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魔女の変身薬

2017/01/28 16:19:23
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部屋に戻るが早いか、買ったものを取り出し空っぽになったバッグを部屋の隅に投げ捨てる。
一刻も早く試したい、帰り道で考えるのはただそれだけ。
だからか、もう期待感で胸が溢れそうだった。

初めてバイブを挿入して以来、道具を使ったオナニーばかりしていたが未だその醍醐味を十分味わえているとは言い難い。
道具を使うとは言っても、結局自分の手で操るという事においては手淫と変わらない。
いきなり敏感な所は避けるし刺激するとしてもイく直前、イけばイったで脱力してそれ以上は中々続かないのだ。
だから、機械的に責められまくると言った感じになった事がない。
テーピングで固定してみる等、色々試したもののどれもいまいちだった。

そしてもう一つの問題。

かずはさんの所でも口にしたが、それほど家賃の高くもないアパートにありがちで防音が弱いのだ。
つまり、思いっきり喘ぎ声なんか出した日には隣どころか外にまで聞えてしまいかねない。
流石にそれは不味い、なにより恥ずかしい。

などと言う理由から、折角のラブグッズオナニーも不完全燃焼といった具合。
なればこそ、その不満を解消できる道具を手に入れたのだから、気持ちが逸るのは自然な事だろう。

洗面台の前に立ち、一杯になった薬瓶をその脇に置く。
いつものように服を脱ぎ、いつものようにふたばの姿を思い描き変身する。
今となっては髪の毛一本一本まで仔細に思い出せるといっても過言ではない、清彦が理想とする女の子の姿。

「うん」

問題ないと一つ頷けば、姿だけではなく心までふたばモードに切り替わる。
清楚で真面目な外見、でもその体つきに見合う程度にはエッチな事に興味津々な女の子。
仕草も性格も心もすべてが清彦の理想の鏡写し。

それを演じなりきるのは動画を撮影する時から散々やってきた。
だから今更戸惑いがあるはずもない。
清彦が男の自分を楽しませる為に演じていた私が、私がエッチな女の子であるふたばを楽しむに変わっただけ。

何が違うのかと考えればよく分からない、ただ今はふたばになりきって女の子がするように考え振舞うのが凄く楽しい。

胸に手を当て大きく深呼吸する。
これからやろうとしている事に胸を高鳴らせつつ、私はクローゼットを開ける。
今日使うものを使う姿を思い浮かべながら一つ一つ丁寧に取り出していく。

バイブにローターを3つ、それを固定するためのテーピング用テープ、SM用の手枷とチェーン、そして水着。
水着は、テープで止めたバイブやローターが外れないようにするための保険として考え買ったもの。
バイブにローター、手枷、チェーンに説明は要らないと思う。
そして最後に、かずはさんから買った消音剤、これで全て。

私の想像通りにいけば、これで犯され続ける事が、存分に喘ぎまくる事ができるはず。

「はぅ、もう濡れちゃってる……」

私の痴態を脳裏に描きおまんこを濡らすのも日常茶飯事。
馴染んで久しいその感覚に心を躍らせつつ、まず水着を身に付ける。
ごく普通の競泳タイプのそれ、飾り気のない紺色の下地に明るいピンクのラインが二本。
あまり派手好みではない私にぴったりだと思う。

伸縮性のある生地に優しく締め付けられる感覚を堪能しながら、私はベッドに腰掛け準備を整えていく。
胸の下まで水着を引き上げたら手を止め、双丘の頂にローターを一つずつ押し付けテープで固定して、改めて肩を通す。
女の子特有の丸みを帯びたラインを適度に引き締め、余す所なく浮き上がらせた姿。
そして、水着の上からでもその存在を主張する乳首と浮き出た卵の膨らみがとても淫靡。

ほぅ、と思わず感嘆の声が漏れる。
自分に酔ってしまいそう。ううん、もう酔ってしまっている。
水着の股の部分が湿り気を帯びてしまってるのがその証拠。

「濡らさなくても、バイブ入っちゃう……」

指で割れ目を隠す布をずらし、とろとろにほぐれきったおまんこを露出させる。
舌でバイブの先を舐め、そのまま穴に誘い込んで一息に沈めていくと

「ん、んんっ……」

襞を一枚また一枚と擦り進んでいく度、悦楽の泡が弾けその衝撃が頭まで突き抜けていく。
体の奥まで異物を挿入する事には慣れたけれど、これだけは何度味わっても飽きるという事がない。

「ああ、だめ……だめ、我慢しな……きゃ」

このままぐちょぐちょとバイブを出し入れしたい、という強烈な欲求が沸々と湧き上がるけれどそれは出来ない。
今日はこれからもっともっと気持ちよくなれるんだから、今バイブオナニーを始めるわけには……。
自分にそう言い聞かせ、発情のスイッチを踏まないよう慎重に次なる準備を、クリにローターを固定する作業を続けていく。

「ん、あ、あぁ……」

これだけで気持ちいい、このままぐりぐりと押し付けてクリオナしたい……。
充血し包皮を押し上げる私のお豆をぶるぶると苛めて貰いたい……!

次々と脳裏をかすめるエッチな欲求、それらを宥めすかしながら、バイブが落ちないよう股布に引っ掛ければ

「……ふあ、私、すごい格好……」

そこには、女の子の急所全てをロックオンされ、とろっとろに蕩けた顔を惜しげもなく晒すふたばの姿。
さらに黒い合成皮の手枷を身に付け、鈍く光るチェーンで繋げばもう調教ゲームのワンシーン。
さながら性奴隷にすら見えてしまう。

(調教、あ……そうだ)

その光景が私の心の片隅にとある妄想を生じさせた。
今の私は性奴隷として快楽調教を受けている最中、というエロゲーによくあるシチュエーション。

ご主人様は清彦。
ご主人様に弱みを握られて、嫌々ながらも毎日エッチなことをされて……
私が大人しいのを良いことに行為はどんどんエスカレートして、やがて私もえっちな事大好きになって……!

妄想を広げれば広げるほどきゅうっと胸が締め付けられ切なくなる。
でも、その切なさが凄くぞくぞくした。

早く、早く気持ちよくなりたい、女の子の快感をもっともっと味わいたい。
このキュンキュンする気持ちをたくさん感じたい。

そんな期待を胸に最後の仕上げを行っていく。

かずはさんから買った消音剤、これをスプレーに入れて五、六回部屋の中に吹き散らす。
仄かな甘い香りが広がるのと同時に、室外の雑音が小さく小さくなっていく。
これで、この部屋の中でどんな音を立ててもそれが外に漏れる心配はなくなったはずだ。
誰に気兼ねする事もなく、どんなに鳴いてもどんなに喘いでもいい私だけの空間。

「はやく、はやく……」

私の体を苛めるのを今か今かと待つラブグッズのスイッチを手に持ち、ドアの前で膝立ちの姿勢になる。
そして、手枷のチェーンをノブにぐるりと一回巻き付ければもう我慢なんて出来なかった。

「ん!あぁ、ああっ!きた、これ、これ欲しかった……!」

両手に二つずつ握るスライドスイッチを親指の腹で一気に最強まで持って行く。
振動音と共に私の敏感な場所にセットされたグッズが一斉に目覚め、私の柔肉がぶるぶると震えればもう力なんて入らない。

「ひっ、ひいんっ!ちくび、クリ……い、いいっ、激しいっ……!」

乳首をクリトリスがあっという間にビンビンに固くなり、おまんこの奥をぐりぐり抉られれば全身に火が灯る。
あまりに強い刺激から本能的に遠ざかろうと、体が前のめりになりお尻を高く突き上げる。
ガチャリという鎖の音は、手が地面につく事無く吊り下げられた証拠の音だ。
そして、私の手にあった操作スイッチが床に落ちる乾いた音が続く。

「あ、ああっ、ん、んーーーっ!」

チェーンをドアノブに巻きつけたため、手首を戒められた手は床に届かない。
外そうとしても敏感な所を嬲られたままでそんな事できるわけがない。

「や、やあ、これっ!強す、ぎ……つよすぎっりゅ……ぅっ!あ、ああーーっ!」

目の前がぱっと白くなりイクとき特有の充足感に私は思いっきり身を震わせた。
あっけなく訪れる一回目のオーガズム、でも今日はそれで終わらない、終わらせてくれない。
これは私の考えていた予定通り、でも予想通りじゃない。予想よりずっとずっと遥かに上。

「ひっ、ひぃっ、イ、イったばかり、なのにぃ……!」

気持ちいい、とにかく気持ちいい、気持ちよすぎて乳首とクリトリスがぱんぱんに晴れ上がってる。
晴れ上がってもローターは止まらない、晴れ上がった分だけたくさん擦れて痛みすら感じてしまう。
痛いのに気持ちいい、そんな気持ちがとめどなく押し寄せ涙や涎となって体液を溢れさせる。

「や、やぁ、また、またい、イくっ……!ひっいっっっクぅぅぅぅぅぅっ!」

ガチャガチャとチェーンが擦れる音が一段と大きくなる。
意識してか無意識か分からない、分からないけれど、これは手で床のスイッチを拾おうと無駄な事をしている音。
ちょっと膝立ちして両手をノブの上まで持っていけば、巻きつけたチェーンなんて簡単に外れるのに……。
それが出来ない、出来るはずがない。

「あ、あああ!くるし、イきすぎてっ!かんじすぎて……っ!!」

だって感じ過ぎてそれ所じゃないんだもの。
いくら叫んでもいくら懇願しても道具がそんな事を聞いてくれるはずもない。
私に許されたのはチェーンに体重を預けお尻を高く上げてただイキまくる事だけ。

「こんな、の、すごひぃ……!すごしゅぎりゅ、んあ!また、まらぁいイッ……!ん、んんん!あはぁっ!」

びくんびくんと勝手に腰が跳ねる、体中の震えが止まらない。
このまま溜まり切った快感で体が弾けてしまうんじゃないかと思える程に後から後から押し寄せるてくる。

「おかしく、なるぅ、おかしくあんりゅれりうっ!」

少しでも外に発散しないと壊れる、壊れちゃう。

そんな恐怖すら感じ、滅茶苦茶に体をよじり、思いっきり喘ぎまくった。
もう意味のある言葉なんか考えていられない。
とにかく声を出さないと、叫んでいないと溢れて押し流されそうだった。

「んあああっ、ふあああーっ!ひん!!や、あ゛ーーーっあ゛ーーーっ!むり、もうっむりだからぁ……!」

もう何度イったかなんて覚えていない。
喉も枯れ声もかすれ始めたのに、それでもまだ私を責めて立てる。
気持ちいいのか辛いのかもよく分からなくなってしまった。
胸も、頭も、なにもかもが一杯。
雲の上にいるかのような浮遊感と真っ白に染まった視界の中、私の意識はまどろむように沈んでいったのを覚えている。

────────────────────────────────────────────────────────

私が意識を取り戻したのは明け方だった。
呆然とするなかで一番最初に感じたのは冷たさ、そして鼻をつく臭い。
私の体液でフローリングの床がぐちょぐちょになっているせいだった。

バイブとローターは止まっている、多分電池が切れたんだろう。
そう思えば「ほう」と安堵の息を吐かざるを得なかった。

「くふぅ……」

そして私は水着を脱ぎ道具を全て外して、後始末もそこそこにお風呂に浸かっている。
べとべとな体があまりにも気持ち悪過ぎたせいか、思わずおじさん臭い声まで出して。

「……はぁ、凄かったけど、ちょっとキツイかな……」

慌てて口を手で隠しつつ、そっと手をお腹の辺りにあてる。
バイブは抜いたはずなのに、おまんこの中にまだ何か入っているような気がしてならない。
それだけ凄かったという事なんだろうけれど不思議と顔は綻んでしまう。

予想以上に気持ちよくかつ辛かったけれど、イきまくるとかイきっぱなしとか、そう言うのを実際に体験できたから。
そしてもう一つ、女の子の快楽をより味わい深くするエッセンスもみつけたから。

「ふぅ、ん……」

中指がクリトリスの包皮を優しく刺激し、張り詰めた乳首を軽く転がせば甘美な疼きが沸き起こる。
ここまでは普通のオナニーだけれども、心の中は少し違う。

誰かを想ってする。
そうすると胸の奥に暖かいものが灯り、きゅんっと切なくなる。
これが快楽を増すエッセンス。

「ご主人様……ご主人さま……!」

もちろん思い浮かべるのは男の自分、ご主人様に見たてた清彦だ。
いやらしく胸をまさぐる手も、おまんこの入り口をちゅくちゅくと出し入れする指も、全部ご主人様にされていると思い、
こんなエッチな私を見られていると妄想し、思いっきりクリトリスを押し潰して力任せに乱暴されていると考える。

「あ、はっ……!ん、はあぁ、はぁ……」

浴槽の中にピーンとまっすぐ足を伸ばし私はオーガズムを迎える。
快楽の度合いで行けばイきまくった時より弱い、でも、心に満ちる満足感の質はずっと上。

誰かを想う、あるいは誰かに見られる、この気持ちよさは性的なのとはまったく別。
別だけれども、その二つが合わさった相乗効果は筆舌に尽くし方ものなんだ。

絶頂のあとの心地よさに身を震わせ次のことを考えながら私は浴槽の中でまどろんでいく……。

この日、俺は薬の使用時間を破り、かつ学校を休む羽目になる。
あれ以来始めて清彦の生活に影響を出してしまった。

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