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きっかけは些細なことから

2020/03/28 07:08:20
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おまけ2


「どうしたの急に。久しぶりじゃない」
「……だってなぁ」

ベッドの中、二人の女が一糸まとわぬ姿で肌を重ねていた。
双葉はご近所からも「とても2人も子供がいるようには見えないね」と言われるほど実年齢と見た目があっていない。
服を脱いでもそれはまた顕著。細身でありながらたわわに実った乳房、張りのあるその美しい肉体は年齢を感じさせない。
時が止まってしまったかのような錯覚すら感じる。あの時から変わらない、若葉はそう思っていた。
双葉に負けないぐらい若葉の体も美しかった。ちなみに胸のサイズでは若葉の方が勝っていたり。

以前はこうして二人でベッドの中でイチャイチャすることは少なくなかった。
だがトシアキが大きくなってからは控えていた。成長してからは何かとそういうことにも敏感になってしまう。
余計なことは知らない方がいいし、感づかれたくない。
だからトシアキがいないときを計っていた。だけど、我慢できなくなった。

「トシアキ、あんなになっちゃって……」
ある日突然女になったトシアキ。原因は? 心当たりはある。
多分アレだ、女になったやつから移されたんだろう。それはいろんな意味でショックだった。

「俺達と違って普通に男として生きてほしかったのに」
「うんうん」
「それと、そんな奴とヤッちまったことはさ、親としてショックじゃねーか?」
「そうだねぇ……」
「なあ、もういい加減本当にこと言ってもいいだろ? 俺が本当は、お父さんだって」
「それはつまり、私の事も話すの?」

そう、トシアキは自分は母子家庭だと思っていたが、実際のところは違う。
年の離れた姉、若葉は実のところトシアキの実の父親だった。
それだけでない、母である双葉もまた、元々男だった。

あの日、突然にして双葉は女になった。
合コンで盛り上がったあの日、一人の女子を双葉はお持ち帰りした。
だが、それが間違いだった。その女子は本当は男であり、そこから双葉は感染して女になってしまった。
幼馴染で仲の深い若葉にそれを相談したのだが、若葉は女になった双葉に惚れてしまった。
男のハートの残っていた双葉だが、幼馴染の中も手伝ってか互いに惹かれ、肌を重ねた。

そして若葉も女になった。

だがそれで終わらなかった。ある種のタイミングか、何かがいろいろ重なった幸運なのか、双葉は妊娠した。
そのことに若葉は責任を持つ、と言って二人は結婚したのだ。
しかし実際にはこの事情は複雑すぎる。トシアキも理解が難しいだろう。
そう思って若葉は自分の事は年が離れた姉だということにした。
適切な時に、本当のことを話そうと思って。

それが、今かもしれない。

「ふふん、なんだかんだいってさみしいのね若葉は」
「そ、そりゃそうだろ。母親と姉じゃ距離も違うだろ」
「そうかしらねぇ」

トシアキを産んでからは双葉はすっかり女になった。言葉遣いも仕草も何もかも。
大して若葉は男っぽさは抜けていない。自分でもハートは男のままだと認識している。
それがトシアキとの距離にも影響している、と思っているらしい。
トシアキは元々甘えるタイプではないが、姉と母であれば母に甘えるのが普通だろうと思っている。
実際はそうでもないのだが、困った勘違いね、と双葉はため息を漏らす。
要するにブラコン、ではなくムスコンである。

「そ、それと……」
「それと?」
「久しぶりに、おっぱい飲んでほしーなーって」
「んー? 私じゃダメってこと?」
「ひゃふぅっ!」

遠慮なく若葉の胸に吸い付く双葉。すると自然と母乳があふれてきた。
トシアキが生まれた時、それはほんの冗談だった。
双葉が手を離せなかったときにまだ赤ちゃんだったトシアキがぐずってしまい、その時ふと授乳ってどんな感じ? と興味本位的に吸わせてみた。
そしたらびっくり、産んでないのに母乳が出てきたのだ。
それからというもの、早々に母乳のでなくなった双葉に変わってトシアキに母乳を与えていた。
それもトシアキが5歳になる頃まで続いていた。さすがにその頃になるとトシアキも恥ずかしさを感じて遠慮するようになったのだが。

だがそれで止まったわけじゃない。今でもこうして母乳は出続けている。
それは専ら双葉が飲む役割でもあるし、トシアキの見えないところでこっそり搾乳機を使って絞っていたり。
でもやはり自ら母乳を上げていたから、愛着は強いわけで。

「でも今更飲んでくれるかしら? キヨヒコが」
「む、無理にでも飲ませてやるっ!」

実はトシアキ自身は5歳ぐらいまでおっぱいのんでいたという記憶があったり。
ただし、それは双葉にすり替わっているのだが。まさか実の姉と思っている若葉から飲んでいたとは思うまい。
とにかく、正体を明かしておっぱい飲んでもらう! そう固く誓う若葉だった。



「けどトシアキもトシアキで若葉よりずっとおっぱい大きくなっちゃったけどねぇ。あれこそ母乳が出そう」
「変なこと言うなよ、双葉」

本当に母乳が出るようになってしまったことをこの百合夫婦が知る由もない。




気が付けばノリと勢いで書いていた。反省している。
男子校で集団TSネタってもう何回目なのか。
それにトイレネタは今回も入れてしまった、結局。
XJ
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