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私立TS(東部双子葉)学園F組 後編

2017/08/02 08:06:14
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おまけ1 本編終了後まで続くくらい長い一日

決断をしたあの後、僕…もとい私は違和感を覚えた。
女になる事を決断したのにボクサーパンツなんて男装っぽい格好は気持ち悪い…と。
半ズボンも気持ちの良いものではないけど、女性用の私服とかないのでそこは妥協する。
いつものようにショーツを履く。落ち着いた♥
週5ショーツなのがもう体に染みついたというのもあるのだろう。この下着の方が落ち着くし楽だ。
変な突起物を圧迫する苦しさはあるけどそれでもショーツの方が安定して履ける。ヒップのラインも断然こっちだしね。


私は女の道を選んだ。決め手が何なのかは難しいが、自分の未来予想図で浮かび上がるのが女の私ばかりなのは確かだ。
直接は関係ないけどこっちの道だと試験の結果に関係なく女性化コースを選べるので本当に私の性別は決まった。
男に決めて試験で落ちて結局女性化という面白おかしいエンディングもあり得たが、もうIFの世界だ。
I wish I were a bird. レベルにIFだ。
私が鳥になるとか、水中で暮らすよりあり得ない話になったね。例え話が悪化したよ。
でも私が男として生きる確率はもうそれだけ低くなった。


聡明くんの告白を思い出す。壁ドンされて愛の告白はきっと美味しい筈。
女初心者の私にはその美味しさが十分に理解できないが、告白が嬉しかったのは確かだ。
そして何故か激しくキスされるイメージが出てきた事を思い出す。私の乙女フィルターって大胆だ。
彼の事を考えると体が火照るのは、単に恋愛経験がなかった私が情熱的な告白を受けたからだろうか?
それとも私も彼に恋したのだろうか?男性に恋をした経験がないだけに少し困惑する。嬉しいは嬉しいけど。
まあ聡明くんが私の知る限りで一番いい男だとは思うけどね。ちょっと振り回されそうだけど。


彼の顔を思い浮かべて体が火照り、下半身も熱くなった。
キツキツだったショーツがよりキツくなった。
女になる事を決意したけれど体はまだまだ男の子という事か。残念だけど。

イヤだけれど、反応した以上は射精をしてスッキリしたい。
薬品投与時や試験の時に見る動画の事を思い出しながら下腹部を撫でる事にした。
女優の顔を自分に置き換え、男優の顔を聡明くんに置き換える。
私はこの女優とは違って大きくした彼に嫌な顔はしないし、咥える事に文句を言ったりはしない。
上手くできるかどうかは分からないけれど口でもしてあげられるのなら嬉しいじゃない。

日頃の授業のおかげか。
いや、授業とかは関係なかったね。私の本質があっち側だから女性の方に感情移入できるだけ。
女性化教育とかF組のせいにはしない。私は女性化の素質があるから自分の意志で女を選ぶ。

「あん♥」
彼に求められキスされる私、画面の向うの女優より可愛く喘いでいる自信はある。
指で彼のペニスを再現しつつどうにかオナニーに励む。
聡明くんのはこんな指よりきっと立派なんだろう。そう思いながら私の指は加速していく。
上下に指を動かすが私の下腹部にある棒が邪魔で動画のエッチを再現できない。
憎棒…もとい肉棒が邪魔で聡明くんの(と自己暗示をかけた指)が下の唇への到達を妨げている。
それから縫い付けられたような陰唇もどうにかしたい。これじゃあ入れて貰って感じる場所がないよ。
すっかり女性に寄った私にとって男の子みたいな性器は単なる邪魔者でしかなかった。
棒をシュコシュコはちょっと厳しい、女性が入れられる感じを無理ながらも再現する。
精神的な満足感のおかげか、射精よりも気持ちのいい感覚がずっと続いていった。

長い快感の末、残念ながら私は男の子みたく射精してフィニッシュした。
本当にこの棒とボールが邪魔だ。あとは割れ目が縫い付けられたようなものもどうにかしたい。
一刻も早くこれをどうにかしたい。早い手術がしたい、最悪、女性化の薬で散らしたい。

でも、邪魔なモノには違いないけれど、私にとっての理想的なエンディングの為にまだあった方が良い。
私は男性としての試験にちゃんと合格した上で、自分から女の道を選ぶんだ。
だから、このお飾りちゃんとはもう少しのお付き合いだ。
最後の射精、いや試験があるから最後から2番目の射精だね。
それを終え私のお股の飾り物はだらりと力を失った。

これを最後に使うのは試験の時のあと一回だけ。
それを除けば私はもう二度と男の子の行動をする事がないんだろう。
長い長い一日の最後に完全に女になった自分を思い浮かべながら私は意識を失っていた。
目を覚ましたら男も失ってればいいのに♥
ってそれは試験の後の方がが良いよね。




おまけ2 F組の同窓会

卒業してから7年もの月日が流れた。順調に進めば大学へ進んでも就職を決めている頃だ。
私は念願の『女』教師の座を手に入れた。教師ではなくあくまで女教師、この一文字がすごく大事ね。
でも夢のうちの一つが叶ったのは嬉しいけれど、教師になったら自分の時間は少なくなってしまう。
だったらまだ時間があるうちに昔の仲間と会いたくなるというのが人間というものだ。
さて、私の他にも間もなく就職を控え働く前に何かしたいと思う人は少なくない。

双葉などかつてのF組の仲間に連絡をして同窓会を開かないかと提案してみた。
浪人だとか、すでに就職してたとか、いっそ永久就職組がいるとか都合のつかない人も少なくなかった。
…永久就職組は全員参加だったけど。

暇ではないけど1日だけならどうにかして貰えるみたい。みんないい人見つけたなあ。


F組の初期メンバーが32人で最終的な性別が、男子14人の女子18人で参加者は男7の女13だ。
最終的な性別を言わないといけない同窓会っていうのも珍しいけど、F組なら絶対言わなきゃいけない内容だよね。
ついでに男子14人は破格の多さだ。随分前に日記に書いた気もするけど全滅の年すらある合格率だし。
例年なら5人合格で教師と生徒が褒められるくらいだそうだ。
5人が合格と言えば、女子の中の合格者が実は5人だ。私とか双葉とか。
この5人の合格者は当然全員参加…と言いたいところだけど薬学部で今忙しい時期の蜜葉さんだけ出席NGだって。残念。

当然と言えば当然だけど、出席率はF組や女性化に対していい印象を持っている人ほど高い。
双葉のように好き好んで女になった子はもちろん出席だよ!!と二つ返事でOKだし。
不参加の蜜葉さんだって参加したがってたようだし。メールで誘ったら断りを入れつつ3時間の長電話とかね。
「ああー、あの日々が懐かしいのよ。もう一度F組で女らしさを学ぶ日々を送りたいのよ」とかF組に対する
愛着がかなり強そうだっただけに何だか悪い気がした。
意外にもかやっぱりか分からないけど薬学部に入った理由は、女性化薬に携わる仕事をしたいかららしい。
とある不運な女の子を救える仕事とか素敵だもんね。理科系等の科目の成績がもう少し良かったら私も薬学部だったかも。

女子に対して男子の出席率はイマイチだ。
単に私とそこまで親しくないって可能性もあるけど、多分F組自体好きではない人が多いんだと思う。
男子組の中にはF組にいた事を黒歴史とする人もいるようで、そういう人たちは割と素っ気ない。

かつて女になる教育を受けていた少年が男らしく育った姿を見たかっただけに残念だ。
7人も参加したと逆に考えるべきかな?
そもそもF組の同窓会をやって男の子が参加する事自体、本来はレアケースだし。
2~3人しか男子がいない年とか女性陣がどうにかして男性陣の予定に合わせてるみたいだし。
女子会な同窓会も悪くはないけど、華とか色気で考えると女ばっかっていうのはね~。



7年来の再開はとても感慨深いものだった。
双葉とか聡明くんとか直接だったり、メール越しだったりで顔を見てるから驚きはないけど、
懐かしい人たちは変わっていたら当然驚くし、変わらなかった場合も結構ビックリする。
例えば、初の連続赤点で強制女性化を受けた千歳清菜さんと7月にFが決まってしまった直枝葵葉さん。
彼女たちは女性化や不合格を嫌って、Fが決まった時はどちらもかなり泣いていた。
見てるこっちが泣きそうなくらい、女になるのを嫌っていた。
でもそんな2人がお嫁さんやお母さんになってるんだから人生って良く分からない。
青葉さんの方は新婚でまだ子供がいないけどね。でもゴールインは快挙だと思う。

女性参加者13人のうち、なんと4人が既婚者だから確率はかなり高いだろう。
因みに4人、不参加の蜜葉さんを含めたら5人かな?5人のうちだと結婚をしたのは若葉さんのみだ。
だから強制女性化を受けた子達の方が(人数でも比率でも)多く結婚している事になる。
参加者9人中3人が嫁になるのは流石F組(?)って事なのだろう。
千歳さん(結婚して今は鳴海さん)や直枝さん(今は棗)は男としての自分の能力の低さを味わったから、
女として、ヨメとしていい男を捕まえる事に全力を注いだのだそうだ。
強い男になれなかった分、愛される女になる為の努力を惜しまなかったらしい。
彼女たちを見ると、過大評価や大口に見えないところがイイよね。

男の人を落とす能力も、甘えるスキルも十分に磨いて女の魅力には確かな自信があるんだろうだ。
何より自分を選んでくれた旦那さんを後悔させない絶対的な自信も持ち合わせてるって。
女は化けるって言うけどこれは本当に化けたよね。私や双葉より美人に見えるかも知れない。
当時は女と言えるかどうかは分からないけど、女に化けた事は間違いない。


意外と言えば私や双葉も意外と思われているそうだ。
卒業時の女らしさはトップクラスでお嫁さんが将来の夢と迷わず言っていた私たちが未婚なのは意外だと。
少なくともどちらかは絶対結婚している、クラスの中で結婚が一番早いのはどちらか…そう思われていたからね。
そう思われてたなんて全く知らなかったけど、結構嬉しい…かな?
私たちは学力も伸びて、教師や看護師と言ったもう一方の夢を叶えられたからか。それだけ嫁力がお留守になった。
そんな感じなのだろう。例え才能があっても女を磨くことに全力を注いだ千歳さんや直枝さんには勝てないよね。



「くぅ~、まさか君たち2人に先を越されるとはね」
「篠宮さんは変に出来が良いから油断が生じるんですよ」
「アハハ言えてる、アタシとか成績悪くて自分じゃ大した仕事できないの分かってるからこそヨメ活に必死なのよ」
「渚もなんか言ってやってよ!!」
「う~ん。2人ともおめでとう?」
「アハハ、ありがとね渚ちゃん」
「渚は双葉より断然いい子だね」
「ちょっ!?何言ってるの渚?」
「だって、仲間の門出はちゃんと祝わないと?双葉の時だってそうでしょ?されて嫌な事しないでよ」
「耳が痛い…」

久々の再開だからかみんな開放的になりすぎてテンションが高い。スゴイ高い。
特に双葉が。

普段は文句なく良い子だけど(時々弄ってきてちょっと困るけど)どうも人の結婚話に噛み付いてる気がする。
結婚を焦る年でもないし、それに看護師になるの忙しくて結婚どころじゃないと思うんだけどなあ。


「甘い!!まだ余裕があると思ってるとすぐに時間って経っちゃうものなのよ」
「どうして私の考え分かったの!?」
「そもそも、私には中学の頃好きだった男の子がいたのよね…その少しヘタレっぽいけど優しくて意外と
熱い一面があって実は将来イイ男になれるんじゃないかってそんな子が」
「その好きな男の子って…?」
「その子と一緒になる事を夢見ながら、ツライ女性化処置を耐えてきたっていうのに…。その子ってば私の告白を
聞いたのに女になっちゃうんだもん。好いた惚れたの問題なら仕方がないとは言え酷い話よね~渚くん?」
「うぅー耳が痛いです」

私にそのケがないだけにもう今となってはどうしようもない話。でもあのときだったらあったかもしれないもしも。
自分が好きな男の子に告白してその子が女になったら…とても考えられない。色々嫌だ。
ただあの時はそもそも双葉さんが告白したとは思ってなかったんだよね。
意味深すぎて、そもそも自分に男の魅力があるなんて思ってなかったし。
聡明くんくらいハッキリ言うのならともかく、あんな遠回しだと告白とは思えないものね。

まあ私じゃハッキリとどころか双葉みたいなボヤっとした告白も無理だけどね。
その意味では聡明くんに救われたのかも知れない。




「ゴメンゴメン、遅くなった」
「聡明」
「やっぱり渚ちゃんと聡明くんって呼び捨てで呼べる関係だったんだ」
「ちょっ!?」
そんな事言われると照れちゃうよ。

でも今日は少し思い切った私になって見ようかな?ある意味で一番のチャンスでもあるんだし。



「さっきまでみんなして何を話していたんだ?」
「女って好きな人と結婚できると幸せになれるな~って話よ」

私の急な爆弾発言の意図に気がつく当たり、鋭い聡明らしい。
彼も私の欲しいものを理解し目を大きく開け、一瞬硬直する。
同じく鋭い双葉と千歳さんも私の意図に気がつきつばをごくりと飲み込んだ。


うまくいけば教師という第二の夢が叶うより先に第一の夢が叶うかな?
女としての私の旅立ち、7年越しであの時とは別種の旅立ちイベントが発生しますように。
ふぅ…。続けて良かったと思います。
無理かも…って思いながら試しに書いてみた強制編が実はネタに困らない程度にかけるとは思わなかった。
良くも悪くもキャラが作者の手を離れて動いてくれたので、夏までの数か月間の割に話が膨らみ個人的には満足です。
別のTS学園モノで強制編を希望された方、私に出来る強制はこれくらいが限度です。
満足したかどうかは分かりませんが、これ以上ハードなガチ強制クラスは多分無理です。
IDNo-NOName
0.540簡易評価
1.100きよひこ
良作ありがとうございました。
8.100きよひこ
おまけ付きなんてとっても幸せ!
多感な時期故にふらふらしてても優しくて能力がある渚、無理にも旗印になってちょいちょい傷つく双葉、イケメンだけどイケメンでもやっぱりイケメンな聡明、3人とも自然にキャラが立っていてよかったです。あと先生。