意気揚々とふたばで外出する時の制服を身に付ける。
ポケットの中には女の子用のハンカチとか小物、下にはお気に入りの下着。
今日は私の処女をあげたあの男、トシアキと二度目に会う約束の日。
正直この時間が来るまでの間は憂鬱だった。
あの日、かずはさんのお店から部屋に戻り、清彦に戻り、普通の日常に戻ったはずなのに
何をしても頭を巡るのはふたばの事ばかり。
より正確に言えばセックスの事、勿論男に挿れられる側の妄想ばかりだ。
バイトにも身が入らず、変身薬が使える時間までただただ無為に過ごすだけ。
ずっとふたばのまま過ごせたら良いのに……という想いすら去来する始末。
だからこうして、ふたばに変身した自分を見るだけで言い様のない高揚感に包まれてしまう。
今日会う場所はかずはさんのお店ではなく、別途用意してくれた場所だ。
清彦が住むアパートとはまるで違う高級そうなマンションの一室。
勿論えっちな事をする用で生活するスペースではない。
かずはさんはそういう部屋をいくつか持っている、と聞いていた。
カードキーで中に入れば、一揃えの男性用靴が目に入る。
すでに彼は来ているらしく、それがわかれば自分を落ち着けるため深呼吸をする。
待つこと数秒、落ち着いたところでローファーを脱ぎ捨て部屋の中へと足を踏み入れる。
「やあふたばちゃん、待ってたよ」
すると、彼、トシアキがソファーから立ち上がり出迎えてくれた。
会うなりいきなりベッドに押し倒されて犯されちゃう、なんて妄想も勿論あった。
でも今の、座るよう促され飲み物を振舞われ普通にお喋りしちゃってる、なんて状況は予想外にも程がある。
と言うか拍子抜けして残念ですらあった。
しかしながら、逆に楽しいという気持ちも出てきているのは事実で内心複雑だ。
「この前はごめんねふたばちゃん、かずはさんの頼みとは言え嫌がってたのに無理やりでさ」
彼の口から出る謝罪の言葉。
「今日呼んでくれたのは嬉しいけど、大丈夫かい?無理してない?」
私のことを気遣う優しい言葉。
「それにしても、こうして改めてみると本当に可愛いよね、あの学校はレベル高いけれどふたばちゃんはその中でも別格だよ」
そして、私の顔を褒め、スタイルを褒め、制服が似合ってると言い、仕草が可愛いとおだてられては嬉しくない訳がない。
最初は遠慮がちな返事しか返していなかったのに、いつの間にか彼のペースに乗せられお喋りを楽しんでいる私がいる。
喋る事自体得意ではないはずなのに、ごくごく自然に言葉が出てしまう。
「ふたばちゃんが男苦手なのは付き合った相手が悪いよ、その点俺相手なら普通に話せてるし」
それがトシアキの話術とでも言えばいいんだろうか。
いつの間にか彼からトシアキ、トシアキくんと心の中で彼を指す言葉が変化してきているのも自然な事のように思える。
最初は向き合って座っていたのに、今ではもう隣同士で座っている。
距離の近さにドギマギする中で、かずはさんが言っていた百戦錬磨という言葉と女食いの噂を改めて思い出した。
こうやって女の子を安心させ心地よくして距離をつめていく、いかにもモテる男のやり方。
清彦なら嫌悪感を感じたかもしれない、でも悔しいけれど私はすっかりその術中にはまってしまっている。
「綺麗な髪だね、手入れ大変じゃない?俺少しだけどスタイリストの勉強した事あってね、キューティクルの状態見てあげようか」
髪を褒められ優しく撫でられるのが嬉しい、肩に回された手にも嫌なんて気持ちは出てこない。
ドキドキするのが止められない、よく分からないけれど、どうしょうもなくときめいてしまう。
これがきっと女の子の気持ちなんだろう、そう考えれば自然にそんな気持ちがわき上がる私を嬉しくも思う。
体だけじゃなく心でも女の子が出来ているという事なんだから。
「ねえ、ふたばちゃん」
そこを見計らったように名前を呼ばれた。
なに?と返すとトシアキくんはこう続ける。
「キスして、いい?」
いよいよ来た、と思う。
元々エッチするつもりで来たんだから今更なのに、何でこんなに心に響くのか。
(ああそっか、そのために言葉で私の気持ちを盛り上げてたんだ……)
そう気が付けば全てが腑に落ちる。
私を抱こうと思えばすぐにでも出来ただろうに、ちゃんと手順を踏んでわざわざ時間をかけてくれた。
そんな想いと真っ直ぐに見つめてくる視線に
(トシアキくんになら、いいかな……)
そんな恋する女の子のような気持ちを自覚してしまえば、もう拒否する理由なんてない。
彼だって断られるなんて思っていないはず、なら素直にこれからを楽しんでもいいじゃないか。
「……うん」
もう情欲を隠す気も起きなかった。
熱にうなされた表情と言葉で肯定の意思を伝えれば、私の唇は瞬く間にトシアキくんに奪われてしまう。
「ちゅ、はぁ……ん、んんん!んっ、ふ、はむぅっ」
すごい、すごい……!
かずはさんの優しいキスとは違う、男の本能のままに貪らせる乱暴さに私は身震いした。
トシアキくんの匂いが、トシアキくんの唾液の味が、トシアキくんの熱い息遣いが、全部丸ごと一気に押し寄せる。
かずはさんの時と同じ、でも決定的に違うのは相手が男である事。
女の本能とでもいえばいいんだろうか、男に求められるというだけで否応なく体が反応してしまっている。
興奮し過ぎてこれ以上されたらもう訳が分からなくなってしまいそう。
そんな恐怖にトシアキくんの舌を締め出そうと私は歯をかみ締めた。
「ふ、んふ……!」
歯をなぞられ歯茎を舐められる、でもこれ以上はダメと頑なに。
その時、ふ、と小さな息が頬にかかった気がした。
(笑った?トシアキくんが?)
なんで、と思い至る前にその答えが私の背中を駆け上がる。
下着の中に滑り込んだ手が、私のお尻を力任せに掴んだ、その刺激だった。
あらぬ所からの責めに私の体は反射的に動いてしまう。
そしてそれだけでは終わらない。
力任せに揉まれた次は指の腹でやわやわと撫でられる。
緩急をつけた二つの攻め方に、閉じようとした門はあっという間に破られてしまった。
「お、おしりっ……にゅんっ!?あ、ぶ、ちゅううっ、ん、ちゅ、ふうっ……」
トシアキくんの舌が防壁を失った私の口を思うままに蹂躙し犯していく。
同時にブラウスのボタンが外され零れ出た胸がブラごと揉みしだかれる。
濃厚な男の味と激しい指使いに思考がドロドロに溶け頭の中が沸騰したかのよう。
お前の全ては俺のものだ、そんな言葉を体現するかの如きトシアキくんとの初めてのキス。
その全てが素晴らしいものとして私の心に侵入してくる。
(あ、うそ……うそうそ、私……キスだけで、キスだけでイ、イッ……!)
頭が処理出来る許容量を超えてしまったのか、あるいはオーガズムによるものなのかは分からない。
分からないけれど、少しの間気を失っていた事だけは確か。
気が付けば、笑顔を浮かべるトシアキくんの腕に支えられていた。
ううん、支えられているんじゃない、抱き上げられているんだ。
やがて背中に感じる弾力によってようやく理解した。
私はベッドに運ばれていたんだって。
「とても敏感なんだねふたばちゃんは、でもそういう女の子は可愛いし俺は好きだよ」
私に覆いかぶさる体制でトシアキくんが囁く。
鼻をくすぐる男の汗の匂いも相まってキュンキュンするのが止まらない。
私が気づかないうちに下着も剥ぎ取られしまったのか、トシアキくんの指が胸に沈み込む感覚に頂が硬く勃起してしまう。
「ふたばちゃんエッチだね、濡らす必要もないくらいぐちょぐちょにしちゃって、期待してたのかい?」
トシアキくんの言葉通り、私のおまんこはとろとろと愛液を垂れ流し、ふとももまで溢れてしまっている。
そんな熟れに熟れたところに亀頭を押し付けられたのだから、もう我慢できるはずもない。
「あ、ああ……そんなこと、ないのに……初めてが忘れられなくて、勝手に欲しくなって……」
声が震えるのは恥ずかしさと期待感ゆえ。
そしてかずはさんが言った通りなら、トシアキくんは私のいう事を聞いてくれるという確信あっての事。
「はふ、ぅ」
トシアキくんが腰をゆっくり突き出す。私の膣口が広げられる感覚に熱い吐息が零れた。
このまま奥まで……私も腰を浮かせ誘いこむような体勢をとるも、そこまで。
待望のおちんちんは先っぽがほんの少し入ったとこで止まってしまう。
「ふたばちゃんの要望には応えるように、かずはさんからは確かにそう言われてる」
トシアキくんの言葉に、じゃあなんで、と泣きそうな顔で見上げる。
「でもさ、こういうのはお互い気持ちよくなってこそだと思うんだ。
ふたばちゃんは気持ちいいだろうけれど、俺ももっと気持ちよくなりたいし、できれば盛り上げて欲しいな」
欲しくて欲しくてたまらないのに、まるでお預けを喰らった犬のよう。
でもトシアキくんの言葉には応えたい、お互い気持ちよくなってこそなのはきっとその通りだから。
セックスに染まった頭で考える、どうすればトシアキくんの気持ちを盛り上げれるだろう。
どうすれば男の子をその気にさせられるだろう……と。
そんなのは簡単だ、だって私はふたばだけど清彦でもあるんだから、清彦が喜ぶことをすればいい。
散々ゲームとか遊んで知ってるはずだ、男が夢中になる征服欲を満たせるような言葉を。
「い、入れてください……トシアキくんの、おちんちん……」
「どこに?」
ぐ、と僅かにおちんちんが私のおまんこへ潜り込む。
そうなればもう堰を切ったが如く、えっちな言葉の奔流が止まらない。
「お、おまんこです!私のおまんこに、トシアキくんのおちんちん、入れてかき回して!お願い!」
そんな淫らな懇願に対して最高のご褒美が与えられる。
一瞬でおまんこの奥の奥までおちんちんに埋め尽くされ、私はその悦びに打ち震えた。
(これ、これ!これが欲しかった、この太いのが欲しかった!)
物理的に満たされると同時に、飢えていた性欲も満たされる。
満たされれば満たされるほど、気持ちよさが溢れ女の子としてされるセックスが好きになってしまう。
「いいっ、トシアキくんのおちんちん、いい、気持ちいいよぅ」
「ふたばちゃんの中もいいよ、ほら、もう少し締め付けるように……そう、いい子だねふたばちゃんっ!」
「ん!ぁはっ!」
強烈に突き上げられお腹の奥が持ち上げられる。
密着させたまま腰をぐるりと回転させられれば、きゅうっとおちんぽを締め付けたおまんこも一緒に動くのは道理。
おちんぽをじゅぽじゅぽ出し入れされるのとはまた別の気持ちよさに、腰が勝手に動いてしまう。
二度目という事もあり体も慣れてきたんだと思う。
かずはさんのお店で犯された時とは違い、考え感じる余裕ができていた。
おちんぽを何度も挿入されていると亀頭が擦れた時一番痺れが走るところに気づく。
そこがいい、そこが一番気持ちいい。
バイブでは試した私のGスポット。
今度はそこを生ちんぽで重点的にこしゅこしゅされたい、もっと弄られたい。
「ふ、あ……トシアキくん、おねがい、そこ、んっ……もうちょっと奥、の……あ!そこ、そこぉ……!」
トシアキくんはすぐに私の言いたいことを察してくれた。
「おねだりなんて、すっかり俺のペニスが大好きになっちゃったみたいだね、ふたばちゃん」
嬉しい、私が欲しいことを正確にしてくれる事が嬉しい。
「うん、うんっ!だぁいすき、ああ!あ!んっ、大好きぃ、だってだってぇ気持ち、いいんだもんっ!」
短く細かい動きで何度も何度もGスポットを刺激され、おまんこがひくんひくんと痙攣する。
もうすぐイける、また至高の時間が味わえる。
その思いとトシアキくんに言われた言葉が交差し、私は思いっきりおまんこを締め付けた。
「もうっ、わたしもうっ……トシ、トシアキくんも、いっしょ、に……」
白く霞んで行く視界の中でトシアキくんが笑った気がした。
でも、その意味を考える時間を与えられないまま限界が訪れる。
何度感じても飽きることのない、それどころか高さと深さを増すばかりの頂からのダイブ。
「出すよ……!」
と同時に、トシアキくんのおちんちんが私の中から引き抜かれ爆発した。
これが他の人の、トシアキくんの精子……。
……そう言えば処女を上げたときは気を失ってしまって、どっちに出されたのか分からなかった。
でも、きっと今みたいに外に出されたんだろうな。
と、考えながら、お腹に降りかかる熱い感触に背筋を震わせ睫を伏せる。
嗅ぎなれたはずの男の匂いなのに、ふたばの姿だとどうしてこんなにも被虐感と征服感に縛られてしまうんだろう。
「まだ約束の時間まで間があるよねふたばちゃん、二回戦、してもいいかな?」
イった後の開放感に浸っている私とは違い、トシアキくんはまだまだ元気のようだった。
精を吐き出し萎えていたおちんちんが、私のお腹の上でまた固くなっているのがその証拠。
大きく呼吸をしながら私は頷く。
トシアキくんがヤれると言うのなら私に異論があるはずもない、むしろもっともっとして欲しいのだから。
「じゃあ今度はちょっと変えてみようか」
「ふぇ、こんな格好、で……?」
トシアキくんの手が私のお尻を掴みうつぶせになるよう促してくる。
言われたとおり体をひっくり返しお尻を高く上げれば、男を誘うような屈辱的なポーズ。
「ふふ、ふたばちゃんのここ丸見えでとてもエロいよ」
「や、ぁ、そんな見ないで」
じくじくとした疼きに首を竦めてしまうのは、指でおまんこを弄られているから、だけではないだろう。
恥ずかしいけれど、それはこれから与えられる快楽の前触れ。
そう学習してしまった私にとって、恥ずかしさは快楽とほぼ一緒になってしまっていた。
膝立ちのトシアキくんの手が私のお尻に添えられる。
来る、私は枕を抱きこむように抱えその時を待ち、そして
「ふぁ、んん!ぁはぁ……!」
トシアキくんにも私が気持ちいいのを教えるかのように悦びの声を上げる。
でも別に演技とかじゃなく本当に気持ちがいいから。
反り返ったおちんちんの先っぽで、今度はおまんこの背中側をぐりぐり突き上げられる。
こっちの方がより深く奥まで届いているような気すらして、私は思うがままに愉しむ。
「これっ、こっちも……こっちも、ああ!んああっ、こっちもいい……っ!」
じゅぱんじゅぱんじゅぱん。
愛液が溢れる音と、打ち付けられお尻の肉が揺れる音。
そこに私の喘ぎ声が合わさり、さながら性欲を高める淫靡なハーモニーのようだ。
「いいね、ふたばちゃん……素直に感じてくれると俺もご褒美、上げたくなるよ!」
トシアキくんも興奮してくれているのか声は荒くうわずっている。
それがまた、私の体で感じてくれている、と悦びに変換され、さらにご褒美を貰ってしまったら……
「ひんっ!や、クリ、今クリいじめちゃ……んん、ああ!や、らめ、すぐイッちゃうからぁっ!」
精神的な幸せにプラスして与えられる肉体的な快楽。
おちんぽ味わうだけでいっぱいいっぱいなのに、敏感な豆を摘まれて耐えられるはずがない。
私はあっけなく、後ろから突かれまくって二度目の絶頂を迎えてしまう。
「俺より先にイっちゃったか、ダメなふたばちゃんに今度はお仕置きしないとね……!」
「ひんっ!?」
オーガズムを迎え息も絶え絶えだというのにトシアキくんは手を緩めてくれない。
より強いストロークで私の奥をえぐり続ける、まるで私のおまんこは欲望を発散するだけのオナホだと言わんばかりに
イった私に一切の配慮をしない自分勝手な挿入を何度も何度も続ける。
でも、でも……
「かん、じっ!かんじすぎりゅ、からぁ、やぁーっ!やらぁっ!ひ、あ、そこはぁぁうっ!」
そんな風に扱われてさえ私は私の体は、気持ちい気持ちいい、とよがってしまう。
トシアキくんの指が私のお尻の穴に触れた感触すら、悦楽を増加させる隠し味に過ぎなかった。
「だめ、やめぇ……そこ、おしり、違うからっ……!や、やぁああっ!」
「やだって言ってもきゅんきゅん締め付けてくるんだから、説得力ないよねふたばちゃん」
だって、だって仕方がないじゃない。
触られた反射で力を入れれば自然におまんこも締まっちゃうんだから。
おまんこ締まっちゃうとおちんぽ擦れるのをたくさん感じちゃんだから!
「く……そろそろ、出る……!」
トシアキくんがそう宣言したのと、私が三度イったのはほぼ同時。
お尻と背中にかかる熱いザーメンで、また外出ししてくれたんだ、と思いながら私はイき声を上げた。
お腹と背中を男の欲望で染め上げられながら、私は力なくベッドに沈む。
短時間に3回もイかされさすがに疲れた。
動くことすら億劫で枕に顔をうずめながら荒い呼吸をし続けるしかない。
「良かったよふたばちゃん」
そんな私の耳元でそう囁くのはトシアキくん。
何か口にしようとするのをキスで遮って彼はベッドから降りていく。
「ふたばちゃんもう時間だろ?だから今日はこれまで、でも……また声かけて欲しいな」
それがこの日のふたばの楽しみは終わり、と言うことを示す言葉だった。