増3片「素体//交換」
本音を言おう。実は俺は、桂木さんの体に関してさしたる未練は無かったりする。
確かに体の感度は良いが、逆に言うとそれだけなのだ。下半身のスタイルはそれなりだけど、胸は平らに近いし。
逆にどうして彼女の体を使い続けているのかというと、理由は簡単。整っているからだ。
人間の体を継ぎ接ぎしてしまえば、どうしたって歪さは出てしまう。服の中に隠す普段使いの体ならともかく、体を見せるような海水浴場では、継いだ時の見た目、特に皮膚のおかしさは隠しようがない。
まぁ、そこもどうにかする予定ではあるのだけれど。
さて話を戻そう。
体を交換する為の代替品をどうするか、という話なのだが、これは最初に考えたものから変える必要は無さそうだ。
愛衣ちゃんの意識を書き換えて、クラスメートのモデルの子と渡りをつけてもらう。向こうも休日故に暇をしていたそうで、少し訝しみはしたものの乗ってくれた。
同じクラスの人間であり、多少なりとも付き合いがあるというのが功を奏したようだ。
愛衣ちゃんの体と姿を借りて、待ち合わせの駅前に着くと、確かに記憶の中の…、雑誌の中で見た子が居たので、気さくに近づきながら手を取って『接続』してあげる。
よし、この子は貰った。
愛衣ちゃんの家まで連れていき、作業を開始。
まずは記憶を丸ごと貰い、所属している事務所のメンツの中からある程度目星を付ける。
雑誌に載るようなタイプの子は、この先もそれなりに仕事があるんだろし、それがいきなり出て来れなくなったら困りものだろうからね。
いわゆる二軍の中から…、全体のボディラインなどの問題で表に出て来れない子達から見繕おう。
一部だけ気に入らなかったら、また別の子から取ればいいんだし。
バッグの中に入れてた小型タブレットに記憶を移し、知る限り全員の姿を見ていく。記憶の中だけだと、どうしても齟齬が出たりするから実物は見ておきたい。
「ふむ…、とりあえずこの子と…、この子と…」
画面をスワイプしながら目ぼしい子を探していく。さて、次は彼女たちにどう接触するかだが…。
ここは事務所に取り持ってもらうのが一番かな。
「その為には…、よろしくね、愛衣ちゃん?」
「あぁ…。はい…」
焦点の定まらない目をしている愛衣ちゃんを、モデルの子の体にくっつけてあげる。身長はさほど変わらなく、元の体と比べてもやはりプロポーションは良くなっただろう。
そのままモデルの子の記憶を渡し、顔のパーツをすべて付け替えたことで、「佐々倉愛衣」という人物は目の前から居なくなった。
彼女の体は素体にして奪ったパーツの代替品に。顔のパーツも使える所を使っていこう。
俺の体に愛衣ちゃんの顔と体に『接続』してから、元・愛衣ちゃんに事務所まで案内してもらい、中に入り込む。
新たにモデルになりたいという事を言いながら、熱意を見せる形で手を取り、そのまま『接続』。
男女2人しかいない事務員を「俺」にするのは然程難しくは無く、所属モデルの情報を全てもらう事が出来た。
総勢14人の情報を見ながら考えていると、男の事務員が聞いてくる。
「…どうでしょうか?」
「そうだね…。とりあえず何人かピックアップするから、面談したいって事で連絡して?
それと君のは…、んっ、中々良いね…! とろとろで、沢山男を咥えこんでてさ!」
「っは、あ! あ、りがとう、ございますぅ…!!」
女事務員のまんこを俺に、女事務員には男事務員のちんこを『接続』させた状態で、俺は女事務員を騎乗位で犯している。
仕事を貰う為に事務員でさえ体を売っていた事で、彼女は何度も犯されていた。自分も悦んでいく内に使い込まれた女性器は、じわじわと胎内から快感が昇ってくる。
「はん…、ん、アイツのビラビラ、良い…! なぁもっと、もっとシようぜ…!」
元・愛衣ちゃんは、あこがれていた相手の体になった事を喜んでおり、女らしい体を自分なりに楽しんでいる。
「仕方ないね。それじゃ相手してあげて? 君に『接続』した、愛衣ちゃんのまんこでさ」
「解りました。でしたら電話は後にしましょう」
ちんこを『分解』された男事務員の股間には、とりあえずという事で俺の体にした愛衣ちゃんのまんこが『接続』されている。
まんこ以外は男の体のまま、男事務員はズボンを脱いで元・愛衣ちゃんに覆いかぶさっていく。
体は男女なのに、股間だけは互いに女同士。俺の目の前で、2つの女と1つの男の嬌声が響いていく。
「はっ、ん、ふぅ、ん…!」
女事務員の手が伸びて、俺の物になった愛衣ちゃんの体の小さな胸が撫でられていく。
小さなサイズに沿った敏感さは、じんわりと広がるまんこからの快感と異なり、ぴりぴりと新鮮な刺激を与えてくる。
下に組み敷いた女事務員の腰の動きは、かつて自分がされたであろう動きを行ってくる。
それはつまり、自分がされれば気持ちいい個所をわかってるという事。自分がされた事を、今度は男の立場でし返している事で。
「わ、わたしの、アソコが…、こんなに良いなんて…!」
「うんっ、君のとろとろまんこ、俺も気持ちいいよ?」
「ありがとう、ございますぅ…! っうぅ! 出るぅ!」
「んっふぅぅ…!」
女事務員が男の快感に堪えかねて、俺の奥へと精液を叩きつけてきた。20代半ばの何度も使われたまんこは、精液の熱をじんわりと胎内に広げていく。イきはしないが、幸せな感じになってきた。
「ほらもっと、押し付けて来いよ…! あ、んっ…!」
「こう、ですよね。っおぉ…!」
隣では不慣れな様子で貝合わせをしている男事務員と、元・愛衣ちゃんがいる。
女としての経験から、男事務員を導くように足と、使われたまんこを広げて彼を誘導している。
すっかり濡れている元・愛衣ちゃんはもどかしそうに、けれど初めてだろう貝合わせの感覚に、嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「……」
その光景を見ている。片方は男の下半身だけど、重なり合っているまんこはグロテスクな様子であり、同時に淫靡だ。
女事務員からちんこを『分解』し、男事務員のちんこを俺の右掌に『接続』する。精液と愛液で濡れているちんこは、まだ足りないとばかりにいきり立っている。
それを、こう。重なり合っているまんこの中ではなく、間に挿入した。
「あぁんっ!」
「お、ぉ…ん!」
全体を包まれる感覚ではないが、2つの温かい柔肉と陰核の感触に、俺も背筋が震える。
「ほら、2人ともそのまま動いて、イこうよ…!」
「あ、あぁ…、んぅぅ…!」
「は、い…、っほ、ぉぅ…!!」
ぐりぐりとちんこを捻り、2人の陰核を重点的に責める。ちんこにはさらに2人の愛液が塗されて、滑りが良くなっていく事で、俺の腕も動かしやすくなる。
直の挿入とはまた異なる、やんわりとした快感だけど。俺達を絶頂させるのに、あまり時間はかからなかった。
増4片「品評//構成」
一頻り事務員たちと行為をし終えた後、給湯室にある湯沸かし器から出したお湯で汗を拭いたり、臭いを取ったり、トイレで出された精液の処理などを行う。
男事務員に俺の体を拭かせながら、とりあえず気になる事は聞くことにする。
「所属モデルの中で、抱かれてない人間ってどれだけいるの?」
「実はもう全員が抱かれています」
「そうなんだ。…じゃあ股間部分は、今は愛衣ちゃんの物のままで良いかな?」
別に俺は処女厨という訳ではない。気持ち良ければいいというよりは、それなりに好きになった相手と一緒に快感を得られればいいと考えているだけだ。
ぶっちゃけ撫子さんも俺と最初にヤった時、既に非処女だったし。その分気持ちよかったし、リードもしてもらえたけどね。
それでも新しい体を作るという関係上、出来る事なら新品の方が良いなと思っているのだ。…桂木の物はともかく、胡桃ちゃんや菫ちゃんの処女も俺が奪っちゃったし、出来る事なら撫子さんに初物を食べさせてあげたい。
…まぁ、愛衣ちゃんの物も下の口に合わないようだったら別のを探せばいいだけなんだけど。
そんなことを考えていると、女事務員が給湯室に入ってきた。
「全員呼びましたよ、17時に集合としたので、少し時間はかかります」
「ありがと。後でまたシてあげるからね」
「ふぁ…! はい…」
女事務員の股間には、未だちんこが『接続』されたままになっている。当然男事務員の股間には、女事務員のまんこがついている。
そっと女事務員の股座に触れて、未だ落ち着かないちんこを服越しに撫でながら給湯室を出て、服を着る。
「それじゃあ今の内に準備しておかないと…」
時刻は15時50分ごろ。一時間くらいしか猶予は無いけど、それでも困る事は実は無かったりする。
電源の延長コードを手に『接続』し、電源ではなく手を伸ばすためのコードにする。
それをそのまま事務所の入り口の扉に『接続』しておき、今度は扉を俺の手にする。
ちなみにこの事務所、マンションの一室を借りて作られており、両開きの扉なんて存在してない。誰かが触れた瞬間にその相手へと『接続』することで、1人ずつ「俺」にしていくのだ。
え、複数人一緒にやってきた時はどうするかって? そんなの軽いスキンシップからの『接続』で一発だよ。
撫子さんに帰るのが少し遅れる、と連絡を取っておいて、待つことしばし。集合時間の、早くて30分も前から少しずつ所属モデルたちが集まってきた。
インターホンを鳴らす事で事務所側に知らせて、鍵を開ける事で入室を促す。それに従う彼女たちは、律儀にドアノブに手をかける事で俺に『接続』されていく。
いちいち記憶などを奪うのも時間と脳の容量がかかる為、みんなが来る前にある程度考えて作っておいたエントリーシートに、名前と身体データ、特技や自慢の身体部位などを記入してもらう。
欲しいと思った部分をピックアップして得ていくという事も、これでできるようになるのだ。
「ふぅん…」
まず最初にやってきた3人から、エントリーシートの内容を見ていく。
可能な限り現在のデータを記入してもらった事で、事務所のPCにあるデータとの差を埋めていく。これらを基に情報を更新していく必要もあるしね。
何故かと言われたら、そりゃ俺が貰うからだよ。
集合時間が近づくにつれて、人が増えていく。マンションの部屋は大きいとはいえ、さすがに元・愛衣ちゃんを除いても13人が一堂に会すると、意外とスペースを喰ってしまう。
ドアノブに触れたり、場合によっては俺が直接触れる事で『接続』していき、全員に「あらゆることの上位に「俺」がくる」ように仕向ける。
これで彼女たちは全員、俺のいう事を何の疑いも無く受け入れてくれるようになった。
まずは全員、エントリーシートを記入して待ってもらう訳で。
必要となったら俺が直に面談して、彼女たちのパーツを品定めしていく。事になる。
「それじゃ来た順番に見ていこうか。呼んで貰って良い?」
「解りました」
女事務員に頼んで、衝立の向こう側で話し合う事にした。
とは言っても、顔や髪の毛などは所属している事の関係上、あっという間に変わってしまえば問題や大ごとになりかねない。
可能な限り、服の中で隠れるような体のパーツに重点を置いてみていく事にする。
俺の目の前で脱いでもらって、もう一度『接続』しなおして感覚を確かめる。
細かく分けるれば、必要なパーツは7か所。
腕、手、胸、腰、尻、脚、足。
これ等をバランス良く組み合わせる事で、理想の体のひな型を作り上げるのだ。
細かい事は省略しよう。
だって1人1人やると、明らかに時間が足りなくなるんだもん。
細くしなやかな腕は7人目の、
白魚のような手は手タレも並行している3人目の、
形の良い乳房は2人目の、
細すぎず太すぎないくびれの腰は1人目の、
丸くてハリのある尻は11人目の、
脂肪の少ない扇情的な脚は13人目の、
小さくかわいらしい足は5人目から『分解』し、俺の体に『接続』した。
もちろんそれらの代替品として、愛衣ちゃんの体だった個所を彼女たちに『接続』することで返してあげた。
首から下のパーツ、股間部分を除いて全とっかえした俺の体を、姿見の前に映してぐるりと回転してみる。
胸は尻は大きすぎず小さすぎず、しかしこの場で考えられるだけ考えたバランスの良さを誇っている。
けど問題が1つ。
全部のパーツが違う人間から取られた事で、皮膚の色が部分部分で異なっているのだ。
放っておけばその内馴染んでくるだろうが、それにかかる時間がどれ程なのか解らない。
という事で、体を作る為の最後のパーツを得る為に、6人目の子を呼ぶ。
もちろん服は脱いでおり、裸身が目の前にある。シミ一つない可愛い子で、まだ発展途上と言わんばかりの度合いだ。
だからこそ良くて、ちょっぴり罪悪感もあるけど、後者はゴミ箱に叩きこむ。
「それじゃあ君からは、皮膚を貰うよ。『分解』」
首から皮膚だけを『分解』し、俺の色違いの皮膚と交換『接続』していく。
皮を張り替える事で、胸や尻は突っ張るような感じもするが、違和感は次第に失せていく。
首と体の部分が違うのは、もう仕方ない事だと納得しておく。そのうち顔の部分も別人のパーツを組み合わせるつもりだし、可能な限り体の皮膚に近い色を探すとしよう。
「……ふふ、良いねこの体。みんなの協力あってこそだよ」
一方的な、有無を言わせぬ協力の取り付けではあるが、何も気にすることは無い。
改めて姿見に体を映すと、先ほどの違和感は消え失せていた。
さぁて、次は顔だな。
このバランス良く、俺個人の理想に沿った体なのだ。顔もそれに合わせたものにしないと気がすまない。
という事で、「俺」の理想に沿う相手がいないか皆に訊いてみた。