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ルナティック・トランス(1)

2017/05/23 17:32:57
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「ダメ…もう…ダメ」

男に戻ってからまだ一週間しか経っていない。だがもう発作が起きてしまった。
変身している時間も長くなっているし、向こうの側に引っ張られる感覚も強い。
なによりも怖いのは頭の中はハッキリとしている事だ。俺は男で…清彦なのだ。
清彦だという認識があるのにもかかわらず欲しいんだ。男の…彼の精が。

お願い。
俺の中にいる私。
この発作を、衝動を起こすのならばせめてこのカラダを変えて。
男の体ではなく、男の精を受け入れられる淫乱な女体に作り変えて…。


俺の心はこの時には完全にサキュバスの側に持っていかれたのだろう。


1月目 満月の夜


後になって考えれば昔から兆候はあったんだと思う。
昔から満月の夜だけは妙に気持ちが昂って興奮していた。
俺はそれを月の引力に体の水分が引っ張られただけだとかいうトンデモ理論で納得していたけれど全く違っていた。
理由が判明するのはもう少し先の事だが、今はすぐ近くにある問題をどうにかするべきだろう。



「どう見ても女…なんだよなぁ」

胸の場所で不自然なまでに主張する凹凸は拳サイズを2倍にしても足りないくらい大きいし、
ぷっくりと膨らんだ乳首はAV女優のそれと比べてすら立派だ。あとピンク色がやたら綺麗だ。
ついでに触り心地のいいか見は妙に伸びてて、現実では結構珍しい腰までの長髪だし肌ツヤはやたらキレイだし。
あと、限りなくアウトにし近い女パンツをはいてるように見えるのは目の錯覚だ。本当はパンツ脱いでる。

問題のパンツの中身はというと中にナニかがあるようにはとても見えない。
指で撫でてみても突起物があるようには見えず、逆に人差し指が内側に入っていく感覚があった。
どう触ってもツイてるようには感じなかった。突然の女性化に俺は戸惑うばかりだった。


突然の女体化に混乱していたが暫くして、頭も冷えてきた。
冷静になってくると、今まで忘れていた欲求(尿意)も復活してくる。
どうやって出せばいいのかは分からなかったが、トイレに行かない事にはどうしようもないので取り敢えずトイレへGO!!

立ってするのが無理なのは分かるので取り敢えずしゃがんでみる。
しゃがんでみたのはいいがどうやって、どこから出せばいいんだろうか?
しゃがんだ時に前に来る場所から?それとも尻穴の近くで下にある場所から?
飛ぶ場所が分からなくて濡らしてしまいそうなので念のためズボンとパンツを完全に脱いで丸出しにした。


「んっ…うっん」
下半身に力を籠める。
出そうな感じはするけど出てはこない。

「うっ!!うぅうっ!!」
もう少し力を入れてみると雫が飛ぶような音が聞こえた。
しかし音の大きさから考えるとほんの少し漏れ出ただけらしい。
さっきよりかはいい感じだけれどまだ何かが欠けているらしい。

その後も何度か強く力んで力を抜いての繰り返しで一応尿意が収まる程度には出す事が出来た。
何度も挑戦したのが良かったという事だろう。ただ、どのタイミングで出やすいのかは良く分からなかった。
それと力んだ割にオシッコが飛ばなかったのは良い事なんだろうか?
あんなに力んだというのにトイレの中は洪水にはなっていない(それでも結構濡れていたけれど)


オシッコを出すモノがないとうまく出ないし、うまく飛んでいかないという事か。

まぁ飛んでいく場合は便器を飛び出して飛んで行っちゃうんだけど。
反対に水滴や水滴よりかは多少勢いのある程度の水が下に垂れていく感じもあった。
そのせいで尻部分が濡れてて気持ち悪い。
飛びすぎと飛ばなさすぎの両方をやらかしてしまうとは排尿の仕方は大失敗なんだろう。


落ち込んだ気分で尻と前を紙で拭き、ズボンとパンツを履きトイレから出た。
再び鏡で自分の顔を見てみる。そこに映っていたのは相変わらずの長髪美少女で巨乳なのはシャツの上からでも分かる程だ。
よく見ると頭の部分に何かついているように見えた。

「何?これ」
頭の上についていたものは小さく少しとがった突起物らしきもので触れられた感触も特になく、ツノみたいなもののような気がした。

ハハハハ
突然の女体化で驚いてるっていうのに、ツノまであるとか人外かな?
性転換と慣れない方式の排尿で疲れた俺にツノの存在は重い追い打ちだった。
現実を受け止められなくなり、現実から逃げるように俺はベッドの上に横たわり目を閉じた。



2月目 新月の夜

半月前の出来事は夢なのだろうか?現実なんだろうか?
俺はあれからずっとその事ばかり考えていた。
普通に考えれば突然の性転換(しかも悪魔化っぽいツノがある)など夢の出来事だろう。目を覚ました時はベッドの上にいたし。
ただ夢にしては妙に生々しい。急な性転換での驚きも、排尿の悪戦苦闘ぶりも、
何より女になってこれからどうしようか迷い落ち込んだ感覚は夢で片づけていいものとも思えない。

人間はワガママな生き物なんだろう。
(夢かもしれないが)あの時は女になってしまった時、元に戻って欲しくて女の体に絶望感すら感じていたが今はその逆だ。
夢ならまた見たいし、もし仮に現実ならもう一度体験したいとすら思っていた。

せっかく女に慣れたというのに俺がした事なんて排尿位だ。
豊かな胸を感じる事も、女体の神秘をまじまじと見るでもなく…。女湯に入るという手もあったな。
何より女として一度イッてみたい。嘘かホントか女体は男の体より気持ちがいいなんて噂もあるくらいだ。
気を失うくらいの女体化オナニーはもしチャンスがあるのなら体験してみたい。


自分の男としてのスケベな本能に呆れつつ、女の体に憧れる日々はもうしばらく続いた。



2月目 満月の夕方

俺は相変わらずあの日の出来事が忘れられず物足りない日々を送っていた。
そしてあの、女の感覚をもう一度味わう事を半ば諦めていた。
男が女に、しかも少し悪魔っぽい姿のものに変身するなんてファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。
ただ、その感覚をもう味わえないとわかったからだろう。悶々とした感じが強くなってきている。
半月前と比べて明らかに強く、女の体を欲するようになっていた。

今日は夕方前には講義が終わっていて、いつもより早く家に着いていた。
時間も早いし、食料の買い出しでもしていようかと思っていた時だった。
急にふらつき転んでしまい目の前が真っ暗になってしまった。


「あいたたたー」
転んだ拍子にベルトでも外れてしまったのか、ズボンがずり落ちていた。
窓の外を見てまだ青空だったのが、夕暮れが近くなっていることに気がついた。

「転んだ拍子に寝落ちしちゃったのか」
喉と声の調子が悪いようで何だか変な声が出てしまう。
倒れた拍子にズボンおろして寝落ちすれば風でも引くか。
と思いつズボンをはいていると更なる違和感が襲ってきた。
ベルトが緩すぎてハマらないし、手が妙に綺麗だし、それから立っている筈だけどいつもと景色が違って見える。

鏡の前に立てば案の定、あの時の金髪悪魔ツノ美少女だった。やった♪


胸に手を当てる。掴めないくらい大きい。嬉しい♪
立派でピンクの乳首もやっぱり好感触。
「ん…あぁん」
ついでに高感度♥
パンツを下ろし中身を確認する。
ひだひだがあった。綺麗な形かどうかは良く分からないけど色は薄いし悪くない…と思う。
比較できるほど女体を見たわけではないが(ってかそもそも生の女体は見た事ない)今の自分の体は相当ハイレベルだと思う。


前回は女性器の形状すらロクに見てなかったという体験勿体ない事をしたけれど今回は女体を十分に観察出来て少し満足♪
でも『もし次回女になったらナニをしようか♪』を作っておいたので見てみるか。
どれどれ。

オッパイ確認
胸を思いきり掴んで、揉んで、乳首をつつく。せっかくの豊乳なんだから思いきり揉もう。30分はヤリたい…か
胸は軽く揉めたし、立派なのが分かったからこれでいいや。
おマンコはオナニー前にじっくり観察し女体の神秘を堪能しろ…か
観察はして、結構きれいなのは分かった。女体の神秘っていっても自分のだとあんま有難くないかも。
って事でこれも終了か。

結局リストでやったのはオナニーを除いて女の子オシッコの仕方を憶える事だけだった。




どうも女になると男だった時と感覚や心が違うんだろう。
オッパイやおマンコとか女体を存分に味わいたかったけれど、女になるとさほど興味がわかないらしい。
あと性欲も男の時より少なくなってるってことだろう。
やりたいことリストの時はあんなにも胸を揉みたいし、オナりたかったけれど今は少しで満足しそう。

「ぁん」
脂肪の塊を触ってもそんなに気持ち良くはないけど、胸を揉まれる感覚は好きかも♥
揉まれる度に甘く痺れ、突かれる感覚がくすぐったくも心地よい。

割れ目に人差し指を当てる。
割れ目の奥からほんのり湿り気を感じる。
指を中に入れ少しだけ奥へ。最奥までの挿入はまだ怖いので少し奥に入れるだけ。
でも入れた指を左右に動かし膣を刺激する。ちょっとずつ気持ちが昂っていく。
気分は昂ってきているけれど、気持ちの良さはまだあまりない。
でもほんのりそれっぽい感覚があるかも?

胸と膣を弄り挿入し、少しずつだけれど気持ち良さが上がってきている。
しかし感じるまでの期間が長いみたいで、少しの気持ち良さの為に大きな体力消耗を伴うオナニーだった。
結局は本格的に気持ち良くなるだけで気を失っていた。
女体オナニーはもう少し頑張らないとダメかな?どう頑張るかは分からないけど。




3月目 小望月の深夜

この一か月間、俺は例によってこの女体化を待っていた。
大体今くらいだとは思っていたけれど深夜に来ちゃったかぁ。前回は夕方くらいだったせいで油断してた。
せっかくの女体化の何時間か(最大3時間)を気付かずに使ってしまったのは勿体ない。
まだ眠いせいで今回のオナニーは気持ちよくなる前に寝ちゃいそう。


「ん…いいかも♥」
前回と同じく、胸を掴んで揉み割れ目の中に人差し指を入れただけだが快感が来るのが前より早い。
体が女オナニーに慣れてきたのか、胸と膣の両方で感じているのが良かったのかは分からない。
が、期待してなかったオナニーは前回よりも調子がいい。
頭はまだ少し夢の世界にあるような気がするが、気持ち良さは近くに来てくれている。

でももう少し刺激が欲しい。
体の動きは鈍く激しく手を動かすのは難しいけれど、指を二本挿入したり親指挿入は出来る。
寝ぼけている割に私って結構頭がさえてるじゃん♪

激増こそはしなかったが気持ち良さはさらにアップし個人的には結構満足だ。
これで心地よく眠れる。少し短かったけれど今月の女体化は一番良かった。




………って朝になったのに女のままだーっ!?



3月目 満月の朝夕

2か月前、俺は女になる事に憧れていた。夢だと思っていた女体化が本物と分かった時は本当に嬉しかった。
この1ヵ月だってそうだ。俺は1か月間ずぅっと女体化を待ち続けていた。
せっかくの女体化もたった1日しか持続しなくて物足りない。
女オナニーだって全然し足りないし、堂々と女湯に入ってもみたいし、女ものの服も着てみたい。
せっかく女になったらナニをしたいかリストを作ったっていうのにこの未消化率の高さは勿体ない。
せめてあと1日…出来れば1週間以上は女のままでいて欲しかったと思った。


と昨日の夜は思っていたけれど、元に戻れなくなるだなんて…。
ベースが男だからこその女体化であって、もう戻れないと楽しむ余裕もない。
昨日まであんなに興味津々だった自分の、女としての恵まれたボデーに対しても何の興味もわかない。

いや、でもまだもう戻れないと決まったわけじゃない。
1日で戻った回数はたったの2回だ(変身した回数も2回だけど)数日したら戻るかもしれない。
仮に戻らなくとも女の体を存分に楽しまなきゃ損!!
このところ女体化する事ばっかり考えてたんだ。今は、今だけはこのカラダを存分に楽しもう。

まずは女ものの服と下着の調達だな!!




いつもの俺なら男に戻れるかどうかわからないこの状況なら悩んでたけど、今日は悩むより先に動いていた。
女体化中は性格が大胆に変わるんだろうか?

性格の変化はかなり大きなもののようで、必要な服や下着を少しだけ購入しようと思っていたら買いすぎた。
普段はややケチで倹約なはずだけど、服コーナー・下着コーナーに入るとテンションが上がってしまい
思っていたよりかなり多く買ってしまった。買った直後は少し反省したけれどそれ以上に手に入れた嬉しさの方が大きかった。
つまり無駄遣い+ほとんど反省せずだ。テヘヘヘ。

だって今の私はかなり可愛い(というよりかはセクシー系かな?)美少女だというのにこんな野暮ったいズボンはない。
シャツだって変に大きいし地味すぎるデザインもバッド。パンツタイプにしたってもう少しおしゃれなのにしたいし
スカートタイプならより良い。結構キワどいミニで男を誘惑するような格好とか憧れちゃう♥
何より今の体にトランクスとか履き心地最悪~。
ポップなカラーのショーツとお揃のブラにしたいよね。


女の体が馴染んできたんだろうか?
買い物時の私のテンションが妙におかしい気がする。
少しは冷静になったけれど、それ以上に買ったものを早く身に着けたくて少し急いで家へと帰った。
ルンルン気分で部屋の前に到着すると見慣れた姿が待っていた。


「えっ敏明!?」
「んっ誰?」


3月目 満月の夕方

どうにか誤魔化そうと思ったけれど、敏明に思った以上に怪しまれ結局バレてしまった。
でもまぁバレるのはバレるので案外悪くないかもね。友達が事情を知ってればイザって時に助けてくれるかもしれないし。

何より興味あるんだよね。
女としてのエッチに♥ただ見知らぬ男に頼むのも怖いし変な男と絡むのは流石に嫌だし。
その点敏明なら気心は知れてるし、アイツのが中に入るんだっかた男と絡むのも悪くないかなって思える。
チンチンが体の中に入ってくることに何の抵抗も感じないとは言わないけれど、相手が彼なら少しドキドキする♥



「で…どうしてこうなったんだ?」
「敏明って女の子に興味なかってっけ?そっち系?」
「ちゃうわ。ってか見た目女の子でも中身が清彦だからそそらないってダケだ」
「我ながら結構カワイイと思うんだけどなぁ~」

下着から服から、買ってきた女ものの製品をフル装備♪
素材自体は良かったのだろう。着替えた私はかなりの美女に変身していた。
抜群のスタイルと、白い肌、かなりきわどい下着と、超ミニ+薄手キャミとかなり色っぽい。
少なくとも今の私よりセクシーな女を私は見たことがない。
それに敏明だって、口では嫌そうなことを言ってるけれど顔が赤いし息も荒い。
やっぱり興味あるんじゃない(笑)


「えへへ。実は2か月前からたまに女の子になる日があったんだよね」
「なんだよソレ?初めて聞いたぞ」
「先月までは妙にリアルな夢でも見てたかなって思ってたし」
「そりゃあそうか。現に俺も目の前の女の子が清彦だなんてまだ信じきれてないし」
「ええっ!?まだ悪戯か何かと思ってるの」
「半分だけね。急に女になってましただなんて信じがたいし」
「でも半分は信じてくれてるって事?」
「ああ。悪戯にしちゃ手が込んでるしこんなエロエロのドッキリは清彦らしくない。
それから俺が万一欲情したらと思うと仕掛け人の女の子が現れるとも思えない。悪戯説もどうも信じ難いからな」
「まぁいいけどね」
「ってズボンに手をかけるな!!」
「残念♥せっかく女の私がソノ気なのに」
「お前は清彦だろ!!」
「据え膳食わぬは男の恥たゾ♥」
「役に立つ逃げるは恥じゃない!!」


分かってはいたけれど、敏明はこの私を目の前にしても喰いついてはくれない。
今の私に女の魅力がない訳じゃないんだけどこんな押せ押せだと男の人もソノ気にならないか。
まぁ私も男なんだけどね。体が火照ってきて待ちきれないけどここは少し遠回りしようか。



「ところで、家に来た用事って何?」
「いや、今日お前学校、休んでたろ?様子見に来たんだよ」
「ああー」
女ものの服と下着の調達ばっか考えてたけど今日、普通に金曜日だったね。
どうも女状態の俺ってば周りが見えなくなるな。

「元々顔見てすぐ帰る気だったし、俺はもう帰るよ」
「もう帰っちゃうの。せめて夕飯くらい食べていってよ」
「少し腹は減ってるけど、ここにいたら危険な気がするしもういい」
「危険ってどういう事よ!!」
「喰われそうって意味だ。見た目女の子だけど清彦に食われるのは嫌だからな」
「もぅ酷いぞ敏明は」
ちょっとピンチ、帰られるとどうも出来ない。
何か流れの変わる事ってない?
「本当に元気そうで安心はした。変わりがないって事はないけど…」
あっ良い事(悪い事)思いついた。

「元気は元気なんだけどね」
少し弱々しい声のトーンで呟き、敏明に近寄り少しだけ体重をかける。
「この体になってから心細いのか、人恋しいってのもあるんだよ?明日は休みだしもう少しだけここにいて?」
腰の周りに弱い力で抱き着き、そのご可能な限り小さく「お願い」をした。



3月目 満月の夜

フフフフ。やっぱり優しいな敏明君は。
困ったような態度をすると助けずにはいられない。美徳だけど弱点でもあるんだよ。

でも不安で寂しいのは本当なんだからね?
元に戻れるかもしれないけど、もう戻れなくってずっと今のままって可能性だってあるんだよ?
もし自分が女として男に抱かれなきゃいけないなら敏明が良い。敏明が相手なら男とヤっても大丈夫って思える。
だから悪友を助ける為にも女の私の試運転、付き合ってね♥



食事も終え、少しだけのんびり。
敏明も少しは今の私に慣れたのか、もう帰りたいとは言わなくなった。
「床じゃなくってベッドに座ればいいのに」
「清彦だって分かってても、女の子のベッドみたいな感覚があんだよ」
「分からなくもないけど、気にしすぎじゃない?女かどうか微妙な相手だし…そんな事よりなんか様子変じゃない?」
さっきから妙にソワソワしてる。

「いや、なんだ…その」
「どうしたの?」
「お前のきわどい格好を見続けたせいでキツイんだよ。下半身が」
「そいつはしてやったり♥」
「その勝ったようなニヤケ顔やめてくれ」
「さっきからセクシー攻撃してるのに全然反応なくて少し心配だったけどもう安心だ!!敏明君は健康な成人男性ですね」
「急に脱ぐなって!?」



「ふぅ」
「うおっ!!」
上着を脱ぎブラに包まれた胸を露にする。
敏明の下半身が昂り臨戦態勢になっているのが場の空気で分かった。

「えいやっ♪」
ズボン越しのそれを手で掴む。
うんうん♪ご立派ご立派♪
私のと比べてどうだったかな?ほんの数日前は自分にもついてた筈だけど、その感覚を忘れてしまった。
今だけは身も心も女の子って事なんだろうか?実際にこの中のモノを感じてみたいと思っている。
男の精を受け入れたいと思っている。敏明に襲われて滅茶苦茶にされたいとすら思っている。

「お願い敏明、敏明のそれで私を滅茶苦茶にして」
ただ想像している構図は、明らかに襲われてるという画像なのだが内容はその反対だ。
敏明に襲われているように見えて、私が敏明のオトコを貪る。そういった絵面しか思い浮かばない。
悪魔っぽいツノも相まって、さながら夢魔の如くオトコの性(精?)を貪欲に欲する淫乱な私。

対して敏明の熱気も大分高まっている。
下だけじゃなく全身から熱気や精力を感じる。
異様にグイグイ押してきた(しかも中身が友人だし)相手でそんな気になれなかった敏明だけれど彼の方もノッてきている。
さっきから鼻を動かしてて、今の私っていい匂いなのかな?欲情しちゃうほど。


「ねぇ敏明?ぬ・が・せ・て♥」
敏明は無言でこちらに手を伸ばし、そしてブラに触れた。


「そんなに誘惑して、いいんだな?」
「さっきから言ってるじゃない?」
全力の誘惑(全力と言っても自然に出てくるんだけど)が効果的だったようで敏明もとうとうその気になってきた。
自分で言うのもなんだけど顔は綺麗だし、胸が大きくセクシーで、髪と肌のハリツヤも良い。
そんな美女の誘惑を乗り切るのは難しいんだろう。それとも女には飢えてるって事かな?
理工学部で基本女子少ないし。
対する私の方はいつでもOK♥だ。


未だに『男とヤるなんてどうかしてる』『お前は男だろ』など敏明との行為を止めようとする声も聞こえる。
私の理性の声か何かだろうか?
ただ、そんな些細な声は役に立たない。

さっきから、いや昨日からずっと…もっとだ。
先々月からずっと欲していたソレが今目の前にある。…欲しい。
敏明のズボンとパンツを下ろし下半身を露出させた。
雄臭い香りが鼻の奥より深い場所に刺さったような気がした。
敏明は依然、息が荒く赤い顔をしている。

そしてベッドの上に私を押し倒した。



「あうっ痛っ」
敏明が入ってくる。痛い熱い。
でもその熱いモノが入ってくる感覚が気持ちイイ。
大柄な敏明の体重と太くなったソレの痛みしか感じていない筈なのにもっと欲しい。
もっと欲しい。もっと激しく欲しい。もっと強くして欲しい。

敏明の方もすっかり私のカラダに夢中のようだ。
性器を激しく勃て、無心に挿入する。
出しては挿れ私の胎内を引っ掻き回してくれる。

ウフフ
膣だけじゃなくって胸も好きなんだね。もっと激しくむしゃぶりついてもいいのよ。


敏明の荒い息と熱い体が伝わってくる。
ずっと激しかった呼吸も少し途切れる回数が増えてきた。行為が激しい分タフな敏明も疲れてくるのだろう。
ガタイがいいだけじゃなく、体力もある敏明に激しくされているけれど私の方は不思議なくらい余裕がある。
体を重ねてある程度は時間が経っている筈だけれど、私の方は全然果てる気配がない。それどころか開始前より元気なくらいだ。
激しさと気持ち良さで、アンアン言わされながらも彼の様子を観察して反応を楽しむ余裕すらある程に。
エッチで元気になるとか、今の私はどんだけ淫乱なの?


敏明のモノがさらに激しく脈打っている。そろそろ敏明が果ててしまいそうだ。
この時間が終わってしまうのは哀しい。でも彼の温もりからそんなに長くは続かないのが分かる。
だから最後はなるべく激しくシてね♥


「うっ…清彦」
「うん。敏明、キて激しく。もっと激しく」
ああ…熱い。
敏明の精液が流れ込んでいく。
彼の熱を感じ、火照っていた私のカラダもさらに熱を増した。
精液を注ぎ込まれ、私の精力は更に高まった。
しかし、全身にエネルギーが満ちたのだがその熱に体が悲鳴を上げているような気がした。


激しさを増し続けたカラダの昂りに私はいつしか耐えられず、いつしか気を失った。
目を閉じる直前に、すでに気を失った敏明の惚け顔が見えた。


3月目 満月の夜の後

敏明の温もりが気持ちいい。
ずっとこのままこうしていたい。
でもちょっとだけ物足りないかも?

「…あれっ?」
寝落ちしてた?
敏明とシてて少し危ない時が合ったから意識失ってても不思議じゃない。
でも、敏明が帰っちゃったのは残念だ。

明日(もう日付は変わったけど)は休み、朝までオナニーでもしてみよう。
…と思ったけれど敏明との行為がチラついて今更自分の指では満足できないかも。
また敏明に挿れて欲しいなぁ。でも今はもう少しだけ寝ていたい…。





「…あれっ!?」
目を覚ましたら昼過ぎだった。そして男に戻っていた。
前よりかは長かったけれど、もう終わりなんだね。

「今回は3日かな?」
もう少し長く女でいたかったなぁ。続きは来月か。
女になった俺の事可愛いとか思ってくれてるかなぁ?
女になったら敏明はシてくれるかなぁ?
女になって迫れば別の方面で親しくなれるかなぁ?
せめて嫌われないように敏明との関係は悪くしないようにしないと。明日にはそれとなく謝っておこう。


…あと、あいつとの友情も壊したくないよね。





4月目 新月の昼(敏明Side)

あの日の夜が忘れられない。
でも未だにまだ夢じゃないかと疑ってしまう。そりゃあそうか。
親友が悪魔っぽい女の子になってたと思ったらやたらと可愛くて色っぽくて。
そいつはかなりエロくて、そいつに迫られて、しかもその体が良かった…だ。

夢かとも思ったけれど、目を覚ました後にもその美女が眠っててどうも現実っぽい。
悪戯か別人じゃないかとも疑ったけれど、翌々日の清彦の態度から考えるとどうも本当っぽい。
(あの時の事を詫びつつ、変身してたみたいな内容の事を言ってきた)
一番困るのはあの夜の出来事が本当で、そのせいで清彦と仲違いする事だ。
幸いにも清彦の方も俺との関係を悪化させたくないようだったので最悪の展開は避けられた。それは良い事だ。


ただ、その次に困る事が友人関係はそのままで済むがあの時の経験がもう二度と出来ない事…だな。
彼女が出来たことがない訳じゃないが、あの時のアイツの美しさや色気は異常だ。
あの美人との行為に俺はハマってしまったようだ。この2週間ずっともう1度シたいと思うくらいに。

もし仮に、またあいつが女になって迫ってきたら謹んで引き受けよう。
どうかもう1度ありますように。あの夜と同じ出来事が。
そして次の夜はもう少し位は清彦のために動いてやりたいところだ。

4月目 上弦の月の夜

どうやら、俺はもう後戻り出来ないくらい進んでしまったらしい。
先月に買った下着を眺め、軽い自己嫌悪に陥っていた。

タンス一段を丸々占領するほどの下着や服然り、敏明に迫ってエッチしたこと然り。
問題だらけなのにまた女になりたいと思っていること然り。既にスリーアウトだ。
さらに問題なのは敏明との関係の事だろう。
悪化したというわけではない。アイツの方も俺との友人関係を続けたいようだった。
あの日の晩の事で敏明の気を悪くしたというわけではない(多分だけど)

最もマズいのは敏明との関係を続けたい理由だ。
友人を失うのが嫌だというのはあるが、それ以上に女体化時に抱かれたいから敏明との繋がりが必要だ。
と思ってしまっているのだ。
男に戻って冷静になっている今はそんなカッ飛んだ考えはあまりないが女時や元に戻った直後は、
マジにまたエッチできるかどうかばかり考えていた。俺の頭は海綿体でも詰まってるのか?
いや女体化時だから膣か子宮あたりか?

とにかく(今はまだマシだが)友人よりも友人とのセックスを取ってしまいそうな自分に嫌悪感を抱き自分自身を警戒しているのだ。
あと、余談だがこの日の晩に見た夢は女になった俺が敏明に挿入され喜びあえいでいる内容だった。
ホント、俺ってどうなっちゃうんだろう?



4月目 十三夜月の夜

先週は変身現象の事とか、敏明との関係の事とかでかなり落ち込んでいたけれど今の俺はかなりハイだ。
そろそろ1ヵ月が経つ。つまり女体化の時期も近い!!
今日なんかいつ変身しても良いように、課題や予習を速攻で済ませ夕食も終わらせている。
昨日は折角の頑張りが無駄になったけれど、今日こそ変身出来たら良いよなぁ。下着の準備もしてるし。

「うっ」
少しふらつき、頭が急に重くなった。この感覚ってひょっとして…。
意識を失いつつ俺は今後の展開に胸膨らませた。
目を覚ました私は、鏡の前に向かった。


「やっぱり!!」
野暮ったいTシャツ姿だけれど、目の前に移った私は私の願った通りの姿だ。
心なしか前よりも色っぽさを増したような気もする。
この時の為に残しておいたお風呂タイムを楽しんでみよう。



体を洗いながら自分の身体を眺めてみる。
白くハリツヤのある肌と目だった括れに自信のあるウエスト。
胸の大きさは手で掴めないほど大きい。細く長い金髪も武器になるだろう。
知ってはいたけれど、自分の顔や体を眺めるたびに優越感に包まれる。
…さて、明日にでもこの素敵なカラダを使って敏明を楽しませてあげましょうか♪


4月目 小望月の朝昼

「うーん。やっぱりまだちょっと眠い」
昨夜はオナニーを軽めにし少し早く寝たため今日は早く起きる事が出来た。
折角また女になれたんだから夜通し自分の体を楽しみたいとも思ったけれど、大学生の本分は勉強!!
という事で今日はちゃんと登校しようと思う。…半分嘘です。
本当は女になった自分を周囲に見せつけて反応を見てみたい…というのが一番の理由。
まぁ出来る時に勉強しておいて肝心な時に煩わしい事に悩まないようにしたいとも思っているんだけど。

幸いにも今日は出席をとる授業がないので姿が違ってもどうにかなるでしょう。
さて女の私がどう映るのか、周りの男がどんな反応をするのか楽しみでしょうがない♪



キャンパス内を歩くと複数の視線を感じた。それも主に男のものだ。
少し早い、ゆるふわな春服が目だっちゃのかな?…なんてね。
男たちが私を見る視線はそんな理由でないことは分かる。
目で見ても、微かに聞こえる囁き声を聞いても分かる。彼らは私に見とれて噂をしているのだ。
「あんな可愛い子いたっけ?」「誰だ?だがすげー美人」「どこの子だ?」
彼らの私を凝視する視線も、私を噂する囁きも心地いい。

ことろで、女の方が視線や囁きに強かったりするんだろうか?
男の時の私じゃ視線や噂を感知する能力はここまで高くない。
まぁ細かい事は気にしなくてもいいか。今は彼らの視線を楽しもう。


男たちの視線を浴びつつ敏明を発見した。彼に向ってウィンクをしてみた。
彼は顔を赤くし、私から目を逸らした。ウフフ可愛らしいじゃないの。
でも私の事が気になって目を逸らしつつもチラチラ見てくるのって、されると分かるものよ。
敏明へのウィンクで他の男も過剰に反応したみたい。君たちに対して合図を送ったわけじゃないけど。
でもちょっと可愛そうなので彼らにも1回だけ、ウィンク程度ならしてあげるわ。
別に君たちに気があるとかいうわけじゃないけど、少しくらいなら愛の手(愛の視線)分けてアゲル♥

外見だけではなく、気質的にもモテ女になっているんだろう。
異性?に対して妙にアクティブだし、エッチ以外にも性格が変わってしまったようだ。
今の私が何なのかはまだ良く分かっていないけれど、今はこれらの特長を楽しみたい。
男たちの熱い視線もそうだし、何より夜の火照ったカラダを使った行為が最高だから。


これだけ男がいるんなら機会を見つけて彼らの誰かと熱い夜を過ごしてみるのもいいかも知れない。
でも、やっぱり敏明の方が良いかな?あの日の出来事は単に気持ちがいいって以上のものがあったし。

・機会があったら他の男でもいいかも
・やっぱり親しくなるなら敏明方が良いかな

はてさてこれから私どうしようかな?



この姿になった私はただひたすらにエロイ。
見た目の色気という意味でもそうなのだがそれ以上にエッチなものエッチな事をひたすらに欲している。
だから昼間に多くの男から熱視線を貰った時はしてやったりと思い、
内心舌なめずりをしていたほどだ。(結局声をかけてくれる人はあんまりいなかったけど)

でも彼らじゃ何かが足りないような気がした。
敏明を思い浮かべ彼らを誘惑しようという気にはならなかった。
やっぱり挿れられて精液を貰うんなら敏明しかいないね。
…後で敏明を呼び出してみよう。

あんまり学校を休みたくないけど、女の姿だから目立つかも知れない。
なるべく自然に過ごすにはどうしたらいいのか私の姿を見つつ良いアイディアが欲しい。
という口実の下敏明を家に呼び出してみようかな?


アイツって結構面倒見のいいヤツだし助けて欲しいって言えばきっと来てくれる。
実際にこの目立ちそうな外見で大学生活を乗り切るのって難しそうだしね。
男がこっちを見る視線は好きだけど、変な噂が立つと行動が大変そうだし敏明のヘルプは欲しい。
実際4時限目の有機なんて視線が集まってかなり危なかった。

コレって口実とか関係なしに敏明を呼ばないとマズかったりするのかな?
お礼代わりに精の付くものでも作ってあげようかな?


4月目 小望月の夜(敏明)

清彦から女体化現象で悩んでいるから相談したい…という内容のメールが来た。
時々変身する体と、変身によって性格も変わって最近自分を持て余しているから、
一度じっくりと話す時間が欲しいそうだ。外では目立つので清彦の家の中でだろうだ。

実際に女になった時の清彦はいつもの清彦とは性格でもかなり違ってるようだし急激な変化に耐えるのが難しいのだろう。
単に清彦の名と女の外見を持っているというだけでも大変そうだ。しかも女時はかなりの美人だし相当に目立つ。
何か策がないとまともな大学生活が送れない可能性だってある。考えれば考えるほど困難が多そうだ。
それとも先月の事が忘れられずにまた俺を呼び出してきた…とか?流石にそれはないな。

とにかく、今の清彦の周囲は相当大変に違いない。先々週あたりはかなり思いつめたような表情をしてたし。
悪友のような親友のような大事な友達だ。あいつが俺を頼ってきたのなら俺も全力で応えるしかない!!
最後に少し邪な感情が出てきた事には反省しよう。

いざ、清彦の家に突入しよう!!


4月目 小望月の夜

「は~い♪」

チャイムの音を聞き、私は浮かれ気分で扉を開けた。
ついに念願の(と言っても連絡してから4時間程度しか経ってないけど)敏明がやってきた。
普段は来客がほぼないのに今日に限って、宅配、セールス、聖書と不発3連発でテンションが落ちたけれど
肝心の敏明の時に元気のない顔は見せたくないからね、空元気でいいから一番いい顔を見せたいよ。


「いらっしゃい敏明、わざわざ遠いところからありがとね」
「遠くはないけどな。徒歩7分、大学よりも少し近い程度の距離だ」
「そうだけどね」

他愛のない何気ない会話だ。が、いつもの何気ない会話とは少し違うような気がする。
男の時は時に意識せずとも接する事が出来るけれど、今日はどうにかして話す言葉を考えるような感じだ。
コレって、中高の時に気になる女子と話す場面と近いのかもしれない。
今は敏明が異性だから少しは意識しちゃうって事かな?(意識するとかそんなレベルじゃないことをヤっちゃったけど)
でも、同じ男なのに今朝や昼間にクラスの奴らや声をかけてきた男どもともかなり違って見える。
ガタイが結構いいとか、顔がいいとかそんなレベルではなく別物に見える。

女の子が男の子を見る時の感覚ってこんな風なのかな?



敏明を部屋に案内し座らせ、とりあえずお茶を用意した。
でもこの後どうしようか、それは考えていなかった。
シたい、サれたいというのは当然あるんだけれどそれだけというようにも思えなかった。

横目で敏明の方を見た。
やはり敏明はクラスの奴らとか、今日近づいてきた他の男どもとは何処かが違って見えた。


このスケベな体を収めたいから男のカラダが欲しい…だから敏明としたい。
これが先月(2~3か月前からかな?)の私の考えと行動パターンだった。
特に体が昂ってる時なんて、飢えた獣みたいだとも思う。
男のカラダが欲しくて、手身近な敏明にモーションをかける淫乱なメスと言ったところ。
でも今は違う。

男の体が欲しい淫乱というのは大して変わらないけど。
でも敏明だからいいというのが良く分かった。一歩前進かな?色々と問題だらけだけど。


下心にまみれた私に対し、敏明の方は真面目に私の事を心配している。これが結構な罪悪感だ。
現に、姿かたちが変わったら大学生活が送れるのかすら怪しいもの。
この姿でも講義に参加することは出来るけど、目立てないから振る舞いに気を付けないといけないし
出席とる講義は女性化中は参加がほぼ不可能だし。来月の試験ってどうすればいいんだろう?



「敏明の協力は嬉しかったけど結局対策らしい対策は思いつかなかったね」
「だな。出席とらない講義を狙う、変装、挙句、テストの時に変身しないように祈る…だもんな」
現状を説明し小一時間くらい話し合ったが女体化時の対処法に関しては結局いい案が何も出なかった。
というか我ながら(敏明もだけど)酷いね。最終手段が祈るとか。
まぁ相談はしたかったけど、私にとっての本当の目的はこの後だし、こっちの方が不発でも大した問題じゃない。
でも男状態に戻った途端に悩みそう(笑)いや、笑えないか。


「折角だし晩御飯食べてかない?」
「そうだな…でもいいや、なんか悪い気がするし」
「敏明をわざわざ呼び寄せたんだし、これくらいしてもいいんじゃない?っていうか敏明がウチに
食べに来るのなんてそんなに珍しい事じゃなかったでしょ?この数か月がなかったくらいで」
「そうだな、料理はお前の方が上手いし、折角だし食ってくか」
「決まりだね。で、カレーと肉じゃがならどっちがいい?」
「和食…肉じゃがで」
「OK、じゃあ隠し味の愛情を隠せないくらい投入ね♥」
「スゴイセリフだな。同性の友人に言ってはいけないセリフだろ…」
「今は清彦だけど女でもあるからね。中身の方も結構女の子らしくなってると思うよ」
「そうなのか…まぁそうでなきゃ先月あんな事はしないか」

「あんな事…自分から迫っておいてなんだけど、恥ずかしいからあんまり言わないで欲しいなぁ」
「分かったよ」
「さぁて。完成♥」
「待ってました」
「たーんと召し上がれ♥」
「なんか、随分と楽しそうだな」
「今の状況をまとめるとだよ?」
「ん?」
「親しい男の子に、異性にご飯作ってるなんて考えると楽しくなるじゃない…男の人には
そういう感覚ってわからないものかな?」
「中身の性別もかなり変わってるな、2週間前とはえらく違う」
「うん。良くも悪くも別人って感じだよね」
「驚くほどにな」
「でも、私自身は今の状態ってすごく楽しいんだ。大胆になりすぎてるのは自分でも分かってるけど
今のところ、この性格で困ったことはないし今は気にしなくてもいいんじゃないかな?」
「変な方向に突っ走って問題が起きそうで怖いけどな。俺は」
「そんな事よりまずは食べようよ。せっかく作ったんだし冷める前にさ」
「そうだな。清彦の飯は何気に楽しみだったし」
「敏明には今後お世話になるかもしれないから精をつけて貰わないとね」
「何か不穏なニオイがするが…」
「私が変な方向に突っ走らないように近くで見張ってて…って意味だよ」
「だよな。少し焦った」
嘘です。本当は不穏…っていうか不貞なニオイ♥(別に浮気とかじゃないけど)



「ちょっと汗かいたしシャワー浴びてくるね」
「おっおう…」
「えっ…一緒に入っちゃう?」
「やめとく。ってかその露骨な誘惑は何だよ!!」
「あはは分かってるって。ただ何となく言ってみたかっただけ」
「やめてくれ。その姿での誘惑は割とシャレにならん」
「敏明のそういう反応って結構そそるけどね。基本お堅いけどそういう人が色気を感じてくれるのって」
「さっさとシャワー浴びてくれ」
「は~い♪」


「お待たせ」
「うっ」(風呂上がりで余計に色っぽい)
「敏明も入る?」
「いや、俺は良いかな?」
「でもお風呂やシャワーは毎日しないとニオイついちゃうよ」
「やばっ!?俺って臭いのか?」
「うーん」
「どっちなんだ?」
「どちらかと言えばいい香り…かな?近くに寄りたくなるくらいには」
「って近いって」

結構、グイグイに迫ってはいるものの敏明の反応は案外芳しくない。
クラスの連中とかの様子を見る限り私が迫ればアッサリ陥落できると思ったけれど、案外そうでもないらしい。
遠くで見るのと、近くで押し倒してくれるのとじゃ話が違うという事かな?
私に魅力がない訳じゃなさそうだけど…う~ん。そういう気分じゃないとか?


「敏明それ」
「ソレって何だ?」
「妙に元気じゃない?」
「まぁ元気だけ…あっ!!」
ウフフ、乗り気じゃなさそうな顔してたけど下の口(?)は口ほどにものを言うんだね。


「そんなに立派にしちゃ…苦しそうにして」
「うっ…まぁ…これは…アレだ」
「別に言い訳とかしなくていいでしょ?私にだってコレはついてるんだし。今はないけど」
「まぁ…そうだけどさ。女の子にテントシーンはあんまり見られたくないんだよ」
「女の子って言っても私だし」
「まぁそうだけど…女の子にこんなシーン見られると割と引かれるし」
「普通の女の子がどうかは知らないけど、今の私なら敏明のが元気なのって結構嬉しいけどね」
「嬉しいか?こんなん見て」
「女の私に魅力があるって分かると嬉しいよ…そ・れ・に…ネ?」
「おっおう?」
「今の私も敏明と同じくらい…敏明以上にエッチモードになっちゃったの」
「いや、俺はエッチモードって程じゃ…ってナニするんだよ」
「私の胸の感触って気持ちイイ?」
「解答できん」
「もっと立派になるような感触ね♥」
大きくしている敏明の姿と、彼の香りと熱気を感じつつナニも出来ないのはキツイ
なかなか迫ってきてくれない敏明に我慢できず、私は敏明をベッドの上に押し付けた。

女状態の私は思った以上に力があるのか、それとも性的に空腹だと濡れ場のクソ力でも発揮されるのか?
普段よりも華奢になったはずの私は、敏明の逞しい体を楽々と持ち上げベッドの上に乗せた。
そして私は敏明の上にのしかかった。

「ジーンズなんて硬いものを履いてるのに、こんなテントじゃおちんちんに毒だよ?」
「うん。風呂上がりのお前は割と毒だと思う」
「えへへありがとね」
「いや、褒めて…褒めてるか」
「でもこんなに膨張しててジーンズで押しつぶされるのって苦しいし、チャックをあけて開放しなきゃね」
「コラッ!!ズボンを脱がすな、開放するだけならパンツに触る必要もないだろ」
「男性の大切な場所が圧迫されるなんて良くないよね。この大事な場所は何よりも大切にして意味もなく
痛ませるなんて絶対にマズいものね。何となくだけど先月より立派になってない?」
「あの…清彦さん?聞いてます?」

脱がされる楽しみも味わいたかったけれど、もう我慢できない!!
この状態じゃショーツなんて邪魔な布切れでしかない。
邪魔者を脱ぎ、スカート部分の裾をまくり、膨張しきった敏明を飲み込んだ。


「痛い!!でも嬉しい!!」
処女は先月失ったような気もするけど、痛さよりも興奮と気持ち良さが勝り気にはならなかった。
それとも、まだ女体が出来上がってないのかエッチの時に痛みを伴うというところなのだろうか?
膣とお腹で敏明を感じられるのは嬉しいけれど、私が上に乗っかって動くんじゃどうも動きにくい。

「敏明が上に来て」
「全く!!どうしてお前はこうも強引なんだ。普段はそうでもないっていうのに!!」
敏明は『もう知らん』などと叫びつつも私を自分の下に押し倒し、体を上下させた。
彼の荒い呼吸と、全身から感じられる激しい熱気。
モテる方とは言え、敏明(私もだけど)は女っ気は少ない理工学部だ。
女の体に反応しないわけじゃない。健康的な香りのする成人男性なら尚更そうだ。
だったらもっと欲望に忠実でいいじゃない?今ここにある快感を大事にしてもいいんじゃない?
私も自分の欲望を大事にするけど、敏明を気持ち良くしてあげる事を蔑ろにする気はないもの。


「いいよ敏明、もっと私で気持ち良くなって、私を感じさせて!!」
「ダメだ…清彦…これ以上は」
「私のカラダじゃ足りないっていうの!?」
答えを分かった上で、あえて聞く私は小悪魔の気質を持っているのだろう。
興奮して息を荒げながらも敏明は言った。


「不満なんてない」
「だったらいいじゃない?自分で言うのもなんだけど、私って結構アリでしょ?」
「アリなんてもんじゃないよ」
嬉しい事を言ってくれるじゃない

「清彦のカラダ、胸と尻!!それから髪と肌だっていいし匂いだけでも興奮するんだよ」
「だったらいいじゃない。私だって女の時はこうしてるの好きよ?」
「だけど、男が女になってその後も何度か男女を交互するような体だ!!もし、俺が襲ったせいで
体を壊したらどうするんだよ?普通の女と変わらないのならまだいいけど、」
お股とお腹だけじゃなくて、胸までキュンキュンさせるなんて。敏明ってやっぱりモテそう。
でも、気持ちは嬉しくとも止まって欲しくはない。

「私にだって不安がない訳じゃない、でもそれ以上に幸せだから…この一瞬の幸せがこの世の何よりも
大切だって、そう思うと気だってあるんだからね?」
「清彦…」
「今はこの気持ち良さに身を任せたいの。文句は絶対に言わないから」

敏明は私の色香を相当我慢していたのだろう。
私が言い終わる頃にはタガが外れたように激しく上下運動をしていた。

私がシャワーを浴びる時は9時前だったが、敏明が意識を失う時には翌日を30分も過ぎていた。
自分の股間とお腹に宿る充実感に満足しつつ、疲れきった敏明の寝顔が心配だった。



4月目 満月の夜

朝方に目を覚ました敏明は、少し危なっかしい足取りで家に帰っていった。
そのまま力尽きたのか、今日は学校に来ていなかった。
やっぱ、昨晩ハッスルしすぎたのが原因だよね?精液どころか精気すら搾り取られた感じ経ったからね。
私の方はハッスルのし過ぎどころかハッスルしたりないくらい。
あと少しでもう2~3回分くらいやらかしそうになったし、っていうか今も敏明の家に突撃しそうな勢いだし。
イッちゃう?…じゃなくって行っちゃう?

・今すぐ敏明の家に突撃しよう!!
・これ以上負担をかけちゃダメ!!行くならお見舞い程度に留めないと


これ以上負担をかけちゃダメ!!行くならお見舞い程度に留めないと。
何だかんだで敏明にはいつも助けられている。今回の件だってそうだ。
こんな誰にも相談できないような変異事件も敏明だから協力を頼めたんだ。正体がバレたのは偶然だけど。
だから敏明にワガママを言うのは本当に困った時だけ。

…で、敏明とするのは敏明(と彼の下半身)が元気な時だけ。

とにかく、お見舞いだ。
動けなくてもお腹はすくだろうし、ちょっとした料理と他に食べられるものでも差し入れしてあげよう。
敏明の家に行けば、顔を見るくらいはできるしね。



「おじゃましまーす」

前に借りた、鍵を使い敏明の部屋に入る。
基本、几帳面な敏明にしては珍しく部屋は着替えを含むものがいくつか散らばっていた。
着替えと食器みたく、すぐに片付けないといけないものがそのままっていうのは珍しい。
奥にいた敏明は眠っていたようだけれど、物音に気がついたのか目を覚まし起き上がった。


「ああ、すまんね清彦。こんな体勢で」
「ダメだよ、調子が悪いのなら寝てなくちゃ」
「今日はほぼ一日中寝てたからな。大分マシになった」
「一日中寝てたって事はほとんど何も食べてないでしょ?みそ汁とおにぎりと、あとはゼリー飲料持ってきたけど何か食べる?」
「後で、どっちか貰うよ。日持ちしないし料理から食った方が良いか?」
大分マシになったと本人は言うが、声に元気はないし身にまとっている気…というか
雰囲気からして弱り切ってもうヘトヘトって感じだった。

「本当に大丈夫なの?昨日の事とか」
自分で言うのもなんだけど。

「まぁアレだ。昨日はフィーバーしすぎた」
「うん。後で寝込むくらいのフィーバーっぷりだよね」
「お前の方は平気なのか?」
「私の方は調子がいつもよりいいくらい。肌ツヤもいつもの3割増しでいいし」
「大丈夫ならいいんだ。お前が無事なら自分の事に専念できる」
「優しくて少しおせっかい、こんな状態で人の心配なんてしちゃダメ。どう見たって敏明の方が危ないんだから」
「ああ、悪かったよ」
「でもお節介すぎる所が魅力でもあるんだけどね」
「それじゃあまた今度な」

敏明に急かされるような形で、たったの数分の滞在時間で彼の家を後にした。
せめてもう少し話くらいはしたかったな…。でも彼も具合悪いみたいだし長居も悪いか。。
名残惜しいと思いつつ、会話も続かずやるとこも特にはなかった為にゴネて居座ろうとは思わなかった。
元気のない敏明の姿を見るのは結構ツライし、弱ってる敏明だとスる気にもならないしね。

訪問前は、口では差し入れだけと思いつつ引き止められてお泊り(はあと)などという下心があった。
それが家に入って、元気のない姿を見るとたちまち意欲のようなものが消えて無くなった。
元気じゃない敏明にはいつものように魅力を感じなかったが正解かも知れない。
少し意外だが、お見舞いだけして手出しをしないというのは至極まっとうな事だし深く考えるのは良そう。
敏明だって、体を壊し気味だった頃の私にちゃんとお見舞いしたじゃない。変な手出しをすることなく(当たり前)

10分にも満たない短い家路、敏明の事、自分の体の事、コロコロ変わる自分の心などいろいろな事が頭の中を巡っていった。
だが、巡りはしたが建設的な考えは全く浮かんでは来なかった。
敏明の具合もそうだし、この謎の女性化現象も良く分からない。
私がこれから何をするべきなのかもわからない。まぁ成り行きに任せればOKかな?




ふと空をみえ上げた。空は暗くなっていて満月が浮かんでいた。
「女になるのは大概この時期、満月の頃なんだ」

月の光を浴び、体が火照り大人しくなっていた性へのの欲望がまた顔を出したような気がした。
しかし、元気のない敏明の顔を思い出し欲望は奥へと引っ込んだ。
どうして可逆ものを書こうと思って、まずサキュバスを思い浮かべるのか。コレガワカラナイ。
なかなか図書館に上げられなかった。リクエストした方、遅れて申し訳ないです。
二人+αの非日常な日常は少し長く続きそうです。もうしばらくお付き合い下さい。
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