上品な白い部屋の中で起きあがると、巨大な胸がたゆんと揺れた。
91センチの胸が今のお前はこの上なく女なんだと訴えてくる。元の持ち主によると、この胸はまだまだ成長中だとか。
下を見下ろすと、なめらかな白い肌が丸見えになっていた。上半身にブラウス以外なにもつけていないせいで深い谷間と薄ピンク色の乳首が丸見えになっていた。さらにその下には太ももに食い込んだ脱ぎかけの純白のショーツが見える。
この状況は何だ?ああ、そうか。
「昨日デートから帰ってきて、風呂入って……で、そのままオナったんだったっけ……」
呟きながらショーツを持ち上げ、平らな股間にフィットさせる。
朝シャンのためにシャワー室に行こうとベッドから立ち上がると、クローゼットの扉についている鏡が目に入った。
その鏡には優しい顔立ちをした綺麗なお嬢様が映っていて、おっとりとした穏やかな眼差しで俺を見つめていた。
中身は俺だって言うのに、こんな風に見えるのは不思議だ。
俺は頭の中で自分に暗示をかけるように口を開いた。
「……私の名前は七瀬由衣。私立白雪高校に通う高校一年生。周りからは白雪のアイドルって言われてるの。私自身は全然そんなこと思ってないんだけどね」
否定を口にしながら、俺はこの身体がまさにアイドルのものだと思っている。
学校に行けば男子生徒に告白され、街を歩けば芸能スカウトを受け、電車に乗れば痴漢にあい、一人で夜道を歩けば不審な男が追いかけてくる。学校中の男子の間でパンチラやスク水の盗撮写真が高値で取引され、オナニーのオカズにされている。
間違いなく、この体には男を狂わせる魔性がある。
「最近同じクラスの沢村仁くんに告白されて付き合い始めたの。私、誰かの彼女になるのなんて始めてだから不安だったんだけど、仁くんが、心配すんな、俺がついてるっていってくれて……」
鏡の中の美少女は腕でむぎゅっと巨乳を寄せ、そのまま頬に手を当ててくねくねとした。
ほのかに顔が赤くなっており、まさしく恋する乙女といった様子だ。
もし俺がこの動作をさせている本人でなければ、もっと素直にかわいいといえたのに。
……あほらしい。
嘆息してから俺は部屋の扉に手をかけ、シャワー室に向かった。
☆
朝食を取ってから制服に着替えた。
ライトグリーンのブラジャーとショーツを身に着け、胸と尻に食い込ませる。わざとじゃない。どんどん成長しているせいだ。
セーラー服の白い生地に緑色のブラが透けている。スカートが大きな尻のせいで持ち上がり、少し動くだけでショーツが見えてしまっている。
今は自分の体だって言うのに、女らしくなるこの身体に思わずつばを飲み込んでしまう。
洋館のように上品な七瀬邸をでると、すぐ近くの角である男子が待ち伏せしていた。
その男子はまあまあの容姿をしており、それなりに鍛えられた体格をしていた。薄っぺらい鞄を片手で背中まで持ち上げ、退屈そうな顔を浮かべている。
俺は美少女らしい笑顔を浮かべながら、その男子生徒『沢村仁』に挨拶をした。
「おはよう。仁くん」
「おお、由衣。今日は遅かったな」
「ちょっと寝坊しちゃったの」
「由衣が?珍しいな」
「私だってお寝坊さんなときくらいあるよぅ」
俺が恥ずかしがる演技をしていると、『沢村仁』は俺の身体を頭から股間までジロジロと眺め始めた。
男の無遠慮すぎる視線に少し身体が強張ってしまうが、どうにか笑顔を浮かべた。
「うーん」
「どうしたの、仁くん?」
「いや、やっぱり由衣ってかわいいなって思ってさ」
「えっ……」
演技だとわかっているのに、褒められてなんだかドキリとしてしまう。
『沢村仁』も気まずくなったのか、短い髪をポリポリとかいて誤魔化すように笑った。
「わりいな。変なこと言って」
「う、ううん、別に全然……気にしてないよ……」
「そっか。じゃあ、行こうぜ」
言葉と同時に男の厚い手を差し伸べられる。俺はその手に自分のか細く美しい手を重ねた。
ギュッと握り返されると、なぜか胸の奥が暖かくなり始めた。
☆
俺こと沢村仁と白雪高校のアイドル七瀬由衣さんが入れ替わったのは、一ヶ月前のバス停で起こったあるできごとが原因だった。
その雨の日、バス停で雨宿りしていた俺達に雷が直撃し、そのショックで身体が入れ替わってしまったのだ。
元に戻ったときのために、入れ替わったことは周りに内緒にしようと約束した俺たちだったが、冴えない男子がいきなり大人気の女子になったのだ。問題は多かった。
普段の態度や知識、そして女子特有の生理など、俺は生活の端々にボロを出してしまい、疑われることになった。七瀬さんのフォローがなければとっくに入れ替わりはバレていただろう。
そうやって『七瀬由衣』の評判を地の底まで落としてしまった俺に反して、七瀬さんはまさに理想の『沢村仁』をこなしていた。テストでは学年一位をとり、スポーツでは必ず得点を決める。女子にも男子にも優しく、先生からの評判も良くなっていった。
彼女自身は『沢村仁』の振る舞いを真似出来ていないことを恥じていたが、スポーツ中の『沢村仁』は、男の俺から見ても惚れ惚れするくらいかっこいい存在だった。
そんな『沢村仁』と『七瀬由衣』は現在恋人同士ということになっている。
これは七瀬さんからの提案で、情報交換や情報調査をスムーズにするため、恋人のふりをするということにしたのだ。
だから、恋人とはいっても恋愛感情などはまったくなく、お互いがお互いを性の対象にするということもない。
それに、今は違うにしろ、俺は男で七瀬さんは女だ。それが同性を相手にするはずがない。
今日まではそう思っていた。
☆
午前中の授業が終わり、俺達は学校の庭で弁当を食べることにした。芝生の上にぺたんと座ると、大きな胸がゆさっと揺れた。
俺たちは昼休みに一緒に弁当を食べることにしている。七瀬さんによると、「一緒にお弁当を食べてる方が恋人同士に見えるでしょ」ということらしい。
周りに誰もいないことを確かめ、お互いの心に合わせた言葉遣いで話し始める。
女言葉で喋る『沢村仁』は正直気持ち悪いが、中身は七瀬さんだ。我慢するしかない。
「だからね、あの雷と近いショックを受ければまた入れ替われると思うの」
「近いショックかあ」
「うん、いくら探してもあのバス停が見つからないんだから、そっちを探った方がいいと思うの」
「まあ、そうだよな……といっても、あんまり思いつかないな。頭をぶつけ合うのは何度もやったし……」
俺が顎に人差し指を立てて考えていると、ぐうと大きな音が聞こえてきた。
七瀬さんを見ると、恥ずかしそうに縮こまっていた。
本来の七瀬さんの身体ならともかく、俺の体でそんな動きをされても全く可愛くないな。
「ご、ごめんね。さっきサッカーやってたから、お腹が空いちゃって……」
「見てたから知ってるよ。七瀬さん、すごい動いてたよな。何点いれたんだ?」
「5点くらいだったと思う。でも動けるのは沢村くんの……男の子の体だからだよ。前は大きな胸とか大きなお尻のせいで全然動けなかったし……」
「ああ、うん……身をもって実感してるよ」
「でしょ?そう考えると男の子って良いよね。生理もないし。ジロジロ見られないし。私、しばらくこのままでも……あ、ごめんなさい。私変なこと言っちゃった」
「いや、いいよ。気にしてない。それより腹減ってるんだろ。弁当食べたらどう?」
「う、うん、そうするね」
俺がそう言うと、七瀬さんは申し訳なさそうに大きな弁当を食べ始めた。ならうように俺も小さな弁当箱のフタを開いた。
この体になってから、男女の体力の差を度々感じる。
走り回れなくなったし、重いものを持てなくなった。食事だって男だった時の10分の1も食べられなくなってしまった。
それだってのに、胸や尻には栄養が行くんだから、七瀬さんの体は特別性だ。
今日の体育の時間もこの身体のことで、友達にからかわれたしなあ。ブラのカップ数聞かれたり、尻を撫でられたりして……あれは恥ずかしかった。
俺がそんなことを思い出していると、七瀬さんが豪快に「ごちそうさま!」といった。もう食べ終えたようだ。
俺の方は半分も食べられていない。それなのにすでにお腹いっぱいだった。
ふと目が合うと、七瀬さんが気まずそうな顔でこちらを見ていた。恥ずかしそうに赤くなっている。正直気持ち悪い。
「七瀬さん、どうした?」
「あ、あのね、いつもいってるんだけど、今の七瀬由衣の身体の持ち主は沢村くんなわけだから……というか、今の君は女の子なんだよ?」
「うん。だから?」
「だから、もうちょっと意識して欲しいっていうか。ガードとか覚えてほしいの」
「ガード?」
「……ショーツ、丸見えになってる」
「え、あっ……きゃぅぅっ」
慌ててスカートを押さえつけると胸がたゆんと揺れた。そうか、この大きすぎる胸のせいで、スカートがめくれ上がってショーツが丸見えになっていたことに気づけなかったのか。
どおりで遠くの男子生徒たちがこっちをジロジロ見てくると思った……。
だが、今の問題は遠くの男子じゃない。彼らはこっちの会話も聞けないほど遠くにいるのだ。問題は、目の前の男子『沢村仁』だ。
おそるおそる顔を上げると、俺の予想通りの光景が目の前にできていた。
七瀬さんのズボンの股間部分は盛り上がり、大きなテントを張っている。彼女の持つチンポがあの下でギンギンに勃起しているのだ。
目の前でスタイル抜群の美少女が足を開き、ショーツと股間を見せつけていたのだ。その興奮は男子として当たり前の反応だ。
入れ替わってから一ヶ月、七瀬さんは男子の性欲に振り回されている。こういう少しでも女を意識させるエロハプニングがあると、すぐに興奮して股間を反応させてしまうのだ。
七瀬さんは狼狽しながらも苦笑いを浮かべている。額には冷や汗が光っている。
「はぁ、すぐにこうなっちゃうの、なんとかしたいな」
「しょうがないよ。今の七瀬さんは男子なんだから」
「その……いつものお願いしても良いかな?」
「…………わかった。ベンチの影に行こう」
食べかけの弁当に箱をして、俺達はベンチの影、ちょうどどこからも死角になっている場所にいった。
七瀬さんと向き合うと、俺はその前に両ひざをつき、彼女のズボンのチャックをゆっくり開いていった。
トランクスを下げると、ボロンッという音が相応しいくらい怒張したチンポが姿を表し、むわっとした熱気を俺の鼻に届けた。男臭い。頭がジンジンと麻痺してくる。
血管が浮き上がった凶悪な男根は、目の前の俺に対して狙いを定めている。メスの俺に対して犯させろといっているようにも見えた。
「ご、ごめんね。いつもこんなことさせちゃって」
「いいよ。七瀬さんは悪くないんだから。気にしないで」
「うん、でも……ごめんね」
スカートからピンク色の携帯電話を出し、時間を確かめる。もう次の授業が始まるまで余裕がない。スピード勝負だ。手でやっていたら授業に間に合わないだろう。
俺は意を決すると、しゅるりとセーラー服を肩まで下ろし、ブラジャーを露わにした。ぷるるんっと胸の肉がたわわに揺れる。
七瀬さんの目が見開く。おそらくいつもの手コキだと思っていたのだろう。
「さ、沢村くん、な、なにを……」
「こっちの方が早いと思うんだ」
「こっちって……もしかしてパイズリ?」
「知ってるのか?」
「うん、男の子たちと話してると、七瀬のデカパイにパイズリされてえ~って話がよく上がってくるの」
「そ、そうなのか……」
若干ひいている俺の言葉も気にせず、七瀬さんは俺の巨乳に釘付けになっている。鼻息も荒い。
よし、狙い通り興奮しているな。
俺はブラを付けたまま、おっぱいをペニスの上へ運んでいき、その太く熱い棒を挟み込んだ。
「じゃあ、始めるから、じっとしててくれよ」
そういって、俺は胸を上下させ、七瀬さんのペニスをしごき始めた。
たわわな胸を動かす度、ペニスの先から出ている我慢汁が谷間にこぼれる。ニチュニチュと粘ついた音がベンチの影で発生する。
「あぁ……いい……」
「でそうになったらいってくれ。この前のフェラのときみたいに飲み込んだりしたくない」
「わかった……でも、私、ごっくんって飲んでくれたときの沢村くんかわいいって思ったよ?」
「う……」
かわいい、と言われて恥ずかしくなる。本来この身体は七瀬さんのもので、俺は男だと言うのに、かわいいと言われて、嬉しさを感じてしまう。
俺はパイズリをしながらどこか満足感を得ていた。おかしくはない。なぜなら普段助けられている七瀬さんに対してできる唯一の助けが性欲処理だけなのだから。
――1ヶ月前、初めて性欲処理をしてあげたときのことを思いだした。
突然の勃起に戸惑う七瀬さんを俺が学校の男子トイレで手コキし、大量の精液を射精させたのだ。
男として精通した彼女はその後、男子トイレで何時間もうずくまり、野太い声で泣いていた。
そんな性に対して耐性のなかった清純清楚な女の子が、今じゃすっかり男の性欲の虜になっている。
早く元に戻らないといけない。俺がそう思っていると、上から手がにゅっと伸びてきて俺の頭を抑えた。
「ああ出そう!」
「えっ七瀬さん、顔をおさえつけないで……っ」
「うっ、出るっ!」
「うわっ!」
七瀬さんのペニスが震え、噴水のように大量の精液を吐きだした。
発射された精液は俺の顔中に命中し、さらに口の中にもいくつか入ってしまった。
その上、ひどいことだが、七瀬さんは射精が終わった後のチンポを俺の頬になすりつけて掃除をした。
ああ、これじゃ化粧し直さなきゃいけないじゃないか……。
胸の谷間にも白濁液がこぼれていき、制服やスカートの紺色の部分を汚していった。まるでこの女の体は自分のものだと言わんばかりに『沢村仁』の精液は『七瀬由衣』の身体にまとわりついていった。
結局、服の掃除や化粧直しなどのせいで、次の授業は二人共ズル休みをしなければいけなくなった。
俺は激怒してもよかったはずだが、七瀬さんが自分の行いにしょんぼりして謝る姿を見て、胸がキュンとしてしまい、怒る気がなくなってしまった。
☆
最後の授業には間に合ったので出席できた。
俺はうとうとしながら教師の話を聞いていたが、教師は俺の態度を注意することなど全くせずに授業を進めた。
この一ヶ月間で成績がガタ落ちした『七瀬由衣』への評価は冷たいものになっている。その反面、『沢村仁』への評価はかなり上がっており、これも俺たちが早く戻らなければならないと思っている理由の一つでもある。
しかし、かなり眠い。昨日オナニーしすぎたかな……。
――不思議なことに、俺達が入れ替わったバス停は見つからなかった。
土日に『恋人同士のデート』という名目でバス停があった場所をうろついていたが、どこにも見当たらないのだ。
何度繰り返してもそれを見つけることはできなかったし、通行人に聞いても誰もそのバス停の存在を知らなかった。
最近、このまま戻れなかったら、と考えることが多くなった。
七瀬さんは良い大学に進学できるだろう。高校卒業して働き始めるとしても、それなりの会社に入って優秀な働きをすることはできるだろう。美人の嫁を手に入れて、幸せな家庭を築くことだってできるように思える。
でも俺は?
このまま『七瀬由衣』として、女として生きていくことになったら、俺はどうなるんだ。
大学や会社はともかく、男との結婚やセックスなんて本来男の俺ができるわけがないし、男に孕まされるなんてそれこそ……。
――ふと、想像します。
大きな上品な白い家のキッチンで、私は夫のために料理を作っています。左手の薬指には銀色の指輪が光っていました。
部屋の扉が開く音がしたので振り返ると、そこには私の夫が立っていました。お仕事から帰ってきたのです。
「おかえりなさい、あなた♡」
「子どもたちは?」
「二人とも寝ましたよ。料理温めますから待っていてくださいね……ひゃあんっ♡」
料理を温め直そうとキッチンに向き直ると、夫に尻を撫でられました。
尻に手を当ててガードしていると、肩に夫の手がかかり、そのまま抱きしめられました。
耳元に夫の唇が迫ってくる。ゾクゾクとこそばゆさが体を登ってきます。
「なあ、由衣」
「あ、あなた、なにを……♡」
「前に子どもたちと話したんだけどな。二人とも弟か妹がほしいっていっててな。だから、もう一人作らないか?」
「い、今からですかぁ?料理を食べた後でも遅くないじゃありませんか……」
「俺は今お前を食べたいんだよ」
「はぅ……で、でもぉ♡」
「なんだ。夫の言うことが聞けないのか?お前はもう七瀬由衣じゃなくて、沢村由衣なんだぞ。俺の女で、妻なんだ」
強引に振り返らされると、そこには『沢村仁』の顔がありました。
顎をクイッと捕まれ、愛しい夫の顔が迫ってきます。私の唇を、私の身体を奪いに来るのです。
私はそっと目を閉じ、その誘いに応じました……。
授業終了のチャイムとともに夢から覚めた。いつの間にか机につっぷして眠ってしまっていたようだ。
周りから、クスクスと笑い声が聞こえる。嘲笑う声ではなく、可愛いものを愛でるような笑い声だったが、また『七瀬由衣』の評判が落ちたのは間違いないだろう。
☆
放課後はいつも屋上でお互いの情報を交換するということになっている。
俺が屋上の鍵を締めると、貯水槽の上を確認していた七瀬さんがはしごから降りてきた。
はしごを登る係は七瀬さんになっている。前に俺が登ろうとしたとき、「パンチラのことを気にして」と勃起しながら怒られ、フェラチオするハメになった。あのときは二回も口内射精されたから参った。
七瀬さんが学ランをはためかせながらこっちに近づいてくる。なぜか胸が高鳴った。
「さてと、じゃあ情報交換始めるか」
七瀬さんの言葉遣いは男のままだ。
情報交換のとき、屋上のベンチの裏側に別の生徒がいたことがあるので、チェックが終わっても警戒しているのだ。
俺は可愛らしく、後ろに手を組んで覗き込むように話しかけた。
「うん。でも言葉遣いはどうするの?」
「あー、どうすっかな」
「私は別にこのままでもいいけど……仁くんは?」
「この間の情報交換のときはずっと身体に合わせてたし、今回は元の口調でやろうぜ。由衣もそれでいいだろ?」
「うん、仁くんがそういうなら私……元の口調で喋るぜ。七瀬さん、これでいいか」
「人が来たら不安だけど、二人きりのときは出来る限り元の口調にしておきたいからね」
元の口調に戻した俺達はひとまず情報交換をした。
クラスメイトとの会話。最近七瀬由衣が抜けていることで男子から人気が出ていること。沢村仁が今週下級生から告白を受けたが、「彼女がいる」ということで断ったということ。
ほかにもいろいろな話をしたが、ほとんど頭に入ってこなかった。授業中に見た未来の夢のせいでドキドキしっぱなしだったのだ。
俺の意識がはっきりしたのは昼の話を持ち出されたときだった。
「沢村くん、お昼の話を覚えてる?」
「え、あ、ああ、なんだっけ?」
「雷と同じようなショックを受けたら元に戻れるかもって話」
「ああ、そんな話もしてたよな。それが?」
「うん……そのね。私、何度も経験して思ったんだけど……その」
そこで七瀬さんは一旦言葉を切り、迷うような仕草をした。
なんだ?そんなに言いにくいことなのか?
しばらく経った後、意を決したのか、とんでもないことをいいだした。
「射精ってあのショックと似てたと思うの」
「は、なっ……!?」
「こ、これは真剣な話なの。正直に答えてほしいんだけど、沢村くんはわたしの身体を慰め……お、オナニーした?」
男子から女子にこんな質問をすれば、セクハラ扱いやビンタされても文句は言えない。
しかし、七瀬さんは女子だし、本来の自分の体のことを聞いているだけだ。
その上、あまりに真剣な顔だったので、答えなければいけないと思わされた。
「…………ま、まあ、少しは」
男と違う女の快感。男の射精とは違い、何回でもイクことができて、さらにそれが持続する快感。あれを知ってしまえば後戻りはできなかった。
今まで七瀬さんには隠していたが、俺は生理のとき以外、ほぼ毎夜、女のオナニーを体験していた。
俺の返事を聞くと、七瀬さんはがっくりと肩を落とした。当たり前だよな。自分の身体を冴えない男子に勝手にいじられていたんだから。
「…………そう、なんだ」
「ごめん……」
「ううん、いいの。私もこの体で毎日二回三回オナニーしてるし、お相子様だよ」
あの学園のアイドルだった女の子が、今では家で毎日チンポを擦っている。もしかしたら、『七瀬由衣』のパンチラ画像やスク水画像で抜いているのかもしれない。
そう考えると気味が悪く、そしてなぜか誇らしい気持ちも湧いてきたが、それよりも……。
今、七瀬さんは毎日自分でオナニーしているといった。それはつまり、俺に性欲処理をさせているのは、わざと話を持ち出していたということにならないか……?
俺が抱いた疑問に気付いてか気付かずか、七瀬さんはその先の話を持ち出した。
「それで、沢村くん、オナニーは雷の衝撃と似ていなかった?」
「確かに似てたような気も……するような……」
「やっぱり…………ねえ、沢村くん、私と試してみない?」
「試すってなにを……って、ええっ!?」
すぐに思い至り、身体をババッと隠す。片腕は胸に、片腕は股間に。俺の細腕の中で胸がむにゅうと潰れ、形を激しく変えた。
七瀬さんをじっと見つめる。その瞳は男の性欲でギラついており、股間のテントはとっくに怒張していた。おそらく俺が女のオナニーをしているといったときから勃っていたのだろう。
「じ、自分の体を抱くつもりなのか?」
「そう……なるね。お互いにショックを受けなくちゃいけないんだから」
「な、な、七瀬さんはその、しょ……処女なんだろ?一度も誰ともヤッたこと、セックスしたことないんだろ?大事な処女をこんなことで失っても……」
「戻れないよりは処女失ったほうがいいよ」
その野太い声は静かなものだったが、それでも俺は身をこわばらせ続けてしまった。
七瀬さんは厭世的な笑みを浮かべていた。
「……自分の頭の中がね。どんどん男の子に変わっていくのがわかるの。すれ違った女の子の胸とか太ももとかいちいち確認しちゃうし、こうやってすぐにおちんちんが勃っちゃう」
「そ、それは七瀬さんがその体に不慣れだから……」
「うん。でも、不慣れだからこそ、異性の体に対して頭も心も急スピードで馴染んできてるのかもしれない。沢村くんだってそうでしょ?男の私の提案に身体を隠すくらい馴染んできてる」
俺が彼女を男としてみている?そんなバカな、とは言い切れない。
彼女は傷ついた顔になっている。そうだ。七瀬さんだって嫌なはずだ。本来大切な人のために取っておいた処女が、入れ替わりなんてくだらないことで失くなってしまうのだから。
その覚悟を持った上での提案なのだ。ただの劣情に任せた提案じゃない……はずだ。
「わかった……なんでも試してみよう」
男らしく覚悟を決めて返した返事は、か弱い女子のように震えた声だった。
☆
夕日が屋上を照らしている。グラウンドから部活動中の生徒の声が聞こえる。
七瀬さんと向き合うと、今の自分との体つきの違いが目に止まった。
女と違って男は背が高いし、胸も出ていない。そして股間にペニスがついている。
これから俺は七瀬さんに……目の前の男に抱かれるのか。
「こ、こういうのって、キスから始めるものだよね」
「う、うん」
「大丈夫。落ち着いて。できるだけ優しくするから」
男の優しい声音。俺の固くなっている身体が解きほぐされていく。しかし、胸の鼓動はむしろ激しくなっていた。
がしりと逞しい手に細い肩を掴まれる。もう、逃げられない。
「じゃあ、沢村くん、行くよ」
「う、うん。七瀬さん……んっ♡」
俺の柔らかく湿った唇の上に、硬くかさついた唇が重なる。
男の唇。七瀬さん本来のものではない、『沢村仁』の唇。
それが俺の唇の上に乗っかり、押しつぶしてくる。男と、しかも自分の身体とキスするときがくるなんて考えたこともなかった。
しばらくしたあと、唇が離された。自分の目が潤んでいるのがわかる。頬が赤くなっていると感じる。
「おとぎ話みたいにキスだけで戻れればよかったんだけどね」
「そ、そう……だな」
「おっぱい、もむね」
「うん……」
自分のものなんだから了解なんて得なくていいのに。なんていう余裕はなかった。
後ろに回りこんだ七瀬さんの両腕が俺のセーラー服の前を開く。
ぷるるんっと俺の胸が豪快に揺れ、ライトグリーンのブラジャーがあらわになる。
「大きいね」
「も、もともと七瀬さんのものなんだぞ、これ」
「そうなんだけど、今じゃ信じられない……じゃ、失礼するね」
「うん……はぁ……♡」
ブラを上にずらされ、乳首が姿を現す。それだけだというのに、甘い声が出てしまう。
男のごつごつした手が俺の巨乳に伸びてくる。その指は処女の肉体を蹂躙するようにじっとりと動き始めた。俺の熱が高まってくる。
後頭部に鼻を押し付けられ、勢い良く息をすわれた。
「いい匂い……」
「はぁん……♡」
「私ってこんな柔らくて、いい匂いだったんだ」
「あっあぁ……♡」
勃起したチンポが尻に押し付けられている。
もみしだきが荒々しくなっていくと、硬くなっているチンポも尻の肉に沈み込んでいく。
そのうち、乳首の先が熱を持ち始め、その形を大きくした。男の指がぎゅっと乳首をつまむと、俺の身体に雷のような感覚が走った。
「んっっっ♡♡」
下腹部に溜まっていた熱が、少しだけ身体の下に向かっていく。その熱は粘液として身体から出ていき、ショーツのクロッチにじゅわりと染み込んでいった。
俺、軽くイッちゃったんだな……♡
そんなことをぼんやりと思っていると、七瀬さんの片手が身体に這うように下に伸びてきた。
「下も触るね」
「あ、ちょ、ちょっと待っ……ひゃううっ……♡」
静止は意味がなかった。七瀬さんは遠慮なくスカートをめくり上げ、ライトグリーンのショーツの中に手を這わせてきた。
のっぺりとした平らな股間の、さらに下へ指が進んでいく。
俺の身体の隙間から溢れ出した粘液と七瀬さんの指が触れた瞬間、七瀬さんが感心したような声を発した。
「もうドロドロになってるね。沢村くんも女の子として興奮してるんだ」
「い、いわないでそんなことぉ……♡」
「でもほら、こんなになってるんだよ?」
「や、やらぁ……見せないでぇ……♡」
ショーツから出てきた男の指の間に愛液が纏わりついていた。七瀬さんは俺の目の前でその指を開閉し、にちゃにちゃと音を立てて見せつけてきた。
本来男の俺が、本来女の七瀬さんのテクニックによって、女として興奮している。顔から火が出るくらい恥ずかしい。
だっていうのに、なんでこんなに気持ちが良いんだ……♡
「はぅぅ……♡」
「中に指、いれるね?」
「ぅ……うん……はぁぁっ♡」
男の指が身体の中に入ってきた。その指は俺の中をかき回すように動き始める。
ぐちゅぐちゅと身体が音を立てている。頭をそのままいじられているようだ。身体全体の熱が高まっていく。
「だ、ダメぇ♡イク、イッちゃう……女の子としてイッちゃうぅ♡」
「大丈夫だよ。イッちゃっても」
「で、でもぉ♡俺ぇ♡男らろにぃ♡」
「今は女の子だよ。それに大丈夫、私がついてるよ」
男の声と吐息が耳にかかり、脳の奥がじんじんとしびれる。
そっか、女の子としてイッてもいいんだ……♡
俺はその快楽に身を委ねると、すぐに絶頂した。
「きゃぁぁぁぁんっ♡♡♡」
全身で快楽が波打つ。身体がビクビクと震えてとても立っていられない。
足から力が抜けていく。俺は女の子座りでその場にへたり込んでしまった。短すぎるスカートがファサッと舞う。
体中が痙攣している俺の前に、逞しい足が見えた。
見あげると、下半身を丸出しにし、赤黒い男性器を丸出しにした男が立っていた。
「沢村くん、私とセックスしましょう」
俺が無言でコクリと頷くと、男は俺をお姫様抱っこした。
運ばれている最中、生乳が常にゆさゆさと震えていた。敏感な乳首は空気に触れているだけなのに俺に心地よい快感をもたらしてくれた。
ベンチの上に運ばれると、そのまま男は俺の両足をぐいっと持ち上げた。
柔らかい女体はちょうどV字型になるように開脚され、目の前の男を受け入れる体制となった。
太い指が愛液のせいで濃緑色になったショーツを横にずらし、ひくつく女性器を空気に触れ合わせた。
男がごくりと生唾を飲み、腰を近づけてきた。そのうち、ぴとりと硬いものが俺の性器にひっついた。これは亀頭だな。
「じゃあ、沢村くんのおまんこに私のおちんちんをいれるね」
「う、うん……はぁ……♡」
「痛かったらすぐに言ってね、すぐ止めるからね」
「わ、わかったぁ……はううっ♡はいってくるぅ♡」
男が腰を落とすと、男性器がゆっくりと俺の中に入ってきた。
愛液がその進軍を許すようにどんどんと漏れていく。
自分の中に異物が入ってきている。それだというのに、まるでパズルのピースが埋まっていくような満足感がある。
そっか、俺の身体はこれを求めてたんだな……♡
「ああ、すごいきつきつ……これじゃあすぐに出ちゃいそうだよ」
「あはぁ……♡だって、この身体、処女だからぁ……♡」
「そっか。あれ、じゃあもしかして今のって処女膜かな」
男の言葉から遅れて、ぷつっと微弱な痛みが身体の奥から発された。今俺の処女膜が破れたのだろう。
それほど痛かったわけではないが、なぜだか涙がこぼれた。
「いったぁい……」
「ご、ごめん、大丈夫?」
「うん、だ、大丈夫ぅ……だからぁ……きてぇ……♡」
ひりひりはしているが、体の中の潤滑油のお陰でそこまで強い痛みではなかった。
今この瞬間、俺は処女ではなくなった。非処女に、大人の女になった。
『七瀬由衣』の処女は愛した男ではなく、本人の手によって永遠に奪われたのだ。
そのことに本人はどう思っているのだろう?
ぼうっとした頭でそう考えたが、目の前の男は全くそんなこと意に介さない風で、どんどん俺の中に進んできた。
膣壁と男性器が擦れ合う度、俺の身体の中にとろけるような気持ちよさが広がってくる。頭の奥までその快楽の液体が染み込んでくる。俺の口からは甘い吐息が漏れ続けた。
すると、その進軍がふっととまった。男のペニスは俺の身体の中に全て入ったのだ。その形が手に取るようにわかる。
「沢村くんの奥までおちんちんが入ったよ、わかる?」
「うん、わかる……♡はぁ……感じるよ……♡」
「動くね」
「うん……動いて……あっ♡ああっ♡あああっ♡」
男が言葉とともに抽送を開始した。今まで家でしていたオナニーが児戯に思えるほどの快楽と興奮が俺の身体を響かせ始めた。
胸の上に備わっている巨大な脂肪がブルンブルンと揺れる。肉棒を突き入れられる度に尻肉が震える。口が常に半開きになり、よだれが止まらない。
ぱんぱんと肉と肉がぶつかる淫らな音が屋上に響いた。
「はぁっ♡はぁっ♡」
「どう、沢村くん、気持ちいい?雷みたいなショックはある?」
「あぁっ♡あぁんっ♡もっとぉ♡もっと動いてぇ♡おちんぽ出し入れしてぇ♡」
男の質問の意味がわからない。ただただ気持ちがいい。
亀頭が俺の奥をゴツゴツとノックするたびに快感が身体で破裂する。
もうおちんぽのことしか考えられなくなりそう……♡
そして、再び大きな快感が身体の中で爆発しそうになってきた。
「イクッ♡俺ッ♡またイッちゃうよぉぉっ♡」
「イッちゃっていいよ!沢村くん!」
「ああんっ♡イクッ♡イクッ♡あああああああんっ♡♡♡」
相手の亀頭を咥えながら膣から愛液が飛び出した。
身体がびくんびくんと痙攣し、頭の奥が虹色にフラッシュし、チカチカと目をくらます。
何度も絶頂しているというのに、全く気持ちよさは衰えない。
女の体に限界はないのか?ダメだ。このままじゃ……♡
「はぁんっ♡あ、頭おかひ、おかひくなるぅ♡ばかになっちゃうぅ♡」
「そろそろ私の方も限界……かも……持ち上げるよ。おいしょっと」
「きゃぅんっ♡」
ペニスは刺さったまま、男の両腕で身体を持ち上げられた。昔AVでみたことがある。駅弁スタイルというやつだ。男の力強さに胸がキュンとなる。
そして、刺さりっぱなしの男性器はもっと奥まで食い込み、ごりりと身体の奥を刺激した。
「はぅぅぅんっ♡」
「沢村くん……私ももうそろそろ、出すね」
「う、うん♡いいよぉ♡はぁっ♡ナカダシしてぇ♡」
持ち上げられた状態で動いたと思うと、男は俺の身体を屋上のフェンスに押し付けた。
こんな場所でヤッていてはグラウンドの生徒たちに丸見えだ。しかもガシャガシャと音を立たせて行為に及んでいるのだから、なにしているのかすぐにわかってしまうだろう。
そして、その事実がさらなる興奮をよんだ。
「はぁっ♡あぁぁぁっ♡」
身体が勝手に動いた。ピストン運動している相手の背中に足を回し、細腕でその身体をひしと抱きしめる。
逞しい身体。俺を蹂躙し、支配してくれる愛しい男の身体をもっと近くで感じていたい。
お互い激しい運動で汗塗れだったが、どれだけ汗をかいても熱は冷めない。俺たちの身体はとっくにオーバーヒートしているのだ。
「はああっ♡ああんっ♡」
「ああ、出そうっ」
「だひてぇ♡俺の中にいっぱいだひてぇ♡」
「中に出すよ!受け止めて!」
「うんっ♡はぁぁぁぁぁぁんっっっ♡♡♡」
男性器がびくんびくんと震えたと思うと、俺の身体の中にマグマのような精液が発射される。
その熱さで俺はまた絶頂してしまい、フェンスに特段の派手な音を立たせてしまった。
身体の中で精液がじわぁっと広がっていく。この感じ、好きかも……♡
「沢村くん……口、開けて」
「んんっ……♡七瀬さん……あんっ♡」
どちらともなく、唇を重ねてお互いの舌を絡め合った。
セックスを始めるときのぎこちないキスではなく、オトコとオンナのキス。
お互い童貞と処女を卒業してからのディープキス。それは溶けてしまうそうなほど甘いものだった。
貪り合うように続いた濃厚なキスが終わり、糸を引きながら舌が離れていった。
やだ。名残惜しい。もっとしたいよぉ♡
懇願に目をうるませる俺を、目の前の男……七瀬さんはじっと見つめている。
俺達の下半身はまだ繋がったままだ。結合部分からは愛液と精液が入り混じったものがとろりと溢れてきている。
「……私達、セックスしても元に戻れなかったね」
「そ、そう、だね……♡あぁんっ♡う、動かないでぇ♡」
「ごめん、つい、男の子って気持ちよくて」
「だ、だからって……ひあぁぁっ♡♡」
七瀬さんがまだ固い男性器をつき入れたせいで、油断していた俺は愛液を吹き出してしまった。
俺の痴態を七瀬さんは悪ガキのように笑いながら見ている。
もう、いじわるなんだから……♡
「ねえ、沢村くん、どうする?」
「ど、どうするってなにを、あぁっ♡だ、だから動かな……ああああんっ♡」
「一回じゃ戻れなかったけど、もう一回ヤれば、戻れるかもしれないよ?」
「だ、だからぁ?あっ♡はぁあんっ♡イクッ♡またイッちゃうっ♡」
「だから、もう一回試してみない?」
目の前にはメスを見て目をギラつかせているオスがいる。
女を犯すことしか頭にないこの男を見て、誰が元は美少女女子高生だったなどと信じるだろう?
そのぎらつく瞳に映りこんでいる女は、頬を紅潮させて淫乱な顔を緩ませていた。この女が冴えない男子高校生だったなんて誰が信じるだろう?
おそらく誰も信じないに違いない。
そう、お互い以外は。
俺は男の提案に首を縦に振り、再び男の舌に自分の舌を絡め始めた。
☆
それから数週間後、俺は体育の授業に出ていた。
この白雪高校は珍しくまだブルマを採用している。よって、女子である俺もブルマを身に着け、太ももをむき出しにして授業に出ているというわけだ。
授業に出ていると言ってもほとんど見学に近い。
なぜならこの巨大なバストのせいで、積極的に競技に参加させてもらえないのだ。
よって、今の俺こと『七瀬由衣』の体育の時間は仲のいい女子グループと話す時間で過ぎていく。
「沢村のやつ、由衣と付き合い始めてから、なんかかっこよくなってね?前までは大した事ないやつだったのにさ」
「確かに。テストも順位かなり良かったし、体育とかも部活連中に負けないくらい動けてるよね」
「由衣ちゃんの調教がうまくいってるんだろうね~。このこの~」
「そ、そんな」
俺の否定の言葉とともに授業終了のチャイムが鳴った。
彼女たちの言うとおり、最近の『沢村仁』は絶好調だ。その原因が彼女である『七瀬由衣』のおかげと誤解する人間は少なくない。ただ、それは本当に誤解なんだよな。
俺が戸惑っていると、話を持ち出した女子はにこりと笑った。
「大丈夫よ。とったりしないから。ああ、もうかわいいなあ。由衣って付き合い始めてから前より可愛くなったよね」
「オンナになったってことだよね。沢村のやつ、私達のアイドルを奪いやがってー」
「で、どうだったの沢村のモノは?あいつのってでかそうだよね」
「確かにセックスうまそうだよね。沢村くんって」
「あ、それ私も気になるけど、その前に由衣に伝えることがあってさ。さっき沢村がよんでたよ。用事があるって」
「そ、そうなんだ。ありがとう」
俺は顔を赤くしながらその場を離れた。
女子同士の赤裸々な会話というものにはいつまでたっても慣れる気がしない。
男子たちの方へ行って無駄に色気を振りまきながら話を聞き、『沢村仁』が体育倉庫で待っているという情報を手に入れた。
体育倉庫に入ると、『沢村仁』が跳び箱の上で片膝を立てて、俺を待っていた。
俺は美少女らしい笑顔を浮かべ『沢村仁』に挨拶をした。
「お待たせ。仁くん」
「遅いぞ、由衣」
「ごめんなさい。色々話してて」
「女同士の話ってやつか?俺はあんまりそういうのわかんねえな」
「しょうがないよ。だって仁くんは男の子なんだもん」
俺がくすくす笑うと、『沢村仁』は俺の身体をジロジロと眺めた。
性欲あふれる男の視線に身体が熱を持ち始める。
「そ、それで、仁くん用事って何かな?」
「ああ、すぐに終わる用事なんだけどさ……」
「だーめっ♡じっくりやってくれないと……きゃうっ♡」
人差し指を相手のあごに這わせていると、がばっと抱きしめられた。
逞しい男の両腕、厚い胸板。体育後の汗臭い匂い。ドキドキする。
耳元で男の囁きが聞こえる。
「……すっかり女の子になっちゃったね。沢村くん」
「七瀬さんこそ……男になっちゃったな」
俺が胸を押し付けながら耳元で囁くと、腹に押し付けられていた七瀬さんの男性器がそのサイズを大きくしてきた。
七瀬さんは俺を離すと、射抜くような目で俺を見つめた。
「沢村くんが悪いんだよ?体育の時間中、私のこと誘惑したりして」
「ゆ、誘惑?そんなことしてないよ」
「おっぱい揺らしたり、お尻見せつけたりしてたじゃない」
「……そんなの誘惑じゃないって」
あまりに単純な興奮の仕方に呆れてしまう。
七瀬さんはもうとっくに非童貞だし、俺と毎日のようにセックスしていると言うのに、頭の中は未だに男性初心者のままだ。性欲に支配された雄猿のままなのだ。ムードも何もあったもんじゃない。
俺は優しい近所のお姉さんのように、七瀬さんに指導してあげることにした。
「いいですか、非童貞くん。誘惑ってのはこういうのをいうんです。よく見ておきなさい?」
そういって俺は相手にむかって尻を向けた。
ブルマに包まれた大きな丸い尻。俺のこの尻を狙って多くの男が痴漢を試みては七瀬さんに撃退されている。
俺は口元に手を当て、おろおろ困るという演技をし始めた。
「あれぇ、おかしいですぅ。このあたりに落とし物しちゃったんですけど、どこにも見つかりませぇん……」
跳び箱の上にのしかかり、後ろに見せつけるように尻をふりふりとふる。ブルマに指を入れ、生地をずらしてショーツをはみ出させる。
今日は上下ともに薄ピンク色の下着をつけている。これは俺と七瀬さんが入れ替わったときに七瀬由衣が着けていたものと同じものだ。
「誰か一緒に探してくださる。優しい男性はいませんかぁ♡」
後ろをちらっと見てみると、俺に釘付けになっている一匹の牡がいた。
男は俺にゆっくりと近づいてくると、後ろに覆いかぶさり、乳をもみしだいた。
「きゃっ♡」
「わかった。一緒に探してあげる」
「あ、ありがとうございますぅ♡でも私のおっぱいを揉むのはなんでですかぁ♡」
「だから探してあげてるの……あなたがもっと気持ちよくなる方法をねっ」
「きゃあんっ♡」
先程、俺は七瀬さんのことを男性初心者といったが、俺も女性初心者のようだ。自分の興奮を制御できていない。
胸もみによって生じた俺の愛液は、ショーツだけでなく、ブルマまで濡らしていた。
始める前からお互い準備万端だったというわけだ。
その後、体育倉庫で雷のような嬌声が鳴り響くまで時間はかからなかった。
終わり
これからも書いてほしいです。
入れ替わり部分がないのは別に気にならないかな。
むしろ入れ替わってある程度慣れたところから始まって
男としての記憶を持ちつつも女としての性欲に抗えない
描写がイレカさんはとても上手く、読み甲斐がある。
前作で「俺がウェディングドレスを着たい理由」との
クロスオーバー描写があったけど、番外編でそういうのが
出ると面白いかも。
イレカさんの入れ替わりものは貼り付けた画像にマッチしていて、とてもいい!