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わらしべアプリ(仮題)

2018/11/29 16:44:48
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『わらしべアプリ』

_______________________________________________________________________________________________________________


「ん、なんだこれ。わらしべアプリ?」

突如俺のスマホの画面に表示された如何にも怪しいこのアプリ。
死にそうなほど暇だった俺は、ついそのアプリの起動ボタンを押してしまっていた。

『やっほー、元気にしてるぅ?ボクはこのわらしべアプリの妖精のワラシーだよ!
ところで早速質問なんだけど君はわらしべ長者っていう物語を知っているかい?』

突然に始まったチュートリアル。
藁人形をデフォルメしたゆるキャラが元気いっぱいに話し始めたもんだからあわてて音量を落とす。

もう一度画面を覗いてみると[YES]と[NO]の項目が。わらしべ長者ってアレか。
一本の藁を物々交換していって最終的に裕福になるっていうやつ。長ったるいのはめんどくさいし[NO]を押しておく。

『そっか!なら説明は必要ないね。じゃあまずは誰かと何かを交換してみよう!
あそこにいる女の子なんてよさそうじゃないかな』

ワラシーが画面の中で画面の外に向かって指を向けると、確かにそっちの方には下校中の小学生が一人で歩いていた。
チュートリアルから難易度高すぎるだろ!今のご時世小学生に声かけただけで通報されるっていうのに……。
暇すぎるからってへんなアプリは開くもんじゃないな。

俺はスマホをしまってそのままトボトボと家に帰ることにした。

* *

「おーい、双葉。ご飯食い終わったならちゃんと食器ぐらい片づけてくれよ」
「えー、お兄ちゃんのケチー、あたしが風呂洗ったんだからそれぐらいやってくれてもいいじゃーん」

家に帰った俺は共働きで遅くまで帰ってこない両親の代わりに晩御飯を作っていた。
基本的にこういうとき仕事を任されるのはきまって年長者なんだ。
今もこうして帰ってから休むことなく働いている……。

「俺だって米研いだんだから。いいから『手を貸してくれ』」
「はいはい、やればいいんでしょやれば」

俺はこの時、ポケットに入れたスマホの画面が輝いていることに気付くことができなかった。

「はい、私の手。ほら?何してるの?私の手貸してあげるんだから早くお兄ちゃんの手貸してよ」

驚きのあまり声すら出ない。
ようやく手伝う気になったのかと思った双葉の両手が肩から外れ、俺の目の前に置かれている。

「お、おま!こ、これ」
「もう、何してるのよ。ほら、肩のとこ出して、そうこれでOK。じゃお兄ちゃんに私の手つけておくわね」

肩から先が無くなった妹がその部分を俺の肩に近づけるとなんと俺の腕が外れ妹の肩にはりついたのだ。
手を動かそうとしてもなにも動かない、手がある感触がないのだ。
もはや声所か身体も動かせない。
そうしているうちに妹が自分についた俺の手を使い、目の前にある手を俺へと繋げたのだ。

突然腕の感触が戻る。
いつもの腕と変わらず違和感なく動く腕を呆然と見つめる。握り、開く。
普段の腕よりも一回り小さく、白く、細く、柔らかな手がそこにあった。

「はっ、えっ、……え?」

開いた口がふさがらなかった。人間の人体に取り外し機能があるなんて聞いたこともない。
ましてやそれを他人に取り付けることができるなんて……。

「変なお兄ちゃん、じゃあ手は貸したから後はよろしくね」
「えっ、お、おう……」

あまりの衝撃に妹に何も言えないまま妹が自分の部屋へと帰っていく。
机の上に積み残された食器群と俺だけがその場にポツンと残された。

『初めての交換、どうだったかな?驚いた?ね、驚いたでしょ!』

ポケットに入れたスマホから大音量で元気な高めの声が鳴り響く。
もしかしてあのわらしべアプリとやらが原因なのか?
急いでスマホを覗いてみるとそこには穴でできた口をニコニコと微笑ませながらこちらを見つめるワラシーがいた。

『これがわらしべアプリの力なのさ!チュートリアルは今から24時間!
その間はこのアプリのほとんどの機能が自由に使えるようになっているよ!
チュートリアルが終わったら交換状況は一度リセットされて、
一部機能は課金制になっちゃうけどそこのところはよろしくね!では!楽しいわらしべライフをすごしてね!』

「うっそだろおい……」

自分の手を見つめながらそう呟やく。
ゴツゴツしてて浅黒い、筋肉がしっかりついた俺の腕ではなくて、まだ中学に入ったばかりの白くて細い妹の腕。

「……腕の付け根はどうなってるんだ?」

恐怖だとか不安だとか、そういった感情は不思議と湧いてこない。
むしろ初めてエロ本を開いたときの少年のような探求心と背徳感だけが俺を支配していた。

「つなぎ目……は無くなってるのか?」

腕をなぞってみても大きな出っ張りだとか歪みとかは見うけられない。
にじむような感じで俺の肩と双葉の腕がくっついているのだ。
ただ、感覚はそっくりそのまま双葉のモノを引き継いでるようで撫でてみると双葉の腕の部分から、
くすぐったいというかものすごくこそばゆい。

「これ……、腕以外も、できるん……だよな?」

そのまま何もしないという選択肢なんてあるはずもなかった。
俺は画面のわらしべアプリを見ながらゴクリとつばを飲み込んだ。

アプリの設定部分を開いてみると数え切れないほどの項目が目の前にズラリと並ぶ。
あまりの項目の多さに思わず辟易としてしまうけれど、俺は数ある中でもある二つの設定に注目してみた。

【常識改変機能】と【自動交換機能】。……おそらく、このアプリの根幹を担っているであろう機能。
常識改変機能は察するに先程の妹のように交換することに何の違和感も持たなくなるようになるのだろう。

そして自動交換機能。今この項目は手動交換へと切り替わっていた。
つまりこの部分を自動交換に切り替えれば先程のように自分で取り替えなくても勝手にすげ替えられる……はずだ。
何はともあれ試してみないことには仕方がない。俺は期待に胸を膨らませながら妹の部屋へと向かった。

「なぁ、腕を貸してくれないか??」
「は?なにいってるのよ。もう貸してあげたでしょ?なんで返さなきゃならないのよ?」

え?なんだって?

部屋についた俺はまず自分の腕を元に戻す事わためしてみた、その答えがこれだ。
なんでだ?自動機能がうまく動いてないのだろうか?スマホを確認してみる。

『エラー、一度交換したものを再度交換する事はできません、このアプリはわらしべアプリです』

なんだって?そうか、わらしべってあのおとぎ話のやつか。
たしかあの話では次々と別の物に交換していって成功を収める訳だけども、
交換したものをそのまま交換しなおした話はなかったはずだ。
このアプリも同じなのか。

「お兄ちゃん、私もう寝るから早く部屋出てってよ。」
「そ、そうか。わかった、お休み双葉。その前に一応聞くんだけどお前の『全て』を貰ってもいいか?」
「はいはい、わかったから早く出て行ってよ」

双葉から了承を得た瞬間にスマホの画面に全交換の文字が浮かび上がる。
どうやら同意を得た時点で自由に交換できるようになるらしい。
それにしても自分の『全て』をこうも簡単に差し出すようになるとは……。
このアプリの素晴らしさと恐ろしさに思わず身震いをする。

自分の部屋に戻った俺は早速交換設定画面を開く。そこには本当に双葉の全てと交換できるようになったみたいで、
『記憶』『立場』『年齢』『身体』『知識』などの無数の項目の中から『身体』の項目にだけチェックを付ける。

設定画面を覗いてみるにどうやら交換にかかる時間も設定できるらしい。
先ほどは本当に突然のことだったから交換を楽しむ余裕はなかった。
だから今度は交換完了時間を一分ほどに設定してみることにした。

「おっ、おお……?」

交換ボタンを押した瞬間に身体中がこそばゆい感覚に襲われる。
まずは髪が変化し始めた。短くて硬めの俺の髪が絹のようにさらさらとして柔らかい髪質へと変化していく。
ごきごきと音を立てて身体がゆっくりと縮んでいく。
筋肉質だった俺の身体がまるで溶けていくように小さくなり女性らしい丸みを帯びた身体つきへと変わっていく。
次は胸だった。襟の部分から自分の胴体を覗いてみると、黒ずんだ俺の乳首の色がきれいなピンク色へと変わり、
広がった乳輪がぷっくりと膨らみ艶を帯び始めた。同時に俺の胸自体もゆっくりと膨らんでいく。

「おっ、おお……すげぇ……!」

いつの間にか声も綺麗なソプラノ音へと変わっていた。喉をなぞると当たり前のように喉ぼとけは消え去っており、
俺の声はいつも聞いてる双葉の声とは少し違う感じに聞こえるけれども、確かに妹のモノへと変化していた。

「そろそろ下の方も……あっ」

きゅんとお腹の中で何かが蠢いた気がした。
ぐるぐるとお腹の中をかき混ぜられるような感覚と共にちんぽが燃えるように熱く感じられる。
十数年俺と共に過ごしたちんぽが少しずつ縮んでいく。

「んんっ……あ゛っ……♥」

消えゆくちんぽを名残惜しそうに撫でていたら次第に触っていられなくなるほどに感度が鋭敏になっていた。
俺のちんぽが妹のクリトリスへと置き変わっているのだ。
ついに俺の自慢の息子が消え去り、代わりに可愛らしいお豆さんがちょこんとその場に居座る。
同時にきれいなスジが出来上がり陰毛は溶けるように消え去っていく。

目の前の鏡を見てみると男物のだぼだぼの服を着た双葉が頬を染めながらこちらをうっとりと見つめていた。
少しばかりの罪悪感と背徳感と共に胸を揉むと、小さいながらもふんわりとした柔らかみが俺の指を包み込む。
手に広がるおっぱいの感触だけではない。俺の胸からは確かに揉みしだかれる感触が伝わってきて、
俺が本当に妹の身体になっていることが実感できた。

「あっ……♥、これすごっ……。ああ゛っ♥」

指で乳輪をじっくりとなぞり転がすように乳首を嬲るだけで甘い吐息が漏れてしまう。
ぷっくりと膨れ上がった乳輪ごと思いきり摘まみ上げると頭の中に白い電流が駆け抜ける。

今のが……女の……双葉の絶頂なのか……?乳首弄っただけでこれなんだ。
下の方も弄ったらどれほど凄い事になってしまうのだろうか……。

色に呆けたまま俺はゆっくりとズボンを下ろす。そしてまだ見ぬ女体の神秘へと手を伸ばして……ため息をついた。

ヨレヨレの男物のズボンが俺の目には映っていた。
いくら目の前に女の身体があるといってもこれでは色気もへったくれもありはしない。
しかし……なければ取り寄せればいいだけの話だ。俺はスマホを取り寄せて『服装』の部分へと印をつけた。

キュッと身体が締め付けられたあと、胸が軽くなり、下半身にぴったりと張り付くような締め付け感が残る。
服は既に先ほど妹が着ていたパジャマへと変化している。
脱いでみるとブラジャーがしっかりと胸を支え、突起のない股間を小さな下着がぴっちりと覆っていた。

「他の服はどうなったんだ?」

タンスの中を調べてみるとこちらも全て妹の物に変わっていた。
男物の服はひとつもなく、下着も全て女性物に変わっている。
しかし、服以外の持ち物は全て元のままだ。

「確かこの辺に入れてたはず………あ、あったあった」

カバンの中から生徒手帳を見つけて確認してみると手帳の名前も性別も変わっておらず、
女の身体になっているのに男のままであった。そして写真は……。

写真は妹のモノへと変わっていた。
笑っているのかにやけているのかよくわからないようなこの微妙な笑顔。間違いなくこの写真は俺が撮ったものであった。

「このまま学校行ったらどうなるんだ…?」

妹の身体のまま性別は男と記されている今の状態。他人には俺の身体はどのように見えているのだろうか?
常識改変機能は確かに便利だけれどその効果が自分に及ばない以上、
自分がどのように改変されているのかがわかりづらい部分がネックであるようだ。

妹の反応でも見てみるか……?常識改変機能についてもよく知っておきたいしな。
身体を入れ替えてからほとんど時間もたってないし妹もまだ起きているはずだ。

* *

「おーい、双葉。寝るとこ悪いが入るぞ」

ガチャ

「もぉ~ちょっとお兄ちゃん!乙女の部屋に入るときはノックぐらいしなさいよね!」

ノックもせずに入ったことにプリプリと怒った野太い声が部屋に響く。
開かれたドアの向こうには想像通り俺(妹)がいた。

自分がやったこととはいえ俺の顔と声のオカマのような妹の醜態はなかなかクルものがある。正直キモい。
が、そんな事は言ってられない確認しなければならないことがいくつもある。

とりあえず、外見は俺だが中身はちゃんと妹のようだ。

「すまんすまん気をつけるよ。ところでちょっと双葉に聞きたいことがあるんだけど時間いいか?」
「いいよ~でももう眠たいからちょっとだけだよお兄ちゃん」

今にも眠そうな声で妹はベットから起きあがりベットの横に腰掛けた。
外見が入れ替わった兄妹の奇妙な対面の始まりである。

「なぁ、双葉。最近学校はどんな感じだ?友達はちゃんとできたか?」
「聞きたいことってそのこと?まぁ普通だよ。みっちーとか千佳ちゃんとかみんな優しいし」

「なぁ……そのことなんだが……お前としては友達のことをどう考えているんだ?
心は女の子でも身体の方は今は男の子なわけじゃんか。
ほら、男と女の普通の友情はあり得ないとかなんとかっていうだろ?」

寄り添いながら見上げるようにして問いかけると何を言ってるんだこいつ、と言わんばかりのような眼で見下される。
悪気は全くないんだろうけどこの体格差で、ましてや俺の顔でそんな表情をされると少し怖かった。

「別に何も思わないよ。だって私は『女の子』だもん」

常識改変アプリの影響のせいか。今の双葉は自分からしても他人からしてもやはり女の子として扱われるらしい。
まるで思考停止をしたかのような双葉の発言に改めてこのアプリの恐ろしさを感じた。

ふと思い立った俺は常識改変機能を『OFF』に設定した。
うっ、と一瞬頭を押さえた双葉の前に、心臓をバクバクと鳴らしながら立ち上がる。

「それは俺がこんなことをしても……か?」

やりすぎだとはわかっていたけれど、手を止めることができなかった。
俺はワンピース型のパジャマの裾をそっと上げて、見せつけるように妹の身体を晒上げた。

「お兄ちゃん!いきなりなんてもの見せるのよ!」
「あぁ、ごめん、俺がわるかったよ」

あれ?改変機能はオフにしたはずなのに変わってないぞ?もしかしたら交換するときにしか効果がないとか??

「いや、女の子の体に本当に興味がないのかなーと」
「なにいってるのよ、女の子でもお兄ちゃんの体に興味持つわけがないでしょ!」

うーん、そうなるのか。一応俺は童貞だったからその体を交換した双葉がどうなってるのか気になったんだが………。

「それにおっぱいだってみっちーの方が大きいしさ、この間セックスの練習したときすごかったわよ?」

は?今こいつなんていった?

「え?お前みっちー達とは友達だっていったやな?恋人なのか??」

「はぁ??本当今日どうしたのよ?レズじゃないんだから恋人なわけないでしょ?私は男がすきなの!」
「でもお前今セックスって………」

「違うわよ。セックスの練習!私は女だけど男の子とそっくりだからよく友達にセックスの練習相手を頼まれるのよ。
みっちーもこの間彼氏とする前に練習したいっていうから手伝ったのよ」

「そ、そうか……練習か……じゃあ、その物を突っ込んだり……」
「??おちんちんのこと?ちゃんと中だしまで練習したわよ?
みっちーなかなか激しくて三回位連続でしちゃったのよねぇ気持ち良かったなぁ~」

……まずい。

このままじゃ色々といけない気がする。
元はと言えば自分でしでかしたこととはいえ、
俺の姿の妹が男を恋愛対象にするということは俺の精神衛生上大変よろしくない。

やってしまったことは仕方ないし、もう元へは戻させいわけで。えーい。毒を食らわば皿までよ!
俺は『性別』の項目にチェックを入れ交換のボタンを押したのだった。

くらっと、今度はこっちにも眩暈のようなものが来て、俺は思わず頭を押さえてしまう。
頭の中の何かが書き換えられたような感覚だ。

目を開けると"弟"も同じように頭を押さえていた。
弟……? いや、目の前の俺の姿をした男は妹だったはず……その記憶もあるのだが、
どうしても弟としか認識できなくなっている。

これが性別を入れ替えるということなのか。

「それでお姉ちゃん、まだ私に聞きたいことあるの?」

と、弟が言うが。人称以外にあまり変わった感じがしない。どういうことなんだとスマホの画面を覗いてみると………。

『「性別」を交換しました。「性自認」「性指向」も交換しますか?』

と表示されている。

どうやら入れ替わったのは社会的な性別だけらしい。
つまり今の弟は、戸籍上は男だが性自認は女、性的な対象は男というトランスジェンダーのような状態らしい。
自分の体が男を恋愛対象にしているという状況は改善されなかったわけだが、これを交換するとなると………。

とりあえず交換しておくか。
気に入らなきゃまた誰かと交換すればいい。
そう思って俺は「性自認」「性指向」の交換も実行した。

再び一瞬めまいのようなものが起こり新たな情報が頭の中に書き込まれる。
さっきわかったことだが自分と交換相手の認識の変化は少しだけ違うということ。

身体などの物理的な交換は双方共通だが社会的認識の記憶に関しては、
俺(使用者)の元々持っている認識は交換されても失われなく保護されているということだ。
男として生まれ育った記憶と交換されて追加された女(双葉の姿)として生まれ生きてきた記憶
(社会的立場はそのままなので友好関係は元の俺のまま)の両方を持ち合わせている状態のようだ。

「なあ、もう一度聞くけどお前みっちー達とは友達だって言ったな?本当に?」

変化の確認のためにもう一度弟(妹)に同じような質問をする。

「やだなーお姉ちゃん。男女がエッチなことしてるのに普通の友達なわけ無いじゃん。
みっちーたちはセフレだよ。こう見えても俺モテるんだよね~ヤリまくりだよ」

へーなるほどなるほど~。
心身男に交換されて一人称も変化してるし友人関係もセフレ状態に変化したようだ。
面白い。でも、ちょっと羨ましい。

「なるほどなぁーありがとう。色々時間取らせて悪かったな。おやすみ『清彦』」

とりあえずだいたいのことは確認できたので最後に「名前」を交換してから弟(妹)部屋を後にしたのだった。

さて、予想外だったのは今の自分の状態だ。
男であり女であり、女が好きであり男が好きであり。
元の認識が残ってるためなかなかめちゃくちゃな感じになっている。

とわいえこれが無くなってしまうと自分もどんどん変わっていってしまうため非常に困った事になる。
とりあえず今日の所は男の感覚と女の記憶をふる動員してこの体を楽しむことにしよう。
本番は明日からだ。なんせこのアプリはわらしべアプリだ。まだ最初のわらしべを交換したばかりなのだから………。



「ん?『チュートリアル終了まで残り時間23時間』ああ、
そう言えばまだチュートリアル体験中だったな今の状況も一度リセットされるのか……んんっ♡」

スマホを片手に自分のモノになった双葉のおっぱいを揉みながらまだチュートリアル期間であることを思い出した。
手のひらに感じるオッパイの柔らかさと胸を揉まれる男にはない刺激が、
ピリピリと脳を刺激して思わず甘い声が漏れてしまう。

「んあっ……どうせ一度リセットされるんだ。双葉の『全て』貰っちゃうね」

そう言って俺はすべての交換項目の頂点にある『全交換』をタップする。
すると一瞬のブラックアウトの後に自分がベットに横たわっていることに気づき、
あたりを見渡すとさっきまでいた『双葉』の部屋である。



「これで私(俺)が双葉のすべてを手に入れたということね。相変わらず凄いアプリだわ(な)。
素の自分を意識しないと口調も双葉そのものになっちゃうみたいだし」

自分が発した言葉の口調の変化に驚きの表情を浮かべる清彦。

「すごい…これが私(双葉)の記憶。
自分が清彦として生まれてきた自覚と記憶は残っているけれど双葉として今まで生きてきた記憶もちゃんとあるみたい。
これはすごいアプリだわ(な)」

ベッドから起き上がり部屋にある全身が映る細長い姿見の前で服を脱ぐ。
本来なら女の服を脱ぐなんて初めてのはずなのにまるでいつものことのようになんの苦もなくスムーズに脱ぐことができた。
女性の下着の着方はもちろんのこと、週に何回オナニーしているかとか、
いつもどんなふうにやってるかとか手に取るように理解る。

当然だ、今は俺が、私こそが『双葉』なのだから。

* *

翌日、学校も当然記憶がある私には何事もなく楽しい1日をすごした。
そして夜になるとスマホからアラームがなり、チュートリアル終了が告げられると交換していたすべての物が元に戻った。
いや、全交換したときスマホが無くなってどうなるかと思ったけど、妹のスマホの中にアプリだけ移動してたんだよね。
助かったけど全交換は危ないかもしれないなぁ。

「あーあー、やっぱ俺の声だな、うん」

手をぐーぱーと何度も握り締めながら元の身体に戻ってきたことを確認する。
本当の俺の体だというのに少し違和感を感じるのはつい先ほどまで俺が妹になりきっていたせいなのだろうか。

「それにしても勿体ない1日過ごしちゃったなぁ。」

自己認識やら記憶まで交換していたせいで、本当に双葉自身として1日を過ごしてしまっていた。
自分自身の考え方も女の子になるっていうのはそれはそれで新鮮でよかったかもしれないけど、
いざ元に戻ってみれば男としては勿体ない展開だった気がする。今度は中身は俺のままで楽しんでみたいものだ。

『チュートリアル、どうだったかな?楽しんでくれた?楽しかったでしょ、ねぇ?楽しかったでしょ!』

自分の体をペタペタ触っているとふいにスマホからあの甲高い元気な声が響いてきた。
名前はなんだっけ、えーっと、あの・・・…。

『ワラシーだよ!ちゃんと憶えててくれたかな?』

まるで俺の心を読んでいるかのようなタイミングで名前を教えてくれるワラシー。
…・・・いや、実際に心を読んでいるのかもしれない。なんたってこのアプリのマスコットだ。
どんな能力を持っていても不思議ではない。

それにしても女のカラダ気持ちよかったな~~。
全交換した後『双葉』の記憶を頼りにオナニーし一度に何度もイクことが出来た男ではできない素晴らしい体験だった。
それによって一度元の男の自分に戻ってしまったガッカリ感が否めない。

『ふふふっ、思ったよりも女の子のカラダがお気に召されたようですね。
それと、貴方様の人格はこのアプリで保護されておりますので、
慣れれば次第に人格のコントロールも上達しますのでご安心てアプリをご利用ください』

心に思っていたことを完全に読み取られているとみて間違いなさそうだ。
アプリの移動の件といいただのアプリではなさそうだが深く考えるのはやめにする。

理性がこのアプリを使い続けるは危険だと警告するが無視をする。
俺の欲望が女のカラダで得た快楽の味を忘れることができないからだ。

だが俺はすっかり女のカラダの魅力に魅せられてしまっていて、
気づいた時には再び『双葉』と『全交換』してしまった後であった。

やべぇ、やっちまった。

なんせこれはもうチュートリアルじゃないんだ。つまり二度と元には戻らない。
流石に妹の人生を丸々変えてしまったのには少し罪悪感がある。

「やあ。双葉ちゃん、おはよう!今日もカワイイね」
「ま、それはそれとして、利明の股間と私の股間と胸を交換ね」
「え?うん。可愛い双葉ちゃんの頼みだ。いいよー」

元の体で友人だった男と股間を交換する。すぐに慣れた感覚が戻ってくる。
これで友達の女の子達と練習ができるはずだよね。

「それじゃあまたねー利明さん。清彦お兄ちゃんによろしくね」
「うん。またね。双葉ちゃん」

利明のやつスケベな目で俺の体を見やがって。おかげで交渉もスムーズに行ったけど。
アイツ中性的な見た目だったから双葉の胸と女の股間がお似合いだったぜ(笑)。

でっ、しかも見た目に似合わずこんなモノまで持っていやがるとはなぁ~~♪。
女性の股間に似合わぬ凶悪な膨らみがショーツを盛り上げているのが見える。
ついでに胸も交換しておいたので胸元の膨らみも消えてスッキリと肩の負担も消えた。

「へっへっへ~『双葉』には悪いがもう元の生活には戻れないんだわ。これから色々楽しませてもらうぜ」

肉体上は男の娘のような状態になってしまったが誰かからまた交換すれば問題ない。
男の娘に飽きたら全身俺好みの美少女にカスタマイズするとしよう。
そういえばミッチーのおっぱいクラスで一番大きかったし交換してもらおうかな~~♪。

* *

それから双葉としていつも通り授業を終えて放課後になった。
今日はミッチーこと三葉ちゃんの家にいつものメンバーで集まった。もちろん集まったのは例の練習の為だ。

集まった私以外のメンバーはというと……。
クラスで一番の巨乳を誇り安産型のお尻でのほほんとした雰囲気でクラスの野郎共に好評の三葉ちゃん。
胸の発育は乏しいけどスレンダーでウエストのくびれが羨くクール系美人さんの太刀葉ちゃんの3人だ。

まずは練習前にミッチーに胸を交換してもらう。
このサイズを揉むのもいいけどせっかくだし揉まれる側を楽しみたいじゃないか。

「ねえ、ミッチー。私と『オッパイ交換』しない?」
「ええ、いいわよ。肩が凝って困ってたのよね~」

「えへへ~やった!」

この突飛な会話のやり取りにこの場に一緒にいる太刀葉ちゃんの様子をうかがう限りあらかじめ常識改変機能が働いており、
アプリの持ち主の言動や交渉に相手や周囲はなんの違和感も持たないようになっているようだ。

今回は『胸』と平行して『下着』の交換を同時に行う。
変化した体に合う下着をいちいち準備するのは金銭的に大変だからね。

交換実行直後の一瞬のめまいの後世界が改変される。
フッとわいたように肩や胸に引っ張られるような重みを感じて視線を自身の胸元に向けるとそこには制服を押し上げ、
足元が見えないたわわなおっぱいがそこにあったのだった。
これが巨乳の感覚……とその光景にゴクリと喉が鳴る。



「わぁ~フタバの胸大きくて羨ましいわ。私なんてこんなまな板よ。タチハもそう思うよね?」
「ええ……ホント憎らしいオッパイね。でもフタバのオッパイは眼福だわね」

そう言って三葉ちゃんと太刀葉ちゃんは俺のおっぱいを拝むジェスチャーをとった。
常識改変機能によって二人の認識は改変され双葉(俺)は元々この巨乳の持ち主ということになるらしい。
『私』の記憶もそうであったと記憶の歴史が改変済みだった。

そう、中一の秋の終わりくらいから急に大きくなったのよね。
冬休みが終わる頃にはEカップ。男子がすごい見てきてたなあ。
それからも育っちゃって今じゃGカップだもん。二人が羨むのもわかるなあ~~。

元々は三葉ちゃんの思っていた事が、改変された私の記憶を通じて俺に流れ込む。
俺の記憶も双葉の胸が中一から大きくなっていたと改変されている。
元の記憶と改変された記憶の両方があってややこしいが、
前の記憶を思い出そうとしなければ「今の」記憶で思い出される。

「ねえ、ちょっと触っていい?」
「あ、私も。是非ご利益もらいたいわぁ~♪」

二人が俺ににじり寄ってくる。元々は双葉と太刀葉ちゃんが三葉ちゃんにしていたことだ。
ちなみに今までは三葉ちゃんが言葉ではちょっと嫌がりながらも二人に触らせていた、という記憶がある。

「ええー……あっ、そうだ。触ってもいいけど、太刀葉ちゃん。『胸と股間とお尻以外の身体』を交換してくれない?」
「ええ、いいわよ」

あっさりと承諾されると俺の身体に変化が訪れる。
少し寸胴気味だった腰がググッと細くなっていき、胴も長細く伸びていく。
腕は太さはそれほど変わらないが、胴に合わせるように長くなる。
一方で足は全体的に細くなり、すらりと長く変わっていく。
太刀葉ちゃんは逆に双葉の小柄な体型へと変わっていき、俺(双葉)より頭一つくらい高かった身長は俺を下回った。
ちなみ、にこの3人の中での元の身長順は双葉、三葉、太刀葉の順である。

いつもの眩暈がする。小学生の頃から背が高くって、男子にからかわれたこともあったなあ……。
でも中学に上がって「モデルみたい」って言われたときは嬉しかったかな♪。
―お尻と胸は体のわりに大きくなったのよね。男子によく見られてたなあ。今もだけど。

三葉ちゃんの巨乳、太刀葉ちゃんのスレンダーボディ、そして双葉のほどほどのヒップ。
そういう体で育ったと『私』の記憶が改変される。その記憶も今や俺のものだ。
最初に双葉と腕を交換したときは驚いたが、今はこんなことができるアプリに感謝だ。

「うわぁ、相変わらずの揉みごたえ、流石ねぇ~♪」

巨乳を揉まれる感覚ってこんなんなのか。少し痛いかもしれないけど、気持ちいい感じもありなかなか癖になりそう。

「あ、双葉ちゃん、こっちも大きくなってきちゃってるよー、エッチなんだからぁ~~」

胸をもまれて気持ちよくなってきたせいで俊明と交換した股間は大きくスカートを盛り上げていた。

「続きはベットでしよ?」
「んっ……うん//////」
「あーずるい!タチハ、私も混ぜなさいよね!」

「ええ。ミッチーも一緒に奉仕の練習しましょ♪」
「「ぐへへ……♪」」
「……えーっと……優しくしてね?」

二人はそう言って息ぴったりで俺をあっという間にひん剥き全裸で仰向けでベットの上に寝かせた。

ヤバイな男のカラダだった時のチンコより感じやすくなっている。
二人の見下ろす視線が俺のカラダを舐め回し同時に眼下に広がる自身の裸体に男として興奮し、
ギンギンに硬くなったペニスからは先走り液が垂れそうになる。

男相手の練習だから揉んでもらえない胸を自分で揉みしだく。
トンでもないボリューム感と弾力の胸の先端からは股間とは違う快感がジワジワとわきあがってくる。

「ふたばぁ~んちゅ……♥」
「んんっ……みっちぃ♥……はぁはぁ……あひっ!」
「じゅぱっじゅぱっ……ふたはきもひいい?(双葉気持ちいい?)」

まずは三葉ちゃんが覆いかぶさってきてキスの体勢になり舌が絡み合うのもつかの間、
同時に股の間に割って入ってきた太刀葉ちゃんによって滾る怒張が熱く優しく包み込まれる。
上と下、二人の口によって発生する快楽に背筋が何度もビクビクと反応が止まらない。

「やっ!ダメ……出るっ!うわぁああああああんっ!」

どぴゅっ!

女の子の敏感なカラダと組み合わされて男の肉棒の異常な感覚に耐えられなくなった俺は、
あっさりと滾る精を吐き出してしまったのであった。
本来、男であったならばこのまま賢者モードに入り興奮も冷めてスッキリしてしまうはずなのであるが、
それがいっこうに来る感じはしなかった。
何故ならそれは女のカラダがそれを許さないからである。
気づけば一度萎えたはずのソレは間を置くこともなく再びその硬さを取り戻していたのだった。

「にがっ!……男の人のもこんな味なのかしら?」

口の中に放たれた精液を味わいながら太刀葉ちゃんが呟いている。
元は利明の股間だから、精液も男と変わらないはずだけど、どうなんだろう?
あくまで今の俺(双葉)は「ペニスの付いた女の子」だから何か違うかもしれない。
そう思って「思い出して」みるが、男性器としてしっかり機能しているらしい。
男性器があるのにちゃんと女の子として成長しているのは不思議だが、考えるのは面倒なのでやめておく。

「じゃあ、次は私ね」

三葉ちゃんがいつの間にか手に持っていたコンドームを俺に付ける。

「この前はバックだったから、今日は騎乗位の練習させてね」

横たわったままの俺の下半身にミッチーが跨る。そういえば『俺』にとっては初めてのセックスだ。
初めてが妹の同級生か……なんだかいけないことをしている気分だ。

豊満な胸では無く、真っ平らの男の胸になった三葉ちゃんが俺に跨がり………。

「あ!ちょっとまって、まだゴムはずしてないよ」

と、太刀葉からストップが入る。

「あ、ごめんごめん。ゴムつける練習したらいらないもんね。
ゴムがないときの感覚わからないと、外されてるかわからないしね。将来の為に中だしの練習しときたいし~」

ああ、そうか。妹が言ってたな。女同士何だからゴムもつけず中だしもしてるって。
もしかしたら二人とも、今日妊娠しちゃうかもしれないんだな。
もちろん心あたりがないから誰が父親かわからないわけだ。ぞくぞくして、さらに逸物が硬くなるな。

もしかしたら……これはただの推測だが、
性別が『女性』のままなら男の体やイチモツを持っていたとしても『妊娠しない』のかもしれない。
でないと性別は『女性』という認識でありながらも『男性の体』あるいは『男性器』をちゃんと認識している状況において、
避妊の必要がないこの状況は多分そういうことなのだろうと思う。

ぼんやりそんな事を考えていると太刀葉ちゃんの手によって装着されていたゴムが外され、
ビクビクとしたイチモツが外気に触れる間もなくズブズブと三葉の温かい肉穴の中へ飲み込まれていった。

「んんーっ!フタバのペニクリすっごく大きいよぉ~♪」
「ふわぁっ!ミッチーのナカすっごく温かい……♥」

ギチギチと熱い肉壁にペニスが締め付けられてキモチイイ。
まさかこんな形で童貞を卒業することになるとは当初思いもよらなかったな。

「それじゃあ……フタバ、動くね?」
「う、うん//////」
「フタバぁ~今度は私がこっちね♪はむぅ~」
「ああっ♥ちょっとなんでタチハも!んはっ!♥」

股の上では三葉ちゃんが腰を振り、同時に今度は太刀葉ちゃんが覆いかぶさり舌と舌が絡み合う熱いキスを交わし合う。

女の子二人に同時に攻められ男よりも感じやすいメスボディが熱を上げてゆく。
胸が苦しい。太刀葉の口撃で塞がれ上手く呼吸ができないのもあるがそれ以上に胸の高鳴りが治まらない。
押し寄せる快感に揉まれミツバの温かい膣に包まれた肉棒がギンギンに張り裂けそうなほど硬くなるのが理解る。

「んんーっ♥ミッチーのナカすごい絞まって絡まる……キモチイイ♥」
「ああんっ♥フタバの中で大きくなってる。男の人もこうなるのかなぁ~」

俺の上で気持ちよさそうに腰を振る三ちゃんは呑気なことを呟いている。
双葉(俺)への性別の認識が女である以上、彼女の認識上ではただの大きなクリトリスであり、
射精に対してもなんの疑問や抵抗はないのである。

「プハッ。うふふっ……フタバのオッパイも美味しそう……イタダキマス!あむっ♥」
「ひうっ♥やぁ……ダメっ!タチハぁ~転がさないで~♥」

息が苦しくなってか、太刀葉ちゃんのキスの拘束から開放されたかと思いきや、
一転して今度は空いていた俺の乳房、その頂きにある乳首へと攻めを変えてきたのだった。

太刀葉ちゃんの温かい口の中でざらつく舌がにビンビンに固くなった乳首を転がされたり、
柔らかな唇にて吸い上げられる刺激が脳天を貫き脳内部室が快楽を与える。
その快感は思わず背中を反って腰を浮かせてしまうほどに気持ちがいい。
その突き上げる衝動は上に跨る三葉ちゃんへも影響を与えとても気持ちが良さそうに何度も喘ぎ声を上げ続けている。

「ふあっ♥しょれっ!フタバすごくキモチイイ!あっ♥あっ♥あっ♥イキそう~」
「んひっ♥私もだよミッチー♥オッパイもミッチーのオマンコも気持ちよくって♥……もうっ限界!!」

振り落とされないよう三葉が俺の手を握ってきた。所謂、恋人繋ぎとかいうやつである。
三葉ちゃんと同様に俺のチンコもそろそろイキそうだ。

「「イクーーッ!!!」」

びゅるっどくどくどくっ………。

「ああんっ♥ナカがすごい熱いよぉ……」
「あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥射精止まりゃない~きもひぃいい♥」

双葉(清彦)と三葉はセックスの余韻に浸った。
三葉は倒れないように必死にこらえながらもナカに吐き出された精液の熱さにと余韻の気持ちよさに震えている。
一方いまだかつて無い射精の余韻に浸りながらそんな三葉の様子を双葉(清彦)は本当に気持が良さそうに見えたのだった。

(ミッチー気持ちよさそうだったなぁ~~。男のSEXはもう十分堪能できたしもういっか)

そう思った俺はあらかじめベットに置いておいたスマホを取り寄せてアプリを操作し次のステップに移る。
交換するのはもちろん俺の『男の股間』と三葉ちゃんの『女の股間』、ついでにお互いの『身長』だ。

「ミッチー、『股間』と『身長』交換するね?」
「ふえっ?いいよぉ~」

交渉成立。っと、言っても既にこの二人とは交渉成立しているのでいちいち言う必要はないが気分だ気分。
一応このアプリは端末操作だけでなく使用者の意思を汲み取って音声でも操作が可能だと説明に書いてあったな。
謎の技術だが俺の意思通りに発動するみたいで音声で誤用してしまうのは初期のレベルが低いときだけらしい。
レベルの上昇は使用者の満足度によるようだ。

閑話休題。
『ブオン』としたノイズが脳内に響く。
一瞬目の前がクラッとする。いつもの世界が改変される時の感覚、予め時間設定している時以外の変化は一瞬だ。

「ふぉあっ♥……そうか繋がったままだったから立ち位置もそのまま入れ替わって……お腹のナカ熱ひっ♥♥♥」

体内に感じる貫かれるような感覚と熱い液体で満たされた様な異物感と浮遊感で意識が再起動した。
そして眼の前の光景の変化に少々驚かされる。
仰向けに横たわった三葉ちゃん……先程よりも身長が伸びてより男の子っぽく見える。

視線を自身の身体の方へ落とすと身長が縮み若干視線が低くなってはいるが、
全体的なプロポーションのバランスを損なうこと無く絶妙に上手いこと調整がされている。
抱き心地が良さそうで実に俺好みのストライクな体付きになっていたのであった。

そしては立ち位置の変化だ。
先程まで俺は仰向けになって三葉ちゃんにチンコを挿入していたはずなのに、
そっくり立ち位置が入れ替わって逆に騎乗位となって胎内に挿入されていたのである。
繋がったままだったのと、男性器が俺から三葉に移動したことによって人間関係の立ち位置も改変されたのだろう。

その証拠に俺自身、『先程までミッチーに挿入されながら騎乗位で腰を振っていた』という記憶に差し替えられている。
これは先程まで三葉ちゃんが体験していた行動そのものだ。
挿入していた時の記憶と挿入されていた時の体験記憶が同時に脳髄を巡り煤けてしまいそうだ………。

「ふふふっ、フタバのナカとっても気持ちよかったよ~//////」
「そうねぇ~フタバちゃん、すっごく気持ちよさそうにミツバちゃんの上で腰振ってたわよねぇ~♪」
「もぉ~二人共//////だって本当に気持ちよかったから仕方ないじゃない//////」

認識の改変によって俺が晒していたことになっている痴態を二人に弄られて顔がカーっと熱くなっているのが分かる。
連動して俺の物になったミッチーのオマンコはキュンキュンと嬉しそうに疼き、ニヤニヤと煤けた顔からは涎が垂れている。

「んんっ……はぁ……あっ♥すごい……//////」

それから少しして落ち着くと。ニュルンと股間からペニスが引き抜かれ圧迫感から開放される。
すると、ナカから赤い血液混じりの精液がコポコポと漏れ出てきたのだった。

えっ?血っということは実は処女だったの?
んーっ、ああっ、そうか、そうか。彼女の振る舞いのせいで気づかなかっただけか……。
記憶の追体験をすることで童貞卒業を処女喪失することになるとは思いましなかったが。

何故こんな事になってしまったのかというと。
確か常識改変の影響で三葉ちゃんの彼氏との本番前の練習に付き合うということ言う形で今回集まったのが切っ掛けだ。
しかし、男の体を持った女の子というねじ曲がった社会的認識の影響の元で歪められてしまった三葉ちゃんの倫理観が、
今回の本番前の練習に本番をヤッてしまったというのが原因である。

「これで彼氏との本番もバッチリねフタバ」
「はぁ~疲れたぁ~。もぉ~付合わされるこっちの身にもなってよねフタバ//////」
「えっ?今なんて??あっ!はぁ……そういうことか」

えっ?今この二人はなんて言った?俺に彼氏?冗談だろ?
それって三葉ちゃんの……ああ、なるほど。男女の立場が入れ替わった影響で人間関係にも影響したのか。
うーむ。せっかく完全な女の子に戻れたのに急によく知りもしない野郎の面倒なんて嫌だなぁ………。

よし、ここは太刀葉ちゃんにミッチーのオマンコなすりつけちゃおう~♪(ゲス顔)。
ふと俺はこのアプリが『わらしべ長者』をモチーフにしていることを思い出した。

ついでに太刀葉ちゃんになってみるのも悪くないな。
実は彼女、俺や双葉たちが通っているごく平凡な公立高校にはあまりにも似つかわしくない位のお嬢様なのである。
通っている理由は何でも『想い人と同じ学校に通いたい』とかなんとか。双葉の記憶がそう教えてくれる。
『想い人』の存在が引っ掛かるが今はこの状況から逃れたいのは確かだ。俺は決心を固めた。

「ねえタチハちゃん。貴女の『オマンコ』と『名前』と『社会的立場』交換してくれない?」
「ええ、いいわよフタバ」
「ありがとう。タチハちゃん♪」

交渉成立だ。
俺は、太刀葉ちゃんの『股間を除く身体以外の全て』の項目を選択しアプリを起動する。
すると、脳みそをかき回されるような久しい目眩の衝撃が襲ってくる。
こんな感覚は最初に双葉と『全て』を交換して以来かな。
頭からどんどん『双葉』としての記憶と人格が抜けていって変わりに『太刀葉』の記憶と人格が入り込んでくる………。

「……完璧だ」
「ん?なにか言った?タチハちゃん」
「いいえ。なにでもありませんよ『フタバ』ふふっ♪」

不思議そうに俺の顔を見つめる双葉(太刀葉)になんでもないと返し、
エッチの練習の為に脱いだ服を着替え『私』の家へ帰る身支度を始めるのであった。

続く。

#これまでの登場人物

#太刀葉(清彦)
#頭部及び顔及び尻『双葉』、胸及び身長『三葉』、社会的立場及び人格及び胸、尻を除く首から下『太刀葉』
#主人公。身体的特徴、社会的立場や人格を交換しても元の人格や記憶は残り続ける。物語の特異点。

#清彦(双葉)
#主人公の妹で主人公の最初の犠牲者。『清彦』と『全て』を交換された為、
#自分がかつて『双葉』であった記憶や自覚はなく現在『清彦』として普通に生活している。

#利明
#主人公の友人で第2の犠牲者。中性的な特徴の顔の少年。その顔に似合わない凶悪なモノを持っていたが、
#双葉(清彦)に胸と股間を交換されてしまい現在、女性的な身体特徴を持つ男性という社会的認識になっている。
#本人の自覚は男性で性的指向も男性のままである。

#三葉
#双葉の友人で第3の犠牲者。主人公経由で利明の『男の胸』と『男の股間』、太刀葉の身長(女性としては長身)と交換
#させられてしまい男性的な身体特徴を持つ女性という社会的認識になっている。
#現在、その身体的特徴から双葉(太刀葉)や太刀葉(清彦)とセフレ関係という社会的認識になっている。

#双葉(太刀葉)
#双葉の友人で第4の犠牲者。主人公経由で三葉の『女性の股間』、双葉の尻以外の首から下そして『社会的立場全て』を
#交換させられた元お嬢様で現在、清彦(双葉)の妹の『双葉』という社会的認識になっている。
#なお清彦(双葉)と同様でかつて自分が『太刀葉』であった自覚や記憶はない。

#妖精ワラシー
#清彦のスマホ上に突然現れた謎のアプリ『わらしべアプリ』のナビゲーションAI?
#主人公と行動を共にしスマホからスマホへ移動するオカルトじみたアプリのその正体や目的は謎である。
#アプリの名前通り一度交換した者同士は再交換不可の仕様である。
投稿にあたり、改行の追加・削除などをさせていただきました。
たちは板の某きよひこ
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13.100きよひこ
えす!