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DASH

2017/02/16 11:01:31
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「すげぇ・・・本物だ・・・」
公衆トイレの鏡の前で上着を肌蹴た格好の俺は、誰に言うでもなく呟いた。
鏡に映る俺の姿はひどく滑稽に映っていた。
首から上は俺のままなのだが、問題は首から下にあった。
小さいながらも胸は膨らみ、腰が引き締まっている。
臀部は柔らかく丸みを帯び、紛れもなく女の体になっているのだ。
生まれてからずっと一緒にいた相棒の姿は影も形もなく、ただ平坦な丘になっている。
原因は当然ながらハッキリしていた。
学校で流行っているゲームアプリ[DASH]。
そのアプリが俺の体をこのように形作っている。

ことの発端は今朝のことだった。
たまの休日、家には誰もおらずやることのなかった俺はアプリストアで面白そうなゲームがないか探していると、レビュー評価は高いがダウンロード数が著しく低いアプリを見つけた。
それが[DASH]だった。
ランキング上位にあるアプリは軒並みやりつくしていた俺にとっては、暇つぶしにもならないだろうと思っていた。
モノは試しと俺はすぐさまに、そのアプリをダウンロードした。
数十秒でインストールが終わり、ゲームを起動する。

《プレイヤーネームと情報を入力してください》

モニターに表示されたとおりに俺はステータスを入力した。
身長や体重、血液型までまるで履歴書でも書いているような気分だった。
入力が終わると、今度はカメラが起動した。
間違ったところを押したのかと確認してみたら、上の方に

《顔グラフィックを登録します。中央のマークに顔を合わせてください。》

と表示されていた。
なるほど、一からアバターを作るのではなく、顔は写真を使うのか。
俺は指示されて通りに顔写真を撮影した。
すると、数秒のロード画面のあとに俺そっくりなアバターが出来上がっていた。
おそらく先ほど入力した情報を基にアバターが作られたのだろう。

《ようこそ[DASH]の世界へ》

チュートリアルが始まる。
俺の姿をしたアバターが道路に立っている。
どうにもワールドマップに見覚えがある。
それもそのはず、そのマップは自分が住みなれている町そのものだったのだから。
「へぇ、結構リアルに出来てるんだな。」
その完成度に感嘆しながらも、チュートリアルを進めていく。

《まず貴方にはこの装備をお渡しします。》

《 DASHブレード を手に入れた》

言われるがままに手渡された武器はすぐに装備された。
モニターをスライドすると、その方向に剣が振り下ろされる。
なんとなくゲームの概要が掴めてきた気がした。

《それでは実際に町を歩いてみましょう》

モニターにはそう書かれていたが、アバターの動かし方が分からない。
試しに自分が動いてみると画面内のアバターも動き出した。
ちょっと前に流行ったなんとかGOみたいな感じか。
面白くなってきた俺は近くの公園まで歩いていくことにした。
たどり着くまで、画面を見ていなかったが別段モンスターが出てくるようなこともなかった。
公園には子供が数人とお爺さん、それと子供の母親だろうか若い女性が数人いた。
気にも留めずベンチに座った俺は、画面に変化がないか確認する。
表示された文章に俺は少し驚いた。

《カメラを近くにいる人に向けてください》

まるで盗撮を促すかのような文章。バレたら犯罪になりかねない。
しかし、好奇心はそれを上回った。
幸いにも、GOが流行ったおかげで端末を手にしたまま周りをキョロキョロと動かしても誰も怪しまなかった。
俺は一番近くにいた母親らしき女性に端末を向けた。
その女性はニットのセーターとパンツスタイルで、シュッとしたスタイルだった。
カメラが女性を捉えると《DASH MODE》と表示された。
チュートリアルはなおも続く。

《画面に映った人物をスライドで切ってください。今回は初回ということで線の通りにスライドしてください。》

ちょうど女性の首を切り落とすように線が引かれている。
「悪趣味なゲームだな・・・」
そう呟きながらも、たかがゲームと感じ言われたとおりに線をスライドした。
するとアバターが動き、画面内の女性は首から上がスパッと切り落とされた。
だが、予想以上の出来事が起こった。
女性の体が消失したかと思うと、次の瞬間、画面に女性が再び現れたのだ。
しかし、その体は先ほどまでのスレンダーな体型とは異なり、どこかゴツゴツとしている。
それ以上に、女性が纏っている衣類に見覚えがあった。
紛れもなく、それは俺が着ていた衣類とまったく一緒だった。
驚き、画面から女性の方へと目を向けると、画面と同じように女性の体形や服装が変わっている。
もう一度、画面に目を戻す。
自分のアバターを見てみると、よくは見えないが形が確かに変化している。
操作しようとした自分の指を見て再び俺は驚いた。
自分の指にしては、えらく細くしなやかだったのだ。
俺はすぐさまに自分の体を見た。
先ほどまで女性が着ていた服をそのまま自分が着ている。
サイズが合うはずもないのに、なぜという疑問が浮かぶ。
恐る恐る胸と股間に手を伸ばす。
胸には小さいながらも柔らかい膨らみがあり、股間に伸ばした手は何も触れずただ平坦な丘を撫でるだけだった。
俺は逃げるようにトイレへと駆け込み、上着を肌蹴た。
そして冒頭に至るというわけだ。

そっと膨らんだ胸を掴む。
手のひらから伝わる柔らかい感触と、胸から伝わる触られているというむず痒い感覚。
なんとも言えない感覚が押し寄せてくる。
ちょっとずつ、じんわりと体の奥底が熱くなってきた気がした。
いつもなら熱く固くなる相棒が何の反応も示さないもどかしさから、俺はズボンを超えてパンツの中へと手を伸ばした。
何もないように見えるソコは、しっとりと濡れていた。
「うっわ・・・」
恐る恐る指を溝に這わせていく。
相棒を擦った時よりも強い快楽。俺の指は止まることなく擦り続けた。
「あっ・・・はぁ・・・っ!すげぇ・・・っ!」
口から漏れ出る声は俺のままだったが、そんなものは気にならない。
意を決した俺は、ついに穴へと指を押し入れた。
入れられているという異物感と同時に比べものにならないほどの快感。
俺は一心不乱に指を出し入れした。
最初はバレないように押し殺していた声も次第に大きくなっていく。
「く・・・っ・・・イクっ・・・!」
荒波のように押し寄せてきた快感が体の芯を貫き、頭の中が一瞬で真っ白に染まった。
初めて経験した女性としての絶頂。
俺は息を切らせながら余韻に浸っていた。
なんだか物足りない感じがした俺がもう一度自慰行為に浸ろうとした時だった。
「坊主も虜となった口か?」
どこからかしわがれた声が投げかけられた。
すっかり忘れていたが、俺が今いる場所は公園のトイレ。誰かが入ってきてもおかしくはない。
声の下方向を向くと、先ほど公園にいたお爺さんが立っていた。
慌てて逃げようとする俺の腕をお爺さんは掴んだ。
掴んできた手は老人のモノにしては瑞々しく張りがあった。
「そう逃げようとしなさんな。お前さんもDASHユーザーじゃろ?」
その言葉に俺は走らせようとした足を止めた。
間違いなくお爺さんもDASHのユーザーなのだろう。
「もしかしてあなたもですか?」
「そうじゃ。見たところ、まだ初心者のようじゃな。ここじゃあなんじゃ、一度外に出ようかの。」
確かにトイレの中で会話し続けるのもおかしな話だ。
俺はお爺さんに連れて行かれるままにベンチへと戻っていった。
先ほどまで立っていた、俺が体を奪った女性の姿がどこにもないことに気が付いた。
背筋が凍るような感じがした。
このままでは元に戻れないのではないか。
「その顔は元に戻れないかと心配しているな?」
俺の心中を察したのかお爺さんがニヤニヤと笑ってくる。
此方は慌てているのに何やら楽しそうなお爺さんに腹が立った。
「そう案ずるな、対処法はある。」
お爺さんに言われるがまま、端末の画面を開いた。
まだチュートリアルを終わらせていなかった俺の画面には、先ほどまでと同様に次にやることが表記されていた。

《DASHの楽しさはご理解いただけましたか?次は右上のコレクションをタップしてください》

言われるがままにタップする。
画面いっぱいに枠のようなものが無数に表示された。
一つ目の枠と二つ目の枠にのみ人間の体が表示されている以外は全部空欄になっていた。

《それでは此方をタップしてください》

言われたとおりに一個目の体をタッチする。
すると、俺のアバターの胴体が先ほどまでの女性のモノから元の体へと戻った。と同時に俺自身の体も元に戻っていた。
「このコレクションにある体はいつでも呼び出すことが出来る。ただし、所持上限が決まっておるうえ、枠がいっぱいだと新しく獲得することも出来ぬから気をつけろよ。」
お爺さんが端末を覗き込みながら教えてくれた。

《これでチュートリアルは終わりです。これから様々な機能がレベルアップと同時に解放されます。ぜひ楽しんでください》

そう表示された後、端末は最初の地図画面に戻っていた。
「このアプリはいろんなことが出来る。例えば・・・」
お爺さんが端末を近くを歩いていた小学生の女の子に向けた。
そして指で画面をスライドする。
きっとDASHを使ったのだろうことは簡単に予想がついたが、お爺さんの外見にはパッと見ではなんの変化も見当たらない。
「ここじゃよ。」
お爺さんが足元を指さすと靴が先ほどの小学生のモノに変わっていた。
「こうやって斬る場所を絞って奪取することも出来る。」
説明を終えたお爺さんは足を元に戻し、どこかへと去っていってしまった。
アプリの使い方を覚えた俺は興奮が止まらなかった。
「これはすげぇ!もっと遊んでみよう!」
俺は公園をあとにし、もっと人がいる場所を目指した。

ちょうどよく昼飯も兼ねて近くのファミレスへとやってきた。
まだやれることは他人の体を斬っては奪うことだけだ。
このアプリには珍しいことにガチャのような機能はない。
そのため、何をするにもまずはレベルを上げないといけない。
何かやれることはないかと画面を眺めていた俺はレベルが2に上がっていることに気が付いた。
最初のうちはきっとレベルが上がりやすいのだろう。
「お待たせいたしました。」
端末と睨めっこしていた俺の前に料理が運ばれてくる。
運んできたウェイトレスの手に俺は目を奪われた。
指先が細くしなやかで、とても綺麗だったのだ。
俺はすぐさまDASHを使おうとしたが、すぐにウェイトレスは下がっていった。
「なんとか止められたらいいんだがなぁ・・・。」
画面を眺めていた俺は端に動画のストップボタンのようなものがあることに気が付いた。
もしかするとこれは・・・。
万に一つの可能性に賭け、俺は先ほどのウェイトレスを呼び出した。
「あ、すいません。追加でこれもお願いします。」
俺は追加注文をし、料理が運ばれてくるのを待つ。
今この場でカメラを向ければ怪しがられてしまう。
少し待つと、ウェイトレスが料理をテーブルに置いた。
俺は端末を操作するふりをして、カメラの中心に彼女の手が入るように写し先ほど見つけたボタンを押した。
「ごゆっくりどうぞ。」
そう言い残すとウェイトレスは厨房へと戻っていく。
一方で俺の端末には、想像通り画面の中にウェイトレスの手が残ったままになっている。
これで慌てて斬ることなく、ゆっくりと確実に落としたい部分を斬ることができる。
公園で老人が動き回る小学生の足を上手く斬れたのはおそらく、この機能を使ったからであろう。
俺はさっさと食事を済ませ、急いでファミレスのトイレへと駆け込んだ。
個室に駆け込んだ俺は抑えきれない鼓動を落ち着かせるように、深呼吸をした。
そしてゆっくりと画面の手首の辺りをなぞっていく。
今回は変化がよく見て取れた。
端末を持っていた俺の左手が明らかに白く小さくなっていた。
試しに右手と合わせてみても大きさは見るからに違っている。
俺は即座に奪取した左手で自分の相棒を握ってみた。
自分で触っているのに、明らかに普段と異なる肌触りからまるで女性に触られているような錯覚を感じる。
目を閉じながら優しく緩急をつけながら、手を前後に動かした。
いつもやっているはずの自慰行為なのに、ただ手が違うというだけで感じる快楽も違っていた。
「これ、癖になりそう・・・っ」
何度も何度も前後運動を繰り返しているうちに、いつしか俺は子種をトイレの中へと吐き出していた。
「男だと・・・そんなにポンポンと出せないな・・・」
余韻に浸っていた俺は、息を整えながら呟いた。
端末のコレクション画面を開くと、公園での女性の隣にウェイトレスの姿が追加されているのが見て取れた。
手だけを奪取したが、コレクションには全身が表示されている。
おそらく、どこか一部分でも奪取すれば全身が追加されるのだろう。
トイレの扉が不意にノックされた。
ここがファミレスだということを忘れていた俺は慌ててトイレから外に出た。
会計を済ませて店を出ようとしたとき、手を奪ったウェイトレスの姿が目に入った。
彼女は左右の手が違うものになっていることなど気にも留めずにあくせくと働いている。
「これはもしや・・・。」
俺は試しにストップ機能を上手く活用し、彼女の足の部分を付け根から奪取した。
一瞬にして、俺の背丈がやや縮んだような気がする。
腰ではなく足の付け根を取ったため、ウェイトレスのスカートからは先ほどまでの綺麗な曲線を描いた脚ではなく、毛が生えたゴツゴツとした俺の脚が伸びている。
当然、それに合わせて彼女は背丈も伸びているはずである。
それでも、ウェイトレスはおろか周囲の客も何も言わない。
俺の予想通りのようだ。
このアプリで奪取したものを認識できるのは俺だけのようで、周囲の人間、奪われた側すらからも今まで通り何も変わらないように見えるのだ。
つまり俺がどれだけ他人の体を奪ったところで、周囲から見れば俺は俺のままであり、仮に女性の体を奪っても他人からは男性として認識されるというわけだ。
「ちょっと困ったな・・・」
少し使い道を考えていた俺は、その使い方が出来ないと知り落胆していた。
もしかするとレベルが上がれば、あるいは。そう思い俺はどんどんと機能を使うことにした。

《Unchained System》

画面にそう表示されている。
文面だけ見れば何か機能が解放されたのだろう。
何が解放されたのか説明がないのは不便だ。
駅前までやってきた俺は、待ち合わせを装い周囲に良さげなターゲットがないか物色した。
ここまでかなり時間を使ってしまい、あたりは少し薄暗くなっていた。
それほど都会ではない俺の町の駅でも帰宅途中のサラリーマンなども多く見受けられる。
そんな中、酔っ払いと思われる二人組の男女が目に入った。
男の方は小太りで頭髪も薄く、いかにも中年といった容貌だったが、OLだろうか女は比較的に若く、綺麗目の格好でスタイルもよかった。
OLに狙いをつけた俺は運よく駅前の噴水で腰かけてる二人に画面を向けた。
そして、慣れた手つきでOLの首から上を切り落とす。
すると今までとは違い、画面に新しい表示が出された。

《誰を対象としますか?》

文字の下にはターゲットと書かれたボタンと、自分と書かれたボタンが配置されている。
どういうことだろうか、まったく分からない俺は適当にOLの隣にいたオッサンを画面に捉えターゲットボタンを押した。
「・・・ん、なんだ?・・・!?なんだ、これは!?」
噴水の前に座っていたオッサンが突然に慌てだす。
その隣ではOLが金切声にも似た叫びをあげた。
「何これ!?私の体、どうしちゃったの!?」
「なんだ、俺がスカートを穿いている!?なんの冗談だ!?」
この機能の使い方はかなり面白い。
今までは俺の体が変わっていたのだが、今度は他人同士のパーツを交換することが出来るようだ。
それでいて、当人たちは変化が分かるが周りは従来通り変化に気が付かない。
噴水の前にはナイスバディな禿げた中年のオッサンと、脂ぎった小太りな体型のOLがいる奇妙奇天烈な二人組がいるにも関わらず、他の人たちは気にも留めずに立ち去っていく。
「お、おお!!これは気持ちがいいぞ!?」
「ちょっちょっと!!やめてください!」
酔っているオッサンは性欲に任せて自分のものになったOLの巨乳を揉みしだいている。
一方のOLは訳もわからず、少し涙目になっている。
このまま放っておいたらオッサンがどこまでやらかすのか気にはなったが、さすがにOLが可哀想になった俺は画面にあったリセットのボタンを押した。
すると、二人の体は何事もなかったかのように元に戻った。
オッサンはやや名残惜しそうにしていたが、OLはすぐにオッサンから離れて走っていった。
俺はOLが走っていく少し前にストップボタンを使い、画面に残した状態にしていた。
そして、公園の時と同様に首の部分で切り落とした。
足先が窄められているような窮屈な感覚と、足に直接空気が当たるような感覚を覚え下を見下ろす。
目下、大きな脂肪の塊がありそれより下は見えない。
近くの窓ガラスに映る俺は、上下ともに黒のスーツで下はスリットの入ったスカートを穿いていた。
当然、頭部は俺のままだ。
俺は慣れないハイヒールに転びそうになりながらも自宅へと急いだ。

家に帰ってきた俺は、誰もいないことを確認するとすぐさまに風呂場へと直行した。
脱衣所でリクルートスーツを脱ぎ散らかす。
脱いだ瞬間から、スーツは今まで俺が来ていた服に変わった。
なるほど、俺の身から離れると元に戻るというわけか。
そんな新しい発見をしつつ、全裸になった俺は浴室へと入る。
目の前に配置されている姿見には、大きく張り出した形のいい胸と細く括れている腰を持った俺の姿が映し出されている。
「では早速・・・。」
湯船に肩までつかると、先ほどまで感じていた重みが消え、胸がお湯に浮かびはじめた。
なんとも面白い感覚で、俺はふざけ半分に胸を沈めたり持ち上げたりして遊んだ。
そうしているうちに段々と先端部分が固くなっていき、股間の奥からは切ないようなじゅんとした違和感が押し寄せてきた。
湯船につかったまま股間の穴へと指を捻じ込む。
指が入ってくる感覚と同時にお湯が中へと入ってくるのが分かった。
無我夢中で指を出し入れしていく。
何度も何度も繰り返していくと、体の奥底から湧き上がるような波が押し寄せ、いつの間にか俺は絶頂を迎えていた。
「やっぱ女の方が・・・すげぇ・・・ハァ・・・」
しかし、指では物足りなくなった俺は早々に浴室から退室し、自室へと急いだ。
何かいいものはないだろうか、そう探している俺は辺りを見回した。
手元にあったのは、据え置き型ゲームのコントローラー。
邪な考えが浮かんだ俺は、すぐにゲーム機を起動した。
そして部屋にあった姿見の前で開脚し、自らの股間をこれでもかと見せつけた。
その様相は、かなり破廉恥なもので、自分の体だとわかっていても興奮が抑えきれなかった。
ふと疑問に思った俺は、携帯端末のカメラを起動し自分の姿を鏡越し、直接と2通りのパターンで撮影してみた。
もちろんDASHではなく、通常のカメラだ。
写真をすぐに確認したところ、どちらもいつもの俺の体が写っているだけだった。
つまり、周囲からはこのように見えているということなのだろう。
なんとなく謎が解けたところで、ゲーム機が起動した音を発した。
俺は、設定の項目へとカーソルを動かす。
ここにはコントローラーの振動を調整する項目がある。
俺はそこのバーを最低に落とした。
そして、汚れないようにコントローラーを薄いタオルで包み込み、股間へとあてがった。
そして、振動テストに合わせたボタンを押す。
刹那、俺の股間で激しく振動するコントローラー。
なんともむず痒いような、心地よいような感覚。
少しずつ少しずつ振動強度を上げていく。
途中から快感が強くなりもはや俺は声を押し殺すことも忘れていた。
残念ながら、俺の口から出てくる声は俺のままなのでムードもへったくれもなくなってしまう。
だが、そんなことは気にもならないほどに止めどない快楽が襲ってくる。
「く・・・っ・・・イクッ・・・!!」
今までに感じたことのない衝撃が背中を伝い、俺は腰を高く上げ股間からは粘り気のある液体を姿見に向かい吹きかけた。
まるで全力で走ったかのような脱力感と達成感が体中を駆け巡る。
息も絶え絶えに、俺が吹き出した潮を拭き取る。
コントローラーを包んでいた布もびっしょりと濡れていた。
ふと携帯端末を確認する。
そこには親からの旅行へと行くという連絡が入っていた。
どうやら当分の間は自宅で一人で過ごすことになりそうだ。
これなら俺がどんなことをしても大丈夫になるのだろう。俺の心は躍っていた。

朝、目が覚めた俺は自分の体を確認した。
昨晩、OLの体のまま眠ったはずだったのだが、元の体に戻っている。
つまり、俺が眠ると意思に関係なく体はもとに戻ってしまうというわけだ。
このままキープ出来たりするようになるのだろうか?
まだレベルが上がるには経験値が足りてないようだ。
俺は獲物がいないか近所を歩き回ることにした。

まだ昼前ということもあり、人通りは少ない。
ぶらぶらと歩いていると、昨日訪れた公園まで来ていた。
公園では小学5,6年生ぐらいだろうか、男の子と女の子が遊んでいる。
大概、このぐらいの年になると男の子と女の子で別々に遊ぶようなものだと思っていたが、例外というのもいるもんだ。
公園でボーっと立っていると、足元にビニールのボールが転がってきた。
「すいませーん!」
遠くからさっきの小学生が走ってくる。
俺はボールを手に取り、彼らに受け渡した。
「キミたちは仲がいいんだね。」
「はい、僕と明美ちゃんは大人になったら結婚するんです!」
男の子の方が力強く答えた。女の子はちょっと恥ずかしそうにしている。
いかにもワンパク小僧といった風貌の男の子に対して、女の子はフリルの付いたスカートにTシャツとオシャレしているようだ。
「そうだ、キミたちがもっと仲良くなれるおまじないをお兄さんは知っているんだ。」
「どんなものですか!?」
食いついてきたのは意外にも女の子の方だった。
やっぱり、色恋沙汰は男よりも女の方が早いのだろう。
俺は二人に向かってDASHを起動した。
「まぁ、ちょっと見てな。」
幸いにも彼らの親らしき姿は見当たらない。
最近ではちょっとでも怪しければ即通報だからな。
DASHでまず女の子の首から下を切り落とす。
そして、男の子を対象としてターゲットを押した。
「よし、終わったよ。」
そう言い、俺は二人に自分の体を見るように言った。
「あれ!?僕、スカート穿いてる!?」
「太郎くん、それ私のスカートだよ!?」
何が起こったのか分からない様子の二人はどうにも混乱しているようだ。
「ない!?僕のチ○チンがないよ!?」
男の子が自分の股間を必死に弄っている。スカートを捲りあげているために、可愛らしいデザインのパンツが丸見えだ。
一方で女の子も自分の股間に手を当てたかと思うと顔を真っ赤にして黙り込んでしまった。
そうやって遊んでいると、レベルアップの表示が現れた。今度はいったい何が解放されたのだろうか。
実験も兼ねて彼ら二人にカメラを向ける。
すると、先ほどまではなかった細かなプロフィールが表示されるようになった。
試しに男の子の性別の欄を指でスライドすると、動かせる。
もしやと思い、俺は男の子の性別を女の子の性別に重ね合わせてみた。
すると、男の子と女の子の性別の欄がそっくりそのまま入れ替わった。
見た目には変化がない。
何が変わったのか、予想はできていたが確信がない。
未だに二人は自分の体を弄っては慌てている。
そこに母親だろうか女性が近づいてきた。
「ほら、お昼だから帰るわよ。まったくこんなに泥だらけになって・・・女の子だからもっとはお淑やかにしなさい。」
そう言うと女の子の身体になった男の子の腕をつかんで帰っていってしまった。
今までは頭部の性別が他者における認識だったため、普通なら例え体が女の子になっていたとしても男の子は男の子だったはずだ。
しかし、今の会話では完全に男の子のことを母親は女の子として扱っていた。
つまり、彼はすでにこの世界で女の子として認識されるようになったのだ。
試しに普通のカメラで目の前の女の子を撮ってみると、写真には肉眼で捉えたものと同じ様子が写っていた。
なるほど、これは面白い。
おそらくこうなった場合は、例え頭が女の子で体系的に違和感がなくともスカートを穿いてしまえば変だと周りに言われるだろう。
新しい機能に可能性を見出した俺は呆然とする元女の子を置き去りに町中へと飛び出していった。

少し足をのばしてみよう。
俺は電車に乗り少し移動範囲を広げることにした。
あまり人は多くなかったが、電車で揺られているとちょうど目の前にブレザーを纏った女子高生が二人ほど乗ってきた。
二人は友達のようで、仲良さそうに会話している。
片方はごく平均的な顔立ちで、ごく平均的な体型だがもう一方はモデルかと思うぐらい顔立ちは整っており、身長も高く、折り曲げられたスカートから伸びる脚線美は目を引くものだった。
俺は会話に夢中になっている女子高生に対しDASHを起動し、美少女の首から下を斬り自分のモノと交換した。
それと同時に性別も一緒に置き換える。
一瞬で足元がスースーと風が通るようになった。
下を見れば彼女たちが纏っているブレザーと同じものを俺が今、着ていた。
そして、彼女たちの方を見ると先ほどまではただ仲良さそうなだけだったのが、雰囲気が若干変わっている。
手を絡めるように繋いでいたり、俺の体になった女子高生は顔を赤らめたりしている。
なるほど、俺のデータと入れ替えると奪われた人間の認識も変わるのか。これは都合がいい。
彼女たちは元は親友同士だったのかもしれないが、今では男女の関係、すなわち恋人同士なのだろう。
俺の目線に気づいたのか、俺の体になった女子高生がもう一方の手を引いて電車から降りて行った。
彼女らが降りていったあと、数駅を乗り俺は目的の駅に降り立った。
ここには小さいながらもスーパー銭湯があり、この時間なら人も多く入っているだろう。
今の俺は女なのだから、当然入ることができる。
わくわくしながら銭湯へと歩みを進める。
道中、すれ違う男どもがチラチラと此方を見てくるのが分かる。
顔は俺のままなのだが、周囲にはいったいどう映っているのだろうか?
体の元の持ち主のように美少女に映っているのだろうか。ともすれば、周囲の視線というのは見られる側は簡単に分かってしまうものだ。
そうこうしているうちに、目的地にたどりついた。
俺はすぐさま銭湯の入浴券を購入し、女風呂へと急いだ。
慣れないブレザーを脱ぎカゴへと入れていく。
前と違い、脱いだ服が元に戻ることはなくそのままカゴへと収められていく。
裸になるとわかったが、どうやらこの体は着痩せするタイプのようで、外見では分からなかったが割と胸が大きい。
全て脱ぎ終えた俺は急いで銭湯へと入っていく。
脱衣所に衣服があったので誰かがいることは明確。
ワクワク感を抑えずに中へ入ると、そこにいたのはオバサンという年齢だったり、もはやお婆さんレベルの人々ばかり。
ガッカリした俺は大人しく湯船に浸かることにした。
大人しく大浴場から上がった俺は元着ていたブレザーを鞄に仕舞い、浴衣を纏ってからちょっとした休憩室のようなところへとやってきた。
「まぁ、そう何でも上手くはいかないか。」
湯上りの火照った体を冷ますように、ソファへと腰かける。
休んでいる間も周りからチラチラと視線を感じた。
やや鬱陶しくなったが、自分の体を見ればそうなってしまうのも無理はない。
慣れない女性の体で浴衣を着ているために、胸のあたりがかなり緩くなっているのだ。
よく見れば目の前のオッサンの股間は大きく膨れ上がっている。
間違いなく俺の胸を凝視しているのもわかった。
せっかくなのでちょっとからかってやろう。
俺はわざと浴衣の隙間を見せつけるように開く。
と同時にオッサンの目が大きく見開かれた。
距離はあるし、周りの目もあるので襲われることはないだろうけど、あまりに荒い鼻息に嫌悪感さえ覚える。
俺の行動はさらにエスカレートし、今度は大きく足を開いた。
当然、浴衣で大きく足を開けば下は丸見えになる。
そして浴衣であるために俺は下着類を一切身に着けていない。
扇風機から漂う風が俺の股間を通り抜け、倒錯的な快感をもたらす。
オッサンはもはや俺から目をそらせない。
火照った体を鎮めるためにここにいるのに、俺の体は逆に熱くなっていき、股間からは興奮の証が流れてくる。
「もう我慢できん!」
叫び立ち上がったオッサンは一目散に俺の方へと向かってくる。
待ってましたと言わんばかりに俺は事前に準備していた俺本来のプロフィールから性別の項目だけを元に戻す。
刹那、先ほどまであれだけ興奮し自己主張していたオッサンの股間がみるみると縮んでいった。
元に戻したことで俺は他人から見て男であるという認識になる。
つまり、オッサンは目の前の男に対して欲情したというふうに認識されるのだろう。
きっとオッサンは混乱しているだろう。
自分は男に欲情していた事実と、そうではないと思いたい理性がせめぎ合っているはずだ。
訳が分からないままオッサンは行き場を失ったであろう性欲を持て余し、休憩室から出ていった。
あまりに滑稽な様子に俺の口元からは笑いがこぼれた。
俺は性別をコレクション画面から女子高生のものと入れ替え、自分の性別を女にしてから更衣室に入りブレザーを身にまとった。
下着はつけ方が分からなかったために、とりあえずは鞄に仕舞っておこう。
スーパー銭湯から出たときには既に辺りは暗くなっていた。さっさと帰って今度は一人でこの体を楽しもう。

帰り道、電車は来た時に比べると混雑しており、まさしくすし詰め状態だった。
かろうじて乗ったために扉に押し付けられる形になった。身動きは取れそうにない。
大人しく乗っていると下腹部に違和感を感じた。誰かに臀部を触られている。
恐る恐る足元を覗くと、ゴツゴツした男の手が俺の尻を触っているのが見えた。
間違いない、痴漢だ。
怒りもあったが、なにより恐怖心が勝った俺は黙ったまま誰かに触られているのを我慢していた。
みるみるうちに誰かの手は俺のパンツの中へと入りこんでくる。
それとは別の手で俺の胸へと手が伸びた。
「おや、ブラを付けていないなんて。とんだ変態さんだ。」
低い男の声が耳元で囁かれる。
成す術もないまま、俺は男にされるがままの状態だった。
恐怖もあるのだが、体は興奮していた。
男の指が俺の股間に入り込む。刹那、脳髄を貫くような痛みと快感が襲い掛かった。
今まで自慰行為をしたときは、自分の指、すなわち細くしなやかな女の指だったのだが今回は違う。
太く厳つい男の指が、それも自分の意志とは関係なく膣内に潜り込んでくる。
快楽で足の力が抜ける。しかし男は俺の胸を揉んでいるために無理矢理のような形で立たされていた。
そのまま男が前後に指を動かす度に、俺の脳は警鐘を鳴らす。
このままやられているとヤバい。
ちょうどよく次が俺の降りる駅だ。そして開く扉もこちら側。
なんとかあと3分耐えきればいい。
なおも執拗に続く男の指使いに何度かイかされかけるも、気力を振り絞り俺は無事に自宅の最寄り駅へとたどり着くことができた。
降りた後に後ろを振り向くも痴漢の姿はない。
ホッと一安心したのと同時に、中途半端に終わってしまったために股の奥の疼きは止まらなかった。
「さっさと帰ろう・・・」
俺は自分の体から出た粘液で濡れ、気持ち悪くなった下着を駅のトイレで捨て自宅へと急いだ。
無事に家にたどり着いた俺はすぐさま自室で服を脱ぎ捨て自慰行為を始めた。
しかし、自分の女の指ではどうにも満足できない。
先ほど体感した太さをどうしても求めてしまう。
「どうしたものか・・・」
ふとDASHを開くと新しい機能が解放されていることに気が付いた。
今度はなんとコレクションからパーツを選んで組み合わせることが出来るというものだった。
何故、今回は説明書きが現れたのだろうか。
もしかするとアプリそのものがレベルアップしている可能性がある。
俺はその辺の疑惑はあとにし、コレクションから自分の元の体を選択し、右手を自分のものに戻した。
左手に比べると太くゴツい右手の指を俺は股間にあてがった。
「これこれ・・・これだ・・・っ!!」
太さに比例し増大する快感。
俺は無我夢中で、それこそ日が昇るまでずっと自慰行為に耽っていた。
その間、何度か体を部分的に戻したり、部分的に女にしたりして遊び続けた。

朝、まだ日も昇らないうちに俺は目覚めた。
寝ぼけた頭でトイレに向かい、息子で狙いを定めようとする。しかし、股間で手は空を切るだけ。
それもそのはず、俺の体はまだあの女子高生のままだったのだから。
「寝れば元に戻るはずだけど・・・?」
疑問に思っていたが、尿意には勝てず俺はそのまま便器に座った。
いつもの通りに下腹部に力を込めるも、なかなか出てこない。
少し力を緩めると、温かい液体が股の間から滴り落ち卑猥な音を立てながら水たまりへと落ちていく。
男の時とは違い、ただの排泄行為でも妙な興奮を感じた俺は、軽く紙で湿り気を拭くとそのまま自慰行為を始めた。
一通りのことを終えた俺は、DASHで自分のプロフィールを確認した。
「なるほど、そういうことか。」
プロフィールの性別が女性のままになっている。おそらく、これが作用し寝ても元に戻らなかったのだろう。
今日は生憎にも学校がある。性別と体を元に戻して俺は支度を始めた。
登校中に面白そうな相手がいないか物色をしてたがなかなかに見つからない。
教室でぼーっとしていると、俺の隣に一人の女子生徒が座った。
俺の学校は制服がなく、私服登校であるために女子生徒も少しオシャレをしているようだ。
やや物足りなそうだと思ったが、俺は女子生徒に対しDASHを起動した。
すると、今まではパーツ単位でしか斬れなかったのが、今度は頭部も含めて全身を覆うように点線が付いていた。
もしかすると・・・
俺は点線に沿って女子生徒の全身を切り抜いた。
一瞬、目の前が暗くなったかと思うと俺の座っている位置に違和感を覚えた。
さっきまでは窓際の席にいたはずなのだが、今度は左側に誰かがいるような気がする。
そちらに目を向けると、そこには俺がいた。そして、何故か今の俺の手には俺の端末がDASHを開いたまま存在していた。
俺は急いでトイレの近くにある姿見に走った。
鏡に映った俺の姿は頭の先まで余すことなく隣に座っていた女子生徒だった。
「うおっ!!ついに全身が取り替えられるようになってる!?」
興奮したが、果たして元の体はいったいどうなってるのかやや不安だった俺は一度、自分の席に戻ることにした。
そして、元の俺に対して出来る限りこの女子生徒の振りをしながら声をかけた。
結果から言えば、元の俺も俺だった。
つまり、この世界には俺が二人いることになる。
正確には俺として過ごしてきた女子生徒とでも言うのだろうか。少し話した限りでは性格なんかは俺とは違い柔らかくなっているものの、女子生徒にしては男らしいというかなんというか言葉にしにくい感じになっていた。
俺はDASHで自分のプロフィールを確認した。
するとどうだろうか、名前以外が全部そっくり入れ替わっていたのだ。
「なるほどね。そういうことか。」
つまり、この女子生徒の姿をしていても俺は俺だという風に認識されているのだろう。
一日、学校で過ごしてみたが友人関係や周りからの評価は俺のままだった。
このまま放置していたとしても、おそらく俺の姿の女子生徒は彼女の家に帰っていくだろう。
それはそれで面白くないので、俺はいったん元の姿に戻すことにした。
奇妙な違和感、それは脚部にある疲労だった。
そういえば今日の授業で男子はサッカー、女子はバレーだった。
つまり、疲労度は肉体に依存しているのだろう。
「くぅ・・・いったいどんな運動したんだ?」
痛む足を引きずりながら俺は家路についた。
全身交換をするときは、この辺も気を付けないといけないと改めて思った俺だった。
筋肉痛でなかなか歩みが進まない俺は、とりあえず近くを歩いていた女子中学生の足を借りることにした。
すっと軽くなっていく脚部に俺はひとまずの安心を覚えた。
が、同時に下腹部を通り抜ける風に気づきハッと下を見る。
「しまった、慌てていて腰から下を全部取り替えちゃった。」
どうにも上半身と下半身でバランスが悪く、ややよろける。
俺は仕方なしに体を元に戻した。
「どうしたものか・・・。」
ベンチに腰掛けながら俺はコレクション画面を開いた。
そうだ、コイツがあった。
俺はコレクション画面から一番最初にDASHを使った女性の体を自分の体として再利用した。
これなら家に帰れそうだ。刹那、俺の脳をつんざく様な快感が股間から一気に上がってきた。
声を上げないように手で口を押えるも、呼吸が荒くなる。
なんだ、いったい何が起こった?
どうにも股間からは何かが垂れているような感覚もある。
コレクションから入れ替えたために、服装は俺のまま。
動きにくい格好だが、すかさず公衆トイレに駆け込んだ俺は、確認のためにズボンと下着を脱ぎ捨てた。
股間からは白濁色の液体がドロリと垂れてきた。
「嘘だろ、こんな時間からマジかよ・・・。」
おそらくこの体の持ち主はどこかの誰かと性交していたに違いない。その途中で交換したせいで快楽が俺に直接やってきたのだろう。
途中だったのか下腹部の疼きは止まらない。
俺はそのまま自慰行為に走った。

翌日、俺は疲れ目をこすりながら学校へと急いだ。
性交することに興味はあれど、男に抱かれるのはなんだか精神的に嫌だ。
どうにか出来ないだろうか。
DASHでいろいろと遊びながら俺は考えた結果、一つの結論にたどり着いた。
俺は手ごろな女子の名前以外を全て奪い取り、そのうえで俺の体になった女子とまた別の女子の体を交換した。
かなり複雑だったが、俺の肉体を使っているからか騒ぎになるようなこともなく、かくもその体が当たり前であるかのように二人は過ごしている。
男として過ごしてきたが、現在は女の体になっている人物、仮にAとしとこう、がいるわけで。
俺はプロフィール上、性別は女だ。
すぐさまAに俺は声をかける。
「ねぇ、ちょっと手伝ってくれる?」
Aはちょっと緊張しながらも俺の言うとおり、人気のない教室まで着いてきてくれた。
何も知らない人が見れば、いわゆるレズ的関係に見えるかもしれないがプロフィール上は男女の関係。
俺は教室の鍵を閉め、一枚ずつ服を脱いでいった。
Aは両手で目をふさいでいる。
そんなAの服も一枚ずつ脱がしていく。彼(彼女?)は無抵抗のまま、お互いに全裸になった。
俺はDASHを使い、元の俺の体についていた相棒をAの股間に移動させる。
その柔らかそうな女体に似合わない大きな肉棒が出現する。
当然、急に男の象徴が現れてもAは男だという認識だからそれに関して慌てる様子もない。
俺は自分の秘所に肉棒をあてがうと、そのまま一気に腰を下ろした。
まるで裂けてしまうのではないかという僅かな痛みの後、じんわりと快楽が押し寄せてきた。
完全に膣内に飲み込まれた肉棒は端からはその姿を確認できない。女の子同士の絡み、そう思い込めば俺の精神的にもダメージは少ない。
俺はそれから何度も何度も腰を上下に動かした。
女としての初めての性交に俺の理性のタガは既に外れていた。
途中からAもノッてきたのか、俺の腰を掴んでは何度も出し入れを繰り返した。
「イ・・・イク・・・ッ!!」
俺が絶頂を迎えるのと同時に、膣内に放たれる熱量を持った液体。
経験したことのない快楽が下腹部から広がっていく。
「これが・・・中出し・・・はぁ・・・」
そのまま横たわる俺は時間を置いてから第2ラウンドに突入したのだった。

DASHで遊び続けて数日。
学校にいる男女をランダムで入れ替えたり、パーツだけを交換したり、俺が奪ったりと繰り返していたが、次のレベルにはなかなかたどり着かない。
そろそろ上がってもいいころなんだけどな。
俺はコレクションの欄にいるお気に入りの体を組み合わせて誰が見ても美少女と思うだろう肉体を作り上げていた。
かなり細かいパーツまで弄ることが出来るようで、顔のパーツまで自由自在になっていた。
そして、その肉体を自分の体と置き換える。
すると久しぶりにレベルアップの音声が流れた。
「今度はなんだ?」
俺はいろいろと探ってみたが今度は説明がない。とりあえず使ってみるしかなさそうだ。
とはいえ、近くにいるのはこの町では有名な金持ちお嬢様だが甘やかされて育ったのが目に見えるぐらい太って醜い女しかいない。
「うーん・・・ほんとはかわいい子が良かったけどな・・・機能を調べるだけだし、いっか。」
いつもの通りにDASHモードで女を映す。
弄っていると遂に名前を動かすことが出来るようになっていた。
あの女、見た目に反してカワイイ名前してるのが分かったが、随分と名前負けしている女だ。
折角だからと俺は女の名前を自分のモノと交換した。
一瞬、静電気が走ったような感覚と同時に俺の脳内に流れてくる見たことのない記憶。
俺としての記憶も保たれたまま流れ込んでくる記憶に気持ち悪さがこみあげてくる。
やっとの思いで治まった記憶の流入。おそらくあの女の記憶なのだろう。
名前は人を表すとはよく言ったものだ。
すると、遠くから馬鹿でかいリムジンがやってきた。
「お嬢様、こちらにいらっしゃったのですか。」
リムジンから降りてきた初老の男性、始めて見たはずなのだが名前が分かる。
男性は脇目も振らずに俺のところへとやってきた。
今の俺はあの女とは似ても似つかない美少女になっているはずだ。
それなのに男性は俺の元へとやってきた。
つまり、これは俺の存在そのものがあの女のものと入れ替わったということなのだろう。
納得のいった俺は男性に連れられてリムジンに乗り込もうとした。
しかし、悲劇はここで起こった。
ポケットに入れていた端末を地面に落としてしまったのだ。
慌てて拾い上げるも打ち所が悪かったのか電源が付かない。
自分の顔が青ざめていくのが分かる。
男性に頼み、端末の修理を専門店で行ったが再起動した端末にDASHは入ってなかった。
「そんな!?嘘だろ!?」
必至にアプリストアを検索するも、DASHは見つからない。
俺は元の姿に戻る術を完全に失ってしまったのだ。
絶望に打ちひしがれる反面、俺の中ではこれはこれでありじゃないかと感じ始めていた。
今の俺は見た目は完璧な美少女で、家は金持ち、不自由することは、余程のことがない限りないはずだ。
男としての生活に未練がないと言えば嘘になるが、この先にある輝かしい道にくらべたら大したことじゃない。俺はリムジンの窓から外を眺めた。
そこにはイガグリ頭で可愛らしいワンピースを着た女の子と、ポニーテールで短パンを穿いた男の子が仲良く遊んでいるのが見えた。
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