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アプリ『収集改変』 2話

2019/10/20 05:59:55
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「ねぇねぇ綺麗な姉ちゃん達、次の駅で降りて一緒に遊ばない?」
まただ… 家に帰る為に電車に乗ったお母様と私はいつもの様にナンパされてしまった、(本当は元の私に生み出されたばかりだから少し違うかもしれないけれど)

「よく似てるし双子さん? 俺達と一緒に来れば楽しませられるし悪くないと思うよ~。」
二人組だったのか… 腰巾着なのか後ろにいた金髪男は最初の奴の少し後ろから声を放ってくる。
お母様が褒められていると思うと嬉しいのだけどもそれにしたって無粋な男共は大嫌いだ。

横目でお母様を見るとやはり困っているのか目が泳いでいる、昔だったら車掌や警察でも呼んで何とかするのだが今の私にはアプリがある。

怪しまれないように時々心にも無い相槌を打ちながらバッグの中に手を伸ばしスマホを取り出す。
そして最初に腰巾着の男に対して違和感無しで収集ボタンを押すとすぐにその場所から消え去ってくれた。

違和感を消して収集したからかナンパ男は腰巾着なんて最初からいなかったかのように話し続ける。
「そうそう、俺の好きな食べ物は……」
私達の体にしか興味がないのだろう、話を続けていると自分の事を喋りだしたのだ、この男は女心を分かっていない。

「おっ、もしかして写真撮ってくれるの?」
アプリを向けると男は笑顔でそう話しかけてくる、こいつ半分ナルシストなんじゃないか…?
しかし今はそんなことどうでもいい、せっかくのお母様との帰りを邪魔されたのだ、徹底的に改変してやる、笑顔のままの男を腰巾着の時と同じように収集してやった。

もう一度お母様を見ると男共なんていなかったように笑顔を返してくれた、やっぱりお母様はこうでなくちゃ。
そしてアプリを見ると男共は収集したままの姿でそこにいる。
どう改変するかネタ探しに周りを見回すと遠くに産婦人科の看板が見えた。
その瞬間私は悪い笑顔になったかもしれない。
「一緒にナンパするぐらいだしこれからも離れられないくらいがイイよね。」
私は小声で画面の中の男達に話かけたのだった。

男共を妊婦に改変しようとした所で女性に変えるための素材をあまり持っていない事に気づいたのだ
「あーそっか、そういえば女の人をお気に入りに登録してなかったね、あるのは元の私にある瞳さんの股間だけ、
でも流石にお母様を収集したりそれに今はまだ私を一時的にでも男に変えるなんでてヤだし…」

そんな気持ちで周りを見回すと少し遠くに10歳程度のツインテールの髪型をした女の子がいたのだった。
「ちょうどいい所に! ちょっと可哀想かもだけどすぐ戻すしいいよね。」

そう言い訳すると女の子をすぐに収集する。
「名前は…白柳理奈ちゃん年齢は11歳か。」
そしてすぐにお気に入り登録する、そのまま元の場所に出現させてあげると、時間移動ではない為ぐっすりと寝ている、気が向いたら起こしてあげようかな?

「自分の体が勝手にコピーされてそれを自由に改変されてるって知ったらどういう気持ちになるんだろうね。」
ふと思った事を喋りながら男共の改変に取り掛かるのだった。

「うーん、どっちの男を親にしようかな…」
一番大事なことを決めていなかった為に少し悩むことになっちゃったけど。
「女心が分からないナルシストな所を矯正してくれるかもだしここは腰巾着の人を母親にしてあげようかな。」

手持ちの素材はまだ少ないけど出来るだけ綺麗な人にしてあげないとね、どう改変したってお母様には勝てないだろうけど。

名前を見るとナルシストの人は[北岩和馬(32)]腰巾着の人は[鎮西渚(27)]だった。
「渚って名前女性にも使えそうな感じで変えなくても良さそうだね。」

そして改変に取り掛かるためにお気に入りの中から里奈ちゃんを取り出したのだ。
「最初はま〇こだよね、でも年齢が一致してないのは…よし」

取り外した里奈ちゃんのま〇この年齢を一気に27歳まで引き上げると陰毛が一気に生え閉まっていた窪みも受け入れられるように少し開いてくれたようだ。
「おおおー、こうやって変わるんだね、自分のってあまり見てないし新鮮だなー」

そして渚の男性器とま〇こを入れ替え今度は家族関係に取り掛かり始めた。
ナルシスト男である和馬の名前をタッチ移動させ渚の名前の下に移動させたのだけど…

[エラー・年齢に矛盾と配偶者がいない為改変を行う事が出来ません、解消してからもう一度お願いします。]と表示された。

「あーそっかぁ矛盾はダメなんだね、じゃあ次は…」
エラー表示されるとは思ってなかったので次に変える事柄をもう一度考え直す。

それなら取り出した理奈ちゃんを夫にしてみよう、素材箱の中へ送られていた渚のチ〇コを里奈ちゃんと同じ年齢である11歳まで引き下げ、つるつるになっている股間に張り付ける。

そして年齢を上げようと年齢ボタンをタッチしたのだが、その時左下に小さく[身長や容姿等の成長を最低限にする]と書かれているのを発見したのだ。
「これは面白そう! 身長小さくて子供に見えるくらいの大人って見た事無いし。」

好奇心の赴くままチェックを入れ36歳まで成長させると、やっぱり少ししか成長しない。
股間に毛は少しも生えず身長は元の137cmから141cmまでしか伸びず、目つきが少し悪くなった程度しか変わらなかったのだった。

「お母様のように若い親って楽しいしこれでいいよね。」
そう一人満足したのだが…
「でもこのままだと元の理奈ちゃんと出会ったときに間違えられちゃうよね。」

父親が近くの女の子に似すぎているのは問題かなと思い、もう少し改変する事にする、最初に髪色を変える事にし色の素材タブを見たのだがそこにはこげ茶色しか無い。
「そう言えば色は集めてなかったや、まあいいかな後で集めればいいし。」

コピー理奈ちゃんの髪色をこげ茶にし子供にする予定の和馬の目や顎の形それに眉の向き等をコピーし張り付ける事ででぱっと見間違われないだろう程度まで顔の容姿を書き換えたのだった。

そして渚の配偶者にしようとしたのだが…
「そういえばこのまま夫婦にしたらナンパしたこと忘れさせちゃうよね、関係とか変えられた理由忘れさせちゃって反省出来ないんじゃ面白くないし方法はないかな。」

そしてヘルプを確認してみたのだけど、そこには本ユーザーなら記憶タブの中に改変による記憶の変化禁止のチェックボックスがあると書かれていた。
「なら大丈夫だね、チェックっと」
そのまま和馬、渚の記憶を固定し、渚と理奈を夫婦関係にしたのだった。

その時お母様と私の時と同じように改変結果の真っ白い状態になりそれが落ち着くのを待つと、そこには名前が白柳渚となり服が女性らしい落ち着いた服に変わった腰巾着男と男らしい恰好をしたこげ茶髪理奈ちゃんがいた。

「そっかー夫婦になるんだから苗字も変わるよね。」
そんな当たり前の事に気づかなかった自分を恥じる。
「それなら理奈ちゃんも変えた方がイイかな。」
考えてみれば夫になるのに女性のままの名前じゃあ可哀想だし、どんな名前がいいかなー。
「うーん…ちょっとだけ男っぽくしたしお父様のようなカッコいいのがいいかな?」

元の名前を1文字だけ使ったのにしようかな、理…理
「理利(としただ)! これから貴方は理利さんね!」
良い名前を思いついたと思った私は満足しながら名前を書き変えた。

「そう言えば苗字も元の理奈ちゃんと同じなんだよね、それなら家族にしてあげた方がいいかな?」
しかし既に理奈ちゃんは外に出している為家族関係を書き変える方法が…そうだお気に入りにしてるからそこから家族関係を変えてから理奈ちゃん同士で上書きしたら大丈夫だね。

名案通りに行動し理利さんを理奈ちゃんの家族の一員にしようと家族関係を見ると。
「理奈ちゃんのお母さん33歳なんだね、ならお母さんの兄にして理利さんを伯父さんにしちゃうね。」

いつもの白いあれが来ると思って身構えていたのだけど、何も起こらないのだ。
「あれ?分からないけど何か違うのかな、もしかして同じ存在がアプリの外にいるとすぐに変化しない?」

「まあいいや、このまま上書きだね。」
そのまま新しい理奈ちゃんを外で寝ている理奈ちゃんを上書きするとその瞬間今までで一番の気持ち悪さとともに真っ白い状態が何秒も感じられたのだった。

改変が終わったのか目の前にはまだ寝たままの理奈ちゃんがいる、けれど。
「うっぷ…そっかぁ改変と上書き同時にしたらこっちまで気持ち悪くなるんだね、この感じは凄く嫌だし出来るなら2度度やりたくないかな…」
想定外の状況に感想を述べると次の操作に取り掛かった。

そういえば腰巾着の人服は女性だけど体は殆ど男のままだよね、一回若返らせてもう一度成長させれば変わるかな。
そのまま腰巾着の人(渚さん)の年齢を一度一気に3歳まで若返らせ元の年齢まで戻すとそこには元の金髪は変わらないもののサラサラで長髪の美女に変わっていた

「長かった改変ももうすぐ終わりかな?一家族を一つ一つ変えると時間かかるね。」
感想を述べると、最後まで残したナルシスト男である和馬の年齢を下げようとしたのだけど。

「こんなに書き換えたんだからこの人を女にするくらいいいよね、生まれた時驚くかなー」
これから母親になる渚さんの股間をコピーするとそのまま和馬の大きなチ〇コに上書きしたのだった。

「よし和馬の年齢を一気に下げるよー」
そう喋ると年齢タブの数字を0に変えるとそこには赤ちゃんがいた。

「うわぁああ可愛いぃいい!」
画面の中に現れた小っちゃくて丸っこいその乳児は元がナンパ男だったと思えない程だ。
だけどこのままで終わりじゃない目的は妊婦なんだから、もう一度年齢タブを押すと、今度は下の方にマイナス表記で0ヶ月と書かれている。

どこまで下げられるか確認するとマイナス10か月まであるようだった。
「これだと妊娠6か月ならマイナス4ヵ月だね、昔お腹が分かりやすい大きさって保健で習った気がするし。」

マイナス4ヵ月にすると終わりは家族関係だ、もう一度和馬の名前を渚の下にタッチ移動させるとさっきとは違いポップアップも出ず無事張り付いた、いつもの白いのが終わり画面を見直すと、元の和馬がいた場所には何もなく、そして渚さんは服がマタニティウェアに変わり少しだけお腹が膨らんでいた。

元ナンパ男達の改変が終わったその瞬間、アプリから大きなそれでいて今までに聞いた事のないファンファーレが鳴り響き、それに驚き周りを見回しみるがお母様を含めて気にしていない様子だった。
「もしかして私にしか聞こえて無いのかな…?」

何が起こったのか確認するためアプリの画面を見るとそこにはレベルアップと文字が書かれていた。
「そっか、チェンジレベルってのが上がったんだね、確か新しい機能が追加されるはずだけどどんなのだろう。」

画面の中には[レベルアップおめでとうございます、チェンジレベル上昇により新たにアプリ画面に魂確認ボタンが追加され、それを押す事で魂を確認できるようになりそれを収集改変する機能が追加されました、これからもアプリ『収集改変』をよろしくお願いします。]

説明を見る限り近くに存在する魂をこのアプリで操作出来ようになったらしい、この機能を考えているとある事に気づいちゃったのだ。
「コレを使えば色々楽しめそう、早く家に帰りたいな。」
そう気持ちを新たにするのだった。

レベルアップの事ですっかり忘れていた元腰巾着の渚さんと理奈ちゃんから作った理利さんをアプリ内から外に出し、2人が起きるまでもう少し見ているつもりだったのだけれど、その時お母様と私が住む家に一番近い駅に着くことをスピーカーで知らされたのだった。

「むぅ…もうちょっと楽しみたかったなー 」
そう文句をたれるが私の中の俺にとっては初めてのお母様の家なのだし、これからは家の事を考えるべきだろう。

駅に着きドアが開くとまだ寝ている渚・理利・理奈の3人を起こしてあげると。
「あの人たち起こしてどうしたの? 見る限りご家族見たいだけど。」
「ううん大丈夫だよ、ちょっと起こした方が良さそうだったから。」
そう言い訳すると、少し不可解なものの家に帰ると判断したのか、お母様と手をまた繋ぎ家に帰るのだった。

(ふふっ、今すっごく楽しいな、魂ってどういう感じなんだろうね。)

家に帰った優美(清彦)はさらに色々な改変をするのだがここからは次のお話で。

アプリ『収集改変』2話 終
1度完成させてから内容の修正に1か月程度かかりましたがようやく完成させることが出来ました。

2話はどうでしたか? 今回は改変を大目にしたので色々つたない所もあるかもですが面白いと思っていただければ幸いです、
スレでも書きましたが番外編として瞳とふたば、それと一家に変えられたナンパ男達のその後を早く書きたいですね。

それとここまで読んでいただいた読者様達に感謝を。
白南風天津(しらはえあまつ)
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14.100きよひこ
魂改変となると、さらにあれこれできそうですね。
ナンパコンビのその後も、楽しみにしています。