街へと繰り出した2人は、ターミナル駅で獲物を物色する。
通行人を眺めていたフタバは、目の前を見知った顔が通ると何気なく声を掛けてしまう。
「あっ、俊明」
しまった、と青ざめるフタバの思いは届かず、件の人物は足を止め、彼女に近づいてくる。
それは昨日の放課後、双葉の噂を聞かせて来た同級生の俊明だった。
「誰だ、なんで俺の名前を……あれ、あんたもしかして」
「……もしかして?」
「……噂の双葉ってやつか?」
まぁ見た目から正体に気づかれることはないか。
焦っていたフタバはそっと胸を撫で下ろす。
「うん、そうだよ。あたしはフタバ」
「それでわたしがワカナでーすっ!よろしくね、おにーさん」
間に割って入った若葉も自己紹介する。
「うおっ!…あれ、どっかで会ったことがあるような…?」
「ええっ、おにーさんわたしに運命感じちゃった?やだー恥ずかしー」
いつもの若葉と違い、ワカナと名乗った今の彼女は髪を降ろして眼鏡もしていない。
おまけに揃って少し濃い目のメイクをしているので、俊明は正体に気づかない。
「そんなことより、俊明、だっけ?……あたしたちといいことしない?」
そうして移動した先はラブホテルの一室。
シャワールームを出た俊明を待ち構えていたのは、白と黒の対照的な2人の女子高生だった。
金髪の女子高生―――双葉はベッドに腰かけ、黒髪の女子高生―――「ワカナ」こと若葉は、足を組み双葉の豊満なバストに挟まれるようにして彼女の上に座る。
微笑みながら互いの身体に手を回し、エロティックに絡み合う2人を見た俊明の股間は、腰に巻いたタオルの上からでも分かるほどに大きく盛り上がる。
「ふふっ、準備万端って感じだね。それじゃあ、始めよっか」
2人は俊明を手招きすると、ベッドに仰向けに横たわらせた。
まず、若葉が胸をはだけさせるようにシャツのボタンを開ける。
黒のブラジャーに覆われた、たわわな乳房でそそり立つ肉棒を包むと、上下に扱く。
亀頭を何度か舌先でつつき、そのたびに敏感に反応する俊明を上目遣いで見遣りながら目を細める。
一方のフタバは、スカートを履いたままショーツをずり下ろし、右足だけを抜き去る。
それから、左足に真っ白なショーツをひっかけたまま、スカートを両手でたくし上げ、恥ずかしさと興奮で顔を赤くしながら俊明に跨った。
「んんっ……ンッ…んぅうっ……ンぅうん」
俊明の鼻息がクリトリスに当たった彼女は耐えるように目を閉じる。
太ももで挟まれるように跨られながら、俊明は目の前の秘裂を舐め始めた。
漏れ出てきた愛液を舐めとると、今度は舌を潜り込ませるように膣に挿入する。
「ああっ!?なっ、やあぁ、ああっ、だめっ」
俊明が空いている手で膨れ上がったクリトリスに触れはじめると、フタバの反応はますます大きくなる。
息が触れるだけでも大きかった快感が一層強くなって彼女の身体を駆け巡る。
突然、俊明は膣から口を離す。
「そろそろ出そうだ。……うっ、出る」
下半身でじゅっぽじゅっぽと音を立てながらパイズリとフェラをしていた若葉の咥内に熱い精子が吐き出される。
彼女は精液を舌の上で味わうように転がし、飲み込む。
「ん…おいし。まだまだ続ける?……なんて、聞くまでもないみたいね」
フェロモンに当てられ、ギンギンに反り返る俊明の肉棒を見て2人は舌なめずりをした。
長い夜はまだ始まったばかりだった。
「あッ、ああっ、イクっ、ぁあァんっ、んんッ、あああぁぁぁ……!!」
服を脱ぎ去り全裸になったフタバが今日何度目かの絶頂に身を委ねる。
男に抱かれることへの嫌悪感はあるものの、それ以上にもたらされる快楽の大きさから、セックスへの抵抗感はすっかりなくなってしまったようだ。
果てた彼女に代わって、若葉が俊明の肉棒を受け入れる。
「はぁ…はぁ……」
「疲れたならもうやめようか?」
「いや……不思議と元気というか、疲れた感じはそんなに……でもさすがにきついかも」
「まぁそんだけ出してたらねぇ」
「君たちは何度イっても元気だな……正直羨ましいよ」
「ふーん、羨ましい、かー?」
「なんだよ」
「いやー、ちょっと飽きてきたところだから趣向を変えようと。ね、チューして」
「もう、しょうがないなぁ」
仰向けに横たわる俊明の上に重なるように乗る若葉の背後に、フタバがゆらりと膝立ちになる。
それから若葉のジッパーを引き下ろすと、隙間を広げるようにして裏返し、俊明の顔に被せた。
若葉の皮が裏返るように剥がれながら、俊明を覆っていく。
当然俊明も暴れるが、抵抗も虚しく小麦色に焼けた肌に包まれていく。
「ぷはぁ。……ナイスタイミング」
皮から顔を出したのは双葉だった。
彼女が完全に脱皮したあとには、俊明に引き伸ばされたような歪んだ体型の双葉が残される。
すると、骨を軋ませるような音とともに、俊明の体型はみるみる変化していく。
脂肪で柔らかく、しかししなやかで細い四肢や女らしく丸みを帯びた体つきに変えられていき……。
やがて双葉そっくりの姿に変化した。
「どう?キミもこんな風にして若葉になったんだよ」
「いや、皮で変身するのもすごいんだけど…なんで……その…生えてるの?」
そう言ってフタバが指さす先には、肉棒が生えているように見える双葉の股間があった。
「あっ、これ?よく出来てるでしょ?女の子のままで女の子を着たいなー、って思って」
双葉は肉棒を掴むと、引き抜くように動かし始める。
「これは、んっ、ディルドぉ、なんだけど、あっ、面白い機能がっ、ぁあるん、だよ」
確かに、それは双葉の膣口から伸びているようだった。
ディルドを動かすたびに嬌声を上げながら、双葉はそれを引き抜く。
そのディルドは、棒の両端がペニスを模した形になったいわゆる双頭ディルドであったが、形状が嫌にリアルだった。
「それで、どうすればいいの?」
「んー、そうだな。じゃあ、とりあえずフタバにこれ、挿れちゃうね」
双葉はディルドの、自身の愛液でぬらぬらと光る方をフタバの秘裂に宛がい、愛液で湿ったそこに挿入していく。
「あぁっ、んんっ……」
「あは、間接キスだぁ」
やがてディルドは若葉に入り切ったが、何も起こらない。
「これ、ただの張り型なんじゃ……」
「そろそろ繋がる頃だと思うよ」
「っ!何これ、感覚が繋がって……」
「そう、でもそれだけじゃない」
双葉はフタバの股間から生えるディルドにしゃぶりつく。
すべてが亀頭で出来ているように敏感なディルドが温かく湿った粘膜の感触をフタバに伝える一方で、双葉はディルドを咥えたままピクリとも動かない。
「やっぱり何も起こらないじゃ……えっ、これ…まさか……」
フタバは突然、口の中に何かを咥えているような感覚を覚える。
同時に、双葉も膣が何かを咥え込んでいるような感覚と、股間から生えたものが咥えられている感覚を覚える。
「……そのまさかよ。このディルドは粘膜を介して、互いの五感をリンクさせる機能を持っている。
男の10倍もの快感を得られる女の子の感覚。もしそれをつなぎ合わせたら……ふふっ、あたしたち、壊れちゃうかもね」
* * *
……俊明は胸から感じる甘い疼きで目を覚ます。
「このくらい弄れば十分に濡れてるかな。膣口に当てておいたディルドもそろそろつながってると思うし、いつでも始められるよ」
フタバが何か言っているな、と思った刹那、俊明を理解できない感覚が襲う。
やけに敏感になっている肉棒がずぶずぶと膣に入り込んでいく感覚。
そして、何か熱をもったものに貫かれる感覚。
それらが同時に、しかも二重に感じられるのだ。
上体を起こすと、松葉崩しの要領で俊明のふとももを抱えるように持つフタバが目に入る。
視界に映る双丘、あるいは男らしさの失われた足を疑問に思う間もなく、彼の脳天をむずがゆさやくすぐったさを何倍にも増幅させたような未知の快楽が襲う。
1つでも強烈なそれが、2つ重なり合うように襲い掛かったことで俊明は嬌声を上げる。
その声は女の子のように高く感じられた。
「鏡を見て」
横には双葉がもう1人いたが、そのことを疑う余裕は俊明に残されていなかった。
彼女に促されるまま、ベッドの脇に備え付けられた鏡に目を向けると、同じ顔をした少女がまぐわっている様子が映っている。
「なんで俺はフタバになって……ああっ、なんだよこれええぇええ!??」
僅かに首をもたげた疑問は、再び襲い来る快楽の前に消え去ってしまう。
「んんっ、そんなこと、どうでも、いいでしょぉ」
「何、言って、おま、ああっ」
「私は、ぁなたで、あなたは、わたし、んっ、だから、もっとぉ、もっときもちよぐぅ……」
フタバが自分と同じ形の太ももにクリトリスを擦り付けるように腰を振ると、膣内のディルドもまた膣壁を擦るようにずれて、2人のフタバに快感を与える。
常人の何倍もの快楽によって、不慣れな俊明は早くも白目を剥いている。
他方、フタバは、より強い快楽を得たいという強い感情で飛びそうになる意識を保ち、腰を振り続ける。
意識がなくとも感覚は生きているためにフィードバックされる2人分の快楽を受け止め続けるフタバ。
その背後から、さらにもう1人の双葉が忍びよる。
「さて、あたしも混ざろっかな」
「んんっ、ぇ、双葉ぁ?」
「ディルドが一本しかないなんて言ってないでしょ?ほら、行くよ」
双葉の股間から伸びるディルドが俊明の口に突っ込まれると、2人分の感覚が彼女にも流れ込み始める。
「あっ、これはぁ…んっ、けっこぅ、キくぅうぅ、はぁあん」
2人の双葉が奏でる快楽の2重奏に、腰を上下に動かし、自分の片方の乳首を口で吸いながら、両手でそれぞれ乳首とクリトリスをいじる双葉が加わる。
フタバは口に何も含んでいないのに、口に肉棒を押し込まれる感覚と、乳首を口に含み吸い付く感覚を味わう。
ビンビンに勃っている敏感な乳首は、触れてもいないのに吸われいじられる感触があって、これだけでもイってしまいそうなほどだ。
そして、ただでさえ感じる膣とクリトリスは、3人の刺激が折り重なって3乗、いやそれ以上の快感をもたらしている。
脳で処理しきれないほどの感覚の中、フタバは連続で絶頂をキメて潮と愛液でシーツをびしょびしょに濡らす。
しかしそれでもなお、清彦の意識は耐え続ける。
そこで、双葉は切り札を切ることにする。
「ああああっあぁぁ、ち、乳首ぃ、あぁっ、ぁあん、あれぇ、とまらなぃいっ!」
気絶しているはずの俊明の手がひとりでに動き、乳首を捻り始めると、さすがのフタバも声を出し、腰を止めようとする。
しかし双頭ディルドを介し双葉に操られる彼女の肉体は止まることはなく、むしろより早さを増していく。
それは、もはや足腰に力が入らなくなりつつある双葉も同じだった。
口に咥えた乳首を離すことも叶わず、両手も腰も意識を離れて勝手に動く。
度を過ぎた快楽のパルスにより制御を離れた皮が暴走し、双葉たちを無理やりに動かす。
3人の双葉は、さながら快楽を生み出すことに最適化された工場のようだ。
絶頂が絶頂を呼ぶ、悪夢のような喜びが全身を刺し貫く中、耐えきれなくなったフタバはついに決壊を迎える。
「ああぁぁあアアァ!!さんにんの双葉でイクうぅぅ、きもちよすぎてぇ、こわれるりゅううぅぅぅうううううっっっッッ!!!!」
フタバは絶頂の声を上げると倒れるように気絶する。
ベッドには、同じ顔をした少女たちがお互いの体液に塗れながら、折り重なるように力尽きた淫靡な光景が広がっていた。