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(仮)幽霊になった敏明

2018/06/23 07:51:59
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教室で授業を受けながらアイツの席を見る。
そこにはアイツの姿はなく、代わりに花瓶に活けられた花が飾られていた。


アイツが死んでから明日で一か月か…。


俺は『武田清彦』18才の高校三年生。
自分で言うのもなんだが、至って普通の高校生だ。

異世界に召喚されるだとか、ある日突然美人の妹が出来たりだとか、22世紀からネコ型ロボがやってきたりだとか…
そういう事とは一切無縁の単なる男子高校生である。

友人も多くはないが普通に居るし、彼女は居たことはないが親友も一人いる………いや……居た。


俺のたった一人の親友は一か月前に交通事故で死んだのだ。
ダンプカーに撥ねられて即死してしまった。

ただ、余り同情できる最後ではなかった。
自転車に乗りながらスマホを操作していてコケた所を通りがかりのダンプに轢かれたのだ。
大バカ野郎が……。
チャランポランな奴だったが最後までいい加減だった。

それでも親友だったからな…。
俺は改めて小学校以来の腐れ縁の親友………我が友『鈴村敏明』の冥福を祈った。




昼休みになった。

購買部で焼きそばパンでも……。

ん?
視線を感じてその方向を見た。
学年一の美人の『安西京子』が俺を見つめている。

な、なんだ??

安西が俺に近づいて来て言った。

「清彦…、ちょっと話があるんだ。」

「え?な、なんだよ…安西?」

「ここじゃ話せないから二人きりになれる所に行こう。」

安西に連れられて、旧校舎に行くことになった。




「だーーかーーーらっ!!俺が『敏明』なんだって!!」

「………………。」

旧校舎の教室に着いてからかれこれ10分程、安西の話を聴いている。

『要約すると敏明は幽霊になって安西の体に憑依している。』との事……。

やべえ…、保健室連れていった方が良くないかコレ…。




男言葉で必死に説明する安西…。
うーん…、、ここは適当に話を合わせるか。

「あー、分かった分かった。じゃあ何でお前安西の体になってんだよ?」

「…そりゃあ女になってみたいじゃん?」
ストレートな言葉だ。

「一か月も何してた?」

「自分が死んだのが分かってからは、覗きをしてた。」
いかにも敏明が取りそうな行動だが…。

さらに安西は説明を続ける。
「で、他人の体を乗っ取れる事が分かって、こうしてお前に会いに来たんだってば!」

うーむ…、おしとやかな優等生の安西はこんな冗談言うかな??
俺は更に質問を続けた。

「じゃあ。親御さんにはもう会ったのか?」

「会いに行ったんだけど、他人の体じゃ親父もお袋も信じてくんねえんだよ…。
もう俺にはお前しか居ねえんだよ清彦っ!!」

うーん……。
俄かには信じられんが…。




むーん…、なんか本当に敏明と話をしている様な気になって来た。

「お前が本当に敏明だとして…。」

「だから敏明だってば!」
安西は顔を赤くしてムキになっている。
なんか可愛い…。

「俺にどうして欲しいんだよ?」

「他人の体で生きていこうと思っているんだけど…。」
おいおい…。

「ダチのお前に一緒に居て欲しいんだよ…。」
安西は目を潤ませながら言う。

何か告白されている様な気分になって来たぞ。



気がついたら昼休みも、もうすぐ終わりだな。
じゃあ、こうするか…。

「お前が本当に敏明なら…。」

「だから、敏明だってばっ!!」

「敏明はダンプに頭を轢き潰されて死んだんだよ!」

「ゔっ!?やめろっ!!思い出したくもないっっ!!!」
安西は顔を真っ赤にして頭を抱えた。


「放課後に俺が指定する女に乗り移って俺の所に来いよ。」

「わかったよ…。」

俺が指定したのは……。




園崎美恵だ。

同じ学年だが別のクラスの子だ。
ショートヘアが似合う幼顔でおっとりとした性格…。
しかし、かなりの巨乳でお尻も大きい。
告白しようと何度も思ったが、チキンな俺は未だ果たせずにいる。

俺は、『自称』敏明が乗り移っている安西に園崎美恵に乗り移って来るように伝えてその場を後にした。


ま、この憑依なんちゃらは安西のおふざけなんだろう。


が、、放課後になると俺の目の前に園崎美恵が現れて言った。

「待たせたな清彦。」




なっ!?
ほ、本当に現れた。

「これで信じてくれたよな♪」
園崎は笑顔で言った。

「な、なんの事かな園崎さん?」

「だ~からっ!お前が言う通り園崎に憑依して来たんだよ!」
園崎は笑顔をふくれっ面に変えて怒っている。


か、かわいい…。


「えーーと…。」
混乱してどうすればいいのか分からなくなった。

「お前ん家で話そうぜ。」
俺は園崎に手を引かれて帰宅するる事になった。

園崎の……。
初めて握った女の子の手は柔らかくてとても良い触り心地だ。



「美恵!なにやってんだ、そんな男と手を繋いで!」

そこに美恵の彼氏が現れた。




俺の手を握り引っ張っていく園崎さんが亡くなった敏明が幽霊になった乗り移られているということを完全に信じたわけじゃないが、それでも少だけ信じ始めたていた。
「わかったから手を離せよ。誰かに見られたら恥ずかしい」
「ん?わかった」

並んで歩き始めたところでふと気になったことを質問した。
「なぁ?今、敏明が乗り移っている園崎の意識はどうなっているんだ?
それにさっきまで憑依していた安西の記憶とかは?」




美恵の彼氏を何とか言い包めて追い払った後聴いてみた。
(彼氏居たのかよ…トホホ…。)

「俺が乗り移っている間の宿主は眠った状態にあるから覚えていないんだ。」

ほう。

「だけど最近気がついたんだけど、俺が体験した記憶を宿主に植え付ける事も出来るんだよ。」



「つまり、乗り移っている間の偽の記憶を宿主に持たせる事も出来るって事。」

なるほど…。

「一か月も何してたと思ったら、女に憑りついてんな事ばかり試してたのか?」
如何にも敏明がやりそうな事ではあるな…。

「う、うるせえっ!!」
園崎さんは口を尖らせてバツが悪そうに言った。




家に着いた。


ってか、マジで女の子を家に連れ込んで良いのか…?
心臓がバクついて汗が出て来た。

「ただいま~…。」

母さんが出て来た。
「お帰りなさい…。まあ!?」
母さんは園崎を見て驚いている。

「お邪魔します♪」
園崎は可愛らしくお辞儀をした。

「ちょっと!清彦!あんたも隅に置けないわね。こんな可愛らしい彼女が居たなんて♪」

なに!?おいおい。

「お母さん出かけるけど、彼女さんに変な事しちゃダメよ!」
母さんは冗談めかして言った。

「う、うるさいな!」

笑いながら母さんは出かけて行った…。

「お前のお袋相変わらずだな♪」
園崎は意地悪そうに笑う。

「う、うるさいっての…。」


そんなやり取りをしながら、俺と園崎は家の中に入った。




だが、玄関に入った途端、肩を掴まれ家から引きずり出された。


「おい、てめぇ、俺の女を連れ込むとはどういう事だ!?美恵じゃねぇ、お前が説明しろ!」


ヤンキーな園崎の彼氏は怒り心頭だ。
そのまま公園に連れて行かれると、彼氏の仲間達数十人に囲まれた。


「お、おいおい、敏明?あれ?」


気がつくと園崎は居なくなっていた。
オロオロしていると




「貴方達、何をしているの?もし集団暴行しようとしているなら逮捕するわよ!」

突然後ろから駆けつけてきた婦人警官に直前までイキッていた仲間達は蜘蛛の子を散らすように慌てて逃げ出した。
だが園崎の彼氏はバッチリ捕まりしっかり説教されていた。
「だ、だってコイツが俺の彼女を連れ込むから」
「彼女は貴方の所有物じゃないし束縛は駄目です。彼女の自由にさせなくてはいけません。」

説教されてとぼとぼと帰る園崎の彼氏。
怖かったけどちょっと可哀想だよな。
俺が好きだからと園崎を指名したのと、敏明が憑依したからこんなことになったのだから。

と婦警さんはこちらを向くと
「間に合って良かったよ、清彦♪」
とウインクした。


まさか!?




「まさか……、敏明なのか…?」

「うふふ、そのまさかだ♪」
そう言うとその婦警さんは胸元を引っ張って胸の谷間を一瞬見せた。

もう信じるしかないか?
敏明が憑依しているって事を。

「勤務中婦警の体じゃ遊んでいられないから、園崎の体で戻ってくるな。」
ちょっとまってろよ!
そう言うと婦警さんはベンチに座って意識を失った。


5分程すると、後ろから誰かに抱きつかれた。
『ボヨン』とした柔らかい感触…これは??
振り向くと俺の顔の至近距離に、園崎の顔があった。




温かくて柔らかいこの感触…。
そ、園崎のおっぱ………。

園崎が俺から離れて言った。

「とんだ目に遭ったな!さ、お前ん家に戻ろうぜ♪」

俺と園崎は改めて俺の家に向かって歩き出した。

園崎は大きなお尻を揺らしながら元気良く俺の前を歩いている。
…この歩き方も敏明にそっくりだな。
やっぱり敏明が園崎の体を乗っ取っているのか?


そんな事を考えながら家に着いた。




ちなみに美人婦警は意識を失ったと思ったら直ぐに目覚めて慌てて公園を出ていった。

「本当に敏明なんだな」
「だから最初からそう言ってるジャンw
まぁ実の親にも信じてもらえなかったし、逆の立場ならあっさり信じなかっただろうけどなw」

「でもマズイな。園崎と彼氏の仲を俺達のせいでぐちゃぐちゃにしちまった。
謝ってすむ話じゃないし」
「それなら問題ないみたいだ。もともと別れようとしてた。
というのも俺の憑依能力のレベルアップしたようだ。
断片的だけど記憶が読める。
あの彼氏だが見た目が格好いいし、仲良くなってからそれまで色々と優しかったから付き合い始めたんだが
彼氏になった途端に豹変して大変だったみたい。
今もあの男のことを考えると嫌悪感とかわくもん。
まぁ1度別れ話をしたら激昂して余計束縛したからな」




「そうなのか…。」

うーーむ…。

俺は園崎の体を上から下までじっくりと見る。
どこからどう見ても園崎美恵だ。
彼女の中身が敏明だとはな…。

俺は訪ねてみた。

「女になるってどんな感じなんだ?」

園崎(敏明)はニヤリと微笑む。

「最初に女に憑依した時は、立ち上がった途端に転んじゃったんだよ。」

「なんで?」

「重心が男と全然違うんだよな。尻が出っ張ってるからなのか、男の体よりも
重心が低いらしいんだわ。」

そう言いつつ園崎(敏明)は両手を自分の背後に回してお尻を撫でさすった。




「それに…。」
そう言いつつスカートの上から自分の股間を触る。

「金玉がないのは、何とも言えない感じだな。」

園崎の声で金玉とか…。
頭がクラクラする。

「やっぱ子供を宿す体だと思うと変な感じがするけど……、凄えよな。」
園崎(敏明)は、今度は自分の腹部を触っている。




優しい笑顔でお腹を撫でる様子にドキッとする。
中身が敏明でも身体は俺が好きな園崎だからだ。

「さて、俺が本当に敏明だとわかってもらえたところで久しぶりに清彦のウチに遊びに来たんだからいつものゲームしようぜ」
「あ?あぁ、わかった」
そうしてゲームはじめたんだが気付けば敏明は園崎の身体でいつもの体勢になっていて・・・って目があった!






園崎(敏明)は俺と視線を合わせた後、自分の胸を見た。

「ああ、オッパイってさ普通に立っている時は邪魔なんだけど
うつ伏せに寝っ転がると丁度いいクッションになるんだよ。」

「へ、へえ~…。」

園崎(敏明)は自分のオッパイのバストトップ辺りを指で突きながら更に言った。

「だけど、これ位デカいと邪魔だよなあ…。」

「………。」

「重いから肩も凝るみたいだしさ。」

そう言いつつ園崎(敏明)は右肩を回してみせた。




園崎が肩を回す度に彼女の胸がムニムニと動いている。

俺の目は彼女の乳房に釘付けになってしまった。

「そう言えばこの部屋なんか臭いな~~?」
彼女が言った。

「なっ?ちゃんと掃除してるぞ!?」

「ん~~?いや、元の俺の体だと感じなかったんだけど…。
なんか男臭いというか…、脇の下みたいな臭いが感じられるんだよ。」

そう言いつつ彼女は腕を上げて、自分の脇の下の臭いを嗅いだ。




これ…、誘ってる、よな?やっぱり女の快感というのを試したいんだろうか。俺に声をかけたのは、俺でなら試してみたいってことだろうか。
中身が敏明と確信できた今、迷うことなく俺は園崎を押し倒して、その胸に触った。

「なぁ、清彦、また憑依のレベルが上がったみたいなんだ。今度は相手をはじき出せるんだ
…え?きゃ?何!?」
突然園崎の様子がかわる。まさかこんな状態で憑依を解いた…の…え?

俺は空中に浮いて、園崎を押し倒している自分を見ていた。
そして"俺"は言った。

「ほら、早く園崎に憑依しないと、お前は強姦魔だぞ。それにそのままだと成仏しちまうぞ」
俺にそう言われて慌てて自分に戻ろうとするが弾き飛ばされた。敏明のほうが憑依の力が強いんだ。

俺はやむを得ず園崎の体に入り込んだ。とたんに太ももをなでられる感覚…
「や…やめろ、な?」
「でもお前は俺にこうしようとしてたんだろ?それに…園崎に合意のうえって記憶を植え付けないと、戻ってもお前は強姦魔だぞ?」
どうやら戻してくれるつもりはあるようだった。




し、しかし、、ど、童貞も卒業してないのに女になって初体験なんて!
俺はパニックを起こした。

と、とりあえず起き上がって…。

「きゃっ!?」

バランスを崩して尻餅をついてしまった。
その衝撃で自分の胸についている物体が『ブルン』と振動した。

目の前の男が言う。
「大丈夫か?」

改めてよく見るとそいつは『俺自身』だった。
俺の体に敏明が憑依していて、俺が園崎になっているんだ…。

「無理に拒絶すると、記憶に強姦されたって残るぞ?」
俺の体の敏明が言う。

「………。」
心臓が激しく鼓動する。
取りあえず俺は気持ちを整えようと、心臓のある左胸を触った。

『ムニュ…。』
俺の手は、本来の俺にない筈の乳房を掴んだ…。




俺の体の敏明がズボン越しに股間を触った。

「うお!?お前スゲえ勃起してたのな!」

そう言うと奴はズボンとパンツを一気に下ろして局部を露出させた。
俺の目の前に見慣れた俺のモノが姿を現した。

「お前のチンコでけえな!!」
奴はそう言いつつ俺の竿を撫でさする。

「ビビってると記憶がヤバい事になるぞ?自分から触ってみろよほらっ!」


俺は仕方なく隆々と猛り狂っているチンコに恐る恐る手を触れた。




毎日触っているのに異質な感じがする。
孕ませられる側の感じってこんなだったのか…。

さんざんエロビやエロ本見て射精して来たけど、女の気持ちになって
考えた事なんて今までなかったからなあ。

そう考えると、急に腹の奥底が温かくなって来たような気がした。
この感覚って子宮??
男の臭いを感じて疼いてるのか??
敏明がさっき言ったけど、確かにこの部屋男臭い気がする…。
俺の体臭ってこんなだったのか…。


「セックスしようぜ♪」
敏明が言った。

「えっ!!?む、無理!無理!!」
俺は金玉のない股間を手で押さえながら答えた。

「ふ~ん、じゃあ口でしてくれよ♪」
敏明はそう言うと俺の頭を両手で掴んだ。




こ、ここはグッと我慢だ…。


我慢するんだ。

俺は口を大きく開け…。
肉棒を口に入れ…。
口をすぼめて肉棒を咥えた。

自分のチンコを自分で咥えるという狂った経験。
大きめのフランクフルトを頬張った時の様な感覚…。
味はちょっと塩味がするな…。

「舐めてくれ。」
俺(敏明)の言葉を受けて、俺は口の中で肉棒を舐め始めた。




「射精していいか?」
俺(敏明)が言った。

「ん!?プアぁ!や、やめてくれ!!」

「まあ、初めてにしては頑張ったな。今戻してやるよ♪」
俺(敏明)は微笑みながら言った。

次の瞬間、視界が暗転して…。
俺は園崎の顔を見つめていた。

「よく頑張ったな清彦。今日はここまでにしとこうか♪」
園崎は優しく微笑みながら言った。

俺が放心して局部丸出しのままへたり込んでいる間に、園崎は身支度を整えた。

「今度はもっと激しくやろうぜ♪」

園崎はそう言うと俺の唇に軽くキスをして帰って行った。


「俺のファーストキス…。」
俺は園崎の唇の感触が残った己の唇を手で覆った。




ガチャ!

「アンタたち、何やってるの!?」

その時、突然ドアが開いた。

母さんと知らないおばさんが青ざめた顔で立っていた。

「美恵、あなたが付き合ってる隆司くんから様子がおかしいと連絡受けて来てみたら!」

どうやら園崎の母親のようだ。

バシッ!
俺は母さんに引っ叩かれた。

「アンタ!未成年でなんて事してるの!




園崎は涼しい表情で弁解を始めた。

「清彦君のお母さん。私達真剣にお付き合いしてるんです。
でも、こういう形で初めてお会いする事になってしまい申し訳ありません。」
園崎は深々とお辞儀をして謝罪した。

続けて園崎は、園崎のお母さんに向き直った。

「お母さん。私、隆司さんと別れることにしたの。」

「え!?ど、どういう事??」

「隆司さんは初めは良い人だったんだけど、だんだん束縛するようになって…
最近は私にレイプまがいの事を要求するようになったの。」

園崎のお母さんは絶句している。

「清彦君にその事を相談している内に親しくなって…、清彦君とお付き合いすることになったの。
心配かけてごめんなさい。」

そう言えばさっき…。

『彼氏になった途端に豹変して大変だったみたい。
今もあの男のことを考えると嫌悪感とかわくもん。
まぁ1度別れ話をしたら激昂して余計束縛したからな』

…って、敏明が園崎の気持ちを代弁してたから、あの隆司って奴と別れたいというのは本当だな。




母さんと園崎のお母さんは困惑した様だ。
無理もない。
不順異性交遊の現場を押さえた筈が、当事者がしっかりとした弁明と反省をしたのだ。

園崎のお母さんは、園崎を連れて帰って行った。


俺はというと、その晩に家族会議を開かれて母さんにこってりと絞られた。
親父は何故か余り怒るふうでもなく、場を静観していた。

母さんの説教が終わった後、親父がこっそり耳打ちして来た。

「もうすぐ卒業なんだから程ほどにしておけよ…母さんにバレない様にな♪」

こうしてこの場はどうにか収まった。




あれから数日経った。
園崎美恵は普段通り学校に登校している。

園崎のあの日の記憶がどうなったのか気になるのだが、話しかける勇気を持てないでいた。
敏明の奴はあれから姿を見せていない。
まあ、死んでいるんだから姿がないのは当然ではあるのだが。
その辺を幽体で飛び回って、あるいは誰かに乗り移って俺を見ているのかな?
まだ、園崎の体の中って可能性も高いが…。

それにしても園崎可愛かったな…。
交際宣言をしちゃったけど本当に付き合いたいよな…。




放課後、荷物をまとめて帰ろうとしていると後ろから何者かに抱きつかれた。

ボヨン…。

この感触は…。

「敏明…だな?」

「当ったり~♪俺で~~す♪」
振り向くとおどけた表情の園崎が立っていた。

「デートしようぜ♪デート♥そうだな…マック行こうぜマック!」
俺が何か言うより早く言う。
マクドは生前の敏明の好物だったのだ。

「あ、ああ…。」

俺と園崎は駅前のマクドナルドに向かった。




マックに着くと、園崎の彼氏と巫女姿の女性、それに特殊な縄で縛られ捕らえられた半透明な敏明(恐らく霊感のある奴しか見えない)がいた。

(あれ?じゃあ園崎の中には敏明はいない!?ハメられた!)

「さて、清彦くん、事情は飲み込めたかしら?隆司の家は神社で、彼のお姉さんは巫女なの。隆司が私の様子がおかしいからってお姉さんに相談してくれて、私に取り憑いた悪霊の敏明を捕らえてくれたってわけなの。よくも私をオモチャにしてくれたわね!」

俺は園崎にビンタされた。彼女の目には涙が浮かんでいる。

「あ・・・すみません・・・」

俺はその場で土下座して謝った。




「なんちゃって……。起きろよ清彦!」

頭を上げた瞬間。
園崎の彼氏と巫女の姿が一瞬にして掻き消えていた。
そして土下座をしていた筈が、俺は席にちゃんと腰かけており…
目の前には笑顔で美味しそうにビックマックを食べている園崎がいる。

『?????』

頭の中を疑問符が飛び交う。

園崎が話した。
「これが俺の能力なんだ。乗り移った相手に偽の記憶を植え付ける事が出来るんだよ。」

「えっ!?巫女姿の女性の女性や園崎の彼氏は…??」

「俺がお前に憑りついて記憶をちょっとだけ操作して偽の記憶を作ったんだよ前に説明しただろ?
あの隆司って奴の家は神社じゃないし、巫女も実在しないよ。」

「な、、なんでそんな事をしたんだ??」

「お前に安心して欲しいと思ってさ。」
そうだったのか…俺は敏明の憑依能力に舌をまいた。

「さ、お前も何か食えよ♪」

「ああ!」

こうして俺と園崎は(敏明)はデートを始めた。




俺は園崎の食欲にびっくりした。
ビックマック2つとポテトのLをぺろりと食べてしまったのだ。

食べ終わった後、自分のお腹を撫でさする姿が妙に扇情的だった。




と見惚れている場合じゃない!

周りに客がいないことを確認したて
「おい!園崎の身体だぞ!勝手なことして太ったりしたらどうするんだ!
それに園崎の財布から勝手にお金を使うなんて!」

「2人分の魂が同居するせいかお腹が空くんだよ。
カロリーはバッチリ消費しているから太らないよ。
それにこの金は俺のネットバンクに貯めといた金だからな。
園崎の金は1円だって使ってないよ」




色々おしゃべりをしている内にかなり遅い時間になってしまった。

「やっべ!もう帰った方がいいな。」
というか、帰らないと母さんにコロされる。

「え~!?もうかよ?まあでも、しゃーないか♪」
そう言うと園崎(敏明)は、身を乗り出して俺の唇に…キスをした。

「ん…、じゃ、今度の土日またデートしようぜ♪」
そう言うと来た時と同じように元気に帰って行った。




その夜、俺は悶々とした気分に浸っていた。

園崎…。

今頃何してるんだろうな…。
敏明に一時だけ園崎の体に乗り移らせて貰ったけど、今考えると凄い体験だった。

敏明の事は今でも親友だし、園崎は俺にとって憧れの人だった。
この二人の肉体と精神が合わさった人間を嫌う理由なんてないよな…。

でも……。

俺は取り留めもなく、そんな事を考えながら眠りに落ちた。



【敏明の視点】
園崎は自宅でシャワーを浴びていた。

「園崎さんの人生を引き継いでから2週間くらいか…。」


清彦は安西の事が好きだとばかり思っていたんだけど、読みが外れたな。
園崎は美人というより可愛い系の顔立ちだ。
清彦の趣味は何でもしっているつもりだったんだけどな…。

更に俺は胸から尻にかけてのボディラインを手で撫で触る。
グラビアアイドル並みの豊満な体だ。
清彦がチラチラと見ていたが、特にこの尻が好きらしい。

俺は清彦に嫌われないようにボディスポンジで尻を念入りに洗った。


「ふう…、さっぱりした。」

たっぷりとシャワーを浴びた俺は風呂から出て、園崎の自室に戻った。




風呂から上がった俺は自室に向かって廊下を歩く。

「美恵!ちゃんと髪を乾かしなさい。」
園崎のお母さんが言った。

「は~い!分かってるわよママ!」

俺は園崎美恵として自然に返答する。
憑依の能力が向上した俺は、既に宿主本人と同じように行動できる…。
つまり本人に完全に成り替われる様になっていた。

園崎の部屋に戻った俺は濡れた髪の毛をドライヤーで乾かした。

一息ついた後続けて俺は、バストマッサージを始めた。
これは園崎が半年ほど前から始めた習慣で、園崎に成り替わった俺も
この習慣を引き継いでいる。




バストマッサージ用のクリームを乳房に塗りつけた。

『両手で乳房をすくい上げる様に持ち上げ…
円を描くように揉みあげる。』

美恵本人は、乳房の成長をとても喜んでいたらしい。
形が良く張りがある乳房は、同じクラスの女子たちからも
羨望の目で見られている。

『乳房の上部分を擦り上げるように揉み、リンパの流れを良くし…
手の平を軽く丸め指先でバスト全体をしたから上へ叩き上げる。』

美恵本人は、女性のシンボルとしての自身の乳房が大きくなるのを
喜んでいたが、それ以外にも秘めたる思いを抱いていた。
つまり…いずれ愛する人の子供を産み乳を与えるという事への憧れ…。

俺の脳裏に清彦の顔が浮かぶ。
アイツの子供ってどんな顔になるのかな?




そう考えると下腹が、何というか疼いた。
乳首が硬くなり乳房も心なしか張ったような気がする。

俺は腹を触りながら一人ごちた。
「これって子袋の感覚なのか?」

俺がずっとこの体で生きていくとすると、いずれ俺も
妊娠したりする事になるかな?

男だった俺が妊娠かあ…。




男だった俺が妊娠とか無理っぽいなあ。
俺は妊婦になった自分(勿論園崎の体だ。)を想像してみる…。

うーん………。

やっぱり自分の中に自分のとは別の生き物が育つなんて怖えよ…。
俺は何となくHRギーガーのエイリアンを思い出した。
俺のお袋は、俺を妊娠している時にテレビでやっていた映画エイリアンを観て、
自分の腹の中で育つ胎児(俺の事)を気持ち悪く思ったとか言ってやがったな…。

ま、憑依霊になって他人の体を乗っ取っているのだから
エイリアンと余り違いはないか?




さてと…。
再び裸になった俺は自分を慰める行為を始めた。
本物の園崎は週一回のペースで行っていたのだが、俺が園崎に
成り代わってからは毎日やっている。

俺はまず自分の指を入念に舐めまわし潤いを与える。
園崎は専用のクリームを使っていたのだが、俺は唾液がお気に入りだ。

次に股を大きく開き…、置き鏡を所定の位置にセットした。


鏡にはキレイなピンク色の…肉壺が映し出されている。
園崎は自分の股間を鏡で観る事を、嫌ってはいないまでも苦手に思っていた。
グロテスクなアワビの様な見た目を受け入れられなかったらしい。

しかし、この園崎の体に乗り移る様になるまでに、俺は何人もの女に憑依
したり幽体になって覗きをしたりして女の体を観て来たが…。
この体…園崎のマンコが一番見た目が美しい。

…惜しむらくは処女ではないという事ぐらいだ。
俺が憑依した時点であの隆司という元カレに破られていたのだ。

もっとも、隆司は性癖がおかしな人物で、園崎の体を異常に求めたため
園崎は別れたがっていた。

そんな時、俺が園崎の人生を引き継いで隆司と別れたという訳だ。




俺はほっそりとした自分の手を股間に添える。

柔らかな毛が薄く恥丘を覆っている。
ここに手を添えるたびに自分が女になっているのだと自覚するのだ。

俺が男だった…死ぬ前は、女子の体育着姿の恥丘を眺めるのが好きだった。
ふふふ……。
今や自分自身にこれが備わっているのである。


俺は肉の割れ目を開いて…そして快楽を貪ったのだった…。




【清彦の視点】

朝になり俺は身支度を整えて学校に向かって登校していた。

「ふああ……ねみぃ……。」

悶々としてあまり良く眠れなかった。
目を擦りながら歩いていると突然腕に柔らかい物が押し付けられた。

『ボイン!』

「げ!?と、としあき!?」
俺の右腕に抱きルくように園崎(敏明)が抱きついて来たのだ。

「もう、ダーリンたら!あたしは美恵だよ~!」
園崎(敏明)がワザとらしくむくれて見せる。

(うっ…!?カ、カワイイ…。)

だ、ダメだ!ダメだ!!
体は園崎でもコイツは男なんだ!




俺は周りの目を気にしながら園崎(敏明)にささやく。
「おい!オカマ野郎!あんまり度が過ぎると俺と園崎の仲が疑われるだろうが!?」

「私がこの体の中に居る限り、私が美恵だから関係ないよ♥それに私とダーリンはもう恋人同士でしょう?」

『ムニュ…。』

そう言いつつ園崎(敏明)は、俺にさらに乳房を押し付けて来た。
「ダーリンおっぱい大好きでしょ?私が敏明だった時は良くエロDVDの貸し借りしたじゃん♪」

「う……。」

「私、ダーリンの為におっぱいが垂れないようにするマッサージをしてるんだよ♥」

!!?
そ、そんな事してるのか?!?

い、いかん……。
股間の愚息が大きくなってきた。
登校中にまずいぞ……。




俺は姿勢を僅かに前傾させてズボンの盛り上がりを隠そうと試みた。

と、その直後…。園崎(敏明)は俺の股間を一瞥する。
それだけで俺の体に生じた生理現象を察したらしい。

園崎(敏明)は俺の顔を覗き込んでニヤリと微笑んだ。

「あ~~、ダーリン勃起してるでしょWW♪」

「う、うるせー!ち、違えよっ!」

「ダーリンがぶら下げてるモノは、私もぶら下げてたんだから誤魔化しても無駄だよん♥」

「うぬ………。」
正直に反応してしまう自分の体が恨めしい…。

「じゃ、私先に学校に行ってるねっ!」

そう言うと園崎(敏明)は、スカートを翻し豊満なお尻をプリプリと振りながら学校に向かって走って行った。




「もう、ダーリンったら照れちゃって❤︎・・・って、ま、待てよ、俺・・・」

しかし、冷静になってみると、俺の心は男なので、男にベタベタしたりチンポを突っ込まれるなんて流石に気持ちが悪い。
一体何をやっていたのだ。
寒気がした。

(女性ホルモンの影響を俺の心が受けてしまってるな。ちょっと冷静になろう)

俺は園崎の体から抜け出した。

一旦心を男に戻そう。園崎を抜け出した俺は、眼下の園崎を見ていると、青い顔をしてすぐさま隆司の所に行って復縁を迫ると、キスをしていた。

(これでいいんだ、ありがとう、園崎、そしてさようなら)

そのまま幽霊状態で学校に行くと体育館に飛んで行き、一限目が体育のクラスの女子更衣室での着替え鑑賞をした。




(むほほ、そうそう、これを楽しまなきゃ男じゃないよな。よかった、危うく女性ホルモンに俺の心が侵されるところだったぜ。あまりに長く女の子体に居過ぎてはダメだな。2日を限度にしよう)
着替え鑑賞をしていると、中に生前の俺、敏明が好意を抱いていた生徒会長でもある知的美少女の成瀬綾女がいた。
早速俺は成瀬の背中から彼女に侵入した。
「ひうっ!」
敏明に入られた彼女は一瞬、ビクッと体を仰け反らせた。
「綾女、どうしたの?」
隣で着替えていた女子が、俺を綾女と呼んで心配そうに話しかけてきた。そう、俺は成瀬綾女になったのだ。




「な、なんでもないわ、ちょっとトイレに」

そのまま俺は女子更衣室のトイレの個室に入った。

「男のやる事は1つ!」

俺は手鏡で成瀬となった自分の顔を眺めながらオナニーを始めた。

「成瀬、ずっと好きだったよ、あん、あん」

鏡にキスをする。




あぁ、本当に成瀬とキスしてるみたいだ。
興奮した俺は股間に手を伸ばした。
濡れている。




その時、トイレの外から声がした。
「綾女ー、大丈夫?もう体育の授業始まるよー?」
(綾女?あぁ、なんだ、俺の事か)
「大丈夫ー、いま行くねー」
綾女としてそう言った俺は体育の授業に向かった。
この学校はまだブルマ(色は赤)だから足がスースーするな。
慣れないブルマをなおしながら整列した。




「柔軟体操はじめ!」

俺はワザと巨乳の若松愛梨ちゃんとペアを組んで柔軟体操を始めた。

「あっ、ごめーん、胸に手が当たっちゃった!」




「ううん、気にしないで。」

「愛梨ちゃんおっぱい大きいよね♪羨ましいなー♥」

「え?邪魔なだけだよ~…。」

「もっと触らせて……。」
俺が本格的に若松愛梨の胸を揉もうとした所で邪魔が入った。

「コラッ!成瀬と若松!なにしてる!?」

ちっ……、モモセンだ。
体育教師の『柿沼桃子』に目をつけられた。
美人なのだが性格がキツイ上に男勝りな女教師だ。
男子生徒からは恐れられているが、女子生徒たちからは人気がある。

せっかく愛梨ちゃんのおっぱいを楽しもうと思ってたのに…。

ん?
モモセンの立場を利用した方が色々楽しめるかな?
そう考えた俺は、成瀬の体を飛び出してモモセンの体に入り込んだ。

視界が暗転し次の瞬間、俺の目の前には若松愛梨と意識を失って床に倒れた
成瀬綾女が居た。


モモセンの乗っ取り完了。




直ぐに成瀬綾女は意識を回復したが、俺は体育教師の権限で彼女を
保健室に送った。

その後、俺はモモセンとして授業をこなしながら放課後を待つ事にした。



やっと放課後になった。

体育準備室で一人になった俺は、早速オナニーをしよう…と思った所で。

『コンコン…。』
ドアがノックされた。
誰だ?

ドアを開けると何とそこには園崎美恵が立っていた。

「先生…ちょっとよろしいですか?」

「園崎さん勿論良いわよ。」

園崎はモモセンである俺に相談があるらしい。
…俺はモモセンとして園崎と向き合う。




園崎は俺にここ数日間の出来事を語った。

曰く、隆司と清彦どちらと付き合うかで葛藤しているという事。
今朝、隆司と復縁したが清彦と性交(フェラをした一件)を告白したら
暴力を振るわれたという事。

…園崎は隆司との交際を続けるべきかを俺に相談して来たのだ。

殴られた場所を見せるように言うと園崎は制服のブラウスのボタンを外して
腹部を俺に見せて来た。



腹部には明らかにアザが出来ていた。

許せねえあの野郎……。
清彦に愛して貰うための俺の体を……。

あれ?今俺なんて考えた?
園崎を俺の体?


今、俺は自覚した。
清彦を愛している事……。
そう俺は清彦を愛していたのだ。




俺は園崎を保健室に送り…。
そしてその足で校長の所に向かった。



あれから10日たった。

結論を言うと、隆司は園崎へ暴力を振るったかどで退学処分となった。
これは隆司の以前からの素行不良とが(清彦を公園でリンチしようとしたのもその一角)
考慮されての処分だった。




それから数日が経ち
モモセンのマンションの部屋では…

「あぁん♡せんせぇ~」
「もっとぉ~♡」
「ここからはもっと本格的な保健体育の個人授業よ!」

この数日で俺は、元々女子に人気のあったモモセンの身体と立場を利用して、成瀬綾女や若松愛梨や数人の女生徒をセフレにして楽しんでいた。

(流石にホモではないので園崎の身体に戻る気は毛頭ないな!男同士とかありえん!兄弟のようなというか、友情として清彦を愛してるけどな!)

アダルトショップで手に入れたペニバンを装着したモモセンこと俺は、成瀬と若松との3Pを楽しむのだった。

元々エッチな生徒から女子を守る誠実な先生だったモモセンは、中身が敏明になってしまったのですっかりレズにハマっている自堕落女教師となっている。

だが、学校ではキリリといつも通りに仕事をこなして女生徒を守っているので女子には未だに憧れの的であるお王子様的人気を維持したままだ。敏明という男っぽさが混じったことで微妙に雰囲気に貫禄がつき、更に女生徒の人気は高まったのだった。




「今が最高のモテ期だな!うっふ〜ん❤︎」
セフレの二人を帰したモモセンは、競泳用のぴっちりしたハイレグ水着に着替えると、部屋にある大きな鏡の前でセクシーなポーズをとってその自分の姿を恍惚の表情で眺め始めた。
スポーツで鍛え上げられた見事なプロポーションだ。
「敏明くん、愛してるわ!ずっと私と一心同体でいましょうね❤︎なんてな!うーん、こんなに綺麗な性欲の対象が自分の思い通り動かせて何でも言わせられて、いつでも触り放題だなんて最高だな!」
そのまま鏡を凝視しながらオナニーを始めた。
「あふん!敏明くん、愛してる、愛してるわ!あぁ、なんかモモセンが俺を想ってオナニーしてるみたいだ!興奮するぜ!」
それから何度もオーガズムをモモセンの体で堪能するのだった。




次の日、学校に行ってみると、園崎は親の都合で外国に転校した事が朝の会議で伝えられた。

朝の職員会議を終えた俺は、担任をしているクラスが無いためそのまま体育館にあるモモセン専用の体育教師室に行くと、本格的な一眼レフカメラを持ち出し、カメラの液晶画面で写真データを眺め始めた。

(園崎は外国かぁ、園崎には彼氏と別れさせたりしちゃったから悪い事したな。あばよ、園崎!でも、このモモセンには遠慮しないぜ!なんといっても何度も俺の覗きを邪魔されたりしたし、盗撮のカメラを没収され、更にデータを全消去されちまった恨みがあるからな!まだカメラを返してもらってなかったが、俺がモモセンになった事でモモセンが守っていた女生徒をセフレにまでするのに体で協力させてやったし、カメラがまた俺の元に返ってくるとは皮肉なもんだな、モモセンさんよ!)

俺は女生徒達のハメ撮り写真やエッチな写真のデータをカメラの液晶画面で眺めながらほくそ笑んだ。

それからロッカーを開けると、そこにはあらゆるコスプレ衣装が掛けてあった。

「モモセンって鍛えててスタイルいいから何でも似合っちゃうんだよなー!次の授業まで一時間空きがあるし、何か着てリモコンでセルフ撮影しよっと!」

俺はカメラを三脚にセットすると着替えを始めた。
最初に着た衣装は、




バニーガールの衣装を着たて鏡の前に立った俺は、
「ピョンピョン、私、ウサギだピョン❤️」
と言ってウサギのポーズをとって可愛くウインクをした。
鏡の中では、あのいつも厳しくキリッと凛々しいモモセンが、俺の思うがままに可愛い格好で俺に愛想を振りまいている。
それから両腕で胸を挟んで谷間を強調して前屈みになると、俺に媚びを売るように愛らしく上目遣いでパチパチとなんども潤んだ瞳で瞬きをしている。
「ザマァないな、モモセンさんよ!」
「ううん、私、今とっても幸せよ!」
「それは良かったな」
なんて鏡に向かって一人芝居をした俺は、


体育教師としてジャージに着替え授業に向かった。


その放課後…。


『コンコン…。』

誰かが訪ねて来た。

「はい、どうぞ。」
「失礼します…。」
「あら、園崎…さん?どうしたの?」
「はい、今回の事で先生にお礼をと思いまして…。」
「いいのよ…。それよりも大変ね。この時期に外国に転校何て…。」
「え?いえ、私は行きません。」

どういう事かと聴いてみると実際に外国に転校するのは園崎の妹だった。
この学校の一年生なのだが、その子と両親が香港に行くらしい。

それで、園崎は今まで通りこの学校にいると…。
考えてみたら当然だ。園崎も清彦も、それに死ななかったら俺自身も…、もうすぐ卒業なんだ。
園崎はここに残り、当面は祖父母の家で暮らすらしい。

職員会議なんてかったるくて良く聞いてなかったから勘違いしたぜ。

「それで、園崎さんは進路は決まってるの?」
「はい。地元の会社に就職が決まっています。」
「まあ、偉いわね!」

そんなやり取りの後、園崎は帰って行った。


さてと…、俺は顧問をしている部活に向かった。
その部活とは…。




女子水泳部だ。




俺はプールに向かって歩いている。
そろそろ水泳をするには寒くなる季節だな…。

うちの高校の水泳部は男女合同で男子の数の方が多く、部員の女子には
あんまり可愛い子がいない。
正直、モモセンの体を乗っ取った当初は面倒な仕事でしかなかった。

しかし、最近は少し楽しみになってきている。

鍛え抜かれた男子部員の筋肉…。
小さい競泳パンツの中に隠されているモノの事を考えると
下っ腹が切なくなってくるのだ。

そして最後にはいつもアイツの顔が脳裏をよぎる。
『清彦……。』




『なんて思うわけないだろ!ホモじょないからな!』
と、頭の中で一人ノリ突っ込みをしたところで、兼任している美人ばかりの女子シンクロ部の練習を覗く事にした。
ここは俺が生前に何度も盗撮しようとしてモモセンに妨害された難攻不落の花園!
だが、今の俺はそのモモセンなのだ!
俺のカメラと三脚を持って、俺は女子シンクロ部専用のプールに行き、部員達の練習風景を練習の分析に必要だと理屈をつけて堂々と撮影を始めた。
部員にはセフレの成瀬と若松もいる。
そのほか何人かも俺のセフレだ。




ちょっとエッチに思えるポーズでも、モモセンの指示とあれば部員達は喜んでしてくれる。

まさに天国だ。

さて、今度はスキンシップとらないとね!

羽織っていたジャージを脱いでピッチリなハイレグ競泳用水着姿になった俺は、モモセンの記憶と運動神経を使って華麗にプールに飛び込んだ。

その見事なフォームに部員達は憧れのため息を漏らす。

(ふふふ、みんな俺を羨望の眼差しで見てるな!ホントに俺のモテ期だぜ!)

そのまま俺は部員達に密着スキンシップしての指導を始めた。




(こんなに密着しても全然嫌がられない!やっぱり女の柔肌って最高っ)
モモセンは性に厳格な精神力の強い女だったので、俺がこの体にいても園崎の時のように女性ホルモンに流されて男に欲情して精神が体に流されてしまうような事は全く無かった。全く男子学生なんぞに微塵も欲情しない。
俺が俺のままでいられるのだ。
ま、俺のままでいられるって事は女好きのドスケベなままって事なんだけどね!
悪いね、モモセン、今のモモセンは心が俺だから女好きのドスケベだよ!




とは言え、もはや性別何て俺にはないんだけどな…。
俺はそんな事を考えながら、自分の水着の食い込みを指で直した。






ついでにそのまま自分、というかモモセンの尻を撫で回してみた。
鍛えられた張りのあるなんとも弾力があって触り心地の良い尻だ。
(大好きなスポーツの為に鍛え抜いたみたいだけど、今は俺のオモチャだね、俺の為にこの体にを鍛えておいてくれてありがとう、モモセン🧡俺がこの体を有意義に使ってあげるからね🧡)




元々の俺はカナヅチだったが今の俺はモモセンだ。シンクロの泳ぎもお手の物。

華麗にプールに飛び込んだ俺の見事な模範演技に美人女子部員達は羨望の眼差しと賞賛を俺に送ってくる。




シンクロの演技を泳ぎながら考える。

性の対象として男が嫌なのは今も変わらない。
それでも清彦に対してだけは特別な感情を感じざるをえない。
他人の体を渡り歩く化け物になってしまった俺を奴は信じて受け入れてくれた。
もちろん生前の俺にとって、清彦は親友以上の者ではなかった。
だけど、今は清彦とそれ以上の関係になりたいと思っている。
何にでも例外はある。
清彦だけ特別だっていいじゃないか…?

俺はプールから上がりながら部員たちに練習を続けるように指示した。





でも、流石に清彦相手でもキスやエッチなどは考えられないな。
園崎になっていた時は体に流されてしまったが、今は心が本来の俺のままでいられるモモセンの体になっているから女しか性の対象と考えるのは無理だ。
チンポを入れられるなんて真っ平ゴメンだ。
それに俺が俺のままでいられるこの体は貴重だ。離れる訳にはいかない。
だが、清彦を人として好きだから、清彦も幽体離脱とかして女の体になってくれたらいいのにな、とは思う。
女の体相手なら大歓迎だ。
そうだよ、清彦を幽体離脱させて女の体に憑依させればいいんだよ。
俺は・・・




でも、清彦には清彦のままでいて欲しい。

前に無理に清彦を幽体離脱させたが、下手をすれば清彦を殺しかねない危険な行為だった…
あの時は気持ちが高揚していたから危険な事をしてしまったが、もう絶対に清彦を危険に
さらす事は出来ない。

やはり、ここは俺が我慢をするべきだ。
思えば園崎の体でフェラまでしたんだから、本番をするのも出来ないことではない。

俺は意を決してモモセンの体を離脱した。

そして幽体のまま園崎の姿を探す。


いたっ!!!
学校の校門から出ていこうとする園崎を見つけた俺は
その体の中に勢いよく飛び込んだ。




【清彦の視点】

俺は学校から下校しながら考え事をしていた。

敏明が消えてから半月になる。
あの日…、登校途中に別れて以来あいつは園崎の中から消えてしまった。
幽霊の存在など探しようがなく俺はただ心配するしかなかった。

「どうしちまったんだよ敏明…。」

と、思った時、背中に衝撃が走っる。

『ボヨンっ!』
こ、この感触は!!

振り返った瞬間、彼女に唇を奪われた。
彼女は舌を絡ませる濃厚なキスを欲して来て、俺はその要求に答える。


「ただいま!清彦♪」
事が終わった後、彼女…園崎(敏明)は言った。

俺は彼女の体を強く抱きしめてやったのだった。




だが、その園崎の中には敏明はいなかった。

敏明は彼女に入ろうと飛び込んだのだが、すぐに弾き出されてしまったからだ。

どうやら園崎の中には長く居過ぎた為に園崎には憑依に対する完全な免疫が出来てしまったのだ。

という事は園崎は自分意思で、隆司ではなく清彦を選んだという事なのだ。

二人は相思相愛だ。




(清彦、よかったな、憧れの園崎と相思相愛になれて。心から祝福するよ、さよなら、清彦)
モモセンの体に戻った敏明は、二度と憑依出来ない園崎と清彦が手を繋いで歩いて行くのを祝福の眼差しで見送った。
「さて、こっちはこっちで楽しみますか!」
俺はモモセンが会員のスポーツジムに向かったのだった。
モモセンの記憶にあるこのジムのインストラクターの一人が、俺好みの健康的な美女なのだ。
俺の足取りは軽やかだった。




ここの美人インストラクター竹内夏菜子は全く男性の影がなく、このジムのイケメンが何人告白しても断っていたのだ。

敏明が入る前のモモセンが興味津々で彼女とガールズトークしている最中にサラッとなんで断ってるか聞いてみたところ、いきなり「わたし、貴方みたいな人が好きだから」と抱きつかれたのだ。
ビックリした当時のモモセンは自然とそのジムから遠ざかっていたのだが、今のモモセンは中身が敏明なので女好きだ。
(待っててね、夏菜子ちゃん!いま、貴方の愛しのモモセンとなった俺が会いにいくからねー!)

ジムに入るなり俺を見つけた夏菜子ちゃんがらパァッと明るい表情になり、俺に抱きついてきた。
グイグイと大きな胸が押し当たる。

(これはまた天国!)
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