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バニー・イン・ナイトメア

2016/02/22 01:36:26
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.3『女性専用車両で股間を責められる』

「バニー・イン・ナイトメアへようこそ!あ、また来てくれたんですね」
「ああ。今日もまた利用させてもらうよ」

数日後、俺は再びバニー・イン・ナイトメアへと来ていた。
前回の体験の後、俺はバニー体験を思い出しオナニーに没頭していた。

だが何度もオナニーをしている内に、まだ足りない気がしてしまったのだ。
もっとバニーガールになって楽しみたい。快感を貪りたい。そう思う度に俺は悶々とした日々を送っていた。
そして結局、またここに来てしまったのだ。

「悪夢は嫌だ。だけど… 俺はもっともっと、バニーガールになりたいんだ!」
「あはは。本当にお好きなんですね。バニーガール」
我ながら何を言っているんだか。

「いいですよ。貴方様がそれを望むのであれば。永遠にバニーガールにして差し上げます」
「え?」
永遠に…? あの至福の体験を永遠に楽しめるのか?

俺が悩んでいると、金髪リボンのバニーガールは笑った。
「フフ。冗談ですよ。貴方様には『現実』というものがあります。ここは結局は夢、ですからね。永遠に楽しむという事は不可能なのです」
なんだ。冗談か。少し残念に感じてしまった。

「永遠は無理ですが… 今日はその分楽しみましょう。ルーレット、行きますか?」
「OK。始めてくれ」

目の前にルーレットとバニーガール達が出現する。前回青色が出たので、今日は青のマス目は存在しないようだ。
カラカラ、と玉が跳ね、最終的に出たマス目はピンクだった。

「あら、私のようね」
銀髪ロングのバニーガールが立ち上がり、こちらに腰をくねらせて歩み寄る。

「私のシチュエーションは『女性専用車両』よ。若葉の経験で分かっていると思うけど、貴方は私の体になって、
バニーガールとして女性専用車両に乗り込む事になるわ」
ただし、とバニーガールは付け加える。
「前回と違うのは、他人にとって、貴女は不自然な存在になるという事。他人の視線はちょっと刺激的になるかもね」

なるほど。今回はそういう趣向か。俺は内容を理解した。
「前と同じように『設定を思い出す』のも大丈夫なんだな?」
「ええ。私の設定を思い出されるなんて、ちょっと恥ずかしいわね」

くす、とバニーガールは妖艶に微笑む。
美人だ。このバニーガールに俺は今からなるんだ。そう思うと、やはり興奮が隠せない。

「それじゃあ始めるわね。…あ、私の場合はキスで開始するの。恥ずかしいから目を瞑ってくれるかしら?」
「あ、ああ」
俺はドキドキしながら目を瞑る。すると、俺の顎にバニーガールの細い指が添えられた。

ちゅっ。

唇同士が触れた。柔らかい感触と同時に俺の口から何かが吸いだされていくようだ。
力が抜ける。意識が消えていく……


―――――

カツカツカツ。俺はハイヒールを鳴らしながら駅構内を走っていた。
「おっと」
前回とは異なり、今回は立っている状態で始まった。おもわずバランスを崩しそうになるがなんとか踏みとどまる。
自身の姿を見下ろす。ピンク色のバニースーツにピタピタのタイツが食い込んでいる。むちむちの女体は息を飲むほどに魅力的だ。
俺はまたバニーガールになっていると実感した。

「えっと… 何で走ってたんだっけ?」
俺はこの体の設定を思い出した。

…今の俺の名前は如月三穂。これから撮影会があるので電車に乗ろうとしている最中。
ただ、あと少しで電車が出てしまう。急がなければならない。 …というものらしい。

「げっ。急がないと!」
ハイヒールで走るというのは非常に難しく、何度もよろけながら俺は走った。
途中で階段を降りる。大きな胸が邪魔で下が見えないというのは少し怖い。
他人の視線が俺の揺れる胸や股間に集中していた気がした。


「ドァーしまりやーす」
駅員のアナウンスとほぼ同時に俺は電車に乗り込んだ。
「はぁ… はぁ… ふぅ。間に合ったぁ」
俺は息を切らし、どこか席が開いていないか確認する。しかし、人の数が思いのほか多く、座れそうにないようだ。
仕方なくドア付近の手すりに掴まり、そこで息を整えた。

「それにしても…」
電車内には女性しかいない。
これが女性専用車両か。乗客の女性は皆一様に可愛く、いい香りが漂ってくる。
現実ではあり得ないが、ここは夢の中。なんでもアリなのだろう。

そして、乗客の視線が俺に集中している事に気がついた。
あ、バニーガールはさすがに目立つんだ。なんだか皆から見られているというのは… 恥ずかしいな。

ガタンゴトン。電車が発車し始める。
しばらくすると、乗客達は俺の姿にも慣れたのかスマホ等をいじり始めた。どうやら興味から外れたようだ。

「あ…」
なんだか股間がむずむずする。走っていて汗でムレたのか?
ツヤツヤのバニースーツの通気性はかなり悪い。汗がなかなか乾かないのだ。
直接そこを触るのは恥ずかしい気がしたので、俺は誰も見ていない事を確認すると股間を手すりに擦りつけた。

「っ!」
バニースーツに包まれた女の器官。そこが擦られた事で大きく反応してしまった。
なんだこれは。男のシンボルを擦る時の感覚を凝縮したような刺激だ。

俺は上下に動き、何度か手すりに股間を擦りつける。その度に強烈な快感が弾ける。
やばい。これはイく。
窓に映るバニーガール。しゅ、しゅ、と、股間を擦りつけるその姿はまさに痴女そのものだ。

びくんっ!大きな快感と共に頭が真っ白になる。足ががくがく震える。イった。俺はまたバニーガールの体でイったんだ。
「あ、あはぁっ…」
女の体…気持ちよすぎだよ。しかもイってもまだまだ快感が続くなんて…。
男のオナニーでは足りなかったモノ。それがこの体にはあるんだ。

窓に映る俺の顔はほんのり赤く染まっていた。エロい。こんな表情を見たら男だったら即勃起してしまうだろう。
…そう思った時だった。

俺の股間に違和感が生じた。

「え。あれ?これはもしかして…」
血液が集まっていくような充足感。ソレがキツキツのバニースーツを押し上げていく。
「え、ちょ。待って。俺は女だろ!?」
女にはあり得ないハズの男の象徴。それがバニーガールに生え始めたのだ。
さらにバニースーツに収まりきらない二つの玉が横にぽろりと露出する。
完全に勃起しきったペニスはへその上まで盛り上がり、横から見ればもっこりが丸わかりになってしまった。

「なんで。なんでだよっ」
俺は手すりでそれを隠そうとするが、大きすぎて隠しきれない。
急いでこの如月三穂の設定を思い出す。すると衝撃的な事実を思い出す事が出来た。

この体、如月三穂は『元男』。一日に何度か女体化薬を飲用する事で女体を保っている。
今日は寝坊して急いでいたあまり女体化薬を飲み忘れた…という内容だった。

「こんな美人なのに元男だったなんて…」
そういう『設定』なのだろうけど、今の俺には理不尽に感じてしまう。
この状態が乗客の皆にバレたら… 俺はぞっとしてしまった。

幸い美人の顔はほぼ変わらない。股間さえ見られなければ大丈夫なはずだ。
俺は早く目的地に着く事を願いながらその場で待ち続けた。

だが、ガチガチに勃起したペニスは早く射精しろと言わんばかりに俺を狂わせる。
オナニーしたい。オナニーしてバニースーツの中に白濁した液を放出したい。
だがもし出してしまえばニオイで一発で分かってしまう。絶対に出来ない。

俺は背中を丸め縮こまった。その分お尻を付き出してしまう恰好になってしまう。
…そのせいだろうか。何者かの手が俺のお尻を触った。

「ひゃっ!?」
小声で驚く俺。窓には黒髪ロングの美人が映っていた。この人に痴漢されてる!
なんでこんな時に限って痴漢なんだよ!しかも美人に痴漢されるってどういう状況なんだ!

俺はその手を止める事も出来ず、なすがままになっていた。
もし声を張り上げてしまえば、俺が男とバレてしまうかもしれない。

さわさわと手が俺のお尻を這いまわる。タイツに包まれた丸いお尻はそれはそれは気持ちがいいのだろう。
「くっ… ふぁっ…」
だめだ。力が入らない。声が漏れてしまう。

そのまま美人の手は俺の前のほうに向かった。そ、そこはだめだ!
ぎゅっ。と、バニースーツに包まれた俺のペニスを握り込まれる。
女の子の柔らかい手とツヤツヤのバニースーツの感触は、今すぐにでもイきそうなくらい気持ち良かった。


「あら、いけない子ね。女の子だけが乗れる車両になんで男の子がいるのかしら」
ペニスを摩りながら、黒髪の美人は耳元で囁く。
「はぅっ…お、俺はその… なんていうか…」
「そんな目立つ恰好して。ガチガチに勃起させちゃって。そういう趣味なのね?…ふふ。へ、ん、た、い♪」
「うっ…!」

変態…確かにそうなのかもしれない。こんな状況で興奮しているんだ、俺は。

「そんな変態ちゃんにはおしおきが必要ね。ここでイっちゃいなさい」
「や、やめてくださ… あぅんっ!」
しゅ、しゅっ。黒髪美人の手が上下に動く。敏感な所が擦れて喘ぎ声が漏れる。
そして今度は足を俺の股のほうに寄せてきた。タイツにこぼれた玉が軽く刺激される。

ダメだ。こんな所で射精したら… バレる。皆にバレてしまう!

顔を真っ赤にしながら快感に耐える、窓に映るバニーガール。
股間にはピタピタのバニースーツを盛り上げる、痛いほどに勃起したペニスが存在している。
それを思いっきり扱かれて… 楽しんでいる俺がいた。

「あぁっ!」
びゅくんっ!上りつめていく快感と共に、俺はバニースーツの中に精液を噴出させた。
びくびくと動く俺のペニス。バニースーツに収まりきらない精液がタイツを伝っていく。

「あ…あぁ…」
ツン、と臭う精液のニオイ。女性専用車両にはありえない男のニオイだ。
そのニオイに気づいた乗客の何人かは顔をしかめていた。

そして俺は射精した後の虚無感に襲われていた。
興奮が一気に覚めていく。早くこの内側がびちゃびちゃのバニースーツを脱ぎたいと思ってしまう。
だがそれが出来ず、もどかしい思いに俺は苦しむ。

「あは。イった。すごい勢いで出したわね。こんな所で射精するなんて。どれだけ変態なのあなた。あっははは!」
俺に罵声を浴びせる黒髪の美人。そして俺を指さし、他の乗客に言った。
「皆ー。この人男よー。女性専用車両に乗って、射精する変態よー」

乗客の視線が俺に集まる。見るな、見ないでくれ!
俺は必至に股間を隠す。だが詰め寄ってきた何人もの女性によって手が払いのけられ、萎えたペニスがあらわになる。
いつの間にかしぼんでブカブカになっていた胸が、惨めさを際立たせていた。
もう、恥ずかしくて死にそうだ。

「次ぁ~○○駅~○○駅~」
駅員のアナウンスが聞こえた。ようやく目的地だ。
電車のドアが開くと俺は一目散に逃げだした。

その時だった。また、あの感覚が来たのだ。

≪ナイトメア≫

キィィイン。という耳鳴りと共に、世界の色が変わる。足がまともに動かせない。
吐き気を催すような嫌悪感… 悪夢が来たんだ!

「うわっ!」
いきなり地面が崩れ、俺は宙に投げ出された。
数秒の浮遊感の後、どぷっ!と、真っ暗な沼のような場所に落とされた。

「ぶはっ…!なんだ、ここ…」
ずぶ…ハイヒールの先から冷たい沼の底へと沈んでいく。
「ここはもしかして…底なし沼か!?」
俺は沈んだ足を持ち上げようとする。だが足は沈むばかりで全く持ちあがらない。

「くそっ… くそっ…」
悪夢が再度来るのは分かっていた。心の準備はしていたつもりだ。
だがそれでも、悪夢は俺の心を蝕み、飲み込んでいく。

「ああ、あああっ」
さらに飲み込まれ、胸元まで達した。
恐怖によって涙が溢れる。また、俺は死ぬんだ。

どぷっ。最後に顔が沈んだ。
息が出来なくなる。酸素を求めて俺はか細い腕を動かしもがき苦しむ。
いやだ、死にたくない。死にたくない。死にたくない…!

「がぼっ…」

そして俺の意識は途絶えた。

――――――


「ぶはっ! はぁっ…はぁっ… はぁっ…」
「お帰りなさいませ、お客様」

「はぁ… はぁ… ここは… バニー・イン・ナイトメア?」
溺死という悪夢の後、俺はバニー・イン・ナイトメアのソファで寝ていた。
「はい。悪夢は終わりです。お疲れさまでした」

やさしく微笑みかける金髪リボンのバニーガール。
俺は自分の体を見下ろした。いつもの、男の俺の体だ。

そして思っていた疑問をバニーガールに聞いた。
「…なぁ、一つ聞かせてくれ」
「何でしょうか」

「なんで男だったんだ?あのバニーガールは」
俺は渡されたドリンクを一口飲み、質問を続ける。
「バニーガールとして、女の子として楽しむ、というのがここの趣旨じゃなかったのか?」
そのせいで今回はかなり恥ずかしい思いをした。

「ああ、その事ですか」
金髪リボンのバニーガールは立ち上がり、自身の股間に手を添える。

「女体化は男性にしか出来ませんが、男体化は女性にしか出来ません。つまり今回の貴女様はバニーガールとして男体化を経験したんですよ」
「はぁ…」
うーん。なるほどと言うべきか。理解できるようで出来ないような。
「それに結構、貴方様は楽しんでたように見えましたよ?あんなに…気持ちよさそうにしていましたし」
「…見てたの?」
「はい。すぐ隣で」

俺は顔を真っ赤にしてしまった。気持ちよかったのは確かなのだ。
「くす。可愛かったですよ。変態さん?」
「う、うわぁぁぁ。じゃ、じゃあ、今日はこの辺で帰る。また来るよ!」
「はい。またのご利用お待ちしています」

俺は慌てて出口に向かうと、すうっ、と夢から覚めていった。

―――――――

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