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TSした元男子はトップレスがお好き

2017/02/02 00:40:48
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ある日、世界は激変してしまった。
それはあっという間だった。突然発生した性転換現象、1か月もしないうちに世界中の男がどんどん女になっていった。
原因不明、ウイルスだったのか、化学兵器だったのか、はたまた魔術だったのか、因果だったのか、まったくわからない。
わかっているのは防ぐこともできず、世界の99%以上が女性になったという事実。
ただし、その現象が発生したのは一定年齢以上の男性。若い男子、10代後半以下には発生しなかった。
それにより人々は一時の安心感があった。若い人が無事なら、自分の子供が無事なら、って。
だが甘かった。
判明したのは一定年齢以上になったら同様の現象が発生するということ。通称適正年齢。
一斉性転換現象が突如発生した日に女にならなかった若い男子も、適正年齢を超えるか、または体の成長によって女になる現象が発生するということ。
人によって差があるものの、おおよそ22歳までには確実に発現することが分かった。
もっとも必ずそれが発生するというわけではなく、発生しない人もいる。
つまり、その適正年齢を通り越せば男のままでいられるという保証が得られることになる。
いずれにせよ世界は急速に男性が少なくなった。
若い、まだ現象が発現していない人を除けば男性はおよそ数百人に一人になってしまった。

社会は混乱し、男女別のルールが崩壊した。今まで普通だと思っていたことが普通ではなくなった。
このままでは確実に世界は破滅だ。少子化が心配どころではない。だから男を守るために法律の改定が急がれた。
通称、男種保護法。
例えば傷害事件の被害者が男だった場合、犯人の刑罰は激増する、とか。
男の急所を攻撃して使用不能にしようものなら無期懲役だとか。
一方、男も守ることが義務付けられている。
女装まではギリOKだが、女になりたいとかいって手術したら同じく無期懲役、手術した医者も逮捕とか。
だからと言って保護されまくってるわけではない。
女性を強姦したらやっぱし逮捕される。
そうなったら刑務所にいる間、女性に接触することは許されずひたすら機械で搾り取られる、なんて話がある。
本当にそうなったやつは知らない。あくまで噂の話。
守るのは男そのものだけではない。女になるかもしれない男子もしなければならないことがある。
遺伝子情報、それを守る必要があった。
女になる前、適正開始年齢に達する前に男性は精液を冷凍保存することが義務付けられたのだ。
状況が状況だから、結婚そのものは女同士でもOKになってしまったが。
そして子供を作るとき、冷凍保存していた精液を使ってパートナーを……というわけ。

こうして時とともにルールが改められ、混乱は落ち着きを取り戻してきた。
しかし、今までとは違う世界観に人々は戸惑うのだった。




1. 海水浴

「あのさぁ、やっぱトップレスはやめてくれね?」
「いいじゃねえか、他にもやってる奴いるしダメってルールじゃないし」
「いやそーだけど……」



俺、清彦はあの日が過ぎても幸運にして男のままだ。一方、親友の敏明は女になった。
性別が変わっても親友は親友、仲もそのままだった。
男同士の感覚のまま、話もするし、遊びもするし。
だが、外出は少なくなった。外に出ればそこらじゅう女ばっかだから。
そこに男がいたら目立って仕方ない。
しかも女性化した男って、そろいもそろって美人または可愛い、見た目のいいのばかり。
だから周りの視線も気になるし、こっちの視線も気にしてしまう。
すごく浮いた感じになって、落ち着かなくて、だから外出は控えるようになっていた。
それでも敏明が誘うなら、という気持ちで遊びに行こうと久々に来た海。だがちょっと他にすればよかったと後悔している。
最初の難関は更衣室。
更衣室は男女別なんて機能していない。割合が女の方が多いのだから当然といえば当然。
しいていうなら元男か本来の女か。本物の女性が「女でも元男はイヤ」という理由で分かれているが、本物の男の俺はたまったものではない。
男子更衣室で女性……女性化した男が着替えるのは普通で居心地悪かった。
男子更衣室のはずなのにそこら中に女ばかり、遠慮することなく堂々と服を脱ぎ、裸になって。
もう更衣室いらないんじゃない? そんな気がした。
事実、外で着替えている奴も何人かいたみたいだし。
加えて、海や海水浴場でのトップレス解禁。ほぼ女だけだからって、それは大胆すぎるだろ。
ちなみにトップレスになっているのは結構いる。元男がほとんどなのだろうか、と思っていたがどうやら本物女子も対抗している様子。
皆惜しげもなく胸をあらわにしている。
それに合わせて下も個性的。紐同然のTバックは当然、わざわざパレオをつけてトップレスもあり、さらに着ているのかもわからないIバックなるものも。
逆にあえて男物の海パンもいたり、と。ファッションは奥深いなぁ。
そして親友の敏明もまた、トップレス。
巨乳だ、いいサイズだ、美乳だ、美しい……目のやり場に困る。
頼むからトップレスはやめてくれと思ったが、それ以前に周りがトップレスだらけだから無駄じゃないかと今思った。
「触りたかったら触ってもいいんだぜ?」
「遠慮する」
挙句誘惑し始めた。こいつというやつは……
「別に前にも触らせてやったじゃん」
「だから遠慮するって!」
ああそうさ、こいつが女になったばかりの頃触らせてもらったさ。ちょっと興味があるだろ?
だけど今はダメだろ。周りにこんな人がいる中で、これは……
俺って男のままで女にならなくてよかった、なんて思っていたけどこの居心地の悪さはたまったものではない。
男が生きづらい世の中になってしまった。実に。
「うおぉぉっっっ! トップレスだらけっ!!」
「マジサイコーじゃん!」
そんな声が聞こえてきたと思ったら、若い男3人集。適正年齢前の奴らか。
これが目当てで海に来るアホの男が増えたらしい。おかげで海の家は今日も繁盛繁盛。
「へえ、お前ら元気よさそーじゃん」
「隠すことなくエロいねぇ」
そんな男たちに来たのはトップレス女3人集。
「か、カワイイっすね君」
「ど、どっから来たの?」
うわずってる、緊張してる。ナンパ慣れしてないなあいつら、女の子に声かけるの緊張しているのバレバレ。
それとも単におっぱいがすごく近い距離にやってきたからドキドキしているだけか?
「そうカタくなるなよ。下もカタくなってるか?」
「俺らも男だったからなぁ。キンチョーするぐらいわかってるって」
やっぱし男だったか。
「どうよ? 俺らといっちょイイコトしない?」
「こうなったら男も女もカンケーねーだろ?」
「それとも、やっぱ元男の美女はイヤかな?」
元男3人集は若き男たちに品を作って惜しげもなくその肉体をアピールする。そしてすり寄り、密着させる。
あれ当たってんな、当ててんだな。
そうしてそろそろと男3人と元男3人はどこかへと消えて行ってしまった。逆ナンパ成功ってことか。
きっとそのままシャワー室か、岩陰でイチャイチャするんだろう。
まあせいぜい楽しみな。自分たちもそのうち女になっちゃう可能性か高いんだろうし。
ああいう展開、他のところにもありそうだ。何せ女たちは数少ない男を巡って熾烈なバトルしてるって噂だし。
……あれ? 俺ここにいちゃすごく危険じゃね?
なんか周囲の視線がすごく気になってきた。そういえばいろんなところから……
「敏明、俺やっぱ帰るわ」
「あーやっぱ視線が気になる? 大丈夫だって」
「どわっ!?」
敏明が俺の腕をとった。いや、腕に抱きついてくる。
うおっ!? 直に柔らかい感触がっ……
「あんな飢えた女たちなんて、俺が守ってやるからよ」
実に心強い親友だった。




2. 男子校

いつか自分も女になってしまう。そう思うと感慨深いものがあるものだ。
今過ごしている日常、これがいつか終わってしまうのか、いや、それとも始まるのか。
だとしたら今自分は何をするべきか、どう過ごしていくのか、考えればきりがない。
とにかくいつか日常は変わってしまう。そう、今日のように……

「今日から俺は女になりましたーーーーっっ」
「「「おぉーーーーーーーーっっっ!!」」」
2日前まで男だったクラスメイト、和彦が女になった自分を発表していた。
ここは男子校。制服も当然男子用のブレザーなのだが、和彦は女子の制服、スカートを穿いている。
当然だが男子校のうちにスカートなんて制服は存在しない。なんでも近隣の女子校から制服を提供してもらっているとか。
女になるタイミング、年齢的に考えれば和彦は少し早いくらいか。事実、このクラス初めての女子。
前例からすると卒業する頃にはクラスの7割が女子になっているとか。ということは和彦を皮切りに女子は増えていくだろう。
「お前らぁ、女の子には興味あるだろぉ」
「「「うおぉぉぉーーーーーーーーーーっっっ!!」」」
女になったことが嬉しいのだろうか、和彦は妙にテンションが高い。クラスの男子たちもテンションが高い。
そりゃあ異性に興味のあるお年頃ですからね。
「さーて、この中はどうなっているかなぁ」
和彦がそーっとスカートをたくし上げる。
白いぱんつが見えた。
「「「ぐおぉぉぉーーーーーーーーーっっ!!」」」
さらに熱狂する。うちのクラスメイトはノリがいい。
「それともぉ、こっちも興味あるかなぁ?」
今度はブラウスの首元を指で引っ張る。
谷間が見えそうだ。
「「「ふおぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっっっ!! ………ぐわらばっ!?」」」
「いい加減にしろお前ら、和彦もだ!」
熱狂した男子たちはやってきた担任によってどつきまわされた。あー、そういえばもうHRの時間だな。
担任は美人だ。しかしそれを台無しにしてしまうジャージ姿が今のスタイル。
この担任も他に漏れず、元男。それもおっさん。
俺らが入学前に女になったから、以前の担任がどんな姿をしていたのかは知らないが、とてもおっさんだったとは思えない。
もはや世界からおっさんという単語は消滅してしまうのだろうか。
「和彦ぉ、女になったのが嬉しいかわからんがそういうのはするんじゃない」
お怒りの様子。
「わかってないかもしれんが、女になって力はずいぶん落ちてるはずだぞ。そんな中で血走った目えした男どもに襲われたら取り返しがつかんぞ」
ありがたいご指導です。
「お前らもだ。男の時間楽しもうって言っても限度がある。女に興味あるのはいいが、クラスメイトはクラスメイトだからな」
そりゃそうだ。俺だってクラスから犯罪者が出てほしくはない。
男が優遇される傾向にあるとはいえ、女性を襲う事は犯罪に変わりはない。
それも同じクラスメイトに危害を加えるなんて、絶対にあってほしくない。
きちんと制することを覚えねば。
「だから、だ」
ん? なんだ急にジャージをごそごそと……
「女の裸見たかったら俺が見せてやるっ!」
がばっ、とジャージを勢いよく脱ぎ捨てた。その下はパンツ一枚!
「「「うっひゃあぁぁーーーーーーーーーーっっっ!!」」」
素晴らしく大きく美しいおっぱいをあらわにした担任、なにやってんだよっ!
「ちょうど1時限目は保健体育の時間だからな、このまま授業突入だ」
「「「やっほーーーーーーーーーーーーっっっ!!」」」
いきなり現れた女体に歓喜するクラスメイト達。担任の体を遠慮することなく拝観している。
それは女になった和彦も同様。自分のじゃ満足できないのだろうか。それとも別腹?
正直、このテンションについていくのは俺は難しい。
一人頭を抱えながら授業に取り組んでいた。

「ちょうど先生は生理中だからな。女性の生理について実物を交えながら詳しく説明しよう」
実にグロテスクな授業にクラスメイトのSAN値はだださがりだった。




3. 保存

男性が極端に少なくなってしまったこの世界で出生率は死活問題であった。
その対策のために行われるひとつに遺伝子保存法がある。
女になる前、適正開始年齢に達する前に男性は精液を冷凍保存すること。
しかしそれは女になってしまった男性がそうなる前に行うことだ。
では、男のまま、女になることのなかった人はどうするか。

「あ、敏行さんいらっしゃ~い。週1回のアレですね?」
軽快な声でなじみの看護師が挨拶する。しかし俺はこの日が実に憂鬱だったりする。
男性は週1回、精液採取することが求められるようになった。
これも遺伝子保存のための一環だ。正直なところ本当にその男が男でい続けられるかはわからない。
だからこそ少しでも可能性を考えなければならなくなり、こうして生産される精子を少しでも保存する必要がある。
そして保存された精子から望む人は人工受精で子供を産むことができる。
と、女になった元おっさんな政治家たちが考えた政策だ。
もう迷惑この上ない。
週に1回病気でもないのに病院にこうしてこなければならないのは面倒だし、なにより搾り取られるのはいい気分でない。
ついでに言うと自分の精子を使ってどこかで知らないうちに自分の子供ができていると思うと、複雑。
男のままでよかったなんて思ったのは最初だけ、こんな状況なら女になった方が楽だったんじゃないかと思ってしまう。
こうして病院に足を踏み入れるたびにため息ばかり。
いつもの受付を済ませ、いつもの通り検査室に案内される。そこには各種アダルトなグッズがいっぱい。
エロDVD、写真集、エロ漫画、樹脂製の筒状の物体も。
何故そんなものがあるのか、そりゃあもちろん出しやすくするためですよテンション上げるためですよ。
……うんざりだ。
「苦労するよねぇ敏行さん。俺だって毎週おんなじことさせられてたら絶対やんなっちゃうよ、うん」
「……なにしれっと入ってきてるんですか」
畳3畳くらいの狭いのか広いのかよくわからない検査室にしれっと馴染みの看護師、忠彦さんが入ってきている。
名前からも十分わかるがこの人は元男だ。
「そりゃあね、毎週げんなりした顔してるの見かねて、ちょっとお手伝いしようと思ってね。ほら、そこ座って」
そういうと俺をその部屋にある椅子に座らせる。いやな予感しかしない。
「毎回一人でしこしこしてるのなんて悲しくなるんじゃない? だからさ、いっちょ生でしてあげようと、ね」
言いながら来ているナース服を脱いでいく。なんとなく予想していました。
「ほーらたわわでしょ? 結構気にってるんだよ俺のおっぱい」
ナース服を脱ぎ、ブラも外してこぼれるおっぱい。はい、生で見たのは初めてです。
「はいコンドーム。いつもの容器とは違うけど、こぼすわけにはいかないからね」
生おっぱいのせいで起立していた俺のムスコに妙に手際のいい手つきで俺にゴムを装着する忠彦さん。
え、いつも精液採取は専用容器にするってことになってますけど、何故にゴムなぞつけるのか。
「ほーれパイズリだよぉ。これでこぼす心配なし」
そういうことか。いやしかし、これは気持ちいい……


「お疲れさんでしたぁ~」
病院の出口で見送ってくれる忠彦さん。着衣の乱れなく整ったナース服姿はさっきの出来事を全く感じさせない。
いつもはげんなりした気分で病院を後にするが、今日はなんだかほくほく気分で病院を出る。
思えば女性とは今までまともに接触したことなかったな。今日の経験はちょっと新鮮な気分。
そうして病院を後にしようとしたときに、忠彦さんが近寄ってきてそっと話しかけた。
「次回もサービスするよ♪」
……苦痛だった週1回が、楽しみの週1回になったような気がした。




4. 実交

男性が極端に少なくなってしまったこのご時世、子供を作るというのは実に厄介な話になってしまった。
基本、子供が欲しいと思ったら保存されている精液で人工授精だ。
つまり、本来の男と女がアレして、というのは極めて困難に。
それ自体できないわけじゃない。お金払えば、ってこと。
男でよかったと思うあたりはここぐらいかもしれない。日を変え、いろんな相手とエッチできる。
おまけにお金ももらえる。
というわけで今日も俺はお役所黙認のアレな場所にいる。
ここはある意味俺の城、といっても住んでいるわけじゃないが。
外からの光も少なく、けばけばしたでかいベッドのある内装はラブホテル同然の部屋。
そこにバスローブを着た俺と、今日の相手が一人。
「せっかく女になったんだからさ、一回はやってみてえじゃん?」
元男だ。
ここにくる比率は本物女性よりも元男の方がずっと多い。やはりそっち系に興味のあるのが多いということか。
それはわかるよ。俺だって興味津々だしエロい人間だし。
「しかし思ったよりいい男で安心したよ。ハゲやメタボなおっさんだったらイヤじゃん?」
それも同意。俺だって見た目悪いやつとは相手したくない。
だからちょっとは気を遣って、相手の女に見くびられないように運動して体系には気を付けている。
幸いにして元男はことごとく美人でスタイルがいいのが多い。英雄色を好む、というより色がやってくる。
事実目の前の元男も服装はカーゴパンツにパーカーとやる気あるのかっていうぐらい残念な服装だが、スタイルはいい。
こうしてベッドに上がり、服を脱げばそれは一目瞭然。注目されないように地味なの選んだだけかな?
それにしても外と中の落差が激しい。そのすっごくエロい下着何? どしてそのブラ乳首のところ開いてるの?
「で? 子供ほしいの?」
「うーん、できたらできたでいいかな? 今日安全日だと思うし。とにかく一発やりたいんだよ」
いい加減な奴だな。結構高い金払っているはずなのに。
まあ、子供が欲しかったら病院行って人工授精の方が格段に安いはずだから。子供よりもプレイの方が優先なんだろ。
そんなこと最初から見てわかっているんだけどさ。
「じゃあ早速やろうぜ。気持ちよくさせてくれよ」
あーはいはい。


「しゅごい、しゅごいよぉ……」
元男は最初の強気な姿勢はどこへやら、ふらふらになって顔もくずれている。まさに足腰立たない状態だな。
まあ、俺にかかればこんな感じということで。




5. 実交その2

俺もこんなこと初めてそんなに長くはないが、いろんな人がやって来る。
たいていは先日の女になったから経験したい、ってやつが多いのだが。今日はちょっと変わっていた。
なんと二人同時にだ。しかも……
「ダンナさん?」
目の前にいる美女二人、その一方を指差したずねる。
二人のうちの一方は成熟した大人の色香を漂わせているすらっとした背の高い美女。もう一方は、スタイルは大人びているもののどこか幼さの残る女の子。
その子供っぽい方を指さしている俺。
「そうです、あの日以来こんなに可愛くなっちゃったうちの旦那です」
「ど、どうも」
夫婦でやってきちゃったんだよ。
ぱっと見、親子かって思う。背の高い方がお母さんでもう一方が娘って。しかし夫婦だ、百合夫婦か。
乱交したいって4人で来たことは前にもあったけど、夫婦で来るってのは初めてだと思う。
それ以前に夫婦で来るって、大したものだよ。
「二人で子供が欲しいとは思っていたのですが、その前に夫がこうなっちゃって」
なるほど、夫婦で子供が欲しかったのに、という無念の話は結構耳にする。
「私は可愛くなった夫を娘のように思っていたのですが、夫がやっぱり子供は欲しいっていうので」
ほうほう、つまり旦那さんの着ているこのピンクのフリフリな服はあなたのチョイスですか。
ああ、旦那さん真っ赤になって。結構恥ずかしかったんでしょうね。
「そういうわけで来たんです。折角だから私もしっかりレクチャーさせていただきますわ」
その言葉から察するに夫を妊娠させて自分はしないつもりか?
いいのかな? 二人分お金もらってるんだけど。
「ああ、もちろん高いお金払っていますので私も、ね?」
しっかりしてんなーこの妻。大丈夫か旦那、尻に敷かれてないだろうな?
いや、今は尻に敷かれる以前に娘扱いされているのか。夫婦生活がすごく心配。
「はい、それじゃ服を脱ぎましょうねー」
相当子ども扱いされてんな。もうちょっと大人扱いしてやれよ夫扱いしてやれよ。
ってうわー、子供っぽいピンクのフリフリには似つかわしくない大人な下着ですね。
「あ、あの……」
「ん?」
ずっと妻が主導権握って話していたが、ここでようやく自分から夫が口を開いた。
「やさしくして、ください……」
わーい、可愛すぎですー。


「あはっ、いっぱいになっちゃったね」
「ええ、素敵よ ア・ナ・タ♪」
二人ともたーっぷり俺の精液で満たされご満悦の様子。トロ顔でベッドに横になって、余韻に浸りながらキスを交わす。
ベッドの上で俺そっちのけで二人の世界、らぶらぶちゅっちゅしてます。
なんかもう、俺いらなくね? つーか、早く帰ってくんない?




6. 実交その3

女になった元男が経験したくてここに来ることは決して少なくない。というよりほとんど元男が来るんだが。
今日もその元男がやってきた。
「こんなに若い娘になって、これがまた死んだばあさんの生き写しみたいにそっくりでねぇ」
じいさんだ。
女になった男はみんなして容姿がよく魅力的で、おまけにどんな年齢の奴も若返っている。
そのせいで本物の女たちからは嫉妬されているらしい。そりゃ無理もない。
しかしいくら若返るって言ったって、見た目美女が中身じいさんってのもなぁ。
相手する俺の身としてやりづらくて仕方ない。
それもだがじいさん、その服は何だよ。
レザーのミニスカートに原色のジャケットやら、それバブルファッションだろ時代古いなおい。
「ばあさんのお気に入り、実に似合ってるのぉ」
こんなの着ていたのかあんたのばーさん。大したもんだよどんなばあさんだったんだ。
「どうにも子宝には恵まれなくてな。亡き後とはいえ、その意志はわしが受け継ぐ!」
決意はいいのだが、だったら人工授精でいいじゃん絶対あんたスケベ根性てここに来ただろ。
「そういうわけじゃ若いの、ひとつわしとまぐわっとくれ」
いい脱ぎっぷりだなおい。わしっ娘なんてジャンル新しすぎて受け入れるの難しいよ本当に。
しかも中身じーさんと知ったら余計にだよ。
でもまあ見た目可愛い女の子だし、それで何とか補正して我慢してやるか。


「なんじゃいこの程度でくたばりおって。はよ続きせんかい」
こ、このじじい、底なしかよ……




7. 朝おん

一定年齢、または体の成長によって女になるタイミングはズレがある。
そして女になるのはある日突然で、大抵寝ている間に体が変化する、という知識はあった。
ただし、知識と実際の経験には開きがあることはよくある話。
事実、俺もそれを経験した。

「おお……」
俺、常彦は朝起きたら全身筋肉痛だった。体の節々が痛い、けだるい、なかなか動かない。いろんな症状が発生していた。
それと特に胸に圧迫感が。謎の症状に困惑しつつもやっとこさ体を起き上がらせてみれば……谷間が見えた。
瞬間、理解した。俺にもその時が来たのだと。
重い足取りで何とかベッドから降り、最近部屋に置かれるようになった姿見の前に行って、感嘆の声を上げる。
「巨乳だ」
年頃の男子であれば異性に興味を示すのはごく普通のこと。
何よりもおっぱいには一段の興味がわく。実に不思議だ。
そんな興味の対象が鏡に映っていたら?
鏡の前に映る自分の姿、いつもの俺の就寝時のスタイルは短パンとタンクトップ。ラフな格好で一番落ち着くから。
ルーズでだらしない部類に入る服装で人には見せれないスタイルだということは自覚しているが、それが今はどうだ?
胸も大きく、ウエストも引き締まり、ヒップのボリューム十分な可愛い女の子がこんな服装だったら? ギャップか? ギャップ萌えってやつか?
女になった男は概してスタイルのいい美女が多いという。俺はまだ若いから美女というよりもカワイイの枠だろう。
俺もその枠に十分おさまっている。すごい、マジ好みなんだけど。
しかもこの服装はどうよ。ルーズないで立ちが妙にエロさを醸し出している。
体が縮んだせいか、タンクトップも短パンもサイズが有り余っている。タンクトップの間から乳がこぼれそうだし、短パンも今にも落ちそうなのをお尻に引っ掛かって。
……やっぱ、見てみたいよな?
ちょっと動かしてみる。タンクトップをちょっと中央に寄せるだけで。
ポロン
ふぉぉぉっっっっっ!! 生おっぱい!
いいっ! 美乳っ! 乳首がっ、乳首がピンクで実にいいっ!
ちょっと持ち上げてみれば、重い。なんという重量感。こりゃ肩がこって困っちゃうなぁ。
下は? 下はどうなのだ?
ヒップに引っかかっている短パンをちょっと引っ張れば、下着のトランクスも一緒に落下していった。
「……ないねぇ」
わずかな茂み。きっとその下には未知への入り口があるのだろう。
しかしそこへの探検欲求よりも、十数年共にしてきた存在感あるあれが無くなっていることを知る。
旅立ってしまったのか息子よ。お前にはもう、会うことはできないんだな。
新たな出会い、それは別れの時でもある。ムスコよ、俺はこれからはチチを大事にするからな。
「常彦、もう起きな……よ?」
いきなり開けられる部屋の扉、そこには父がいた。
俺より一足先に女に、美女になった親父。仕事に行くため既に女物スーツに着替えている姿はばっちり決まっている。
その親父に、ばっちり見られてしまった。
鏡の前で半裸になって硬直し、いたたまれない気分になる俺。親父が近づいてくる。やばい、これ叱られる。
「常彦も、女の子になっちゃったんだね」
ぎゅっと抱きしめられた。頭なでなでされた。
親父の胸に顔が埋まる。例にもれず巨乳で、柔らかい心地よい感触が伝わってくる。
あ、これぱふぱふってやつ? 気持ちいいなぁ。
こんな形で慰めてくれるなんて。女になってしまって俺が動揺していると思ったんだろう。優しさに包まれる。
「常彦、今なら……いいよね?」
「ん?」
そっと俺から離れて、おもむろにブラウスのボタンを開け始める。
「今なら……みせあいっこできるよねっ!!」
どばーん、なんて効果音付きで親父がおっぱい見せつけてきた。
「あほかぁぁぁぁぁぁっっっっっ!! このスケベ親父がっっっっっ!!」

でもちゃんと触りっこしちゃいました。
後で母さんにめっちゃ怒られたけど。




8. 家族

「こうして家族で一緒にお風呂に入るなんて、何年ぶりかねぇ」
僕たち家族はちょっとお出かけしている。ひなびた温泉の貸し切り家族風呂、そこに家族4人一緒だ。
つまり、全員裸。
タオルを巻くのはマナー違反、それにここには家族しかいない。だからみんな遠慮なくその女体をオープンにしている。
正直、目のやり場に困る。
うちの家族、父さんも母さんも兄さんも、みんなスタイルがいい。男なのは僕、吉幸だけだ。
特に母さん、ほかの二人は女になったからいいけど僕は男だよ? そんな息子の前に裸さらすなんて。
「家族なんだから遠慮しなくていいでしょ?」
それでいいのか。
その母さんは僕と兄さん二人を産んだにもかかわらず、とてもそんなこと感じない奇麗な体。
年齢のこと言ったら怒るけど、そてもそんな年齢には見えない。
「そう、家族の間では隠し事なしだ」
これは隠し事に入るのだろうか? 隠した方がいいこともある気がするよ父さん。
僕ら家族の中では真っ先に女になった父さん。美人だ。
風呂に入るときは長い髪を巻き上げて止めておくのがマナーとか。それによって現れたうなじが魅力的。
「それにぃ、吉幸もこれから女になるかもしれないんだし、今から慣れておけば?」
これを慣れるといっていいのか兄さん。
ショートヘアのボーイッシュな印象の兄さん、2週間前に女になったばかりだ。
だというのにあっさり現実を受け入れている。適用力ってことなのか。いや、単純にスケベなだけかもしれない。
女になってしばらくの時、二人っきりになった部屋で兄さんは自慢するようにして僕におっぱい見せつけた。
僕は兄さんの巨乳にドキドキし、その反応を面白がった兄さんは僕の手をつかんでおっぱい揉ませた。
それだけじゃなくて、兄さんはこともあろうにパイズリまで……
その時のおっぱいが今日もまた、隣に接近している。
いや、兄さんだけじゃない。父さんと母さんも、3人分計6つのおっぱいがお湯にぷかぷか浮いている。
この状況、どうすればいいのか。
反応する下半身を必死に抑えてる。恥ずかしい。
「吉幸が女になったらどんなカワイイ子になるかな? ハニーに似るかな?」
「やだぁ、ダーリンったら。きっとダーリンに似た巨乳のカッコいい彼女になるわよぉ」
ところで世の中では突然に女になったことで夫婦仲が緊迫しているなんて話を聞いたことはあるけど、本当かと疑ってしまう。
うちの夫婦はむしろ父親が女になってからというものの、かなり仲がいい気がする。具体的にはすごくイチャイチャすることが多くなった。
こうして子供の僕らの前でもイチャイチャしてるし、いつの間にかお互いのことをダーリンとハニーって呼んでるし。
完全な百合夫婦だ、もうよくわからない。せめて僕たちの前では大人しくしてほしい。
「ところで、今日二人に話しておきたいことがあるの」
イチャイチャを中断し僕と兄さんに向き直った。しかしぴったりくっついているままなのが二人のラブラブっぷりを明らかにしている。
この期に及んでまだなにかあるのだろうか。母さんに続く形で父さんが口を開いた。
「実はだな、私は妊娠した!」
「「………………………………………は?」」
想像を張るに超えるインパクトある発表のせいで僕も兄さんも一瞬思考停止した。
え、今なんて言った? 父さんが、妊娠?
「そーなの。実はこんなこともあろうかと私の弟の精子を保存していてねぇ、それを使わせてもらったの」
母さんの弟? 若いころは母さんの手によって色々ひどい目(女装させられた)にあっていたという苦労の絶えないあのおじさん?
その前にこんなこともあろうかとって、この場合にはどんなことを想定していたんだ?
「ふっ、女になったのだから一度は妊娠して子供を産んではとハニーに勧められてな」
「そうよぉ、女は一度は子供を産んだ方がいいわぁ。世界観が変わるわよぉ」
その世界観は誰の何だろうか。二人の世界だろうか。
その世界から子供である僕と兄さんは置いてきぼりを食らっている。
「そうか、家族が増えるんだぁ。吉幸、お前お兄ちゃんに…いや、お姉ちゃんになるんだ……」
ああっ、兄さんの意識がここにない。正常稼働からかけ離れているよ。
「ふふっ、どんな子だろうなぁ。きっとハニーに似て美人なんだろうねぇ」
「やだぁ、絶対ダーリンに似て格好いい男の子よぉ」
そしてふたたびイチャイチャしだす父さんと母さん。まだちっとも大きくなっていないお腹を二人でさすっている。気が早すぎる。
二人の様子を見てふと思う。きっと、この先僕が女になるなんて些細なことなんだろうなぁ。




9. 女装

このご時世、男は悪い意味で目立つようになってしまった。
男性が女性に変わり、男女比がおかしくなってしまったせいだ。
僕、正尚は女にならなかった純粋な男。
女にならなくてよかった、とはあまり言えない。目立つせいで居心地が悪すぎだ。
そのせいで最初は外出を控えるようになった。半分引きこもりみたいになった。
けどこれではいけない、と考えた。だから何かいい方法はないものか、と。
そして至った結論、木の葉は森の中に隠せ、って。

「今日も可愛いねぇ正尚」
本物の女子の明彦には負けるよ、と言おうとしてやめておいた。本物とはいいがたいし本人微妙になるから。
だったら僕にも可愛いなんて言わないでほしい。けど言われたら言われたでちょっと嬉しかったり。
現在僕は明彦とおでかけ。その恰好は上から下までペアルック。
女装してます。
女性たちの中に明らかにそこに男がいたら目立ってしまう。しかし、こうして女性の格好をしていたら?
見事に的中。女装して出たらんな僕が男だってことには気が付かず、特に注目もされない。
正直、僕にここまで女装の才能があるとは思わなかった。
明彦は女になってから日々女子力を磨いている。今日も実に女の子な格好だ。
その明彦のレクチャーのもと、初めて女装したのが1か月ほど前。
徹底したご指導により下着から何から何まで女の子のアイテムを使用。
着替え、化粧までして鏡に映る自分を見た感想は「これが、僕?」でした。
いや本当に自分に惚れちゃうところでしたよ。ナルシスト一歩手前?
こんなにきれいになれるんだ、っていう感動を覚えた僕はすっかりはまっちゃって。
明彦からのレクチャーを真剣に聞いて習得し、今ではぱっと見男とは思えない、それよりも女の子の中でも上位クラスにまでレベルアップしました。
こうなると女の子になりたかった願望が強くなる?
うーん、ちょっと違うんだよねぇ。男だからこそここまで可愛くなる努力がいいっていうか。
変身願望の一種だろうか、それともチャレンジャー精神? ギャップ萌え?
とにもかくにも今日も明彦とともに女子力レベルアップのためにお出かけです。
毎回毎回明彦に連れ出され、女の子に磨きをかけていくのはなかなか楽しいものです。
「それじゃあ今日もさらなるレベルアップにいこー♪」
「おー♪」

「水着、ですか」
レベルアップの桁が違った。
現在僕と明彦はショッピングモールの水着売り場に。何とも居心地が悪いです。
女装し始めたころ、ランジェリーショップに行った時もこんな感じだったっけ。
男の僕にとってまさに異空間な場所。今までは絶対に身に着けたことないものが周囲に存在し迫ってくる感覚。
体の免疫機能が異物を排除するように、僕もここから排除してやる圧力を感じていた。
しかしそれも最初のうち。次第に慣れてしまった僕は今では明彦ときゃぴきゃぴいいながら下着を選んでたり。
この水着にしても同じくなるのかな?
こちらのお店は大きいショッピングモールなだけに実に様々な水着が用意されています。
競泳水着、ワンピース、ビキニはもちろん、スクール水着もあるし、マイクロビキニやV字なあぶない水着までそろえてるって一体。
「ヤローはスケベだからな。ああいう水着着てみたくなっちゃうんだよ」
なるほど、と納得していいのだろうか。
よく見たら片隅に男性用水着コーナーもあった。いくら女性の方が圧倒的多数とはいえ、男性はゼロではない。
それに適正年齢までの男女比はほぼ同数。それを考えればちゃんと男性用水着も用意されておかしくは何ともないのだ。
「女になっても男性用着ている人も少なくないぜ。それでトップレスとか」
そういうことですか。ちょっと次元が違ったね。
「というわけで着てみようか」
もうですか。レベルアップは急ですね。
手渡された水着を受け取り、試着室に入る。
水着はビキニですか。レベル高いな、まさか僕がこんなもの着ることになるとは。
ビキニとはいえ種類の中では布面積の多いものだ。ちょっと安心。
デザインはなんだかかわいい感じ。ピンク色で、上も下もフリルがいっぱいだ。
あ、胸のフリルはボリュームがないのをごまかすためなのか。そういうことかなるほど。
水着の試着は下着を着たまま、上に身に着ける。ショーツ一枚の姿になった僕はそのビキニに足を通す。
初めてスカートを穿いた時も、初めて女物の下着を着た時も感じた、このドキドキ感。
下着は着たとしても見えないところだけど、この水着は皆に見える。その緊張感も。
水着という新たな一歩を踏み出した僕。ブラも身に着けて装備は完了した。
「明彦、見て見て。着てみたよ……っと!?」
さっそくお披露目と試着室の扉を開けてそこにいるはずの明彦に見せてみる。が……
「おー、なかなか似合ってるじゃん。俺の目に狂いはなかったか。俺も負けじと着てみたぞ」
明彦も水着の試着をしていた。いつの間に。
それもなかなか大胆な水着た。なんていうのこれ、たしか、マイクロワンピース?
上下は一体になっているワンピース水着。しかし、一体といっても紐でつながっているというだけ。
布自体も下と胸の大事なところだけしかない。それ以外は紐でつながっているだけ。露出度がかなり高い。
一応ルール通り下着の上から着ている。だがもともと来ているショーツがTバックな紐みたいなやつだから穿いてないようにも見える。
これはかなり、すごい。
「………っ!」
やばっ、直視しすぎた。
いくら女装のレベルが上がったとて僕は男であることに変わりはない。
となれば目の前でこうしてエッチな格好されてそれを見続けていれば、当然のように生理現象は起こるわけで。
慌てて下を押さえたけど、もう遅い。
抑えたところで血流が簡単に止まるわけではなく、スイッチが入ってしまえば一気に流れ込んでいく。
その様子を、明彦はしっかりとらえていた。
「あー……ちょっと調子にのっちゃったかな?」
やはりそこは元男。わかってくれてよかった。が、あまりわかってほしくないこともあるけど。
とりあえず落ち着けば大丈夫だ。さっさとこの水着も脱いでしまって……
って、なんで僕のいる更衣室に入ってくるのかな明彦ちゃん。いや、だから更衣室の扉閉めてどーすんの。
決して広くはない更衣室に二人きり。当然明彦との距離は近い。
さっきまである程度距離を保っていた女体が接近してきたわけで、ちょっとこれは余計に体がアラートを発していて。
「わりぃわりい、正尚もオトコノコだからねぇ」
そうして僕の前でしゃがみこむ明彦。上から見ると谷間の願望が素晴らしい。
……余計に血流が!
「ちゃんと処理しなきゃいけないよね」
「って、ちょっと待っ……!?」
水着と下着をおろしてきました。そうすれば当然固くなったそれがあらわになって、明彦の目の前に。
「おおっ、正尚ちゃんの初めて見た気がするけど、結構立派ですな」
いやちょっと待て、人の下半身露出させて何してんの明彦ちゃん。いや大体何しようとしているかわかっちゃったけどさ。
「ひっ!?」
ぱくり、と僕のを咥えた、フェラ始めた。
やっぱりか! 更衣室で二人きりになって、処理してあげるなんて、ある意味エロゲ定番の展開だけどさ。
「いやー、やってみたかったんだよねぇ。こういうこっそりフェラな展開」
こっちはちっともやってみたくないっ! こんなことしてばれたらどーすんのっ!!
明彦の丁寧な舌使い。やば、結構気持ちいい。
あれか? 自分がかつて持っていたものだから何をどうすれば気持ちいいか知ってるってやつ?
元男の方がテクニシャンとか、そういうこと言いたいのか?
「明彦っ、ダメだって……」
「いやいや、けどこれなんとかしなきゃいけないだろ?」
ちょっと気持ち落ち着ければおさまることぐらい知ってるでしょうか! 絶対自分がやりたいだけだろ。
はっきり言って気持ちよすぎ。なんだか危ない声出ちゃいそうだけど必死に抑える。
手を口に当てて、少しでも声が漏れないように。
もう、限界……
「んっ……!」
体中を駆け巡る電流、それと同時に吹き出す液体。
しっかりと明彦が咥えていて、それはすべて口の中に。
試着している水着にかかるという事故は回避できたわけだ。
「ふぅ……確かにこれはクセになりそうなお味だな」
一言コメントを発し、こぼさないように丁寧に舐めとっていく。
イッたばかりで感度の高くなっているそれを舐めるなんてしてくれてるから、僕はがたがたで立っているのもやっとの状態。
「思えばこれ、贅沢なお味だな」
男が少なくなっている今、子孫のため男性の精液は補完が徹底されるべき大切なものになった。
事実、僕も今は週に1回保存提供を行っているわけであり。
それをこうして全部飲んでしまうなんて、確かに贅沢すぎることだ。
「もう、ばかぁ……」
必死になって出た言葉はそれしかなかった。


後日。
休日ともあってプールはにぎわっている。満員だ。
そんなな中、僕は水着デビューを果たした。先日購入したフリルいっぱいのビキニ。
体のラインがそれとなくごまかされているとはいえ、僕の体によく合ったそれは自分でもぱっと見男とは思えない、上質の女の子だ。
一方、明彦は……
「何故に海パン?」
男物のブリーフタイプの海パンだった。
「ふっ、このギャップがいいんだろがっ!」
胸を張って主張してる。いや実際張っているというか何もないというか、海パンだからトップレスだというか。
女子が着る男物水着、なるほど違和感はあるがどこか魅力的に見える。
ふと気が付けば意外と男物を着用している女子が少なくない。
着ているのはほとんど元男か。女物水着を買うのがめんどくさいと思ってかそれともあえてそうしているのか。
だとしても、男物、女物に限らずトップレスが結構いるのはどうなのか。
あっちでこっちでおっぱいプルンプルンなんだけど。目のやり場に困るんだけど。
「………っ!」
やばっ、気にしすぎたっ。下半身に血流が集中してしまった。
いくら体のラインをフリルでごまかしているとはいえ、これはまずいっ。
「正尚」ぽんっ
明彦が接近して肩をたたく、おっぱいが近い。
僕に送る意味深な目線、ばれたなきっと。
「ちょっとトイレ行こうか。ちゃんとケアしてあげるよ」
結局こういうパターンになっちゃうのね。




10. 男子寮

男子寮の朝は早い……わけでもないと思う。
起床時間が設定されているわけではないが、そこは集団生活、きちんとルールというものがある。
朝7時には朝食の時間、そして8時には片付けられている。
つまり、それまでに間に合わないと朝飯を食べそこなってしまう。
しかしギリギリまで寝ていたいという欲求、そのバランスから俺は7時十分前に起きるのであった。
「……今日もだな」
二段ベッドの下からはい出し、その上段を見やる。同居人がまだ寝てる。
忠宏は寝起きが悪い、大体俺がいつも先に起きてこいつを起こすのがパターン。
アラームをセットしているはずなのだが、まったくと言っていいほど役に立たない。
困ったものだ。俺がいなくなったらこいつは絶対朝食抜きの毎日だろう。
「うぉーい、忠宏。おき……ろ?」
上段に上って起こそうとして、固まった。
「んぅ……」
いまだ夢の中の忠宏。こいつの寝るときのスタイルは実にラフでタンクトップと短パンのスタイル。
目線がいったのはそのタンクトップを内側から持ち上げ、ボリューム満点のふくらみ。
わずかに寝返りを打った瞬間、ゆるくなった隙間から今にもこぼれそうな勢い。
薄い布地の下、ぽちっとした突起の存在感も確認できる。
短パンもふくらみ、腰回りの曲線を包み込んでいる。
腕も細く、顔もごつごつした感じから柔らかくなって。
つまりのところ、忠宏は女になっていた。


「で、そのままにしてきたと?」
「あー、うん。一応起きたんだけどね」
「そーかそーか、忠宏も女になったかぁ」
俺、常久は寮の食堂で朝飯を食べ3年の先輩と話しながらちょっと動揺した自分を落ち着かせていた。
あの日以来、世界は女体化が進行していた。
世界的に進むこの現象により、例外なく学校の教師たち全員が女(しかも美女!?)になった。
それだけじゃない、学校の男子生徒たちも同様。ただしこちらは体の成長が一定レベルに達したら女になるらしい。
その基準はいまだわかっていない。確実なのは数百人に一人を除いて女になるということ。
事実、この男子寮の生徒も入学時は全員男だったのに、今では半数以上が女になっている。
「うんうん、それじゃ俺が先輩として色々女の子のこと、教えてあげなきゃね」
「お前は色々危ないこと教えそうだから、却下」
そういう隣に座る幸伸は1か月ほど前に女になった。
女になったやつの反応は悲嘆にくれるか、歓喜するかの半々。
当初は悲嘆にくれるやつの方が圧倒的に多かった。当然だろう、何の前触れもなく、突然に女になってしまっては。
今まで男として生きてきた人生が全否定される。それがどれほどの恐怖か。
俺だって怖い。自分が変わってしまうことに、自分が自分でなくなってしまうのではという心配に。
しかし今ではそれに対する備えもある程度教育の形でできている。
突然女になっても動揺しないよう、最小限に抑えるための心の備え、ってやつだ。
それもあってか、それとも持ち前の男としてのスケベ根性からか歓喜するやつだっている。
女になってみたらやってみたいことなんて列挙して。目の前の幸伸がそれだったり。
今だってキャミソール着用で谷間をやたら強調しているし。要するに行動がエロい。
こんなやつに忠宏を預けたら何するか。
「忠宏君が女の子になったんだよね? それじゃ後で私が行くから」
「あ、寮長。ありがとうございます。」
俺らの会話に入ってきたのはこの男子寮の面倒を見る寮長、真琴さんだ。
当然この人も男だったのだが、今は面倒見のいい爆乳お姉さんになっている。
女になった男子寮生たちを自分の経験を活かし、親切に世話してくれるのだ。
それだけに寮生たちの信頼も厚い。なのだが……
「今日はメイド服ですか」
服に問題があった。
元々真琴さんはコミケ常連のコスプレイヤーである。
それが要因なのか、毎日日替わりで様々な衣装を着て仕事している。
本人曰く「せっかく女になったんだから男の時は着れないコスにチャレンジしなきゃ」だそうです。
要するに歓喜したタイプ。
そして本日はメイド服。それもパンチラ不可避なミニスカートに胸元が妙に空いたデザイン。
実用タイプではなく二次元妄想タイプだ。
「ふーむ、まずは身体測定して下着を……」
まじめな顔してさっそく忠宏のサポートことを考えてくれているようだ。
が、日替わりのあの衣装を見ていると俺は不安を覚えるのだが、どうだろう。


女になった自分を見て呆然としていた忠宏をそっとしておこうと思ってそのままにしてきたが、大丈夫だろうか。
寮長のご厚意であいつ用におにぎりもらって自分の部屋に戻る。
しばらくしたら寮長も来るだろう。俺は同居人としてできることはしておきたいのだが、果たして。
あいつはまだベッドで落ち込んでいるだろうか、そっと部屋の扉を開け、様子をうかがうと……
「はぁ、すごいっ。俺こんな爆乳にっ♪」
あんまり落ち込んでなかった。
あいつ、鏡の前で自分の体鑑賞しているんですけど。
魅惑を引き立たせる様々なポージング、前かがみになったり、持ち上げてみたり、自分で恥ずかしがってみたり。
それもあえて全裸にならずに。上はタンクトップを着たままポロリさせて、下は短パンをおろしてわざと膝に引っかかって。
全裸になるよりも半裸の方が妙にエロく感じることがある。あいつ、やるな。
「……はっ!? 常久っ!!」
ドアを開けて俺が見ていたことにようやく気が付いたようだ。しなを作って胸と下を手で隠しているが、エロい。
しばしの沈黙、なにを話したものかと困惑したが、先に口を開いたのは忠宏だった。
「もうっ♪ 見たかったら言ってくれればいいのに」
「……思ったより元気そうでよかったよ」
顔を赤くしているのは演技だよな?


「しっかし、でかいってのはいいものじゃないな」
女体化した事実は当然クラス中の周知となる。そして興味の対象となり同胞(つまり元男今女)に囲まれた際に言い放ったのはそのセリフだった。
男子寮ということは我々は学生だ。そして学業に専念せねばならない。
既に女性化した生徒たちは女子用のブレザースカートが提供されている。
が、今日女になったばかりの忠宏にはそんなものはない。だから元々の男子用制服を着用して今日は登校だ。
もっとも、下着については寮長がこういう時のために用意している。が、忠宏はそうはいかなかった。
「確かにでかいなお前。どのくらい?」
「Kカップだってよ。さすがにブラないってさ」
忠宏のバストは他者を圧倒するサイズだった。
女体化した連中はことごとく巨乳。最低ラインがCとかD、Fなんて普通サイズだ。
それに合わせてブラも貸し出しでいくつかストックしているのだが、さすがにないという。
そういう時は寮内でサイズの近しい人に借りたりするのだが、どうにも合わなかったらしい。
単純にカップサイズが合えばいいというわけではないようだ。
あくまでEとかFとかはアンダーバストとの差の話。つまり同じカップサイズでもアンダーが違えば合わないのだとか。
ちなみに寮長はIカップ。頑張れば貸してもいいんじゃないかと思ったが、寮長は身長があってアンダーが大きめだから合わないらしい。
そんなわけで仕方なく忠宏は本日、ノーブラで登校している。それも……
「谷間見せつけてくるなぁ」
「しょうがねえだろ、苦しいんだから」
シャツの前を第3ボタンまで外してるから、谷間見せつけてます。
男子用の制服を着てきたのだが、本人曰く全部閉めたら苦しいとのこと。だから前ボタン外しているのだが、結果谷間見せつけるエロいスタイルに。
寮長が用意してくれるまでしばしの我慢、というのだが……
「常久は嫌いか? でかいのは」
「いや、嫌いじゃないが。つーか知ってるだろ?」
そう、俺は巨乳好きだ。
先ほどから目の前にある谷間は実に興味深く、もっと鑑賞していたい気分なのだ。
しかし、さすがに同じ部屋のルームメイト本人の前で揉んでみたいとか顔をうずめてみたいとかは言えん。
失礼だという自覚ぐらいはある。だから本人がどうぞと言ったら遠慮なく、のつもりだ。
一体なぜそんなこと聞いてくるのか、でかすぎるのはダメだと思ったのだろうか?
「いやいや、実に眺めのいい」
現男子、元男子からも圧倒的視線を獲得しております。
「ちょっと触らせてくれるか? うおっ、重っ!!」
遠慮なく元男子現女子はスキンシップを図ります。
あの積極性はちょっとうらやましい。同性だから壁は低いのか? いや、同性の定義があいまいだけど。
「いやマジで重量級だよ。肩凝るって納得」
忠宏は自分が爆乳になって痛感したらしい。
「だよなー。俺も肩凝っちゃって」
「俺巨乳好きだけど、でかけりゃいいってもんじゃないよ」
「やっはDくらいがちょうどいいんじゃね?」
どうやらみんな、苦労しているようだ。
巨乳好きだとしても巨乳にはなるものじゃないという教訓か。


一日の疲れをいやすもの、それは風呂である。
体だけではない、精神も癒し……いや、みなぎらせる。
「……いい光景だ」
男子寮の風呂はそこそこ広い。それなりの人数が一度に入ることができる。
ただしガス代の節約から入浴時間は多少制限されている。シャワーだけならいつでもOKだが。
そういうこともあって多少融通は聞かせるとしても順番は特に決められていない。
つまり……
「みなさい今日もいいおっぱいですねぇ」
男子も女子も一緒だ。
最初こそ元男子は見られるのがいやだからという理由で一緒に入ることはなかったが、女子化が増え、男女比がほぼ同数を超えたころから遠慮しなくなった。
新入り1年はほぼ全員男子に対し、最年長の3年は8割が女子になっている。ちなみに俺と忠宏は2年だ。
その3年が遠慮しないから他も全く遠慮しない、という構図。
中には3年が1年をレクチャーという名目でからかっておっぱい触らせたりすることも。
裸の付き合ってこういうことか?
「そうは言うけど俺も楽しみだぜ? 皆のおっぱい見るのは」
3年の松之先輩は女になって2カ月、同学年の人たちからはちょっと遅めの女体化。
湯船につかりながらはっきり言い放ってますが、先輩もなかなかいい乳してます。
「それとカワイイ後輩のおちんちん見るものね」
あわてて下半身を押さえた。水面に揺れて見えづらいとは思うけど念のため。
「お前も進歩しねえよな」
あきれているのか馬鹿にしているのか、隣の忠宏はかみついてきた。
「お前だって普段見てただろ? 先輩たちの」
「うん、まあ、そうなんだけど……いざ自分もおっぱい持つと、ねぇ?」
自分のおっぱい持ち上げて色々思案している忠宏。手の届かなかったものが自分の目の前にいつもあることになったらその価値はぐんと下がるのか?
持ち上げ、手を放し、また持ち上げ、を繰り返すから湯の中でおっぱいがプルンプルンです。
なんという光景、目の前で恐ろしい動きが続いてます。
なまじ昨日まで男だったルームメイトがこうなっては。男だったころの姿を重ねてしまうと見ていられない。
「はぁ……やっぱり風呂はいいなぁ。おっぱいが浮いてくれるから軽くなった気分だよ」
……やはりKカップは苦労するらしい。


夜中、ベッドの中でやたら心地よい感触があるなと思っていたら、目の前にKカップがあった。
間違えた。忠宏がいた。
「……なにしてんの?」
寝ている俺に覆いかぶさる忠宏。薄いスケスケのベビードールの内側、下向きになるKカップが美しい曲線の谷間を描いており、見惚れてしまう。
いや、ベビードールってそんなもの持っていたの?
「俺、女になったら言おうと思っていたんだ」
「なにを?」
「俺……常久が、好きだっ!」
………うそでしょ?
よし、一応確認しておこう。
「その好きっていうのはライク? それともラブ?」
「ラブに決まってるだろ」
うわーい、何の躊躇もなく答えられちゃったよ。
いやたしかに仲いいよ俺ら。
ルームメイトとして遊びに行くのもあるし、エロ本買って鑑賞会したこともあって、俺女になるんだったらこういう巨乳がいいなーなんて話もして。
どっちが先に女になるかなんて談義して、どっちが先に女になったならエッチさせろとか。
………あれ?
「俺が女になったら、エッチさせてあげるって言ったよな?」
うん、そんなこと言った記憶がよみがえりました。
つーか本気にしていたの? 本気なの? 俺てっきり冗談だと思っていたんだけど。
だとしても俺のこと好きって連動しないと思うんだよね。
「俺ら、いつかは女になっちまうなって言ってたよな?」
うんうん、そんな話したよね。
「もう、男とか女とか関係なくなるよな?」
そうだね、今の社会だって男と女の区別なんてあってないような状態になってるし。
「だから、俺がお前のこと好きになったっていいんだよな?」
飛躍してね?
いや、好みかダメかでいえば好みだよ?
男の時の、忠宏の面影はあるけど女の子の顔だもん。
同一人物のはずなのに女になったとたんにかわいいって思えるなんて、不思議だよね?
おまけに今現在忠宏は体を密着させてきている。大きくて柔らかいおっぱい押し付けてきて、もう男の時の筋肉質な固い体じゃないし。
距離もめっちゃ近い。可愛い女の子の顔が迫ってるし。
告白した女子特有の恥じらいの混じった素敵な表情。そのスパイスが魅力を高めています。
つまり何が言いたいかというと、誘惑されてます。
「俺、常久のものになりたい」
さらに迫る。距離5センチメートル。
「お前、おっぱい好きだよな? これ、お前のものになっていいから、好きにしていいから」
唇が、触れそうな距離。
「俺、常久と一つになりたい」
理性を吹き飛ばしてくる。ダメ、限界。
「きゃっ」
上下が逆になる。俺が忠宏の体を引き、ベッドに押し倒し、俺が上になる。
突然のことに忠宏はずいぶんと可愛い悲鳴を上げた。
「お前散々誘惑してがって。我慢できるわけねえだろ」
下で固くなったそれをあえて押し付けてやる。俺のけだものに火をつけてくれたことを知らせてやる。
こいつもつい昨日まで男だった。だからそれが何なのか、俺がどういう気持ちかはわかっているはずだ。
怖がっているか? 戸惑っているか? 表情にはそんな様子もうかがえる。
しかしそれも一瞬のこと。忠宏は俺の爆発しそうになっているそれに服の上から触れてきた。
「あたりめーだ。つい昨日まで俺だってこれ、持ってたんだぞ」
おいおい、何で泣きそうな顔してんだよ。
あれか? 女になって考え変わって涙もろくなったのか?
何に泣いてんだよ。男でなくなったことに悲しんでるのか? それとも襲われそうになって怖くなってんのか?
それとも、うれし泣きか?
「その前に聞かせろよ。俺のこと、好き?」
今まで見たことのない笑顔で尋ねてくる。忠宏って、こんなに可愛かったのか?
こんな笑顔に、勝てるわけがない。
「ああ、好きだ」
瞬間、忠宏はぎゅっと抱きついてきた。
そして、キス。
あー、俺にとってこれがファーストキスなんだよねぇ。
そんなこと考えたのは一瞬のことで、すぐに濃厚なキスの嵐にかき消されてしまった。
舌を絡めるこんなキスの方法、こいつどこで学んだんだ? それにしてもちゃんと歯磨きしておいてよかった。
「ねえ、きてっ♪」
もう遠慮はいらなかった。
互いに一糸まとわず、存分にお互いを堪能した。


……朝ですね。
昨晩は、童貞卒業でした。
初体験、やり方なんてそっち系の本で学んだにわか知識みたいなものですけど、いや本当に気持ちよかったッス。いやもうすいません。
もうお互いへとへとになるまで、限界までやりまくっちゃいまして。残弾ゼロです。
喘ぐ忠宏は可愛かったなぁ。すっかり女の子になっちゃった忠宏に俺もメロメロですよ。
入れられるたびにかわいい声を出して喘いじゃってまあ。あれをこれからも独り占めにできるわけですね。
ふと目を覚ましてお隣を見ればその忠宏がすやすやと寝ていた。
うん、かわいい。そして迫力のKカップが鎮座しております。
昨晩も十分堪能させていただきました。ぷるんぷるん揺れるそいつは男心を刺激します。
せっかくですから今も堪能させていただきましょう。もう俺のものだもんね。
触ってみる、揉んでみる。
うんうん、いいねぇこの何とも言えぬ揉み心地。
手に吸い付いてくる感触、心地よい弾力。いくらでも好きにさせていただきましょ。
……あれ? なんか、俺の手、おかしくね?
妙に白くないか? 細くないか?
腕も全然筋肉がないんだけど。そこまでトレーニングしているわけではないが、平均的男子の腕レベルに筋肉はあるはずだが。
と、ここにきてようやく違和感が。
昨日残弾使い果たすまで使用した俺のマグナム。ちょっと酷使してたから疲れているのかんと思っていたが、今全く感覚がない?
いや、感覚どころではない。下に手をやったら、物体そのものがない!?
慌てる。青くなる。
慌てて身を起こし、下をのぞき込もうとしたら……急に肩に負担が。
下を覗き込む前に、その手前に存在するものに気が付いた。
先ほど朝一堪能した忠宏と比べたらずっとボリュームは低めだが、規格的には大きい方に入る物体。
二つの丸い、魅惑的な果実が俺の胸に。
「………おっぱい?」


「ゆうべはおたのしみでしたね」
「……ああ」
「そして初めてが最後になったわけか」
「……ああ」
頭の一部がまだ起動していない。というよりショックで一部オーバーヒートしたのだろうか。
食堂でただ黙々と目の前に用意されている朝食を口に運んでいる自分がいた。
いきなり女になるって、こういうことなんだな。
告白してカップル成立で初エッチで、その直後に女体化かよ。
体の成長時期考えればそろそろあるかもしれないとは思っていたものの、このタイミングなんて悲惨。
いや、かえってよかったのか? 初体験することができたんだから。
しかしなぁ、もっとしたかった気持ちもあるが。
「大丈夫だよ常久。今はいろんな道具があるから」
隣で同じく朝食を口にしている忠宏は思いのほか上機嫌だ。
今日は寝起きがいい。朝だからラフなタンクトップ姿だが、Kカップが収まりきっておらず横乳が目立つ。
せっかく告白したのにその相手が女になってしまってもさしてダメージは受けていないようだ。
初体験することができたからよしと思っているのか? 告白してOKだったからよしということか?
ところで道具って何のこと?
「ふふっ、俺は大丈夫だからな。女になっても好きだから♪」
根が男だからな、俺が女になってもOKなのは当然か。
「今度は、俺が常久のことをアンアン言わせて、あ・げ・る♪」
素敵な笑顔で迫られた。大勢のいる食堂でとんでもない発言してんじゃねーよ。

いつもの思い付きの短編集です。
思い付きだからひょっとすると続きを書くかもしれない。

17/4/12 ちょっと追加
XJ
0.1250簡易評価
15.100きよひこ
素晴らしい。
17.100きよひこ
続きもぜひ!吉幸くんのTS楽しみ。
22.100きよひこ
素晴らしいですね
29.100enoch
エロゲのシナリオ書いて欲しいぐらいいい
相変わらずのクオリティです
32.100enoch
そろそろ次の作品欲しいです!
35.無評価きよひこ
XJさんの新作まだかなー
36.無評価きよひこ
XJさんの新作まだかなー