変えることすらしている。
普通女の人とセックスするときは、男の人が女性の服を脱がしていくというイメージを持っていた。
どちらかと言うと、男の人の方が女性よりもセックスに対して積極的というか、本能で言う攻撃的な感情がそうさせるんだなと思って。
それでも今のボクは、双葉さんの成すままに体を預けている。
そうすることでボクはリードしてもらえる安心感というか、双葉さんの思うがままにされてみたいという受動的な性欲を持っていたのだろう。
その証拠に今もボクの体は、特に股間はさっきから今まで感じたことが無いほどの異常な熱を感じていた。
「ふぅ…きぃちゃんやっぱり脱いでも可愛いね。細くて肌も白くて…お人形さんみたい。」
男としてはここで良い体してるねとか、逞しくてかっこいいとかいったことを言われて喜ぶものなんだと思う。
でもボクはこれまで自分の体に自信を持つことはできなかった。
体を鍛えようとしても根性が続かずにすぐやめてしまい、女の子より低い身長も細い体もコンプレックスだった。
それでも双葉さんは、ボクの体を可愛いと言って認めてくれた。
それがうれしくて、いつの間にかボクの目元には涙が浮かびつつあった。
そんなボクの表情を見て双葉さんは何か勘違いしたのか、笑ってボクを慰めてくれた。
「そんな怖がらなくても大丈夫だから、可愛いきぃちゃんに悪いことなんてしないって。」
そう言って双葉さんは優しい顔で慰めてくれた。
でもその直後、双葉さんは表情を全く変えずにこう言った。
「でもごめん。もう私我慢できないや。きぃちゃんいっただきまーす!」
そういって双葉さんはいきなりボクの乳首にかぶりついた。
「ひうっ!?や、ちょ…あっ、やめっ……!!」
双葉さんは身をよじるボクを意に介さず、ボクの乳首を唇で甘噛みして舌で舐る。
今までこんな快感は味わったことが無かった。それほど今のボクの乳首は敏感で、双葉さんの口の動きを正確に伝えてくる。
双葉さんは一心不乱にボクの乳首を舐っている。
その間ボクは今まで感じたことのない快感に酔いしれて、自分の体に何が起こっていたのか全く気付かなかった。
双葉さんが胸にしゃぶりつきながらも、器用にもボクの股間にも手を伸ばしてくる。
そしてボクが履いていた"ショーツ"に手を掛け、ゆっくりと下へ降ろしていく。
この時ボクは、下まで女性用の下着を身につけていたことについては特に気にしていなかった。
すでにブラジャーも身につけていたことだし、その時ボクは意に介す余裕も無かったからだ。
でもその後感じられる感覚には流石に違和感を感じた。
ショーツを脱がされ、露わになったボクの股間から気化したような冷たさを感じた。
初めはボクは我慢汁…オナニーをしていた時に、イク前に出てくる透明の粘り気のある液体が大量に出てしまった。
それが履いていたショーツを濡らしてしまったのかなと思った。
次にもう一つの違和感を感じた。これまでの快感で、ボクのペニスは間違いなくギンギンに勃っているものだと確信していた。
それなのに、ショーツを降ろされて抑えられていたペニスが解放された感覚も感じない。
快楽に酔いしれる頭の片隅で流石に不審に思ったボクは、ふと顔を起こして、自分の足元の方を覗いてみる。
その時ボクの目に飛び込んできたのは、決して大きくはないものの、ほんのりと膨らんだ自分の胸。
「あ、あれ…?え、えっ」
確かに大きくは無いものの、それは女の子を基準にした話。
男の筈のボクには確実に不釣り合いなほどに膨らんだ胸…それはもうおっぱいと言ってもよかった。
ボクの胸にできたおっぱいは柔らかそうで、白い肌の山の頂上にはピンク色の可愛らしい乳頭が座っていた。
ボクの体全体を見渡してみる。
ぶかぶかの服に隠れてて分からなかった体が、今全身を見渡すことができる。
頼りないほどに細くなった手足。
日焼けの跡が全くないくらい白くなった肌。
キュッとしまった腰のくびれ。
腰の形が変わって大きく膨らんだように見えるお尻。
そしてボクの胸に現れたおっぱい。
その全てがボクの今の姿であり、同時にボクがオンナであることを示していた。
あまりのことに頭が真っ白になった次の瞬間。
双葉さんが顔を近づけていたボクの股間から、それまでとは比べ物にならない快感を感じた。
「うあぁぁ!?やめ、ふた…あんっ!」
その時のボクの股間は、とてもとても敏感だった。
まるで全身が火を噴いたように熱くなり、周りのことも考えずに喘ぎ続けた。
痛みだか快感だかわからないような感覚。
射精の時とは比べ物にならないほどの激しい絶頂感。
それらすべてがボクの脳髄を貫くような刺激となって、ボクの体を、心を燃やす。
続いて双葉さんは舌をボクの"中"に入れてくる。
それは普通なら到底受け入れられないような違和感。
体の中に侵入してくるモノに対して拒絶するべく働こうとする。
それなのにボクの体は、心は不思議とそれを受け止めようとしている。
まるで自分の体を深く、奥まで貫いてほしいかのように。
ボクの下腹部に感じられる何かが、求めているようにキュンキュンと疼く。
舌だけでは物足りない、"寂しい"と叫ぶようにボクの心に訴えかけてくる。
それでもボクは快感を身に受けてよがる。
ボクの"入口"がひたすら蹂躙されるさまを喜ぶようにして、ボクの心を燃やす。
「あっ…あ!だ、だめぇ…!!」
頭の中が真っ白になる。何も考えられなくなる。頭がパンクしてしまいそうだ。
全身を燃やし尽くされるような熱を処理しきれなくなり、気絶してしまいそうだった。
「あ―――――!だめぇえぇえ―――――!」
もはやボクの口から出るのは喘ぎ声ではなく、悲鳴にも近かった。
「あァ――――――――――――――やァ――――――――――…」
そうしているうちに、ボクは何も考えられなくなり、真っ白い世界へと意識を落としていった…。
――――――――――――――――――――――――
きぃちゃんが最後に喘ぎ声を叫んでそれっきり静かになった。
いくら相手が慣れてない女の子の体とはいえ、エッチな漫画の見よう見まねで逝かせるなんて私には実は結構才能あるのかもしれない。
可愛いきぃちゃんの"中"から舌を抜き、うずめていた顔を離す。
透明な粘液がきぃちゃんの股間と私の舌の先をタラ―っと繋ぐ。
口の周りに残っていた粘液を私は口の中に入れて、一気にゴクリと飲みこんだ。
それは生臭くて、しょっぱくて、お世辞にも美味しいものではないけれどきぃちゃんの物だから呑み込めた。
きぃちゃんはあられもない姿を晒して床に仰向けで倒れていた。
綺麗な長い黒髪は乱れ、身体は真っ赤に火照り、おっぱいも秘部もさらけ出されたままだった。
私はきぃちゃんが風邪に毛布を被せた後、部屋を出てお兄ちゃんのタンスに向かう。
え?兄のプライバシー?お兄ちゃんも勝手に私の部屋からゲームを持ち出してるし今さら気にする必要はない。
何故か思い出したら腹が立ったので後でもう一発殴っておこう。
私は"白い手袋"をはめると、例のタンスの中から私はHカップ用のブラジャーを取り出した。
もちろんこのブラジャーは私が身につけるためではない。きぃちゃんにつけるためだ。
女の性(サガ)に抗えず試したことはあるけど、自分の胸にある巨乳は正直言って日常生活では邪魔でしかない。
今の私のサイズ(割と平均的なサイズだと思う)でも、ブラジャーで支えていないと肩が凝るし、乳首が服と擦れて痛い。
それにHカップまで行くと無理やり大きなおっぱいを抑えるため、大きめな服を着ていても正直息苦しい。
説明するまでもなく、タンスの力によってきぃちゃんのおっぱいはこのブラジャーに相応する大きさにまで膨らむだろう。
あの童顔で背の小さいきぃちゃんの胸に似つかわしくない、手で隠しきれないほどの大きなおっぱい。想像しただけでも興奮する。
このブラジャーの他にも取り出すものがある。男物のパンツである。
雑多なタンスの一段からこのトランクス…多分お兄ちゃんの物ではない筈…を取り出した。
ここから先のことは私が最近知ったことであり、お兄ちゃんも多分知らないタンスの使い方だ。
私は付けていた手袋を外し、自分の履いているショーツに手を掛けると一気に下に引き下ろして脱ぐ。
そしてさっき取り出したトランクスをショーツの代わりに着用した。
男物の下着は生地が固いし、何だか変にスースーするしで嫌な履き心地だ。
我慢して腰までゴムの部分を持ち上げると、私の体に変化が訪れた。
何だかお腹の辺りがゴロゴロとなり始めたかと思うと、腸内がこねくり回されるような奇妙な感覚が来た。
なんだか体の中の一部が股間の方に集中するような気分がする。
そしてお腹がはち切れんとばかりに、私の下腹部の内側から内臓が押し付けられる。しかし不思議と痛みは無い。
そしてそのうち内側からの圧力が、股間のある一点の部分から外に出ていくような感覚がする。
ムリムリムリ・・・と音がするように体の一部が外に出ていくような変な気分だった。
まるで内臓の一部が外に出て膨らんだかと思うと、その外に出た肉の形が作り変えられるのが伝わってくる。
そう、今私の股間に男性器が形成されているのである。
今まで私の体の中にあった女性器が体外に出て、睾丸や肉棒へと変わっているのだ。
本来はタンスや鞄から服を取り出したりしないと変身は起こらないものだと思っていた。
でも実はこの手袋を使えばまた違った使い方ができることを最近知ったのだ。
この手袋をつけたままタンスから衣服を取り出すと私自身が変身しないまま取り出せる。
今まではこれを利用して取り出した服を鞄に入れて、開けた人を無理やり変身させるために使っていた。
でも手袋にはこんな使い道もある。
タンスから取り出した後手袋を外して取り出した服を身につけると、タンスから取り出したように体が変身するのだ。
しかもそうすると変身する際に意識を失うことは無いので、自分の体に起こっている変化を知ることができる。
ただしこの変身ができるのは一回のみ。
一度変身に使った服は、付けた人を変身させる力が失われるのだ。(もう一度タンスから取り出せばまた使えるけど)
しかもこれを使って変身した場合、世界改変(?)が起きないため、変身した人は「元々その姿だった」とは認識されない。
つまり、今私の股間に男性器がある状態は、この世界でも異常であると言える。
まぁこれらはこれらで欠点とは言い切れず、別の形で利用できなくもないんだけど…
変身が終わったのですぐに私はトランクスを脱ぐ。新しくできた私の男性器がひんやりした外気に触れるのが感じられる。
今の私は一応生物学的には男ということなのだろう。
が、股間以外は変わらず本来の私の姿だから、まさか私のアソコがペニスになっているなんて誰も思わないだろう。
実は何度か男になったりしてはいるので、特にペニスを見てもどうとも思わないけど、女の股座に付いている光景は中々新鮮だと思う。
さっき脱いだショーツを再び身につける。新しくできたムスコがショーツに押さえつけられるのはなんだか変な気分だ。
それにしても自分の性器を男性器に変えて興奮しているなんて、
考えてみると私は相当倒錯した性癖なんじゃないかと自分でも思う。
…と思ったんだけど、実はお兄ちゃんはすでに私と似たようなことをしていたらしい。
しかもその状態で女子の制服を着て高校に行き、男の子を女の子にしてセックスしてきたというから、
お兄ちゃんの普段の生活からは見られない方向性の誤った行動力には驚いた。あとぶっちゃけ引いた。
でも、変態だけどこんなことも言いあえる兄妹関係というのもそんなに悪い気はしない。
なによりこんな素晴らしいタンスを拾ってきてくれてしかも自由に使わせてくれるお兄ちゃんに対して、実はものすごく感謝してたりする。変態だけど。
さて、きぃちゃんがそろそろ起きる頃かもしれない。
目を覚ましたきぃちゃんは自分の体を一体どうやって受け止めるのだろうか、非常にわくわくする。
それにまだきぃちゃんには「けものっこ」の真の力を味わせていない。
男どころか人から外れた自分の姿にどんな感情を抱くだろうか。
そしてそのきぃちゃんを、今度はどんな風に犯してあげようか。
私はきぃちゃんに付けるためのブラジャーを手にして、お兄ちゃんの部屋を後にした。
部屋内は完全に閉め切っており、昼間とは思えない暗さとなっている。
外部から部屋の中が見えないのと同時に、この暗さが怪しげな雰囲気を作り上げている。
この部屋の中には二人の女の子がいる。一人は近所の高校のセーラー服を着た美人系の女子高生。
もう一人は腰まで届く長い黒髪の少女。
ぶかぶかの白いワンピースと赤い首輪をつけている彼女の頭には、黒い猫耳がちょこんと鎮座している。
少女はおびえた子猫のような表情としぐさをしてもう一人の少女の前に座っている。いや、"立てない"でいる
この少女は…いや、僕はつい10分ほど前まではごく普通の男子高校生であった。
それなのに今ではこのように、元の姿とはかけ離れた姿になっている。
「さて、今の現状を踏まえて何か言い残すことはあるかしら?」
「え、えーっと…これから僕は何をされるの…双葉さん…?」
「別に取って喰ったりはしないわよ…………ごめん嘘。今の可愛い貴女を
美味しく頂かせてもらうからせいぜい期待しなさい。もちろん性的な意味で♪」
今僕の目の前で仁王立ちをする女の子は同じクラスの双葉さん。
スラッとした高い身長にグラビアアイドル顔負けのスタイルと少し子供っぽさの残る器量。
しかも運動神経は抜群で、成績も優秀。
学校の男たちの間では学年問わずトップクラスの人気を誇る彼女ではあったけど
同じクラスだと言うのに、僕はこれまで彼女と特に接点を持てずにいた。
そんなある日の放課後、彼女がいきなり話しかけてきて、僕を家に誘ってくれたのだ。
いきなりやってきたクラスのトップアイドルのアプローチに戸惑う僕に、クラスメイト達の怨嗟と羨望の混じった野次が沸いた
「馬鹿な…あの清彦に双葉さんが…?」
「なん…だと…?清彦の霊圧消えろ。」
「そんな!双葉お姉様が、よりによって清彦なんかに…」
「俺はむしろ清彦を襲いたい。」
「奇遇だな、俺もだ」
「ちくしょーーーー爆発しろぉぉぉぉーーーーーー!!!」
「双葉さぁぁぁぁーん!清彦なんかよりも俺を誘ってくれーーー!」
「さっ、行こうか清彦君♪」
混沌の渦と化しつつある教室をスルーして、僕と双葉さんは一緒に彼女の家へと向かう。
校門を出て、しばらく昼間の住宅街の中を歩く。
途中、双葉さんと軽い世間話をしている間に、いつの間にか双葉さんの家の前についたようだ。
「いやー、学校から近いと楽でいいんだよねー。さぁさ、上がって清彦君」
双葉さんの家はごく普通の二階建ての一軒家。家の表札には4人の名前が…?
「あれ?双葉さんのお兄さんの名前って…清彦さんって言うの?」
「そうだよー。今は大学に通ってて…でも今日は家で朝からゲームばっかりやってたかな?」
そう言って双葉さんは玄関の扉を開ける。鍵は最初から開いていたようで、中に人がいるようだ。
「うん。まーだ家にいるみたいね。まぁ気にしないで上がって上がって。」
そうは言われても女の子の家に上がるというのに、家の人と顔を合わせるのはどことなく気が引ける。
意を決して双葉さんの家の中に上がると、居間の方から何か音が聞こえる。
廊下から居間の方を覗いてみると、僕達よりやや年上の男性がソファに寝転がってゲームをしているようだ。
「…お兄ちゃん何してるの?」
「ん?おお双葉、帰ってきたか。お帰り。俺は見ての通り先日発売した狩りゲーをしているわけだが。」
そう言った双葉さんのお兄さんは、両手と両足で別々のゲームをしていた。
一度に二つのゲーム機を操る神業をしれっとやってのけるお兄さん。只者ではない…
「どうせまたアニメか何かに触発された勢いでやったんでしょ。というか勝手に私の部屋に入るな。」
「お前もよく入って来るだろ。それよりえーと…、君が双葉が言ってた彼…?なのかな?」
双葉さんのお兄さんが僕に話しかけてきた。それよりも双葉さんが…僕のことを家で話していた…?
「え!?えー、僕は、えーとその…」
「違うわよ。ただのクラスメイト。今はまだ…ね」
双葉さんが僕に満更でもない気持ちを抱いていたみたい…?
でも、どうして僕なんかを選んだんだろうか。
イケメンでスポーツ万能として有名なある先輩の誘いも断っていたみたいだし。
「そうか…双葉。"アレ"は使うのか?」
「もちろん。鞄も一緒に借りるね♪」
双葉さんとお兄さんが、何やらよく分からないことを話している。
アレ?…ってなんだろう。それに鞄とも言っていたし…何の話をしているんだろう。
「あーその…使うのはいいけどなるべく過激なことは控えろよ。俺の時みたいに…ゴニョゴニョ」
「何言ってんのよ。私も"アレ"の機能解明に協力したんだし、遊ぶ位いいじゃない。」
「…まぁ俺も人のこと言えないしな。分かったよ、許可するよ。」
「やった♪お兄ちゃんありがとう!あ、それと私のゲーム機、しっかりと消毒しておいてよね。アルコールで」
「えーと、さっきから一体何の話をして…」
「さぁ行こ、清彦君!私の部屋に♪」
僕が二人の会話の内容を聞こうとする前に、双葉さんに引っ張られたまま、2階にある双葉さんの部屋に連れて来られた。
さっきのお兄さんとの会話の中に、いくつか不穏な雰囲気を感じたものの、クラスのアイドルの部屋に来た高揚感にかき消されてしまった。
もし、ここで僕が彼女の言動に不信感を持っていれば、彼女を振り払って逃げる勇気を持っていれば…
これから待つ運命から逃れることもできたかもしれなかったのに。
「さ、座って座って清彦君。」
双葉さんに勧められて、僕は腰を下ろす。
双葉さんの部屋はそれほど物も多く置いてる訳でもなく、小ざっぱりとしていて妙な居心地の悪さを感じなかった。
とはいっても僕は女の子の部屋なんて、実際に入ったことなんてないのだけども。
「お茶持ってくるから、しばらくそこで待っててね。漫画とか自由に読んだりしていてもいいよ~」
そういって彼女は立ち上がり、そのまま部屋から出て行った。
「はぁ~。なんでこんなことになったんだろう…」
実を言うと今でも彼女の部屋にいるという実感があまり沸いてこない。
ケータイを見ると、もう噂を聞きつけたのか、男友達からの恨みと殺意のこもったメッセージが届いていた。
僕はそれを見てケータイの電源を切り、ポケットにしまった。後で詳細を送らないと、何をされるか分かった物じゃない。
そのうち双葉さんがお盆に紅茶とお菓子を載せて戻ってきた。部屋に戻ってきた。
それから僕は双葉さんと、取り留めもない話を続けた。
会話の中で、どうやら彼女は僕と趣味が意外と合うことを知った。
とはいっても漫画の話だったりプラモの話だったり、人気者の双葉さんの趣味は意外とオタク寄りだった。
いくつか適当な会話を楽しんだ後、僕はずっと気になっていたことを双葉さんに問いかけた。
「そういえば双葉さんって…どうして僕を家に誘ったの?」
「あぁそれね。強いて言うなら清彦君が私の趣味に合いそうな容姿と性格をしていることが大きいかな?」
ええぇぇぇぇ!!!
どうやら僕はあの双葉さんの好みに相当一致しているらしい。
自分で言うのもなんだけど自分は結構ナヨナヨした性格だと思う。
何か人に押し付けられたり頼まれたことは断れない性格だし…
身長もクラスの男子の中で一番低いし、体つきも細いからスポーツも苦手。
加えて童顔なせいか、今でも中学生…酷い時は小学生に間違われることもある。
正直言って、そんな僕に学校屈指のアイドルの双葉さんが興味を示してくれるなんて…
「それでね…清彦君に頼みたいことがあるんだ~」
そういって双葉さんは、この部屋の隅に置いてあった鞄を僕の目の前に持ってきた。
「清彦君にね、この中に入っている衣装を着けて欲しいの♪」
げげ!
僕はその瞬間に双葉さんの意図が分かったような気がした。
さっきも言った通り、僕は男にしては体の線が細い。
そのため、高校に上がる前に僕の従姉や妹に女装させられたことがあったのだ。
女装した時の僕は不本意ながら自分でも可愛い…と思ったのだが、その後男としての自分にますます自信を持てなってしまった。
その思い出は当時の自己嫌悪から自分のコンプレックスとなっていたのだ。
今でも姉や妹にはそのことでからかわれてるし、隙あらばまた女装させようとしてくる。
双葉さんもきっとそのつもりなんだろう。
思えば双葉さんの部屋には一応ドレッサーも化粧用品も一通りそろっている。
この家の中で彼女の部屋の中に入ってくるのは彼女のお兄さんぐらいだし、先ほどの口ぶりからこのことも知っているようだ。
まんまと僕は手中に取られたわけだ。
「ねぇ清彦君。とりあえずこの鞄を開けてみて?きっと気に入ると思うからさ」
そう言って双葉さんが僕に鞄を開けるように促してくる。
そうだ。何もこの中身が女の子の服とは限らない。一応中身を確認して…もしそうだったら断ればいい。
そう自分に言い聞かせて、僕は鞄に手を掛けてみる。
よくわからないけど、高そうな装飾も施してあって相当高級品のようだ。
どうしてわざわざこんな高そうな鞄に入れて持ってくるのか分からないけど、僕は鞄を開けることにした。
その時、ロックを外して鞄を開けた瞬間、まばゆい光が鞄の中からあふれてきた。
「うわわわわわぁぁぁぁ!?」
予想していない光に驚いた僕はそのまま意識を手放して………------
―――――――――――――――――――――――――
「は~。家に男の子を呼ぶのって意外と騒がれるものねぇ~。」
そういって私は学校の教室で騒がれたことを思い出す。
でもここまで連れてくる苦労も、これからこの清彦君で"遊ぶ"ことで吹っ飛ぶだろう。
それにしてもお兄ちゃんと同じ名前と言うのはやっぱり何だか変な気分だよね。
新しく名前を考えないと…でもその前にこれから清彦君が別の姿になる過程を見届けようと思う。
目の前で気絶している清彦君は、今までお兄ちゃんで試したような変化を遂げようとしていた。
鞄からあふれ出た光は生き物のように清彦君の体にまとわりつき、清彦君の来ている学生服の形状を変えていく。
光に触れた学生服の黒が白く染まっていき、白ランに近い物に変わった。
固そうな学生服の生地がだんだん柔らかく、薄くなるように変化していき、ゆったりとした材質に変わっていく。
そして上下に分かれていた服が腰の辺りでつながり、
前についていた金属のボタンや袖についていたカフスボタンも消滅し、一着の白い大きな服となった。
袖や襟に生地が寄せられ、無骨な服に可愛らしく装飾がなされていく。
ズボンの二つの裾の穴が互いに引き寄せられて、繋がって、一つの大きな裾となっていく。
みるみるうちにズボンであった部分は、長く細いスカートへと変貌を遂げていた。
次に、足首まで届いていたスカートの裾が徐々に短くなっていき、
ぴっちりと足を覆っていたタイトなスカートにゆとりが生まれ、
膝丈のスカートに変わった後、風も無いのにスカートがぶわっと一瞬めくり上がり、変化を終えた。
上半身の変化に移る。
首元まで覆っていた固い襟のカラーは、下の部分と二つに分かれて首に巻き付いたカラーが赤く染まっていく。
そのままカラーは形を変え、材質を変え、赤い革の首輪のようなものへと変わった。
白い服は肩ひもが出来て肩で支えられ、肩口と胸元を強調するようなデザインのワンピースとなった。
「ふーむ。服の変化は大体変化が完了したようね。それにしても清彦君、なかなかどうして可愛い顔してるね。
変身しなくてもこのままカツラつけてお化粧したりすれば十分女の子に見えるんだけど…目的は女の子にするだけじゃないのよね~」
見える部分の服装の変化が完了し、次の変化は肉体に移る。
元々童顔で中性的な顔立ちであった彼の顔もさらに、眉が細く、顎も狭く、目もぱっちり大きくなり、
もはや一目で女の子にしか見えない顔つきへと変わっていく。
「わぁ。顔が変わっただけなのにもう女の子にしか見えない…もともと私よりも身長低かったのもあるしなぁ」
髪型だけでも男らしく見せようとしていたのか、短く切りそろえてあった髪がみるみる内に伸びていく。
前髪が目にかかる程度まで伸びた後も、横たわって床に接した頭から、放射線状に黒い艶やかな髪が広がっていく。
元々そこまで高くなかった身長もさらに低くなっていき、ますます"女の子"らしくなる。
胸が少しずつ膨らんでいき、つつましいサイズの乳房が形作られる。
僅かに乳房を、服の下で白い布が優しく包んでいき、ブラジャーとして形を作る。
下に履いていた男性用の下着も、同じような変化で女性物の可愛らしいショーツへと変化を遂げる。
それに合わせて、彼の股間を押し上げていたモノが徐々に体内へ収納され、平らな面となる。
体内に収納されたモノは、そのまま女性器へと変化を遂げていく。
子供を授ける器官である睾丸は体内で大きく姿を変え、
下腹部の中でぷっくらと膨らんでいき、卵巣、子宮と自らが子供を宿すために必要な器官へと変わる。
残ってあった陰茎部も姿を変え、股間へつながる膣へと変わり、子宮と秘部を繋ぐ道となる。
股間から頭を出した亀頭は平べったく形を変え、膣の入口の陰唇を形作る。
こうして彼女は生物的にも"女"への変化を遂げた。
全身を覆っていた僅かな筋肉が、柔らかい皮下脂肪に覆われ、体の線がますます細くなる。
もはや彼女には"男"であった名残はみじんも残っていない。
変化はまだ終わっていない。
彼女の側頭部に付いている耳が徐々に頭の上へ上がっていく。
それはこれまでとは違って奇妙な変化であった。
ある程度耳が"上がった"後、長い髪から辛うじて見える耳に変化が訪れた。
耳の裏側が黒い毛で覆われ、内側から白い毛がとびだし、耳は徐々に形を変え、猫の耳のような三角形を形作る。
臀部にも異常があった。
彼女の尾てい骨の辺りから何か細長い物が生えてきているように蠢く。
ワンピースのスカートから覗くそれは、明らかに黒い猫の尻尾であった。
一通りの変化を終え、落ち着いたころにはそこには男子高校生の姿は影も形も無く、
頭から黒い猫の耳が、お尻からは尻尾が生やした一人の少女がいた。
「よし!変身完了っと!」
私の予定通り、清彦君を可愛い女の子に変身させることができた。
しかも今回はいつの間にか追加されていた新機能『けものっこ(命名は私)』を使用した。
といっても、タンスの小物入れに現れるようになった付け耳や付け尻尾を服と同じように使うだけなんだけど。
この機能を使えば名前の通り、使用者に動物のような耳や尻尾を体から生やすことができるのだ。
しかもこの機能で生えてきた耳や尻尾は神経としっかりリンクしているのかちゃんと感覚が伝わってくる。
元々人の体についていなかった器官のせいか、新しく生まれた耳や尻尾は少しどころか、かなーり敏感になりすぎるけど…これはこれで利用できる。
しかもこの『けものっこ』には生やすだけの効果だけじゃなくてさらに…っと、脳内説明はまたもう少しあとに取っておこう
さて、これまで普通に遊ぶだけならお兄ちゃんを使ったりしてもいいんだけど…
最近流石にお兄ちゃんで遊び過ぎてる気もするし、毎回無理矢理遊んだりするのもちょっと悪い気もする。
なにより最近のお兄ちゃんには変身に対する抵抗も無いから新鮮さも感じないし、
こうして新しく遊ぶために清彦君を利用することにしたのだ。
勿論こうやって巻き込んだからには、清彦君をもとの姿に戻すつもりは無い。
でもいいよね。お兄ちゃんも同じことをやっていたことだし、
"そもそも世界はもう既に清彦君が元々女の子だったということになっている。"
清彦君も、そのうちこの姿に慣れていって、男の子の感覚も徐々に失っていくだろう。
うん。それにしてもやっぱりこんな可愛いのに"清彦君"なんてのは似合わないね。新しく名前を考えよう。
うーん…猫少女になった清彦君には可愛い名前を付けてあげたいよね…
そうだ!「きぃちゃん」!
うん!なんかしっくり来るし、この子の名前は「きぃちゃん」にしよう。
さぁて、きぃちゃんが目を覚ますまでどんなことして遊ぶか考えておこう♪
―――――――――――――――――――――――――
意識を取り戻してから最初に見たのは、知らない天井だった…
と思った直後に僕は双葉さんの家に遊びに来ていたことを思い出した。
それにしても何が起こったんだっけ…?
双葉さんから渡された鞄を開けようとしたところまでは覚えているんだけど…
僕が気絶してから目を覚ますまでの間、双葉さんに気を遣わせてしまったなぁ。
そう思いつつ体を起こそうとしたところで、ふと自分の体の違和感に気が付いた。
頭が重い。
いや、重いと言うよりは何か長いものが頭にぶら下がっている感覚がする。
ふと顔を横に向けてみると、何か黒い細いものが束になって頭から垂れ下がっている。
「これは…髪の毛?」
眠っている間に双葉さんにカツラでもつけられたのだろうか。
全く…やっぱり女装させられてしまったじゃないか。
上体を起こしてみると、僕の学生服はいつの間にか脱がされ、女の子が着るような白いワンピースを着せられている。
双葉さんが、僕が眠っている間に服を脱がして着せ替えたのだろうか…どうしてわざわざ気絶している間に…
(って!それなら僕の裸を双葉さんに見られたってことじゃないか!)
そう考えて思わず顔から火が出そうになるのを抑えていると、後ろから双葉さんの声がかかった
「あら、目が覚めたと思ったら…可愛い仕草をしてるじゃない"きぃちゃん"」
きぃちゃん…?それって僕のこと!?
さっきまで僕のことを「清彦君」と呼んでいたのにどうしていきなりきぃちゃんなんて…
「どう?気に入ったかなその姿。」
「や、やっぱり双葉さんが僕を眠っている間に着替えさせたんだね?」
あれ?なんだろう?自分の声に違和感を感じる。
心なしか声がいつもより高くなっている気がする。もともと男にしてはそこまで低い声ではなかったけど。
そもそも僕はどうして気を失っていたんだっけ?確か双葉さんに渡された鞄を開けた辺りから記憶が…
「ま、まさかさっきのお茶に睡眠薬とかを…」
「そんな訳ないじゃない。普通の家に睡眠薬なんて置いてあるわけないでしょ。」
そう言って双葉さんは否定する。確かに…でもそれだったらどうして僕は気を失っていたんだろう。
「そんなことよりこっちに来て、ほら!鏡見てみてよ。」
そういって双葉さんは僕を鏡の前に手招きしてくる。
(自分の女装した姿はあまり見たくないんだけど…)
僕はしぶしぶ双葉さんに従って鏡の前に向かうため、重い腰を上げる。
うぅ…立ち上がった瞬間足元がスースーするよ…
スカートと言うのは何回か履かされているけど、やっぱり慣れないものだし…
服を着ているのに自分の太ももが直接触れ合う感覚もおかしな気分だし、
女の人ってどうしていつもこんなのを履いているのかぁ
それに何だかさっきから体がふらつく。何だか体の重心が変わったような…
そんな僕の様子を見て、双葉さんはクスクスと笑う。
「うふふ…そんな可愛い顔しちゃって、ほらきぃちゃんも見てみなってば。」
「そんなこと言ったって恥ずかしいよ…」
双葉さんに促されて僕は鏡の中をのぞいてみる。
「え…これが僕…?」
全身を映せる姿身鏡にはにはセーラー服を着た双葉さんと
恥ずかしそうに顔を赤らめた、少し大きめの白いワンピースを着た美少女が映っていた。
もちろんこの美少女が僕であるわけなのだが…今まで見たこともないくらい女の子になりきっていることに驚いた。
というか自分のことを今無意識に美少女…って!
ご丁寧にも胸にパッドもつけられていて、本物のように膨らんでいる。
これのせいでさっきも歩きにくかったのか…
しかもよく見ると頭には猫の耳のカチューシャまでつけられている。
いつの間にか付けられていた赤い首輪と合わさって、まるで怯えた黒猫のように見える。
「ね?可愛いでしょ?ほら、この耳なんかホラ!」
「ひゃぁっ!?」
鏡の中の双葉さんが後ろから僕の頭についていた猫耳カチューシャに触れてきた。
その瞬間僕の耳が何か熱い物に触られたような、撫でまわされたような言いようもない感触が伝わってきた。
って嘘!?どうして感覚が!?
「な、何!?カチューシャから変な感触が!」
「どう?すごいでしょ。きぃちゃんの頭についているのは付け耳じゃなくて、本物のきぃちゃんの耳なんだよ~ほら!」
そう言って双葉さんは僕の頭の猫耳を口の中に入れてカプリと甘噛みをする。
「ひゃぅっ!双葉さん…やめて…」
僕の猫耳から、双葉さんが舌でこねくり回す感覚が伝わってくる。
歯を立てずに僕の耳を噛み、舌を僕の耳の穴に入れてなめまわす。
痛みは感じられない。代わりに性感帯のように敏感になった耳から、くすぐったいような途方もない快感が押し寄せてくる。
双葉さんの唾液が僕の耳の中に入ってくる。本来なら気色の悪い違和感でも、今はそれすらも心地よく感じる。
ふと鏡を見る。
そこにはセーラー服を着た双葉さんが、猫耳の生えた黒髪の女の子を"可愛がっている"のが見えた。
女の子の表情は赤い顔で恍惚としており、発情した雌猫を思わせる。
見る男を誘惑し、虜にし、嗜虐性を起こさせる女の顔。
そんな顔をしているのが僕自身であることを、その時のボクは忘れていた。
ただひたすら双葉さんの"可愛がり"を身に受けていた。
憧れの人に全身を撫でまわされ続けているような快感。
そしてそれを受けている今のボクの姿が本来の姿とはかけ離れているという倒錯感。
押し寄せる快感によって感覚が麻痺していたのか。
その時ボクは、ふと下腹の内側に違和感を感じていることに気が付いた。
それは決して苦痛ではなく、むしろ甘く切ない、何かキュンと締め付けるような…それでいて心地よい感覚。
その感覚の正体を知る前に、双葉さんはそれまで続けていた動きを一旦止めた。
「…っふぅ。ホントに可愛いくなっちゃったね…きぃちゃん。」
「双葉さん…」
いつの間にか双葉さんもボクと同じ顔をしていた。発情した、真っ赤に染まった女の顔。
それでも双葉さんは今のボクとは違って、強かな顔つきで、その目には強い光を灯していた。
それはまるで獣の何かを、あるいは強い意志を思わせるような目で…
「もう…我慢できないから…いいよね?」
ボクに返事をさせる間も与えず、双葉さんは来ていたセーラー服を脱ぎ捨て、下着のみの姿となる。
ボーっとした頭でボクもそれに応えようと、自分の着ているワンピースに手を掛けようとするも、双葉さんに止められる。
「いいから…きぃちゃんのは私が脱がせてあげるから」
直後、ボクは口の中に双葉さんの舌を入れられた。
不意を突かれて驚いたものの、ボクは双葉さんがお互いの息のかかる距離まで近づいたことに喜びを感じた。
双葉さんの舌が僕の口の中を激しく、優しく蹂躙していく。
それに驚いてボクは思わずそれを舌で止めようとするも、今度は僕の舌に双葉さんの舌が絡みつく。
お互いの唇が密着したまま、お互いの唾液が口の中で溶け合い、混ざり合う。
興奮した双葉さんの息が荒くなり、熱い空気が双葉さんの鼻から感じられる。
僕はあまりにも激しく、情熱的な快感に酔いしれて、いつの間にか頬を涙が伝っていたことに気が付いた。
双葉さんの腕が僕の首元から侵入し、背中に回してくる。
その腕の感触はまるで滑らかな珠のようであり、お互い摩擦をほとんど感じないほどだった。
「あれ…ボク何時の間にかブラジャーをつけてる…」
「うふふ…さっききぃちゃんを着せ替えたときに一緒につけておいたんだ。
それにしても今まで気が付かなかったなんて…相当鈍いね、きぃちゃん。」
女性用の下着を男のボクがつけている。
今のボクの姿を見て、男だと思う人はいないと思う。ボクもまだ信じられない。
でも今までの女装でもつけたことのない下着の感覚が、一旦意識してしまうとどうしても気になってしまう。
そして羞恥心に似た感情が溢れ…なぜかボクの下腹部が熱く感じられる。
あぁ…これは勃ってしまったかなと思い、熱くなった股間を抑えようとしたその時、不意に浮遊感と共に視界が天井にシフトする。
その直後、ボクが双葉さんに部屋のベッドに押し倒されたことを理解した。
(…男であるボクが女の子にベッドに押し倒されるなんて…普通逆じゃないのかな。)
そう考えているうちにボクを押し倒したままの姿勢から、双葉さんはボクに抱き付いてきた。
双葉さんのブラジャーに覆われた脂肪の膨らみが、ボクの胸に押し付けられる。
柔らかい双葉さんの体がボクの体を圧迫する。
双葉さんの髪の毛から甘い女の子の香りが漂ってくる。
双葉さんの匂いと、ボクの体から出る汗の匂いが混じり合う。
視覚、嗅覚、聴覚、そして全身の触覚から双葉さんの存在を感じる。
高揚感から、ボクと双葉さんが一つに混じり合った様な感覚に陥る。
双葉さんが、背中に回していた手を動かすのを感じられる。
そして双葉さんがボクにつけられていたブラジャーのホックを外すと、ボクのブラジャーを外していく。
最初は汗でボクの体に密着していたブラジャーとボクの体にひんやりした空気がぽわっと入るのが感じられた。
そしてボクの両腕を伝ってブラジャーがするすると外され、露わになったボクの胸が熱くなる。
今のボクには真っ赤になった双葉さんの顔しか見えていない。
男として少し情けない話だけど、リードしていく双葉さんに逆らうことができず、ただ人形のように身を任せるだけだった。
だから今も、ボクは双葉さんに服を脱がされていくことに何の抵抗もしていない。
むしろ双葉さんがボクの服を脱がせやすいように、姿勢を変えることすらしている。
普通女の人とセックスするときは、男の人が女性の服を脱がしていくというイメージを持っていた。
どちらかと言うと、男の人の方が女性よりもセックスに対して積極的というか、本能で言う攻撃的な感情がそうさせるんだなと思って。
それでも今のボクは、双葉さんの成すままに体を預けている。
そうすることでボクはリードしてもらえる安心感というか、双葉さんの思うがままにされてみたいという受動的な性欲を持っていたのだろう。
その証拠に今もボクの体は、特に股間はさっきから今まで感じたことが無いほどの異常な熱を感じていた。
「ふぅ…きぃちゃんやっぱり脱いでも可愛いね。細くて肌も白くて…お人形さんみたい。」
男としてはここで良い体してるねとか、逞しくてかっこいいとかいったことを言われて喜ぶものなんだと思う。
でもボクはこれまで自分の体に自信を持つことはできなかった。
体を鍛えようとしても根性が続かずにすぐやめてしまい、女の子より低い身長も細い体もコンプレックスだった。
それでも双葉さんは、ボクの体を可愛いと言って認めてくれた。
それがうれしくて、いつの間にかボクの目元には涙が浮かびつつあった。
そんなボクの表情を見て双葉さんは何か勘違いしたのか、笑ってボクを慰めてくれた。
「そんな怖がらなくても大丈夫だから、可愛いきぃちゃんに悪いことなんてしないって。」
そう言って双葉さんは優しい顔で慰めてくれた。
でもその直後、双葉さんは表情を全く変えずにこう言った。
「でもごめん。もう私我慢できないや。きぃちゃんいっただきまーす!」
そういって双葉さんはいきなりボクの乳首にかぶりついた。
「ひうっ!?や、ちょ…あっ、やめっ……!!」
双葉さんは身をよじるボクを意に介さず、ボクの乳首を唇で甘噛みして舌で舐る。
今までこんな快感は味わったことが無かった。それほど今のボクの乳首は敏感で、双葉さんの口の動きを正確に伝えてくる。
双葉さんは一心不乱にボクの乳首を舐っている。
その間ボクは今まで感じたことのない快感に酔いしれて、自分の体に何が起こっていたのか全く気付かなかった。
双葉さんが胸にしゃぶりつきながらも、器用にもボクの股間にも手を伸ばしてくる。
そしてボクが履いていた"ショーツ"に手を掛け、ゆっくりと下へ降ろしていく。
この時ボクは、下まで女性用の下着を身につけていたことについては特に気にしていなかった。
すでにブラジャーも身につけていたことだし、その時ボクは意に介す余裕も無かったからだ。
でもその後感じられる感覚には流石に違和感を感じた。
ショーツを脱がされ、露わになったボクの股間から気化したような冷たさを感じた。
初めはボクは我慢汁…オナニーをしていた時に、イク前に出てくる透明の粘り気のある液体が大量に出てしまった。
それが履いていたショーツを濡らしてしまったのかなと思った。
次にもう一つの違和感を感じた。これまでの快感で、ボクのペニスは間違いなくギンギンに勃っているものだと確信していた。
それなのに、ショーツを降ろされて抑えられていたペニスが解放された感覚も感じない。
快楽に酔いしれる頭の片隅で流石に不審に思ったボクは、ふと顔を起こして、自分の足元の方を覗いてみる。
その時ボクの目に飛び込んできたのは、決して大きくはないものの、ほんのりと膨らんだ自分の胸。
「あ、あれ…?え、えっ」
確かに大きくは無いものの、それは女の子を基準にした話。
男の筈のボクには確実に不釣り合いなほどに膨らんだ胸…それはもうおっぱいと言ってもよかった。
ボクの胸にできたおっぱいは柔らかそうで、白い肌の山の頂上にはピンク色の可愛らしい乳頭が座っていた。
ボクの体全体を見渡してみる。
ぶかぶかの服に隠れてて分からなかった体が、今全身を見渡すことができる。
頼りないほどに細くなった手足。
日焼けの跡が全くないくらい白くなった肌。
キュッとしまった腰のくびれ。
腰の形が変わって大きく膨らんだように見えるお尻。
そしてボクの胸に現れたおっぱい。
その全てがボクの今の姿であり、同時にボクがオンナであることを示していた。
あまりのことに頭が真っ白になった次の瞬間。
双葉さんが顔を近づけていたボクの股間から、それまでとは比べ物にならない快感を感じた。
「うあぁぁ!?やめ、ふた…あんっ!」
その時のボクの股間は、とてもとても敏感だった。
まるで全身が火を噴いたように熱くなり、周りのことも考えずに喘ぎ続けた。
痛みだか快感だかわからないような感覚。
射精の時とは比べ物にならないほどの激しい絶頂感。
それらすべてがボクの脳髄を貫くような刺激となって、ボクの体を、心を燃やす。
続いて双葉さんは舌をボクの"中"に入れてくる。
それは普通なら到底受け入れられないような違和感。
体の中に侵入してくるモノに対して拒絶するべく働こうとする。
それなのにボクの体は、心は不思議とそれを受け止めようとしている。
まるで自分の体を深く、奥まで貫いてほしいかのように。
ボクの下腹部に感じられる何かが、求めているようにキュンキュンと疼く。
舌だけでは物足りない、"寂しい"と叫ぶようにボクの心に訴えかけてくる。
それでもボクは快感を身に受けてよがる。
ボクの"入口"がひたすら蹂躙されるさまを喜ぶようにして、ボクの心を燃やす。
「あっ…あ!だ、だめぇ…!!」
頭の中が真っ白になる。何も考えられなくなる。頭がパンクしてしまいそうだ。
全身を燃やし尽くされるような熱を処理しきれなくなり、気絶してしまいそうだった。
「あ―――――!だめぇえぇえ―――――!」
もはやボクの口から出るのは喘ぎ声ではなく、悲鳴にも近かった。
「あァ――――――――――――――やァ――――――――――…」
そうしているうちに、ボクは何も考えられなくなり、真っ白い世界へと意識を落としていった…。
――――――――――――――――――――――――
きぃちゃんが最後に喘ぎ声を叫んでそれっきり静かになった。
いくら相手が慣れてない女の子の体とはいえ、エッチな漫画の見よう見まねで逝かせるなんて私には実は結構才能あるのかもしれない。
可愛いきぃちゃんの"中"から舌を抜き、うずめていた顔を離す。
透明な粘液がきぃちゃんの股間と私の舌の先をタラ―っと繋ぐ。
口の周りに残っていた粘液を私は口の中に入れて、一気にゴクリと飲みこんだ。
それは生臭くて、しょっぱくて、お世辞にも美味しいものではないけれどきぃちゃんの物だから呑み込めた。
きぃちゃんはあられもない姿を晒して床に仰向けで倒れていた。
綺麗な長い黒髪は乱れ、身体は真っ赤に火照り、おっぱいも秘部もさらけ出されたままだった。
私はきぃちゃんが風邪に毛布を被せた後、部屋を出てお兄ちゃんのタンスに向かう。
え?兄のプライバシー?お兄ちゃんも勝手に私の部屋からゲームを持ち出してるし今さら気にする必要はない。
何故か思い出したら腹が立ったので後でもう一発殴っておこう。
私は"白い手袋"をはめると、例のタンスの中から私はHカップ用のブラジャーを取り出した。
もちろんこのブラジャーは私が身につけるためではない。きぃちゃんにつけるためだ。
女の性(サガ)に抗えず試したことはあるけど、自分の胸にある巨乳は正直言って日常生活では邪魔でしかない。
今の私のサイズ(割と平均的なサイズだと思う)でも、ブラジャーで支えていないと肩が凝るし、乳首が服と擦れて痛い。
それにHカップまで行くと無理やり大きなおっぱいを抑えるため、大きめな服を着ていても正直息苦しい。
説明するまでもなく、タンスの力によってきぃちゃんのおっぱいはこのブラジャーに相応する大きさにまで膨らむだろう。
あの童顔で背の小さいきぃちゃんの胸に似つかわしくない、手で隠しきれないほどの大きなおっぱい。想像しただけでも興奮する。
このブラジャーの他にも取り出すものがある。男物のパンツである。
雑多なタンスの一段からこのトランクス…多分お兄ちゃんの物ではない筈…を取り出した。
ここから先のことは私が最近知ったことであり、お兄ちゃんも多分知らないタンスの使い方だ。
私は付けていた手袋を外し、自分の履いているショーツに手を掛けると一気に下に引き下ろして脱ぐ。
そしてさっき取り出したトランクスをショーツの代わりに着用した。
男物の下着は生地が固いし、何だか変にスースーするしで嫌な履き心地だ。
我慢して腰までゴムの部分を持ち上げると、私の体に変化が訪れた。
何だかお腹の辺りがゴロゴロとなり始めたかと思うと、腸内がこねくり回されるような奇妙な感覚が来た。
なんだか体の中の一部が股間の方に集中するような気分がする。
そしてお腹がはち切れんとばかりに、私の下腹部の内側から内臓が押し付けられる。しかし不思議と痛みは無い。
そしてそのうち内側からの圧力が、股間のある一点の部分から外に出ていくような感覚がする。
ムリムリムリ・・・と音がするように体の一部が外に出ていくような変な気分だった。
まるで内臓の一部が外に出て膨らんだかと思うと、その外に出た肉の形が作り変えられるのが伝わってくる。
そう、今私の股間に男性器が形成されているのである。
今まで私の体の中にあった女性器が体外に出て、睾丸や肉棒へと変わっているのだ。
本来はタンスや鞄から服を取り出したりしないと変身は起こらないものだと思っていた。
でも実はこの手袋を使えばまた違った使い方ができることを最近知ったのだ。
この手袋をつけたままタンスから衣服を取り出すと私自身が変身しないまま取り出せる。
今まではこれを利用して取り出した服を鞄に入れて、開けた人を無理やり変身させるために使っていた。
でも手袋にはこんな使い道もある。
タンスから取り出した後手袋を外して取り出した服を身につけると、タンスから取り出したように体が変身するのだ。
しかもそうすると変身する際に意識を失うことは無いので、自分の体に起こっている変化を知ることができる。
ただしこの変身ができるのは一回のみ。
一度変身に使った服は、付けた人を変身させる力が失われるのだ。(もう一度タンスから取り出せばまた使えるけど)
しかもこれを使って変身した場合、世界改変(?)が起きないため、変身した人は「元々その姿だった」とは認識されない。
つまり、今私の股間に男性器がある状態は、この世界でも異常であると言える。
まぁこれらはこれらで欠点とは言い切れず、別の形で利用できなくもないんだけど…
変身が終わったのですぐに私はトランクスを脱ぐ。新しくできた私の男性器がひんやりした外気に触れるのが感じられる。
今の私は一応生物学的には男ということなのだろう。
が、股間以外は変わらず本来の私の姿だから、まさか私のアソコがペニスになっているなんて誰も思わないだろう。
実は何度か男になったりしてはいるので、特にペニスを見てもどうとも思わないけど、女の股座に付いている光景は中々新鮮だと思う。
さっき脱いだショーツを再び身につける。新しくできたムスコがショーツに押さえつけられるのはなんだか変な気分だ。
それにしても自分の性器を男性器に変えて興奮しているなんて、
考えてみると私は相当倒錯した性癖なんじゃないかと自分でも思う。
…と思ったんだけど、実はお兄ちゃんはすでに私と似たようなことをしていたらしい。
しかもその状態で女子の制服を着て高校に行き、男の子を女の子にしてセックスしてきたというから、
お兄ちゃんの普段の生活からは見られない方向性の誤った行動力には驚いた。あとぶっちゃけ引いた。
でも、変態だけどこんなことも言いあえる兄妹関係というのもそんなに悪い気はしない。
なによりこんな素晴らしいタンスを拾ってきてくれてしかも自由に使わせてくれるお兄ちゃんに対して、実はものすごく感謝してたりする。変態だけど。
さて、きぃちゃんがそろそろ起きる頃かもしれない。
目を覚ましたきぃちゃんは自分の体を一体どうやって受け止めるのだろうか、非常にわくわくする。
それにまだきぃちゃんには「けものっこ」の真の力を味わせていない。
男どころか人から外れた自分の姿にどんな感情を抱くだろうか。
そしてそのきぃちゃんを、今度はどんな風に犯してあげようか。
私はきぃちゃんに付けるためのブラジャーを手にして、お兄ちゃんの部屋を後にした。
氏のSS大好きなので、気が向いたらまた支援所でSSを投下してください。
今作も面白かったです。
アレからずっと読み返しながら待ってましたよ
しかし帰ってきてすぐ引退?宣言とは・・・
切ないなぁ
気が向いたらまたこちらでも書いていただけたら幸いです
あと作者さんが別の場所で書いてる作品、とても気になります!
続編見たいっす!
あと本編の続きも、、、!