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最近、妹の様子がちょっとおかしい(仮)2

2018/10/15 11:44:15
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午後の授業、ホームルームが終わるとあたしは早速部室へ…じゃなかった。
うーん、紅葉としては部活に出たいけど、俺としてはもうどうでもいいんだよなあ。
…いや、今日は出よう。記憶では知ってるけど実際にあたしとして行動してみたい気持ちもあるし。
とりあえずは目的を果たすためにアプリを操作しつつ若葉ちゃんの教室に向かう。

教室に着くと下校する生徒、部活に向かう生徒に交じって双葉の姿が見えた。
「双葉さん、若葉さんはまだいる?」
「あ、おに…紅葉さん。若葉なら図書室に行くって言ってたよ。なにか用…ああ」
何かを察したようににやりと笑う。
「呼んであげようか?」
にやにやとしながら携帯を取り出す。たしかに図書室だと人目に付くかもしれないけど…


あたしは学校の屋上に居た。ここは基本的に放課後には人が来ない。
さっきは少し悩んだが、やっぱり双葉に頼んで若葉ちゃんに電話して貰っていた。
電話を替わってもらい、屋上に来てくれないかと頼むと少し上ずった声でOKをくれた。
偶然紅葉の身体を奪い取って、今はこの身体に満足しているし、
もうこの身体以外での人生なんて考えられないが、あの時失敗した若葉ちゃんに未練がなかったと言えば嘘になる。
そんな若葉ちゃんが、もうすぐ自分のもう一つのカラダになる。
身体中のゾクゾクが止まらない。今すぐ昂ぶるあたしの身体を慰めたいが、何とか抑える。
俺に奪われるまでオナニーどころか、そういう妄想すらしたことなかったのに、エッチな女の子になってしまったものだ。
……なんて事を考えていると、屋上の扉が開いた。



「あ、紅葉さんっ、待ちました……?」
「んーん。あたしも今来たところ」

急いできたのだろうか、若葉ちゃんは少し息を切らしていた。
肩が上下し、双葉やあたしより大きな胸が同じく上下する。
じっと見てみると、出るところは出てて、括れるところは括れてて、すごく女の子らしい身体つきをしている。

「それで、お話って……?」
「うん、あ、まずはクッキーの事ね、とっても美味しかった。若葉さん、料理上手なのね」
「そ、そんな……! ただ、お菓子作りが好きなだけですよ……!」
顔を赤くして謙遜する若葉ちゃん。本当にかわいい。もう、あたし/俺のものにしよう……!

「もう一つは、お願いなんだけどね?」
「お願い、ですか?」
ここで見えないようにアプリのスイッチを入れて、若葉に近づき、肩を押さえる。制服越しなので、まだ身体には触れていない。
「あたしのモノに、なってほしいの」
「ぇ……?」
そのまま顔を近づける。屋上に来た時から、キスで身体を貰おうと決めていたから。
若葉ちゃんは、あたしのことを待っている。
俺の時みたいに拒絶されない。俺達は望んで一つになるのだ。
唇同士が触れ合う。そのままお互いに抱き合い、あたし/俺の意識がゆっくりと若葉ちゃんの中に流れ込んでいく。
次に目を開けると、俺は抜け殻になったあたしを抱きしめていた。

あたしに寄り掛かる紅葉の身体を少し苦労しながら横にする。アプリの説明通り眠っているみたいだ。
その手に握られている携帯を、あたしよりもちょっと小さな手で取り画面を見る。

『乗っ取り実行中:(1)美原 若葉
終了まであと 1:57:11』

「…ふふ…私、紅葉さんのモノになっちゃいましたぁ♪」
呟きはあたしよりも可愛らしい声となって私の口から漏れる。

あたしからしたら羨望と軽い嫉妬を覚える乳房を制服の上から撫でる。
「おっぱい…あたしのよりおっきい…♪」
服の上からでも分かる紅葉より大きな乳房。これを今日から自分のものに出来ると思うと興奮が収まらない。

もっと若葉ちゃんを感じたい…そう思ったあたしは彼女の意識に潜り込んでいく。
…そう、さっき紅葉さんに「あたしのモノになってほしい」って言われたときはちょっと嬉しかったけど、
女の子同士で?って驚いちゃったんだよね。でも、紅葉さんの唇、やわらかかったな…

あたしの頭に顔を近づける。微かな寝息を立てていて、起きる様子は全くない。
唇を撫でてみる。あたしの唇、こんなに柔らかかったっけ。この唇と、私の唇で…女の子同士で、キス、しちゃったんだ…
「…ちゅっ」
紅葉(あたし)と若葉ちゃん(私)の唇が重なる。ああ、あたしたち、今繋がってる…♪
「ちゅっ、ちゅぷっ。ぷはっ…んちゅっ、ちゅぅうっ♥」
私はあたしの唇に吸い付く。紅葉さんの口を私の舌でこじ開けて舐め回す。
唾液が混じり合う。柔らかい唇と舌が絡み合う。
初めてのキスだというのに…いや、初めてだからか、俺/あたし/私は夢中になってキスし続けた。

やがて口を離す。つつ、と涎が糸を引く。
「…ぷはぁ…ちゅーするの、気持ちいいよぉ…♪」
女の子同士のキス。禁断の行為に若葉ちゃんの身体はすっかり欲情してしまった。

そのまま、意識のないあたしの身体をぎゅーっと抱きしめる。
あたしと私の、濃い女の子の匂いが混ざり合って、その甘さが頭の中を一気に桃色に書き換え、身体中を興奮が駆け巡る。

「はっ、はぁっ♥私のカラダ、こんなにスケベなんだぁ……
1週間に3回?相当溜まりやすいのかな?ふふ、こんなエッチなおっぱいしてるのはそのせいじゃないの?
ん、ぁん……確かに、開発し始めたばっかりのあたしのカラダより、ふぁっ、感覚、鋭いかもっ……!」
そのままあたしの身体を強く抱きしめると、私のおっぱいがギューッと押される。
先ほどよりピンと勃った乳首がブラに当たって「気持ちいい」が背中から頭の中に流れ込む。

「あぁっ……気持ちいいで、頭の中がほぐれてっ……私の中の、紅葉さんへの「好きかも」が、「好き」に書き変えられてるっ!
ちゅーしたい、舐めたい、舐められたい、エッチしたい、エッチされたいっ!!」
私がどんどんあたしを好きになっていく。その感覚もとっても気持ちよくて、止められない。止める気が起きない。
昂ぶった私は、再度あたしの口の中に何度も何度も舌を侵入させ、あたしの口を思う存分味わっていた。


プルルルルッッ!!!
「!!?」

私があたしを味わっていると、突然携帯が鳴りだした。
鳴っている携帯は……あたしのだ……
「私じゃ出られないな……こういう時は……」
私の携帯を取り出して、画面を見る。

『ストック(1):美原 若葉
終了まであと 1:10:37
[乗っ取り解除] 』

乗っ取られた身体側には、乗っ取っている間だけ乗っ取りの解除ボタンが表示される。解除すればアプリは消えるらしい。
あたしはすかさず解除ボタンを押す。意識がフッと闇に沈み、気が付くと今度は若葉ちゃんが倒れ込んでくる。

「っと、鍛えてる分あたしの方がしっかり押さえられるなぁ……」
身体の違いや、自分の喉からあたしの声が出るのを確認しながら、あたしは未だ鳴っている携帯を手にし、通話ボタンを押した。

「もしもし?」
「あ、紅葉?今どこにいるの?部活来ないからせんせーおこだよ?」
そういうことか、確かに時間を見ると放課後が始まって1時間くらい経っている。陸上部のホープが来ないとなると、こうなるわけか。
「あー……三葉先生に呼ばれちゃって、連絡するの忘れてたの」
とっさに思いついた言い訳を話していく。
三葉先生の名前を使ったのは、最悪双葉に頼んで辻褄が合うと判断したからだ。
「そっかぁ、わかった。せんせーにはそう伝えとくよ。あと何分くらいで来れそう?」
「ありがと。あと20分ぐらいあれば行けそう」
「わかった。じゃあまた後でねー」
電話が切れる。さてと……

とりあえず若葉ちゃんを起こすことにしよう。
「若葉さん、若葉さん、起きて……?」
「ん、んぅ……ぁ、紅葉、さん……?」
「おはよ。早速で悪いんだけど、返事、聞かせてもらえないかな……?」
「ぇ、返事、って……?」
「あたしのモノに、なってほしいの」

もう一度、今度は面と向かってそう伝える。
先ほどより、乗っ取って頭の中を『好き』でいっぱいにされている若葉ちゃんは、
「私も、紅葉さんのこと、好きです。紅葉さんのモノに、なります……」
頬は紅く、少し上気したような顔でそう答えられた。
一度は俺の新しい身体にしようとした若葉ちゃんだったが、こういう形で、俺/あたしの恋人兼サブボディとなったのだった。
「これからは、呼び捨てにしよっか。よろしくね。若葉」
「う、うん。よろしく。紅葉」
呼び合って、あたしたちは軽く、幸せそうにキスをした。

名残惜しかったのだが、部活終わりに一緒に帰る約束をして、私は部活に向かうことにした。


「こらーーーそこぉ!ちんたら走ってないでちゃんと走りなさい‼またタイヤでも縛り付けられたいの!?」

校庭に出た瞬間に耳に響くやかましい叫び声。うちの部活の顧問の川原四葉先生だ。
付けられたあだ名はパワハラ先生。正直、名付けた人はいいセンスしてると思う。

「紅葉!ちょっとこっちに来なさい!」
下駄箱でしばらく時間を潰そうと思ったけれど、四葉先生はあたしに気付いたみたいでご立腹な様子であたしの名前を呼んだ。
ああ、はやく部活終わらせて双葉ちゃんや若葉といちゃいちゃしたいなぁ、と、そんなことを考えながらあたしは四葉先生のもとへと駆けていった。

そのままあたしは四葉先生に連行される。
見た目は美人なんだし、キリっとしてるし、うるさくなければ絶対人気出るのになぁ
折角この身体の性能を試すチャンスだったのに、お部屋で説教コースは嫌だなぁ……
そんなことを考えながら先生の後についていく。
と、その時だった!

階段から現れた男子が四葉先生にぶつかり、2人はそのままの勢いで階段を転がり落ちた!!
突然のことにただただ唖然とするあたし。
ぶつかったのは確か、あの利明と双璧を成すスケベ男子の新庄史郎……そうだ。あたし聞いたことある。
最近陸上部のリレーメンバー3人(全員確かに可愛い)にご執心で、覗きの噂とかも立っていた、あの史郎(一応先輩)だ。
少しして四葉先生が起き上がった。

四葉先生は起き上がると手をまじまじと眺め、史郎を一瞥するとニヤリと笑う。
そしてやっとあたしに気付いた。

「あ、紅葉ちゃ……いや、紅葉!なになに?生活指導室で説教……?嫌だよ面倒くさいな……
そうだ、あなたはもう練習に戻っていいわよ!わたしはこれを何とかしてから戻るから!」

そう言って史郎を指さしていた。
とりあえずあたしは練習に戻る……振りをして四葉先生の動向を探ることにした。
誰も居なくなったことを確認した四葉先生は、史郎を放ってルンルンと鼻歌を歌いながらスキップしだした!あの四葉先生が!?
史郎のことなどガン無視してトイレに、一瞬躊躇したあと鼻の下を伸ばして女子トイレに入っていく。
個室のドアを閉めると、ドアの中から衣擦れの音がしてくる。
……明らかに回数が多い! 脱いでる、上まで脱いでる!

「ひひひ、これが俺の、カワセン(川原先生)の女の肉体かぁ~
この肉体なら、女子高生に好きなだけ近づけるぞ。『パワハラ先生』から『セクハラ先生』になっちゃうなぁ!
これからは俺が川原四葉の肉体も立場も記憶も権利も存分に使ってやるよ!
お、アプリのダウンロードが終わったな……あとは来週この身体に魂を固定して、リレーメンバーの3人を、ぐひひ……」

とんでもない独り言が聞こえてきた。
しかし正直元の四葉先生よりもこいつが入っていてくれた方がこっちへの被害も少なそうだし、放っておくことにするか。
そう思って、あたしは部活に戻ることにした。

……この日を機に、四葉先生はセクハラは増えたもののパワハラはゼロに。
だいぶユルい性格になり、以前より親しみやすいと陸上部全体のモチベーションは向上。
陸上部の成績は一気に上昇し、表彰台常連校となっていく。
特に四葉先生と異様なまでに仲が良くなったリレーメンバーは、
恐ろしく息の合ったコンビネーションで県でもトップクラスの成績を収めるようになった。

その裏で、四葉先生の根回しによって新庄史郎は覗きに始まり、下着泥棒、その他もろもろあらゆる罪状が発覚し、退学処分となっていた。

結局部活が終わっても四葉先生が帰ってくることはなかった。皆を待たせるわけにもいかないので他の先生に軽く事情を説明して部活を解散してもらう。
帰りにちらりとトイレを覗いてみたけれど、史郎も四葉先生の姿も見当たらなかった。もしかしたらどこかの空き教室でも使って楽しんでるのかもしれない。
少し様子を探ってみたいけれど流石にこれ以上若葉ちゃんを待たせるわけにもいかないのだ。
あたしは後ろ髪を引かれる思いでその場をあとにした。

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