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入換の指輪

2017/06/13 13:21:52
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オークは驚き戸惑っている!

まるで『信じられないモノ』を目にしてしまったようだ。
それに対し僧侶は自分の身体を撫でまわし、満足したようにニヤリと笑った。

「さよならオークさん♪【ザラキ】!」
「グガガガガガァアァ!!?」

僧侶の口から死の呪文が放たれた。
オークの体内の血液を一瞬にして凝固し、その息の根を止めた。

「さて、勇者様の元に戻らなきゃね♪」

僧侶はオークの持っていた禍々しい指輪を袋にしまった。

古代の魔導アイテムのひとつ、入換の指輪。
二つの指輪が対になっていて、それらをはめた者同士の体と魂を入れ換える。
オークがそれを手に入れたのはたまたまだった。

彼らオークの小隊は、魔王軍の尖兵として街道を行く人間の隊商を定期的に襲っていた。
その日も新たな獲物が街道をやってきた。だが…。
過去に二度隊商を壊滅させ、勢いに乗っていた彼らはしかし、想像以上の護衛を連れた隊商の厳重な警備にてこずることになる。
結果、相手を壊滅させはしたものの、彼ら小隊も多大な被害を受け、一旦襲撃任務を中止し魔属領へ退却を余儀なくされた。
その際、彼――小隊の隊長オークは、隊商の荷物からご大層に保護された宝箱を奪い去り…そこに納められていたのが入換の指輪であった。

魔属領の砦にて、隊長オークが戦利品の指輪をはめてみると、脳裏に指輪の使い方が浮かぶ。
それは言葉ではなく、直接脳に知識が刻まれるような感覚で、魔導に疎いオークでもすぐに理解ができた。
そこで…オークは自らの上司である魔王軍四天王のひとり、メチャツヨーイに新たな作戦を提案した。
それは受理され、オークはひとり、人間領へと潜入する。

そのころ人間領では、王により勇者へ直々に略奪オークの討伐依頼が出されていた。
隊商が壊滅した街道そばへと、勇者パーティがやってきた。
まだ歳若い勇者の青年、ビキニアーマーを恥ずかしげなく着込む女戦士、三角帽子の女魔法使い、そして華奢な女僧侶の4人パーティである。

街道沿いで野営を始めた勇者パーティ。そこから少し離れた泉へと、水を汲むため僧侶がやってきた。
水を汲む皮袋を片手に、泉のほとりに腰を下ろした僧侶は、草むらの中に光るものを見つける。
それは指輪だった。どうしてこんなところに指輪が落ちているのか。一瞬疑問が浮かぶ。
しかし、僧侶の目は魅入られたように指輪から離すことができず…。思わず手に取り、指輪を自らの指にはめた。

ガサガサッ
その時背後の茂みから突如としてオークが現れる。
傍らに置いていた杖を手に取り、仲間を呼ぶべく声を上げようとして、僧侶は己の体の動作が緩慢に、不自由になっていくことに気付く。

「な…なにこれ…どういうこと……?」

先ほどはめた指輪が鈍く、禍々しい赤い光を放ち始める。
そしてそれは、目前のオークの指からも放たれている。同じ指輪をしている…? 僧侶がそう気づいた時。
お互いの指輪から細く光が放たれ、繋がる。まるで運命の赤い糸のように、指輪同士を赤い光が繋ぎとめる。
そして、その光を伝うように、オークの体から赤い靄が湧き出し迫ってくる。
同じように僧侶の体からも靄が沸き立つ。体の大きさの差か、オークから湧いた靄の方が体積が大きい。
そしてオークの靄は僧侶の体に、僧侶の靄はオークの体に吸い込まれる。

体積の大きいオークの靄が吸い込まれるたび、華奢で細かった僧侶の体はムチムチと膨らんでいく。
ほとんど平坦だった乳房は見る間に膨らんで手のひらからこぼれるほどの爆乳に。
腰の細さはそのままながら、尻から脚へのラインはむっちりと肉が付き、扇情的なボディラインを描いてゆく。
その姿はまさに、ボン・キュッ・ボンとでも言うべき肉感的なものに変貌した。

「ほう……魂だけでなく、俺の腕力や体力ごと相手の体に移ってみたが、なるほどこうなるわけか。
これはなかなかそそられる肉体で、悪くないじゃないか」

僧侶は好色な視線で自らの体を撫で回すと、対峙するオークへと目をやる。
そこには…、本来オークにはありえないほどひょろひょろに痩せこけた貧弱な魔物が、戸惑ったようにあたりを見回している。

・・・

そして――冒頭に戻る。

即死魔法により塵に還ったオークの死骸から指輪を回収し、袋にしまい、その袋を全身タイツ状の法衣の襟元から、深い谷間へと挟み込む。
水を汲み、勇者の待つ野営地へと歩く。
元々オークだった頃も体に脂肪を蓄えていたが、ムチムチとした女体の揺れる感覚は、オークのそれとは程遠い。
揺れる乳房に手を添えて、揉みしだきながら進む。

「しかし便利なものね。体型がこんなに変化しちゃったわけだけれど、指輪の力で周囲は疑問を抱かない。
さぁて、どうやって勇者様を絶望に陥れてやろうかしら♪
戦士や魔法使いも魔族と入れ換えてやってもいいし、あるいはこの体で勇者様を骨抜きにするのも楽しいかも。ふふっ」


どんな手段で倒そうかと考える彼女はいきなり追い詰めるような行為をすればばれる危険性があると思考し、僧侶の知識や口調を完全に自分の物にするように意識を集中し始めた。

「―――勇者の事情は理解したけど、魔王様を倒そうだなんて愚かな考えをして笑ってしまうわ。今日はあまり目立たない行動をしない方が良さそうね。
明日は町に着くみたいだからそこから様々な事を考えましょうか」

・・・
翌日。勇者一行は町に到着した。

「か~っ!やっと着いたぜ!まずは飯にしようぜッ!」

露出の多い鎧を纏った女戦士が馬車から飛び出しあたりを見渡した。女性としてはだいぶ大柄な彼女は年若い勇者より頭一つ分長身だ。
続いてローブを纏った魔法使いが歩み出て、日差しを煩わしそうに帽子を深くかぶりなおす。

「先に宿を取りましょう。こんなに日差しが強くてはシミが出来てしまいますわ」

馬を馬小屋に繋ぎ終えると、勇者は振り返った。
「その前に王様からの勅命で来てるんだからまずはギルドか情報屋で話を聞こう
それでいいよね?僧侶……」
勇者は僧侶の胸を見ながら言った。いつもならそこに彼女の顔があったはずだが、
『勇者には分からない理由』で僧侶は背が高くなっていた。そして勇者はその理由を『認識出来ないでいた』。

「ふふ♪勇者様もお年頃とは言え、女性の胸を見ながら話すのは感心しませんよ?」

「ご、ごめん・・・。そういうつもりは無かったんだけど・・・」
僧侶に咎めれて勇者は必死にあやまる。

(情報だと青年って話だったが、こいつの背の低さと幼い顔つきだと女だと勘違いしそうだぜ。)

しかし油断はできない。
こいつはこんな顔して、今まで百戦錬磨の魔王軍の兵士たちを屠ってきたのだから。

「はい、素直でよろしい」

そういって微笑みながら勇者の頭を撫でると耳まで真っ赤になってしまった。
うーむ、こいつ意外とウブっぽいしもう一押ししておくか。

「でも……勇者様は特別です、いくらでも見てください。なんなら触りますか?ふふっ」
「なっ、なななななな…っ!?」

(おうおう、恥ずかしさで煙が出そうになってるな、意外と可愛いぞこいつ)
「と、とととととりあえず一緒にギルドに行きましょう僧侶さん」

若干声が裏返ってる、さんづけになったし相当効いてそうだ。

「はい、ご一緒しましょう」

そうして俺はいまだに顔の赤い勇者を眺めながらギルドへと歩き始めた。

ギルドでは応接間に通され、戦士、勇者、僧侶、魔法使いと並んでソファに座る。
すぐにギルド長が現れ、直々に依頼の説明を始めた。

「…そんなわけで、この街道一帯では頻繁にオークの軍団による略奪が繰り返されているのです。先日王都からの隊商が交戦してからは現れていませんが、
念のため、街道上の野営拠点とこの街の間のパトロールと、隊商が通行時の護衛をお願いしたいのです」
「わかりました。人々の安心のため頑張ります!」

真剣な顔で答える勇者。

(使命感に燃えているところ悪いが、略奪オーク部隊の隊長の俺がここにいるわけで、略奪作戦は当分中止になっているんだな。
残念ながら依頼は空振りに終わるのが確定しているってわけよ)

内心でほくそ笑みながら、表面上はおだやかな微笑を浮かべる僧侶。
姿勢を直すふりをして脚を組みかえると、神官服の前垂れが捲れてむちむちの太ももが顕わになる。
その瞬間勇者とギルド長の視線がそこに注がれるのを感じ…僧侶はぞくぞくとした快感を覚えたのだった。

「あらぁ?私の足に何かついてますか?」
「ごほん!え~、ゆ、勇者殿!こういった現状ですが何か意見はありますかな!?」

目を泳がせながらギルド長が取り繕った。
顔を赤くしたまま地図に目をやる勇者。

「えと、最近現れていないという事は、何処かに潜伏しているのかもしれないね」
「面倒だなあ!虱潰しに探すしかないのかい?」
「森や洞窟が怪しいわね」

口々に意見を出す勇者一行。
(さて、俺も『勇者一行』として意見を出さんとな。うまくいけば各個撃破、あわよくばこいつらの身体も部下にくれてやりたいが)

「町の人の為にも一刻も早く解決すべきです。2手に分けして探しましょう」
「私は戦闘は自信がないですから…、勇者様に守ってもらいたいナ♥」
(女戦士や魔法使いも早いところ魔物と入れ換えてしまいたいところだが、先に勇者を骨抜きにする下準備も始めておこうか)

僧侶は勇者と目線を合わせるために少し屈み…重力に引かれたたわわな乳房が勇者の眼前で揺れた。

「回復魔法で援護しますから、お願いします勇者様?」
「う、うん。こちらこそ」

顔を赤くして勇者はあわてて目をそらす。

「では、明日からパトロールをお願いします。宿の方はこちらで用意いたしましたので、滞在中はそちらでお休み下さい」

ギルド長の言葉に勇者一行は宿へ向かうことにした。

「うーん、明日に備えて装備を整えておこうか」
「そうだな、そうするか!」

勇者の提案に女戦士も同意し、途中で武器屋に立ち寄ることに。

「そうだ、メイスを新調したらどうかな僧侶さん!」

店内で、自然と僧侶の隣についてくる勇者。横目でチラチラと見てくる視線を感じ、僧侶は内心でニヤニヤと笑う。

(それにしても…、この僧侶元々メイス兼用の長い杖を愛用していたようだが、俺と相性がいいぜ。なにしろオークは鈍器や斧の類の扱いには長けてるからな。
さっきは僧侶らしく戦闘に自信が無いと言ったが、実際今の俺は僧侶の全ての技能・能力とオークの全ての技能・能力を合わせた力がある。
メイスを使えばあの女戦士にもパワーで負ける気がしねぇ。技なんかもそのまま使えるしな。これでもし俺がスライムだったら、
この体のまま溶けたり捕食したりもできたところだろうが…まあ俺には俺の戦い方がある)

「そうですねぇ、それじゃあこれ、よろしいですか?」

上目遣いで僧侶が指し示したのは月光石のメイス。かなりお高い品物だが…。

「うっ、うう…わかった。買ってあげるよ」

財布を見て青い顔をしつつも、勇者は承諾した。

「わぁ、ありがとうございますぅ♥」
僧侶が抱きつくと、その豊満な胸に勇者の顔が埋まった。


勇者の顔は見る見る紅潮し、その股間は年相応の反応を見せ硬くなった。
「あ~!僧侶だけズルいだろ。アタシにも何か買ってくれよ」
「貴女はこの間剣を新調したばかりでしょうに……っ!?」

女戦士は単純に羨ましがっている様子だが、どうやら魔法使いは勇者が勃起しているのに気が付いたようだ。
勇者の股間にチラチラと視線が向き、ポーカーフェイスの中に軽蔑と好奇心が浮かんでいる。

結局そのあとは装備を手入れを依頼したり道具を補充して宿屋へ。
2人部屋を2つ借りて勇者と一緒の部屋になろうとしたが誰かと二人っきりになることに気づいた勇者の「ひひひひ一人部屋4つお願いします!」の注文で
1人に1部屋があてがわれることになった。

一息ついたら待ちに待った晩御飯。ギルド提携の酒場で食事を取ったがなるほど人間の食事はうまいものだと関心する。
(どうやら味覚もオークは大雑把だったようで調味料の細やかな味付けがとても新鮮で思わず変な声が漏れてしまったのはナイショ。
それに反応して顔が赤くなった勇者様の顔にはおまたがきゅんとしちゃいました。
そして女戦士が酔いつぶれ、勇者が眠気を訴えたところで宴はお開き。まだまだ夜はこれからなのにとろんと眠たげな顔をする勇者様は本当にかわいらしい。
そのまま性的に襲おうと部屋まで送ったがおやすみなさいまたあしたの一言とともに鍵をかけれらてしまった。ううむ。
後ろで魔女が悔しそうに地団駄を踏んでいたのが非常に印象的だった。まさかお前もか)

一人っきりになった部屋で明日はどうするか考える。
仲間を呼んで隙あらば女戦士か魔法使いのどちらかを乗っ取ってしまいたいところだが、勇者様と二人っきりでいちゃいちゃしたい欲求もある。私は…

明日はせっかく勇者様と二人きりになれるのだ。
勇者様をいじりまわして顔を真っ赤にするところをじっくり堪能したい。

だからそのかわりに…。

深夜、宿の主人や他の冒険者、そして勇者たちも寝静まったのを確認して、開いた窓辺に光量を抑えた灯火魔法を灯し、合図を送る。
しばしの間をおいて窓から侵入ってきたのは…、スライム。
しかもただのスライムではない。スライム上位種の中でもとりわけ危険度が高く人間どもに忌み嫌われている、ポイズンスライムだ。
通常のスライムの特性に加え、暗緑色の体から猛毒を精製し毒液を撒き散らす凶悪さを持つ。

【待たせたなオークよ】

スライムは言葉を音にして話すことができないが、表面を波立たせて意志をあらわす。魔族はそれを読み取ることができる。

「ふふっ、今は僧侶よ🎵」

ひっそりとした声で返事を返すと、ピッチリしたタイツ状の法衣の胸の谷間から、入換の指輪を取り出し、スライムに渡す。

僧侶の知識から消音魔法を唱える。これは本来魔物に気付かれずに移動するためのものだが…今は逆に人間に気付かれないように使うというわけだ。
酒場で既に酔いつぶれていた女戦士の部屋は、案の定鍵がかかっていなかった。
ベッドの上で女戦士はグーグーいびきをかいて熟睡している。

スライムの半透明の体内で、指輪は既にスタンバイ状態に入っている。
対になる指輪をそっと女戦士の指にはめる…。
と、指輪と指輪の間に、運命の赤い糸のような赤い光が繋がる。
そしてその光を伝って両者の体から赤い靄が湧き出し、互いに相手の体に靄が収まってゆく。
すると、女戦士の体に変化が訪れる。
過剰に筋肉質でガサツだったその体の線がやわらかくなり…、筋肉の上にほどよく脂肪がのってゆく。
乳房というより胸筋といった感じだった胸も膨らんでいき、スライムをふたつくっつけたようなぷるぷるとした乳房ができる。
そして黒かった髪の色が緑色に染まる。

一方でスライムの側は無色透明な小さい塊になっていた。何の力も無さそうなか弱い存在。
まだ意識が眠ったままなのか、動かない小さな塊から僧侶は指輪を取り上げ、起き上がった女戦士からも受け取る。

「気分はどう?」
「これが人間の体か…。この力強さ、自らの脚で立ち上がる感覚。たまらないな」

僧侶の呼びかけに、元スライムの女戦士は自分の体を撫で回している。

「すべての技能・能力値ごと女戦士に移ったから、その体のまま猛毒の精製も、体を溶かして他者に寄生もできるはずよ」
「なるほど…」

女戦士の指先から緑色の液体が滲み出し、滴ったそれが床に焦げ目を作る。

その様子を楽しそうに眺めながら僧侶が言う。

「私思ったのだけど、こうやって自分の能力を持ったまま相手の体を奪えるのだから、元の自分と相反する性質の相手を選んだ方が面白いと思うのよね。
私は神聖魔法を使う僧侶でありながら、オークの戦闘力を発揮できる。あなたは戦士の膂力を持ちながら、猛毒を放ち体を溶かして潜伏することもできる。素晴しいと思わない?」
「ああ、そうだな。早くこの力を振るってみたいものだ…」

薄暗い部屋のなかで二人はニヤリと笑いあった。


「目を離した隙にどこかにいっちゃったら困るわよね」

もはや考える意思すら希薄だろう女戦士の成れの果ては瓶に詰めた上で呪符で封をされた。
このまま封印しても良いし、いつか何かに使うこともできるだろう。


「これでよし、ところでこの力を試したいっていってたけど――なんなら今から試してみましょうか?」
僧侶が妖しい笑みを浮かべる。
「使える『姿』は多い方が良いでしょ? さすがに食べちゃうのは騒ぎになるからダメだけど、いい子がいるのよ」
「面白い、案内してくれるか」

二人は頷き合うと扉を開け階段を下りていく…

すっかり寝静まった宿屋の一角、客の入ることのできない、経営する夫婦と娘の生活スペース。

「ここの看板娘ちゃんが可憐なのに素直で元気でとってもいい子でね…俺だったら押し倒しちまうくらいだぜ」
「ほう、それは楽しみだな」

扉には鍵がかかっていたが女戦士の指先がとろりととろけて鍵穴にはいると扉は何事も無く開いた。

「うふふ、上出来、おじゃましまーす」

そういいながらも消音魔法と結界魔法は忘れない、完全にこの一角は密室となってしまった。

「すぅ…ふみゅぅ…」

オークとポイズンスライム、いや、今は僧侶と女戦士の目の前で一人の少女が眠っている。
まだ15にも満たないだろうあどけなさのある可憐な顔立ちは粗野な冒険者たちの心を癒す美しさを秘めている。
体は全体的にほっそりしているが、豊かでない体つきはむしろ幼げな神秘性を引き立てていた。

「この子よ、どう?」
「こいつぁ極上だな…この姿をアタシの思い通りにできるのか、最っ高だな♪」

女戦士はぺろりと唇を淫靡に舐めるとその身にまとった寝巻きを脱ぎ始めた。
衣擦れの音と共に日に焼けた体があらわになる。胸に実った二つの乳房は彼女がスライムであった名残のように大きく、そして柔らかであった。
そして二つの果実の感触を楽しむように両手で下から救い上げると右手が秘所へと伸びていき――

「溶けるわよ♪」

指先が淫核をくちゅりとつまんだ瞬間、女戦士の日焼けした肌は色を失い透けた緑色へと変化すると――スライムへと溶けた。

「見せ付けてくれるじゃない、女戦士」

念じるだけで溶けられるのにわざわざ演じられる痴態にオークの心が反応し、ワレメが湿り気を帯びる。
床に広がったスライムは鎌首をもたげるとベッドの上へと滑りあがっていく。そして未だ危機に気づかない看板娘の幼いワレメへとめがけて――

ずにゅるっ

「ひゃうぅぅぅぅんっ! な、なんですかこれ、おまたになにかはいっ、あぁっ、はいってくるですぅぅぅ!冷たい、冷たくて怖いのに、き、きもちいいですぅぅぅぅ!」

もがく少女を尻目に緑色のスライムはどんどん彼女の中に入っていく。
彼女よりも体積の多いものが入り込んでいるはずなのに、その体に一切の変化はなかった。

「あぁっ、なにかくるですっ!あたまの中に、なにか、あたしいがいのなにかが、なにかが…はうぅん」

そうしてスライムが彼女の体に全部入り込んだ瞬間、操り人形の糸が切れるように看板娘はくったりと倒れた。
僧侶は腕を組んで彼女を眺める。
3分ほど経過したころだろうか、看板娘が立ち上がりゆっくりと目を開くと――

「いらっしゃいませです僧侶様。本日はあたしたちの宿屋をご使用いただきまことにありがとうなのです」

ぺこりと一礼する。その仕草は接客中の彼女そのものだった。
天使のような微笑みを彼女は僧侶へと送ると……

「今夜は特別コース、『看板娘との昨夜はおたのしみでしたね』コースにご予約いただいているのです。
夜が明けるまであたしの体を存分に楽しんでほしいのです。
いまならキャンペーン中の大大大サービス!、あたしの体をお好みに改造していいうえにあたしの姿へのスライム変身権利のお持ち帰りまでついちゃうのです!
さぁ、この青い果実のような体そのままを味わうのです? 媚薬毒入りのスライムミルクでおっぱいを大きくするのです? ぬるぬるスライムおまんこで楽しむのです?」

普段の彼女であれば絶対に言わないことを一息に告げたのであった。

「それじゃあさっき思いついた事をやってみるのを兼ねて、そのとても柔らかそうなぬるぬるスライムおまんこを使わせてもらおうかしら?
それで、そこを使っている間にあなたにお願いがあるのだけれど……」
「本当によろしいのですか?」
「あなたならできるはずよ」

僧侶は小さい声で看板娘に指示を出しその問いに対して
身に着けているものをすべて脱ぎながら答えた。

「それじゃあ行くわよ?」

僧侶はそう言うと仰向けになった看板娘のおまんこに両手を突き刺し看板娘の処女膜を
破りながら持ち前の腕力で押し広げその胎内に体すべてを潜り込ませた。

「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

看板娘は破瓜の痛みとおまんこに僧侶の体が擦れる快感と腹が膨れる異物感に潮を噴き出しながら白目をむいて気絶した、いくら女戦士がスライムになり
寄生しておまんこや子宮が柔らかくなっても人一人をまるまる少女の胎内へ収めるのは厳しかったらしくお腹が、限界まで膨らんだ風船のようになっていた。

「しょりぇれはひひまふ」
(それではいきます)

その後気絶していた看板娘はすぐに目をさまし呂律も回らないまま僧侶の指示を実行した。

するとブシュッという空気の抜ける音とともに彼女のお腹は僅かに縮み丸くなった、
その直後おまんこから一つの瓶が出てきた。

「んひっ!」

瓶がおまんこから出たことによる快感に看板娘は言葉にならない声を出した。

「そうひょさはくりゅしいのれはやふれれくふぁはいっ」
(僧侶様苦しいので早く出てくださいっ)

彼女は自分のお腹に向かって話しかける……
するとどうだろう、彼女のお腹がうねうねと動きだしそして……

「くりゅっ!!そうひょさはうんひゃうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
(来るっ!!僧侶様産んじゃうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!)

看板娘の叫びと共に彼女のおまんこから水色のスライムが噴き出してきた。


噴き出してきたスライムはだんだんと人の形になり始め……

「あなたのおかげで上手くいったわ」

僧侶の姿になった。
そう、僧侶は女戦士の能力で体を融かした後に元女戦士であるスライムを
自らに取り込むことによって、基本的なスライムの特性も手に入れたのだ!

スライムは通常時は分裂によって繁殖するが、ほかの生物の体に寄生している場合――丁度今の女戦士のように――その生物の生殖器を借りて新たな個体を産み落とすことができる。
女戦士が寄生した看板娘の胎内で僧侶は体を溶かし、女戦士が分体として産み落とした新たな固体を、指輪の力の応用で取り込む。
そうすることでスライムの技能・能力値を吸収し…、これまでのオークの力と僧侶の知力と神聖魔法に加え、さらにスライムの溶解や捕食の力まで我が物にしたのだ。

「生まれ変わった気分だわ♪」
そう呟く僧侶の体は、ムチムチの体型こそ変化はないものの、その肌はスライムの力を得たせいか、赤ん坊の肌のように瑞々しくぷるぷるしている。

「ひぃ、あひぃ、しゅごい体験だったですぅ…」

喘ぎ声をあげる看板娘。

「どう女戦士、まだいける?」
「…ふぅ、まだ全然大丈夫なのです。もうせっかくだから、この体あたし好みにもっと改造しちゃうのです」

そう言うと、まだ幼さの残る蕾のような胸が盛り上がり…どんどん膨らんで、立派な乳房が出来上がる。


「そういえばあなたの姿へのスライム変身権利があったわね、
今ここで使っちゃおうかしら?」

僧侶はそう言うと瞳を閉じ深呼吸をした。
すると、彼女の肌の色がだんだんと水色になっていき輪郭も崩れ
そのまま頭一つほど身長が低くなった。
その後、崩れていた輪郭がはっきりとしていき肌の色も水色から
人の色へと変わるとそこに立っていたのは胸が膨らむ前の
看板娘と同じ姿をした僧侶だった。

「この姿ならあなたもあなた自身が乱れているところを見れるわねっ♪」

そう言うと僧侶は看板娘に抱きつき彼女のおっぱいを吸い始めた。

「うん♥媚薬毒入りスライムミルクすごく美味しい」
「ひゃんっ、僧侶様ありがとうごらいましゅ」

媚薬毒入りのスライムミルクを飲んだため僧侶の顔がだんだん火照っていく。

「あ、でも今の僧侶様はあたしの娘みたいなものだから娘にミルクを
飲ませてあげるのは何もおかしい事じゃないですね」

看板娘は僧侶の頭をおっぱいに押し付け大量のスライムミルクを
僧侶の口に流し込み始めた。

「そんなにいっぱい飲ませられたら敏感になり過ぎちゃうぅぅぅぅぅぅぅっ」

大量の媚薬毒入りのスライムミルクを飲まされた僧侶はほんの僅かな刺激で
絶頂へと至ってしまった。


「ああ、僧侶様かわいい!」

看板娘が自分と同じ姿(胸以外)をした僧侶とおまんこを合わせた直後。

「んぁああんっ!何か入ってくるぅぅぅぅぅ」

僧侶が叫びおまんこへと視線を向けるとそこには自分のおまんこに
深々と刺さっている看板娘のスライムおちんぽが存在した。

「僧侶様の気持ちいいおまんこの膣内(なか)、
スライムおちんぽでぐっちゃぐちゃにしてあげますねっ♪」

看板娘のヴァギナに、艶めかしく輝く透き通った男性器が出入りしている。
本来彼女は処女であったが、僧侶は処女膜をあえて再現しなかった。

(今まで散々人間の女を犯してきたが、犯されるってのも中々悪くない♥)

自分と同じ顔の少女を荒々しい腰つきで犯す少女、滴る汗に交じってスライムの媚薬が肌から滲んでいた。
「私自身の未熟な瑞々しい身体を犯すの最高に楽しいです♪」

二人が淫靡な踊りを楽しんでいるとガタガタと音がした。
机の上の瓶の中でスライムのがゆっくりと動いていた。
どうやら本来の女戦士が目を覚ましたようだ。
それを見て看板娘(スライム)はニヤリと笑い布団をかぶった。

看板娘(オーク)はスライム何をするつまりかすぐに察し、服を着て甲高い声で叫んだ。

「キャー!何をするつもりですか!?止めてください女戦士さん!」

布団が床に落ちるとそこにあったのは、勇者一行の切込み役の女戦士の姿だった。
女戦士は好色な笑みを浮かべ、看板娘(オーク)を羽交い絞めにし、服を破きながらその頬をねぶった。

「へへw大声出すなよ嬢ちゃん♪天国に連れてってやるからさあ」

(どんな気分だろうな?目が覚めたらスライムになって瓶に閉じ込められていて、
さらに目の前で自分の身体が少女を強姦しようとしてるのを見るってのはw)

……女戦士side

(ん……どこだここ?また飲み過ぎちったかな?体の感覚がおかしい)

瓶の中でスライムが揺れて居る。
ゆっくりとのたうち回るそれは、慣れない体に戸惑っているようだった。

(一回起きよう。ランプはどこだ?)
ベッドの横にあったはずのランプに手を伸ばそうとした時、そこで初めて彼女は自分の腕がない事に気が付いた。

(!?、なんだこれ!?あたしの手……手だけじゃない!身体が!?これってまさか……スライム!?)

「キャー!何をするつもりですか!?止めてください女戦士さん!」
自分の身体の変化に理解が追い付かないでいると、近くで少女の悲鳴が聞こえた。
この宿屋の主の娘の声だ。
助けなければ。
誰かに襲われているようだ。
最強の戦士である自分ならば、相手が魔物であろうが夜盗であろうと助けられる。
しかし、彼女の目に飛び込んできたのは……

「へへw大声出すなよ嬢ちゃん♪天国に連れてってやるからさあ」

毎日鏡で見ている自分の顔をした女が、今まさに少女を犯そうとしているところだった。

「ひぃっ!いやぁ、やめるのです!怖いのです! 正気に戻るのです女戦士さん!」
「俺は正気だよ看板娘ちゃん、その証拠にこれもこんなに元気だからな!」
ベッドの上で看板娘を押し倒した女戦士は見せ付けるようにクリトリスが変化した肉棒を前後にしごき上げ太さと固さを増していく。
本物の手のひらは武器を振るったことでできたタコなどゴツゴツしていたが、スライムの特性を得たときにそれらは無くなりしなやかさを得ていた。

(違う、違うんだ!それはアタシじゃない!偽者なんだ!)

女戦士の成れの果ては自らの存在を示すように体を揺らすが呪符に蓋をされ結界と化した瓶は多少揺らすことはできても壊して外に出ることは不可能であった。

「あぁ、やめ…せめて、優しく…!」

震える声で看板娘が請う。元女戦士からは見えなかったが女僧侶の挿入への期待が隠し切れなかったのだろう、看板娘の秘所は濡れそぼっていた。
嗜虐心をかきたてられた女戦士は亀頭を割れ目にあてがい焦らすように入り口をこすると――

「イっちまいなッ!!」

ずぷぷぷぷっ!と音を立て一息に最奥まで挿入した。

「――――――――――っ!!!!!」

看板娘の声にならない声が響き渡る。
机の上で瓶がガタガタと震えるがそれすらも女戦士の嗜虐心を刺激し腰を振る速度を加速させる。

「どうだいアタシのモノは、あんなに嫌がってるのに一発で昇天しちまうだろ?」
「あぁぁぁぁっ、太いのです!痛いのです!――でも気持ちいいのです!女戦士さんの極太おちんぽがあたしのおまんこズポズポするのたまらないのです!
もっとぉ!もっとおちんちんつっこんでぇ!」
(やめろ、やめろやめろやめてくれ! それはアタシじゃない!アタシじゃないんだああああああ!)
「ほらほらほら!もっと喘げ、恥ずかしい姿をアタシに見せ――ひゃんっ!?」
「ちゅぷっ…ぺろっ…あれあれぇ?女戦士さん乳首で感じちゃってるのです?こんなに大きなおっぱいぷるんぷるんさせてるうえに感じちゃうなんてぇ、
本当に栄誉ある勇者様のお仲間なのですか?」

攻められるだけではいられなくなった看板娘が女戦士の爆乳をしゃぶり、もう片方の乳房を小さな手でまさぐりはじめる。
それに負けじと女戦士は砕けそうになる腰に力を入れなおし看板娘を激しく突く。
肉棒が膣内をこするたびに少女の吸い付きは激しくなり、乳首への快楽で刺激された劣情は挿入の激しさをさらに増していく。

互いに与えあう快楽に耐え切れず、ついに女戦士の肉棒が痙攣しはじめた。

「あぁ、イくぞ!中に出すぞっ!」
「あっあっあっあっ……くる、何か大きなものがくるですぅっ!」
そして高まり続けた二人の劣情はついにはじけた。

どぴゅっ、びゅるっ、びゅるるるるるるる!!!
「あああああああっ!締まるぅぅぅぅ!」
「熱いのぉっ!熱いのいっぱいでてるのですぅぅぅぅ!」
女戦士のイチモツから吐き出されたスライム精子は一瞬で看板娘の内側を満たすがそれでは足りず、結合部からベッドの上へと溢れ出していく。
さらに少女によって散々に刺激されてしまった二つの乳房からは、スライムミルクが射精のタイミングにあわせてぷしゅっ、ぷしゅっと噴出している。
看板娘は中出しの快楽に耐え切れずだらしなく口をあけており、乱れてなお可憐な肢体は白い液体によって淫らに染めあがっていった。


(アレハアタシジャナイ、アレハアタシジャナイ、アレハ……)

スライム(元女戦士)はショックのあまり気を失ってしまった。

「この程度で気を失うなんてアタシなのに情けないなぁ~あ、いいこと考えた!」

そういうと女戦士は看板娘の姿に戻りながらスライム(元女戦士)の入った瓶を手に取った。

「それをどう使うのですか?」

僧侶の姿に戻りその顔で本来の彼女であれば絶対にしない笑みを浮かべながら女戦士に訊ねる。

「そりゃあこうするんだ……よっ!!んぁああんっ♪」

看板娘は四つん這いになりお尻を上げた状態でスライム(元女戦士)の入った瓶の呪符を剥がし自らのおまんこに瓶の口を押し込んだ。

「んんっ、これを吸い上げてあたしと混ぜて……よしっできた!」

看板娘は上げたお尻を振りながら何かぶつぶつと言っている。

「この体を引き払うので、あたしに僧侶様のおまんこを貸していただけませんか?」
「私のおまんこでよければ好きなだけ使って♪」

その言葉を聞いた看板娘はおまんこからスライム触手を出し僧侶のおまんこへと突き刺し
そのままズルズルと僧侶のおまんこへと入り込んでいく。

「んっあぁぁぁぁぁッ!!」

すべてのスライム触手が僧侶のおまんこへと入り終わるとその場には
倒れた看板娘とお腹が風船のように膨らんだ僧侶だけが残された。

「そろそろ私の神聖魔法の力をコピーできたでしょうから、んっ早く出て」

僧侶がそう言うと女戦士は僧侶のおまんこからズルズルと出てきた。

「ああぁぁぁぁぁぁんっ♪」
「スライムのアタシを産むのはそんなに気持ちよかったかい?」

スライムから女戦士の姿に戻ったが見た目はまったく変わっていない。
だが今の女戦士は僧侶がスライムの能力を手に入れた時の手法を使って
僧侶と同じ神聖魔法の力を手に入れていた。

「ええ、とても気持ちよかったですっ♪」
「これでアタシたちお互いに母娘(おやこ)だな♪」

ふたりは微笑み合うと倒れている看板娘へと視線を向けた。
看板娘の体はおっぱいに入っている媚薬毒入りスライムミルクによって気を失ったまま発情している。

「この様子なら看板娘ちゃんそろそろ目を覚ますわね、女戦士さんさっき指示を出した通りにやってちょうだい」

僧侶は女戦士がおまんこから出入りした僅かな時間で体表面や膣壁を波打たせて作戦のやり取りも行っていたのだ。
女戦士は浄化の神聖魔法を自身に使用すると再び体をスライム化させた。
輪郭を失った体は広がると床のうえを薄く薄く広がり部屋全体を多い尽くしていく。
そう、彼女は自分自身の体でさまざまな恥ずかしい液体の飛び散った部屋の浄化をしているのだ。
そして薄く広がるスライムの体は看板娘の体に覆いかぶさると巨大な両胸を強烈に吸い上げた。

「ふぁぁっ、いやぁぁぁんっ♥」
「女僧侶のえっちなお汁にアタシの精液、それに看板娘ちゃんのミルク、どれもとっても美味しい♥」

看板娘の両乳首を覆うスライムがまるでポンプのように媚薬ミルクを吸いだしていき、乳首の先端にスライムで覆われたミルクの水袋を作り出していく。
二つのミルク袋が膨らむにつれて看板娘の両胸は縮んでいき、全てを吸い尽くすと彼女本来のサイズに戻った。

それを見届けるとスライムはベッドの上に収束すると女戦士の姿を形作った。
女戦士の両手に乗っているのは二つの――いや、彼女の手の上でくっつきあい一つになったミルクの果実。そして

「看板娘ちゃんの媚薬ミルクに女戦士ちゃんの魂が溶け込んでいるわ♪」

(あぁぁっ、暑い!、熱い!、切ないぃ!、アタシの、アタシの体がうずいてえぇぇぇぇっ!)

元女戦士の魂が自らの体から生まれる快楽に身をよじるように果実の表面がぷるんと震える、そしてそれをみて嗜虐心に笑みを浮かべる彼女の姿をしたポイズンスライム。
ポイズンスライムはさらに快楽を味わわせるように果実を両手でこね回すとまどろみに中にいる看板娘に向かって話しかけた。

「看板娘ちゃんはこれから女戦士ちゃんの魂がこもったミルクスライムと混ざり合ってひとつになるの。
看板娘ちゃんの見た目はただの人間と変わらないようにみえて、実はとってもえっちなミルクでできた素晴らしい体になるわ。
そしてあなた自身はなにも気づかずに過ごす裏側で、女戦士ちゃんの魂は息をするだけで気持ちいいあなたの体の快楽すべてを受け止める」

無意識のうちに彼女の言葉を理解したのか看板娘の股の間が湿り気を帯びる。

「あなたの体は健やかにまっすぐに育ち、いつかはこの町、いえこの国一番の美女へと成長するわ。しかし同時にあなたの体は一人に戦士の魂を閉じ込める快楽の牢獄でもあるの。
看板娘ちゃんはなにも知らずに今までどおりに元気よくすごしなさい、でも夜にアタシたちがあなたの元に訪れたらこのことを思い出して――気持ちよくなりましょうね♥」

そして少女の体に白い液体が降り注いだ。


・・・
健やかな朝だった。
まるで昨夜この宿屋で行われた魔族達の淫猥な遊戯など無かったかのように穏やかな朝だった。
もっとも、その事実を知っている〝人間”は一人もいないのだが。

「勇者さま!朝なのです!起きるのです!」

看板娘が元気な声を出してカーテンを開け放った。
朝日の柔らかな光が勇者に注ぎ、彼はゆっくりと目を覚ました。

「おはよう、看板娘ちゃん。こんなに寝坊したのは久しぶりだなあ、ちょっと疲れてたのかもしれない」
「それは一大事なのです!今日の朝ごはんは私が腕によりをかけたミルクシチューなのです。食べて元気になってほしいのです!さあ、早く着替えて食堂に来るのです!」
「あはは、楽しみだなあ。でもそこに居られたら着替えられないよ。すぐに行くから先に行ってて」

勇者が袋から着替えを出していると、看板娘は元気良く頷いた。

「わかったのです!いっぱい食べて元気になってほしいのです。すぐ来るんですよ!」

看板娘は廊下に出て扉を閉め、天使のような顔で笑った。

「……『元気』になるですよ。僧侶様の為に、ネ?」

・・・
勇者が食堂に着くと、仲間たちは皆すでに席についていた。

「遅いぞ~勇者!アタシ一人で食っちまうぞ~!」
「止めなさい太るわよ。でも勇者さまが寝坊なんて本当に珍しいわね」

魔法使いの一言にバツが悪そうにあいまいな笑みを浮かべる勇者。
それをさりげなく僧侶がフォローするというのが彼らの『いつもの光景』だった。

「勇者さまも野営続きでお疲れだったのでしょう。毎日誰より遅くまで夜警してくれていたのですよ?」
「僧侶さん……」

「さあ、シチューが覚めてしまう前に頂きましょう。『神よ、今日の恵みをお与え頂いたことに感謝を』」

僧侶が『いつも通り』食事の前のお祈りをし、勇者がそれを真似するように合唱した。
もっとも、彼女が祈っている神がいつもと同じ神かどうかは彼女しか知らない事である。

(使えるな、この〝おもいだす”って特技は。まるで本を読むみたいに僧侶の記憶が読める。
まあ、僧侶がその時どんな気持ちだったかってのは分からないのが弱点っちゃあ弱点かな)

「わ、おいしい」

大きめに切られた野菜とお肉の入ったシチューは素材のうまみが引き出されていてとても美味だ。
食べればたべるほどに内側から力がわきあがるような錯覚さえ感じてしまう。
勇者はしみこむような味わいにどんどん匙をすすめていく。

「うめぇうめぇ!看板娘ちゃーん、おかわり!」
「はいなのです!」
「ちょっと、はしたないわよ女戦士。でも、たしかに美味しいわねこれ」
「お野菜の実りがいいのはいいことです。神様に感謝しなければいけませんね」

思い思いに談笑しながらシチューを口に運んでいく。結局勇者もおかわりを1杯もらってしまった。

「ごちそうさまでした。さて、今日の方針について打ち合わせましょう」

看板娘が食器を下げたのを確認すると勇者が話を切り出した。

「街道上のパトロールと隊商の護衛ということでしたが、今日は隣町へ向かう隊商がひとつあるそうです。片道でも半日かからない距離ですね。
隊商の方々も自前で護衛を雇っているようですが、女戦士と魔法使いにはそちらに同行、連携しての護衛をお願いします。
そして僕と僧侶さんは先行し街道に異常が無いか確認し、例の魔物の一団がいた場合はこれを叩きます」

勇者の作戦に女戦士が疑問を呈する。

「街道に出る魔物はそこそこの集団って話だが二人だけで大丈夫なのかい?」
「慢心するつもりはありませんがオークの群れ程度ならば僕一人でも対処できます。僧侶さんの神聖魔法での援護もあれば十分でしょう。
場合によっては街道から外れて森や洞窟の中を調べるかもしれませんので身軽な僕が適しています」

(一人でオーク全員に対して余裕とはね。相変わらず勇者の素質は底知れないがその一団の隊長はここにいるし、他の連中は退却してるんだよな。
まぁ魔王軍に属さない野良の魔物もいるし、うまいことそっちが身代わりになってくれれば万々歳だ)

「わかった。じゃあアタシたちは隣町まで護衛して、こっちにくる隊商がいたら護衛しながら戻ってくるよ。いくよ魔法使い!」
「聞こえてるから大きな声で騒がないの。じゃあ行ってくるわね勇者様」

「お願いします。それでは僧侶さん僕と一緒にお願いします。」
「はい、こちらこそよろしくお願いしますね」

「行くぞ!【火炎切り】ッ!逃がさない!【べギラマ】!」

道中の戦闘、勇者の実力は僧侶の想像以上だった。
目にも止まらぬ剣先はコボルトを一瞬で絶命させ、一目散に逃げようとするキャットフライは閃光呪文で黒焦げになった。

(勇者ってのは可愛い顔して恐ろしいもんだな。魔物からしてみりゃとんだ殺戮者だ)

僧侶は勇者から死角になる位置で、魔物たちに回復魔法を使いこっそりと逃がした。

【南へ向かえ】

魔物たちは僧侶の口から魔物語が出た事に驚いたが、その言葉に敵意がない事を感じ南に向かった。
そこには隊商のキャラバンが居るのだ。
しかし勇者は気付かなかった。
僧侶に対する信頼が、勇者の目を前にしか向けさせなかったのだ。
その上彼は非常に火照っていた。朝食後から体が熱くなり、それを発散させるべく派手に戦ったが、むしろ疼きは強くなるばかりだったのだ。

「これで、殲滅できましたね。オークは居なかったから森か洞窟に居るかもしれないな。僧侶さん、早く向かいましょう!早く倒しましょう!」

僧侶は勇者に連れられるまま鬱蒼と茂った薄暗い森へと入っていった。
そして森の中をしばらく歩くと唐突に僧侶が勇者へと声を掛けた。

「勇者様、先程から顔が火照っていらっしゃいますが体調がすぐれないのですか?」
「っ、そ、そんなことはないよ」
「そうですか、ですが念のために神聖魔法を掛けさせていただきます」

勇者は言葉に詰まりながら体調不良を否定する。
しかし僧侶は念のためにと勇者へと神聖魔法を掛けた……
そう、神聖魔法は神聖魔法でも感覚強化の魔法を。

「勇者様、神聖魔法を掛けましたがお加減は治られましたか?」
「そ、僧侶さんああありがとうございました」

勇者は強くなった疼きを我慢しながらパンパンにテントを張ったズボンを
見られないように僧侶に背中を見せた。

「そ、それでは僧侶さん、このあたりには魔物は居ないようなので洞窟へ向かいましょう」
「それでは洞窟へ行きましょうか勇者様っ♪」

僧侶は勇者の耳元で艶やかな声色を使いそう囁いた。

「ひゃんっ!?そそそそ、僧侶さん!?」
「ごめんなさい勇者様、このあたりに魔物は居ないと確認されたでしょうけど、あまり大きな声を出さない方がいいと思って」

僧侶はすました顔でそう言うと勇者から離れた。
そのまま勇者と僧侶は森の奥の洞窟へと向かって行く。

「あの、勇者様洞窟に入る前に少し離れたいのですが……」
「ど、どうして?僧侶さん?」
「その……お花を詰みに」

僧侶は顔を赤くしながら両腕で胸を挟み強調した体勢で顔を隠した。

「ごごごご、ごめんなさい僧侶さん」

勇者は僧侶が茂みで用を足す瞬間を想像してしまいさらにズボンのテントを大きくしながら謝った。
そうこうしていると洞窟の入り口へと着いた。

「それでは勇者様しばらくお待ちください、少々時間がかかるかもしれませんが絶対に覗かないでくださいねっ♪」
「の、覗くはずないじゃないですか!!」

そんなやり取りをして僧侶はその場を離れて行った。
そして残された勇者は……

「どうして今日はこんなに興奮しちゃうんだろう……」

いつ僧侶が戻ってくるかわからないので愚息を慰めるにも慰められず悶々としながら頑張って
心を落ちつけようと精神統一を始めるのであった。

・・・
一方その頃僧侶は……

「このくらい離れれば勇者にはばれないわね」

そう言いながら僧侶は服をすべて脱ぎしゃがみ込むとおまんこへと愛撫を始めた。
そして濡れてくるとおまんこを広げ力んだ。
すると、奥からなんと片手で持てるかどうかと言う太さの瓶が出てくるではないか。
その瓶の中には真っ赤な液体がたっぷりと入っている。

「んんっ♪あとはこれを周りに撒けば……」

僧侶は瓶の中に入っていた赤い液体を辺りへとばら撒いた。
赤い液体は動物の血だったようで辺りには血の鉄臭い臭いが充満する。
しばらくすると血の匂いを嗅ぎつけた狼が数匹現れた。
狼が現れたのを確認すると僧侶は全裸のまま狼に背を向けて逃げようとした。
狼たちは僧侶へと飛びかかり腕や足の一部を食いちぎり飲み込んだ。
するとどういう事だろう、僧侶の一部を飲み込んだ狼たちは打って変わって
おとなしくなり、のしかかっていた僧侶の上から降りた。

「さあ、こっちへいらっしゃい」

いつの間にか狼に食いちぎられた傷口は跡形もなく治っていた。
そう、僧侶はスライムの能力を使い食いちぎられた部位をスライム化して
狼たちへと寄生させて操っているのだ。
瓶を出した時に服をすべて脱いだのは狼に服を破られないようにするためだったのである。

「さて、ゴーストマジシャン居るのでしょう?」
「僧侶になったオークの近くで待機し、オークに従うように命じられているからな」

僧侶が呼びかけると僧侶の目の前の空間が陽炎のように揺らぎゴーストマジシャンが現れた。

「あなたは人魂の状態になって私の中に待機しておいてちょうだい」
「わかった従おう」

ゴーストマジシャンは人魂の状態になると僧侶が大きく開けた口へと入り込んだ。
全ての準備が終わると僧侶は服を元通りに着て勇者の元へと戻っていったのであった。

「僧侶さんおそいな、魔物に襲われてないかな……覗かないでって言われたけど様子を見に行った方がいいのかな……?」

ひとまず心を落ち着かせた勇者が、戻ってくるのが遅い僧侶を心配し様子を見に行くか悩み始めたその時であった。

「すみません、恥ずかしかったので少し離れたところまで行っていたら遅くなりました」

僧侶は何事もなく戻って来て顔を赤らめながら恥ずかしそうに遅くなった理由を話した、
その姿を見て勇者は安心し洞窟の探索へ進むことを提案するのであった。

「それでは先程と同じように僕が前衛、僧侶さんが後衛からのサポートをお願いします」
「わかりましたわ勇者様」

特に先程と変わった事はないが一応の作戦会議が終わり勇者と僧侶は洞窟の中へと入っていくのであった。

「おかしいですね、ここ最近オーク達が妙におとなしい。
ここもつい最近まで魔物に使われていたような形跡があるのに魔物が居ないです」
「確かに、ここ最近は魔物達の活動がおとなしいですね」
(クククッ俺やポイズンスライムが勇者の仲間と入れ替わって勇者パーティを
内側から乗っ取る計画が進行してるから、その間は仲間(魔物)達に無駄な犠牲を
出さないように安全な場所に潜んでいるなんて魔物を殺す事しか考えてない
勇者パーティには思いつきもしねぇよなぁ!)

僧侶は本心を表情に出さないようにしながら本来の僧侶らしい答えを勇者に返した。


その時であった!


『グルルルルルルグァン!!』
「えっ?きゃぁぁぁぁぁぁ!」
「僧侶さんッ!!」

勇者たちの背後に突然現れた狼が僧侶に対して鋭い爪で襲いかかり、直接的なダメージは防具によって防がれたがバランスを崩した僧侶は倒れた衝撃で気を失ってしまった。

「大丈夫ですか僧侶さん!?、こいつら!よくも僧侶さんを!!」

勇者は僧侶が攻撃を受けた事に激昂し襲いかかってきた狼を切り捨てた。そして、僧侶の状態をするために僧侶の居る方へ振り返った瞬間……

『『『グルル』』』
「っ!!」

先程まで何も居なかったはずの背後に突如として発生した気配に気づいた勇者は、再び僧侶へと背を向けそちらへ振り向いた。

「こいつら……いったいどこから!?」

勇者は狼達を放置するわけにもいかず僧侶の状態を確認する事を一時的に断念した。そして、いくら勇者であっても複数の狼を全て倒し終わる頃には服はあちこちが破れ、
体は傷だらけになりその傷からは血が滲んでいた。

・・・

狼をすべて倒し終えた勇者は僧侶の状態を確認するために彼女へ近づき気付いた。

「そそそそ僧侶さんの、おっぱいが見えっ見えっ!?」

そう、僧侶のピッチリしたタイツ状の法衣は僧侶が振り向き様に狼からの攻撃を受けたときに破れ、
そこを起点に体の全面がほぼ見える範囲へと破れが広がっていたのである。
あまり意識しないようにしながら僧侶の一応の無事を確認し終えた勇者はできるだけその体を見ないように横を向きながら僧侶を起こした。

「僧侶さん大丈夫ですか?」
「んん……ここは……」
「僧侶さん体に異常はありませんか?」
「ええ、特には……!?」

僧侶は自分の素肌がほぼ丸見えなのに気づき顔を赤くしながら慌てて自分の腕を使い胸や股間を隠した。

勇者はずっと意識したり見ないようにしていたが朝食に盛られた看板娘の媚薬ミルクや狼との戦闘での闘争本能や傷を受けたことにより
生殖本能が刺激され、彼のイチモツは破れたズボンから大きく飛び出していた。

「あ、勇者様怪我をされているじゃないですか!今すぐに治療をしますね。」

僧侶は破れて曝け出された体も気にせずに両腕で胸を挟むように勇者の方へ両手を突きだし神聖魔法を使用し治療を始めた。
もちろん治療と同時に通常は戦闘前に仲間を奮い立たせるために使用する興奮魔法や洞窟に入る前にも使用した感覚強化を何度も重ね掛けしている。
治療が終わり勇者の傷や体力が全快した頃になると勇者は目を血走らせ獣のような表情で僧侶の体を凝視していた。

「勇者様そんな目で見られると……私怖いです」

僧侶は左腕を乳房の下に入れ強調しながら右手を顔に当て上半身を左右に子供がイヤイヤをするようにしながら勇者へ言った。
すると正気を失った勇者は……

「ソウリョサンボクハキミノコトヲアイシテル!」

そう叫び僧侶へと飛び付いた。ギンギンになり先走り液で塗れたイチモツを僧侶のおまんこへと一気に突き入れ、そのきつさに一回射精した。

「痛っ!!、ゆう……しゃさま……やめて……」
「スキダスキダスキダスキダスキダスキダスキダスキダスキダ」

勇者は僧侶を無視し自分の快楽のために一心不乱に僧侶のおまんこを突く。
そして、勇者のイチモツには僧侶の破瓜の血がべったりと付いている。

勇者が一心不乱に僧侶を犯していると僧侶の方に変化が訪れた。

「アンッ!アンッ!アンッ!アンッ!」

勇者がおまんこを突くのに合わせて僧侶の口から喘ぎ声が出ているのだ。
そして数十分後勇者にかかっていた魔法などの効果が切れ勇者は操り人形の糸が切れるように意識を失った。
そしてここに至るまでに媚薬ミルクの効果により普通の人間ではあり得ない量の
精液を勇者によって注がれた僧侶のお腹は子供が入っているかのように大きくなっている。

「ふう、そろそろ勇者様の精液を取り込みましょうかね♪」

僧侶がつぶやくと僧侶のお腹はみるみるうちに小さくなっていき元の大きさへと戻った。

「さすがにこれだけの量の精液を取り込めば本人を吸収したり寄生したりしなくてもいいな」

そうつぶやいた僧侶の姿は勇者と全く同じ姿になっていたのだった。
勇者の姿になった僧侶はそのままスライムになり周囲に広がり勇者が倒した狼と破れた服を
すべて吸収し、同時に辺りを神聖魔法で勇者と自分の情事の痕跡を消したのであった。

「大量に勇者の精液を吸収した私なら勇者に掛かった神の加護をすり抜けられるはず」

僧侶はスライムの体のまま勇者に近づくとそのまま耳にズルズルと入ってしまった。
全ての僧侶が勇者に入り終えてしばらくするが何も起きないと思いきや
耳から僧侶が出てきてそのまま人の姿を取った。

「やはり神の加護、侮れない勇者の精液を吸収し因子を取り込んでも1~2時間の記憶を改変するのがやっとか……まあいい、勇者を落す機会はまだまだある」

僧侶は自分の一部を服に擬態させて勇者に纏わせると自分の表面にも服を作りだし勇者を起こした。

「勇者様、勇者様起きてください」
「んん……ここは……僧侶さん!?」

目を覚ました勇者は僧侶に膝枕をされていて、目の前に僧侶の大きなおっぱいがあったため驚いたのだった。

「急に動いてはいけませんよ?体調が悪くなって休んでいたのですから」
「すみません、そうでしたね。僕の体調が悪いばかりに僧侶さんにご迷惑をおかけしてしまって……」
「勇者様はみんなの希望なのですからお体を大事になさってください」
(まあ今勇者の体調が悪いのは俺からたっぷり絞り取られたせいなんだけどな!)
「体は大事だけど他の二人が心配しちゃうからそろそろ戻らないと」
「そうですね、森にも洞窟にも異常はなかったので町に戻って二人を待ちましょう」

こうして勇者の記憶を改ざんした僧侶は勇者と一緒に町へと戻るのであった。

・・・
一方そのころ

「かーっ、帰りは護衛の依頼もなかったし楽でいいなー!」
「お金がもらえないのはなんだけど……まぁ貴女が稼いだから文句は言わないわ。」
二人は徒歩で街道を戻っていた。

何度か魔物の襲撃はあったものの隊商の護衛は無事に完了することができた。
中でも突如茂みから荷馬車めがけて突進してきた『あばれうしどり』を女戦士が受け止め地面に叩きつけたのは護衛の傭兵たちを唖然とさせる出来事だった。
「だらしねーなー、もっと肉くえ肉!」と女戦士がぼやいていたが、その膂力が常識の範疇を超えてるのはやはり彼女も勇者の仲間といった光景である。

首を折られて絶命したあばれうしどりは隊商がぜひ買い取らせてほしいと交渉してきたので二つ返事で売却した。
強靭な角や皮革は防具にも工芸品にも使え、極上の食肉もとれる身体――それもほぼ無傷のもの――にその他の魔物の素材の代金も含めると
帰りの護衛で得られただろう報酬と彼女がこの前新調した剣の代金を差し引いても十分な収入ものとなった。

「それにしても町に戻ればちゃんとした寝床で寝れるのはいいわね、旅立てばまた野宿なんて――」

そう魔法使いがぼやいた瞬間、街道沿いの茂みから複数の魔物が襲い掛かってきた。

「来たわね、【ボミオス】! 【イオラ】!」
突っ込んでくる魔物たちの動きを止めて一気に爆発魔法で焼き払う、しかしそのとき

「【マホトーン】!」

「しまった。女戦――がっ!?」
まるでそれを見透かしたかのように遅れて茂みから飛び出したキャットフライの呪文封じが直撃してしまう。
すかさず女戦士に助けを求めようとした瞬間、彼女の意識は後ろから来た攻撃に刈り取られた。

『よしよしよくやったキャットフライ。』
『ぽいずんすらいむサマ、おれしごとシタ、ごほーびクレ。』

気絶させた魔法使いを運んで森に入った女戦士は大金星を取ったキャットフライを優しくなでていた。

(こいつがいなけりゃ魔法使い対策を考えなきゃいけないとこだったし、褒美をやりたいとこだが手持ちの食料も切らしてるしなぁ――そうだ、いい方法がある)

女戦士はビキニアーマーを恥ずかしげもなく脱ぎ去るとムチムチした体を見せ付けた。
そして大きな乳房の先端に指先をあてがい力強く絞り上げると、スライムが飛び出しキャットフライに降りかかった。

『ニャッ、フシャアアア!?』

スライムはもがくキャットフライを包み込み体を溶かしていく、キャットフライの体が消えていくほどにスライムはオレンジ色になっていく。
そして全てを溶かしたオレンジ色の水たまりが盛り上がるとスライムでできた猫耳と翼をもつ少女の形になった。

「おかーさまはいきなり酷いニャ!死ぬかと思ったニャ!」
「悪い悪い、ほかにいい考えが思い浮かばなくてな」

女戦士がキャットフライに対して分体作成と捕食を組み合わせて眷属化を施し、猫娘として生まれ変わらせた。
キャットフライは呪文封じや身軽さの素質はそのままに人としての体と知性にある程度のスライムの特性を手に入れている。

「力がみなぎるのは嬉しいけどなんなのニャこの身体は!にゃあはオスだニャ!」
「ははっ、悪い悪い、アタシの中に男の因子はまだ無くてな。でも……女の体も素晴らしいものだってすぐ分かるさ♪」

女戦士の瞳が妖しく光ったことに猫娘は気づかなかった。

女戦士は猫娘をなだめると分け与えた能力の使い方と人間の知性を認識させて人と変わらない見た目にさせた。

「とりあえずニンゲンの常識とおかーさまがくれた力の使い方はわかったニャ。それでどうすればいいのニャ?」
「あぁ、とりあえずお前を魔物に襲われていたところを助けた娘として町につれていこうと思う。父親と旅をしていたがすでに殺されてしまい孤独で身よりもないって設定にしよう。
それで、アタシがいま拠点にしている宿の店主に下働きとして雇ってもらえるように交渉するから。普段はただの人間であるように演技をして、
アタシたちの味方に引き込んである主人の娘と一緒に魔王様が世界を征服したときのための下準備をしてほしい。」
「わかったニャ、頑張るニャ! それでその女の子はいい子なのニャ?」
「あぁ、とてもいい子だよ。ただ普段は自分が魔物だと認識していないからそういう話は人目のないところでな。」
「はいだニャ。」

女戦士は分泌したスライムを服に変化させ猫娘に着せると気絶した魔法使いを見下ろした。

「ここでエロい悪戯してもいいけどどっちにしろ本番は宿まで戻らなきゃできないし……とりあえず毒盛っとくか。」

そして顔を持ち上げて乳首を口にあてがうと記憶混濁の毒や遅効性の媚薬などを飲み込ませていった。

「うう、わたくしがあの程度の魔物に後れを取るなんて……」

涙目になりながらうなだれる魔法使い。
調子に乗っていたら潜んでいた魔物に手痛い一撃を食らってしまい昏倒。
その魔物を女戦士が倒し、事なきを得たのだという。
しかし魔法使いの頭の中に疑問も残る。
戦闘に入る前にスカラを使い、防御は固めていた。
噂のオークならばいざ知らず、その他の魔物では自分を倒すことなどできない筈だ。

(何かおかしい、何か……)
「貸し一だかんな!帰ったら酒場で奢れよ!」

彼女の思考はその声で遮られた。
普段ならばもっと頭が働くが、昏倒するほどの一撃を食らったのだから考えがまとまらないのも仕方がないことかもしれない。
彼女はそう考えた。

「わかったから大声ださないで、頭に響くわ」
「大丈夫にゃ?魔法使いさん」
「ええ、大したことはないわ」

心配かけまいと少女に微笑む。先ずはこの少女を無事町へ送り届けなければならない。
気を締めなおし勇者たちとの合流地点に向かった。

勇者たちは町の入り口付近で合流し、女戦士から道中で保護したという少女の事情を聞いた。
「そうか……猫娘ちゃん、お父さんの仇は僕が絶対にとるからね」
「神よ、この少女に光をお与えください」
「勇者様、ありがとうございますにゃ」
視線を伏せて勇者にすがる少女の姿は勇者に自身の使命の重さを再認識させた。

一行は少女を連れて宿屋に戻ると主人にに猫娘を雇ってもらえるか話を持ちかけたが、
驚くべきことに猫娘はあっさりと主人に雇われることとなった。
なにやら看板娘が新たに考案した料理の売れ行きが好調で、このままだと手が足りなくなる可能性があるので丁度人を雇うか考えていたところだったというのだ。

「わー、あなたが猫娘さんですね!今日から一緒にがんばるのです!」
「これからお世話になるにゃ、早く仕事がこなせるように頑張るにゃ」

看板娘と猫娘が笑顔で握手を交わすが、二人の手のひら同士が触れ合った瞬間、触れ合った部分のみがスライムにとろけ、二人は互いの事情を把握する。

「まずは互いのことを知る必要があるのです!一緒の部屋ですごすのです!」
「にゃ!? わ、わかったにゃあ……」

こうして猫娘の居場所が決まり、勇者と魔法使いは胸をなでおろしていたが、女戦士と僧侶は看板娘が順調にその役目を果たしていることと、
彼女の両親がその決め手となる『新鮮なミルク』がどこからきているのか疑問にすら思えなくなっていることに内心ほくそ笑んでいた。

宿屋の食堂で夕食をとりながら一行は今日の出来事を振り返っていた。視界の端では早速猫娘がエプロンを着て危なげながらも料理を運んでいる。

「それでよー、あばれうしどりがあんなに高く売れるとは思わなかったな。次からは仕留めたら持って帰ろうぜ?」
「わたくしたちの馬車にそんな空きは無いでしょ。どうやって持ち帰るつもり?もう、魔物に一撃もらうし散々な一日だったわ」
「僕も体の調子を崩してしまい僧侶さんに迷惑をかけてふがいないばかりです……。もっと強くならないといけませんね」
「あまり根をつめてはだめですよ。どうでしょう、魔法使いさんの件もありますし明日は一日休養にあててみませんか?」

勇者は少し考えをめぐらせる、確かに昨日町についてから今日はまた魔物退治だ、
街道沿いに例のオークの一団はいないようだったし一日ぐらい休んでも問題はないだろう。

「そうですね、いいと思います。明日は一日お休みにしましょう」

勇者の言葉に四人が微笑むと、看板娘が料理をてに彼らのテーブルにやってきた。

「お酒と料理をお持ちしたのですよ。それと勇者様、お話は聞かせてもらったのです。
体調が優れないのなら栄養満点のミルクを飲んで一晩ぐっすり眠れば疲れも吹き飛んじゃうのです!サービスしておきますので一杯いっとくです?」
「あははは……ありがとう看板娘ちゃん、いただくよ」
「あー、それ私にももらえる? ちょっと栄養つけときたいわ」

まもなく看板娘はよく冷えたミルクを手に机に戻ってきた。
彼女の言うとおり特製ミルクは絶品の美味しさで、これなら朝までぐっすり眠れるだろうと勇者に思わせるものであった。
そう、たとえ隣の部屋で魔法使いに何が起こっていたとしても……。

・・・
そして深夜。宿全体に催眠魔法、消音魔法、結界が施され、宿は静寂に包まれている。
窓から差し込む月明かりに照らされて、女戦士と看板娘、猫娘は僧侶の部屋へと集まっていた。

「僧侶さん、これは?」
疑問と共に看板娘が指差した先には、板張りの床の上で仄かに輝く魔方陣があった。

「ふふ、これは転送魔法用の魔方陣です。これで昼間立ち寄った洞窟の奥とこの部屋をつなげています。
そして…、洞窟には何体かの魔物に待機してもらっています。こちらからの連絡ですぐにこの部屋に転送されるように」

僧侶の言葉に女戦士がニヤリと笑う。
「なるほど、用意がいいもんだ。つまりそれで呼んだモンスターを…」
「そう、魔法使いと入れ替わらせます」

「なるほど、それでどうするんだ? 魔法使いはどんな魔物と入れ換える?」
女戦士の問いかけに僧侶はかるく考える素振りをする。

「そうですね…魔法使いも僧侶と同じく物理的な攻撃力防御力は弱いタイプですので、
物理に長けたギガンテスや、いっそドラゴン族なんかでも面白いですね。女戦士はどう思います?」
「アタシは…そうだな、今回の作戦の補佐で入ってるゴーストマジシャン、アイツなんかどうだ?
アイツは魔術系だが、実体を消して影のように動いたり、他人に憑依したり洗脳したり面白い技があるし」
「なるほど、それもいいですね。
では看板娘さんと猫娘さんはどう思います?」
「あー、そうだにゃ…、溶岩魔人や氷河魔人なんてどうにゃ! 人間なのに炎や氷に体を転化できるとかカッコイイにゃ!」
「私はキラーマシンとかゴーレムみたいなタイプだとどうなるか気になるです」


皆の答えを聞いて僧侶は楽しそうに頷く。

(鳥、虫、植物系もアリだな。スレンダーな魔法使いと入れ替えるならミノタウロスみたいな牛系もありか?そう、牛系(乳) !
いっそスライムパワーで二体くらい配合(融合?)したのを入れるとか……)
「なるほどなるほど…では、早速待機してもらっている魔物を呼んでみましょうか」
そう言うと僧侶は魔方陣に魔力を込める。そこから転送されてきたのはなんと…!


幼女のような容姿で頭に大きな花を持ちその花粉で雄を誘惑するアルラウネと、
魔王の息子に不貞を働こうとし、自我を完全に破壊されたサキュバスであった。

「アルラウネ、あなたとソレを呼んだのは今晩魔法使いを攻略するためよ」
「おーくさま、わたしはなにをしたらいいんですか?」
「聞き分けが良くて助かるわ、まずあなたとソレにはわたし達の子供になってもらうわ」

アルラウネは意味がよく分からず首を傾げていたが僧侶はそのまま説明を続けて行った。

「私と女戦士があなたとサキュバスを吸収して、さらに私の中に待機している
ゴーストマジシャンと混ぜてアルラウネをベースとしたスライム娘として産みなおすのよ」

僧侶はスライムとアルラウネ、サキュバス、ゴーストマジシャンのハイブリッドモンスター
を生み出そうとしているのだ。

(試しにいっそのことなのでいろいろ混ぜてみましょう)

「ごーすとまじしゃんさんもいるんですか?どこどこ?」

アルラウネがキョロキョロと首を振る度に花粉が舞う。
普通の人間が吸い込めば簡単に中毒を起こす麻薬成分が含まれているが、当然今の僧侶と女戦士には効かない。

「見せた方が早いわね、ほら、……ごぼッ!」

僧侶が大きく口を開けると中から青白い人魂が吐き出され、一際ぼうッ!と燃えたかと思うと、ゴーストマジシャンに変化した。

「む、ここは……人間達の町か」
「お、おもったよりぐろいです」

おびえて後ずさるアルラウネだったが女戦士に捕まってしまう。

「ダメだぞ~?『アタシの能力』を信じなきゃ」

女戦士の膂力でがっちり捕まったアルラウネは全く身動きが取れなかった。

「それじゃあまたね。と言ってもすぐに会えるわ」

僧侶はタイツの胸元をはだけ、そこから人肌色のスライムが飛び出しアルラウネを飲み込んだ。

「次はサキュバスも……はッ!」

自我がなくベッドに横たわっていたサキュバスは何の抵抗も無く僧侶に飲み込まれた。
風船のように膨らんだ僧侶の胎の中で、二体の魔物はドロドロに溶けて混ざり合っていった。

「ふぅ、案外大変な作業ね」

腹を擦りながら微笑む僧侶。それに対しゴーストマジシャンは疑問を呈する。

「なぜ?わざわざ俺を外に出した?最初から中に居ればすぐ混ぜられただろうに」

僧侶に代わって女戦士が答える。

「スライムの配合能力は1対1じゃなきゃ使えないんだよ。だからアンタはアタシの方に入ってもらう事になるね
所で、何か希望の配合相手はいるかい?」

「ふむ、アルラウネの毒、サキュバスの魅了、俺の死霊術……そこに足すとなれば」

ゴーストマジシャンは顎に手を当てしばらく考え、答えた。

「……ガーゴイルの頑強さが欲しい所だな」
「なるほどな、固さこそディフェンスって訳だ」

絡め手に特化した三体に無類の防御力を誇る石造の悪魔ガーゴイルを加える。
強力な仲魔が生まれることに満足げに微笑む僧侶。

「では召喚しますね、あとは任せますよ女戦士」
「おう」

僧侶が呪文を唱えると魔法陣から禍々しい悪魔の石像が現れた。

「グゲゲwオレ様ヲ呼ブトハ、オ眼ガ高ェジャネエノ」
「それではポイズ……、否、女戦士。頼んだ」

ゴーストマジシャンが言うと同時に女戦士は彼を吸い込み咀嚼した。

「ナンダ!?オマエラ何シテンダ!?」
「へへ、お前を強くしてやるんだから有難いと思えよ」
「ヨセ!止メヤガレェェ!」

ガーゴイルは酸で溶かされながら女戦士に吸収された。
そして幽霊と石像の悪魔は混ぜ合わせられ一つの塊になった。

「これで準備はオッケーだな」
「ええ、後は……」

僧侶と女戦士はお互いの口を貪るように絡ませあった。ポンプの様に胎が波打ち、その中身が口へと運ばれる。
そして二つのゲルが一つに混じり、新たな魔物が生まれた。

「……成程これがお前らの能力って訳、面白いわねぇ」

顔はアルラウネを成長させたような印象だが、その豊満な胸はサキュバスの身体その物。
ガーゴイルを加工したような強固な鎧を纏い、周囲に漂う死霊はゴーストマジシャンの眷属を思わせる。

「そうねぇ、『アスタロト』とでも呼んでくれる?」


「………………」
「………………」
「ん?どうしたのお母様?今の私なら勇者もカンタンに倒せるわよぉ?」


僧侶と女戦士はそそくさと部屋の隅まで寄ると作戦会議を始めた。
「おいおいおい!どーするよなんか明らかにアタシたちより強いぞアイツ!」
「そうですねよろしくないですね。私の勇者様甘やかし作戦が一瞬であの娘の地上征服計画になってしまいますね」
「ねーねーお母様ー? どうしたのぉ?」
後ろからアスタロトの急かす声が聞こえる、二人は頷き合うと彼女に向き直った。

「すまないアスタロト、お前には急遽重大な任務ができた」
「あなたには世界のどこかにある真実の鏡を叩き割ってほしいの、これはあなたにしかできない使命です」
「え、ええ分かったわお母様。行ってくるわぁ」
二人の鬼気迫る表情にたじろぎながらもアスタロトは転移魔法で飛び立っていった。

「ふぅ、まさかアタシより強くなるとはなぁ」
「怖すぎて尻尾の毛がぶわっ!ってなったのにゃ……」
「あたしもオッパイ漏らしちゃったのです」
「真実の鏡が邪魔だったのは事実ですし、結果的には良かったのかもしれません
さあ、気を取り直して魔法使いを落すための仲魔を呼びましょう」

もう少し話し合った結果、僧侶たちはガス魔人を呼ぶことにした。
魔法を使えるという点は魔法使いと同じだが、割と屈強でそれなりの武道家並の力と体力を持つ。
さらに、完全にガス化すれば(魔法には弱くなるが)物理攻撃を無効にする能力を持つ。
打たれ弱い魔法使いにはうってつけの能力だ、という結論に至って呼び出したのだが…

「ぬほほっ、これはこれは美女に美少女ぞろいで」
「「「「……」」」」
「おお、そんなに見つめられると小生照れてしまいますぞ。デュフフ」
「ひそひそ…(なあ、僧侶。ガス魔人ってこんな性格だったか?)」
「ひそひそ…(お、同じ魔物でもいろいろな方がいますから…)」
「怖いです…」「キモいにゃあ…」
「それで小生はどなたと入れ替わればよろしいのですかな?
僧侶殿や戦士殿のグラマラスなボディーもなかなかですが、
看板娘殿や猫娘殿のような幼女の体というのもそれはそれで…」
「…ひそひそ…(これ、召喚し直しとかできないのか…?)」


「酷いですなーこの塩対応、まさか拙者の能力に疑問を持たれておりますな?
小生これでもそこらの人間には負けませんし上官の指示には従いまするぞ?」
ガス魔神はふんっ、と体に力を込めると体が形を失い、再び収束すると全裸の猫娘の姿になっていた。
「それにこのガスの体、見た目や性格のなりすましもちゃんとできるニャよ」
予想外の技能に被害者の猫娘の顔が青ざめた。

「ふぅん、じゃあ魔法使いの体を手に入れたら真っ先になにをするんだい?」
「オナニーに決まってるでごにゃろう!」
なにを当然のことを、といった顔でガス魔人は答えた。

「こいつアタシでもドン引きするようなレベルなんだが……」
「奇遇ですね私もちょうど思っていたところです」

女戦士と僧侶はこいつは露骨すぎてヘタをしなくても勇者にバレるのでは
と言う結論になり呼び出して早々であるが送還することが決定したのであった。

「あぁん皆様のいけずぅー! だが拙者を返した所で、第2第3の拙者がいずれ…」
「「「いいから帰(れ/るのです/るにゃ)!!!」」」
「あーっ! 美女からの罵倒がまた心地いぃーっ!」
「それとにゃあの姿はやめるにゃ!」
満場一致の罵詈雑言を受けて、ガス魔人は強制送還と相成った。

「……そうだ、彼はどうでしょう?」
ぽんと手を打つと僧侶は再び魔方陣を起動する。
魔方陣がひときわ大きく光を放つと、そこには大きな薔薇の魔物が鎮座していた。

『ローズバトラー参上であります!隊長、ご指示を』
「私の部隊に所属していたローズバトラー君です。いまははなびらバトラーですが、大成すればマダンテも使えるようになりますよ」

大きな花弁に茨の触手、大きく飛び出た舌と人から見れば恐怖をかき立てる姿だったが、彼は丁寧に礼をした。

「うっ…さっきのとは別の意味で気持ち悪いにゃ…」
新たに現われた魔物の姿に猫娘は後ずさる。少しだけ不機嫌そうに猫娘を見咎めた僧侶は続けて
「アレと一緒にしてほしくはないわね。彼は獲物に毒や麻痺を与える花粉が扱えるわ。今はまだだけどいずれは魔術や物理攻撃も扱えるようになると思うわ。」
「買っていただくのはうれしいですが、まだまだ未熟者であります。」
部隊長から褒められ、口角を上げ触手を震わす薔薇の魔物。看板娘はその理知的な受け答えに少しだけ気を許したのか素朴な疑問を述べる。

「僧侶さん、なんで最初からこの人?を呼ばなかったんですか?」
その問いに僧侶とローズバトラーはぎくりと反応し、少しの間の後言いにくそうに答えた。

「……今回の作戦は隠密行動が大事だったからね。ローズバトラー君は……」
「…触手によって動けますが、獣の素早さにはとてもかなわず、この見た目ですので…」
南国の植物の如き鮮やかな色合いは、なるほど森の中でも一際目立つ色合いである。
「スライムのように小柄でもないので…」

彼の視線(目はないが)の先には僧侶の部屋の扉があった。人間用に作られたそれは、触手でもがきながら出入りすればなんとかという具合だが、とてもスムーズには通れそうにない。
表情こそないが、少し落ち込んでいる彼に、

「考えてみてください、指輪を付ければ強制的に入れ替えることができるので、別にローズバトラー君はこの部屋で待機していても問題は無いのですよ?」

僧侶はローズバトラーを励ましながら彼の触手へと入換の指輪を近づけた。すると入換の指輪は彼の触手に合わせるかのようにサイズが変わったのだ。
そう、今まで誰も触れていなかったがこの指輪は使用者が装着しようとしている指などに合わせてサイズが自動で変わるフリーサイズな指輪だったのだ。

「あとはもう片方を魔法使いに装着すればひとまずは終わりですね……それでは私は魔法使いさんの部屋へ行きますので、
こちらに残る入れ替わった後のローズバトラー君の体については皆さんで処理しておいてください」

僧侶は三人を残し一人で魔法使いの部屋へと向かった。魔法使いの部屋の前へと着くと扉越しに中の様子をうかがう。
部屋の中からは魔法使いの荒く熱っぽい寝息が聞こえている。
魔法使いが寝ていることを確認した僧侶は看板娘から受け取った合い鍵を使い魔法使いの部屋へと入った。

「魔法使いさん今から自分がどうなるのかも知らずにおまんこをぐっしょり濡らして発情したまま眠ってますね♪
安心してください、あなたの体は私たちが有効に使ってあげますから♪」

僧侶は入換の指輪をベッドの横にある棚へと置き、擬態している服ごとスライム体になると
魔法使いの火照った体にまとわりつき魔法使いの寝巻を吸収して彼女を裸にした。


魔法使いを裸にした僧侶は彼女のクリトリスへと媚薬を塗り込んだ。

「ンキィッ!!」

その刺激により魔法使いは軽く絶頂し、女戦士に飲まされた遅効性の媚薬や僧侶に塗り込まれた媚薬の効果で
彼女のクリトリスは小指の先ほどのサイズまで膨らんでいる。

「さて、そろそろ魔法使いさんを起こしますか」

僧侶は人の姿へ戻ると神聖魔法を使い看板娘のミルクに入っていた
遅効性の麻痺毒と睡眠毒のうち睡眠毒のみを浄化した。
すると間を置かずに魔法使いは目を覚ました。

「んっ……わたひたひかしょくじのあと……はぁはぁ、きゅうにねむふなっへ……
ってそうりょ!?あなはなんへほほにひふほ!?」

魔法使いは目の焦点が合うと裸になった僧侶の姿を見つけて驚きの声を上げた。


「それはあなた(の体)が好きでこれを(使ってローズバトラー君に)プレゼントしたいから(ローズバトラー君と体を入れ替えに)きちゃいました♪」
「はなれへッ!!」

入換の指輪を見せながら話す僧侶を突き飛ばそうとするが魔法使いは麻痺毒のせいで全く体に力が入らない。

「これをあなたに着けたら離れてあげるわ」

僧侶は魔法使いのクリトリスに入換の指輪を押しあてた。
すると入換の指輪は魔法使いのクリトリスに合わせてその大きさを変えたのであった。
そして魔法使いはその刺激により絶頂へと導かれてしまう。

その絶頂が自分の体で感じることのできる最後の絶頂だとも知らずに……


(僧侶裏切?違!魔族洗脳?魔物化?)

絶頂の中にありながら精神を統一し高速思考する魔法使い。
目の前に居たのは間違いなく僧侶だった。否、本当にそうだろうか?
魔物が化けていたのではないか?あるいは寄生されているのでは?
次の瞬間、魔法使いは急に体に自由が戻り力がみなぎってきたのを感じた。

(!?)

急に身体を縛る毒が消え、転倒してしまう魔法使い。
いつの間に立ち上がっていたのだろうか?
部屋の景色に違和感がある。
自分の部屋ではない?

「破ァァ!!」
「!!」

裂帛の気魄と共に自分に襲い掛かる白刃を寸での所でかわす。
間違いない。私はこの剣戟を知っている。

(女戦士!?いったいどうして……)

「魔物め!いったい何処から入り込みやがった!」

自分に対し敵意の籠った視線を向ける女戦士に困惑する。
部屋の隅には看板娘と昼間助けた少女が怯えた目でこちらを見ている。

(待って!マヌーサに掛かってるの!?)
【マッデェェ!!マ゛ヌーザにガガデルノォォ!?】

自分の口から出た声に驚き手で口を押さえる。
否、抑えたつもりだった。
だがそこにあったのは……。

(茨!?いったいどういう事!?)

パニックになった魔法使いが窓を見るとそこには女戦士と猫娘、看板娘。そして異形の植物が映っていた。

(マヌーサじゃない!他者に対するモシャスとバシルーラの併用!?)

なまじ呪文の知識があるが故に間違った回答に辿り着く魔法使い。
しかし、どういった答えに辿り着こうと目の前の女戦士は容赦しなかった。

「【稲妻切りッ!!】」
【イダア゛ァァァイ゛ッ!?】

紫電一閃。雷鳴を纏った剣がローズバトラーの触手を切り裂いた。
その触手の先には、禍々しい指輪が付いていたのだがローズバトラーは気が付かなかった。

(駄目!言葉が通じないなら先ずは落ち着かせてから……)

ローズバトラーは意を決し、女戦士に向かって触手の連打を浴びせる。

(気絶させるだけでいい。そのあとは勇者様の剣で解呪できる筈)

勇者だけが扱える伝説の剣。
その剣にはすべての呪文効果を消す神秘が宿っている。

(御免なさい女戦士!少しだけでいいから眠っていて!)
「ぐわあ!」

しなる鞭のような一撃が女戦士の胸を捉え、彼女の身体は壁に叩きつけられた。
その衝撃によって彼女の意識は刈り取られた。

「ば、ばけものぉぉ」
「だれかたすけてにゃああ」

看板娘と猫娘は扉を開け、廊下に逃げ出した。
その後を追うことはせず、ローズバトラーは触手で傷を押さえた。

(一体どんな魔法を使ったのかしら?完全に魔物の姿になってるわ)

解呪の呪文を試すも全く効果がない。
予想していた事とは言え少し落ち込むローズバトラー。

(仕方がないわ。勇者様に説明して……声も出ないのだったわ。 なら筆談で……)

羽ペンに触手を伸ばすと、その触手は鋭い光の一閃に切り落とされた。
剣戟の出元に目をやると……

「よくも……よくも女戦士をッ!」

憤怒の表情を浮かべ、剣を構える勇者が居た。


「ゆうしゃさま~わるいまものをやっつけちゃうのです~」
「きゃー、ゆうしゃさますてきだにゃー」

ドアの陰から看板娘と猫娘が勇者に声援を送っている。
如何やら彼女たちが勇者を連れてきたようだ。
ローズバトラーからすれば全く間が悪かった。

勇者に対するメッセージも書けていない上に、この部屋には傷ついた女戦士が倒れている。
自分は魔物の姿をしていて戦った形跡がある。
今勇者から見れば、自分が本当は魔法使いなのだと言っても絶対信じてはくれないだろう。
しかし、心が届くと信じたかった。

【ユ゛ウジャザマ゛ァ!ワダァヂデェズ!マボウヅガイデズウ゛ゥ!!】

ローズバトラーは必死に訴えかけるが口から出るのは魔物語。
勇者には届かなかった。

「く、魔物め!それよりも女戦士は……」
「アタシの事はいい……それよりヤツにトドメを……」

(勇者様とは戦えない……それなら)

ローズバトラーは身をくねらせ、狭い窓から逃げ出そうとした。
勇者は深追いせず、女戦士の治療を優先した。
そして窓枠を壊しながら脱出に成功したローズバトラー。

(勇者様、必ず元に戻って見せます!だからそれまで待っていてください)

「ベギラゴン!!」

次の瞬間、極大閃光魔法がローズバトラーを切り裂いた。

(嘘……あれは……)

魔法を放った人物は、身体の具合を確かめるように腕を回していた。
そしてローズバトラーと目が合った時、寒気が走るほどの笑みを浮かべた。

(あれは……私!?……そうか、変身じゃなくて……)

ローズバトラーは息絶える瞬間、短い文を紙に書き残した。

(勇者……様、ごめんなさい、最後まで、ご一緒できま……せんでした……でも、このてがみ、だけは……)

・・・

「思ったよりも抵抗されたなぁ。僧侶の結界広げておいてよかったな」
体の3/4以上が焼失したローズバトラーのもとに女戦士が歩み寄る。壁にたたきつけられた傷はすでになくなっている。
「どうだったのにゃ?にゃあたちの演技は」
「魔法使いさん、とっても驚いていたのです」

「三人とも、とても良い演技でしたよ」

声とともに窓から勇者が飛び降りてくる。
勇者ががマントをたなびかせて危なげなく地面に着地した瞬間、その体がどぷんと形を崩して地面に広がった。
水色の液体は粘つきながら体を持ち上げていき、形を練り上げていく。
練りあがった液体は肉付きのいい腰のラインを描き、たわわな果実を実らせ――全裸の僧侶の姿になった。

「ふふふ、勇者様に攻撃されたと知ったときのあの絶望の声、すばらしかったですね」
そう、魔法使いに切りかかった勇者は彼の因子を取り込んだ僧侶の擬態であった。
魔法使いの最期はすべて仕組まれていた。騒ぎはあらかじめ張り巡らされた結界魔法と遮音魔法で誰にも感知されず、
勇者は今も看板娘の睡眠毒入りのミルクで夢の中だ。

「すげーだろアタシの擬態能力。アタシからみても見分けつかないくらいだったぜ」
「さすがに加護までは再現できませんでしたが剣の切れ味まで再現できるとは思いませんでした、素晴らしいです」
「かっこよかったです(にゃー)!」

三人は僧侶の演技を賞賛すると、再び魔法使いの成れの果てに向き直った。

「それでこいつどうする? ギリギリ生きてはいるみたいだけどこのまま全部焼いちまうか?」
「このまま埋めたら土とか吸って復活しそうだニャ」
「あれ、なんでしょうこの紙切れ」

1本の触手の先に引っかかっていた紙きれに看板娘が気づき、全員がそれを覗き込む。
そこに記されていたのは慣れない体でなんとか書いたであろう拙い一文。

「勇者への最後の願いをこめたダイイングメッセージですね。……ですが残念でした、あなたの願いは届きません」
僧侶は彼女の手紙を魔法使いの体の上に乗せると、手のひらからにじませたスライムを注ぎ落とした。
薔薇の表面に滴り落ちたスライムは魔物の体を手紙もろとも覆いはじめ、その体を溶かしていく。

「あなたの無念と最後の願い、綺麗に形にしましょうね」
僧侶の呼びかけと共に魔法使いを溶かしたスライムは形を丸めていき、手のひら大のハート型の結晶体に変化した。
「ローズバトラーの心。いえ、魔法使いさんの心でしょうか。 ふふ、一抹の希望と共におやすみなさい」
僧侶は彼女の心を優しく手に取ると、丁寧に袋にしまいこんだ。

「隊長、私の魔法はいかがでしたか、おっと!?」
4人に遅れて魔法使いの体を手に入れたローズバトラーがやってきたが、目の前でバランスを崩して僧侶めがけて倒れこむ。
魔法使いの体は僧侶の柔らかな二つのクッションで優しく受け止められた。

「すみません、まだこの体になれてなくて…うわわ!」
顔に当たる柔らかな感触の正体に気づいたのだろう、あわてて後ろに跳び退るとたたらを踏んでなんとか踏みとどまる。

「おうおうまだ慣れてないのか、だらしねーな?」
「慣れるもなにもあなた不定形でしょう」
茶化した女戦士を僧侶がたしなめる。
そして僧侶が魔法使いに向き直ると――

「まだまだ体に慣れてないようですね、それなら――女の子のカラダのお勉強、しましょうか♪」
艶めいた笑みを浮かべて告げるのだった。

「それにあなた(の体)が好きって言ったのは、あながち嘘じゃないのよ?」

僧侶は魔法使いにグイッと近づき、ローズバトラーと入れ替わり緑色になった魔法使いの髪を手ですくいながらそう言った。

「そ、僧侶さん!?」
「あなたの部屋で続きをヤりましょう?看板娘ちゃんもいらっしゃい
あなたを私たちに迎え入れたときのアレ、一緒にやってあげましょう」
「やった!楽しみなのです!」
「それじゃあ行きましょう」
「えっ?えっ?えっ?」

そして魔法使いは僧侶と看板娘によって自分の部屋へと連行されて行ったのであった。

「あたち達はどうしますかにゃ?」
「そうだな、とりあえず明日以降の事があるからアタシの部屋にきな」
「わかりましたにゃ!」

猫娘は気づかなかった、女戦士が猫娘を部屋に誘うときにしていた目と表情に。


そして場面は魔法使いの部屋に移る

「まずは看板娘ちゃん、あなたは完全なスライムじゃないわ
だからまずあなたを完全なスライムにするところから始めましょう?」
「わかりました僧侶様!」
「と言うことであなたの体を借りるわよ?魔法使い」
「え!?どういう事でありますか??」

魔法使いの問いに答える前に魔法使いをベッドに押し倒し彼女の服へ
擬態していた分体をスライムへと戻し、自分も裸になった。
裸になった僧侶は顔を魔法使いの秘部へと近づけていき……
スライム体となり一気に彼女のおまんこへと入り込んだ。

「ひゃんっ!ああああ、頭の中に僧侶さんが、私が入ってくる
私僧侶さんになっちゃうぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
「魔法使い様大丈夫ですか?」
「ええ大丈夫よ、あなたに女戦士が寄生していた時のように
私(僧侶)が行動したことは私(魔法使い)としての記憶にも残るから。
さあ看板娘ちゃん、”私”のナカへいらっしゃい」

魔法使いは自分の手でおまんこを餅のように伸ばしながら看板娘へと告げる。


「それじゃあいくのです」
「えぇ、いつでもどうぞ」
すでに裸になっていた看板娘は目をつぶり精神を集中すると輪郭が崩れミルクスライムに姿を変えた。
床の上にこぼれた白いスライムはなにも言わずに魔法使いの下の口から内側へと入り込んでいく。

「あぁんっ、いいわ看板娘ちゃん。あなたの体がおまんこをこ舐める感触がたまらない
ぬるぬるスライムが膣壁をこすって子宮にどぷどぷたまっちゃううう!」
彼女の下の口に張り付いたスライムがしぼんでいくのに合わせて彼女の下腹部が膨らんでいく。
そしてすべてが内側に吸い込まれると魔法使いは膨らんだ下腹部を撫で、喜ぶように下腹部がたぷんと震えた。

「んふふふふ、ローズくんは感じなさい、これが女の子のおまんこと子宮の感触。そして看板娘ちゃんはミルクスライムだから――」
その言葉とともに両手で下腹部を押さえこむと膨らんだおなかが引っ込み、その反動で両胸が大きく膨らんだ。
「おっぱいから産んであげましょうね♪」
どたぷん、と音を立てて二つの球体が震えた。

魔法使いは両胸を根元から先端に向けて揉みしだき柔らかな感触を楽しむ。
彼女のもともとのサイズは手のひらに納まる丁度良い大きさだったので、もはや別物である。

「どう?こんなに大きいのに手が沈み込んじゃうくらい柔らかい感触は?
看板娘ちゃんのミルクが出して出してって叫んでるのがたまらないでしょう?」
よりスライムへと完成された少女を生まれさせるためになんどもなんども両胸を
しごいて乳首の方へと母乳を移動させていく。

さらに大きく膨らんだ乳輪を指でなぞり、勃起した乳首を何度もつまんで刺激すると
「んぅっ、乳首も敏感で……あぁぁぁっ、もれちゃう、おっぱいから看板娘ちゃん産んじゃうぅぅぅ!」
先ほどまでとは比べ物にならない快楽と共に白い濁流があふれ出した。

「うふふ、絶頂して分かったわ、魔法使いちゃんの引き継いだ能力は……」

絶頂の快楽に跳ねる呼吸を整えながら魔法使いがつぶやく。
すると、彼女の髪が重力に反して持ち上がり寄り集まると緑色の蔓の触手に変化した。
ためしに草の蔓で本来の大きさに戻った胸を優しくなぞる。茨の出し入れも自由で武器にもお楽しみにも使えそうだった。

「あとは、香りも」

一瞬のうちに魔法使いのまとう空気が変化する。
消え入りそうなほどかすか甘い香りから、むせかえるほど濃厚な花の蜜の香りまで自在に空気が変わっていく。

「髪の色も変えちゃいましょう」

草の蔓ような深緑色だった髪の色が根元から変わっていく、まるで咲き誇る薔薇のような深みのある真紅へと。
プライドが高めでやや高飛車な印象の合った魔法使いの姿は一瞬のうちに食虫植物のような底知れぬ色気を帯びた姿に変わっていた。

その頃、女戦士の部屋では……。

「それで明日はどうするのにゃ?仲魔も増えたしついに勇者を倒すにゃ?」
「それは分かんねぇな。『アタシ』は頭良くないから作戦は僧侶に任せることになるし」
「なら、あたちは何すればいいにゃ?」
「そ、れ、は~♥」

出し抜けにビキニアーマーを脱ぐ女戦士。
すると何かが股間からボロンと零れ落ちた。クリトリスが変化させた肉棒がいきり勃っていたのだ。

「にゃにゃにゃ!?あたち元はオスだにゃ!考え直すにゃ!!」

「アタシも元はオスだったけどさ。凄いぜ?女の身体ってのは♪
魔物としての本能なのか、アタシが元々淫乱なのかわかんないけどさぁ。
戦った後やけに疼くんだよ。コレが『吐き出したい、吐き出したい』って言ってるのが分かるだろ?
僧侶は忙しそうだし、それにお前の『具合』も試したいし?なあ、いいだろぉ?それに、言っといたよな?
『女の体も素晴らしいものだってすぐ分かるさ』って?」

「でも、心の準備が……」
「ええいまどろっこしい!せいッ!」

女戦士の髪の一部がスライム体になり、猫娘の耳に張り付く。
にゅるにゅると動き、耳の穴に侵入していく。

「にゃ?にゃ!?にゃあぁぁ♥」

耳の奥の敏感な部分を舐る様に蠢くスライム。
猫娘は時折ビクンビクンと身体を痙攣させている。

「どうだ?アタシの耳掃除は? エロイことしてるわけじゃあないのに気持ちいいだろ?」

恍惚の表情の猫娘を片手で抱きかかえながら、それをオカズに反対の手で自分のイチモツをしごく女戦士。

(無理やりってのもイイが……オネダリしてくる様になるまでまで弄るのも面白いよな♪)

「にゃあ♥にょあああ♥にゃああ♥♥」

まるで発情期かの様に騒ぐ猫娘。

―――このあと結局セックスした

猫娘が挿れられる快楽によがる頃、出される快楽によがる魔物が居た。

撫であげる指が沈み込むような、巨きく柔らかな双丘。その頂から放たれた白濁は木製の床に染みを作った。
母乳独特の匂いを振りまくその液体は給仕の者が粗相をしたようにこぼれ、広がっていく。
これがただのミルクであれば、異国の諺のとおり取り返しがつかない事態だろう。しかし魔性のミルクは異なっていた。

しばらく飛び出る際の勢いに身を任せ、飛び散り流れていた白いミルク。
魔法使いが自らの能力を試している間、見た目には何の変哲もないミルクは魔液として少しずつ中心の大きな水溜りに集まる。
ナメクジが這うようなその速さは遅いが、しかし確実にありえぬ方向へと動き出す。
乾いた木の床ではありえない水溜りにゆっくりと集まるミルクに気がついた魔法使いは、深い笑みを浮かべる。
やがて50cmほどの水溜りが出来た頃、その表面に波紋が広がっていく。その異様な光景に魔法使いは期待と興奮に満ちた眼差しを向けていた。

水面に生まれる波紋は次第に大きくなっていき、ついにその中心が膨らみはじめた。
ミルク色の水たまりから生まれたミルク色のふくらみはゆっくりと、そして確実に大きくなっていく。
伸び行く先端は高さを増すたびにその形を研ぎ澄まし洗練した姿を現していく。

二つに分かれた先端はそれぞれがさらに5つに分かれ、繊細な指先を作り出す。
高く掲げた手のひらから肘、二の腕が生まれていき華奢な肩と鎖骨のラインが産まれ出る。
顔に当たる部分はのっぺりとした球状だが表面に波紋が走ると見えざる彫刻家が創りあげていくかのように
肩口まで伸びた髪が、閉じられた瞼が、すっと通った鼻筋が、形の良い唇が刻み込まれていく。

顔の造形が終わるころにはミルクも伸び上がることをやめていたが、それは全身の形を洗練させていくことの始まりでもあった。
すこし肋骨の見える胸部ができるとゆるくくびれた腰から可愛げのあるお尻のラインが生まれでて太ももからつま先までの曲線美が描かれる。

そして最後に、今までの彼女とは明確な違いが現れる。
小さく突き出ていた可愛げのある二つの乳首がぴくんと震えると、急激にその体積を増していく。
二つの膨らみを内側から満たしていく淫らなミルク、彼女自身を構成する魔性の液体はまるで自分自身の
存在を主張するように幼く華奢な少女の胸元を淫靡に作り変えていく。

大きさを誇示しながらも重力に逆らう釣鐘型の二つの乳房がぷるんと震えると少女はゆっくりと瞳を開いた。

少女の形になったミルク色の液体は掲げた両手を静かに下ろしていくとたわわに実った二つの果実に触れる。
女戦士はおろか僧侶にも匹敵する大きさのそれは彼女の華奢な体との対比でより大きさが強調されていて、
彼女の小さな手のひらにはおさまりきらず、溢れた乳肉は揉まれる力で押し出されて
沈み込む指の形をありありとうかびあがらせていた。

「ねぇお父さん、お母さん……あたし、『お母様』のおかげでこんなに素敵な体になれたのです」
ミルク色の少女は眼前で彼女の存在に色めき立つ魔法使いとその内側に満たされた魔性としての母親を見つめる。

「おっぱいもこんなに大きくなって柔らかくて気持ちいいですし、乳首もコリっとして…ぁんっ、刺激的なのです♪」
細い指先が硬く尖った乳首を指でねぶると彼女の体と同じ色の液体がぴゅっと噴き出し少女と魔法使いの間の床に零れ落ちた。
たった一滴が床にこぼれただけでむせ返るような甘く、胸の奥をうずかせる臭いが部屋中に充満していく。

「おちちの質も最高なのです。さぁ、お母様……いっしょに気持ちよくなるのですよ」
生まれ変わることでより魔性へと近づいた少女が優しく微笑んだ。

小柄な看板娘の体躯に不釣り合いなほどの大きな胸。そこから溢れ出るミルクに篭った魔力。
愛娘の転生が上手くいった事に対して満面の笑みを浮かべながら、魔法使いは少女へと近づく。
自身の思惑どおりに事が運んだことも勿論嬉しいが、「女」として新たに産んだその生命への慈愛。
その喜びを娘へ伝えるため、母は祝福する。

「おめでとう、無事生まれ変われたわね。じゃあ…二人で気持ちよくなりましょう♥」

魔法使いが自らの秘部に指を這わせ拡げると、そこから水色の肉棒が現われた。
粘液で出来ているとは思えない硬度を持つソレは、スライム故か魔法使いの愛液かぬらぬらと妖しく濡れていた。

母の股から生まれた剛直を見定めた娘は、淫らな期待に頬を染めながら顔を近づける。
親子の交わりを待つ半透明の肉棒は、硬度を保ちつつその先の魔法使いの女性器までぼんやりと見える。
2つの性器を同時に眺める異常な背徳感から娘の股と胸はミルクを垂らす。

「じゃあまずは、このおっぱいを使ってみるのです!」
そう宣言すると看板娘は膝立ちほどの高さまで身を屈め、その双丘で肉棒を挟み、上下に擦る。
液体で構成されるその胸は人のものよりも柔らかく、また分泌されるミルクにより滑らかに肉棒を擦れる。
人外の快楽が予想以上だったのか数回の往復で魔法使いの腰が引ける。

「ぅんっ…、いぃ、いいのお!すっごくきもちいいのおぉぉ!」
(うぁ、ああぁ、気持ちよすぎる!まずいまずいまず…)
魔法使いの中で二つの人格が怒涛の快楽によりよがり狂う。
特に僧侶は自分自身であるスライムを愛撫されているのだ。
全身が性器となり柔らかな乳肉に撫で回される快感は人の身では味わえぬものだろう。

母の蕩けた顔を見てさらなる奉仕をすべく、上下運動を加速させる。
動きを速めたことと母の艶姿に顔を赤らめながら、母のためにと更に刺激を強める。
粘液の乳は人のものと異なり、少女の動きと一拍遅れて揺れ、そのリズムの狂いが不規則な快感をもたらす。

「あぁん!、出る出る出る出る射精ちゃうううううう!」

ゆっくりとした刺激だけでも耐えるのに精一杯だった魔法使いだったが、
動きが加速され、強く扱かれればその快楽に耐えられるはずもなかった。
宣言と共に肉棒から水色の粘液が溢れ出す。噴水の如き勢いで飛ぶ液体は白いスライムに水色のアクセントを加えた。

「これがお母様の……♥」
頬に付いた水色の粘液を舐めとるその表情は、母親からミルクを貰う赤子の様に無邪気であり、
半面娼婦のような淫靡さも持ち合わせていた。

(~~ッ!ゴクリッ!)
「ふふ♪いいわねその表情。ローズちゃんも本気になっちゃったみたい?」
粘液を吐き出し硬さを失いつつあった剛直はまるで一晩かけて育ったツララの様に大きさと硬さを取り戻した。
透き通る剛直が再びやる気を取り戻したのを見た看板娘は魔法使いをベッドに座らせた。

「ふふ、魔法使い様の赤くなったお顔にお母様のこんなに立派でいやらしい形、昂ってしまうのですよ」
そういいながら両手で乳首をつまむとあふれ出した媚薬ミルクが魔法使いの肉棒に降り注いだ。

「ふぁぁぁぁ!?」
(はぁぁぁんっ!?)
降り注いだ淫らな白濁は皮膚から吸収されると魔法使いの鼓動が跳ねた。
そしてただでさえいきり立っていた魔法使いの股間のそれが長さを、太さを増していく。

「なにこれ、熱い、おちんちんが熱いいい!」
(な、なにをするの看板娘ちゃん、スライムのほとんどがおちんちんに行っちゃってローズちゃんの体の制御権がぁ!)

男性器そのものを模していた僧侶の青いスライム体は看板娘の媚薬ミルクによってその機能を
限界を超えて模倣させられた結果、魔法使いの体内に同調能力を保てる最低限を残し残り全てを
勃起した肉棒へと集中させられてしまっていた。
そしてそれにより魔法使いの体の制御権はローズバトラーのもとに戻り、彼本来の表情を示し始める。

「あぁ、あたしのミルクにそまってびくびく震える姿、とっても素敵ですお母様。
ローズさんもはじめての快楽に緩んだ表情がとってもお綺麗なのです」

看板娘は天使のような笑みを浮かべながらベッドに座る魔法使いの前で床に両膝を着くと上目遣いで魔法使いの姿を見つめた。
「いかかですか初めてのオンナノコの体は?天にも昇ってしまうほど気持ちいいのですか?
おちんちんからスライム射精をするのなんて……、花粉を撒き散らす開放感とは比べ物にならないのですよ♥」
「ふぁぁぁ、しらない、わたしこんなにきもちいいのしらないよぉ……」

だらしなく表情を緩ませた魔法使いはもはや快楽を享受するだけの姿を示している。
しかし看板娘はその姿に喜びを感じていた。自分をより素晴らしい存在にしてくれた二人の母親に
恩返しができる光栄さに彼女の幼い秘所はとめどなく愛液ミルクを垂れ流させている。

「ではこれからお母様のお体をこのおっぱいで挟んであげるのです。ぬるぬるミルクでぬれたおちんちんをおっぱいでむにゅむにゅするのはすっごくキモチイイのですよ♪」
(ま、待ってえぇ、私の体全部おちんちんで包まれたら気持ちよすぎて飛んじゃうのぉ!)
「きてぇ……おちんちんもっときもちよくしてぇ……」

そして看板娘はその暴力的な質量の両胸を下からすくいあげて魔法使いに見せ付けると――
一息に透き通る肉棒を挟みこんだ。

肉棒を包み込み、吸い付くような触感。少女には不釣り合いな、いきりたつ肉棒を咥えられるほどの大きな胸はスライムとなった僧侶の全身を刺激する。
ただ上から両胸を打ち付ける、それだけの行為が暴力的とも言える快感を二人にもたらす。
「(~~~◎△$♪×¥●&%#?!~~~)」
魔法使いと僧侶は声にならない喘ぎ声を上げながら、先程以上に精を打ち上げる。
大きさを増した肉棒は看板娘のみならず周囲まで粘液で汚していく。

「お母様方、気持ちいいのですね、すっごく気持ちいいのですね!」
魔法使いの表情と一回目より多い射精量から確信を得た看板娘は両手を胸に添える。
その小さな子どもの手には収まりきらないおっぱいを支え、肉棒を咀嚼するように上下に動かす。
媚薬ミルクの効果もあいまり、魔法使いはもはや言葉を発することはできずに、少女からの快感に打ち震えている。

絶え間なく看板娘からもたらされる快楽に、魔法使いはもはやベッドに倒れこんでされるがままになっていた。
びくびく股間の剛直が脈打つたびに鈴口からは青く透き通る液体が吐き出され、肉棒を挟みこむ看板娘の二つの果実が波打つ。
少女の深い谷間からは泉のように青い液体が湧き出し、胸の表面を撫でては床へと零れ落ちていく。

しかしその一方で、僧侶の体を構成するスライムは看板娘の爆乳に揉みしだかれる快楽を楽しみながらも、
胸の表面を流れ落ちていく感触を味わい看板娘の硬く熱くなった乳首に刺激を与えることを忘れなかった。

「あぁんっ♪」
予想外の刺激に看板娘の背中が跳ねる。
「お母様はあたしも気持ちよくしてくれるのですね、とっても嬉しいのです!」
僧侶の仕返しに触発された看板娘は今まで以上に胸をつかった攻めを激しくしていく。
そしてとどめとばかりに挟み込みを強め、いきり立つ亀頭に口づけ。

「~~~~~~~~~~~~~~~~!?」
魔法使いの声にならない声。
看板娘の眼前で噴水のように吐き出されたスライムは雨のように部屋中に降り注ぐ。
青い肉棒は自身すら吐き出される精液に変えていき、魔法使いの股間の肉棒は無くなっていた。

「楽しんでいただけましたか?お母様」。
部屋中を青く染めるスライムに向けて少女は微笑んだ。

部屋中に撒かれたスライムは看板娘の目の前に集まっていく。
母乳の時とは異なり、その速さは時間を逆に戻したかのようだ。集まったスライムは人型まで盛り上がると僧侶の姿へと戻った。

「ええ、とっても♥貴方も媚毒に溶けた戦士の魂も無事取り込んだみたいね。」
少女に優しく微笑む僧侶。媚毒に漬け込まれた魂を取り込んだ魔物らしく、好色な精神に女戦士の大人の性感。
「私もほら…」
愛娘の愛撫をほめつつ、僧侶は手の平を中空にかざす。
手の平から10cmほど先に拳大の炎を生み出し、そして瞬時に消し去った。

「魔法使いの魔術も無事覚えられたわ。…これからは賢者でも名乗ろうかしら?」


・・・
「もう少ししたら夜が明けるわね」
窓から見える山の上の空が薄っすら明るくなってきている。
高位魔族の中には一切眠らなくても問題ない種族もいるが、僧侶達の身体は睡眠を必要としていた。
「それに勇者様の不審を買うのも面倒だし、『いつも通りの朝』を迎えなきゃね」
「……もう演技しないでいいじゃないのですか?もう、お母様たちの方が勇者より強いのです!勇者なんて『がいしゅーいっしょく』なのです!」

爆乳を元のサイズに戻しながら服に押し込む看板娘。
彼女から見れば、勇者がどんな強力な女神の加護を得ていたとしても自身の創造主が負けるとは思えなかった。

「そうね、ただ勇者を殺すだけなら、今の力なら力押しで勝てる。こちらの被害を抑えるのなら、元の勇者一行の振りをしながら騙し討ちすればそれも可能。
でも、それじゃあ面白くないでしょう?勇者様が、絶望して、自分から、『僕を好きにしてください』って、そう言ってくれるのを見たいの」

魔王に対する忠誠心でもなく、魔物を討ち続けてきた勇者に対する恨みでもなく、今はただ勇者に対する愛情にも似た執着心が芽生えていた。

(魔物と混ぜるのも良し、入れ替えるのも良し。魔族に乗っ取られた仲間を殺すというのなら……フフ♪それもいいわ。勇者様の心に私の形の傷跡が残るなら♥)


こうして夜は更けていくのであった。

そしてその頃アスタロトは……

「おじさま~ほんとうにいいことしたら真実の鏡を見せてくれるのぉ?」

そのパーフェクトボディを使って真実の鏡を持っていると噂の富豪を誘惑していたのであった。

「ええ、考えておくでゲス」
(ゲ~スゲスゲスw、この女悪魔間違いなくチョロいでゲスねぇ!このワタシの話術をもってすれば代償を払わずこの身体を自由に……オクスリ漬けにして好事家に売り飛ばせば……
またまた大儲けデスねぇ!嗚呼、ワタシ自身の商才が恐ろしいでゲスねぇ)

魔族に伝えられる諺の中にこんなものがある。
『人間は魔族以上に狡猾で欲深い』と。
如何に強力な力を持っていようと生まれたばかりのアスタロトには荷が重い相手かもしれない。

「ささ!どうぞコチラへ!美味しい御菓子と美味しいアイスティーがありますので
ゆっくり寛いでほしいでゲス♪」
「ホントぉ~?わ~い!」
「わー、このお菓子おいしーい!」
アスタロトは麻痺毒と睡眠薬の仕込まれたお菓子をパクパク食べるとすやすやと眠り始めてしまった。

「真実の鏡で悪魔が化けてると知ったときは驚いたでゲスが、ちょろいもんでゲスね」

富豪は眠るアスタロトを見て下卑た笑みを浮かべるとズボンをおろした。
粗末な彼の息子はアスタロトの性的魅力のある肉体に勃起している。

「さて、いまのうちに味見を「バカな女の振りをしていたとはいえ、ポイズンスライムの娘に毒を飲ませるなんてバカな男ねぇ」

「なっ・・・!」

ぱちりとアスタロトの目が開くと、射抜くような鋭さで富豪はにらみつけられた。

卑しい目論見が外れた富豪は、目の前の魔物の恐怖で震えている。
人払いの済ませたこの部屋では声を上げても助けはこないだろう。自身の策が完全に裏目に出たことを悔いながらアスタロトを睨む。

「そんな怖い顔しないで大丈夫よ。貴方のお望みどおりのことをしてあげる♥」
アスタロトは上着を脱ぎながら近づいていく。その表情は怒りではなく艶やかな笑顔であった。
下卑た皮算用が外れたこと以上に想定外な魔物の行動に男は困惑し立ち竦んでいた。

悪魔は男から1m程の距離まで近づくと、薄く桃色がかった吐息を浴びせる。
サキュバスの淫気をアルラウネの花粉に纏わせたそれは、富豪の理性を奪った。
粗末な息子は服の上からでも痛いほど屹立しているのがわかるほどだ。

(手前みてぇな邪悪な魂は中々お目にかかれないご馳走だ。お望みどおり、死ぬ程絞ってやんよ)
「辛抱タマランでゲスうぅぅ~!」
富豪は自ら下着を破り捨て、
いきりたってアスタロトにおそいかかった!
「あは♥発情したギガンテスみた~い♪」
アスタロトが下半身の鎧を脱いで見せると富豪は鼻息を荒くし股間の〝はがねの剣”をアスタロトに挿入した。
「フゴ!フゴッ!なんて名器!奥は数の子天井、手前で蠢くミミズ千匹!?全体を巾着みたいに包み込んで・・・このワタシが三擦り半で!?」
富豪は挿入するや否やアスタロトの膣内に射精した。
「そんな頭でっかちな〝知識”で、借りてきた言葉で他人の身体を語るは失礼だぜ?もっと本能の赴くままに、獣みたいに腰を振りなさぁい♥」
「ゲスぅあああ!!」

・・・
一時間後、富豪は別人のように痩せ堀り血走った眼で絶命した。
「あ、鏡の隠し場所聞き忘れてたわぁ」

「それに殺したままじゃ騒ぎになるし…こいつも仲魔に変えちゃいましょう。来なさぁいリッチ。」
「はい。こちらに。」
アスタロトの死霊魔術でリッチが呼び出される。高位の死霊である彼女は半透明な見た目ながらも整った美貌の淑女だ。

「いまからあなたに体をあげるわぁ。あの小汚い男に代わってここら一帯の商業を支配しなさぁい。あと真実の鏡がどこにあるかも思い出してぇ」
そういうが早いかアスタロトの目が赤く光るとリッチの体が赤い霧へと代わっていく。オークとポイズンスライムに混ぜ合わされて生まれ変わる瞬間に、彼女たちの体を作り変えた入換の指輪の秘術を学び取っていたのだ。
富豪の汚れた魂はすでに精液と共にアスタロトに絞り取られ消滅しており、リッチの赤い霧だけが一方的に入り込んでいく。
赤い霧が全て吸い込まれると富豪の体に活力が戻っていくが、それだけではなく汚らしい体は艶かしさと清廉さを現していき、金色を紡いだような長い髪をもつ淑女の姿になった。
「これが肉体の感覚ですか、幽霊の体とは違いますが、とてもすばらしいものですね。」
「指輪の魔術のおかげで誰も疑問に思わないわぁ。あいつの残したものを上手く使って魔王様のために尽くしなさぁい。」
アスタロトの言葉に富豪はうやうやしく礼をした。


・・・・・・
リッチが富豪を乗っ取り人間の町の拠点を手に入れた翌日。

はるか遠いこの町でも夜が明け、東の山の上に日が顔を出した頃、僧侶たちは部屋に集まっていた。
まだ勇者は目覚めていない。昨夜飲んだ特性ミルクはまだ効いているようだ。

「終わり……ました……」
「お父さんご苦労なのです。全く、他人の宿屋を壊すなんて魔法使いさんは常識がないのです!」

虚ろな瞳で壁を修復し終わったことを告げる宿屋の店主。『娘』のミルクと『魔法使い』の香りによってもはや廃人と化した彼は、ただ僧侶たちの命令を聞くだけの傀儡となってしまった。
今後僧侶たちが人間の町を征服していく上での貴重な実験成果と言える。
幽鬼のような足取りで自分の部屋に戻る。

「それで、これからどうするのにゃ?」
猫娘が切り出すと皆一斉に僧侶に視線を向けた。

「勇者を堕す前に、一つ忘れていたことがあるの」
「忘れてたこと?そりゃあなんだい?」

穏やかな口調の中にほんの少し後悔の念が滲む僧侶。彼女の態度に訝しげに尋ねる女戦士。

「『勇者一行の魂は死ぬと教会や城で復活する』って、知ってました?」
その場にいた全員が僧侶の言葉に忌々しげに顔を歪める。
「ああ、スライムの部下が何回か全滅させたのに、その度復活しやがったんだよな。
ま、今はアタシたちの身体なわけだけど」
自らの戦利品を誇示するかの様に、乱暴に自分の胸を揉む女戦士。

女戦士の言葉にゆっくりと頷く僧侶。
「そうね、女戦士の魂はミルクスライム…看板娘の中に封印しました。その身体はもうポイズンスライムのモノ。
そして魔法使いの魂はこの袋の中、ローズバトラーの種の中。ローズ君は一晩でその身体に慣れたみたいね」

「本を読むかのように魔法使いの記憶も読めますし、何も問題ありませんわね」
サラリと髪を撫でる魔法使い。その仕草は中身が魔物であるとは思えないほど自然だ。

「それです。記憶を読むように『おもいだす』事は出来ても、表面をトレースしているだけで、
その時本人たちがどんな想いで、何を思っていたのかは分からない。そのうえ……」
言い淀む僧侶。オークと入れ替わってからの彼女がしたことのない粗暴な、怒り忌むような表情だった。
「……あああ、糞糞糞!成りすますのも難しくなってきやがったッ!」

頭を押さえ突然叫び出す僧侶、それはまるで凶暴な『オーク』の様だった。
「おい!どうしたんだ僧侶!?いや、『オーク隊長』!」
息を荒げ、テーブルの上のコップの水を一気飲みする僧侶。
「ゴクゴクッ!!プハァ!……さっきの話と繋がんだよ。お前らの身体の持ち主の魂はここに有る
だが、俺としたことがこの身体を手に入れた事に浮かれて、入れ替わった相手をザラキで殺しちまったッ!」

コップをテーブルに叩きつけると小さな音を上げ砕け散った。
消音魔法が不完全になってきているのだ。

①『勇者一行の魂は死ぬと教会や城で復活する』
②『封印』したり『結晶化』させれば魂は復活する場所へ飛んでいく事は出来ない
③封印した魂を捕らえたままにしている『女戦士』と『魔法使い』は問題ない、しかしそうではない『僧侶』は異変を感じている。
つまり……

「〝僧侶が何処かで復活した”。そのせいで〝心”が読み取れなくなってきてるんだ」
僧侶は不快感に顔を歪めながら告げた。

「とりあえず落ち着けよ僧侶。お前はアタシと魔法使いと混ざり合ったときに『アタシたちからみた僧侶の姿』も理解したはずだろう?
それにこの数日間僧侶の経験を読んで行動していたんだ、それを照らし合わせればすぐにはボロはでない」
「すまな・・・いいえ、ごめんなさい。取り乱しました」
僧侶が大きく深呼吸し平静を取り戻すと消音魔法が効果を発揮しはじめた。
「それにしても僧侶の魂とは、厄介なことになったわね」
「指輪の力で能力と経験は全てこちらに引っ張ったので戦う力はないはずですし、そもそも僧侶としての姿なのかやせ細ったオークの姿で生き返るのかも、なにもかもが前代未聞です」
「まー僧侶はアタシたちがこうなってることは知らないから、最悪の場合本人が来たら勇者に気づかれる前に取り込むか魔物が化けてたのに気づかなかったという体でお前には倒された振りをしてもらうが」
腕を組んで事態を考える女戦士。
「どう対処したもんかなぁ」
「指輪の効果が生きているならオークの姿で復活してる筈です。もし効果が切れてたらこの身体に引っ張られて復活してると思うです」
看板娘は落ち着いた口調で言った。

「そうね、それとわたくしと入れ替わった魔法使いがローズバトラーの身体になった時、魔物語しか喋れなかったのだから周りの人間に入れ替わりがバレることも無いんじゃないかしら」
「でもなぁ、いつボロが出るかわからないぞ。もし真実の鏡が伝説通りのモノだったら指輪の解呪も出来ちまうかも……」
「じゃあ、どうにかして僧侶の魂を捕らえるしかないのにゃ!?」
全員が戦々恐々している中、落ち着きを取り戻した僧侶は、ポンと手を叩いた。
「そうだ、解決策は何も魂を捕らえるだけじゃない……」
「魂を捕らえる以外の解決法?」
「そう、魂を丸ごと滅してしまえばいい」
僧侶の発言にため息をつく一同。
魔物はどんなに頑張っても勇者一行の魂は滅ぼす事が出来ない。
勇者一行は心が諦めない限り、女神の加護によって復活できるからだ。
だからどうにかして捕らえる必要があるのだ。

「『魔物』がどう頑張って殺しても女神の加護を断ち切れない。身体が入れ替わったアタシたちが殺しても多分復活できるだろう」
「そう、私達じゃ無理ね」
「だから」

僧侶は窓を開け放ち、朝の爽やかな風を浴びながら微笑んだ。

「勇者様に、僧侶の魂を殺していただきましょう♪」
まるで、『天気がいいからピクニックに行きましょう』とでも言うような、朗らかな笑顔だった。

勇者は気が付くと大きな滝の前に居た。
奇麗な場所だが不思議な浮遊感があり現実味がない。勇者は夢を見ていると察した。
目の前の滝から女性の声が聞こえる。

『勇s…よ……私n声が聞こ……すね……』
「女神様?僕はどうしてここに……」
勇者は以前同じ夢を見ていた。旅立ちのお告げの夢だ。
しかしその時と比べ霧が掛かり、女神の声も遠く感じた。

『貴方…仲間に邪悪な……mのたま……が纏わり……いるのが見えます。もはや一刻の猶yもありません。
世界を照らs……者とし…の責務で…。苦しいでsy……うが……手でかのjy…らを討つのです』
「女神様!?聞こえません!一体僕に何をしろというのですか!」
『指輪を…………』
「女神様!」

そこで勇者は目覚めた。宿屋の窓から朝日が差し込んでいた。
指輪。確かに最後に言っていた。指輪をどうしろというのだろうか。
(その前に言っていた……『仲間に邪悪な…』なんだろう)
「たたた大変だにゃーッ!」
勇者の思考は猫娘の大声でかき消された。

「どうしたの?いったい何があった!?」
「村の教会にオークが攻め込んできたのにゃ!宿屋の旦那さんと神父さんが!二人が!にゃあああ!!」

猫娘はそれだけ言ってへたり込み泣きだしてしまった。
猫娘のただならない様子に剣を持って駆け出す勇者。
教会は神の加護で護られている筈、それを物ともしないとは余程の強敵なのだろう。
剣を持つ手に力がこもる。

(僧侶さん達の部屋のドアは空いてる……先に行ったんだな。でも何か悪い予感がする。急がなきゃ!)

勇者は疾風のように走った。

・・・・・・
勇者が教会に辿り着くと、そこはもはや戦場だった。
教会の門は破け、十字架は砕け散り、血によって赤黒く色取られていた。
町民の悲鳴と炎の爆ぜる音をBGMにし、その中心では剣と槍がぶつかり合う音が響いていた。

「必殺!【魔神斬り】ィィッ!」
女戦士の裂帛の気合と共に放たれた一撃がオークの左腕を切り飛ばした。
しかしオークが苦し紛れに振るった槍の柄が女戦士の首を圧し折った。

「女戦士!!くっ!なんて事!」
【ピュギィィ!!ブヒュ!】
満身創痍の魔法使いが杖を構えるが、オークは魔法使いを相手にせず大声を上げた。
それは何かを訴えているようにも見えたが、目の前で仲間を殺された勇者にとっては勝ち鬨を上げている様にしか見えなかった。
オークは女戦士の遺体の道具袋を漁り、中から目当ての物を取り出したようだ。それは血の様に赤い宝石のついた指輪だった。
普段穏やかな勇者と言えど魔物を前にして、ましてや仲間の仇を前にしては冷静ではいられなかった。

「貴様ァァ!!【ギガスラッシュ】ゥゥアアア!!」
【プギギャア!?ピュギャーザマ!!】
勇者の一撃はオークの残った右 腕の肘先を吹き飛ばした。
オークは茫然と勇者の顔を眺め、指輪は教会の石畳を転がった。

「ふふ、あらあら……惜しかった、ですねぇ」

教会の奥から僧侶が姿を現した。
その手にはオークが落としたものと同じ指輪が嵌められていた。

「あともう少しだったんだがなぁ?指が無くなっちまったらもう指輪は嵌めらんねぇですね。
まあ、愛しい愛しい勇者様の一撃で引導渡されたんだからあきらめもつくだろ?」
【プギィィ……ッ!】

恨めしげに僧侶を睨むオーク。それに対し大げさに口を押さえ後退る僧侶。

「ああ怖い!勇者様!早くこのオークを殺してください!さあ!女戦士の仇を討つのです!」

僧侶の言葉に頷く勇者。剣にに闘気を集め空中に飛びあがった。
「これで終わりだ!【アルテマソード】ッ!」
エメラルド色に輝く斬撃がオークと、その先にあった指輪を切り裂いた!
【ユウ……シャ……サマ……】
オークは誰にも聞こえない断末魔を残し息絶え、指輪は粉々に砕け散った。

勇者はオークを倒した!

「……(おっ、記憶が読めるようになった)勇者様!やりましたね!」

駆け寄って来る僧侶を笑顔で迎える勇者。

―――待て、コイツは誰だ。

頭の中で警鐘が鳴った。誰って、僧侶だろう。一番長い仲間であり、彼女にはたくさん助けられた。
冒険が終わっても共に生きていきたいと考えている。

―――顔は確かに僧侶だが、体つきがまるで違う。彼女はもっと華奢だった筈だ。

今まで何処かに行っていた違和感が脳裏を駆け巡る。
彼女はこんな妖艶な魅力は持っていなかった。しかし清楚でそばにいるだけで癒される女性だった。
僧侶だけじゃない。女戦士も魔法使いも体つきや髪の色が変わっている。
何故気が付かなかった?何故今違和感に気が付いた?何故……。

勇者の顔色に警戒の色が見え、僧侶は一瞬残念そうな顔をし、すぐに愉しむ様に嗤った。

「あ~あ、このまま何も気づかずに居りゃあ幸せだったのになぁ?」

「貴様ら!魔物か!」
「正解で~す♪ただし半分だけネ?」

勇者が剣を構えると僧侶はさも愉快というようにケタケタ笑った。
僧侶は道具袋から聖水を取り出し、頭から被って見せた。
勇者もこれには驚いた。強力な魔物が仲間に化けているものと思ったが、魔物は強弱に関わらず聖水を浴びれば焼けただれる。
しかし、目の前の僧侶にはその気配が見られなかった。
「この身体のベースは正真正銘僧侶の物……」
穏やかな笑みで大仰に手を広げ、天を仰ぐ僧侶。かつて勇者の故郷に居た頃僧侶がたまに見せていた祈りの所作だ。

「で・も♪今この身体を使ってるのは……魔王軍西方侵略部隊所属!オーク隊長様だァッ!」
ゲラゲラと下品な笑い声をあげる僧侶。その姿にかつての彼女の面影はなかった。

「なるほどなぁ、指輪が壊れると入れ替わりはそのままだけど、周りに違和感を与えない効果だけ消えるのかぁ」
首が90度曲がったまま女戦士が立ち上がった。
視界が曲がっていることに気が付いたのか、手で首を伸ばして元の位置に戻した。
「因みにアタシはポイズンスライム?一人前の男なら女の子の毒っ気も受け止めなきゃ駄目だぞ??」
「童貞を捨てたばかりの勇者様には荷が重すぎですわね」
呆れ顔で突っ込む魔法使い。服はボロボロだが傷は全て塞がっている。
「わたくしはローズバトラー、勇者様は薔薇の香りはお好きかしら?」
仲間と同じ顔、しかし今まで対面した事がない強力な敵。勇者は動揺を隠せなかった。

「そんな、まさか、それじゃあ本物の皆は……!?」

三人は残忍な笑みを浮かべ、勇者の後ろに転がっているナニカを指さした。

「え…………あ………………?」
まさか、そんなといった声を漏らしながら勇者が硬直する。右手から剣が抜け落ちると地面に転がり硬い音を立てた。

「勇者様ひどいじゃないですか。私に体をくれた方の魂を滅ぼしてしまうなんて」
「勇者の加護は殺した魔物を魂まで消滅させるから、もうザオリクでも元にもどせねーだろうな」

勇者の表情が絶望に染まる。
「いつから、いつから入れ替わって……?」

「私は野営の水汲みにいったときですね。臭くて汚いオークの体がこんなにも柔らかく美しい姿になるなんて夢にも思いませんでした」
僧侶の身にまとう衣服がスライムに戻ると豊かに肉付いた体があらわになる。僧侶は誘うように巨乳をもみ始めた。

「アタシはこの町に来た日の夜だな。猛毒だけしか取り得のなかったアタシにこんな力強い形があれば百人力だぜ!」
女戦士の体が溶け落ちると緑色のスライムが彼女の体を再構成する。鎧が脱げた緑色のスライムでできた彼女の姿はたくましいながらも女としての色気に満ちていた。

「私は昨日の晩だったわ。女の子の体の気持ちよさって、素敵ね……」
魔法使いの真紅の髪のいくつかがより合わさり植物の蔓に変化するといくつもの薔薇の花が咲き誇り、勇者の力を奪い取る甘い香りがより濃厚に辺りに漂い始めた。

「それじゃ、魔物に襲われた宿の主人さんと神父さんは……?」
本性をあらわした仲間たちを理解したくない勇者は、誰かを助けたという事実で精神を保とうとするが……

「ああ、そうでしたね。おねがいしていたのはどうですか、看板娘さん?」
「はい、できたのです!」
僧侶が呼びかけるといつの間にやら地面を這い回っていた白いスライムが聞き覚えのある声でしゃべり始めた。
そして白いスライムが勇者の前で人の姿をとりはじめると、巨大な乳房を揺らす看板娘へと変化した。
「ふふっ、お父さんも神父様ももうすぐでてくるのです。あぁっきたのですっ!」

看板娘がびくびくと快楽に体をよがらせるとそれぞれの巨乳からミルクスライムが吐き出される。
吐き出されたミルクスライムはほとんどビキニのような衣装の女性と修道服を身に着けた美女の姿に変化した。
「さぁ看板娘、今日も冒険者さんたちが泊まりにくるから気持ちよくなってもらいましょうね♪」
「はいです!うーん、お母さんが二人だと紛らわしいので、お父さんのことはママと呼ぶのです」
「人々よ、わたくしと一緒に魔王様に祈りをささげましょう。世界は魔王様のものへ……」
そういうと宿の女主人とシスターはそれぞれが壊れた教会と町中へと歩いていく。


「上出来ね看板娘ちゃん、次からは私たちも手伝ってあげるからみんなで美しく生まれ変わらせてあげましょうね。それと……」
僧侶が視線を向けると、今度はオレンジ色のスライムが辺り一面を素早く這い回ったあと女戦士のもとにむかった。

「砕けた指輪の欠片、回収しといたニャ。おかーさまが取り込めば元に戻せるかニャ?」
「おう、よくやった。少し時間はかかるだろうが、アタシの体のなかでもとにもどせるはずだ」
「よかったニャ。あぁそれと勇者様、ごめんニャ。【マホトーン】」
オレンジ色のスライムが猫耳と翼を生やした少女に変化すると、彼の魔法を封じ込める。

「そんなぁ……」
二人がすでに手遅れだったこと、仲間たちがすでに人間ではなかったこと、肉体と精神の両方の抵抗手段を奪われたことに勇者は力なく膝をついた。

「勇者様、私も僧侶も女戦士もみんな今の姿に生まれ変わって幸せよ。気にしなくていいわ」
「おう勇者、まだちっこいお前が世界なんて重荷を背負わなくていいんだ。自分に正直になっちまえよ」
「勇者様。ここにはあなた一人に世界を救えなんて残酷なことを言う国王や女神はいません。私たちと一緒にきもちよく、幸せになりませんか?」

勇者は魔物に倒されてもその肉体は復活する。ならば、精神を屈服させてしまえばいい。


―――そう、屈服させれば終わるのだ
彼が普通の少年なら、男だとしたら物語はそこで終わるだろう

だが、忘れてはならない
彼は女神の加護を持った勇者なのだ。

彼の精神は決して折れはしない。

「僕が…これで折れると思ったか…」

低く…だが確かに聞こえる。
彼の声が…。

「う、嘘…まだ動くの?」

体の呪縛を解き放ちゆっくりと立ち上がり剣を握る。

― ― ― ― ―

『勇者の息子だから』、『女神の祝福を受けているから』、『運命の子だから』、そんな風に言われ続けてきた。
同年代の他の子たちが遊んでいるのに、僕は兵営で軍人たちと剣を振り続けた。

―――何で僕なんだ。なんでこんな運命背負わなくちゃならないんだ

運命を呪った事もある。
でも……

―――貴方が勇者様?あら?血が出てます!ちょっと待ってください、【ホイミ】!
よし、治りましたね!え?服が汚れるから放っておいてくれ?
もう!そんなことは気にしないでいいんです!

汗と泥にまみれた僕の手を取って、傷を癒してくれたひとがいる。

―――アンタが勇者かい?ヒョロっちいねえ!奢ってやるから肉喰いな肉!
剣は腰で振るんだよ。よ~し!アタシが見本を見せてやる!

挫けそうになった時、手を引いてくれたひとがいる。

―――わ、わたくしはどうでもいいのだけれど!
どうしてもと言うのならこのわたくしの大魔術の力を貸して差し上げますわ!

素直ではないけれど、ずっと助けてくれたひとがいる。

世界の為には戦えない。見知らぬ何処かの誰かの笑顔の為には死ねない。
でも、彼女達が生きてる世界なら、救いたい。命を懸けられると、そう思った。

(一撃が限度……。だから!この一撃にすべてを掛ける!)

「満身創痍、仲間もいない。だというのにこの力は!?」
―――僕の仲間はこの胸に共にある。
「前の『アタシ』が教えてやったっけ、『最後にモノをいうのは根性』だって。なんだか嬉しいけどヤバいさね……ッ!」
―――女戦士はスパルタだったなぁ。
「わたくし達を想い、立ち上がる勇者様……素敵♥、だけど……不味いわ」
―――僕が想っているのはお前達じゃない!

「悪しき魂を祓い清めよッ!【グランドクロス】ッ!!」



切っ先から放たれた白い十字架が三人を飲み込……「お母様たちをやらせはしないわぁ【ドルマドン】」

上空の乱入者から放たれた黒い稲妻によって十字架は掻き消された。



・・・・・・

「お母様、真実の鏡を持って来たわ」
「助かりましたアスタロト……っておバカ!私は〝叩き割れ”って言ったのに持ってきたら!」
「ほえ?」

#鏡に映っていたのは
#⇒①オーク、スライム、ローズバトラーだった(彼女たちの魂は滅んでないよルート)
# ②僧侶、女戦士、魔法使いだった(この姿はもう俺達の物だよルート)



真実の鏡に映ったのはー

平和を真実の人々の平和のために戦った

ー僧侶、女剣士、魔法使い…ではなく

罪のない人々を陥れ、平和を奪う

ーオーク、スライム、ローズバトラーだった

「なっ、これはどういうことなの!?」
「あいつらの魂は消滅してないってことか!?」
「でもなんで!? 私たちは確かに…」

女神の加護を受けた勇者、彼が心を開いたその仲間達も少なからず加護を受けている。それが原因だというのか?

いや、そうではない。
同じ姿をしている彼女達には理解できないが、
これは最後まで仲間を信じて立ち上がった勇者と、最後まで彼を信じた彼女達が起こした

ー奇跡ーではないだろうか。

少なくとも勇者はそう信じた。
彼女達の魂はまだ生きている。それだけで力が湧いてくる。
満身創痍だった体と心が奮い立つ。

「みんな…ありがとう」

声は聞こえないが、彼女達が背中を押している気がした。
平和を奪う魔物を倒せ、その偽りの心を斬れ、と。

勇者は剣を握り締め、彼女達を見据える。

「な、なによ!! 生きていたからってなんだというの!! この体はもう私たちのなのよ!!」

僧侶が真実の鏡を叩き割って言い放つ。

「そうですわよ。いくら勇者様とはいえ最強の勇者パーティにたった1人で勝てると思って?」

魔法使いが不敵に笑う。

「だな、勇者をコテンパにしてもう2度と立ち上がれないようにすればいいだけじゃねーか。魔物の力を合わせ持ったアタシには絶対に勝てないぜ」

女剣士が緑色のスライムを剣に纒わす。

それに、敵は彼女達だけではない、看板娘や先ほどの決死の一撃を防いだ相手もいる。
いくら女神の加護を受けている勇者とはいえ彼女達を相手にするのは無謀すぎる。

だが、勇者も笑う。

「…みんな…待っててね」

絶対に勝ってみせる。
そう心の中で呟き大地を蹴る。

今この場には勇者と、それを迎え撃つ勇者の仲間達という奇妙な光景が広がっていた。

「小癪なあああ!!」

今までの彼女とは違う形相で僧侶が吠える。

「僕は負けない!! たとえ僕が倒れたとしてもそれが最後じゃない!! 僕は……絶対に折れない!!」




……

……


どのくらい時間が経っただろうか…
燃え盛る大地、焼き焦げた草木、裂けた地面、砕けた建築物…
そして、生き絶えた魔物や女の肉体…

この世の終わりとも思えてくるその場所に、返り血を浴びた鎧を纏う隻腕の男が1人

残った右腕には砕けた指輪が握りしめられていた。

「みんな…終わったよ」

長い戦いを制したのは勇者であった。
初めは数で圧倒していた彼女達も、何度傷つけても立ち上がる勇者の気迫に次第に押されていった。

勇者は仲間の姿をした相手にも決して容赦はしなかった。
魔法には魔法を、剣技には剣技を、体術には体術を、自分の持つ全ての力を出し抜き戦い抜いた。

最後に残った僧侶の姿をしたオークは言葉巧みに彼を陥れようとした。
お前は知らなかったとはいえ一度こいつらの命を奪ったんだ、お前のようなやつじゃ誰も救えない、お前は一度この体ヤったんだ、それなのに殺せるのか!!

だが躊躇わなかった。
その剣を僧侶に振い落とした。

こうして長い戦いは幕を下ろしたのだ。


ー勇者よ、聞こえますね?ー

声が聞こえてくる。
この声は…そうだ。夢のあの場所で聞こえる女神の声だ。

ーお疲れ様です…今回の戦い、あなたにとっては辛く悲しいものでしたね。私がもう少し早くあなたに告げられていばー

「いいんだ、ずっと側にいたのに気づけなかった。救えなかったのは僕も一緒だから…」

拳を握りしめる。

「それよりも…みんなは…」

ー彼女達の魂はあなたによって救われました…ですが、その体と心は深く傷ついていますー

「それじゃ…もう…」

ダメだったのか。
遅かった…自分は…みんなを…

ーいいえ、大丈夫。時間はかかりますが彼女達は必ず蘇りますー

「本当…ですか?」

ーはい、どれほどの時間が必要かはわかりません。ですが必ずその心と体は癒えあなたの元に戻ってきますー

「そう…ですか…」

生きる希望が湧いてくる。
彼女達は必ず蘇る…ならば自分のすべきことは決まっている。

深呼吸をし前を見て歩き出す。
その瞳には新たな決意が宿っていた。

ーどうするのですか? あなたはこれからー

「戦います…魔王と。みんなが愛した平和を取り戻すために」

力強く宣言する。

ー…辛くはないのですか?ー

「…辛いですよ。けど、みんなが戻った時にまだ僕が落ち込んでいたら笑われちゃいますから

…僕は強くなります。もう同じ悲劇を繰り返さないように、同じ犠牲者を生まないように」

女神は感じた。
少年はこの時、本当の勇者になったのだ、と。

女神は祈った勇者の勝利と、彼に幸あることを…

「みんな…また、会う日まで」

別れを告げ砕けた指輪を投げ捨てた。


それから数年後…
各地を支配する魔物を倒し人々を救った勇者は、無謀にもたった1人で魔王に挑む…
しかし、後一歩のところで魔王に追い詰められてしまった勇者…
そんな彼を救うために現れる3つの影があったが…

…それはまた別の話…


ー①ルートENDー


#鏡に映っていたのは
# ①オーク、スライム、ローズバトラーだった(彼女たちの魂は滅んでないよルート)
#⇒②僧侶、女戦士、魔法使いだった(この姿はもう俺達の物だよルート)


真実の鏡に映ったのは―

―今現在の僧侶、女剣士、魔法使いの姿だった。

「……はは、なんだ、何の変哲もないただの鏡じゃないか!」

何の変哲もないただの鏡。
勇者はそう思った。しかし、鏡に映った彼女たちは不敵に笑っている。

「へえ、真実の姿を映し出す鏡、ねえ?」
「つまり、映っているソレがわたくし達の今の真実の姿、というわけですわね」

女戦士と魔法使いは満足げに自分の顔を弄っている。

「何を言ってるんだ。貴様らの正体は魔物だ!醜い魔物だ!
そうだ!僕が本物の鏡を探し出してお前らから皆の身体を取り戻してやる!」

勇者は最後の勇気を振り絞って啖呵を切る。
あと、ルーラ一回だけなら使える。体勢を立て直し、彼女達の身体を奪還するのだ。

「ふふ、虚勢を張る姿も愛らしいですが??勇者様、これは本物ですよ?ほ~ら?」

僧侶は猫娘の身体を抱き寄せた。鏡の中の彼女も同じ動きをするが……。
そこに猫娘の姿は無く、下級の魔物であるキャットフライが抱かれていた。




「にゃにゃ?やっぱ元のあたちもイケ猫にゃあねぇ♪」

猫娘が自分の顔を撫でると、鏡の中の魔物も前足で器用に顔を洗った。

(そんな、バカな、嘘だ、この鏡は……)

勇者の頬から血の気が引いた。
もし、目の前にいる仲間の顔をした魔物たちが、完全にその身体に馴染んでいるのならば……。

「勇者様、もう現実逃避は止めましょう?」
「そうだよ、目の前のアタシたちを見ろってw」

肉体と、魂は切っても切り離せない関係にある。その筈なのに……。

「もう、しっかり見せないと駄目かしら。ほら!見えますかぁ?」

僧侶はオークの首を掲げ、鏡に映して見せた。
勇者は絶望して体の自由も聞かないにも拘らず、目が背けられなかった

真実の鏡に映っていたのはオークの死体ではなく……

―――勇者が愛した、一人の少女の物言わぬ姿だった。


「……ッ!あ、あ、あ、う゛わあああああぁぁぁ!!!」

今度こそ勇者は立ち上がることもできず、その場で倒れ伏し慟哭した。

「!!、勇者が隙だらけ……ここで終わらせるわぁ!【ドルマド【マホトーン】」

アスタロトが無防備な勇者の背中に闇の呪文を叩きこもうとするが、一瞬早く僧侶の呪文がそれを遮った。

「お母様!?何故邪魔を「少し、黙ってなさい」

僧侶がアスタロトを一瞥するとアスタロトは石像の様に動けなくなった。
そんな彼女を尻目に僧侶は勇者にゆっくりと歩み寄り……
慈母の様に抱きしめた。

「そうりょ……さん?」
「ええ、貴女の僧侶はここにいますよ?」
「そうりょさん……そうりょさんっ!」

勇者は幼い子供の様に、泣きながら僧侶の胸に抱き縋った。
僧侶は勇者が泣き疲れ眠るまで彼を抱きしめ、頭を撫で、微笑んでいた。
真実の鏡に勇者の姿は映らず、年相応に無邪気に眠る子供が映っていた。



―――1年後

「報告!北の旅の扉が魔王軍に落とされましたッ!」
「むぅ、奴らめ。遂にこの大陸まで攻め込んだか」

兵の報告に顔をしかめ北の空を睨む老将軍。

人類の諸国は悉く魔族に敗北し、滅ぼされるか、
尊厳を奪われ属国として生き永らえているか、二つに一つだった。
勇者の故国『王国』は正に人類最後の砦となっていた。

「勇者様さえ生きていれば……」
「言うな。勇者はいずこかで果敢に闘い果てたのだろう」

ここ一年で魔王軍は不思議な術を使い人間の領域を切り崩して来た。
町々の指導者や一国の王がある日突然人が変わったように魔物を迎え入れ、
人類を魔族の下に置く協定に同意したのだ。
その少し前、勇者一行が消息を絶ち、魔族三将軍と名乗る女性型魔族が現れ、一気呵成に人類に攻撃を仕掛けたのだ。

(恐らく勇者は三将軍と戦って負けたのだろう)

老将軍は孫と同じくらいの年の少年を想い、胸を痛めた。


「伝令!北の村に魔族が出現!数刻もしない内に駐在隊が壊滅しました!」
「敵の数は!?」
「それが……たった一人ですッ!」
「なんだと?」
(罠か?否、それでも村人を捨て置けんッ)

老将軍は騎馬隊を編成し、北の村に向かった。
駿馬を駆る精鋭一個大隊が村に到着した頃には、村は火の海だった。

「酷ぇ……」
「狼狽えるな!警戒を密にせよ!件の魔族が潜んでおるやもしれん!だが生存者の救出もあきらめるな!」

老将軍が一喝し平静を取り戻す兵士たち。

「あはぁ♥生き残りなんていないよぉ♥僕はそんな『うっかりもの』じゃないしぃ♥」

右手に剣を、左手に少女の亡骸を持った女性型の魔族が現れた。
上気した頬と鮮血に塗れた剣を、炎がさらに紅く照らす。
しかし目を引くのはその格好だ。目線を隠すだけの鉄仮面。子供の頭程もある大きな乳房を『エッチな下着』で覆い、
肩には人の頭蓋骨で作られた肩当て、そして下半身には黄色いソックスタイツ。
そしてその股間には、愛液に濡れる女性器と精液に塗れた男性器が生えていた。

「僕はぁ『魔王の使い』ってお名前貰ったのぉ!ご褒美ぃ!一杯殺せばご褒美一杯ぃぃ!!」

血走った目で剣を振るうと瞬く間に二人の兵士が物言わぬ肉塊に変わった。

(今の剣筋は?)
「あはぁ♥褒めてくれるかなぁ?魔神官さま、褒めてくれるかなぁぁぁ?」
剣に付いた血を舐め痙攣したように震える『魔王の使い』。
しかし老将軍は彼女の剣を知っていた。

(バカなッ!ありえん!しかし、儂が教え子の剣を見間違えるか?)

「……確かめねばなるまい」
老将軍は切っ先をまっすぐ『魔王の使い』に向け構えた。
「ふぁぁ?強いの殺すとすっごいご褒美ぃ!ぜったい殺すぅ!!」

血走った目で老将軍を捕らえる『魔王の使い』剣を八双に構え闘気を集中している。
(あの構え、間違いないか)
「殺すすす!!【エビルスラッシュ】うう!」
「古式剣術【疾風突き】!!」

『魔王の使い』の重い一撃は老将軍の下半身を吹き飛ばした。

「ぐはぁ!」

勇者一行無き後、人類世界最強の戦士である老将軍。
しかし『魔王の使い』の実力はそれを軽く凌駕していた。

≪カランカラン≫

「?」

『魔王の使い』の鉄仮面が割れ地面に落ち、乾いた音が響く。
それを見て、渋い顔をする老将軍。
(やはり、そうか。若者に、闘いを、押し付けて、来てしまった、バチか……)

「あれぇ?あれあれ?お面壊れちゃった?お仕置き?お仕置きぃ?えへへ、お仕置きぃ!お仕置きィ♥」
仮面の下にあった顔は、少し女性らしくなっているが、紛れもなく。

(……生きておったか、勇…者……)

紛れもなく勇者の顔だった。
その顔を見届け、老将軍は逝った。

「お仕置きぃ!お仕置きくださぁい♥」

『勇者』は『お仕置き』を妄想しながら、カウパー塗れの陰茎をしごき続けた。


―――
老将軍の死から一週間後、『王国』は魔族に全面降伏した。

その玉座に腰かけ、僧侶は微笑んでいた。

「ご苦労様でした勇者様……いえ、魔王の使いよ」

『魔王の使い』は餌を前にお預けされた犬の様に涎とカウパーを流し、僧侶に跪いた。

「ご褒美!お仕置き!ご褒美!お仕置き!」

「あらあら♪こんなに、はしたなくなって♥じゃあ、今日は足でしてあげましょうか♪」

「足コキぃ♥ダイ好きィ!!」

『魔王の使い』はカエルのように足を開き、陰茎をさらけ出した。
僧侶はそれを愛おしげに眺め―――
―――ブーツを履いたまま一気に踏みつぶした。

「―――♥」
「ホントに情けない顔♥踏まれて感じちゃってるの?」
「しゅきぃ!魔神官さまぁ!だいしゅきぃ!!」

「イクイクイク~♥」

魔王の使いの雌の嬌声が、王宮に日々いきわたった。

(武力は勇者のまま、褒美も躾も簡単。ホントにイイ家畜だぜ。お前は)


闇に飲まれた世界。その闇を祓う運命の子は、もう二度と目覚めない。

ー②ルートENDー
完走できてよかった(小学生並みの感想)
簡単な編集だけで2時間かかりました。スペース数えなくても5万6千字。パネェ。
リレー清彦
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