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悠々自適な幽霊ライフの憂鬱を知った件と、それに憑かれた俺の命の使い道について

2017/03/31 06:17:03
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“うらめしや…、うらめしや…”

祖父母の田舎の裏の山、誰にも使われてない井戸があった。
まだここに人が(それなりに)いた頃使われていたものだそうだが…。
長い夏の休みの最中、ふと思い至ってそこに行った所、井戸の中からこんな声が聞こえてきたんだ。

“…うらめしい、うらめしい。出られないぃ…”

いや出て来いよ!

“誰かいるの? なら助けてぇ…、指とか引っ掛ける場所無いのよぉ”

…嫌な予感しかしないが、中に何かがいるのはとても良くわかった。
中を覗けば当然暗く、木々に遮られた月の光じゃ届かない。仕方ないので手持ちの携帯ライトで照らしてみた。

“ぎゃぁぁ眼が! 眼がぁぁぎゃあっ!? うぅぅ痛いよぉ…”

中にいる誰かが光を直視したため驚き暴れ、井戸の壁に頭を強打してた。痛いのかよ。
…声の主が女性で、ちょっと可愛いかったのは言わないでおこう。

仕方なしに一声かけて一度家に戻り、適当なロープを持って再度山へ。
井戸の中にロープを垂らし、反応を見ます。

“何このロープ…。え、制限時間30秒!?”

究極のサバイバルアタック最終ステージのような時間制限を設けて反応を見る。
慌てているのか、あわあわした声が聞こえてきて、何故かロープに返ってくる重み。え?
どうなってるのか気になったので見てみる。

“うぅ…っ、んっ、っひふぅ…!”

登ろうとしてるのに登れてない。やだこの子非力だわ、この井戸多分底まで5m無いのに。
あ、10秒経った。

“これ、抜かないでぇ…。外に出して…、外にぃ…!”

捉えようによっては卑猥に聞こえなくもない言葉を、へろへろな喋り方をしつつ登ろうとしている。
20秒経った。

“どうして『30秒』だけなのよぉ~~~~…”

すまん、ルールなんだ。


30秒経ったので、腰を落とし、腕に力を込める。
重さを想定して、思い切り引き上げると、

“ひゃあぁぁぁ~~!?”

…えー、なんて言えば良いんだこれは。
俺はてっきり、うんとこしょ、どっこいしょ、それでもカブは抜けません。みたいな展開を考えていたんだが。
登ってくる時にロープに掛かった重さは、人間のそれと同等位だと思っていたんだ。その割には、こう。すぽーんと。重さなんて無いように抜けたんですよ、はい。

“おどっふ!?”

引っ張られた勢いのまま尻もちをつき、色気の欠片も無い叫び声をあげる、(多分)幽霊の少女。

“あいたたた…、はっ!? え、えーと、その……、……うらめしや…”



今更取り繕った所で恐怖なんざ異次元の彼方じゃ!!

“ですよねー!?”

認めんな。


さて、その子に話を聞く為に落ちつこう。
井戸の縁に腰掛け、少女に正座させて話を聞くことにした。

“えーとですね…。実は私、10年くらい前にここに棲むことになってしまった霊でして…。
生前はオカルトマニアだったんです、はい。こんな山奥にあった井戸なんて、明らかなオカルトスポットじゃないですか!
だから何かいないかな、出てこないかなって思ったら、足を滑らせて…”

落ちたと。

“当たり所が悪かったんでしょうね。井戸の中もすっかり渇いてて、死体は降り積もる落ち葉の下に隠され…”

…そのまま出られもせずに10年間延々と、か。

“そうなります。…うぅ、こんな形で死にたくなかった…”

俯き、肩を震わせながら泣く少女の姿を見ながら、そりゃ無念だろうなぁ、という思考が頭を過る。

“どうせなら◯子みたいな悪霊になってウィルスばら撒きたかった…。その上で復活したかった…”

前言撤回。


“あぁぁぁぁ痛い痛い痛い痛い痛いですぅぅぅぅぅ!!”

幽霊少女にヘッドロックをかけ、タップされても止めない。コイツこのまま井戸にもう一度落としてやろうか。

“やめてくださいすみませんもうそんなこと考えません落ちたら登れないんですあの暗い所はもう嫌ですお願いですからこの腕外してぇぇぇぇ!?”

バタバタ暴れる幽霊少女を放して一息。
で。

“…へ?”

中に死体はあるんだな?

“…え、えぇそりゃ。もう骨になっちゃってますけど。
ふふふ…、次第に腐り落ちていき、虫や鳥に食われて骨になっていく自分の体を見ているのは苦しかったですよ!気が狂いそうでしたよ!?”

はいはい。

“あぁさらっと流さないで!? 今私かなり重苦しい事言ってましたよね! 想像するだに背筋が凍りつきそうなワード並べてましたよね!?”

お前の口から語られても今更じゃないか。

“ですよねー!?”

えーと確か…、失踪して10年なら確かもう死亡判定とかもされてるな、後で警察と坊さん呼んでおかないと。

“こ、困ります! そんな事されたら成仏しちゃうじゃないですか!?”

しろよ。


“…ふふふ、こうなれば仕方ありません”

お、どうする気だこのへっぽこ。

“そんな事されない為に、幽霊になったらやってみたかったことその3!憑依を!実行させてもらいます!”

やりたかったことの2は?

“空中散歩です! 幽霊になっても出来ないって知って、すごい落ち込みました…”

そりゃ出来たら井戸の中に閉じ込められもしないしな。
で、1は?

“交通機関の、無賃乗車…!!”

幽霊じゃなくてもやりたいなそれ。
こんなにはっきり見えるようじゃ無理っぽいけどさ。

“そうなんですよ! しかもさっきのアレコレから色々分かったんですけど、幽霊でも触られるんじゃないですか!
見つかるし触られるしで、もうダメなんです! もう憑依くらい出来ないと私の幽霊としてのアイデンティティが消滅の危機なんです!”

祟れるかどうかもわかんねぇしなぁ…。


“…今です、隙アリっ!!”

突然幽霊少女が、俺を目掛けて突撃してきた。
…一瞬の内に色々と考えが廻った。走馬燈みたいなものかもしれないし、危機に陥った際に思考が高速化するようなものかもしれない。
ゆっくりとした視界の中で、幽霊が俺の体を押すように、両腕を突き出し、俺の体に触れる。
最初は押されるものかと思った。随分軽いけど接触した感覚はあったし、風に吹かれた時のような柔かい感触が…。

“あれぇっ!?”

ん、なんか不穏な声が聞こえたぞ?

“待って待って何これ!? 通り抜け…っ、やだぁぁぁぁ! 憑依まで出来ないんですかぁぁぁ!?”

…何が起こってるのかは彼女が自分で行ってくれた。多分彼女は、俺の体をすり抜けていくんだろう。

すぽんっ。

そんな音がしたような気がする。後ろを向くと、何か青白い鬼火のようなものが…。慌ててる?
ん、何だこの髪の毛、目元にかかるぞ。それに白い服なんて着てたか?

………。

(体を触っている)

なんっじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!?


* * *


どういう理屈か、俺の体は憑依しようとした少女の体と同じものになっていた。ご丁寧に服装まで。
念仏上げてもらおうとした坊さんに見てもらったけど、よく解らず。坊さん伝手に紹介してもらった鬼(というにはあまりにも人間だった)が言うには、

「幽霊の体を構成していたエクトプラズムが、君の体を覆ったんだろうな。
生前の姿を保ったままの、霊力の素質だけは高い幽霊に憑かれたら、身体を上書きされる可能性もあるんだ」

なるほど、わからん。
かくして俺の体はこの華奢な、まぁ可愛い女の子になってしまったわけだ。

“返してぇ、私の体も返してくださいよぉ…”

逆に俺の体を返してくれよ!
難点は、成仏せずに俺にくっ付いてきているこの、元・幽霊少女だった人魂だ。普段は俺の周りをうろついているが、うるさいのは変わらず、よく泣き言も言われたりする。

“…でも、考えようによってはこれで私は復活したんですよね。突然変異とか起こしてませんか!?”

………

“あっ! ちょっと、何で黙るんですか! さては私が寝てる間にナニかシてますね!?”

シてるんだなぁこれが。

うるさい相方(幽霊としての威厳など皆無)の叫びを無視しながら、合わなくなった男子制服を着て学校に向かう。
その内女子制服を着せられるだろう。今はそれだけが心配で、かつ憂鬱だ。


その後。


“…よ、ようやく戻れました。自由に動ける体のなんて素晴らしい事でしょうか!”

俺の体を包んでいたエクトプラズムは、少女の形で固着化していた。
本来ならもう少し色々な形に練り上げる事も可能だという話だが、彼女が人間としての常識に囚われている関係上、そういう事が出来るようになるまで訓練をしなければいけないんだとか。
しかし鬼の人はそういった能力には乏しいらしく、無理に引きはがすと俺の魂ごと剥がれてしまう可能性があったとか。
俺自身でこのエクトプラズムをどうにかしなければならなかった訳で、鬼の人の伝手によって知り合った霊能力者のおかげで、本日とうとう、この肉体を覆っていたエクトプラズムを除去することが出来た。

“ハーレルーヤー!!”

目の前では高らかに神への賛美を詠っている幽霊がいる。お前キリスト教徒だったっけ?

“いいえ、うちは由緒正しき仏教の家です!”

じゃあ宗派違いじゃねぇか。

“それが気にならないくらいの喜びなんですよ、わかってくださいよ!”

いつも通りうるさい。


“ただいま私の体! おかえり私の体! あぁ長かったです…、魂だけになり、あの人に憑いて幾星霜…。
これでもう、うるさいからって魂を素手で掴まれコネコネされる事も無く、女の記憶を知るためにリンゴ飴のように棒を突き刺され舐められる事も無くなるんですね!”

憑いた魂と憑かれた人間の波長が合ってなければ出来ないらしい、というかなーり特殊な事例としては、魂への接触を果たす事で意識や記憶と言ったものも習得可能なんだそうな。
粘膜接触の方が習得速度が速いってどういう事だよ、座薬かよ。

“これで私は自由! フリィィーダァァーーーム!!
幽霊になってからやりたい事の4とか5とか出来るようになったんですね!”

テンション下がんねぇなぁお前は。
で、やりたい事の5は?

“5はやっぱり単純に人を驚かせることですね! 特に訳アリ物件の薄暗い部屋の中でボーっと佇んで、新しく住むようになった人を驚かせたいです!”

ほーぅ、部屋への侵入方法は?

“あっ、ちょっと待ってください叩かないでください! 身体が戻ったからってケツバットはっひぎぃ!?”

相変わらず触れるんだよなぁお前は。人体じゃなくても物理的接触が可能だから、やるなら鍵開けからやんないと部屋に入れないだろ。

“ひ、ひどい…。乙女のお尻を全力でスパンキングしてからにー!?”

良かったなぁ身体があるからこその痛みだぞー。一応ウレタンだからそこまで痛くないだろ。

“そんな痛みなんて欲しくありませんから!? ウレタンでも痛いものは痛いんですからね!?”


じゃあ何が欲しいんだよ。

“せっかくの幽霊ライフを満喫できる環境が欲しいんです! このままだと死んでも死にきれません!”

とっくに死んでる事には一応目を瞑っておくとして、その幽霊ライフの満喫が出来るかどうかも、やりたい事の4にかかってる訳だが?

“あーっはっはっはっはー…。…残念ですが、それも無理そうですね!”

ま、わかってたけど。で、4は?

“他人に憑りついて恐がらせたかったんです!あわよくばそのまま憑り殺すことだったんです!けど!ね!”

今こうして現在進行形で憑りついてるだろ?

“一切恐がってくれなかったじゃないですかー!? しかもどういう事だか今この状況になっても離れる事できませんしぃ!?”

お前のどこに恐がる要素があると思ってるんだよ。二言目には出られない事でへたれるし、おどろおどろしさなんてどこにもなかったし、幽霊らしい事なんて一切出来てなかったし。

“でーすーよーねー!? あーっはっはっはっは、これじゃ私何のために死んだんでしょうねぇー!?”

俺が知るか。


“あーもー悔しぃぃぃぃ! こんな事になるなら意地でも死ぬんじゃなかったぁぁぁぁ!”

そうなるなんて分からなかったんだから、今更言うなよ。…うぅ寒っ、エクトプラズム脱いだら地肌が出て途端に寒くなってきた。

“私の体は温かかったですか!? 乙女の体に包まれてさぞ心地よかったでしょうねぇ!?”

いや血の涙流しながら叫ぶなよ。ってか今のお前幽霊っぽさに溢れてるぞ?

“ホントですか!?”

あぁホント、だから向こうの鏡で確認してこいよ。

“うわーい見てきまーす!!”

…さて、新しく買った下着合うかねぇ。


“……”

お、戻ってきたか。どうしたそんなに落ち込んで。

“…知っているくせに。幽霊の姿が鏡に映らない事くらい存じ上げていたくせに”

そりゃな。と言うか今更に気付かないお前の方がどうかしてると思うぜ。

“悔しぃぃぃぃ! ハンカチ貸してください!”

やだよ、噛むつもりだろ。最悪引き千切るつもりだろ。

“そうでもしないと! 何かしらの影響をあなたに与えないと!”

…しょうがねぇなぁ、はいチーズ。

“キラッ☆彡”

ちゃんと写真には出るんだから…、あはははは! なんだこれ、血の涙流してる幽霊がポーズ取ってる!

“見せてくださいってギャァァァァ!? 誰ですかこれ!?”

お前だよ。


っていうか服着させろよ、いつまで裸でいさせるつもりだよお前。

“わかりましたよ…”

で、1つ聞きたいんだが、出ていくつもりは無いのか?

“え、私に見られる事なんて今更でしょう?”

そうだったよなぁ。ったく……。

“それにしても…”

あ?

“ちゃんと合ってますね、そのブラジャー”

あぁそうだな、お前の中にいた状態でカップが合うかなんて疑問だったが、こうもピッタリだとあの人の選定眼が恐いわ。

さて、今更ながらに鬼の人に言われた事を思い出してみた。
「エクトプラズムに身体を覆われて上書きされた」。
…それはつまり、俺の体を「コイツ(女)の体」という型にはめられたことに他ならない訳だ。

“5年も私の姿を纏って、夜毎にキャノンを出してシコってたからか、もうすっかり山村さん状態ですよね”

放っておけばそのまま、俺の体はコイツと同じものになってしまうが、そうならない為にどこかに穴を開けなければいけなかった。
それを一番やり易かったのが股座で、俺の男性自身を出したことでエクトプラズムが一部抜けたり外の気が流入したりで、完全な上書きにならず、「俺が女として生まれ育った場合の姿」になってしまったのだ。
おかげですっかりナメクジ状態だよ。男と女どっちの幸せ掴めってんだチクショウめ。
あー今更ながら中途半端な状態に後悔してきた…。

“良いじゃないですか羨ましい! どっちも機能してるならどっちでもイケるんですし、うまく行けば自分と自分で自分がデキるんですよ!?むしろ私がなりたかった!”

やかまし。
…………。

“…あ、なんですかその目”

いや、そう言えばお前も女なんだよなって再確認しただけでさ。

“そうですね、私自身再確認しました。身体があるって素晴らしい事ですよ?”

あぁ素晴らしいな。…こうして触れて、ちゃんとデキるんだから。

“え、ちょっと? あの、私の体を押し倒して何をなさるおつもり…! あっ、触れるからってそんな!
ダメです、幽霊とスるなんて…! あぁん…♪”


はぁ…。今までの俺の姿の膣って、こんな感覚だったのか…。

“うぅぅ…、汚されちゃいました…”

自分でデキるとか言ったからな。たしかにデキたよ、少し前の自分の姿とな。お前の体を填められて多分、ハメ返してやれてちょっと溜飲下がったわ。

“詭弁ですよそれ…。うぅ、こんな事で初めてを散らせたくなかった…”

んじゃ聞くが、もう一度生まれた時どんなシチュで散らせたいんだ?

“そりゃ勿論、大好きな人とですよ! 痛くならないように優しく、ちゃんと前戯もしてくれて、女として大事に抱いてくれるようなシチュエーションを望んでいたのに…”

…そか。んじゃそうできるよう、頑張らないとな。

“…え、何を頑張るんです?”

その前に1つ聞きたい。お前、もう一度生きてみたいか?

“は? そりゃこんな幽霊の姿なんてもう15年経って懲りましたけど…”

んじゃもう1つ。…俺の胎で産まれなおす気はあるか?


さらに3年後。

「おとかーさんおとかーさん、大ニュースです!」

朝から騒がしいよ、どうした?



「見てください、勃ちました!」

誇らしげに見せるな。

…結局あの後、俺は山村さん式に自家受精し、子供としてあの幽霊を産み落とした。産まれが真っ当過ぎない為か常人の数倍の速度でさっさと成長し、今では大体出会った時と同じくらいの年齢になっている。
年齢と言う点に目を瞑れば見た目は全く一緒なのだが。股間のキャノンもきちんと遺伝したのだが。
どうにか仕事も見つけて我が娘とも暮らし、「おとかーさん」として生きられている日々だ。

「おとかーさん!」

抱き付いてきた娘が、俺の体にキャノンを押し当てている。どうした娘よ、男の勃起した感覚は初めてか。

「当然です! こんなにムラムラするなんて…、おとかーさんが毎日センズリしてた気分が解りました!」

解ってる、前と何ら変わらずおバカなこの娘を放置しておくとどうなるかなんてくらい。
こらやめなさい、パンツを脱がそうとするんじゃない。自分で脱ぐから。

「私が産まれたおとかーさんのあそこで筆下し…。ようやく、あの時ヤられた雪辱が果たせます!」

娘は勢いよく俺の膣に挿入してくる。
こんな事になるとは、初めて会った時から想像できるはずも無かったな。ん、あん…♪


「おとかーさん…、もうダメです…」

はいはいゆっくりお休み。
ベッドの上で娘がぐったりと倒れてる。男としての年季が違うんで、搾り取らせてもらった。

シャワーを浴びて汗を流し、股座から溢れる精液を洗っていく。
まったく娘め、妹でも作る気で注ぎ込んで。…避妊薬を飲んでて正解だったかな。

浴室の鏡に自分を写しながら、改めて思う。あっという間の8年だったよなと。
もうアイツに出会ってしまったのが運の尽きと思う事でどうにか付き合ってきた。アイツにとって二度目の生を得るかと聞いた事も、いなくなると寂しいと思ってしまったからだし。
関係が変わっても、そこは仕方ないと割り切ることにしているし、アイツがいれば退屈だけはしないと思っていた。
それが間違いなかった訳で。

胸を掬い上げ、男性自身を撫でる。
こんな形でも親になってしまったのだから、まかり間違って娘の乙女を奪わないようにしておかないと。
出てきた俺の精液を排水溝に落とし、気だるげに息を吐く。

…ま、好きになった女の面倒見るのも男の甲斐性だと思っておこう。

願わくば娘がバカな理由で死にませんように。
どうでもいいことですが、失踪宣告は7年でアウト扱いでした。
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