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堕落の鎧

2018/05/26 18:11:44
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日が差し込まない遺跡特有の冷たい空気、露出したアソコでそれを感じ身震いする。
ようやく、ようやくこの瞬間が訪れた。
今私の股間を隠すものは、下着で言うならクロッチ部分の大きさしかない金属製のパーツだけ。
それをずらし、ひっそりと息づく女の園をようやく露出させる事ができたのだから。

ここにはもう邪魔者はいない、あたりに転がる石くれや瓦礫はここにいた無機質な守護者のなれの果て。
すでに加護の力に任せ、全てを食い散らかした後だ。

そして、ここは人の訪れることなど稀な森の奥深くにある遺跡。
誰に何の遠慮をする必要があるだろうか。
そう思えば止まらない、止められるはずがない。
ただでさえ雌のスイッチが入ってしまっている、今から街に戻ってなど私自身辛抱できるとは思えなかった。

欲望に導かれるまま、きめ細かく適度な弾力を返すお腹を指が滑り降りる。
指先に少し力を込めれば、隠されたわずかな暗がりの奥から私だけの花弁が僅かに見えた。

「はぅ……」

期待に満ちた熱い熱い吐息。
私の体と心は完全に燃え上がり、これからの準備を整えてしまっている。
太ももを伝う雫、それがそこに幾筋もの小川を作ってしまっているのが何よりの証拠。

(私、発情しているんだ……)

これこそ、朝から定期的に襲われてきた症状の正体だった。

人間に決まった発情期なんてないのに、ないはずのものを感じる体に変化改造されていたという現実。
でも全然怖くない、理不尽とも思わない。
もしかしたら、思えないようにされているのかもしれない、でもそれが何だというのだろう。
これから味わう極上の快楽に比べたら些細な事。
むしろ、そんな体にして貰った事を感謝したいくらいだった。

未開の地を踏破する探検家のように、おっかなびっくりといった感じで私は指を進める。
クリトリスを経て、閉じられた貝を優しく割り開く。
初めて直接触れる女の秘所、おしっこの穴とその下に愛液の川の水源がある。

「……ん、あ!」

私はそこへ一息で指先を沈めた。
これが、男では感じえない、体の中に受け入れる器官がある女だけの『挿れられる』という事。
その未知の感覚に大きく身震いする。

そして、トロトロにふやけた肉壺の淵をなぞる様に、ゆっくりと具合を確かめる。
指によって柔らかく形を変える感触、脳にフィードバックされる気持ちよさに私は歓喜した。
まさに、体の中をかき回される、そんな言葉がぴったりであった。

私はおずおずと背中から寝そべり足を開く。
男に組み敷かれ、男を受け入れる体勢。
自分からそんな恥ずかしい恰好をしてしまっている、という事実が更なる興奮を煽る。

でもいいんだ、ここには私以外誰もいないし、この姿勢が一番楽なんだから。

そうだ、ここは誰もいない。
誰も私の恥ずかしい恰好を見る人もいないし恥ずかしい声を聴く人もいない。

「は、あ……ん、ひ……あひっ!」

なら

「ふは、い、いい……もっと、は!んーっ!」

それなら

「ひあ!あーっ!んきゅ……ん!いひぃ!なかぁ、いいよぉ!」

何も我慢する必要なんてない、思いっきり女を開放してしまってもいい。
いくらでも好きなだけ女を堪能してもいいんだ。

「ひいっ、しゅごひ、すごひぃぃ!ここ、んあ、ここぉ!」

だから普段は心の中でしか言わなかった事、今くらいならそれを口にしたって。

「お、お……おま、んこ……!おまんこ、ふぁ……おまんこ、気持ちいいよぉ!」

その言葉が耳に入った時、びりっと凄い衝撃が頭を駆け抜けた。
私はそんなえっちな言葉を口にしてしまったという事実、それすら脳を焦がす悦楽の一部として。

「あ、ああっ!クリトリスも、ちくびもぉ!しゅごぉいっ……!」

いやらしい言葉が次から次へと沸き上がり止まらない、もう止める気も起きない。
言葉の毒に侵された私は、恥も外聞もなく性器を直接触るオナニーに没頭していた。

第二関節までを肉壺に突っ込みぐりぐりと掻きまわす。
ビンビンに尖り充血した乳首とクリトリスを摘まみ上げ、人差し指と親指でぐにぐにと転がす。

「ひぃっ、イク、イクイクいっく!いっ……きゅぅぅぅぅっ!!」

普通なら痛くてたまらないような激しい責めをしてしまったのだから、達するのはあっという間だった。
ピンと足を延ばし、折れるくらい背筋をそらして、女の極をこれでもかと味わい記憶に刻み付ける。
間違いなく今まで感じた中で一番の快楽。

でもまだ先がある、そんな確信に誘われるまま、私はまたおまんこに指を入れる。
ここは自分だけの場所、との安心感に身を委ね無防備な自慰を続ける選択。
だが、それは大きな間違いだった……。


────────────────────────────────


どれくらい時間がたっただろうか。
愛液でびちゃびちゃに濡れた床の上、私はまだ陸に打ち上げられた魚のように体を跳ねさせていた。
何度イっても、何度気を失いかけても、飽きるという事がない。
同じ感覚に晒され続けていると脳の防衛本能が働き感じ方を鈍らせると聞くけれど、何故かそうはならないのだ。

でも、心はそうであっても体は別。
愛液でふやけた指が抜け、腕ごと床の上に放り出される。
比喩ではなく本当に指一本動かせそうにない。
それなのに、さっきまで指を突っ込んでいたところはヒクヒクと痙攣し、もっともっと欲しがっているのだからたまらない。

「もう、さすがに無理……」

大股開きの情けない恰好のまま、誰にともなく口にする。
勿論独り言で、誰かの答えなんて期待していない言葉だったはずなのに、まるで答えるかのようなドンという足音が私の耳朶を打った。

「うそ、なんで……!」

声が震える。
音の先、私の足の方向に現れた大きな影は牛の頭を持つ魔物、ミノタウロス。
とっさに腕を目で追えば目新しい傷、私が戦った個体に間違いない。

追いかけてきた?
ううん、疑問形ではなくそれしか考えようがない。執着心が強いと聞くけれどまさかこんな所にまで。
しかも、今の現れ方からから考えれば、こいつは狡猾にもこの時を待っていたのだ。

「ひあ……!」

逃げるまでもなく両手を抑えられ腰を浮かされる。

「や、まっ……あ、ひあああああーっ!やぁあぁぁぁっ!!」

何をされるのか、理解したときには全てが遅かった。
ぱっくりと口を開けた私のおまんこにミノタウロスの凶器があてがわれ、一気に貫かれた衝撃が頭まで突き抜ける。
私はただ叫び、その事実を噛み締める他はない。
よりにもよって、初めて受け入れた男が人間ですらない相手である事を。

「は、ひゅっ……かは、ぐぷぅ」

いくら溢れるくらいの愛液で濡れ十分にほぐれていたとしても、私のここは人間のモノを受け入れるための場所。
それに倍する巨根を無理矢理根元まで捻じ込まれたら苦しいに決まっている。
子宮が内臓ごと押し上げられ、胃や肺がその圧力で委縮する。
それで呼吸が妨げられたのだろうか、異様な音がが口から洩れ、そして喉を焼く胃液に私はのたうった。

そして追随するように訪れたのが痛みだった。
処女膜を破られた破瓜のそれと、膣粘膜が千切れそうになるくらい引き延ばされている事に起因するもの。
命の危機ですらあるかのような反射反応に、私は危うく意識を持っていかれそうになる。

「い、ぎひぃいい……っ!」

それを引き戻したのは痛みに匹敵するくらいの苦しさだ。

麻で編み込まれた手袋をはめている時、手を入れる口の部分を摘まんで抜き取ったらどうなるか。
手袋は裏表がひっくり返るだろう。
苦悶の声はまさにその恐怖をあらわしたもの。
私に突き入れた巨根を引き出そうとの動きに、おまんこごと引きずり出されるんじゃないかと思うくらいの衝撃に悶絶する。

(こんな、こんなの繰り返されたら……壊れる、壊される……!)

考えたくもないのに恐ろしい未来を予見せずにはいられない。
相手は魔物、私の事を気遣うなんて事があるはずがないのだから。

「か!ぐぷぃっ!」

容赦のない二度目のピストンで口から胃液がこぼれた。
もう痛いかどうかも分からない、あまりに強い刺激に脳が感覚をシャットダウンさせたのかもしれない。

光を失った目に、私のお腹を突き破らんばかりに形が浮き上がる巨根が映る。
それはそうだ、こんなの突っ込まれたら抵抗なんて出来るはずがない、ただレイプされるままになるしかない。
もういいや……と視線を外そうとしたとき私は一つの変化に気づいた。

下腹部を覆っていたインナーが開いたとき、お腹に痣のような模様が浮かんでいて不思議に思ったのだ。
その時は特に違和感や変な感じもなかったので、気に止める事もしなかったのだけれど。
今、その痣が模様のようにぼんやりと光っている。

「にゅ、あ……あひ、なにこれ……!」

突然、そこに火が付いたかのように熱く、何かが煮えたぎるような感覚に襲われ表情が蕩けた。
正確にはその内側、子供を授かる器官がぐじゅぐじゅと蠢くようなそんなイメージとともに。

(か、変わってる、変えられて、る……また、この呪いで……!)

もう馴染んだと言ってもいい、何度も何度も体感した身体変化。
でも、こんな状態で何になるというのだろう。

「ひっ、くぅん!」

そんな事などまるでお構いなしな三度目の蹂躙。
またも臓器が浮き上がるような感覚に歯を噛み締める。
苦しい、でも……一回目二回目に比べればずっと楽に感じていた。

「あ、ああ……!?ふあっ!」

それどころか、引き抜かれ四度突き込まれる時には、もう確実に快感を伴うものになっている。
いくら何でもこの数回で慣れるはずがない、となれば、やはりさっきの痣が光っていた事が関係しているんだろうか。

「い、いひ……っ、きもち……んぅ!」

ずぱんずぱんとリズムミカルに打ち据えられる魔物の腰使いに、気持ちいいと口走りそうになったのを何とか抑え込む。
冗談じゃない、私はこいつに無理矢理抑えつけられてレイプされているというのに。それなのに、
感じてるなんて、そんな事を認めたくなかった。

そうだ、そんな事ありえない、認めたくない、肯定なんてしたくないのに。

「ひ、きゅうっ!あ、んん……やぁ……っ」

体はどうしても正直に反応してしまう、さっきまであんなに嫌だったのにどんどん快楽を貪っていってしまう。

(だめ、だめ、このままじゃ……このままじゃあ)

快楽の増大と反比例して消えていくのが反発の感情。
こんな相手に奪われた初めてと、与えられた苦痛の記憶、それが一突き毎に絆され心の表舞台から降りていく。
気持ちいいから許してしまう、セックスしたから好きになってしまう、私を求めてくれるから私も求めてしまう。
理不尽とも言えるそんな感情の動き、それを否定したく私は心の中で叫んだ。
望んでもいないのに無理矢理突っ込まれ、ただ一方的に性欲のはけ口にされているのに、なんでこんな気持ちになってしまうのか。

(これが女の感情なの、これが女というものなの?)

整理のつかない心理の荒波に翻弄される中、私は唐突に理解した。

そもそもこんな乱暴な性交に快感を感じてしまってるのは、お腹の奥が呪いによって変えられた感覚の後の事。
苦しいままだったら嫌悪感と反抗心で一杯だったはずだ。
女性化の呪いは私の望む方向へと変わっていく、そう勝手に思い込んでいた。
もし私の意思なんて関係なく、ただ女の快楽を与えるように、それに逆らうなんて事が出来なくなるように変えていくものだとしたら。

そう、今にして思えばこの呪いそのもので苦痛を味わった事なんてない。
常に快楽、悦楽、快感、恍惚。
きっと今だってそう、ただ気持ちよくなるように体を変化させ心を誘導する。
今までは、たまたま私の意思と呪いが指し示す方向が同じだっただけ、私が勝手に都合よく解釈していただけ。

「そんな、そんなのってぇっ……!」

事実、私の心はこの行為を、魔物との本気のセックスを受け入れ始めているのが分かってしまう。
私の柔肉が魔物の男根を離すまいと絡み付いているのが感じられてしまう。
あんなにキツキツだった私のおまんこが、巨大な男根をたやすく受け入れるようになってしまっている。
肉と肉がぶつかり合う音が早くなるにつれ、一緒に昂っていくのが理解できてしまう。

(いや、嫌なのに……嫌なはずなのに、なんでこんなに感じて……!)

胸の奥に生まれたふわふわとした何かが大きくなるにつれ、心が締め付けられる切なさが膨張していく。
私に否応なくその時を、ミノタウロス相手に幸せを感じてしまう淫乱女に堕落した事を告げるために。

「いっ……ひぅ!んふ!んんぅ、うぅっ!」

びくんっ!と全身が硬直しそして緩やかに弛緩していく。
声を抑え込んだのは、相手にイっているという事実を知らせたくない、とのささやかな矜持のなせる業。
でも次の瞬間、そんな抵抗はあっけなくへし折られだ。

「……はぁ!や、なか、中でっ……ふぁ、や、ああぁぁー!!」

胎内で脈打つミノタウロスの男根が爆発したのだ。
私の中に容赦なく吐き出された灼熱の塊、それが子宮の中に流れ込んでくる感覚に雌の本質が歓喜の声を上げさせられる。
それはとても素晴らしく幸せな事だと、圧倒的な強制力をもって私の魂に刻み込まれてくるかのよう。
子を成す器官を持つ雌なら、絶対に逃れられない業なんだって。

(ああそっか、そうなんだ……なら、もういい……いいの、どうなったって……気持ちよくなれれば、もう、それで……)

突っ込まれて中に出されたら言いなりになるしかないって、そういう風にされてしまったと理解したから。


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