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宝珠

2020/08/17 10:35:59
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「・・・うっ」
先端をこする親指の動きに合わせるように脈打っていたペニスから白濁液が飛び出し、カプセルの
中に収まっていく。
竿の部分もしごいて管の中に残っている精液も残らずカプセルに絞り出して、封印魔法を施して
ケースに収めた。
「これで6本目・・・流石にもう出ないかな」
最初に出したものは真っ白でケースの底が見えなくなっているけれど、2本目3本目となるごとに
薄くなっていき、6本目はほぼ透明でわずかに白みがかって見えるだけだ。
「エネマで腸の中も空っぽにして精液も出し切って魔方陣も宝珠も用意できて・・・これで大丈夫」
蝋燭の光を受けて紅く光る鶏の卵のような宝珠を手にして僕は自分に言い聞かせるように独りごち
た。
「本当に出来るのかな、男のエネルギーを魔力に変換するなんて」

最初は偶然だった、実家の倉庫を整理しているとき先祖が書き残した古い書籍を見つけたのは。
面白半分で読み始めてみると、そこには驚くような実験結果が書き残されていた。
「雄とは何か」
「雌との違いは」
「雄と雌の魔力差違」
「人間における雄と雌」
「男と女の臓器的・骨格的差違」
「男と女の魔力内容の違い」
「男のエネルギーおよびその変換」
「エネルギーの抽出および保存」
先祖は男にあるエネルギーを取り出し、魔力として保存する方法を開発していた。

そこから先は夢中になって読みふけった。
「アヌスから腸の中に宝珠を入れ、その中に吸い出した魔力をためて体外に引き出す」
そのために複数の魔方陣を刻んでなおかつ体を傷つけないよう滑らかにする必要があった。
宝珠を用意するだけでも大変だったが、その加工には通っている魔法学校の機材をこっそり使う
ことで対応した。
「術を発動する際に精液が出ると失敗するので、あらかじめ出し切っておく」
精通を迎え、オナニーの快感を覚えた体から全部出し切る。1回目2回目は快感しかなかったけれど
最後は延々と続く快感となかなか出てこない精液に精神が壊れそうになった。
「腸の中は完全に空にするためエネマを行う」
「外部に魔力を漏らさないよう魔方陣を構築する」
「満月の夜に月の光を浴びて利用する」
etc・・・
細かい条件や術式を色々調整し、目の前にすべての準備がそろっていた。

「後はこの宝珠をお尻から入れるだけで発動するのか・・・」
裸になり、魔方陣の中心で宝珠を手に取る。
股間を見れば精根尽き果てたペニスが垂れ下がっていたが、今日でそれともお別れと思うと少し
寂しくなり、亀頭の先を軽くなでる。
「じゃあね」
そして四つん這いになると後ろに手を回して宝珠をアヌスに当て、ゆっくりと押し込んでいく。
「っっっっん・・・」
アヌスに力みを少し入れると、すっと宝珠は体内に潜り込んだ。
中指で一番奥まで押し込み、そのままじっとしているが・・・
「・・・失敗した?」
何も起こらず、がっかりして力を抜いたそのときだった。

ドクン!

「えっ!」
突然体内で変化が訪れた。
腸の一番奥に止まっていた宝珠がじわじわと体の奥にめり込んでいき、やがて腸を抜けて腹腔の
中に出たのと合わせてペニスと睾丸がゆっくりと小さくなり、そして体の中に収まっていく。
ペニスは股間に収まっても睾丸はそこで止まらず、さらに奥へ奥へと進み宝珠のすぐそばまで
やってきた。
「わ、わ、わ、わ!」
驚く僕をよそに体はどんどんと変わっていく。
声変わりを迎え少し低くなったはずの声はだんだんと元に戻り、そしてさらに高い声に。
腕にうっすら生え始めた体毛は細く、色が抜けほとんど見えなくなった。
僕は男ではなくなった。

「お、終わった?」
金色に光っていた魔方陣の光が消え、体の変化が止まって僕は改めて体を見下ろした。
股間には何もなくただのっぺらとしていて、その逆に胸は柔らかくなりかすかに膨らみを見せて
いた。
そして下腹部では宝珠が魔力を帯び、書いてあったことが事実であったことを証明している。
「すごい、これだけの魔力なら何でも出来そう・・・って、え!」
これはまだ始まりでしかなかった。

宝珠が魔力を放ち、その周りに肉壁を造り始めさらに睾丸をそばに呼び寄せて全く別のものに
作り替える。骨盤は内側から押し広げられ平らに、そして股間は広くなっていく。
「っっぐぁ・・」
骨や筋肉のきしみに耐える顔は柔らかく丸くなり、胸は筋肉だけでなく脂肪と新しい組織、乳腺
によってどんどん膨らみ、鞠のようになる。。
魔方陣は月の光を浴びて蒼色に輝き、その中心で悶える僕は股間から差し込まれるような力と
股間に向かって伸びる力を感じ、それが仕上げになると直感した。
宝珠が造り出した新たな臓器、子宮から睾丸が変化した卵巣へつながる管、卵管と卵管采を伸ばし
二つの臓器を包み込み、股間から伸びて来る膣と子宮頸部でつながってそしてその出口、膣口が股間に
開くとその周りに粘膜で覆われた小陰唇と尿道口、ペニスから変わったクリトリスが現れ、大陰唇に
包み込まれていくのが分かる。
そう、私は女になった。

魔方陣がゆっくりとその光を失い魔力放出が止まると、宝珠は子宮の中から子宮頸部、膣を通って
降り、膣口を出る直前に粘膜、処女膜を張るとコロンと床に転がり落ちた。
「あ・・・」
すべてが終わったことを感じ取った私はあちこち痛む体を起こし、魔方陣の跡に座り込む。そして
部屋の奥にあった姿見に映る自分をまじまじと観察した。
身体は一回り細く、そして身長は頭一つ分小さくなっている。その分髪の毛は長く肩を越える辺りまで
届いていた。
その顔は確かに「僕」の面影を残し、しかし可愛らしさを増した「私」になっていた。長いまつげ、
ぱっちりとした丸い目、筋の通った鼻、細く柔らかくて月の光に輝く唇が角のない丸い顔に収まって
いる。
肩幅は狭く腕は細く、胸は小さめのメロンのような膨らみが二つ並んでいて、そこから腰に向かって
なだらかな曲線を描き、丸みを帯びたお尻、うっすら陰毛に覆われた股間を通り、細くすらりと伸びた
足につながっていた。
もしこんな姿の少女を「僕」が見たら間違いなく一目惚れし、手に入れようとそのまま押し倒してしまう
だろう。そんな確信を持てるのが今の「私」だった。

のろのろと手を伸ばし床に転がる宝珠を手に取る。
あれだけの変化を体にもたらしたはずなのに宝珠はまだ豊富な魔力を湛え、これから先の私の力になる
ことが感じ取れる。
「明日からどうしよう・・・」
魔法学校は・・・校長に正直に話せば何とかなるだろう。初代校長からして肉体変化魔法で魔族と融合、
古代竜を倒してのけた人物だ「女になりました」と言っても鑑定魔法で本人と確認できればおとがめは
ない。
服・・・は下着から何から全て買い直すことになるからかなりの出費がありそうだ。
(そのあと化粧品の追加出費で青ざめることになる)
同級生・・・女子には間違いなくおもちゃにされる。だけど男子からは守ってくれるだろう。
あとはこの宝珠、ネックレスやヘアバンドに加工するにはあまりにも大きすぎる。ましてやこんなものを
むき出して持ち歩いていたら「襲ってください」と言いふらしているようなものだ。自分の体に肌身離さず
持ち歩いて、なおかつ人目につかない場所・・・
「飲み込んでしまう」というのも考えたが、毎日食事して排泄している事を考えると結局外に出てきて
しまう。となれば、女にしかないあの場所しかなかった。
「その前にお風呂に入ってしまおう」
もはや肉体も精神もぎりぎりだった。
お湯を頭からかぶり、長くなった髪の毛をゆっくりとすすぎ、体についた汗や粘液の跡を流していく。
疲れ切った体を温め、筋肉がほぐれていき新しく出来た内臓にも血が巡っていくのが分かる。
これほどお風呂が気持ちいいものだとは思わなかった。
「女の人のお風呂長いのがよく分かるよ」
明日からは毎日入ろう、そう決めて体の手入れをすると早々に眠りについた。

翌日、目を覚ますと早速算段の通りに動き出す。
まず宝珠に魔力を込めてゆっくりと細長くする。先端は穴に食い込むよう円錐形に、そして体に傷を
つけないように丸くする。
「これくらい細くすれば通るかな」
観測魔法を起動して股間がよく見えるようにするとゆっくり左手で大陰唇を二つに割る。その下に昨日
開いたばかりの膣口が処女膜を従えてひくついていた。
「引っかけないように・・・んっ」
宝珠を膣口に押し当てるとゆっくり奥に押し込んでいく。処女膜の穴を通って宝珠はぬるぬると膣の中
を押し進み、やがて先端が子宮口にたどり着く。さらに奥へ押し込むためにマジックハンドを使って
さらに押し込み、子宮口の中央を押し開いて奥へ奥へ進む。子宮頸部を物が通る異物感を感じながら
マジックハンドを膣にまで入れて宝珠を完全に子宮の中に納めてしまう。
宝珠が子宮の形に合わさって定着するのを確認すると押し込んだマジックハンドをゆっくり股間から
引き抜き、そのままベットに倒れ込んだ。
こうすれば宝珠を抜き出すことは私以外では困難だし、なんと言っても見つけることが出来ない。
子宮内部全体に異物があるので妊娠したり出来ないけれどそんなつもりは毛頭ないし、万が一襲われても
妊娠する可能性がないのだから逆に願ったり叶ったりだ。
そして学校に行くために着替えようとしたところで「服、どうしよう」もう一つの懸案を忘れていた。

「・・・・・・・・・・」
「ぶぅぁっはっはぁっ!」
男子用制服になんとが体を押し込み、他の生徒が来る前に校長室に転がり込んだ私を見た教頭の呆れ顔
と校長の大爆笑は忘れることが出来そうにない。本人であることが確認できると校長の「問題なし!」
の一言で新しい制服(下着まで)、戸籍、学生証の手配までが始業時間までに終わり、私は新しい制服
に身を包むとそのままクラスメートに紹介され・・・予想通り女子生徒のおもちゃにされた。
長くなった髪を結ったり丸めたり編み込んだり、果ては胸をもまれたりスカートをまくり上げられたり
したけれど、おおむね好意的に受け入れてもらえたのは幸運だった。素直に言うことを聞けば女子特有
のルールもあれこれと教えてくれるのはちょうど妹を扱う姉のような気分なのだろうか。
トイレ・・・も皆でついてきて個室の中でまごまごしていると壁越しに声をかけて何をすればいいのか
教えてくれたのでスカートや下着を汚すことなく済ませる事が出来た。
そしてその放課後、女子全員に連れられて(着せ替え人形になりながら)服と化粧品を山のように買い、
自分の部屋へふらふらになりながら戻ることになった。

クローゼットからもう着ることはない男物の服を取り出し、替わって女物を次々と掛けていく。
スカートやワンピース、色合いも各種あるけれどどんな組み合わせにすればいいのかはこれからお勉強
ということになりそう。
そして下着、引き出しの中に形が崩れないように一つずつ丁寧に納めていく。特にブラジャーはサイズの
大きさからあまり数を買えなかったので、さらに丁寧に扱わないと。
化粧品は使う用途別に小さな引き出しに並べていく。キラキラと宝石のように光る容器を綺麗に並べて
行くのは意外と楽しい作業だし、明日から使うのだから分かりやすくしないと。
そして買い物を全て片付け終わると今度は制服を脱ぐ。ボタンの付け位置が逆なので着るときもまごまご
したけれど、脱ぐときもやっぱりまごまごしてしまう。
「これからはこっちが正しい位置なんだから、慣れないと・・・」
そして改めて姿見を見る。

大きな胸をしっかりと支えるために頑丈にてきたワイヤーとブラ本体、そしてショーツだけを身につけた
「私」が写っている。今日から最期までつきあうことになる体をまじまじと、体勢を変えながら観察して
行くけれど、男だったときなら攣りそうな姿勢になっても体は柔軟に曲がって様々なポーズをとれる。
開脚して体を前に倒していくとあっという間に胸が床につくまで曲がってしまうのにはびっくりしたけれど
体には全く痛みがなく、これが「女」なのよと体が語りかけてくるよう。

背中に手を回してブラのホックを外し、ショーツを脱いで完全に裸になってみる。
胸にずっしりと乳房の重み、逆に腰はお尻の重みが感じられ、股間から向こう側が見える女の体。
ゆっくりとベッドに座り、足を広げて左手で大陰唇を広げてみる。
右手でゆっくりと尿道口をいじってみると本当にすぐそばに膀胱があるのが感じ取れる。尿を押さえる
筋肉は男に比べてかなり少なくなっているのでお漏らしをしないよう尿道を締め付け、力を緩める事を
繰り返すトレーニングを始めてみた(これは女子生徒が耳打ちしてくれたやり方)。
「んっ・・・はっ・・・」
尿道の入り口をきゅっと締め、緩め、締め、緩め。50回ほど繰り返してみると尿意があってもすぐには
漏れそうにないような気がする。

そしてもう一つ耳打ちされた事がある。
買い物の一つに入っていた大きめの袋を開き、さらに小さい袋を一つ取り出す。そしてその袋をまた破いて
中から平たい布状の物を広げる。布の横についているテープをはがし粘着面を出すとそれをショーツの
底の部分に貼り付け、布がショーツからはみ出さないようにしてから履いてみる。ショーツを履いているとき
に比べかなりごわごわした異物感があるけれど、これから月に一回訪れる生理の時に備えなきゃいけない。
宝珠が子宮の中にあるので生理が起こっても魔力に変換されるはずだけれど、出血を全て防げるとは
限らないし、なにより他の娘が困っているときに助けられる。そのために一つは必ずバックの中に入れて
置くことにした。

そして全てが終わってからお風呂に入る。
「今度は石鹸も買ったので体も髪の毛もしっかり洗おう」
まずはお湯を髪にかけながらゆっくりとブラッシングする。髪の毛に水分がしっかり通ったら液体の石鹸を
手に取り泡立ててから頭を揉むように洗い、そこから毛先に向かって両手で挟み込むようにして髪の毛を
洗っていく。洗い終わって頭から髪の毛に向かってゆっくりとすすいでいき、最後に毛先を整える乳液
を丁寧に塗っていき、タオルに髪をまとめると次は全身。胸の下や脇、耳の後ろに指の間のように男の
ときなら全く気にしなかった部分も丁寧に洗っていく。
それが終わってゆっくりと湯船に浸かる。
今日の緊張や疲労が全てお湯に溶けていくように身体が和らいでいき、いつまでもここにいたい気分になる。
「あぁ~~~~~」
本当にずっと湯船に浸かっていたかったけれどそういうわけにもいかないので、お風呂から上がって身体と
髪の毛から水気を拭き取り、ブラッシングしながら乾燥魔法でゆっくりと髪の毛を乾かしていく。

そして今日買ったピンク色の水玉が入ったパジャマに身を包み、ベッドに横たわる。ブラをしていない分
ずっしりとした乳房の重みが胸にかかる。
右手で乳房をゆっくりと触ってみると少ししか力を入れていないのに乳房は指の形に合わせて柔らかく
形を変え、円を描くようにぷるぷると揺れている。
その動きがおもしろくなり今度は両手で揉みしだく。乳房の動きに合わせて付け根から先端までマッサージ
するように手を動かすとだんだんと胸が張ってきて、そして先端が盛り上がりその先ににピンク色をした
乳首が姿を現している。
お風呂上がりと言うこともあるけれど、身体全体がピンク色に染まり身体の芯が熱くなって乳首も、そして
股間もむずむずする。これがどういうことなのか女の子初心者の私でもすぐ分かった。
「感じているんだ・・・」

ここから先、男が知らない快感を知るのは怖い。でもこれから女として生きていくのなら。
逡巡の果てに私は女の快感を知ることにした。
勃起した乳首を人差し指と親指で挟み、上下にしごいてみると先端から乳房全体に熱が伝わるように、そして
それが身体の芯を通って子宮に、股間に伝わっている。
「・・・っん」
身体の熱に負けるように私はパジャマを脱ぎ捨てショーツを股間から引き抜く。ショーツのクロッチが
離れるとそこから粘り気のある液体が足を伝わってお尻に流れ、充血したクリトリスと大陰唇からはみ出した
紅い小陰唇が空気にさらされた。
右手の人差し指をゆっくりと股間に当て小陰唇の中に潜り込ませ、膣口、尿道口、そしてクリトリス
まで引き上げて行くと、胸とは比べものにならない快感の波が身体全体に押し寄せる。そして指を上へ
下へと繰り返し動かせば、もうその動きを止めることは出来なかった。
「あっあっあっあっ!」
口からは涎が垂れ、目には涙を浮かべながら快感に溺れている。でも「本当の」快感はどれだけ指を動かしても
訪れてくれなかった。
あの女子生徒が耳打ちしてくれた目の前が真っ白になって全てがばらばらになる快感。あれはどうすれば来て
くれるの?
焦りといらだちから指を勢いよく押し込むと膣の入り口に引っかかり、そこから引き上げたときにそれまで
よりもずっと大きい快感が押し寄せてきた。
「ぅんんっっ!」
大きな声が出そうになり思わず枕を抱き寄せて口に押し当てる。
そう、今していることはセックスの真似事、セックスは男のペニスを押し入れて雌の中をむさぼるように
動き回ること。そして今ペニスの真似事をするのは・・・
私は中指をひくつく膣口に押し当てる。雌としての本能がペニスの来訪を歓迎して愛液を吹きだし、奥に
押し入れてほしい子宮は膣口を開け、私はそれに従って中指を奥へ突き立てる。
「んひっ!」
中指が根元まで入り、膣の中の粘膜をこする快感が股間から背中を通って頭を焼く。そしてまた抜いて
突き立てるたびに身体全体が燃えてしまうような快感がほとばしり、それがまた指の動きを加速する。
「ひっ・・・あっ・・くっ!」
もう理性は全て吹き飛び雌の本能だけが私を支配していた。中指に合わせて人差し指も突き入れ、指の腹で
膣壁をこすり、親指はクリトリスの先端をぐるぐるとなで回す。愛液は透明な物から白く濁って臭いの強い
物に替わり、さらに指の動きを滑らかにする。
そしてその動きの先にそれは見えた
「あっ・・・白いのが・・来る!」
目の前がどんどん真っ白になっていき、音も何もかもがその中に溶け込んでいく。そして全身をその光の中
に包まれたとき、私は真の快感に身体をのけぞらせた。
声にならない声が口からあふれ、何かにつかまっていないと飛んでいきそうな恐怖に枕を抱きしめ、股間から
愛液を吹き出し、光が消えるまで快感の波に溺れていた。

翌日目を覚ましたとき、その惨状に頭を抱えました。
愛液でびしょ濡れになったベットシーツ。涎や涙やらでべとべとになった枕。ぐしゃぐしゃになったショーツ
とパジャマ。今日が日曜日でなければ後片付けのために学校を休む羽目になりそうになっています。精液と
違ってシーツにこびりついたりしないのが幸いでしたが、丸一日掛けて洗濯するのは流石に重労働もいいところ。
「魔法がなかったらもっと大変だったかも」
洗剤で泡立つたらいの中を魔法でかき混ぜながら想像してぞっとします。
次にあんなことをするときはちゃんと裸になってベットには分厚いタオルを引くことにしましょう。

月曜日、気分を切り替えて登校したはいいけれど、女子の行動力を甘く見ていました。
「なに・・・これ」
服、アクセサリー、靴その他諸々、「もう着られなくなったから」ということで各人が持ってきたよう
なのですが、全員それなりの家から来たお嬢様なので質も量も半端じゃありません。服のサイズは私の身体が
小さいからそれほど問題ではなさそうですが、これを全部着せられてお披露目会みたいなことになる
のかと思うと頭がくらくらきてしまいます。
特にお姫様(隣国の皇女なので本当のお姫様)が持ってきた物には目をむきそうになりました。これ、1着で家
一軒建ちそうなのですがそれをごっそり10着ほど持ってきてなおかつ髪飾りやらイヤリングやら格の
違う物ばかりが並んでいます。それでいて「もう服が収まり切りませんの」の一言で済ますあたり・・・
まぁお嬢様学校じゃなくこんな所に通っているのだから、本当にいらないんでしょうねぇ。

「つ、疲れた・・・」
休み時間、昼休み、放課後全てを使って女子全員に囲まれたお披露目会が終わったのはとっぷりと日が
沈んでからです。着替えの枚数が多かったせいもありますが、お姫様のドレスを着るときはあまりの
複雑さに3人がかりで30分以上かかってしまいました。それに加えて髪を整えて髪飾りをつけたり靴やタイツ
を合わせたり、こんな事を毎日しなくちゃいけないなんて考えたくありません。
それでもお姫様の物だけあって着替え終わったときは全員ため息をついて見ほれていました。
髪は肩までゆったりと流れそのてっぺんには宝石をあしらった髪飾り、首も同じく宝石付きのチョーカー
を付け、そこから胸にかけて盛り上がり乳首を頂点にして2つの乳房を袋のようにしっかりと包み込みつつ
嫌みのないようになだらかな腰の曲線につながり、お尻から足のくるぶし寸前まで緩やかに広がるスカート。
そしてわずかにのぞく足首はぴったりとしたタイツに覆われ、これまた宝石のついた品の高いハイヒール。
両腕は肩まで届きそうな長い手袋に覆われ、肌はほとんど見えなくなっているけれど身体のラインはくっきり
と服の上からでも確認できた。品の良さ、美しさ、そして女としての魅力を最大限に引き出した「お姫様」
専用の服でした。
そしてその一式がいまここに。
蒼く滑らかな生地のその服を手に取り、身体に合わせながら姿見を見てみると学校で感じたあの高揚感
がよみがえってきます。
「もう一回着てみようかな。」

観測魔法に記録魔法を上乗せして水晶玉に封じてくれた着付けの流れを見ながら、下着から着替え始めます。
ブラジャーは服の上から見えないようにハーフカップの物で、ずっしりとした二つの鞠を下からしっかり
支えてくれ、そしてビスチェ、これで緩やかな腰までの曲線を作り出します。ショーツの上からタイツを履き
ワンピースとなっている本体を頭からかぶり、スカート部分にしわが寄らないように丁寧に整えます。
そして胸の辺りをしっかりと包み込むようにひもを引っ張って乳房の形に合わせます。こうすることで
ワンピースの布がしっかりと胸に食い込み二つの丸い袋ができあがります。。
そして手袋、チョーカー、ハイヒール、髪飾りをつけて
「綺麗・・・」
昼に見たお姫様がここに現れました。
スカートの裾が踊るようにくるりと回ってみます。同じように姿見の中のお姫様もくるりと回わります。
同じように笑い、すまし、くるくると表情が変わっていく。そう、私は今お姫様。
そうして姿見の前で楽しんでいると
「少々よろしいでしょうか?」
扉の前で私を呼ぶ声がしました。
「え、あ、ちょ、ちょっとお待ちください!」
流石にこの格好で誰かの前に立つ勇気はまだ私にはなかったので、慌てて服を脱ごうとします。
「大丈夫です、私です。」
へ?
「お姫様・・・ですか?」
「はい、そうです。」
「ど、どうぞ。」
扉を開けるとそこには本物のお姫様が立っておられました。
「あ、あの、こんな格好で申し訳ありません。」
「いえ、楽しんでいただけているのでしたらうれしいですわ。それに本当にお綺麗ですし。」
部屋に入ってきて、私のこの姿を見ても気遣いを忘れません。
「こちらにお座りください。」
椅子を勧めると優雅な流れでスカートにしわ一つつけずに座られます。
「お茶をご用意しますね。」
「いえ、それには及びませんわ。」
「申し訳ありません。こんな狭い部屋で。」
「それを言うなら皆さん同じ部屋でしょう。」
クスクスと笑うその姿も嫌みなく、かわいらしいです
「それよりも、本当に綺麗に着こなしておられますね、お譲りした甲斐がありましたわ。」
「いえ、とんでもありません。どんなお礼をすればよいのか分からないくらいです。」
「お礼・・・ですか。」
あら?ちょっと様子が変わった。
「お礼代わりと言っては何でしょうけれど」
今度は真剣な表情になって
「服を脱いで見せていただけません事?」

「・・・は?」
流石にこれには絶句しました。
しかしお姫様の真剣なまなざしはそれが冗談でないことを物語っています。
「わ、わかりました。」
私はゆっくりと、先ほどとは逆の手順で服を脱いでいきます。
そして下着姿になり、脱いだ服をクローゼットに収めると
「ちょっと失礼します」
「ひゃあっ!」
後ろからお姫様が胸を揉んで来ました。
「あ、あの。お姫様?」
私の問いかけに応えず、私の胸を下からてっぺんまで揉んでいき、そして
「ごめんなさい!」
「わ、わ、そこは!」
ショーツの上から私の股間に手を差し入れました。
「あっ、ちょっまっっっ」
クリトリス、大陰唇、そしてお尻までお姫様はゆっくりなで回します。

「あなたは本当に女なのですね」
「は、はい」
いやな予感がします。
「男だったのに本当に女に姿を変えられるのですね」
お姫様がずいと身体を寄せて、壁際まで追い詰められた私は背中が脂汗で湿っていくのを感じます。
この状況、お姫様の言動と態度、どう考えてもまともじゃありません。ろくでもない事に巻き込まれて
いる事を本能が告げていますが、もはや逃げ道はなくて。
「実は私・・・」
お姫様がスカートをたくし上げて。
「え、え、え、え、姫様?!」
そこにはショーツに包まれた二つの膨らみと先端がはみ出した男根が。
「・・・・え」

お姫様は男の娘。
あまりにも衝撃的な事実にそこから先お姫様の話がほとんど頭に残りませんでした。
「男の身体で生まれました」
「動き回ることよりも女官とともにおままごとをするのが好きでした」
「男として生きることに違和感がありました」
「女官の娘の服を着て城を抜け出したとき、全く違和感がなかったのです」
「男として表に姿を現したことがなかったので、お披露目会にドレスを着てしまったのに誰も違和感を
持ちませんでした」
「このことを知っているのは父上と母上、お付きの女官一人だけです」
そして最後の一言
「私を本当の女にしていただけませんか?」

リスクだらけの底なし沼。それが私の感想でした。
断ったとしても国を揺るがすスキャンダルを知ってしまった以上、お国元が黙っているわけもなく暗殺者
が来るのは間違いありません。
かといって「他人に肉体変化魔法を掛ける」というのがどれくらいリスキーなことか、授業でいやと
言うほど教わっています。魔力のバックファイヤ、肉体変化の暴走、よしんば外見はまともに変化しても
内臓の機能がちゃんと働く保証は全くありません。
それをお姫様に?
「お姫様自身が魔法を使う」という選択肢は魔力のレベルから考えて最初から消えていました。
暗殺者か断頭台か、最悪の二択が待ち構えています。

私にその時点で出来る回答は一言
「お時間をいただけますか?」
時間を掛けてリスクを極限まで削る、それしかありません。
その日からお姫様の部屋に泊まり込み、身体の検査をさせていただきました。
全裸になっていただいたとき恥ずかしがるその姿は艶めかしく、「女」の精神をお持ちなのは分かりました
が、股間にある男根と袋は「男」であることを物語っています。そして男根を私が慰めてあげると「女」
として恥ずかしがる精神と「男」としてはち切れそうになるほど堅くなった男根のギャップが押さえ切れ
なくなり、泣き出してしまわれました。

魔法の暴走を防ぐために宝珠の魔方陣は2重に、さらに立体的に組み上げます。原価を計算したときその
金額に目を回しそうになりましたが、そこはお姫様が何とかしてくれました。肉体変化の制御を確実に
するため、床に描く魔方陣はサイズこそ同じ物でも描き込んだ量は数倍に及びます。
「月の光を浴びる」詰まるところ女性の神の加護を受けるということですが、気休めとはいえ一番大きく
なる満月の日を選びます。エネマ・・・はさすがにお姫様ご自身にやっていただきました。
そして最後の難関、精液の回収ですが
「あ、あの。あなたに全てお願いしてよろしいですか?」
最初から最後までトンデモなイベントが続くようです。

お姫様が直視せずにすむようスカートの中に私が入り、ショーツを下ろして男根を引き出します。
指で先端を刺激していくとむくむくと本能に従って大きくなっていきますが、悲鳴のようなうめき声が
聞こえてくるので、どうやら指で刺激を与えるのでは全部出し切るまで精神が持ちそうにありません。
(もうここまで来たらやけくそです!)
思い切って男根を口にくわえ、先端や切れ込み、段差を舌でなめ回して柔らかく刺激を与えます。
うめき声があえぎ声に替わり先端が膨れあがってあっという間に1回目の射精が口の中で始まりました。
思わずはき出しそうになりますが、何しろその場に精液をまき散らすわけにはいかないので我慢して
全て飲み込みます。
そして管の中に残っていた精液を吸い出すと、少し柔らかくなった男根をもう一度同じようにくわえ
て舌で刺激を与え続けます。2回目、3回目は時間がかかりましたが何とか出し切られました。しかし
4回目は流石になかなか出なく、お姫様の泣き声を聞きながら半透明の液体がわずかに出てくるまで
30分ほどかかったかと思います。
それ以上男根が大きくならないことを確認すると、最後の仕上げに入ります。
「それでは入れますから、ちょっと力を入れてください。」
「は、はい」
裸になって魔方陣の中央で四つん這いになるお姫様のアヌスに宝珠を押し当て、踏ん張るとするする
と体内に飲み込まれていきました。もう後には引けません、魔方陣の外に出て魔法を発動させます。
「あ、ああぁぁぁぁ!」
宝珠が発動し、「男」を吸い取り始めました。袋と男根はみるみる小さくなり、袋の中身は体内に吸い
込まれ男根はその根元に小さく頭を出すだけになりました。そしてわずかに胸が膨らみ、次の段階へ
移ります。
「ひっ、あ、あっ!」
今度は宝珠が「女」を造り始めます。胸はさらに大きく、腰は細く、お尻は大きく広がりその股間に
しわが寄ったかと思うと緩やかに脂肪に包まれそこに1本の切れ目が入ります。切れ目から紅いひだが、
クリトリスが顔をのぞかせ、そしてゆっくりと膣口から宝珠が現れコロンと床に落ち、全ては終わり
ました。
魔方陣と宝珠から魔力放出が止まったことを確認するとお姫様を何とか抱き上げてベットに横たえます。
(このときほど女性の身体の非力さを実感したことはありません)
「女」になったお姫様は、顔がさらに丸くつややかに、目元や口元は柔らかく、肩幅も狭くなりその胸
は私以上、スイカほどに膨らんでいます。そして腰に向かって弓なりに細くなり大きなお尻、そして
毛の生えていない股間、すべすべの足につながっていました。どうやらここまでは成功したようですが。
お姫様の身体から汗を拭き取り、毛布を掛けて休ませてあげると宝珠を回収します。
厳重に封印魔法を掛けた箱にしまうと、私の宝珠を鍵にしてしまいます。これならよこしまな考えを
持った者が現れても返り討ちに出来るでしょうし、開けることも出来ません。そして全てが終わった
せいでしょうか、急激に眠気が襲ってきました。
(お姫様、ちょっと横にお邪魔します)
すやすやと寝息と立て始めたお姫様のそばで毛布をかぶるって横になると私もそのまま眠りに落ちて
しまいました。

翌日、朝日が部屋の中に差し込んできたことで目が覚めた私は、横でお姫様が身体を抱いて泣いている
ことのに気がつきました。
「どうされました?ご気分が悪くなりましたか?」
「いえ、違います。本当に女の身体になったのですね、それがうれしいのです。」
お姫様は笑いながら泣いていました。
そして私を抱きしめると「ありがとう、ありがとうございます」お礼の言葉を繰り返します。
そんなお姫様の頭をなでて落ち着くのを待ってから、宝珠の箱を取り出します。
「これがお姫様の宝珠です。お渡しします。」
「いえ、私が受け取っても意味がありませんわ。あなたが持ってください。」
「しかしこのような物を私が持っていては」
「かまいません、むしろ好都合です。」
「は?」
「あなたが持っている限りその宝珠が何であるか分かる者は現れないでしょう。それに私はそれを使い
こなすだけの技量を持ち合わせていませんが、あなたは違いますね。」
「は、はい」
「強大な力の宝珠を二つ持ち合わせている魔道士が側にいる、これほど心強いことはありません。」
なにやら雲行きが明後日の方向に向いてきました。
「私はこの学校を卒業したら嫁ぎ先が決まっているのです。」
「はぁ」
「あなたにはお付きの魔道士として一緒に来てほしいのですよ。」
お父さん、お母さん。私は人生の行く末まで確定してしまいました。

迎えに来たお付きの女官にお姫様を引き渡し、静かになった自分の部屋で私は頭を抱えていました。
そりゃあれだけ高価な服やらアクセサリーをホイホイ私にくれるはずです、お姫様の頭の中では私を見た
時から計画を綿密に立てていたのでしょう。となれば私の実家やお姫様の国にもこの件は話が行っている
はずですので、断りようがない状況になっているのは間違いありません。
「王室お付きの女性魔道士かぁ・・・」
結婚とか世継ぎを産むとか、そういう話にならなかっただけマシですがげんなりします。
女官の人がやたらとマナーにうるさく、女性としての振る舞いを教育しにきたのも合点がいきます。
王室のお付きとなればマナーは最高の物を求められるでしょうから、というか、これからも教育が続く
ことは間違いありません。
戦闘用の魔法「マイティシールド」「クイックタイム」「フレアバースト」や脱出用の「テレポート」
なども求められるでしょうし、今までのスケジュールでは卒業まで間に合いそうにありません。
「もうやるだけやるしかないわ」
もはや開き直るしか道はありません。

そして翌日、私が学校に行くと想像以上の行動力をお姫様は見せていました。
「何ですかこの忠義の指輪というのは。」
「王家に忠誠を誓った騎士に与えられる物ですよ。」
「それは分かりますが」
「あなたには当家より騎士爵が授与されます。」
「は?」
「これなら魔道士とはいえどこにでも私に付いて来られますね。」
頭がくらくらします。
こんな物が準備してあったと言うことはすでに国王には根回し済みと言うことでしょう。断っても何が
起こるか分かったものではありません。
「ありがたく・・・お受けいたします。」
かすれた声を絞り出すしかありませんでした。

それから先のスパルタは「海兵団もかくや」というレベルの物でした。何しろ余分なことをしている暇
がありません。マナー教室、王室の力関係把握、護衛に必要な魔法の開発・習得。朝起きて5分で準備
したら学校に、放課後は女官とマンツーマンの特訓、それが終われば魔法大学院受験用の参考書を使った
魔法の勉強。机の上で朝を迎えたのが何回あったか思い出すことも出来ません。
それが高等部卒業まで続き、迎えた卒業式。学園の門を出るその足で嫁ぎ先の王宮に向かい、そのまま
宮廷魔道士として任命され、お姫様のおそばに仕えることになりました。

そして王子とお姫様の間に子供が生まれめでたしめでたし・・・で終わればどれだけよかったことか。

最初の1年はまだよかったのです、2年目になっても懐妊がないことに宮廷内がざわつき始めました。
何らかの異常がお姫様に発生しているのかと青くなって検査したのですが、子宮や卵子に全く異常は
なく、生理も定期的に来ていることから問題になる要素はありませんでした。
となると、
「王子の精液を確認させていただきましたが、精子に運動がほとんど見られません。」
まさかの王子側の問題でした。王子側のお付き魔道士と二人で頭を抱える羽目になりましたが、私たちが
頭を抱えるだけではすまないのです。
本来この婚姻はお二人の間に子供をもうけ、王家の相続問題を解消することも目的でした。それが
達成できないとなれば養子を迎えるしかありませんが、どの貴族から迎えるかで大波乱が起こる要素が
ありすぎます。誰か適当な男を見繕ってお姫様に当てがい、妊娠してもらう「却下」お姫様の一言で
その案は没になりました。何より「不義の子」という噂が付いてしまっては相続を安定させる事が出来
ません。
後は王子の精子を私の魔法で活性化させお姫様の卵子と受精させ、懐妊してもらうというプランがあり
ましたが、
「あなたが真っ先にその案を出さなかったと言うことは、何らかの不具合があるのですね」
お姫様は本当に聡明なお方です。あっさりと問題を見抜かれました。
精子の中身がどうなっているのか全く分からないのです。活性化して受精させたとしても、その結果どの
ような子供を懐妊することになるか、リスクの高い案でした。

「王子のお姿ですが、男の時のあなたとよく似ておられます。」
「そう・・・ですね。」
「すらりと細い身体、まっすぐな金髪、丸くて紅い色をした目、よく通った鼻筋、細い唇。」
突然昔話を始められました。普段お姫様はそんな無駄話をする方ではありません。
「確かに私の幼少の頃はそのような姿でしたが、今は」
「あなたとの子供であれば王子の子供と言っても通じるでしょう。」
魔法学校でお姫様にしてやられたときと同じ、いやな予感がします。
「あなたが女になったとき、自分の精液を封じていますね。」
「・・・はい。」
冷や汗が背中を流れます。
「その精液で私を妊娠させることは可能ですか」

部屋に帰るなり、私はベットに倒れ込みました。
確かにあのとき回収した精液は封印魔法の中でまだ生きています。開封して活性化剤の中に混ぜ、お姫様
には排卵誘発の魔法を使って子宮の中に注入すれば妊娠する可能性は極めて高く、また異常の発生する
確率も低い案でした。
「誰の精液を使ったかなど、他の者には分かりません。何より王子の子を孕めないのであれば、私は
あなたの子を孕みたいのです。」
真摯な声、そしてまっすぐな瞳でお姫様はおっしゃいました。

これまでもさんざん危ない橋を渡ってきましたが、ここまで来ると綱渡りです。万が一ばれたら断頭台
間違いなしでしょう。お姫様もただでは済まないでしょうが
「あなたが元は男だったことを知っているのは私とあなただけです。墓の中まで持って行きましょう」
こうなると後に引かない方であるのはよく分かっています。腹をくくるしかないようです。

翌日の夜、全てを整えてお姫様の寝室にお伺いします。あらかじめ人払いを命じておられるので周囲には
全く人気がありません。それでも万が一に備え妨害魔法を仕掛け、視界と音を遮ります。
そしてお姫様に念を押します。
「本当によろしいのですか。」
「よいのです、というよりそうしてほしいのです。」
「分かりました、では失礼します。」

お姫様のショーツを取り払い、膣口がよく見えるように膝を立てて横になってもらいます。
そしてお姫様の下腹部に、卵巣の辺りに手を当て、活性化の魔法を掛け排卵を促します。
「んっ・・・」
卵巣が卵子を放出したのを感じ取られたのでしょうか、少し身じろぎをされました。
次はこちらの番です。注射器の中に封印を解いた精液と活性化剤を混ぜたものを注ぎ込み、その口先に
管を取り付けます。そしてお姫様の膣口に管の先を差し込み、ゆっくり押し込んでいきます。やがて
子宮口に届いたので「少し痛いかもしれませんがご容赦ください」観測魔法で中を見ながら、子宮口
の真ん中に管を差し込み、中に入れていきます。やがて抵抗が軽くなり、先が子宮の中に入り込んだ
事を確認すると注射器の中身を注ぎ込みます。管の中を白い液体が流れていき、お姫様の子宮の中を
全て満たしたのち、管を引き抜きます。
管を引き抜いても子宮口は精液を外に漏らすことはなく、その中の精子は卵管を通り排卵されたばかりの
卵子に向かって突進していることでしょう。
「・・・終わりました。」
「そうですか、ご苦労様です。」
お姫様はお腹をなでながら少しほほえんでおられます。

後は何の問題もなく懐妊されることを祈るのみでしたが、
「ご懐妊!ご懐妊!王女様がご懐妊!」
あっさりと懐妊が判明しました。
こうなると私の出番ではなく、女官たちの独断場です。それから9ヶ月、お姫様は王宮の一番奥に籠もられ
出産に備えられます。そしてその日がやってきて全ての人がやきもきする中、王宮内の鐘が打ち鳴らされ
ました。赤ちゃんの誕生、それも男の子です。
お披露目の場では王子様と赤ちゃんを抱きかかえたお姫様はそろって国民に笑顔で手を振っておられまし
たが、私としては実に複雑な気分です。内々の場で国王および王妃よりお褒めの言葉をいただきましたが、
平静を保つので必死でした。

自分の子供を生む、女にとってそれがどんな意味を持つのかお姫様の顔を見れば分かります。
私もその気持ちが分かるのでしょうか?
ゆっくりと自分の下腹を、子宮の辺りをなでその未来を想像してみます。しかしその相手は誰になるの
でしょう?
自分の精液で自分の子供を産むなんて事は考えたくもありません。となれば誰かが私の夫となって私の
中にその精を放ち、それを私が受け止めて妊娠する。でもその夫となる人の顔が
「あぁここにおられましたか。」
「ひゃあっ!」
「驚かせてしましましたか、済みません。」
申し訳なさそうに頭を下げるのは王子付きの宮廷魔道士。この2年間ずっとこの人とペアを組んで色々な
(それこそ表に出せないようなことまで)こなしてきましたが
「ずっと探していたんですよ。」
「あら、何故ですか?」
「ずいぶんと思い詰めた顔をされていましたからねぇ。」
「そう・・・ですか。」
この人は優しく、賢く、鋭い。私の異変をあっという間に見抜いていました。
「どうかされましたか?」
「いえ、よく気づかれたなと思いまして。」
「あなたのことをずっと見ていましたからね。」
そしてこういううれしい一言も忘れない。

・・・この人なら大丈夫だろうか?

そしてその6ヶ月後、この人からど派手なプロポーズを受けてひっくり返りつつ、それを受け入れる
私がそこにいました。
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