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逆エディプス・コンプレックス

2015/10/30 14:38:19
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「ふたばちゃんはやくはやく! 男子たちが入ってきちゃうよ」
「ま、まってよたちはちゃん」
3時間目の体育が終わり、4時間目の国語の前の着替えの時間。
僕は、女の子たちが着替える教室のロッカーに隠れていた。

「(……やっぱり、女の子たちの胸が膨らみ始めてるのは本当だったんだ!)」
去年までは男女一緒に体育の時間は着替えていたんだけれども。
小学五年生に上がった途端、先生が男の子と女の子で別々に着替えるよう僕たちに言い伝えた。
まぁ、去年でも発育の早い子は少し胸がぷっくりしていたし、僕たちはその子のことをちらちらとみていたのだけれども。
いつの間にかクラスの女の子は、みんな女性のおっぱいに体が変わり始めていた。

大人の体になり始めていたのは僕も同じだった。
「(わぁ……みんな、おっぱいがおっきくなってきてる)」
僕の体操着の中で、おちんちんがおっきくなり始めた。
女の子たちのおっぱいが大きくなる代わりに、僕たちは興奮するとおちんちんがおっきくなるということに気づき始めた。
去年の保健体育の授業で習った、ぼっき、というやつらしい。
もう少しすると、ズボンの中で膨れているおちんちんから、精子というのが出せるようになるらしいんだけれども、それはもうちょっと先らしい。
どうやって出るのかも検討がつかない。おしっこみたいに出るのかな?
お姉ちゃんがいるというきよひこは、精液ってのはもっと勢いよくでるんだぜ! って自慢気に言っていたけど……、見栄を張って嘘をついてるのかもしれない。

無口な朝香ちゃんが少し周囲を気にしながら体操服を脱いだ。
「……」
朝香ちゃんは四年生のころから少し胸が膨らみ始めていた。
体育の時間のたびに、ちらちらと彼女のほうをのぞき見ては、女子のバリケードに阻まれてよく見えなかったのを覚えている。
それでもときどきは朝香ちゃんのおっぱいを見ることができて、そのときはぷっくりと乳首の周りが膨れていてとってもドキドキしたんだった。
五年生になって彼女のおっぱいは一回り大きくなっていた。
周りの子はまだ膨らみが出てきたくらいなのに、朝香ちゃんのはもう丸い形に胸が大きくなっている。
すぐに朝香ちゃんは服を着替えて胸を隠してしまう。女の子にもはやされるのが嫌なのかなぁとそんなことを考えていた。

奥のほうで友達と話している、髪の長い子はほんばちゃんだ。
とっくに体操着は脱いでいたが、洋服を着ようとはしない。
その代わり、その胸には僕が見たこともないような布をまとっていた。
僕がそれをブラジャーだと知ったのはしばらく先で、このときは、女の子はおっぱいを隠すために特別な服があるんだ! くらいにしか思わなかった。
隠していてもしっかりと、ほんばちゃんの胸のふくらみはジュニアブラを押し上げていて、彼女もおっぱいが大人になり始めているのをうかがわせる。
去年までは、男子と混じってサッカーしたり、一緒に着替えててまだ胸の膨らんでいないおっぱいを僕らに隠しもせず晒していたというのに……。

キーンコーンカーンコーン。
授業のベルがなった。
ぎりぎり女の子たちが着替えて席に着くと同時に、先生と、同級生の男の子たちが教室になだれ込んできた。
「おせーよ!」
「うるさいなー、女子にはいろいろあるの!」
「さっさと着替えろよ!! じゃなきゃ勝手に入るぞ!」
「さいてー!!」
口論になりかけるも、先生が黒板の前で手を叩き、僕たちを静かにさせる。
……さて、問題が起きた。
僕が出ていくタイミングがない。

結局僕がロッカーを出られたのは、掃除の時間が終わってしばらくした後の放課後だった。
扉を開け、体操服のまま教室にすがたをあらわす僕。
こっそりと誰にも見つからないように出ていこうとしたそのときだった。
廊下に先生が立っていた。
「としあき、くん……?」
先生は一瞬きょとんとしていたが、4時間目の国語に僕がいなかったこと、それから僕が外に出るためロッカーを開ける音が聞こえたことを思い出して僕が何をしていたのかに気づいてしまった。
「としあきくん、あなた……まさか」
尋常じゃない雰囲気の先生に詰め寄られ、僕は逃げ出すことができなかった。
「……覗いていたのね。女の子たちの着替えを」
その言葉に、僕はぎこちなく頷いて見せるしかなかった。
あのとき見た光景が、脳裏にフラッシュバックする。
「……っ!!」
先生は僕の体の変化を見るや否や、表情を険しくした。
怒りに震える声で、しかし諭すような言葉遣いで言った。
「としあきくん……、確かに女の子に興味が出てくるのは仕方のないことだわ。もうあなたたちの体は大人になり始めているんだもの」

「それでもね、こんな……こんな卑劣なやり方はしちゃいけないの。もし、またこんなことをするようだったら、としあきくんの……」

「おちんちんを切っちゃうしかないわ」

その日、僕はどうやって家に帰ったのかよく覚えていなかった。
ただ頭の中で先生に言われた、おちんちんを切る、という言葉が頭の中でずっとぐるぐるしていて、もし切られたらどうなってしまうのか、それだけが僕の心の中を支配していた。
僕がおちんちんを切られたら、あそこや僕はどうなってしまうのか……、考えがいろんな方向に浮伸びては消え失せ伸びては消え、途方もなく恐ろしかった。
おちんちんが無くなる……? もしそうなったら、僕のあそこは女の子みたいにされてしまうの?
女の子みたいにされたらどうなるの……? ランドセルや、洋服……パンツも女の子のものを使わなくちゃいけないの?
髪型も女の子みたいに変えて、友達も今の友達とは別れて、新しい女の子の友達を作らなきゃいけないの……?
先生の、おちんちんを切る、という一言は当時まだ小さかった僕には、あまりにも重大すぎるものだった。

そして来週の月曜日の二時間目になった。また体育の時間がやってきた。

僕はまたロッカーの中にいた。
「ほら、ふたばはやくはやく!」
「ま、まって、たちはちゃん……」
仲良しの二人が僕の眼前で洋服を脱いで、体操服に袖を通している。
二人は、そんなに大きなわけじゃなかったけど、ぷっくりと胸が膨らみ始めているのが分かった。
たちはちゃんが元気に飛び跳ねるたび、小さなおっぱいが小刻みに揺れるのが見えて、とても興奮した。
むくむくと僕のおちんちんが大きくなっていく。
朝香ちゃんも服を脱いだ。小学生にしてはおっきなおっぱいがあらわになる。
そのまま朝香ちゃんは体操服を着てしまった。おかげで二つのぽっちが服の上からでも透けて見えてしまっている。
確かに体育の時間中の朝香ちゃんのおっぱいは、全男子の注目の的だった。
彼女が動くたび、ふるんふるんと、大きなふくらみが縦横無尽に揺れるのである。
きよひこは、いつもそれをみて、すげーさすが朝香だな! 絶対彼女にするなら朝香みたいなのがいいぜー、ってよく言っていた。
しかし、朝香ちゃんの本物の、生のおっぱいを見たことがあるのは、全男子の中でも僕だけなのだ。
僕だけが、彼女たちの大人になり始めたおっぱいを、しっかりと服の下まで見たことがある男の子なのだ。

教室から女の子たちがみんな出て行って、僕も体育に遅れないように急いでロッカーを出る。
静かになった教室、そこで一人興奮する僕の脳裏に、昨日の先生の言葉がよみがえった。
『おちんちんを切っちゃうしかないわ』
その言葉を思い出すと、僕のおちんちんはみるみると小さくなって、ちっとも大きくならなくなってしまった。

「おつかれー! さ、着替えよふたば」
「うん、たちはちゃん!」
目の前で、クラスの女の子たちが惜しげもなく、膨らみ始めたおっぱいを見せつけている。
しかし、それを見て僕のおちんちんは、さっきのように大きくなりはしなかった。
『おちんちんを切っちゃうしかないわ』
先生の言葉が頭の中で響く。
おちんちんを切られたら? 僕は女の子になっちゃう? もうブリーフは履けなくて、目の前のふたばちゃんやたちはちゃんみたいな女の子用のパンツを履かなきゃいけなくなる?
もうこうやっておっぱいを見て興奮することもできなくなっちゃう?
不安感がみるみると心の中で広がって、女の子たちのおっぱいを見てもちっとも興奮できなくなってしまった。
もしおちんちんを切られたら……。そう思いながら、たちはちゃんのパンツのあたりを見る。
あんな感じに、前の開いてないパンツを履かなきゃいけなくなって……。トイレにいくときも毎回座っておしっこしなくちゃいけなくなって……。
もしかしたらスカートも履かないといけないのかもしれない。服や、言葉遣いも女の子らしくしないといけないんだろう。きっと。
でも、もしそうなったら……? 僕の目線は、徐々に上へと登っていく。
そうなったら、クラスの女の子たちみたいに、おっぱいが大きくなる……?
五年生になって、ちょっとずつ大きくなり始めたふたばちゃんとたちはちゃん。
今年に入って、一気におっぱいが膨らんで、いち早くブラジャーをつけはじめたほんばちゃん。
そして去年から、すでに大人のおっぱいになり始めていた朝香ちゃん。ほかにもおっぱいの膨らみ始めている女の子たちはたくさんいる。
みんなみたいに、僕もおっぱいが大きくなる……? そう気づいた時には、さっきまでとは違う興奮が体を駆け巡り始めていた。

もしおっぱいが大きくなったら……。先生におちんちんを切られちゃったら。こうやってみんなと一緒に着替えたりして。
もっと膨らんで来たら僕もブラジャーとかを付け始めるようになって。
髪も伸ばして、他にもいろんなことを女の子たちを同じようにして。そうなっていく自分を考えていると、なんだかどんどんドキドキしてくる。
ドキドキしているその一方で、僕のおちんちんは、全然大きくならないでいた。
普段通りの下向きのふにふにとした状態でズボンの中に納まっていて、一向に大人のおちんちんになる気配を見せない。
その間にもドキドキは強さを増していく。
僕もおっぱいが大きくなったら……、女の子たちと同じように胸が膨らんで来たら……。その考えで頭も体もいっぱいになっていった。

その日、こそこそと隠れて家に帰って、お風呂に入る時間、鏡で自分の体を見てみた。
体は、つい去年までは女の子たちと区別のつかないような体つき。
それでも、体の下のほうには、僕が男の子として生まれた証がぶら下がっていて。
今日の光景を思い出す。
それでも、頭によぎるのは、先生の『おちんちんを切っちゃうしかないわ』という言葉と、僕の胸が大人の女性のおっぱいに膨れていくという想像。
ドキドキと鼓動が早まる。それでも僕のおちんちんは、子供の大きさのまま下を向き続けいてるだけだった。

それから僕は体育の時間が来るたびロッカーにこもり、女の子たちの着替えをのぞいていた。
たちはちゃんもわかばちゃんも、みんな女の子たちは、おっぱいが日に日に大きくなっていった。
最初は乳首の周りがぷっくりと膨れていただけのたちはちゃんとわかばちゃんも、いつの間にか丸いラインが胸に浮き出し始めていた。
ちょっと前までは布で覆うだけのジュニアブラだったほんばちゃんも、すぐに普通の大人の人がつかうようなブラジャーに付け替えていた。
朝香ちゃんのおっぱいの成長はとどまることを知らなくて、二つの球体が彼女のおっぱいとしてふっくらと備わっていた。
よく友達に、そろそろブラジャーつけなよー、といじられているらしいが、朝香ちゃんはかたくなにブラを付けようとはしないみたい。普段着でもまんまるなおっぱいのラインと二つの乳首のぽっちが透けていて、クラスの男の子たちはずっとそっちのほうを見ていた。
みんなのおっぱいはどんどん膨らんでいく。
僕のおっぱいも女の子たちと同じように膨らんでいく妄想に興奮しながら、ロッカーの中でみんなの着替えを見続けていた。
その間中、ずっと僕の心臓はドキドキしたまんまだった。けれども、僕のおちんちんは全く昔みたいに大きくなることはなくなっていった。

ある日のことだった。
今日もロッカーの中で、膨らんでいく女の子たちのおっぱいと、自分のおっぱいが膨らむ妄想に満足して帰ると。
玄関に映る姿見の中の自分の姿が少し変わっていることに気づいた。
「あれ……なんか変だ……なんだろう」
そしてその謎は、その夜お風呂に入った時に明らかになった。
「おっぱいが……、おっぱいが……!」
そう、それはあくる日に見た、たちはちゃんやふたばちゃんのような、大人になり始めた膨らみかけのおっぱいだった。
思わず手で触れてみる。
わずかに、そうわずかに手の中に柔らかな感触が伝わってくる。
それは乳首の周りについた、すこしばかりの脂肪とそしてさらにほんのちょっとの乳腺の組織を持った、女性特有のおっぱいの感触だった。
「やった、ついに……ついに僕にもおっぱいが……!」
高まっていく気持ちと裏腹に、僕のおちんちんは普段通り小さいままだった。
まるで、大人のおちんちんへのなり方を忘れてしまったかのように、だらりと子供の大きさのまま僕の足と足の間にぶらさがっている。
僕はその晩一晩中、自分の胸にできた小さなおっぱいをもみ続けて眠った。
だって、うれしかったから。僕の胸にも、女の子たちと同じように、大人になっていく膨らんだおっぱいができてしまったんだから。
きよひこみたいに、精子がどうとか精液を出すのは気持ちいとかは、そういうのにはもう興味が失せてしまった。
きっと、あんなにたくさんのおっぱいを目の当たりにして、おっぱいの素晴らしさに僕が気づいてしまったからなのだろうと思う。

そして、今日も僕は教室のロッカーの中にこもって体育の着替えを見続けていた。
ふたばちゃんとたちはちゃんはまだブラジャーをしていない。
それでも去年の朝香ちゃんと同じくらいの大きさには、二人のおっぱいは大きくなってきていた。
とうとう朝香ちゃんもブラジャーを付けるようにしたらしい。
ジュニアブラの段階をすっ飛ばして、なんと初デビューにして大人のブラジャーで、その胸にはすでに谷間ができている。
僕もいつかはあんなにおっきなおっぱいになりたいと、心の中で思った。純粋に羨ましいと思ってしまった。
その日の体育の時間、朝香ちゃんのおっぱいの揺れがいつもと変わっていたことに、一部の男子は落胆し、一部の男子は、これもなかなか……、と新たな希望を見出していた。
何人かの男の子たちは、ぼっき、して、後ろを向いてそれを隠していたり、一部の男の子はどうどうと見せつけていたりした。
そんな中、僕のおちんちんは下を向いたままで、僕の心の中では、朝香ちゃんのおっぱいに憧れている感情が満ち足りていた。

体育が終わって、みんなが体操服を脱いで着替えるさまを見ながら、僕は僕の胸に生まれた小さなおっぱいの感触を楽しんでいた。
「(はぁっ……はぁ、僕も、いつか……みんなみたいな、大人になってく膨らんだおっぱいに……)」
ドキドキがどんどん強くなる。
そして興奮が最高潮に達した瞬間、また、先生のあの一言がフラッシュバックした。
『おちんちんを切っちゃうしかないわ』
途端に恐怖感が全身を包む。おちんちんを切られるのは嫌だ、それだけはなんだか、怖い。
「(ひうっ……あっ……!)」
同時だった。キューっと股間が締め付けれらていく感触がする。
「(あっ……おちんちんが、おちんちんが……!)」
僕の、ふにふにだったおちんちんが、急に締め付けられるような感覚が走って、それはずっと僕のおちんちんを締め上げ続ける。
「(うそ、いやだっ……先生の言ってたことって、まさか……こんな……)」
このままおちんちんが押し潰されて消えてしまうんじゃないかという恐怖に襲われながら、僕は女の子たちのおっぱいと自分のおっぱいを味わっていた。
しばらくすると、キューっとした痛みは消え、なんとかおちんちんが潰される感触はなくなった。
恐る恐る手を伸ばしてみると、そこにはまだ僕の下を向いたままのおちんちんはなんとか残っていた。

帰り道、なんだかドキドキしてぼーっとしてふらふらする。
着替えを覗いているときみたいなドキドキをちょっと優しくしたような感覚で、どこかふわふわした気分になりながら僕は帰り道を歩いていた。
特に、膨らみかけのおっぱいが無性に熱い。その奥で心臓がドキドキとなっているのがわかる。

それがなんだったのか分かったのは、家に帰ってからのこと。

玄関の姿見でもわかるような異変。僕の洋服が胸のところで、柔らかな丸い曲線を描いている。
すぐさまお風呂場に急いで行って、服を脱いでみた。そこには、ぷっくりと大きくなったおっぱいがあって。たちはちゃんやふたばちゃんのような大人びた女の子のおっぱいがそこにはあった。
その日の晩、僕はお母さんに自分のおっぱいが膨らんでいることを伝えた。
けれどもこれは、怖くなったからとか助けてほしいからとかじゃなくて、ブラジャーを買ってほしいとおねだりするためにしたのが本当のところだ。
でも、お母さんは膨らんだ僕の胸を見て、顔を青くして、それからお父さんと相談して、明日病院にいこうかという話をしていた。
ちょっと不愉快だった。だって僕はおっぱいが欲しいと思って、おっぱいができたんだし、それにほんばちゃんや朝香ちゃんがつけているブラジャーにちょっと興味があっただけだったんだから。

その日に見た夢は僕にとって、人生で一番特別な夢になった。
先生の『おちんちんを切っちゃうしかないわ』という声に僕は夢の世界の中で、目を覚ます。
夢の中で僕は裸で、たちはちゃんやふたばちゃんのように膨らんだおっぱいと、下半身にぶらさがってるおちんちんがあることを確認した。
そこに、クラスの女の子たちみんなが現れる。みんな体操服姿だ。それを一人、また一人と服を脱ぎ去っていく。
いつも見ていた光景だ。大人に近づいていく、おっきくなっていくおっぱいをみんな僕に見せつけてくる。
「としあき、これが私たち女の子のおっぱいだよ!」
「どんどん、みんな、私もおっきくなっていっているの」
「としあきも、おっぱい……欲しいんでしょ?」
たちはの声に、僕はうなづいた。しかし、そんな僕を見てたちはは首を横に振る。
「でもね……としあきは男の子なの。私たちとは違うの……だって」
みんなが両手をパンツの前に置く。まるでそこには何もないことを主張するかのように。
「女の子にはおちんちんはないの。でもとしあきには……おちんちんが……」
そう言われて、僕もみんなと同じように両手を足の間に持っていく。
そこには、すっかり大人へのなり方を忘れたふにゃふにゃの子供おちんちんがまだぶら下がっていた。
「だからね……としあきのおっぱいはもう膨らまないの」
「女の子のようなおっぱいは、男の子のとしあきには、できないの。としあきのおっぱいはもう、膨らまないの」
「そ、そんな……」
落胆から、その場に崩れ落ちそうになる。
「よく見て、としあき……。ほら、女の子にはおちんちん、ないでしょ?」
そういって、ほんばが自分のパンツを脱ぎ捨てて見せた。
そこにあったのは、一筋の割れ目で、たしかにそこには男の子のようなおちんちんはついていない。
「私もないよ。ほら、としあき」
そういって、みんなは自分のパンツを脱ぎ捨てていく。
現れていくのは、みんな筋があるだけで、何もぶら下がるもののない女の子のお股。

ショックだった。
みんなおっぱいが膨らんでいる女の子たちの体にはおちんちんがついていない。
だからみんな、体が大人の女性に近づいて成長していって、おっぱいが膨らんでいっている。
けれども、僕の体には、まだおちんちんがぶらさがっている。だから僕は女の子じゃない。男の子なんだ。
男の子な僕は、おっぱいが大人の女性のように膨らんでいくことはないんだ。お父さんのように平らな、筋肉のついたおっぱいになってしまうしかないんだ……。
これは、このときの僕にはとても辛いことだった。

打ちひしがれる僕の頭の中に響いたのは先生の声だった。
「だからね、としあきくん……おっぱいが欲しいのなら、『あなたのおちんちんを切っちゃうしかないわ』」
「そうだよ! おちんちん切ってとしあきも女の子になっちゃえばいいんだよ!」
「そうだよそうだよ! としあきもおちんちん切っちゃえばいいんだよ!」
全裸のクラスメイトの女の子たちが僕のもとへと駆け寄ってくる。みんな膨らみ始めたおっぱいを小刻みに揺らしながら。
おっきくなったおっぱいを見せつけるように僕の近くへとやってきて、数の暴力で僕を押し倒してしまう。
「としあきくん? なんどもなんども女の子たちの着替えを覗いて……、そんなにおちんちんを先生に切ってもらいたかったのね」
先生の声がした途端、またおちんちんをきゅーっと締め付ける感触が走った。
けれども強さがこの前と比べ物にならない。何倍にも強い力で僕のおちんちんが押し潰されている。
「く、うああっ……! あ、あぁぅ……!」
何かがおちんちんの中から勢いよく飛び出ていくような感触がした。
おしっこのようで、けれどもおしっこをするときよりも、何百倍も気持ちいい感触がする。
それが何度も何度も、おちんちんの中を駆け上ってくる。
「ひ、あっ……やばっ……ああっ!」
最後にひときわ大きいのが来たと思うと、潰されるおちんちんがはじけ飛ぶような感触がして、それと同時におちんちんを圧迫される感触が消えた。
圧迫から解放されてすぐに気づいたのが、圧迫が消えたんじゃない、圧迫されるおちんちんが消えたんだということだった。
おそるおそる、手を伸ばしておちんちんがあったところがどうなったか確認する。
そこには一本の割れ目が縦にすーっと通っていたのが分かった。目で見ても、そこにあるのは周りの女の子たちと同じ割れ目で。おちんちんが消えた今、僕はみんなと同じ女の子になったんだということが分かった。

翌朝、目覚めると、僕のおっぱいがふるんと揺れた。
また一回り昨日の夜と比べて大きくなったらしい。
見た夢を思い出して、おそるおそるおちんちんの場所を確認してみる。
そこにあったのは夢で見たのと同じ、女の子の、おちんちんのない、なだらかな割れ目だった。
僕を起こしに来たお母さんにそれを見せると、そのままお母さんは気を失って、代わりにお父さんが学校の先生と電話で、仕事をお休みして朝からずっと話していた。

そして僕は、今いる小学校に通う通い続けるわけにもいかず、転校することになった。

「あーきーちゃん! はやくいこ!」
「うん、待っててわかばちゃん!」
体育の時間前、僕は洋服を脱いで体操着に着替えていた。
付けているのはAカップのブラジャー。このクラスだと、まだブラジャーを付けている子は少ないようで、ちょっと嬉しくて、誇らしい。
目の前で着替えているのは新しくできた友達のわかばちゃん。まだおっぱいは膨らみ始めたばかりで、昔のたちはちゃんやふたばちゃんと同じくらいだ。
「わかばちゃんはまだブラジャーつけないの?」
「なにそれ、あき。嫌味?」
「そ、そんなつもりじゃないよー!」
「おのれ……憎たらしく育ちおって……この胸かー!」
そういいながら、わかばちゃんは僕のおっぱいに手を伸ばす。そのまま激しくぷるぷると胸を震えさせられる。
しっかりと、僕のおっぱいから、触られているという感触が頭に伝わってくる。
目で見ても、胸にできた脂肪が波打って、ふるふると震えているのがわかる。女の子にしかない特権。おっぱいが自分の体についているという優越感。
よかった、おっぱいが僕にもあって。よかった、おちんちんを切って……。
女の子しか履けない、ブルマに僕は足を通しながら、すぐにわかばちゃんの後を追ってグラウンドへとかけていくのだった。
掲示板の方で読んでいただいた皆様ありがとうございました! 「是非図書館に」とおっしゃってくださった No.2136様、本当にありがとうございます。
後押しもあって、図書館のほうへ初投稿させていただきました。問題などありましたらすぐに消しますので、どちらかの掲示板の方でお知らせいただけると幸いです。
これからもこんな感じで、体が女の子に変化していく描写やら何やら頑張っていきたいと思います!
今後もよろしくお願いします。


……おっぱい大きくなりたいなぁ。
奈津倉 朝葉
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