21片「細分//再編」
近衛さんと記憶や体を元に戻して、俺は一週間ぶりに学校に行く。
乙木達への復讐を終えた後、俺達が比較的楽に生きる為の下準備もそれなりに行って、大丈夫だろうと考えてからはメイン所を再開するつもりになった。
振り込み用の口座には、複数個所から既に十数万入ってきてるしね。万歳不労所得。
次の目的は宇治だ。正直な所をいえば、俺が居なかったら7~8割がた攻撃のターゲットにされていただろう。脂肪と、やや筋肉で太った体は100kg近く、動きは鈍い。
真正面から行けば、当然のことながら負けるだろう。じゃあどうするかと言いますと。
昼休み中、乙木達に何か言われる前に宇治に接触。
「やぁ宇治君。最近どうだい、俺を虐める事には満足してる?」
「な、なんだお前、ヘラヘラしやがって…」
「そりゃするよ。だって青海が退学になったし、俺から見れば脅威が一個減ったわけだから」
「…青海が消えた事について、何か知ってるのかよ」
「さぁね?」
口の端を緩めて笑っていると、詰め寄ってきて胸倉を掴まれる。
「わ、笑ってないで答えろよ! ど、どうせお前が何か、したんだろ…!」
脅し慣れていないのが丸わかりのどもり方だが、手に込められた力はさすがに強く、苦しい。その手が僅かに震えていたとしても、ね。
「…うん、いいよ、教えてあげようじゃないか」
「ホントか!?」
「ただし条件があるよ。乙木達には話さない事と、宇治君が1人で俺に着いてくること。2つとも出来なければ、何も言えないね」
「この…っ!」
少し苛立ったのか、俺の体は宇治に持ち上げられて、壁に叩き付けられる。当然ながら少しだけ痛い。
「…い、たぃなぁ宇治君。そんなに怖いのかい?」
「お前が、身の程を弁えないからだろ…! お前が下にいれば、俺までイジメられないで済むんだから!」
「だよねぇ」
まぁ、宇治君も自分が攻撃される側だという事は重々承知のようだ。だからこそ必死に身代わりを探してるんだろうけどね。
「だからこそ…」
「え?」
「卑怯者には何しても良い、って思えるよね」
「お、まえ…!!」
俺の体が、さらに壁に押し付けられる。宇治君の腕力と体重が重なると、流石に俺も重く感じてくる訳で。
ギリギリと襟首に込められる力のおかげで、首が閉まってくる。それに気付いたのか宇治君が手を離してくれて、確保された気道をはっきりと拡げる様に何度も強く呼吸をした。
「ッハ、ハァ…!」
「…、ほ、本当に、答えないつもりかよ。お前が何か隠してるって、乙木達に言っても良いんだぞ?」
「別に言っても構わないよ。…答えるつもりは無いけどね」
なるべく挑発するように喋りながら宇治君の反応を伺うと、何かに躊躇しているような感じが見える。
さて、ならば。
「さっきも言ったけど、二つの条件を呑んでくれるなら、宇治君だけには教えてあげようじゃないか。俺が何をやったのか、どうやって青海くんを退学させたのか」
「や、やっぱり知ってるんじゃないか!」
「乙木達には答えるつもりは無いよ。…解るかい? 宇治君だけには教えようって言ってる意味が」
「え…?」
お、喰いついた。
「多分、君が信じられないような事を俺は出来るようになった。知りたくないかい? その気になれば、それを行使すれば、この状況が逆転するって事は、十二分にあり得るんだよ」
「…!」
「けど俺はそれをする気は無い。乙木達の事は嫌いになっても、好きになる理由なんて一切無いからだ。アイツ等に組する事は、絶対に無いと断言するよ」
「……」
「同時にここで1つ、君に有利な話をしよう。俺に着いて来て、話を聞けば、すぐにとは言わないけど乙木達の脅威から解放してあげよう。
俺が居なくなれば、すぐに連中のターゲットに転がり落ちる可能性位、宇治君には解ってるだろ? だったら今のうちに、君より下の立場で、乙木達に嫌悪感を持っていて、既に青海で実績を作った俺が居る内に、どうにかしようと考えないかい?」
「…着いていけば、良いんだな? そしたら答えるんだな?」
「あぁ、勿論」
「…さーて、気合入れてバラすぞー!!」
昼休みが終わるにあたり、宇治君を保健室に連れ込んで『分解』。言うわけないだろ、馬鹿か。
保険医のおばさん先生は『接続』からの洗脳で俺達の行動を見て見ぬフリをさせる。そこから教師たちに、体調不良という事で様子見をすると伝達させる。
目の前のベッドの上には、横に寝かせた宇治君の腕を手に取り、さらに『分解』発動。
「今回は…、こうだ!!」
プラモのパーツを外す、というか、魚の開きを作るように、というか。そんな形で腕を“分ける”のではなく、“解(バラ)”す。
大体は関節に沿って『分解』していった訳だけど、もっともっとと細かく分けていったら、こんな事も出来るだろう。そう考えての実験だった。
想定としては大成功。パカっと開かれた宇治君の腕からは血が出る訳でなく、傍目にはグロい内部の繊維が見て取れる。
この中から筋繊維だけをさらに細かく『分解』して取り外す。
ついでにおばさん保険医から両腕を『分解』・俺の体に『接続』して、施術用の腕にする。同時に俺の腕を宇治君のモノと同様に『分解』していき、内部を露出。
「さて、上手くいくかな…?」
俺本来の腕の筋繊維がある場所に、宇治君の筋繊維を『接続』させ、筋肉の増設していく。まずは右腕だけを完了させ、元の状態に戻す。
「さて、どうかな…、っと!!」
筋力の増設された俺の右腕で、空きベッドを持ち上げようとする。
30キロ以上はありそうなベッドは、思った以上に簡単に持ち上がった。
「ふぅん…、悪くないじゃないか…」
笑いそうになるのをどうにか堪えて、同じような筋肉の移植を四肢に行っていく。
腕だけじゃバランスが悪いし、ちゃんと脚もしっかりさせておかないといけないし。その分体重は増えるけど、男の体だし数キロ増えてもまぁ許容範囲だと思うよ。
もちろん、宇治君の全部の筋肉を取るわけじゃない。筋肉を全部取ると宇治君が文字通り自立できなくなるし、何かを持つことも不可能になる。
だからきちんと、取るのは大体5分の2位に留めておく。良かったね宇治君、ダイエット出来たよ。減った筋力で変わらぬ脂肪を支えておくれ。
「…よし、丁度良いかな。宇治君、起きてー?」
一頻り終えた後、昼休みの記憶は消して宇治君に声をかけ、起こす。彼は突然重くなった体に不思議がりながらも、いつも通り乙木達の所に向かっていった。
「ここまで出来るんだから、多分骨格を変える事もイケるな。ふむ…」
増加した筋力を確かめるように、おばさん保険医を持ち上げながら考えてみる。
何の筋力を体に『接続』させるか、千草と乙木をどう『分解』していくか。
あぁ、楽しみだ。
22片「強引//誘引」
宇治君から筋肉繊維を奪った日からまた翌日。体の力強さを確かめる為に体育の時間は全力を出してみたが、思った以上に脚は早くなっていなかった。
筋肉のつき方が違うのか、と考えながら次の相手を考える訳だが、迫間さんと千草くん、どちらが良いだろう。
千草くんは撫子さんがちんこだけ欲しがってたからな。どうにか確保する事が出来ればいいんだけど。
迫間さんは、あの肉付きの良いボディが心地よかった記憶がある。撫子さんや近衛さんみたいな大人とはちょっと違う、僅かに未成熟な柔らかさに満ちた姿は確かに捨てがたい。
「どうしようかなぁ」
現在何にも使われていない空き教室、背中に都築さんの体を『接続』して、二人羽織の要領で彼女の手で弁当を食べさせてもらう。もっとも、今の都築さんの体は俺の体の延長線上であるが故に、ベタな失敗演出なんてありもしないんだけどね。
勿論、『接続』の為に都築さんは腹部、俺は背中を出して肌同士をしっかりと合わせている。これで本当に羽織を上から掛ければ、誰もこんな事になっているなんて気づかないだろう。
俺が食べると、その咀嚼の間に都築さん側の体がお弁当を口に運ぶ。ちゃんと彼女の体にも栄養を渡しておかないとね。
一頻り食べきると、ガラリとドアが開いた。
「…菫ちゃん、何してるの?」
「あら、胡桃じゃない。あなたこそどうして空き教室に来たの?」
入ってきたのは迫間さんだ。俺の方に身体を乗せている都築さんの姿を見て、何をしているのか解りません、といった表情でこちらを見ている。その疑問には、『接続』している都築さんの体で喋らせる。
ちなみに「菫」というのは都築さんの名前、「胡桃」というのは迫間さんの名前だ。
「菫ちゃんがどこに居るのか解らなくって探してたら、日浦先生がここに居るって言ってて…」
「間違ってないわね。居たのは間違いないでしょ?」
「そう、だけど…。本当に何してるの?」
「適当に乗ってあげてるの。こんな事でも喜んでるのよ、コイツはね」
適当な理由を言うと、迫間さんはやっぱり納得しかねるよ不思議そうな顔をしている。仕方ないな。
「…来てくれたのは好都合ね、次は迫間さんにしようか」
命令を与えて『分解』した都築さんの体は、俺と同じタイミングで迫間さんに向かい駆け出す。
都築さんが声を出せないように口元を抑え、俺が増量された筋力で迫間さんを抑える。同時にスカートの中に手を突っ込み、下着をずり降ろした。
「むぅぅ!?」
脚を無理矢理開かせて、濡れてもいない迫間さんの女性器に、そのまま勃起したちんこを突き込んだ。
「…ぅぅっ!」
当然ながらキツく、潤滑液も無い状態は突き込みにくいし、処女膜の歯止めもあった。しかし気にせずぐい、と腰を押し込むと、子宮口に亀頭が触れる。
「…それじゃ、行くよ?『接続』発動」
「!! ………」
腰を押しつけたまま発動させると、迫間さんの脚が俺の腰に回される。同時に彼女の体がピンと反り返り、腕は揃えて体に添えられている。目は焦点が合わず、口が半開きになった。
疑問に思ってきた都築さんが問い始めると、きちんとそれに応える。
「…胡桃に何をしたんですか?」
「簡単だよ、迫間さんには俺のちんこになってもらったんだ」
物頭みたいに、『接続』させた物が「元あった部位の代替品」みたいな物になるのなら、こんな事も出来るだろう。これで俺の股間からは、誰よりもでかいちんこが出来た事になる。重量が変わる訳では無いのでおかげで腰が微妙に痛い。
床に座り、迫間さんが元々着ていた服を脱がせ、上半身だけを裸にさせる。
「都築さん、どこでも良いから触ってみて?」
「はい。…ここなんかどうでしょう」
「んっ、…なんか、いつも触られた以上の感覚があるかな…」
びく、と迫間ちんこの背中を触られたら、いつもの裏筋を撫でられたような感覚がしてくる。感覚的に、俺のちんこがそのまま大きくなったものに近いのかもしれない。次にやる時は、後背位からの『接続』にしてみようかな。
「次はここを…」
「ん…っ!?」
俺の眼前に来ている、迫間ちんこの胸が都築さんの手で揉まれていく。不思議な事に、今度は俺の胸にも甘い疼きがやってきた。どういう事だろう。
「「俺」はここが気持ちいいんですか? じゃあもうちょっと…」
「や、ちょっと待っ、て、都築さん…!」
迫間ちんこの胸を揉まれる度に、俺もどうしても身もだえてしまう。男の体で女の胸だなんて、撫子さんのおっぱいを借りた時以来だ。
「そ、それより、もっと全体を触ってほしいな。手淫をしてくれる時みたいにさ」
「そうですか。でしたら、このように…」
「ん、おぉ…!」
都築さんは迫間ちんこを抱きしめて、全身で擦りあげる様に扱いていく。女性の柔らかい体で擦られている物が、同時にやわらかい女の体で形成されたちんこ。他の奴には、どうあっても味わう事なんて出来ないだろう。
勢いはないが、ゆっくりとした快感が昇り大きな迫間ちんこから登っていく。ずり、ずりと撫でられる中、都築さんの手が迫間ちんこの頭に触れた。
「っおぉぅ!?」
瞬間、体が強くはねた。これはまさか頭の部分が亀頭扱いになっているのか。
「…ほう。これはまた良い反応を貰いましたね。では此処を重点的に、続けましょうか」
制服の前をはだけ、素肌同士を押し付けながら、俺は迫間ちんこの頭と胸を同時に責められる。
「お、っお…! な、なんか良い…!」
柔肌同士が触れ合うゆったりとした前戯は、解放を求めて少しずつ俺の中に精を溜め込んで、発射したいとばかりに駆け上がっていく。
普通のちんこが射精をする前にわずかに膨らむような感覚が、迫間ちんこでも起き始めている。少しだけぷく、と体を膨らませ、射精が秒読み段階に入った。
「ん…っ、っく、これ、どういうことだ…! で、る…!」
「んむ、ぢゅる…!」
いざ射精します、という時に都築さんが迫間ちんこの口を貪った。おそらく鈴口の部分にあたるところから、どくんと精液が溢れ始めた。
「っは、んっ…、何でか出てる…!」
「…ん、ぐ。…はぁ、どうしてでしょうね」
まさかここまで「ちんこの代替品」になるとは思わなんだ。どうなってんだこれ。
一度しっかり射精をして、少し萎んだ迫間ちんこは、くたりと背を逸らし床に倒れ込んでいる。
「はぁ…、あぁ、スッキリしたぁ…」
「流石に胡桃の体だと、挿入なんて出来ませんよね」
「これが入ったらどれだけ巨大なのやら…」
生憎と巨大な存在、というのをお目にかかった事が無い。都築さんは、迫間ちんこの口の中に残ってる精液を吸いだしており、同時にその感覚が俺にも返ってくる。
それが終わったらきちんと迫間さんも洗脳しておかないと。ちんことして『接続』しているより、普通に抱いたり体を交換した方が、やっぱり気持ちいいし。