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Patchworker Build

2019/10/01 16:25:16
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B11片「疑念//択一」

「は? 何言いだしてるんだよ羽張は…」
「まぁそういうよね、分かってた」

千草ちゃんはいかにも怪訝そうな顔をしてこちらを睨んでいる。
そりゃそうだろう、と言ってる自分でも理解するくらいに理解できる視線だったけど、さもありなん。

「別に大した理由じゃないんだけどさ、この間の事で男の体を一体確保したからどうかなって思って」
「だからって俺を元に戻す何てこと、羽張が親切心からやるわけないだろう?」
「うわひっで。そっか、千草ちゃんの中で俺の評価ってそんな感じなんだ」
「自分がやったこと忘れたわけじゃないだろうが」
「その言葉、そっくりそのままお返しするけどね」
「…っ」

事の次第、その始まりは乙木達の行動が元だ。そこに千草ちゃん(当時は“くん”)も絡んでいたからこそ、向こうは返答に詰まってしまった。
俺が『接続』と『分解』能力を得ていなかったら、果たして彼らはどこまでエスカレートしていたのか。
わからないし、もう知る由も無いけどね。そんな未来はどこにも存在してないんだし。

「…ま、いいさ。もう一度聞くけど、男に戻れるって言ったら戻ってみるつもりある?」
「…………」

返答は無い。どうせ俺が「素直に戻すかどうか」で考えているのだろう。
やだなぁ、たまの良心からくる行動にケチをつけるなんて。


「……本当に男の体なのか?」
「おや、それはどういう意味だい?」
「そのままの意味だよ。どうせ羽張の事だから、普通の男の体なんて用意してないんじゃないか?」

うん、鋭いな千草ちゃんは。
そうです、今回千草ちゃんのために用意した男の体というのは、先日弄り倒した連中…、女良くんのゴリマッチョ化した体なのです。
正直持て余していた所であったし、何かしら処分できないかという事を考えていた所、千草ちゃんの事が思い当たったのだ。
別に後処理係とか考えてるわけじゃないよ? 変えた当初は戻せとか言ってた記憶もあるし、戻してあげようと思っただけです。

「鋭いな千草ちゃんは」
「ほらやっぱりな。どうせ羽張の事だから、変な体しか用意してないんだろ。
どんな体だ? マンガみたいに腕とか脚だけ妙に長いとか、体型のバランス崩れてるとか、そんな体なんだろ。見せてみろよ」
「あ、持って来ていい?」
「…何を言わなくてもどうせ持ってくるんだろ?」
「まぁね。じゃあちょっと待っててねー」

一度「銀の湯」から出て車に戻り、人形頭と化したゴリマッチョボディを連れてくる。
使っている人形の頭が、元はラブドールであったためか違和感がとてつもない。だからこそ面白いという感覚も無い訳ではないが、直視し続けていたいものじゃないなと我ながらに思っていたりする。

「という訳で、こんな体なんだけど」

ゴリマッチョボディを見せると、千草ちゃんはポカンとした表情の後、こちらを見て口を開いた。

「馬鹿じゃねぇの?」

馬鹿って言われた。訴訟。
まぁ作った時、俺も何を考えてたのか分からないので訴訟は取り下げる。
人形の頭を取り外してボディだけを見せると、品定めをするようにじっと千草ちゃんの視線はボディに注がれていた。

「……」
「千草ちゃんがもし戻りたいって言うんだったら、このボディを取り付けてあげるよ。…その分、今の体には戻れなくなるけどね」

選択は常に、選ばなかった方を斬り捨てる決断だ。男を取れば女の体を捨てる、女の体を取れば男に戻れる未来を捨てる。
どちらかしか選べないし、選ぶことはできない。どっちもだなんて選択肢は存在しないし、俺自身そんな未来を用意されても、どっちかを選ぶだろう。
…選んだ後で別の選択肢を見つけるという事をしない訳ではないし、できない訳でもない。そんな力を持っているのだから。

「…これが、俺の体に…」

千草ちゃんは、じっとボディを見ながら考えている。
体を見下ろし、嘗め回すように視線を動かし、ある場所で目の動きが止まった。
止まった場所は下半身、股間の部分だった。


服をずり下ろし、直に股間部分を見る事にした千草ちゃん。
マッチョボディのちんこは、過去の千草ちゃんの物に近いほどのイチモツになっていた。つまるところ千草ちゃんは、男性2人分ほどの代物を持っていたことになる訳だ。

「……」

次第に息が荒くなってくるのを感じた。平静を保っている様だけれど、その変化は俺でも何となくわかる。
千草ちゃんの視点は、ずっとちんこから離れていない。

「…チンコ…、…の、チンコ…」

平べったく、先程注いだ精液が零れ落ちている股間を撫でながら、千草ちゃんはうわごとのようにちんこちんこ呟いている。
それだけ自分の股間に戻って欲しいのだろうか。それとも。

「はぁ…、こんなに大きいなんて…、元の俺の位ある…」
「…で、どうなんだ千草ちゃん? 男の体に戻る? それとも…」
「…………」
「それとも、女の体のまま、“それ”を味わってみる?」

それを股間に欲しがっている。それは確かだ。
問題はそれを、男性としてか、女性としてかの違い。
今の千草ちゃんは確実に、

「……欲しい。突っ込んで、欲しい。俺の中に…、挿れて欲しい…」

女性として、受け入れたいと思っていた。

「オーケー、じゃあお望み通り…、ブチ込んであげるよ」

俺の首を『分解』し、マッチョボディに『接続』する。
淫靡な彼女の姿に、ちんこはすぐ上を向いていた。


B12片「成果//堕落」

千草ちゃんは蕩けた顔をして、俺の勃起ちんこを凝視している。
顔に近づけてあげると、熱っぽい吐息が「はぁ」とちんこに吹きかけられ、少しだけこそばゆい。

「な、なぁ羽張…」
「どうしたんだい、千草ちゃん?」
「これ…、このちんぽ…、しゃぶって良いか…?」

おやおや、千草ちゃんは本当に女の子になってしまったみたいだ。
本来なら…自分が男だという意識があるのなら、取り戻したいはずのちんこをしゃぶりたがるなんて、本当に淫乱になったものだね。

「いいよ、是非千草ちゃんの技術の上達を感じさせて欲しいな」
「はぁ…、それじゃあ、む…」

我ながら大きいと思うちんこを、千草ちゃんは何のためらいもなく咥え込んだ。
ちょっとでも舌から放すのはいやだとばかりに、ちんこと舌を密着させている。
その動きも“恐る恐る”というようなものではなく、既に慣れた物といわんばかりに舌を動かして、裏筋を攻めてきている。
次第に聞こえてくるのは水音。じゅぷ、じゅぷと溢れてくる唾液を絡めながら、視界だけでなく音まで使ってこちらを楽しませようとしてくれていた。

「んぅ、はふぁり…、どう、ふぁ…?」
「うん、気持ちいいよ千草ちゃん、しっかりとね」

亀頭を頬の裏側に当てたり、歯を立てないよう唇で優しく包んでくるフェラチオは、確かに気持ちいい。

「ふぅ、ん、ちゅる…、んぢゅ、ぢゅぅ…っ」

音だけでなく積極的に声も出して、いやらしい様子を見せつけながらフェラを続ける千草ちゃん。
これだけでも俺のやった事、千草ちゃんを女に堕とした事への成果として喜んでいるけれど、まだ千草ちゃんにはあげない。
精液を放つのは、さっきも注ぎ込んであげた彼女の膣内だ。
後ろに引いて、千草ちゃんのフェラから逃れる。

「ぁ…」

その瞬間、寂しそうに声を出している彼女は、よほどこのちんこが欲しかったのだろうか。
内心笑いながらも、見下ろしながら言ってあげる。

「…千草ちゃん、しゃぶってるだけで満足かな?」
「……」
「本当は欲しいんじゃない? さっき俺が出してあげたおまんこに、ぶち込んで欲しいんじゃない?」
「……」
「正直に答えてあげれば、今なら優しく抱いてあげるよ?」

正気を失いそうな目をしながらも、千草ちゃんはちんこから目を離さない。
息を荒げて、ぼうとした表情で、千草ちゃんは俺の問いに答えてきた。

「…ブチ込んで。俺のナカに、羽張のデカいちんぽ…、精液、注ぎ込んで…」

お尻を向け、いまだ俺の精液を中に入れたままのまんこを広げて、彼女は俺に屈服している。
その行動に笑みを浮かべて、じらす意味も必要も既に無くなった事を実感しながら、俺は腰を前に突き出すのだ。

「じゃあ千草ちゃん、お望み通り…、注ぎ込んであげるよ!」
「はぁぁぁ! 入って…、きたぁぁ…!」

既に十分濡れそぼり、俺の精液までナカに入っているのだから、潤滑油としては十分すぎた。
先程も感じていた千草ちゃんの膣内の感覚を、再び味わうように腰を引いては押し込み、抽送を繰り返す。

「はぁっ、あんっ、っく、キツ、イィ…っ!」
「ほんとに、こんなによがっちゃって…、そんなにこのちんこが良いのかな!?」
「良いのぉ! ちんこ突っ込まれる事が気持ちいいのぉ!」
「男に戻れる可能性を捨てる位?」
「戻らなくていい! ちんぽ突っ込まれる方が、男に戻るよりずっと良いよぉ!」

腰を掴まれ、バックから突かれている千草ちゃんは、声高に叫ぶ。
それは彼が男であることを捨て去ったという事実。女であることへのぼやきを、もはやポーズでしかありませんと伝える彼女の敗北宣言。
ちんこを持つことの誘惑より、ちんこを欲しがる事への誘惑に、彼女は負けたのだ。

だから悦びをあげよう。孕むくらいに、その膣奥に注ぎ込んであげよう。

「じゃあ…、全部受け止めてよね、千草ちゃん! この淫乱女!」
「んくぅぅぅぅぅっ!!!」

絶頂は同時。彼女の奥底、子宮までめがけて精液を流し込むと、彼女はそれを悦ぶように全身を震わせ、絶頂の快感に身を浸した。
弛緩したまんこは、それでも尚ちんこと精液を求めて蠕動していた。

「はぁ…、んぢゅ…、ちゅぅ…」
「千草ちゃん、タガが外れたらこんなに淫乱になっちゃって」

翌日、「銀の湯」にやって来ると、お客さんを取ってる千草ちゃんに出くわした。
1人だけでなく、2人3人と同時に男に抱かれて、悦びの声をあげてまぐわっている。

「お尻っ、後ろにも突っ込んでぇ…! 前だけじゃ足りないよぉ…!」

既に膣で咥え込んでいるにも関わらず、彼女はさらなる快感を求めていた。それがタガの外れた彼女の欲望だと理解するのに、それほど時間は要らない位で。
それに気を良くしたのか、常連さんたちは藤花さんをそっちのけにして千草ちゃんに群がっている。
今の彼女は前後に突っ込まれ、両手でちんこを擦り、口にまで咥えている、立派な淫乱女の姿をしている。
もう誰が見たって、元男だなんて思う人はいないだろう。

「これも“俺”の目的の一つだったりする?」
「そりゃ当然。千草ちゃんは女の子に堕とすつもりだったんだから」

放置された藤花さんが話しかけてくるが、俺はそれに笑って返す。
一人だけ無事で終らせるだなんて、そんな事あるわけないじゃないか。

「…後は折を見て、千草ちゃんを千草くんに戻してあげればいいかな」

堕ちたからこそできる事もある。抱かれ続けている彼女を、彼に戻す時。それをいつにするかを考えながら、今日は藤花さんとスる事を決めたのだった。
Buildは意外と難産だったかもしれません。要素交換、という部分まで手を加えるのは早計だったと今では理解できます。
多分要望が無ければあんまり出さないかも。

話を続ける度に思うのは、「次回作が望まれているのか」ということ。
活力はレスポンスにあるのだな、と思う事しきりです。
罰印
0.1070簡易評価
7.100きよひこ
Q「次回作が望まれているか」
A「YES!!」