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アプリ『収集改変』 2話

2019/10/20 05:59:55
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トイレでおしっこをしようとした俺は自分の股間が女のものになっていることをすっかり忘れていたせいでズボンと床に薄黄色い液体を垂れ流す破目になったのである。

液体を止めるために股を閉めようが関係なく出続けるそれは、自分の尊厳すら全て無くしてしまうかのように感じられてしまう。

「ああ…ようやく止まった。」
ズボンを途中までしか引き下げていなかったために、妙な温かさが感じられるのはとりあえず無視し、濡れてしまった物体を下半身から落とした。 ビチャッ

「うう、音が気持ちわりぃ、どうすっかね…ぞうきん替わりになる物今家にあったっけか?」
そう喋りながら掃除に使えそうなものを探そうとしたのだが、その時ベッドの上にある物に気づいた。

そこにあったのは俺のスマホ、自分が男に戻る時にそのまま置いていたのだが…
「アプリを使えば綺麗にできるんじゃ?」
切羽詰まっていた俺は藁にもすがる思いでそれに飛びつく。

そうして濡れたズボンをアプリで収集してみたのだが。
「おお!液体もまとめて収集出来るんだな、こうなるとちょっとしたゴミ箱代わりに使えそうだな。」
ひとまず危機を脱しほっと一息ついた所で思いついたのだ。

「このまま分離させればいいのでは?」
そんな発想とともに試しにズボンを選択すると、簡単に尿を分離出来き、すぐに液体を便器の中に出現させ事なきを得ると、スマホから取り出したズボンを洗濯機に放り込み、下半身裸のまま椅子の上に座ったのだった。
すでに疲労困憊な気はするが、時間を確認すると既に昼の11時になっていた。
「アプリで楽しめるかもしれないし、ついでに買い物にいくか。」

外出の準備の為にタンスから男物ではあるがトランクスを取り出し履こうと下に向いたのだが、そこにはあるはずの男の象徴は無く黒い森だけがが茂っている。
「これ本当は瞳さんの股間なんだよなぁ、他の男から交換して元に… いやむしろこのままでいいかな、瞳さんとのセ〇クス気持ちよかった記憶が少しだけあるし俺自身でも一回試してみたいしな。」

そしてそのまま手に持ったトランクスを履いたのだが…
「なんだこれは、気持ち悪いな」
女性の股間に男用のトランクスは肌に合わないのか、毛がチクチクして痛い、それに裾から空気が通って妙にくすぐったい、こうなると男用の物はもう2度と履きたく無いとしか思えない。
「この気持ち悪さは我慢できないし、買い物と一緒に女物のパンツを買いに行かなきゃな。」
そして替えのズボンを履きスマホと財布をリュックに入れ外出したのであった。

━━━━━
パンツ以外の買い物を終え、そのまま下着を買いに行こうとしたのだが、流石に男の姿だと怪しまれるだろう、そう思った俺は周りに何か解決策が無いか見回してみると、近くの喫茶店にウェイトレスとして働いている黒髪の美女を発見した。

https://www.tsadult.net/h.yotsuba/src/1571431013914.jpg

その女性は30歳に少し満たない程度に見え、客にコーヒーを乗せたトレーを運んでいるようだ。

そして周りを確認するが今近くに女性はいない。
「仕方ない、ならあの人で買いに行けばいいかな、でもあの服じゃ逆に目立つだろうし…」

「ちょっと危険だけどこの方法が一番可能性が高いかな。」
方法を考えた俺は配膳を終え戻ろうとしているウェイトレスにアプリを起動しスマホを構えると、
<これを収集すると周囲の環境が変わり過ぎてしまいます、改竄を行い違和感を起こさせませんか?>
それに対して今回はポップアップを無視し違和感をそのままにしてスマホに収集させたのだ。

するとどうだろう、突然ウェイトレスが自分たちの前から消え去った結果、当然店内は大騒ぎである。
その喧騒にかこつけて店に侵入した俺は急ぎ関係者用更衣室に侵入したのであった。

更衣室にはロッカーが沢山ありどれがこの女性が使っていたものは分からない、
そこでウェイトレスの女性の名前を確認する為、スマホの画面を見るとそこには[島原優香(42)]と書かれていた。
「はぁ!?27歳くらいかと思ったけどあの容姿で40歳を超えてるだって?若作りにもほどがあるだろ!」
まさかの事実に俺は驚愕を隠せない。

しかし今の目的はそこではない、気を取り直し優香さんの名前が書かれているロッカーを探すとすぐに発見できたもののやはり鍵がかけられていた、
すぐにインカメラで俺と優香さんを交換し、ウェイトレス服の中から鍵を探し出すと、そのまま中の私服に着替えたのであった。

裏口から抜け出しそのまま下着店に行き、優香さんの体で女性用パンツを10種ほど買いあさったのだ。
自分の為とは言えウェイトレスの優香さんが消えた事で混乱した状態のままになっているであろう喫茶店で警察が呼ばれてしまえば、あとでこの付近で収集して遊ぶのが面倒になるだろうし何か方法が無いかと考えると。

最初の登録の時に確か元に時間に戻せると書いてあった事をを思い出したのだ、そこでヘルプを読み直してみたのだけど。

改変していなければ(本ユーザーなら改変していても)フリックすれば元の収集した時間に出現させられ、本ユーザーならば自分もその時へ1分範囲内で一緒に移動できるようで、そして一緒に移動する時スマホの中に収集した物と自分が今所持している物以外は全てその時間の状態に戻るらしい。
ならばここは本ユーザーになって自分も過去に移動してしまえばいいのだ。

そのまま俺の住所に生年月日そして自分の本名である渡辺清彦と入力し決定を押す。

その瞬間、スマホの画面の中に<ユーザー様の住所等検索完了致しました、貴方様以外の人物に操作させないためこのアプリに魂紋を登録いたします、またこの登録時多少不快感を覚える場合があります、ご了承下さい>と表示されていた。

「え!?魂だって!」
そう言った瞬間、自分の何か大切なものが掴まれているような感覚に陥り息すら出来ないようになる。
「ぐ…うぁ、うう…… 」

数秒経ち異様な感覚が消え息を整えると、今までの中で一番晴れやかな気分になっているとなぜか自覚したのだ。
その気持ちのままスマホの画面を見ると、アプリの本ユーザーで出来る事の解説が書かれていたのだった。

<渡辺清彦様、アプリ『収集改変』に本登録ありがとうございます、仮登録時に説明に加え新たに出来るようになった機能を説明させていただきます。>

「新たにだって?何が出来るようになったんだ?」
<誕生時間や家族関係・記憶・感情といった存在に関連する性質の『改変』に、『改変』した存在を『収集』した時間に戻す機能が開放されました。>

ここまでは知っているが、これにどんな機能が追加されるのだろうと俺の心が昂ってゆくのが分かる。
<それに加えお気に入り機能が開放されます、収集した存在をお気に入りにしていただきますと、その時点での容姿・記憶・魂を保持した生命をアプリ内に出現させられます。>

「お気に入りだって!これで自分を好きに改造できるぞ!」そう喜んでいると